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シンガポールのインフラ関連企業リスト ~アジア新興国を中心に~ ジェトロ・シンガポール 2011 1

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シンガポールのインフラ関連企業リスト ~アジア新興国を中心に~

ジェトロ・シンガポール

2011 年 1 月

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本 報 告 書 に 関 す る 問 い 合 わ せ 先 :

ジェトロ・シンガポール・センター

住所:Hong Leong Building, #38-04 to 05, 16

Raffles Quay, SINGAPORE 048581

TEL:+65-6221-8174

【免責条項】

ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、一切の責任を負いません。これは、

たとえ、ジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。

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1

シンガポールのインフラ関連企業は政府系企業を中心に比較的早くから中国、ベトナム、インド、中東等の新興国に進出し、ビジ

ネス基盤を確立してきた。中国における蘇州工業団地や天津エコシティの開発、ベトナムやインドの工業団地・都市開発、中東の

水処理プロジェクト等を手掛け、新興国経済発展の恩恵を受けている。シンガポール企業は、開発計画の設計やシステム構築に優

れ、更なる市場開拓に向け、資金や最新技術等を有するパートナーを求めている。一方で、日本企業は新興国市場ビジネスを強化

しているものの、参入方法、リスク管理、コスト削減等の課題がある。日本企業がこうした課題を解決し、新興国ビジネスを加速

するための方法として、シンガポール企業との連携が考えられる。こうした問題意識の下、中国、アセアン、南西アジア、中東等

の新興地域でのインフラ関連ビジネスに積極的なシンガポール企業の概要、事業内容、パートナー等について公開情報を基にリス

トアップした。

会社名 分野 国・地域 ページ

1 APL Logistics Ltd 物流 日本、韓国、台湾、中国、フィリピン、ベトナム、

カンボジア、タイ、マレーシア、インドネシア、豪

州、インド、バングラデシュ、スリランカ、パキス

タン、アラブ首長国連邦、米国

6

2 Ascendas Pte Ltd 工業団地・IT パーク 日本、韓国、中国、フィリピン、ベトナム、マレー

シア、インド

8

3 Boustead Singapore Ltd プラント建設・水処理 中国、ベトナム、マレーシア、インドネシア、豪州、

英国、カナダ

12

4 CapitaLand Limited 不動産開発 中国、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、豪州、

アラブ首長国連邦、バーレーン

15

5 Changi Airport Group 空港運営 中国、フィリピン、フィージー、インド、アラブ首

長国連邦、サウジアラビア、ヨルダン、ルワンダ、

ウガンダ、ロシア、イタリア

22

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2

6 China-Singapore Suzhou Industrial Park 二国間共同開発プロジェクト 中国

26

7 City Developments Ltd 不動産開発・ホテル運営 韓国、台湾、中国、香港、フィリピン、タイ、マレ

ーシア、インドネシア、ニュージーランド、英国、

フランス、ロシア、米国

28

8 CitySpring Infrastructure Trust 産業基盤事業信託 豪州

33

9 CWT Ltd 物流 韓国、中国、ベトナム、マレーシア、豪州、インド、

スリランカ、アラブ首長国連邦、エジプト、ガーナ、

ベルギー、オランダ、英国、スペイン

34

10 Darco Water Technologies Ltd 水処理 台湾、中国、香港、フィリピン、マレーシア、イン

ドネシア

37

11 Ecowise Holdings Ltd 環境・廃棄物処理 中国

39

12 Global Logistic Properties Inc 物流施設開発・運営 日本、中国、香港

41

13 Hyflux Limited 水処理 中国、香港、サウジアラビア、アルジェリア、フラ

ンス、オランダ

43

14 Jurong International Holdings Pte Ltd 工業団地・都市開発コンサルタ

ント

中国、インド、アラブ首長国連邦、オマーン 48

15 Keppel Corporation Ltd 複合 中国

50

16 Keppel Energy Pte Ltd 電力・ガス エクアドル

52

17 Keppel Integrated Engineering Ltd 環境 中国、香港、豪州、カタール、ベルギー

54

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3

18 Keppel Land Ltd 不動産開発 日本、韓国、中国、香港、フィリピン、ベトナム、

タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、イ

ンド、サウジアラビア、米国

58

19 Mapletree Investments Pte Ltd 物流施設・不動産 日本、中国、香港、ベトナム、マレーシア、インド

64

20 PSA International Pte Ltd 港湾運営 日本、韓国、中国、ベトナム、タイ、インド、パキ

スタン、トルコ、イタリア、ベルギー、オランダ、

ポルトガル、英国、パナマ、アルゼンチン

67

21 Sembcorp Environment Pte Ltd 環境・廃棄物処理 豪州、インド

73

22 Sembcorp Industrial Parks Ltd 工業団地運営 中国、ベトナム

75

23 Sembcorp Industries Ltd 複合

77

24 Sembcorp Marine Limited 造船 中国、インドネシア、インド、サウジアラビア、米

国、ブラジル

79

25 Sembcorp Utilities Pte Ltd 公益事業 中国、ベトナム、アラブ首長国連邦、オマーン、英

82

26 Singapore Cooperation Enterprise 対外経済技術協力機関 中国、ラオス、インド、アラブ首長国連邦、オマー

ン、カタール、サウジアラビア、バーレーン、モー

リシャス、アルジェリア、リビア、ルアンダ、トー

ゴ、コンゴ、ブラジル

86

27 Singbridge International Singapore Pte Ltd 都市開発 中国

89

28 Sino-Singapore Tianjin Eco-city 二国間共同都市開発プロジェク

中国

92

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4

29 SMRT Corporation Ltd 交通 中国、香港、アラブ首長国連邦

96

30 Surbana Corporation Pte Ltd 都市開発・社会基盤コンサルタ

ント

中国、香港、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、イ

ンド、アラブ首長国連邦

98

31 YCH Group Pte Ltd 物流 韓国、台湾、中国、香港、フィリピン、タイ、マレ

ーシア、インドネシア、豪州、インド

101

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企業名 APL Logistics Ltd

APL ロジスティクス 分野 物流 URL www.apllogistics.com

企業概要

■シンガポール取引所(SGX)上場の海運最大手ネプチューン・オリエント・ラインズ(NOL)の物流部門完全子会社で、97 年に NOL が米大手海運

会社 APL(アメリカン・プレジデント・ライン)社を買収した際に事業を継承。

■親会社 NOL はシンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」の一つ(65.7%保有、09

年 12 月時点)。

■09 年 12 月期のグループ売上は経済危機による輸送の需要減を主因に、前年比 26%減の 9 億 7,600 万米ドル。

■55 ヵ国、300 都市に事務所を持ち、主にアジア主要都市と米国を結ぶ LCL 輸送サービスを提供。

海外プロジェクト

■日本

92 年に APL ロジスティクス日本支社を設立。

■中国

中国国内に約 40 の事務所を保有するほか、02 年に開設した上海市の外高橋保税区内の物流施設をはじめとして国内各地に物流施設を保有。02 年に

は中国の IT 関連機器の物流市場に参入するため、中国の複合企業レジェンド・グループ・ホールディングス(LGHL)との合弁会社 2 社を立ち上げて

いる。

■インド

04 年に APL ロジスティクスと CONCOR 社が合弁でインドのダドリに CFS 倉庫を開設。

■米国

01 年に APL ロジスティクス・アメリカが米倉庫系 3PL の GATX ロジスティクスを 2 億 100 万米ドルで買収。GATX ロジスティクスは北米と南米各

地に拠点を持ち、総面積約 2,100 万平方フィートの倉庫を管理する。

海外拠点 (アジア・オセアニア拠点のみ抜粋)

■日本

APL Logistics Japan(横浜、神戸、名古屋)

■韓国

APL Logistics Korea Ltd(ソウル、釜山)

■台湾

APL Logistics Taiwan Ltd(台北、高雄、桃園)

■中国

APL Logistics China Ltd(福州、広州、深圳、厦門、香港、上海、北京、成都、大連、杭州、南京、寧波、天津、青島)

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■フィリピン

APL Logistics Philippines, Inc(マニラ、セブ)

■ベトナム

APL Logistics Vietnam(ホーチミン、ハイフォン)

APL-NOL Vietnam Ltd(ハノイ、ホーチミン、ハイフォン)

■カンボジア

APL Logistics (Cambodia) Pte Ltd(プノンペン、シアヌークビレ)

■タイ

APL Logistics Services (Thailand) Ltd(バンコク、アユタヤ)

■マレーシア

APL Logistics Malaysia(ペナン、スバンジャヤ、ポートクラン、

■インドネシア

APL Logistics Indonesia(ジャカルタ、メダン、セマラン、スラバヤ)

■豪州

APL Logistics Australia Pty Ltd(シドニー、ブリスバン、アデレイド、メルボルン、フリマントル)

■インド

APL Logistics (India) Pvt Ltd(ムンバイ、チェンナイ、バンガロール、コチン、チュティコリン、コルカタ、グルガオン)

■バングラデシュ

APL (Bangladesh) Pvt Ltd(チッタゴン、ダッカ)

■スリランカ

APL Lanka (Pvt) Ltd(コロンボ)

■パキスタン

APL Logistics Pakistan(カラチ)

■アラブ首長国連邦

APL Logistics UAE(ドバイ)

事業パートナー

■住友倉庫

10 年 7 月に住友倉庫と業務提携契約を締結。業務提携で両社は、日本国内外でビジネス情報を共有し、共同営業を行うとともに、双方の物流網・サ

ービスを連携させることで、顧客層の拡大、付加価値の高い物流サービスの提供、物流事業の拡大を目指す。具体的には、住友倉庫は日本国内で、

APL ロジスティクスの顧客である海外メーカーなどの物流業務を受託し、配送センター業務や輸出入荷物の総合物流サービスを提供する。一方、APL

ロジスティクスは日本国外で、住友倉庫に対して陸海空の輸送手配、買い付け物流、通関などの総合物流サービスを提供する。

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企業名 Ascendas Pte Ltd

アセンダス 分野 工業団地・IT パーク URL

www.ascendas.com

www.a-reit.com

http://aitrust.listedcompany.com

企業概要

■01 年に政府系工業団地運営会社ジュロンタウン・コープ(JTC)傘下の JTC インターナショナルとアルカシア・ランドが合併してアセンダスが誕

生。JTC の未上場完全子会社として、シンガポール国内をはじめ、インド、中国、韓国、ベトナム、マレーシア、フィリピンなどの主要マーケットを

中心に、10 ヵ国 30 都市以上で工業団地やオフィス・スペースを開発・運営。日本の大手企業も多数誘致してきた実績がある。

■同社が開発した代表的なプロジェクトは、「シンガポール・サイエンス・パーク」、「インターナショナル・テックパーク・バンガロール(インド)」、

「大連アセンダス IT パーク(中国)」、「第 2 カーメルレイ工業団地(フィリピン)」など。

■10 年 6 月時点で同社が管理する不動産の資産規模は 100 億 S ドル、管理面積 4,500 万平方フィート、顧客数約 1,800 社にのぼる。

■傘下の工業施設専門の不動産投資信託「アセンダス REIT(A-REIT)」は 02 年にシンガポール取引所(SGX)で上場、10 年 6 月末時点保有不動産

は、シンガポール国内 92 カ所で、時価評価額が約 48 億 S ドル。

■傘下のインド専門不動産投資信託「アセンダス・インディア・トラスト(a-i トラスト)」は 07 年にシンガポール取引所(SGX)で上場、インドの

バンガロール、チェンナイ、ハイデラバードの IT パークを中心に総延べ床面積 480 万平方フィートの賃貸不動産を保有、10 年 3 月末時点の時価評価

額が約 10 億 S ドル。

■2 つの上場不動産投資信託のほか、インドでオフィスビルなどを開発するためのファンド「アセンダス・インディア・デベロップメント・トラスト

(AIDT)」、ベトナム、マレーシア、フィリピンの工業物件を投資対象とする「アセアン・ビジネス・スペース・ファンド」、中国の商業不動産を

投資対象とする「アセンダス・チャイナ・コマーシャル・ファンド」、中国のビジネス・工業パークを投資対象とする「アセンダス・チャイナ・ビジ

ネス&インダストリアル・ファンド」、韓国オフィス不動産ファンド「コリア・オフィス・ファンド(A-KOF)」、韓国工業不動産ファンド「コレア・

インダストリアル・ファンド(A-KIF)」など 6 つの未公開不動産投資信託を設立・運用。

海外プロジェクト

■日本

08 年に日本に全額出資子会社を設立し、日本国内のオフィスビル、物流施設などの取得・運営に乗り出す方針を発表。不動産ファンド形式で向こう

2~3 年間に 1,000 億円規模の投資を行う計画。日本進出では、日本の不動産会社数社と提携し、既設のオフィスビル・物流施設の取得・管理、不動

産投資ファンド運営を行う方針。主に東京、大阪などで不動産取得を見込み、アセンダスは投資額の 2~3 割を拠出し、残りは投資家などから募る。

■韓国

06 年に韓国オフィス不動産ファンド「コリア・オフィス・ファンド(A-KOF)」を設立、アセンダスが 30%出資するほか、サムスン生命保険、韓国

生命保険、LIG 保険が出資。

■中国・

これまでに西安の「アセンダス西安イノベーション・ハブ」、大連の「大連アセンダス IT パーク」、南京の「アセアンダス南京 i-Hub」、蘇州の「ア

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センダス i-Hub 蘇州」、深圳の「ビジョン・ビジネス・パーク深圳」、北京の「ビジョン・インターナショナル・センター北京」、杭州の「シンガポ

ール杭州サイエンス&テクノロジー・パーク」など 7 ヵ所でビジネス&IT パークを整備してきている。このほか工業団地を北京、蘇州、恵州の 3 ヵ

所、オフィス・商業施設を上海で 2 ヵ所、工業賃貸施設を中国各地で 7 ヵ所を運用している。このうち最大規模を誇る大連ソフトウエア・パークと

共同で開発した「大連アセンダス IT パーク」は、第 1 期区分が 07 年にオープンし、これまでに 80%が日本企業などに貸し出されている。知識集約

型企業の誘致を狙う第 2 期区分も 09 年に貸し出しが開始された。第 3 期計画ではオフィスビルと低層の娯楽関連施設を 11 年までに整備する。同 IT

パークの総投資額は第 3 期までの計画全体で 2 億 S ドルに達し、総延べ床面積は 70 万平方メートル、就労人口は 4 万人に上る見通し。また、天津市

の環境配慮型都市開発計画「天津エコシティ」を進める両国の開発主体「シンガポール・天津エコシティ投資開発(SSTEC)」は、09 年にビジネス

パークの計画・開発・マーケティングをアセンダスと共同で行うことで合意している。

■ベトナム

07 年にベトナム国営公社プロトレードと共同で 1 億米ドルを投資して、ベトナム東南部ビンズオン省に工業団地「アセンダス・プロトレード・シン

ガポール・テックパーク」の開発に着手。アセンダス初のベトナムでの工業団地開発で、投資額の 70%を出資。開発予定地は広さ 500 ヘクタールで、

食品・飲料や精密機器、電子、健康産業などの進出を想定、3 年間で工業団地の整備を完了する計画。

■マレーシア

投資ファンド「アセアン・ビジネス・スペース・ファンド」を通じ、スランゴール州サウジャナ・リゾートのオフィス地区「プルンバ・スクエア」を

取得。また、同投資ファンドを通じてスランゴール州スバン・ジャヤに総合物流拠点「アセンダス・ロジスティックハブ、スバンジャヤ」を開発する。

敷地面積は 12 万平方フィート。

■フィリピン

「第 2 カーメルレイ工業団地」を開発・運用。また、マニラでオフィス・ビル「アセンダス・タワー」を開発・運営。

■インド

97 年からタタ・グループなどと共同で開発・運用を開始したビジネス&IT パーク「インターナショナル・テック・パーク・バンガロール(ITPB)」

をはじめ、チェンナイの「インターナショナル・テック・パーク・チェンナイ(ITPC)」と「サイバーベール・チェンナイ」、プーネの IT パーク「イ

ンターナショナル・テックパーク・プーネ」、ハイデラバードのビジネス&IT パーク「サイバー・パール」と「ザ V ハイデラバード」など 6 ヵ所で

ビジネス&IT パークを整備してきている。これらビジネス&IT パークは傘下のインド専門不動産投資信託「アセンダス・インディア・トラスト(a-i

トラスト)」に組み込まれている。さらに、インドでオフィスビルなどを開発するためのファンド「アセンダス・インディア・デベロップメント・ト

ラスト(AIDT)」を 07 年に設立、資産規模の目標は 10 億 S ドル。バーレーンの投資銀グループ、アルカピタやオランダの ING プライベート・バン

キングなどが共同出資した。同ファンドを通じ、コルカタにハイテク工業団地「国際テックパーク・コルカタ(ITPK)」、ハルヤナ州グルガオンで

工業団地「グルガオン・テックパーク」、タミルナド州コインバトールで新たな IT 経済特区(SZE)などの開発を進めている。

海外拠点

■日本

Ascendas Japan Representative Office(横浜)

