ハッカソン形式の実践的it教育の実施報告

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ソフトウェア科学会 全国大会 2014年9月8日 国立情報学研究所 坂本 一憲, 田辺 良則

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日本ソフトウェア科学会(JSSST)の2014年度の全国大会で発表した資料に,BIGCHA 2014の実施結果を反映したスライドです.

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Page 1: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

ソフトウェア科学会 全国大会

2014年9月8日

国立情報学研究所

坂本 一憲, 田辺 良則

Page 2: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

クラウドアプリケーション開発演習

2013年度

• enPiT クラウド分野 夏期集中講義(8/26-30)

• 3大学: 東京大学、東京工業大学、電気通信大学

• 初日の参加者全員(33名)が単位取得– Linuxの操作、Javaプログラミングの知識を前提条件

2014年度 (実施結果を反映済み)

• enPiT クラウド分野 夏期集中講義(9/23-29)

• 10大学: 東大、東工大、電通大、慶大、早大、筑波大、奈良先端大、広島市立大、埼玉大、東海大

• 59名が参加, 内一般参加13名,57名が満足と回答

2014/10/27 特任教員交流会 2

Page 3: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

広報活動

2013年度

• enPiT説明会で参加大学のみから募集– 電気通信大学は教員経由で参加

• 課題:参加者の所属が偏り、交流が限定的

2014年度

• enPiT説明会に加え、WebサイトとMLで告知– http://bigcha.net/、enPiT/JSSST/早大内/アカリクのML

• その他のenPiT講義・合宿にお邪魔して告知– 東京大学、東京工業大学、筑波大学など

• 目標は50名以上だったが、70名前後を目指したい

2014/10/27 特任教員交流会 3

どこか良い告知先をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示下さい

Page 4: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

告知用のWebサイト(抜粋)

2014/10/27 特任教員交流会 4

Page 5: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

講義内容の概要 (2013)

• ハッカソン(Hackathon)形式を採用– Hadoopというテーマだけ与えて、完全自由に開発

– 教員は8グループを周り続けて助言 (最長23時半頃)

• タイムスケジュール– 1日目:Hadoopプログラミングの講義・演習

– 2日目:楽天の講演(午前)、アイデア出し・アプリ開発

– 3日目:Googleの講演(午前) 、開発

– 4日目:サイバーエージェントの講演(午前) 、開発

– 5日目:成果発表会、審査・表彰、懇親会

課題

• 午前だけでは講演が少なく、協賛企業の枠が限定的

2014/10/27 特任教員交流会 5

Page 6: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

講義内容の概要 (2014)

タイムスケジュール• 1日目:Hadoopプログラミングの講義・演習• 2日目:講演、アイデア出し・アプリ開発

– 楽天、サイバーエージェントによる講演(午前)

• 3日目:講演、ランチセッション、アプリ開発– Google、ブレインパッドによる講演(午前)– リクルートホールディングスによるランチ (昼食)

• 4日目:講演、ランチセッション、アプリ開発– ヤフー、バンプレコーダーによる講演 (午前)– ディー・エヌ・エーによるランチ (昼食)

• 5日目:成果発表会、審査・表彰、懇親会

2014/10/27 特任教員交流会 6

Page 7: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

初日の講義・演習内容 (2013)

• edubase Cloud環境の導入

• Hadoop MapReduce入門

• Hadoop MapReduce詳細

• 演習(レコメンデーション)

• HBase概要・演習

• 講義後質問等へ対応

課題

• 講義範囲が狭い、座学は興味を惹かない

2014/10/27 特任教員交流会 7

無線環境やMac OSへの対応等でもたつき

もたつきの影響もあり、講義を聞かない学生多し

演習は皆取り組むも2コマ目では完了せず

2コマ目の演習を継続する学生も存在

1

コマ目

2

コマ目

3

コマ目

Page 8: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

初日の講義・演習内容 (2014)

ビデオと参考書を用いた反転学習の導入

• NII GRACEセンターのトップエスイー

• 参考書とトップエスイー講義資料配布

• 事前に自習、講義中はハッカソンに集中

• edubase Cloud環境の導入

• Hadoop MapReduce入門・詳細

• HBaseの概要・演習

• Pigの概要・演習

2014/10/27 特任教員交流会 8

1

コマ目

2

コマ目

3

コマ目

講義でしかできないこと

• グループワーク• 講師や講演者の助言• NIIクラウド環境で開発

Page 9: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

協賛企業の支援 (2013)

