iphone、ipadを活用した在宅医療システムの運用とその取り組み
DESCRIPTION
在宅医療において、地域のケアパートナーとの情報共有は欠かせない。桜新町アーバンクリニックでは、クラウド型地域連携システムを構築し、スマートフォンや携帯電話でのアクセスを可能にするなど、地域連携のIT化を実践している。動画部分(#11、#24)は以下にあり。11)http://www.youtube.com/watch?v=Gn4J_7nAGD8 24)http://www.youtube.com/watch?v=YnQpHvdLouETRANSCRIPT
iPhone、iPadを活用した在宅医療
システムの運用とその取り組み
− スマートフォンとクラウド型地域連携カルテで
切り拓く未来型地域医療連携 −
医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック 院長 遠矢純一郎 看護師 片山智栄
2011.11.22
第31回医療情報学連合大会
在 宅 医 療
医療法人社団プラタナスの活動
「患者視点の医療サービス」の実現、提供をめざす
• 東京・神奈川に3つの在宅療養支援診療所を運営
• 在宅患者数:
• 施設在宅 40カ所 約1,800名
• 一般在宅 約200名
•複数医師によるグループ診療体制でオンコール担当
医師間のタイムリーな情報共有は必須
在宅医療のグループ診療における情報共有
在宅医療の特殊性
- アウェイの医療
- 24時間365日対応
- 多職種多事業所との連携
在宅医療のチーム医療における 情報共有のあるべき姿
スマートフォンやクラウドシステムを
用いれば、実現可能なのではないか?
•いつでもどこでもアクセス可能
•セキュリティが守られていること
•簡単便利で低コストであること
記録の電子化の流れ
ディクテーション (音声のテキスト化)
医師らへの 診療録メール送信
記録を確認し
メールで送信
電子化
診療録
記録の口述録音
音声ファイル
患者宅
訪問診療
診療所
メールで受信した記録
を電子カルテへ貼付
電子化
診療録 情報共有
記録の電子化で得られること
• 記録・閲覧するのに場所や時間を問わない
• 情報の二次活用が可能
• 検索性の飛躍的向上
書類作成の効率化、迅速化 グループ診療や地域連携先への情報提供の円滑化
患者の急変や病状についての問い合わせ
いつでもカルテを参照したい
緊急搬送時の診療情報提供が必要
どこでも紹介状を作成したい
診療サマリー カルテ情報 患部写真
WineCork
診療情報をいつでもどこでも
診療録や情報提供書をスムーズに作成
医師の持つスマートフォンに自動的に転送
PCで作成した 診療サマリー
診療サマリーをクラウド経由でスマートフォンに共有
Googleカレンダーで往診予定を一元管理・共有
iPhoneのカレンダーと自動同期
在宅医療におけるスマートフォン活用
グループ診療
業務情報の一元管理 診療情報の共有
すべてスマートフォンで解決出来た
往診スケジュール
医師シフト管理
アドレス帳管理
診療サマリー
患者基本情報
患者サマリー
IT化により、訪問診療に当てる時間が約5割増加
現状 サービス利用後
IT化による
医師の業務時間の変化 (1日)
訪問滞在時間
移動時間
カルテ 記録等
ミーティング
救急対応
家族・連絡先 へ連絡等
書類作成 トータル勤務時間 11時間
5.7時間
2.4時間
2.9時間
4.4時間
3.5時間
3.1時間
約50%アップ
IT化前 IT導入後
セキュリティについて
在宅医療の地域医療介護連携における情報共有のIT化
地域連携 IT化の相次ぐ失敗
基幹病院主導型:連携IT化=基幹病院-診療所間の電子カルテをつなぐ
⇒ どれほどの利用ニーズがあるのか?
高コスト: 数千万~数十億円のシステム開発費、毎年の維持費
⇒ 誰が負担するのか?
補助金事業: 単年度予算が切れるとプロジェクトも終了
⇒ 事業化できず、継続性につながらない 「先進的情報技術活用型医療機関等ネット
ワーク化推進事業」(2000年経済産業省)
全国26カ所、総予算56億円で医療連携
システムが構築されたが、すでにその多く
は休止されている
(2006年8月13日 読売新聞)
地域連携で共有すべき情報とは
病院-(在宅)診療所間の連携
基本情報
生活情報 介護状況
身体状況 治療情報 サービス提供者情報
バイタル 診療・ケア記録
在宅移行時、入院退院時などに必要な情報
診療サマリーがあれば良い
在宅での日々の医療・ケアで発生する共有すべき情報
地域医療介護担当者間の連携
日々の診療・ケア記録の共有が必要
在宅医療における地域連携の難しさ
多職種多事業所間での情報共有
医療・介護間の言語の違い
治療やケアの目標が見えにくい
情報共有の現状 患者宅にある連絡ノート 電話やFAXによるやりとり
• 患者宅でしか見ることが出来ない
• 医師からの診療情報が乏しい
• 記録の二度手間、情報の統一性が無い
• 情報の二次活用が出来ない
紙情報
地域連携の情報の流れ
診療所
電子化 診療録
日々の診療記録を 地域連携先へ配信
クラウドシステムに一元化することで全員で共有出来る
クラウド型地域連携システム(EIR)の特徴
- 医療・介護の多職種が等しく記入
- 治療・ケア進捗管理
- 書類帳票作成
- SNS・スケジュール機能
- 安価な利用料
ライトハウス社
家族
薬剤師
医師
看護師
ヘルパー
治療・ケアのプロジェクト管理
NHK ゆうどきネットワーク2010.07.28
「EIR」 iPhoneアプリ版
iPhoneでの記録可能 職種に応じた入力項目
スマートフォンならではの簡単入力
©ライトハウス社 www.l-house.net
©ライトハウス社 www.l-house.net
「EIR」 携帯電話でも利用可能
携帯で写真撮影し
投稿も出来る
在宅チーム医療における 情報共有時の注意点
• 記録は思考過程(アセスメント)を明記し多職種に伝わる言葉で • 互いの職務内容を踏まえた具体的な指示や指導的内容を記載 • 問題意識と仲間意識、協力体制を促進させる • 具体的な行動、ケアに対しお互いに尊重し評価する • チーム力を強化する対面コミュニケーション
・在宅医が必要とされるのは「臨時の対応」
・グループ診療や地域連携に不可欠な「情報共有」
・スマホやクラウドで実現される新たな「情報活用」
在宅医療こそIT化を!