■韓国

Ascendas Korea Inc(ソウル)

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Ascendas Asset Management Co Ltd(ソウル)

■中国

DLSP Ascendas Co Ltd(大連)

Beijing Ascendas-BETIDC Development Co Ltd(北京)

Ascendas Development (Nanjing) Co Ltd(南京)

Singapore-Hangzhou Science and Technology Park(杭州)

Ascendas-Xinsu Development (Suzhou) Co Ltd(蘇州)

Ascendas Services (Suzhou) Co Ltd(蘇州)

Ascendas (Shanghai) Co Ltd(上海)

Ascendas Development (Tianjin) Co Ltd(天津)

■フィリピン

Ascendas Services Philippines Corporation(マニラ、ラグナ)

■ベトナム

Ascendas Services Vietnam Co. Ltd(ホーチミン)

■マレーシア

Ascendas Malaysia(クアラルンプール)

■インド

Ascendas Property Management Services India Pvt Ltd(バンガロール、グルガオン、プネ、ハイデラバード、チェンナイ、コインバトール)

事業パートナー

■インドの大手複合企業タタ・グループ

アセンダスがインドのバンガロールで開発した IT パーク「インターナショナル・テック・パーク・バンガロール(ITPB)」は、アセンダス率いるシ

ンガポール企業連合とインドのタタ・グループ、カルナタカ州政府の合弁事業で、1997 年に開始されたインド初のハイテク産業地区。同工業団地は

160 万平方フィートのスペースに 100 社を収容し、住居、娯楽施設なども備えている。00 年までにオフィススペースは満室となり、02 年初めには 2

期プロジェクトが始動した。05 年にアセンダスは、タタ・グループが所有する ITPB 株 47%を追加買収し、持ち株比率を 82%まで引き上げた。これ

により、アセンダスは外資ではインドの IT パークの最大の投資企業となった。残りの株は、12%をシンガポール企業 2 社、6%をインド・カルナタカ

州政府が保有している。ITPB はバンガロールの発展に貢献したとして、「2002 年度ワールド・テレポート・プロパティー・アワード」を授与した。

■みずほコーポと日揮

10 年 11 月にインド・タミルナド州チェンナイでアセンダスが計画する「環境複合都市」開発プロジェクトについて、みずほコーポレート銀行と日揮

の 2 社による日本企業連合と覚書を締結。今後、投融資や日本企業の開発事業参画に向けた協議を進める。アセンダスはチェンナイの 4~6 平方キロ

メートルの区域に、工業団地と企業オフィス、商業施設、住宅から成る複合都市を環境に配慮して整備する計画。今回の覚書に基づき 3 社は、プロジ

ェクト融資、インフラ整備、工業団地開発などの情報・知識を共有し、日本企業連合による同都市計画への出資・融資に向けた調査、検討を実施する。

また日本のインフラ関連企業が、同計画の全体構想策定やコンサルタント業務提供、インフラ整備事業などに参入する可能性も協議する。

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事業パートナー

■米ハードディスク駆動装置(HDD)最大手シーゲート・インダストリーズ

シーゲートとの戦略的パートナーシップに基づき、シーゲートへのプリント配線基板部品納入がビヨニクスの主要な収益源となっている。01 年に米

シーゲート・インダストリーからインドネシア・バタム島にあるプリント配線基板組立工場を買収、さらに 07 年にジョホール州セナイにあるプリン

ト回路基板組立工場を買収すると同時に、ビヨニクスは、シーゲート・インターナショナルにプリント回路基板を供給する契約を締結している。

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企業名 Boustead Singapore Ltd

ボウステッド・シンガポール 分野 プラント建設・水処理 URL www.boustead.sg

企業概要

■1828 年設立、1975 年シンガポール取引所(SGX)上場の地元エンジニアリング大手。

■10 年 3 月期のグループ売上は前年比 15%減の 4 億 3,840 万 S ドル。部門別売上比率は、産業施設エンジニアリングが 42%、エネルギー関連エンジ

ニアリングが 28%、地理空間情報技術が 17%、水処理エンジニアリングが 13%など。地域別売上比率は、アジア太平洋州が 56%、中東諸国が 17%、

豪州が 17%、米州が 7%、欧州が 2%など。

■10 年 3 月末時点の受注残高は 6 億 S ドルで、過去 6 ヵ月で航空関連企業集積地「セレタ航空パーク」のロールス・ロイスのエンジン製造施設を含

め総額約 3 億Sドルの新規受注を達成した。水処理事業では中東や東南アジア、北アフリカ、南米での新規受注を目指す方針。

■同社は電力プラント、石油精製施設、石油化学プラント、ガス処理施設、水処理施設などで使用される主要装置の設計・製造・設置からプラント建

設を手懸け、これまでに、アジア、欧州、アフリカ、米国など 79 カ国で産業インフラ整備プロジェクトを獲得している。傘下に水処理事業子会社ボ

ウステッド・サルコン・ウオーター・ソリューションズ、エネルギー関連エンジニアリング子会社コントロールス&エレクトリック、産業施設エンジ

ニアリング子会社ボウステッド・プロジェクツ、地理空間情報技術子会社 ESRI シンガポールなどを保有。

海外プロジェクト

■フィリピン

05 年に傘下のサルコン・パワー・コーポレーション(SPC)が、フィリピンのセブ島に出力 200MW の石炭火力発電所を建築。新プラントは 204MW

の既存プラントに隣接して建設され、直接配電会社や各企業に市場実勢レートで販売する。

■ベトナム

10 年 2 月に水処理事業子会社サルコンがリラマ・コーポレーションから火力発電所の浄水・廃水処理施設の設計・建設事業を受注。10 年 1 月にはベ

トナム北部ハイフォンに新たに建設される「ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)」に、子会社ボウステッド・プロジェクツが進出を決めた。ボ

ウステッドは工業団地内で複数の企業が利用できる食品加工・物流ハブを整備する。

■インドネシア

04 年に水処理事業子会社サルコンがインドネシアの観光都市ジョクジャカルタ市から総額 7,500 万米ドルの水処理プラントの建設・運営・譲渡プロ

ジェクトを受注。今回のプラントの建設で、同市の住民 220 万人のうち、清潔な処理水を手にできる比率を既存の 20%から 70%まで拡大された。10

年 2 月に水処理事業子会社サルコンが東芝プラントシステムから中ジャワ州タンジュンジャティ B 火力発電所の水処理施設の設置・試運転サービス

を受注。

■アラブ首長国連邦

10 年 6 月に水処理事業子会社サルコン・ウオーター・ソリューションズが、アラブ首長国連邦アブダビ首長国のアブダビ下水道公社(ADSSC)から、

下水処理施設の設計・建設業務を受注。受注額は 2,100 万 S ドル。サルコンが受注したのは、アブダビのアル・ワトゥバ高度下水処理施設の建設で、

契約には 5 年間の運営・保守サービスも含まれている。完成後の同処理施設の運営はアブダビ環境庁が行う。新施設の処理能力は日量約 2 万 8,000

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トンで、処理する下水の最大 95%の水量を農業・園芸用水として再利用できるようになる。下水処理には濾過膜と紫外線除菌を用いる。

■リビア

07 年に首都トリポリ東部で都市整備プロジェクトを 3 億 S ドルで受注。465 ヘクタールの用地に 1,164 戸の住宅や水供給システム、下水、教育機関

なども整備する。開発に当たり、リビア政府関連建設企業との合弁会社を設立し、ボウステッドは 65%を出資した。08 年にはリビア・トリポリの南

東 80 キロにあるタルフナの主要な水処理基盤システムにおける排水処理プロジェクトを受注。受注額 1 億 7,500 万 S ドルで水処理プロジェクとして

は同社にとって過去最大の受注規模。エンジニアリング、設計、建設の一括受注で、受注期間は 3 年。プロジェクトは水処理子会社サルコンとリビア

の国営会社が共同出資する合弁会社が実施し、ボウステッドの出資比率は 65%。

海外拠点

■中国

Boustead (Beijing) Great Enterprise Logistics Co Ltd(92%出資、プロジェクト管理・設計・建設工事)

Boustead (Shanghai) Project Management and Consultancy Co Ltd(92%出資、プロジェクト管理・設計・建設工事)

■ベトナム

Boustead Projects (Vietnam) Co Ltd(92%出資、プロジェクト管理・設計・建設工事)

■マレーシア

ESRI Malaysia Sdn Bhd(88%出資、地理空間情報技術 ESRI の独占的販売代理店)

BIH Malaysia Sdn Bhd(98%出資、熱処理システム・廃熱再利用システムの設計・施工)

■インドネシア

PT ESRI Indonesia(88%出資、地理空間情報技術 ESRI の独占的販売代理店)

PT Boustead Maxitherm Industries(100%出資、ボイラーの製造、パーム油加工工場の建設請負)

■豪州

ESRI Australia Pty Ltd(88%出資、地理空間情報技術 ESRI の独占的販売代理店)

MapData Sciences Pty Ltd(88%出資、地理空間情報技術の提供)

■英国

Boustead International Heaters Limited(98%出資、熱処理システム・廃熱再利用システムの設計・施工)

■カナダ

Boustead International Heaters Canada Limited(98%出資、熱処理システム・廃熱再利用システムの設計・施工)

事業パートナー

■丸紅

10 年 10 月に水処理事業子会社サルコン・ウオーター・ソリューションズが、シンガポール・ジュロン島に新設される石炭・バイオマス併用のコージ

ェネレーション発電所の水処理・コンデンセート処理施設部分の設計・調達・建設(EPC)業務を丸紅から受注。このコージェネ発電所は、中国・華

能国際電力の傘下に入った地元発電会社トゥアス・パワーがジュロン島に 12 年末の完成を目指して新設するもので、全体の EPC 業務を 10 年 2 月に

丸紅に 220 億円で発注していた。サルコンが担当する水処理・コンデンセート処理施設では、逆浸透膜技術で日量 1,800 立方メートルの原水を処理

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するとともに、ボイラーから排出されるコンデンセートを回収し、燃料の使用節減に役立てる。

■阪急阪神エクスプレス・シンガポール(HHE)

10 年 8 月に子会社ボウステッド・プロジェクツが HHE と物流施設の建設・賃貸契約を締結。ボウステッド・プロジェクツはシンガポール東部のチャ

ンギ国際物流パークに HHE 向け仕様の 4 階建て物流施設を 11 年第 2 四半期までに完成させる予定。

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企業名 CapitaLand Limited

キャピタランド 分野 不動産開発 URL www.capitaland.com

企業概要

■00 年に不動産大手 DBS ランドと政府系不動産大手ピデムコ・ランドが合併して誕生、同年シンガポール取引所(SGX)上場の東南アジア最大の不

動産開発会社。

■アジア、オーストラリア、欧米を中心に 20 カ国 120 都市で不動産開発を実施している。不動産開発以外にホテルやサービスアパート運営、不動産

投資信託(REIT)、不動産金融サービスにも進出している。近年は、特に海外展開が目立っており、収入に占める海外部門の割合は約 70%に上る。

■シンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」の一つ(46.0%保有、10 年 2 月時点)。

■09 年 12 月期のグループ売上高は前年比 7.4%増の 29 億 5,700 万 S ドル。地域別売上比率は、シンガポールが 33%、中国が 26%、豪州が 26%、欧

州が 8%、その他アジアが 6%。部門別売上比率は、シンガポール国内住宅部門が 23%、中国不動産部門が 22%、商業用不動産部門が 5%、キャピタ

モールズ・アジアが 8%、子会社アスコットによるサービスアパート部門が 13%、金融サービス部門が 5%、オーストラランドが 25%など。

■これまでに傘下のオーストラリア子会社「オーストラランド」、商業施設運営子会社「キャピタモールズ・アジア(CMA)」、中国専門不動産投資信

託「キャピタリテール・チャイナ・トラスト(CRCT)」、商業施設専門不動産投資信託「キャピタモール・トラスト(CMT)」、商業施設専門不動産投

資信託「キャピタコマーシャル・トラスト(CCT)」、サービスアパート専門不動産投資信託「アスコット・レジデンス・トラスト(ART)」など子会

社および不動産投資信託 6 社を上場させている。

■10 年 6 月末時点のシンガポール取引所(SGX)上場の不動産投信(S-REIT)の保有資産規模比較では、キャピタモール・トラスト(CMT)が 78

億 S ドルで最も大きく、2 位~5 位はキャピタコマーシャル・トラスト(CCT、60 億 S ドル)、サンテック REIT(52 億 S ドル)、アセンダス REIT

(A-REIT、49 億 S ドル)、メープルツリー・ロジスティクス・トラスト(MLT、31 億 S ドル)が並んでいる。

■09 年シンガポール国内の民間住宅分譲実績は計 535 戸、総額 10 億 S ドル弱で、ホンリョン・グループ、ファー・イースト、フレイザーズ・センタ

ーポイント、UOL に次ぐ 5 位の規模だった。

■傘下の商業施設運営子会社で、09 年 11 月にシンガポール取引所(SGX)に上場したキャピタモールズ・アジア(CMA)は、シンガポール国内で

09 年にオープンした大型商業施設「ION」をはじめとして国内外で現在 60 の商業施設を運営し、シンガポール、中国、インドの 3 カ国で 26 の新商

業施設の開発を進めており、10 年内に中国で 6 カ所、インドで 1 カ所の商業施設を開設する予定。7 つの商業施設を運営する日本事業に関しては、

当面新たな投資は行わず、現有施設の価値拡大に努める方針。

■09 年に香港海運大手 OOIL(東方海外)の中国不動産事業会社 OODL を総額 22 億米ドルで買収し、中国不動産事業をさらに拡大した。

■同社がシンガポールで所有・運営する複合商業施設「ラッフルズシティ」をブランドとして海外展開を進め、これまで世界 5 都市に建設、今後さら

に 5 都市に設け、計 10 都市にする方針。中国のほかインド、ベトナム、日本、ロシア、ペルシャ湾岸 6 ヵ国なども進出先として視野に入れている。

海外プロジェクト

■日本

◆日本では日本事業子会社キャピタランド・ジャパンなどを通じて、商業施設 7 件、サービスアパート 4 件、複合施設 1 件を保有・運営する。

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◆キャピタランドの日本事業は前身のピデムコ・ランド時代に遡り、00 年にピデムコ・ランドが三菱地所と渋谷のマンション事業で提携したほか、