SEプラスからの献本

• 全員に技術書を配布

Hadoopに関する講演

• 楽天、Google、サイバーエージェント

発表会の審査・表彰

• 上位3チームへの賞品

課題

• 1位のチームが総取り

2014/10/27 特任教員交流会 9

Page 10: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

協賛企業の支援 (2014)

協賛企業の支援内容

• 参考書の献本、午前中の講演会、ランチセッション(お弁当付き)、メディアスポンサー (ML/Web記事)、審査員、企業賞 (発表会で任意チームへ賞を提供)

2014/10/27 特任教員交流会 10

Page 11: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

提供ビッグデータ (2013)

国立情報学研究所 データリポジトリの提供データ [5チーム]• ニコニコ動画のメタ情報、コメントデータ [3チーム]• 楽天が扱う商品・施設・レビューデータ [2チーム]

– 楽天市場、楽天トラベル、楽天ゴルフ、楽天レシピ

学生が自主的にクローリングしたデータ [3チーム]• Twitter(follow関係) [1チーム]• 音楽(洋楽の歌詞) [1チーム]• 書籍データ(洋書データ、青空文学) [2チーム]

オープンデータ [0チーム]• 千葉市が提供するオープンデータ、ゲノムデータ、

オープンソースのデータ(ソースコードや著者など)

2014/10/27 特任教員交流会 11

利用データに偏り, 発表内容に重複

Page 12: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

提供ビッグデータ (2014)

国立情報学研究所 データリポジトリの提供データ• ドワンゴ社のニコニコ動画のメタ情報、コメント、大百科データ• 楽天が扱う商品・施設・レビューデータ

– 楽天市場、トラベル、ゴルフ、レシピ、オークション

• ヤフー社のYahoo! 知恵袋 (協賛により)• リクルート社のホットペッパービューティー (データ追加)

協賛企業からの提供データ• バンプレコーダー社の東京都内の道路情報• サイバーエージェント社のSNSデータ、ゲームの行動データ

オープンデータ• オープンデータのコンテストのデータ(東京メトロなど)

2014/10/27 特任教員交流会 12

良いデータをご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示下さい

Page 13: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

学生の成果物 (2013)

1位のチーム• 読書中の音楽を推薦するシステム• クローリングした洋書と洋楽(歌詞)のデータ

2位のチーム• 日本地図上に宿泊施設(楽天)の評価値を表示• 評価項目毎に表示内容を変更可 (e.g. 食事)

3位のチーム• Twitter上のfollow関係のホップ数の計算• ソーシャルネットワークを可視化

2014/10/27 特任教員交流会 13

データ加工でHadoopを利用

マッチングでHadoopを利用

Page 14: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

講義後アンケート (概要)

2014/10/27 特任教員交流会 15

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

良い

悪い

ほぼ全ての項目で8割以上が高く評価(環境・設備を除く)

Page 15: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

講義後アンケート (詳細)

2014/10/27 特任教員交流会 16

0

5

10

15

20

25

大変良い

良い

悪い

大変悪い

Page 16: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

講義後アンケートで回収した感想

ハッカソンの良さ• 「自主的に自分達だけで進めるのが楽しい」「実際の開発を体験で

きて良かった」「打ち解けていくうちに開発効率が高まり楽しい」• 「夜遅くまで指導してくれて助かった」「企業講演が良かった」

「無料配布の参考書に助けられた」

実施期間の問題• 「一週間では短い」「二週間は欲しかった」「楽しいけど辛い」

役割分担の問題• 「巨大データを触りたかった」「(楽しかったが、)フロントエンド

の開発時間の方が長かった」「分担上Hadoopを触れなかった」

実施環境の問題• 「Macのサポートがない」「無線環境が不安定」

2014/10/27 特任教員交流会 17

自律性はモチベーションにおいて極めて重要

反転学習の導入によって対応

1日目の演習を必須に、チームの教え合いを促す

有線LANを持参するように告知済み

接続用の資料を別途作成

Page 17: ハッカソン形式の実践的IT教育の実施報告

まとめ広報活動• 参加範囲が狭い → 一般参加の募集

講義・演習内容• 範囲が狭く退屈 → ビデオと参考書の反転講義

協賛企業からの支援• 1位総取り → 企業が選んで賞品を提供

提供ビッグデータ• 利用データに偏り → 協賛により提供データの拡大

アンケートの振り返り• 役割分担の問題 → 1日目演習の充実、教え合い• 実施環境の問題 → サポート拡大、有線LANの持参

2014/10/27 特任教員交流会 18

良い告知先をご存知の方がいらっしゃいました

ら、ご教示下さいm(__)m

良いデータをご存知の方がいらっしゃいました

ら、ご教示下さいm(__)m