住友生命保険から新宿のオフィスビルを購入することに始まった。

◆01 年に日本事務所キャピタランド・ジャパンを開設、04 年には 25 億 S ドルを投資し、商業施設ファンド「キャピタランド・リテール・ジャパン・

ファンド」、住宅不動産ファンド「ARC キャピタランド・レジデンス・ジャパン」(バーレーンの投資銀グループ、アルカピタ銀 BSC などによる合弁

ファンド)と 2 つの不動産ファンドを設置した。

◆06 年に大阪の不動産会社、サムティ(本社・大阪市淀川)の株式 5.5%、2,100 万 S ドル相当を所有し、共同投資事業契約を結んでいる。

◆これまでに取得した商業物件は、イトーヨーカドー恵庭(北海道、06 年、42 億円)、ラパーク瑞江(東京、03 年、56 億円)、イズミヤ枚方店(大

阪、05 年、75 億円)、ビビットスクエア(千葉、05 年、210 億円)、イトーヨーカドー千歳(北海道、05 年、53 億円)、コープ神戸(兵庫、07 年)、

習志野ショッピングセンター(千葉、07 年)などで、商業施設ファンド「キャピタランド・リテール・ジャパン・ファンド」に組み込まれている。

◆これまでに取得した住宅賃貸物件は、大阪難波の 2 物件と兵庫県西宮市の 1 物件(サムティが保有する賃貸アパート、06 年 2 月、38 億円)、福岡

市人工島・アイランドシティの「インフィニ・ガーデン」(395 戸、08 年、80 億円)、難波南スタジオ・アパート(123 戸、大阪)、富士見デュプレク

ス・リズ(22 戸、東京)、コロナーデ上池台(43 戸、東京)、グランド・ビュー大阪(59 戸、大阪)、カレッジ・コート福岡(112 戸、福岡)の 5 物

件(05 年 5 月、85 億円)などで、「ARC キャピタランド・レジデンス・ジャパン」などに組み込まれている。

◆03 年に傘下のホテル経営大手ラッフルズ・インターナショナルが南海電気鉄道より「南海サウスタワーホテル大阪」の運営権を取得し、「スイスホ

テル大阪南海」と改称して運営を開始した。

■中国

◆中国では中国事業子会社キャピタランド・チャイナ・ホールディングスなどを通じて、集合住宅 21 件、オフィスビル 4 件、商業施設 39 件、サー

ビスアパート 23 件、複合施設 7 件、教育施設 10 件、ラッフルズシティ複合施設 5 件を保有・運営する。94 年に中国に進出して以来、中国で不動産

投資を行う外国企業では最大の規模を誇る。

◆中国の商業不動産物件に特化した不動産投資信託「キャピタリテール・チャイナトラスト(CRCT)」を 06 年 11 月にシンガポール取引所(SGX)

で上場したほか、中国の商業施設不動産開発物件に投資する「キャピタリテール・チャイナ・デベロップメント・ファンドⅠおよびⅡ(CRCDF)」を

それぞれ規模 6 億米ドルで設立、また、不動産保有・運用のための「キャピタリテール・チャイナ・インキュベーター・ファンド」(規模 4 億 2,500

万米ドル)も設けている。

◆09 年に「OOCL」ブランドで海上コンテナ事業を展開する香港の海運大手 OOIL(東方海外)の中国不動産事業を総額 22 億米ドルで買収。キャピ

タランドによる事業買収では過去最大となり、キャピタランドの中国国内の保有不動産は 98 億 S ドルに拡大した。OOIL の不動産事業部門「OODL」

は上海市で 4 カ所、江蘇省昆山市で 2 カ所、天津市で 1 カ所の不動産開発をそれぞれ進めており、キャピタランドはこれらの計画を承継する。こら

れ 7 ヵ所の不動産開発の投資総額は 40 億米ドル規模の見込み。キャピタランドの保有資産に占める中国事業の比率は、買収前の 28%から 36%に上

昇し、中国国内における同社の保有不動産の延べ床面積は合計約 280 万平方メートルとほぼ倍増した。

◆08 年に中国政府系の CITIC トラストと共同で、中国国内の工業団地に投資する人民元建ての不動産投資ファンド「CITIC キャピタランド・ビジネ

ス・パーク・ファンド(CCBPF)」を設立。CITIC トラストは、中国政府系の投資会社、中国国際信託投資公司(CITIC)の子会社。新ファンド CCBPF

は、キャピタランドが中国に保有する「北京 IBM チャイナ・センター」などの工業団地を投資対象とする。CCBPF は、キャピタランドが設立した 7

つ目の未公開不動産投資ファンドで、投資対象を工業団地に絞るのは初めてとなる。

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◆成都

キャピタモールズ・アジア(CMA)を通じて、成都では商業施設「ジンニウ・モール」(06 年開業)、「シャワン・モール」(09 年開業)、「ティアンフ

(天府)モール」(開発中)などを所有・運営。高級集合住宅「ラフエグレット」(661 戸)、「ロフト成都」(4,410 戸)などを開発・分譲。06 年に四

川省成都での広さ約 3 万 2,600 平方メートルの商業用地入札で落札。この用地で複合商業施設「ラッフルズシティ成都」を建設中。

◆北京

高級集合住宅「オーキッド・ガーデン」(247 戸)、「ラ・フォレスト」(1,808 戸)、「ラ・キャピトール」(313 戸)、「ビューフォート」(1,027 戸)、「バ

ーモントヒルス」(1,089 戸)などを開発・分譲。北京華聯集団と合弁で 2 つの商業施設を開発、うち複合施設「ラッフルズシティ北京」の商業施設

部分は 09 年に部分開業。「IBM チャイナセンター」を 05 年に完工・運用。

◆重慶

複合商業施設「ラッフルズシティ重慶」を開発中、商業施設「九竜坡購物広場」は 05 年に開業。

◆寧波

高級集合住宅「サミットレジデンス寧波」(818 戸)などを開発・分譲。複合商業施設「ラッフルズシティ寧波」を開発中。

◆上海

03 年に中国初となる複合商業施設「ラッフルズシティ上海」が開業。同施設は、キャピタランドのほかテマセク・ホールディングス、GIC リアル・

エステーツ、シノ・ランドなどシンガポールの企業連合が開発した不動産プロジェクトの中でも最大規模で、3 億 5,000 万米ドルを投資した。キャピ

タランドは 47.5%の権益を保有。高級集合住宅「サミット・パノラマ」(939 戸)、「ラ・シテ」(724 戸)、「ウエストウッド・グリーン」(430 戸)、「オ

アシス・リビエラ」(1,964 戸)、「パーク・トレサー」(700 戸)などを開発・分譲。

◆杭州

複合商業施設「ラッフルズシティ杭州」を開発中で 11 年完工予定。高級集合住宅「アイ・ワールド」(580 戸)、「インペリアルベイ」(479 戸)など

を開発・分譲。

◆深セン

05 年に深圳国際信託投資と提携し、中国でウォルマートを中核店舗とするショッピングモールを国内 21 カ所で共同開発を進める。

◆佛山

高級集合住宅「ビューレジデンス」(648 戸)、「ラ・シテ佛山」(750 戸)、「リバーサイドベール」(758 戸)、「ザ・リビエラ」(208 戸)を開発・分譲。

◆広州

香港株式市場上場の麗豊控股と共同で高級集合住宅「広州リユン」(2,926 戸)などを開発・分譲。

◆マカオ

07 年にマカオ・コタイ地区の新しいカジノ総合リゾート「マカオ・スタジオシティ」へ 7 億 6,400 万 S ドル投じ、20%の権益を取得。

◆香港

02 年に香港のライサン・デベロップメントとの合弁で、香港のフラマ・ホテル跡地に 40 億香港ドルを投じてオフィスビル「AIG タワー」の建設を開

始した。同建設プロジェクトには AIG とキャピタランドがそれぞれ 35%を出資、残り 30%をライサンが出資。

■マレーシア

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◆マレーシアでは上場子会社の商業施設運営会社キャピタモールズ・アジアや完全子会社キャピタランド・コマーシャル&インテグレーテッド・デベ

ロップメント(CCID)などを通じて、オフィスビル 10 件、サービスアパート 6 件、商業施設 3 件を保有・運営する。

◆商業施設では、07 年にスランゴール州の商業施設「マインズ・ショッピング・モール」を 3 億 3,700 万リンギで取得、ペナン州の商業施設「ガー

ニー・プラザ」を 1 億 9,000 万リンギで取得した。次いで 08 年に首都クアラルンプール中心部にある商業モール「スンゲイ・ワン・プラザ」の持ち

分 61.9%を 5 億 9,500 万リンギで取得した。キャピタランドはこれらマレーシアの商業施設を組み入れる不動産投資信託を組成・上場する計画を表

明している。

◆オフィスビルでは、マレーシアの不動産クウィル・グループと共同で設立した不動産投資信託「クウィル・キャピタ・トラスト(QCT)」などを通

じて、10 件の物件を取得している。QCT は 07 年にマレーシア証券取引所に上場した。上場時点で、QCT には総額 2 億 8,000 万リンギ相当のサイバ

ージャヤのオフィスビル 4 軒が組み込まれていた。QCT の当初持ち株比率は、キャピタランド側が 40%だった。QCT は上場後、首都圏のオフィスビ

ル「ウィスマ・テクニプ」、「プラザ・モントキアラ」を新たに取得した。

◆このほか、マレーシアの地場企業との合弁で複数の開発プロジェクトを進めている。06 年にはマレーシアの不動産開発会社 YNH プロパティーとク

アラルンプール中心部に大型商業ビルの開発で提携、同じく同年にマレーシアのメイバンクと共同で、クアラルンプール周辺の商業ビル開発プロジェ

クトに投資するファンド設立で合意、07 年にはマレーシアの不動産・建設を中核とする複合企業マレーシアン・リソーシズ・コープ(MRCB)とク

アラルンプール新中央駅周辺の複合開発事業「KL セントラル」にあるロット D」と呼ばれる区域で住宅やサービスアパートの開発で提携した。

■ベトナム

◆ベトナムでは全額出資子会社キャピタランド・ベトナム・ホールディングを通じて、集合住宅 5 件、サービスアパート 6 件を保有・運営する。

◆同社のベトナム事業は 06 年にホーチミンでベトナム企業と合弁で住宅開発事業に着手したことに始まる。これまでホーチミン市で 5 つの住宅開発

事業を手懸け、開発住宅戸数は 4,200 戸以上に達する。07 年にはサイゴン川沿いに建設した集合住宅「ビスタ」(850 戸)の第 1 期販売を開始。それ

ぞれの事業でサウス・サイゴン・デベロップメント・コーポレーション(SADECO)など地元企業と合弁会社を設立し、キャピタランドが 60~80%

を出資する形態で事業を進めている。09 年にはハノイで集合住宅「マルベリーレーン」(1,478 戸)を合弁で開発・分譲中。

◆08 年に米金融大手シティグループと共同で、ベトナムの不動産に投資対象を絞った総額 3 億米ドルの投資ファンドを設立することで合意。キャピ

タランドが進めるベトナム進出強化の一環で、米シティの超富裕層向け資産運用サービス部門「シティ・プライベートバンク」と共同設立に関する覚

書を締結した。運用資産 3 億米ドルのうち 30%はキャピタランドが拠出する。

■タイ

◆タイではこれまで地元企業との合弁会社を通じて、集合住宅 12 件、サービスアパート 9 件、教育施設 5 件を保有・運営する。

◆不動産投資に参入するのは 03 年にタイの酒造王と呼ばれるチャロン・シリワタナパクディー氏が率いるタイ・チャロン・コマーシャルグループ

(TCC)傘下の TCC ランドと合弁会社を設立してからとなる。合弁会社「TCC キャピタルランド」の資本金は 20 億バーツで、キャピタランドは 40%

を出資。TCC キャピタルランドはこれまでバンコクで集合住宅「S&S スクンビット」、「ザ・エンパイヤ・プレース」など 10 物件(総数 4,092 戸)

を開発・分譲。

■豪州

◆オーストラリアでは上場子会社オーストラランド・ホールディングスを通じて、集合住宅 34 件、オフィスビル 20 件、サービスアパート 8 件、複

合施設 1 件を保有・運営する。

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◆09 年に豪不動産開発会社セイント・ヒリアーズと共同で、同国ビクトリア州カールトン地区で公共住宅の再開発事業を受託。再開発住宅の分譲総

額は 3 億豪ドルに上る。再開発事業では、合計面積 7.5 ヘクタールに上る3地区の既存公共住宅 192 棟を建て替え、公共・社会福祉住宅 240 戸と民

間住宅 500 戸を建設する。建設工事は 7 期に分けて 17 年までに完了させる。再開発住宅には、太陽光・風力エネルギーの利用や廃水再利用などの環

境に配慮した機能を採用する。

■インド

◆インドではこれまで全額出資子会社の「キャピタランド・リテール・インディア・インベストメンツ」やインド専門不動産ファンド「キャピタリテ

ール・インディア・ディベロップメント・ファンド」などを通じ、集合住宅 1 件、オフィスビル 1 件、サービスアパート 6 件、商業施設 9 件を保有・

運営する。

◆同社のインド事業は 06 年にムンバイで不動産開発大手ランワル・グループとの合弁で住宅開発事業に着手したことに始まる。高級集合住宅「オー

チャード・レジデンス」(590 戸)を開発・分譲中。

◆06 年にインドのパンタルーン・リーテイル傘下の小売り不動産ファンド「ホリゾン・リアルティー・ファンド」の株式 28.5%を 7,500 万米ドルで

取得。パンタルーンはファッションや飲食、家庭、娯楽用品などの小売り事業を展開しており、インド 25 都市で 100 店舗以上を保有。

◆07 年にインドの不動産投資で運用する総額 6 憶米ドル規模の不動産ファンド「キャピタリテール・インディア・ディベロップメント・ファンド」

を発足。同ファンドはインドの商業施設開発で資金運用を行う。

◆08 年に全額出資子会社の「キャピタランド・リテール・インディア・インベストメンツ」を通じ、インドの不動産開発会社 2 社と個別に合弁会社

を設立し、商業施設開発に参入。計画に含まれる商業施設はインド国内 14 都市に整備する 15 施設で、総資産価値は 21 億 2,000 万 S ドル、総賃貸可

能面積は 1,100 万平方フィートに達する。提携したインド企業は、デリーに本社を置き、北部インド北部に強い「アドバンス・インディア・プロジェ

クツ(AIPL)」と、バンガロールに本社を置き、南部インドに強い「プレスティージュ・グループ」。AIPL との合弁会社ではキャピタランド側が過半

を出資。西部ラジャスタン州ウダイプールなど 8 ヵ所の商業施設を開発、合計 586 万平方フィートの賃貸可能面積を見込む。一方、プレスティージ

ュとの合弁は折半出資で設立。バンガロールやマンガロールなど 7 カ所の商業施設を開発し、計 527 万平方フィートの賃貸面積を見込む。

◆08 年にインド西部ムンバイの南東に位置するナビ・ムンバイ産業地区「トランス・タナ・クリーク」の開発用地 12 万平米を 7,900 万 S ドルで取

得し、IT パークと高級オフィスで構成する複合ビルを建設すると発表。複合ビルは延べ床面積 250 万平方フィートの計画で、うちほぼ半分を IT 企業

向けに貸し出す。ビル建設は 09 年第 1 四半期に開始し、5 年以内に完成させる。

■バーレーン

06 年に不動産投資ファンド「ラッフルズシティ・バーレーン・ファンド」を設立。ファンド規模は 6 億 3,000 万米ドル。バーレーンの首都マナマの

ウォーターフロントに設ける複合施設「ラッフルズシティ・バーレーン」の開発プロジェクトに投資する。バーレーンの投資銀行アルカピタと共同で

「ラッフルズシティ・バーレーン」の一般販売活動を 08 年に開始。ラッフルズシティ・バーレーンは 3 棟の集合住宅棟を擁し、超高級サービスアパ

ート(200 戸)と 600 戸以上の集合住宅で構成。著名建築家ラファエル・ヴィニオリ氏が基本計画を担当した。10 年第 4 四半期から順次完成する。

■アラブ首長国連邦

08 年にアブダビの国営投資会社ムバダラ・デベロップメントと合弁会社「キャピタラ」(本社アブダビ)を設立。合弁会社にはキャピタランドが 49%、

ムバダラが 51%それぞれ出資。08 年 9 月に「キャピタラ」がアブダビの総合都市開発計画「アルザナ」の一環として、集合住宅「リハン・ハイツ」

の第1期分譲を開始。リハン・ハイツは 3 万 8,000 平方メートルの敷地に、戸建てのビラ 14 棟と、集合住宅(854 戸)を建設する計画。総合都市開

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発「アルザナ」では、アブダビの競技場ザイード・スタジアムを囲む 140 万平方メートルの敷地に、住宅 9,000 戸や娯楽・スポーツ施設、商業施設

を整備する計画で、総投資額は 50 億~60 億米ドルに上る見込み。第 1 期分の分譲 868 戸はほぼ完売したが、第 2 期以降の開発は市場が回復するま

で一時見送ることとなった。

■ロシア

07 年にロシアの物流施設開発会社、ユーラシア・ロジスティクスと提携の覚書に署名した。ユーラシア・ロジスティクスの株式 10%を 1 億米ドルで

取得するとともに、今後 5 年間に 30 億米ドルを投じ、ロシアなどで A クラスの 16 の物流施設を建設する。ユーラシア・ロジスティクスは商業施設

60 万平方メートル、物流施設 80 万平方メートルなどを保有しているが、物流施設に関しては今回の提携で、ロシア、カザフスタン、ウクライナなど

で施設を拡充し、10 年以降は 500 万平方メートルに拡大させる。

海外拠点

■中国

BJ CL Pin Yuan Real Estate Dev Co Ltd(100%出資)

CapitaLand China Income Fund(100%出資)

CapitaLand (China) Investment Co Ltd(100%出資)

CapitaLand Management (China) Co Ltd(100%出資)

Shanghai Aoshun Property Co Ltd(100%出資)

Shanghai Ning Xing Real Estate Development Co Ltd(100%出資)

■香港

Yong Teng Development Limited(100%出資)

■ベトナム

CapitaLand – Vista Joint Venture Co Ltd(80%出資)

■タイ

T.C.C. Capital Land Limited(40%出資)

■マレーシア

United Malayan Land Bhd(21%出資)

■シンガポール

CapitaMalls Asia Limited(66%出資、シンガポール取引所上場)

CapitaMall Trust(20%出資、シンガポール取引所上場)

CapitaRetail Japan Fund Private Limited(17%出資)

CapitaRetail China Trust(18%出資、シンガポール取引所上場)

CapitaRetail China Development Fund(30%出資)

CapitaRetail China Development Fund II(30%出資)

CapitaRetail China Incubator Fund(20%出資)

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CapitaRetail India Development Fund(30%出資)

CapitaCommercial Trust(32%出資、シンガポール取引所上場)

Ascott Residence Trust(48%出資、シンガポール取引所上場)

The Ascott Limited(100%出資)

■豪州

Australand(59%出資、オーストラリア証券取引所上場)

■アラブ首長国連邦

Mubadala CapitaLand Real Estate LLC(49%出資)

■バーレーン

CapitaLand Bahrain Bay Business Services WLL(100%出資)

事業パートナー

■三菱地所

10 年 11 月に三菱地所はアジア事業拠点のシンガポール子会社「三菱地所アジア」を通じて、キャピタランド、シンガポール政府投資会社(GIC)の

不動産投資部門である GIC リアル・エステート(GIC・RE)の 2 社と合弁を組み、ベトナムの集合住宅開発事業に参画すると発表した。三菱地所に

とって、中国を含むアジア域内での初の事業展開となる。今回の合弁事業で 3 社は合計 180 億円規模の投資で、首都ハノイと南部の主要都市ホーチ

ミンの両都市で分譲マンションを中心に複数の開発プロジェクトを進める方針で、このうち三菱地所は約 45 億円(25%)を出資。キャピタランドが

50%、GIC・RE が 25%をそれぞれ出資する。キャピタランドはベトナムで進めている住宅開発事業一部をこの合弁会社に移管する。

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企業名 Changi Airport Group (CAG)

チャンギ空港グループ 分野 空港運営 URL www.changiairportgroup.com

企業概要

■チャンギ空港を運営・管理する政府機関の民間航空局(CAAS)から運営部門が分離独立、09 年 7 月に空港運営会社として発足された。航空行政は

改組した民間航空局に残し、柔軟な会社組織でチャンギ空港を運営する仕組みをつくることで、アジア域内で激化する航空ハブ競争を勝ち抜く戦略の

一環。新設したチャンギ空港グループ会社には、政府系投資会社テマセク・ホールディングスが全額出資する。

■新会社設立に伴い CAAS の海外事業子会社チャンギ・エアポーツ・インターナショナル(CAI)もチャンギ空港グループに移管された。CAI はこれ

まで海外の空港運営事業者に出資して空港の共同運営、運営管理の受託、空港開発のコンサルティング業務などを行ってきた。

■発足初年度となる 10 年 3 月期(09 年 7 月~10 年 3 月末)のグループ売上は 9 億 6,000 万 S ドル。

■チャンギ空港は利用旅客数で世界第 7 位にランクされ、96 社の航空会社が乗り入れ、60 ヵ国 200 都市を結んでいる。

■国際空港評議会(ACI)の 2009 年版空港サービス品質調査番付によると、シンガポールのチャンギ空港は前年に続き世界 2 位となった。トップは 5

年連続で韓国・仁川空港で、3~5 位は香港国際空港、北京国際空港、インド・ハイデラバード国際空港の順だった。ACI には世界 180 カ国・地域の

575 の空港が加盟している。

■09 年のチャンギ空港の年間利用旅客数は前年比 1.3%減の 3,720 万人となり、6 年ぶりに前年実績を下回った。また、09 年の年間航空貨物取扱量は、

前年比 12.0%減の 163 万 3,791 トンと 3 年連続で前年実績を割り込んだ。チャンギ空港の年間利用旅客に占める格安航空会社の比率は 19.1%(08 年

は 12.3%)に、年間運航便数に対する比率は 23.6%(同 15.7%)にそれぞれ上昇した。

海外プロジェクト

■中国

◆重慶

09 年 12 月に中国・重慶市の重慶江北国際空港を運営する重慶空港グループとの間で、空港運営に関する協力覚書を締結。両社は覚書に基づき、空港

ターミナル管理や運航ルート開発、商業施設運営など多分野で共同事業、人材交流を実施する。また協力覚書締結に合わせて、CAI は、重慶空港グル

ープから 2 件のコンサルタント業務を受注。具体的には、同空港の利用需要増加に対応する旅客の移動管理、空港内の商業施設の運営環境について改

善策を提案する。CAI は 08 年、同空港の商業スペースを 30%拡張する計画のコンサルタント業務を実施した実績がある。

◆北京

09 年 9 月に中国の北京首都国際空港(BCIA)との間で協力強化に向けた「姉妹空港」提携の覚書を締結。両空港は、情報やノウハウの共有と互恵的

関係の強化を進める。また共同事業の推進、空港運営や拠点空港開発、空港計画策定、事業運営、サービス評価などの分野に関してセミナーや職員研

修も行う。

◆南京

07 年に中国江蘇省の南京禄口国際空港の株式 29%を 9 億元(1 億 7,740 万 S ドル)で取得する契約を締結。CAI と江蘇省政府などは 6 億 2,000 万 S

ドルを投じ、合弁会社を設置する。合弁企業は第 2 滑走路の建設、ターミナルビルの改築、南京市街の駅までの交通整備など既存施設を改築・拡張す

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る。南京禄口空港は 97 年に主に空港貨物を取り扱うために設置され、上海の虹橋空港と浦東国際空港のバックアップ機能も担っている。

◆深圳

07 年に中国の深圳空港グループと合弁企業を設立し、空港開発・運営事業を手掛けることで合意。合弁企業には CAI が 49%、残りを深圳空港グルー

プが出資する。

■ベトナム

07 年にベトナム中部トゥアティエンフエ省政府と同省フエ市のフーバイ空港の拡張計画についてコンサルティング契約を締結。08 年にチャンギ空港

は外国企業として初めてベトナム政府からベトナムの空港への投資が認められ、ベトナム中部空港局とフーバイ空港の開発および運営の拡大に関する

協力覚書に調印。現在、フーバイ空港を開発・運営するための合弁設立に向け、ベトナム側関係者との交渉段階にある。

■ブルネイ

10 年 10 月にブルネイ経済開発局から首都バンダルスリブガワンにあるブルネイ国際空港の拡張開発計画のコンサルティング業務を受託。具体的に

は、ブルネイ経済開発局が行う同空港のターミナルの改修工事の優先順位の策定や設計・建設業務の発注仕様書の作成などを支援する。

■インド

◆西ベンガル州ドゥルガプール

08 年に西ベンガル州ドゥルガプールに建設される同国初の民間空港開発に技術サービスを提供することで、空港開発主体のベンガル・エアロトロポ

リス・プロジェクツ(BAPL)と合意。CAI は、空港都市計画の事業主体 BAPL と技術サービス契約を締結し、空港都市基本計画の点検、建築前段階

のコンサルタント選定、技術設計と空港・関連施設の設計内容の点検、職員研修などを担当。次いで、09 年 7 月にドゥルガプールの空港都市開発計

画に 26%出資することで合意。投資額は 1,000 億ルピー(3,000 万 S ドル)。ドゥルガプール空港都市は、空港を核に工業団地、物流基地、IT パー

ク、商業地区などを整備する計画。空港開業は 11 年 9 月の予定で、年間利用者数は当初 40 万人で、年平均 12%のペースで増加すると予測している。

◆パンジャブ州ルディアナ

09 年 3 月にインド北部パンジャブ州ルディアナ市のマッチワラ地区に計画されている新空港建設について技術支援を行うことで合意。CAI は同空港

の開発主体ベンガル・エアロトロポリス・プロジェクツ(BAPL)と覚書を締結し、BAPL がインド航空当局から承認を得た。マッチワラ地区の新空

港は都市開発計画の一環として 12 年に開業の予定。年間 500 万人の旅行客に対応できる規模になる。

◆マハラトシュトラ州ナグプール

07 年にナグプール空港と同空港運営で提携、空港スタッフの訓練などを行う。契約期間は 3 カ月。

◆07 年にインド最大の複合企業、タタ・グループとインドでの航空事業展開のため、提携することで合意。両社は CAI が 49%、タタが 51%出資の合

弁会社を設立し、チャンナイやコルカタ空港の運営事業などの入札に参加する予定。

■サウジアラビア

08 年に東部ダマンのキング・ファハド国際空港(KFIA)の運営管理業務をサウジ民間航空当局から 6 年契約で受託。契約総額は 6,500 万 S ドル。

■アラブ首長国連邦(UAE)

06 年にアブダビ空港と空港運営支援に関する 1 年半の契約を締結。次いで、07 年に、総額 68 億米ドルを投じるアブダビ空港拡張計画に関するコン

サルタント契約をアブダビ・エアポーツ・カンパニー(ADAC)と締結。

■ヨルダン

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07 年にヨルダン南部アカバのキング・フセイン国際空港の再開発について基本計画を策定する契約を受注。向こう 20 年間の基本計画には空港本体の

ほか、周辺用地の開発も含まれており、同社は環境への影響を最小限に抑え、費用効果の高い計画を策定する。

■ロシア

◆モスクワ

06 年にモスクワで建設中のシェレメチェボ国際空港第 1 ターミナルについて合弁による運営権を取得。CAI がシェレメチェボ国際空港当局と合弁会

社を設立。同合弁会社は第 1 ターミナルのリースを受け、運営・管理を行う。

◆サンクトペテルブルク

08 年にサンクトペテルブルクのプルコボ空港の運営受託と新ターミナル建設の受注に向けて、ロシアの新興財閥系企業ベーシック・エレメント社と

の提携で合意。

■イタリア

08 年にイタリア・ローマのフィウミチーノ空港の長期事業計画に関するコンサルタント業務を受注。CAI は向こう 7~10 年間にわたる空港基本計画

の策定を支援する。次いで 10 年 3 月にイタリアのローマ空港会社の親会社ジェミナ社(ミラノ証券取引所上場)の発行済み株式 5%分を取得。株式

取得費用は 1 億 S ドル。CAI の海外投資では過去最大。ローマ空港会社は、欧州 6 番目の規模を誇るフィウミチーノ国際空港とローマのチャンピー

ノ空港の運営を 2044 年までの契約で受託。両空港の 09 年の利用客数は計 3,860 万人、発着回数は 38 万 2,000 回に上る。CAI はローマ空港会社と長

期技術提携し、将来の空港拡張・開発計画の策定を支援するほか、ジェミナ、ローマ空港会社の両社に取締役を派遣する。

■ルワンダ

キガリ国際空港の運営管理業務を同国空港管理当局から受託。

■ウガンダ

エンテベ国際空港の運営管理業務を同国空港管理当局から受託。

海外拠点

■中国

Changi Airport International, Beijing Office(北京、駐在員事務所)

China-Singapore Airport Management Academy(西安、空港管理スタッフ養成学校、合弁事業)

Chongqing Jiangbei International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

Beijing Capital International Airport (BCIA) (空港コンサルティング・プロジェクト)

Chengdu Shuangliu International Airport (CSIA) (空港コンサルティング・プロジェクト)

Baiyun International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

Qingdao Liuting International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

Fuzhou Changle International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■フィリピン

Manila International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■フィージー

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Nadi International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■インド

Bengal Aerotropolis Projects Ltd(26%出資、ドゥルガプール)

Durgapur Aerotropolis(空港コンサルティング・プロジェクト)

Nagpur Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■アラブ首長国連邦

Abu Dhabi International Airport(空港運営管理、空港コンサルティング・プロジェクト)

■サウジアラビア

King Fahd International Airport(空港運営管理)

■ヨルダン

King Hussein International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■ルアンダ

Kigali International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■ウガンダ

Entebbe International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■ロシア

Sheremetyevo International Airport (Terminal C) (空港運営管理、空港コンサルティング・プロジェクト)

Vladivostok International Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

■イタリア

Gemina S.p.A.(5%出資)

Ciampino Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

Fiumicino Airport(空港コンサルティング・プロジェクト)

事業パートナー

■西安国際空港グループ

03 年に西安国際空港グループと共同で空港管理のスタッフを養成する「中国シンガポール空港管理アカデミー」を開設。両国航空当局による学校の

共同設立は、両国が 02 年に締結した民間航空分野での両国の協力関係促進のための覚書に基づくもの。西安空港の敷地内に設立された同アカデミー

では、空港ターミナル管理、カスタマーサービス、地上貨物取り扱い、警備など、空港運営業務に携わる担当者の訓練を行う。

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プロジェクト名

China-Singapore Suzhou Industrial

Park (SIP)

中国・シンガポール蘇州工業園区

分野 二国間共同開発プロジ

ェクト URL

www.sipac.gov.cn

www.cssd.com.cn

プロジェクト概要

蘇州工業園区は蘇州旧市街の東側にある金鶏湖のほとりに位置し、上海まで 80 キロメートル、総企画面積は 288 平方キロで、そのうち、中国とシン

ガポールとの合作エリアは 80 平方キロを占める。園区は蘇州東部ニュータウンとして、揚子江デルタ地区の重要な本部経済とビジネス文化活動の中

心の一つを目指す。同園区は中国とシンガポール両国政府合作プロジェクトとして開発され、中国国内で唯一の国際政府間合作開発区でもある。両国

政府の支援を得て、無制限の外資出資比率や法人税減免をはじめ、多くの経済特区的な優遇措置が設けられている。独立した税関制度と輸出入通関機

能を揃え、物流通関は効率が高く、国際水準に逹している。同園区内に所在する企業の従業員には、シンガポールの中央積立金制度(CPF)と同様の

年金積立制度が適用され、社員の福利厚生保障を提供すると同時に、企業の負担を軽減して優秀な人材を集めることに成功している。また同園区の優

れた生活環境と労働環境が全国からの優秀な人材を引き付けている。同園区の工業用地は道路、電気、上水、汚水処理、雤水排水、通信、ガス、スチ

ーム、ケーブルテレビとインフラ整備はいずれも国際水準に達している。蘇州工業園区は国際的な管理体制を採用し、園区管理委員会は「投資家に親

しく、投資家を豊かにさせる」をモットーに、透明性や効率性の高い業務を行っている。同園区は IT 産業、精密機械、生物製薬、新素材等のハイテ

ク産業だけではなく、快適な住環境を提供するために住宅、ショッピングモール、スーパー、学校、スポーツ施設、公園等の付属施設の整備を進めて

おり、事業投資に最適であるばかりでなく、理想的な都市としての環境を整えている。09 年年末現在、フォーチュン誌世界ベスト 500 社企業の 79

社は蘇州工業園区に 125 社の外資系企業を設立した。投資額が 1 億 US ドル超のプロジェクトが 100 数社ある。また、同園区に進出した日系企業は

日立金属、パナソニックをはじめ 200 社近くに達し、日系企業が生産拠点を中国にシフトする際の重要候補地の一つになっている。

沿革

市場開放政策においてシンガポール型の外資企業誘致ノウハウの導入を推進した中国・鄧小平元主席と蘇州市開発をシンガポール企業の海外進出戦略

の一環として考えていたリー・クアンユー上級相の思惑が一致し、1994 年 2 月に SIP 建設に向け、北京でリー・クアンユー上級相と中国の李嵐清前

副首相が蘇州工業区協議書に署名、SIP の開発会社として、シンガポール蘇州工業区開発株式会社(SSTD:Singapore-Suzhou Township Development、

シンガポール側 65%、中国側 35%を保有)が設立された。発足当時のシンガポール側の構成は、政府系企業(GLC)を母体とする 19 社のパートナ

ーシップだったが、後に経済開発庁(EDB)、シンガポール労働基金(SLF)と多国籍企業(MNC)4 社が加わって、25 社となった。各社は一律 4%

の権益を保有した。MNC には欧州系のロダムコ、GE キャピタル・サービシズ、Mi-Mi インベストメント(三菱商事・三井物産)、サムスンの 4 社が

参加し、先進国の財界を網羅した顔ぶれとなった。288 平方キロの敷地のうち約 70 平方キロを占める SIP の開発用地は、蘇州市の東部に決まり、ケ

ッペル・グループが、土地価格などの交渉を開始した。SIP は、3 期、15~30 年をかけて、エレクトロニクス、化学、食品、自動車などの分野の外

資系企業による 200 億米ドル以上の投資を呼び込むことを目指したもの。30 万人の雇用を提供し、人口 60 万人の新たな都市を建設する一大プロジ

ェクトで、世界の投資家の注目を集めた。プロジェクトの計画、設計、監督は、30 数年間にわたりジュロン工業団地を開発してきた JTC インターナ

ショナルに任された。開発は中国の中央政府が積極的に支持したが、蘇州市政府の消極的姿勢から 97 年には開発計画をめぐり、シンガポールと蘇州

市との対立が表面化した。シンガポールは一時、完全撤退を主張したが、2 年間にわたる交渉で開発会社への出資比率を 2001 年 1 月から、中国側 65%、

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シンガポール側 35%に逆転し、経営・管理権を市政府に譲ることで解決した。開発主体も CSSD(Chinese-Singapore Suzhou Industrial Park

Development Group)となった。蜜月、対立、そして和解を経て、中国側がプロジェクトの主導権を手にして以来、SIP の業績は 01 年度に初の黒字

となる 760 万米ドルを計上、その後も年間約 50%の生産高の伸びを記録し、SIP を上場させることも計画されている。09 年 5 月に SIP の 15 周年式

典が開催され、シンガポールからウォン・カンセン副首相が SIP 共同運営員会の共同議長として、中国の王岐山副首相とともに参加した。同式典に

は中国訪問中のリー・クアンユー顧問相も出席した。シンガポールと中国の共同都市開発事業である蘇州工業団地は過去 15 年間で計 3,500 社から合

計 350 億米ドルの投資を呼び込み、08 年の付加価値産出額は 1,000 億人民元と蘇州市全体の 15%を占め、輸出総額は 311 億米ドルに達した。なお、

江蘇省は中国・シンガポール提携において最も緊密な地区となっており、中国におけるシンガポールの投資のうち 40%が江蘇省にあり、中国とシン

ガポールの貿易額のうち江蘇省との貿易額が全体の 6 分の 1 を占めている。また 05 年以降 5 年間に江蘇省から延べ 1 万 5000 人がシンガポールに研

修に行き、すでに全方面の広い分野における提携構造が出来上がっている。

最近の進捗状況

■09 年 11 月、独シーメンス傘下のシーメンス補聴器(蘇州)有限公司研究開発センターが開所。

■09 年 11 月、オランダのロイヤル· フィリップス · エレクトロニクス社が園区にフィリップス医療画像中国基地の建設を発表。

■09 年 11 月、世界トップの食品包装企業プリントパックが新設した最新の生産基地プリントパック(蘇州)包装有限公司が開業。

■09 年 11 月、長谷川香料株式会社の蘇州子会社が正式に開業。

■10 年 3 月、クラウドコンピューティングなどを手懸ける富士通研究開発センター有限公司蘇州支社が開所。

■10 年 4 月、インドネシア財閥大手シナールマス・グループの金光(中国)製紙パルプ技術研究開発センターが開所。

■10 年 4 月、韓国製鉄最大手ポスコ傘下の蘇州浦項科技有限公司が新工場の竣工式典を開催。

■10 年 5 月、スイス系エンジニアリングプラスチック製品メーカー、エムス(蘇州)エンジニアリングプラスチック有限公司が開業式典を開催。

■10 年 8 月、損保ジャパン江蘇省支店が蘇州工業園区で開業。

■10 年 9 月、日立ディスプレイデバイス(蘇州)有限公司が設立 10 周年の記念式典を開催。

■10 年 10 月、液晶パネル・半導体・太陽エネルギー電池製造設備の日本アルバックグループが愛発科電子材料(蘇州)有限公司の竣工式典を開催。

■10 年 10 月、キャタピラー(蘇州)物流有限公司が正式に開業し営業を開始。

■10 年 10 月、ヒューレット・パッカード傘下の蘇州ヒューレット・パッカード情報サービス有限公司が開業式典を開催。

■10 年 10 月、ノキア・シーメンス通信(蘇州)有限公司が開業式典を開催。

■10 年 11 月、みずほコーポレート銀行の蘇州支店が開業式を開催。

■10 年 11 月、半導体大手 AMD 傘下の超威半導体(蘇州)有限公司が新工場の着工式を開催。

■10 年 11 月、日立金属(蘇州)科技有限公司の新工場が蘇州工業園区で着工式を開催。日立金属株式会社が 01 年園区に日立金属(蘇州)電子有限

公司を設立してから 9 年になる。

■10 年 11 月、ヤマシンフィルタ社(本社、横浜)がヤマシンフィルタ(蘇州工業園区)研究開発センターの竣工式を開催。

■10 年 11 月、DIN 軌道式スイッチの電源装置技術の先駆者でヨーロッパ最大の独産業用電源装置製造会社パルス(PLUS)が開業式典を開催。

■10 年 11 月、シンガポール国立大学が蘇州独墅湖科教イノベーション区研究院共同建設の実施について調印式を実施。

■10 年 12 月、材料・電子工学などの専門で米国トップ 5 に位置する米デイトン大学が「デイトン大学中国研究院(蘇州)」を設立する覚書に調印。

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企業名 City Developments Ltd(CDL)

シティ・デベロップメント 分野

不動産開発・ホテル運

営 URL www.cdl.com.sg

企業概要

■63 年設立、同年シンガポール取引所(SGX)上場、シンガポールの財閥ホンリョン・グループ傘下の不動産開発大手。

■主要株主はホンリョン・グループの投資持株会社であるホンリョン・インベストメント・ホールディングス(48.6%保有、10 年 3 月時点)

■グループ全体の 09 年 12 月期の売上は前年比 11.1%増の 32 億 7,280 万 S ドル。部門別売上比率は、不動産開発部門が 44%、ホテル運営部門が 46%、

不動産賃貸部門が 9%など。地域別売上比率は、米国が 15%、英国が 9%、シンガポールが 60%、その他が 16%。

■ホンリョン・グループの 09 年シンガポール国内の民間住宅分譲実績は、シティ・デベロップメント(CDL)、ホンリョン・ホールディングス、三井

不動産との合弁会社 TID を合わせて計 2,122 戸、総額 23 億 9,000 万 S ドルでトップに上った。

■傘下にホテル運営会社ミレニアム&コプソーン・ホテルズ(M&C)、ホテル専門の不動産投資信託「CDL ホスピタリティー・トラスト(CDLHT)」、

ホテルの管理サービスや技術ソリューションを提供する「シティ e ソリューション」など上場子会社を保有。M&C は 19 ヵ国で 120 のホテル・チェ

ーンを保有し、ロンドン証券取引所で上場されている。「CDL ホスピタリティー・トラスト(CDLHT)」にはシンガポールのオーチャード・ホテル、

M ホテル、グランドコプトーン・ウォーターフロントなど 6 ホテルが組み込まれ、不動産賃貸収入の約 80%をシンガポールの物件が占めている。

海外プロジェクト

■日本

商業施設「梅田パシフィックプラザ」(大阪市)を所有・運営。

■韓国

07 年に韓国の DC ケミカル・カンパニーと共同で、仁川にある約 60 万平方メートルの用地で大型商業施設・ホテルを開発するための覚書を締結。

CDL は仁川の計画に最高 3 億米ドルを投じる見込みだったが、開発の遅れから 09 年に撤退を表明。08 年に傘下のホテル運営会社 M&C がソウルに保

有していたホテル「ミレニアム・ソウル・ヒルトン」を韓国企業 Kangho に売却。売却額は 6 億 2,800 万 S ドル。M&C は 99 年に同ホテルを取得し、

運営していた。

■台湾

傘下の M&C が台北で「グランド・ハイヤット台北」(客室数 856 室)を運営。

■中国

傘下の M&C が 08 年に北京で「グランド・ミレニアム北京」(客室数 521 室)、上海で「ミレニアム虹橋」(客室数 369 室)、海南で「ウェストコース

ト・リゾート海南」(客室数 242 室)の 3 カ所でホテルを開業。また 09 年に江蘇省で「ミレニアム無錫」、四川省で「ミレニアム成都」を開業。天津

でオフィスビル「天津シティ・タワー」、広東省虎门で商業施設「虎门国際衣料センター」、広東省佛冈で商業施設「佛冈シティスプリング」を所有・

運営。10 年 8 月に中国での不動産事業展開を本格的に進めるために、CDL グループ全額出資の現地法人「CDL チャイナ」を新設し、当初の投資資金

として 3 億 S ドルを配分した。CDL は従来は中国投資に対して慎重に構えてきたが、中国政府が不動産市場の過熱抑制策に乗り出したことで、中国

市場が近い将来に良好な状態になることが見込めるとし、09 年末に完成した天津市の天津シティー・タワー(城市大厦)を最初の保有資産として CDL

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チャイナの傘下に入れた。

■香港

傘下の M&C が香港で「JW マリオット香港」、「ホテル日航香港」などホテル 2 施設(客室数計 1,065 室)を運営。

■タイ

傘下の M&C がバンコクで「グランド・ミレニアム・スクンビット・バンコク」(客室数 325 室)を所有・運営、タイ南部の観光地プーケットで「ミ

レニアム・リゾート・パトン・プーケット」を 08 年 7 月に開業。バンコクでオフィスビル「エクスチェンジ・タワー」、高級コンドミニアム「ミレ

ニアム・レジデンシス」、ホテル「ミレニアム・ヒルトン・バンコク」を所有。

■インドネシア

傘下の M&C がジャカルタで「ミレニアム・ジャカルタ」(客室数 390 室)を運営。

■フィリピン

傘下の M&C がマニラで「ヘリテージ・ホテル・マニラ」(客室数 450 室)を運営。

■マレーシア

傘下の M&C がクアラルンプルで「グランド・ミレニアム・クアラルンプル」(客室数 468 室)、ペナンで「コプトーン・オーキッド・ホテル・ペナン」

(客室数 318 室)を運営。

■豪州

10 年 1 月に傘下のホテル事業不動産投資信託「CDL ホスピタリティー・トラスト(CDLHT)」がブリスベーン、パースの 2 都市にある 5 つのホテル

(客室計 1,139 室)を取得。取得費用は総額 1 億 7,500 万豪ドル。取得するのは、「ノボテル・ブリスベーン」(客室 296 室)、「マーキュリー・ブリ

スベーン」(同 194 室)、「アイビス・ブリスベーン」(同 218 室)、「マーキュリー・パース」(同 239 室)、「アイビス・パース」(同 192 室)で、いず

れも市内中心部に位置する。また 21 年までの長期契約で、フランスのホテル運営大手アコー・グループが借り上げ、運営を継続する。

■ニュージーランド

傘下の M&C が「ミレニアム・ホテル・クライストチャーチ」などホテル 17 施設(客室数計 2,498 室)を運営。また、傘下の不動産投資信託「CDL

ホスピタリティー・トラスト」が「ランデブーホテル・オークランド」(455 室)を所有・運営。

■インド

傘下の M&C がインド企業と合弁会社「M&C ラキンド・ホスピタリティ」を 08 年 4 月に設立し、インド南部のチェンナイ、バンガロールの 2 カ所で

ホテルを開設する。投資総額は 4,600 万 S ドル。チェンナイのホテル(客室数 120 室)は 09 年末、バンガロールのホテル(同 300 室)は 10 年に完

成予定。合弁の相手先は、チェンナイ拠点のトライメックス・グループとアラブ首長国連邦のラキーンが折半出資している「ラキンド・デベロッパー

ズ」。

■中東

◆07 年にアラブ首長国連邦ドバイの政府系投資持株会社イスティマルと合弁で、格安ホテル事業に参入を発表した。シンガポールやマレーシアなど

東南アジア地域で今後 3 年以内に 30 の格安ホテルを展開する。合弁会社「トューン・ホスピタリティー・インベストメンツ」には、傘下のeソリュ

ーションズが 40%、残りはイスティマルが 40%、トゥーン・ホテルズ・コムが 20%をそれぞれ出資する。ホテルを開発・運営するのはトゥーン・ホ

テルズ・コムで、同社はマレーシアの格安航空エア・アジアの創立者グループの傘下にある。トゥーンズ・ホテル第 1 号は、既にマレーシアのクアラ

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ルンプルにオープン。

◆傘下の M&C はアラブ首長国連邦のドバイとアブダビ、カタールのドーハなどで 9 つのホテルを保有・運営し、21 のホテルの運営を受託している。

また、イラク国内で比較的治安が良いとされるスレマニア地区で最高級ホテル「グランド・ミレニアム」、高級ホテル「コプソーン」、「タラ」の 3 つ

のホテル運営契約を 09 年 10 月に締結した。

■ロシア

07 年にロシアと独立国家共同体(CIS)諸国で幅広く事業展開するアムテル・グループの不動産保有子会社ソフト・プロークトに出資し、ロシアでの

不動産開発事業に進出。シティ・デベロップメントは、アムテル・グループからソフト社の株式 50%を 6,250 万米ドルで取得する。アムテル・グル

ープはインド出身のシンガポール人実業家スドゥヒール・グプタ氏が運営している。ソフト社は、モスクワに客室 200 室のホテルを所有している。

同社は同ホテルを傘下ブランド「ミレニアム&コープソン」に改称し、ホテル経営を担う。

■英国

傘下の M&C がロンドンをはじめ英国全域で「ミレニアム・ロンドン・メイフェア」などホテル 16 施設(客室数計 3,928 室)を運営。

■フランス

傘下の M&C がパリなどで「ミレニアム・パリス・オペラ」などホテル 2 施設(客室数計 402 室)を運営。

■ドイツ

傘下の M&C がハノーバーで「コプトーン・ホテル・ハノーバー」などホテル 2 施設(客室数計 673 室)を運営。

■米国

傘下の M&C が米国全域で「ミレニアム・ブロードウェイ・ニューヨーク」などホテル 19 施設(客室数計 7,472 室)を運営。

海外拠点

■韓国

CDL Hotels (Korea) Ltd(54%出資、ホテル所有・運営)

■台湾

Hong Leong Hotel Development Limited(44%出資、ホテル所有・運営)

■中国

Tianjin Trophy Real Estate Co Ltd(100%出資、不動産投資)

Beijing Fortune Hotel Co. Ltd(16%出資、ホテル所有)

■香港

Educado Company Limited(100%出資、投資持株)

Lingo Enterprises Limited(100%出資、投資持株、不動産投資)

Pacific Height Enterprises Company Limited(100%出資、不動産投資)

Millennium & Copthorne Middle East Holdings Limited(27%出資、ホテル管理サービス)

■フィリピン

Grand Plaza Hotel Corporation(35%出資、ホテル所有・運営、投資持株)

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■タイ

Fena Estate Company Limited(27%出資、投資持株)

Exchange Tower Ltd(39%出資、不動産所有、投資持株)

Krungthep Rimnam Ltd(49%出資、ホテル事業)

■マレーシア

Palmerston Holdings Sdn Bhd(51%出資、不動産開発・所有)

CDL Hotels (Malaysia) Sdn Bhd(54%出資、ホテル所有・運営)

■インドネシア

P.T. City Island Utama(30%出資、不動産所有・運営)

■ニュージーランド

CDL Investments New Zealand Limited(25%出資、不動産投資・管理)

Millennium & Copthorne Hotels New Zealand Limited(38%出資、ホテル投資持株)

Quantum Limited(26%出資、投資持株)

■英国

Millennium & Copthorne Hotels plc(54%出資、投資持株、ロンドン証券取引所上場)

CDL Hotels (Chelsea) Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

CDL Hotels (UK) Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

Copthorne Hotel (Birmingham) Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

Copthorne Hotel (Gatwick) Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

Copthorne Hotel (Manchester) Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

Copthorne Hotel (Newcastle) Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

Copthorne Hotel (Slough) Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

Copthorne Hotel Holdings Limited(54%出資、ホテル投資持株)

Copthorne Hotels Limited(54%出資、ホテル投資持株)

London Britannia Hotel Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

London Tara Hotel Limited(54%出資、ホテル所有・運営)

■フランス

M&C Hotels France SAS(54%出資、ホテル所有)

■ロシア

OOO “Soft-Project”(50%出資、不動産開発・ホテル所有)

■米国

Anchorage-Lakefront Limited Partnership(54%出資、ホテル所有)

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Bostonian Hotel Limited Partnership(54%出資、ホテル所有)

CDL (New York) LLC(54%出資、ホテル所有)

CDL Hotels USA Inc(54%出資、ホテル投資持株)

CDL West 45th Street LLC(54%出資、ホテル所有)

Chicago Hotel Holdings, Inc(54%出資、ホテル所有・運営)

Gateway Regal Holdings LLC(54%出資、ホテル所有・運営)

M&C Crescent Interests, LLC(54%出資、ホテル所有)

M&C Hotel Interest, Inc(54%出資、ホテル管理サービス)

RHM-88, LLC(54%出資、ホテル所有・運営)

WHB Biltmore LLC(54%出資、ホテル所有・運営)

Richfield Hospitality, Inc(53%出資、投資持株)

Sceptre Hospitality Resources, Inc(53%出資、ホテル予約システム運営)

SWAN USA, Inc(53%出資、投資持株)

事業パートナー

■アラブ首長国連邦ドバイ政府の投資持ち株会社ドバイ・ワールド

07 年に CDL はドバイ・ワールドと米不動産大手エラド・グループと共同で、シンガポール国内のサウス・ビーチ再開発用地を 16 億 9,000 万 S ドル

で取得。この大型再開発計画「サウス・ビーチ」では、ホテル、オフィス棟、高級集合住宅、商業施設から成る複合施設を 16 年までに完成させる計

画で、11 年初めに基礎工事を開始する方向で設計、建設認可、資金調達などの準備を進めている。ドバイ・ワールドとエラド・グループの出資額は

各約 2 億 S ドルとみられている。

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企業名

CitySpring Infrastructure Trust

シティスプリング・インフラストラクチャ

ー・トラスト

分野 産業基盤事業信託 URL www.cityspring.com.sg

企業概要

■07 年設立のシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングス傘下の産業基盤事業信託で、07 年にシンガポール取引所(SGX)に上場。シ

ンガポールではインフラを対象とする初の事業信託ファンドとなる。

■テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」の一つ(27.8%保有、10 年 3 月時点)。

■10 年 3 月期の売上は前年比 2.7%減の 3 億 8,800 万 S ドル。

■シンガポールの都市ガス事業者シティガス、同国の海水淡水化施設を所有するシングスプリング・トラスト、豪州の本土とタスマニア島をつなぐ海

底送電網「バスリンク」などに出資。

■今後、中国やインド、東南アジアの有料道路や港湾、電力会社などの資産取得を検討している。地域別の投資先として中国・香港が 49%、東南アジ

ア地域が 35%を占め、事業別では、有料道路・トンネル整備が 32%、電力供給が 28%、残りが港湾、水、物流などになると想定。

海外プロジェクト

■豪州

07 年に豪州の本土とタスマニア島をつなぐ世界最長(全長 370 キロメートル)の海底電気ケーブル「バスリンク」を英電力・ガス供給大手ナショナ

ル・グリッドから 11 億 7,500 万豪ドルにて取得。同社はタスマニアの電力企業と 25 年の供給契約を締結している。

海外拠点

■シンガポール

City Gas Trust(100%出資、都市ガスの生産・小売)

SingSpring Trust(70%出資、海水淡水化施設の運営)

CityLink Investments Pte Ltd(100%出資、投資持株)

■豪州

Basslink Telecoms Pty Ltd(100%出資、海底送電網運営)

事業パートナー

■シンガポールの水処理大手ハイフラックス

同事業信託は、ハイフラックスの子会社シングスプリングが運営する海水淡水化プラントの権益などを保有。シングスプリングは 03 年、シンガポー

ル初の海水淡水化プラントの建設、運営、水売却の契約を公益事業庁(PUB)より獲得し、05 年末に完成、稼動している。ハイフラックスは資産軽

減を目的にシングスプリングの一部権益を信託「シングスプリング・トラスト」に売却した上で、同事業信託と共同保有することとなった(ハイフラ

ックスの権益持分は 30%)。同事業信託は次の買収ターゲットとして、ハイフラックスから同社中国の水処理プラント買収の優先権を与えられた。

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企業名 CWT Ltd

シー・ダブリュ・ティー 分野 物流 URL www.cwtlimited.com

企業概要

■70 年にシンガポール港の運営会社 PSA コーポレーションの物流子会社として設立、93 年シンガポール取引所(SGX)上場の物流大手。

■04 年に民間物流会社 C&P ホールディングスが PSA コーポレーションの保有する同社持株を買収し、主要株主となった(35.9%保有、09 年 12 月時

点)。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 3.5%増の 6 億 2,390 万 S ドル。地域別売上比率は、シンガポールが 49%、中国が 16%、インドが 5%、その

他アジア諸国が 8%、オランダが 6%、ベルギーが 6%、スペインが 4%など。

■一般物流・倉庫事業に加えて、コンテナ物流、低温物流、化学品物流、コモディティ物流、鉄鋼物流、保税品倉庫事業などを手懸ける。シンガポー

ルが域内の物流拠点としての役割を強めていることで、同社の化学品、コモディティ、保税品、コンテナの各物流と倉庫事業も好調に拡大した。

■シンガポールの石油基地ジュロン島に近いタンジョン・ペンジュル地区で 08 年に「CWT 物流ハブ1」「CWT 物流ハブ 2」を開設。荷物用エレベー

ターの代わりに車両用スロープを設置したほか、外部採光の利用などで電力消費を抑える設計がなされている。「CWT 物流ハブ1」「CWT 物流ハブ 2」

では独化学大手 BASF や米デュポン、ISP など石油化学系顧客の商品を中心に取り扱う。建設中の新物流施設「CWT 物流ハブ 3」は 11 年半ばの完成

予定・CWT が運営する物流施設の延べ床面積は全体で 900 万平方フィートに上り、このうち 650 万平方フィートがシンガポール国内、残りがアラブ

首長国連邦、中国、オランダ・アムステルダム、ベルギー・アントワープにある。

■10 年 4 月に CWT と香港・長江実業グループの資産運用会社 ARA アセット・マネジメントが組成した物流施設専門不動産投資信託「キャッシュ・

ロジスティック・トラスト(CLT)」がシンガポール取引所(SGX)に上場。CLT には ARA が 60%、CWT が 40%をそれぞれ出資。CLT の当初保有

資産は、シンガポール国内の 6 ヵ所の物流施設で総延べ床面積は計 390 万平方フィート。

■10 年 1 月に全額出資子会社インデコ・エンジニアズを通じ、シンガポール国軍から軍用車両・装備品の保守業務を受託。契約期間は 6 年間で、契約

額は 3,000 万 S ドル超。インデコ・エンジニアズは、国軍保有トラックの保守計画の策定、保守・修理業務の提供などを行う。

海外プロジェクト

■中国

中国で上海、天津に倉庫を保有するほか、07 年に 1,500 万 S ドルを投じ、中国・上海に近い洋山保税港区で保税倉庫を設置するための用地を取得し

た。同社は天津市に中国本部の設立を決定しており、今後 5 年間で同市に 2 億米ドルを投資する方針。

■マレーシア

10 年 1 月に子会社 CWT ロジスティクスがマレーシア・スランゴール州クラン港で、22 万平方フィートの用地を取得して海上コンテナ荷捌き業務を

開始。

■インド

インドでは同社の貨物輸送部門グローブリンクの事業所を各地に設置し、化学品物流や低温物流部門をターゲットに事業展開。

■南アフリカ

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10 年 11 月に CWT の欧州子会社を通じて、南アフリカ共和国の貨物利用運送事業者アクエリアス・シッピング・インターナショナル(ASI)を 2,250

万ランドで買収することで合意。ASI はヨハネスブルクに本社があり、マラウイ、ジンバブエ、ザンビア、モザンビーク、英国、アントワープに拠点

を有している。

■ベルギー

08 年に全額出資子会社の CWT コモディティーズを通じて、ベルギーの物流企業 HNN ロジスティクスを買収。買収手続き完了後に HNN ロジスティ

クスの社名を CWT コモディティーズ(アントワープ)に変更した。HNN は運送・倉庫・物流サービスを提供しており、ベルギーの港湾都市アント

ワープに倉庫を有している。

海外拠点

■韓国

Globelink Korea Co Ltd(70%出資)

■中国

Globelink-Trans (Tianjin) International Forwarding Co Ltd(100%出資)

CWT China Logistics Shanghai Co Ltd(100%出資)

CWT Logistics (Tianjin) Co Ltd(75%出資)

CWT Warehousing Transportation (Shanghai) Development Co Ltd(100%出資)

CWT Tianjin Logistic Hub Co Ltd(100%出資)

CWT Commodities Shanghai Warehousing Management Co Ltd(51%出資)

■ベトナム

CWT SPL Distripark Vietnam Ltd(51%出資)

■マレーシア

Globelink Container Lines (JB) Sdn Bhd(90%出資)

Globelink Container Line (M) Sdn Bhd(98%出資)

CWT Logistics Sdn Bhd(100%出資)

■豪州

Globelink International Pty Ltd(65%出資)

■インド

Globelink WW India Pvt Ltd(51%出資)

■スリランカ

CWT Globelink Colombo (Pvt) Ltd(51%出資)

■アラブ首長国連邦

Globelink Westar Shipping LLC(49%出資)

■エジプト

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Globelink Egypt(51%出資)

■ガーナ

Sitos Commodities (Ghana) Ltd(60%出資)

■ベルギー

CWT Commodities (Antwerp) NV(100%出資)

■オランダ

CWT Sitos Group B.V. (60%出資)

Sitos Commodities (Amsterdam) B.V.(60%出資)

CWT Commodities (Rotterdam) B.V. (80%出資)

Quality Logistic Warehousing B.V.(80%出資)

CWT Sitos B.V.(30%出資)

■英国

Sitos Commodities (UK) Ltd(57%出資)

CWT Sitos Properties (UK) Ltd(60%出資)

■スペイン

Globelink Uniexco S.L.(56%出資)

事業パートナー

■アブダビの石油化学会社ブルージュ

ブルージュは、シンガポールでアジア域内物流拠点を開設するにあたり CWT と提携し、同拠点の設計、整備、開発を CWT に委託した。CWT は同拠

点開業後 10 年間にわたり、アジア域内のブルージュの顧客に対する物流業務と石油化学製品の保管、荷造りも担当する。新拠点ではアブダビから出

荷されるポリオレフィンを年間 33 万トン扱う。ブルージュはアブダビ国営石油会社(ADNOC)とデンマークのボレアリスの合弁会社で、現在は年

間 60 万トンのポリエチレン生産能力を有する。13 億米ドルを投じる第 2 期計画「ブルージュ 2」が 10 年に稼動すると、生産能力は 200 万トン規模

に拡大する。

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企業名 Darco Water Technologies Ltd

ダルコ・ウオーター・テクノロジーズ 分野 水処理 URL www.darcowater.com

企業概要

■99 年設立、02 年シンガポール取引所(SGX)上場の水処理大手。

■創業者であるタイ・キムメン最高経営責任者が主要株主となっており、09 年 12 月末時点で 23%を保有。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 39.6%減の 5,880 万 S ドル。部門別売上比率は、水処理システム部門が 73%、水処理施設管理部門が 27%。

地域別売上比率は、中国が 29%、マレーシアが 29%、台湾が 27%、インドネシアが 8%、シンガポールが 4%など。

■主に半導体やエレクトロニクス業界を中心に水処理システムを提供している。02 年の上場後、水処理事業のほかに大気清浄、土壌浄化など環境工学

分野にも事業を拡大したほか、シンガポールとマレーシアにしかなかった拠点を中国、台湾、インドネシア、フィリピンに拡大。

海外プロジェクト

■台湾

03 年以降、台北市政府など複数の地方自治体から汚水処理施設の建設・所有・運営事業を受注している。08 年には台湾北部・桃園県当局から廃棄物

再処理施設の建設・所有・運営事業(受注額 3,600 万 S ドル)、台湾の中華工程から台湾中北部苗栗市の水銀に汚染された土壌の浄化プロジェクト(受

注額 840 万 S ドル)を受注。10 年 3 月に台湾北部の桃園県当局から BOT(建設・運営・譲渡)方式による廃水処理施設プロジェクト(設備投資額

7,900 万 S ドル)を受注。10 年 10 月には浄水・下水処理の沈殿槽に使用する汚泥かき寄せ機の製造を手掛ける台湾企業 WLF インダストリアルを約

42 万 S ドルで買収した。廃水・廃棄物・土壌処理、廃棄物再処理を手掛けるダルコの知名度は上がっており、台湾での市場シェアを獲得しつつある。

■中国

06 年に建設・運営・譲渡(BOT)方式で広東省徳慶の水処理施設を受注、運営期間 25 年間で 2 億 3,700 万 S ドルの利益を見込む。

■マレーシア

マレーシアではハードディスク駆動装置(HDD)最大手の米シーゲート・テクノロジーズ、太陽電池部品メーカーの米企業 MEMC エレクトロニック・

マテリアル・コープなど電子製品、半導体、太陽光発電の企業から水処理施設や空調管理システムなど複数のプロジェクトを受注している。中でもシ

ーゲート・テクノロジーズは同社最大の顧客となっている。

■インドネシア

07 年にインドネシアのバンカ島内で地元政府当局より既存の水処理施設を改良する建設・所有・運営・保守プロジェクトを約 1 億 3,000 万 S ドルで

受注。

■カタール

07 年にカタール環境・天然資源評議会(SCENR)と廃水再処理施設事業に関する覚書を締結。今回のプロジェクトは、カタール全土の 5 分の 4、国

民の 20%が住む地域を対象とし、水資源再生センターを設置。村落から使用済みの水を集め、再利用し分配するもので、実現可能性調査を実施し、

基本計画を作成する。同社は現在、SCENR と将来の株式上場を前提にした合弁会社の設立について協議中で、出資比率などで合意すれば、廃水再処

理施設事業が動き出す。

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海外拠点

■台湾

Darco Engineering (Taiwan) Co Ltd(100%出資、水処理システム・大気汚染管理システムの設計・組立・据付)

Darco Wan Yuan Develop Co Ltd(100%出資、投資持株)

Northern Union Assortment Recycling Co Ltd(100%出資、水処理システムの設計・組立)

Darco Environmental (Taiwan) Inc(60%出資、水処理システムの設計・組立)

■中国

Shanghai Darco Engineering Co Ltd(100%出資、水処理システムの設計・組立)

Deqing Huanzhong Producing Water Co Ltd(75%出資、簡易飲料水の供給)

Deqing Darco Producing Water Co Ltd(100%出資、簡易飲料水の供給)

■香港

Globe Industrial Technology Co Ltd(75%出資、投資持株)

■フィリピン

Darco Environmental (Philippines) Inc(65%出資、水処理システムの設計・組立)

■マレーシア

Darco Water Systems Sdn Bhd(100%出資、水処理システムの設計・組立、投資持株)

Darco-EnviDan Sdn Bhd(51%出資、水処理システムの設計・組立)

Darco Systems (M) Sdn Bhd(100%出資、水処理システムの設計・組立)

Darco Industrial Water Sdn Bhd(100%出資、工業排水処理システムの設計・組立)

■インドネシア

PT Darco Indonesia(51%出資、水処理システムの設計・組立)

PT Darco Bangka Belitung Water(48%出資、簡易飲料水の供給)

事業パートナー

■昭和電工子会社の昭和エンジニアリング(東京)

04 年に昭和エンジニアリングはダルコと排水処理設備のアジア販売について業務提携した。昭和エンジニアリングはダルコに同設備の技術を供与し、

東南アジア中心に販路を持つダルコが販売する。昭和エンジニアリングは、高濃度酸素ガスを使用することにより、排ガス量・臭気を大幅削減できる

同設備を保有。この提携により両社は、10 年までに 15 件以上の水処理関連プロジェクトの受注を目指す。

■英ケンニコット・ウォーター・システムズ

02 年の英ケンニコット・ウォーター・システムズとの提携により、ダルコは、東南アジア地域での電力・石油化学業界の水処理プロジェクトにおい

てケンニコットのブランド名と技術力を利用できることになった。1902 年創業のケンニコットはこれまでに、全世界で 100 を超える電力プラントに

水処理システムを供給しており、特に中国市場に強い。両社の提携で、ケンニコットは水処理システムの技術と開発を提供し、ダルコはプロセス・エ

ンジニアリング、製造、アフターサービスを担当する。

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企業名 Ecowise Holdings Ltd

エコワイズ・ホールディングス 分野 環境・廃棄物処理 URL www.ecowise.com.sg

企業概要

■79 年設立、03 年シンガポール取引所(SGX)上場の環境・廃棄物処理大手。

■09 年 10 月期のグループ売上は前年比 36%増の 3,140 万 S ドル。

■同社は再生エネルギー部門と廃棄物処理部門から成り、再生エネルギー部門では 05 年にシンガポールでコージェネレーション(熱併給発電)施設

を設置し、廃木材などのバイオマス燃料 5 トンから 1 時間当たり 1 万 5,000 キロの蒸気と 1 メガワットの電力を作り出している。

■09 年にシンガポール中心部マリーナ湾周辺に整備される新庭園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」のコージェネレーション事業を国立公園局から受注。

コージェネでは燃料に園芸・樹木ゴミを活用し、最大 0.9 メガワットの電力と 5.4 メガワット相当の熱を供給する。同社はコージェネ施設の設計・建

設と完成後 15 年間の運営を担当し、生産する電力・熱を公園局に売却する。

■同社は京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)に基づくシンガポール初の排出権創出プロジェクトとして、農業廃棄物を燃料に用いるコージ

ェネ事業を手掛け、07 年に関西電力に排出権を売却する契約を結んだ。

海外プロジェクト

■中国

09 年に中国重慶市当局との間で、資源リサイクルやバイオマス燃料活用プロジェクトの推進で基本合意。同社は重慶市当局と共同で、11 年までにパ

ソコン、テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの家電製品を年間 20 万台処理するリサイクル施設の設置する。投資総額は 6 億元。同社はまた、重慶市にあ

る小規模発電所をコージェネレーション施設かバイオマス発電施設に転換することも検討する。

海外拠点

■中国

Wuhan ecoWise Energy Co Ltd(51%出資、重慶、電力・蒸気の供給)

事業パートナー

■スイスのセメント製造大手ホルシム

08 年にスイスの上場企業ホルシムのシンガポール子会社と業務提携。同社は完全子会社エコワイズ・マテリアルズの株式 50%を 380 万 S ドルでホル

シムに譲渡する。これに伴い、エコワイズ・マテリアルズは社名を「ジオサイクル・シンガポール」に変更、北西部スンゲイ・カドゥに、銅スラグを

コンクリート用砂の代替品などに再生加工する再処理施設(投資額 600 万 S ドル)を開設した。新施設では、地元の造船所から集めた産業廃棄物の

銅スラグを処理し、コンクリートに混ぜる砂に加工する。年間の処理能力は 36 万トンで、再生銅スラグ 15%は造船所に還元し、残りをコンクリート

会社に販売する。ジオサイクルは今後、焼却炉から出る主灰といった銅スラグ以外の廃棄物の代替利用に関する研究も進める。

■関西電力

07 年に関西電力は同社から、京都議定書に基づく温室効果ガス排出権の購入契約を締結。同社が農業廃棄物を用いるコージェネレーション施設で生

み出す排出権を 08~12 年に合計 9 万 5,000 トン取得する。シンガポール企業による排出権売却は初めてのケースとなった。関西電力は国内での CO2

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排出量削減の取り組みを補完する形で海外での CDM 事業を実施しており、これまでにブータン、マレーシア、中国などで CDM 事業にかかわってき

た。シンガポールで CDM プロジェクトの実施例は、これまでこの 1 件にとどまっている。

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企業名

Global Logistic Properties Inc (GLP)

グローバル・ロジスティック・プロパティー

分野 物流施設開発・運営 URL www.glprop.com

www.glprop.co.jp

企業概要

■07 年にシンガポール政府投資公社(GIC)の物流不動産投資子会社として中国・上海で設立、10 年 10 月シンガポール取引所(SGX)上場の物流施

設開発・運営大手。

■米物流施設開発・運営会社プロロジスの日本・中国国内の保有不動産を取得した GLP の保有不動産は、日本国内に 69 施設、中国に 227 施設あり、

時価総額は 10 年 6 月末時点で 88 億 6,200 万米ドルに上る。GLP は日本と中国の 25 の主要都市において、約 1,400 万平方メートルの総床面積(東

京ドーム約 300 棟分)、296 ヵ所の竣工物件を開発・所有するアジア最大級の物流施設プロバイダーとなった。

■10 年 10 月の GLP のシンガポール取引所(SGX)上場では約 2,400 億円を調達し、SGX では 93 年のシンガポール・テレコムの 40 億 S ドルに次ぐ

過去 2 番目の大型新規企業公開(IPO)となった。GLP は上場で調達した資金のうち約 996 億円を日本と中国の物流施設に投資する方針。GLP の上

場後もシンガポール政府投資公社(GIC)が同社の過半数の株式を保有している。

■10 年 3 月期のグループ売上は前年比 16%増の 4 億 1,200 万米ドル。

海外プロジェクト

■日本

02 年に GIC が米プロロジスとともに日本の物流施設を投資対象とする私募ファンドを設立。以後、東京地区(新木場)、名古屋地区(東海)、大阪地

区(大阪)、仙台地区(富谷)、福岡地区(鳥栖)などの取得物件をファンドに組み入れ、09 年 2 月にプロロジスが保有するポートポリオの持分を GIC

が取得、10 年 10 月 GLP 上場により、GLP がポーフォリオの全持分を取得した。GLP の日本法人 GL プロパティーズ株式会社を通じて、東京で 32

施設、大阪で 18 施設、仙台で 7 施設、福岡で 5 施設、名古屋と広島でそれぞれ 3 施設、札幌で 1 施設など 7 都市 69 物件の物流施設(総延床面積は

約 280 万平方メートル)を所有・運営。10 年 6 月時点の時価総額は 58 億 1,700 万米ドル(全体の 65.6%)。顧客にはアスクル、NOK、岩谷物流、エ

スティローダー、キリン物流、コクヨサプライロジスティクス、佐川引越しセンター、山九、三洋電機ロジスティクス、西友、東武運輸、日本通運、

パナソニック・ロジスティクス、日立物流、フェデラルエクスプレス、三越、ヤマトロジスティクス、レナウンなどがある。

■中国

03 年にプロロジスが上海に現地法人を設立して以来、蘇州で 113 施設、上海で 40 施設、広州で 12 施設、天津で 11 施設、北京で 9 施設、大連で 7

施設などを開発・運営している。GLP がプロロジスより取得した物件は、18 都市において 227 物件の物流施設(総延床面積は約 1,120 万平方メート

ル)。10 年 6 月時点の時価総額は 30 億 4,500 万米ドル(全体の 34.4%)。

海外拠点

日本、中国、香港、シンガポール、ケーマン諸島、バルバドスに 234 社の子会社を保有するほか合弁会社 9 社を保有。

事業パートナー

■米物流施設開発・運営会社プロロジス

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プロロジス (ProLogis) は、91 年創業、94 年ニューヨーク証券取引所上場、北米、欧州、アジアの 105 地域で物流施設を開発・所有・管理・運営す

る。99 年に日本法人を設立し、プロロジスパークという名称で、舞洲、大阪、東京、市川、習志野、成田、三郷、座間、海老名、鳥栖などで物流施

設を開発・運営している。シンガポール政府投資公社(GIC)とは、02 年に GIC の不動産部門 GIC リアルエステーツ(GIC・RE)と共同で、日本の

物流物件を対象とした 10 億米ドル規模の投資ファンドを設立した。次いで 05 年に両社は第 2 弾の 30 億米ドル規模のファンド「プロロジス・ジャパ

ン・プロパティーズ・ファンド II」を設置した。資金調達環境が厳しくなる中で、08 年に保有資産売却による借入金圧縮を急ぐプロロジスは、プロ

ロジス不動産ファンドの中国事業と、両社が共同設立した対日投資ファンドに対するプロロジスの持ち分 20%を GIC・RE に 13 億米ドルで売却した。

プロロジスの前最高経営責任者(CEO)のジェフリー・シュワルツ氏は GIC と折半出資でこれらのプロロジスのアジア事業を管理する会社として GLP

を設立、運営会社の会長に就任した。

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企業名 Hyflux Limited

ハイフラックス 分野 水処理 URL www.hyflux.com

企業概要

■89 年に同社 CEO 兼社長でシンガポールの指名議員も務めるオリビア・ラム氏によって設立された。浸透膜の販売から浄化システムの設計、施工、

メンテナンスといった公共事業向けの包括的水処理サービスへと事業範囲を拡大し、01 年シンガポール取引所(SGX)上場、同年にベドック下水処

理場内のニューウォーター生産プラント第 1 号の設備納入契約を獲得して以来、03 年には仏大手水処理会社オンデオと組んでシンガポール初の海水

淡水化プロジェクトも落札した。

■シンガポール国内で培った水処理のノウハウをもとに、94 年に中国市場に参入して以来、40 ヵ所以上の水処理施設を政府・自治体より受注。04 年

から中東市場、06 年にインド市場に参入し、北アフリカのアルジェリア、リビアでも大型海水淡水化施設の受注を獲得した。

■同社の主要株主は創業者であるオリビア・ラム CEO 兼社長で 09 年 12 月末時点で 33.5%を保有。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 5%減の 5 億 2,500 万 S ドル。地域別売上比率は、中国が 35%(前期は 57%)に低下し、アルジェリアの海水

淡水化施設など大型プロジェクトが続く中東・北アフリカが 63%(同 40%)、シンガポール・その他が 2%。売上高の 9 割は政府・自治体のプロジ

ェクトが占めている。

■中国の水処理施設 13 ヵ所を組み入れた水処理事業信託ハイフラックス・ウォーター・トラスト(HWT)を設立し、07 年にシンガポール取引所(SGX)

で上場を果たした。その後、同事業信託が所有する資産は水処理施設 18 ヵ所にまで拡大したが、10 年 11 月にハイフラックスと三井物産が折半出資

で設立したギャラクシー・ニュースプリング社(本社シンガポール)が同事業信託を完全買収し、10 年末までに非上場化することとなった。

■ハイフラックスのオリビア・ラム最高経営責任者(CEO)は、一代で同社を世界有数のプラントメーカーに成長させたことで、水ビジネスのサクセ

ス・ストーリーの象徴として「水の女王」と呼ばれている。シンガポールの水政策を一手に握る公益事業庁(PUB)のクー・テンチー長官と二人三脚

で中東や中国各地で欧米のライバルに競り勝ち、大型案件を受注するまでになった。

■子会社シンスプリングスは 03 年、シンガポール初の海水淡水化プラントの建設、運営、水売却の契約を獲得、05 年末より稼動している。海水を淡

水化した日量 13 万 6,000 立方メートルの水を 20 年間にわたり公共事業局(PUB)に供給する。ハイフラックスは、シンスプリングの一部権益を信

託「シンスプリング・トラスト」に売却した上で、ハイフラックスと新設の事業信託シティスプリングが共同保有した。ハイフラックスとシティスプ

リングは最終的に、シンスプリング・トラストの権益をそれぞれ 30%、70%保有。

海外プロジェクト

■中国

◆江蘇省

中国で 40 以上の水処理事業を手掛け、このうち約 4 割の事業が江蘇省に集中している。江蘇省常州市当局との汚水処理場「武南汚水処理廠」(日量

12 万トン)建設プロジェクト、江蘇省潅雲県にある工業団地「潅雲経済開発区」での水道水(日量 10 万トン)・汚水処理(同 3 万トン)事業、

江蘇省阜寧の下水処理施設(日量 2 万トン)建設プロジェクトなどがある。

◆天津市

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04 年に天津市から天津北部大港地区に設置する中国最大級の海水淡水化プラント(日量 10 万立方メートル)の BOO プロジェクトを受注。

◆上海市

98 年にヒューレット・パッカード(上海)や現代電子(上海)より上海工場の廃水浄化システムを受注。02 年にモレックス・インターコネクトより

上海工場の廃水浄化システムを受注。

◆山東省

08 年に山東省臨沂市政府と市内の水処理事業に関する覚書を締結。

◆安徽省

08 年に同省より処理能力日量 3 万 5,000 立方メートルの飲料水用水処理施設の建設・所有・運営を 30 年間の契約で受託。また同省明光市で日量 3

万立方メートルの廃水処理施設の修復・運営事業を受注。

◆遼寧省

08 年に飲料水用水処理施設の所有・運営を 30 年間契約で受託。

◆湖南省

08 年に湖南省桃源の飲料水用水処理施設の建設・運営事業を受託、契約期間は 30 年。水処理能力は日量 6 万立方メートル。

◆江西省

07 年に江西省で下水処理プラント(日量 2 万立方メートル)の設計・建設・運営契約を受注、契約期間は 25 年間。08 年 1 月に処理能力日量 3 万立

方メートルの施設の建設、所有、運営を 30 年間契約で受託。

◆寧夏回族自治区

05 年に中国国営企業などと合弁で、有機酸プラントの建設、保有、運営契約に調印。

■フィリピン

07 年にタオ・コーポレーションと合弁で、バタンガス州カラカ近郊に最新方式の廃油リサイクル工場を設置。

■マレーシア

00 年に電子製造受託フレクトロニクスより工場の廃水浄化システムを受注。

■ベトナム

07 年に首都ハノイ近郊ハテイ省フーギア工業団地に廃油リサイクル工場を合弁で設置。

■オマーン

09 年にシンガポールの政府系複合企業セムコープ・インダストリーズが落札した中東オマーン・南西部サラーラの淡水化・発電複合プラント建設運

営事業(IWPP)の海水淡水化施設(9,500 万 S ドル)を受注。逆浸透膜技術を同施設に導入する。

■サウジアラビア

07 年に廃油リサイクル工場を合弁で設置。合弁会社にはハイフラックスとサウジアラビアのイスラム資産運用会社サウジ・エコノミック・アンド・

デベロップメント(SEDCO)がそれぞれ 41.5%を出資。残り 17%はサウジの廃油収集会社ルーブ・オイル・リリファイニング(LUBREC)が賄う。

3 社はリサイクルプラント工場建設に向け、総額 4,500 万 S ドルを投資する。

■アラブ首長国連邦

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04 年にアラブ首長国連邦の政府系投資持ち株会社イスティマル・プライベート・ジョイント・ストック・カンパニーと合弁会社を設立し、中東で水

処理事業を開始することで合意。合弁会社は、UAE で建設中の人工島での 6 億 8,000 万 S ドル相当の事業を請け負うことになる。

■リビア

09 年にリビア政府の淡水化公社から合弁形式で首都トリポリとリビア東部ベンガジの 2 カ所の海水淡水化プラント新設事業を受注。2 カ所合計の増

水能力は日量 90 万立方メートル以上を見込む。10 年 11 月にリビア政府から北東部トブルクで海水淡水化施設(日量 4 万立方メートル)の設計・調

達・建設(EPC)業務と稼働当初 3 年間の運営・保守業務を国際競争入札で受注した。受注額は 1 億米ドル。

■アルジェリア

◆07 年にアルジェリア・トレムセンでの淡水化プロジェクト(2 億 1,400 万米ドル)をマレーシアとアルジェリアの企業との合弁で受注。合弁相手

はマレーシアの独立系発電事業者マラコフとアルジェリアのアルジェリアン・エナジー・カンパニー(AEC)で、合弁会社は海水淡水化プラントを設

計、建設、運営する。契約期間は 25 年。

◆08 年にオラン市マグタの海水淡水化プラント(造水能力日量 50 万立方メートル)の建設・運営事業を 25 年契約で設計、建設、運営、所有、譲渡

を担う DBOOT 方式で受注。事業規模は 4 億 6,800 万米ドル。ハイフラックスが 51%、事業発注者である国営企業アルジェリア・エナジー(AEC)

が 49%をそれぞれ出資する合弁会社が事業主体となる。本プロジェクトでは、東レが「逆浸透(RO)膜」をハイフラックスに納入する。

海外拠点

■中国

Hydrochem Engineering (Shanghai) Co Ltd(100%出資)

Hyflux Filtech (Shanghai) Co Ltd(71%出資)

Hyflux Hi-Tech Product (Yangzhou) Co Ltd(100%出資)

Hyflux NewSpring Construction Engineering (Shanghai) Co Ltd(100%出資)

Hyflux NewSpring (Funing) Co Ltd(100%出資)

Hyflux Unitech (Shanghai) Co Ltd(71%出資)

Hyflux Engineering (Shanghai) Co Ltd(100%出資)

Eflux (Taizhou) Co Ltd(100%出資)

Tianjin Dagang NewSpring Desalination Co Ltd(50%出資)

Ningxia Hypow Bio-Technology Co Ltd(25%出資)

■香港

H.J. NewSpring Limited(50%出資)

■サウジアラビア

Lube Oil Re-fining Co., LLC(83%出資)

■アルジェリア

Tahlyat Myah Magtaa SpA(47%出資)

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■フランス

Tlemcen Desalination Investment Company(30%出資)

■オランダ

Hyflux CEPAration B.V. (100%出資)

事業パートナー

■世界銀行傘下の国際金融公社(IFC)

ハイフラックスは 06 年、中国で国際金融公社(IFC)と折半出資の合弁会社シノスプリングを設立。天津での日量 10 万立方メートルや遼寧省での同

5 万立方メートルの淡水化事業など 8 プロジェクトを担っている。

■日本政策金融公庫の国際部門である国際協力銀行(JBIC)

09 年に国際協力銀行(JBIC)は水インフラ分野での日本勢の海外展開を支援するためハイフラックスと協力覚書を締結した。JBIC は、ハイフラック

スが日本メーカーや商社などと組んで、中国・インドなどのアジア域内と中東・北アフリカ地域で、海水淡水化や廃水再生などの水処理事業を実施す

る場合に投融資を検討する。この協力覚書の第 1 号として、09 年 12 月に中国・天津市の大型海水淡水化事業に関するハイフラックスと日揮の事業提

携が実現している。

■日本のエンジニアリング大手、日揮(JGC)

09 年に日揮(JGC)とハイフラックスは折半出資で合弁会社を設立し、中国での水処理事業を推進することに合意した。日揮は 6,300 万米ドル(約

56 億円)を出資し、合弁会社「HJ ニュースプリング」の持ち分 50%を取得。HJ ニュースプリングは最初に手掛ける事業として、ハイフラックスが

天津市大港地区で実施している海水淡水化施設事業を引き継ぎ、処理能力を 15 万立方メートルに引き上げるプロジェクトに取り組む。

■三井物産

10 年 8 月に三井物産はハイフラックスと提携し、中国での水処理施設事業に進出した。両社は折半出資で設立したギャラクシー・ニュースプリング

社(本社シンガポール)を通じて、中国国内 8 省・直轄市の計 22 ヵ所の水処理施設をハイフラックス・グループから約 200 億円で取得するとともに、

今後、中国をはじめ中東など新興国市場での新規の水処理事業獲得も共同で目指す。三井物産は中国で地方自治体などの水処理事業受託で高い実績を

持つハイフラックスと組むことで中国市場参入を実現し、日本企業が中国で手掛ける水処理事業では最大規模になる。ギャラクシー社が取得する 22

ヵ所の水処理施設は天津市と江蘇、河北、遼寧、浙江、江西、安徽、湖南の 7 省にあり、このうち 9 ヵ所は上水供給、11 ヵ所は下水処理、2 ヵ所は

下水再生を行っている。合計処理能力は日量 74.5 万立方メートルに上る。ギャラクシー社は 22 ヵ所の水処理施設のうち 4 ヵ所をハイフラックスか

ら 5,310 万米ドルで直接取得。残り 18 ヵ所については、ハイフラックス傘下の水処理事業信託ハイフラックス・ウォーター・トラスト(HWT)を買

収、非上場化することで取得する。これに向けてギャラクシー社は、ハイフラックス・グループ以外の投資家が保有する HWT 投資口(発行済み投資

口の約 68%)を全面取得する公開買い付け(TOB)を開始する。ハイフラックス・グループ保有分も含む全投資口の取得費用は約 2 億 3,500 万 S ド

ルになる。

■日東電工と三菱レイヨン

10 年 6 月に日東電工と三菱レイヨンはハイフラックスからシンガポール・ジュロン下水処理場の施設拡張部分に導入する精密濾過膜を共同受注した。

処理水は工業用水として再利用される。今回納入が決まった精密濾過膜は、下水・廃水の効率的な処理方式として利用が広がる「膜分離活性汚泥法

(MBR)」の中核装置で、処理能力は日量 4 万 5,000 トン。シンガポール国内で使用される MBR 用膜では過去最大規模となる。ジュロン下水処理場

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の拡張施設について、シンガポールの上下水を管理する公共事業局(PUB)は、用地面積の縮小や汚泥の減尐などにつながる MBR 方式の採用を決

定し、総額 3,580 万 S ドルで設計・建設業務をハイフラックスに発注した。ハイフラックスは、MBR 施設の第 1 期部分の精密濾過膜を日東電工の米

子会社ハイドロノーティクスが受注し、三菱レイヨンの精密濾過膜を納入することにした。日東電工と三菱レイヨンは 08 年に PUB と膜技術を用い

た新たな水処理方法の開発について協力覚書を締結、MBR 方式の実証試験をシンガポールで実施し、今回の受注に結び付けた。日東電工はこれまで、

シンガポール国内 5 ヵ所にある下水再生水「ニューウオーター」の処理施設のうち、4 施設に逆浸透膜を導入してきた実績がある。

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企業名 Jurong International Holdings Pte Ltd

ジュロン・インターナショナル 分野

工業団地・都市開発コ

ンサルタント URL

www.jurong.com

www.juronginternational.com

企業概要

■シンガポール通産省の外郭機関である工業団地運営機関ジュロン・タウン・コーポレーション(JTC)が 100%出資するコンサルタント子会社。01

年に JTC の技術サービス部門と JTC インターナショナルのコンサルティング部門が合併して JTC コンサルタンツとして誕生、その後 03 年にジュロ

ン・インターナショナルが持株会社となる。

■シンガポール国内の工業団地で培った 40 年以上の経験をもとに、海外 40 ヵ国 145 都市で経済特区、港湾、バイオサイエンス、産業基盤、工業団地、

IT パーク、住宅、リゾートなどの基本計画・設計・コンサルティング・建設・設備管理サービスを提供している。これまでに 1,600 以上のプロジェ

クトをアジア、中東、アフリカ、中南米で手懸けてきた。

■10 年 3 月期のグループ売上は前年比 6.2%減の 2 億 2,100 万 S ドル。地域別売上比率は、シンガポールが 85%、中国が 13%、インドが 3%。

海外プロジェクト

■中国

94 年に蘇州で子会社を設立して蘇州工業団地(SIP)の計画、設計、監督など業務を受託。05 年にアセンダス、ハイフラックスなど 8 社が参加して

「長興島フィジビリティー調査チーム」を結成、中国・大連の長江河口にある長興島の海運、住宅、工業関連のプロジェクトの計画立案、開発に取り

組む。06 年に同社を主体とする企業連合が、中国・遼寧省大連市の長興島の港湾産業地区開発事業を受注。10 年 3 月に浙江省舟山市当局から、新都

市計画「舟山海洋科学都市」に関連して総合コンサルティング業務の提供と同海洋科学都市を含む「舟山経済開発区」の一部区域の基本計画策定業務

を受注。

■インド

00 年にバンガロール事務所を設立して以来、インド 18 都市で約 180 プロジェクトを獲得した。このうち、40%はコンドミニアムや住宅・オフィス・

商業施設などのタウン開発で占められた。同社は当初、情報通信関連のハイテク工業団地や商業開発を手懸けていたが、03 年にバンガロールで高層

アパート 3 棟の設計・管理契約を獲得して以来、住宅開発を積極的に手懸けている。07 年にシンガポールのセムコープ・インダストリーズら 4 社か

ら成る企業連合が、インド・アンドラプラデシュ州アナンタプールにハイテク産業拠点「オデッセイ・サイエンスシティー」を合弁で開発する覚書に

同州当局と署名。サイエンスシティーは、IT やスーパーコンピューター、バイオ、ハイテク製造、通信、観光、医療、ヘルス、金融などの一大拠点

となる。広さは 4,000 ヘクタールで、電力、通信、水処理施設、経済特区、工業団地、病院、教育施設やホテル、娯楽施設などを完備する。同社のイ

ンド子会社は受注拡大に対応するため 08 年に 1,000 人規模へと増員した。

■アラブ首長国連邦

03 年にアラブ首長国連邦のアブダビに代表事務所を設立、最初の顧客はアブダビの産業委員会だった。04 年にアブダビの経済計画部門からコンサル

タント業務を獲得。その後、カタールの自由貿易区開発プロジェクトなど中東地域で 15 のプロジェクトを獲得、同社の海外での売り上げに中東地域

は約 15%貢献する。

■カタール

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06 年にカタールの産業地区の予備調査を受注。同地区の広さは約 5 平方キロメートルで、開発事業規模は 20 億米ドル。電子機器販売拠点や展示会場、

研究センターなどの施設を設立する。

■ギニア

06 年にギニアのルーバ自由港拡張の設計・マスタープラン契約を受注。契約規模は推定 7,000 万米ドル。同港の権益 63%を保有するロンロ社から受

注したもので、インフラ整備を含め設計とマスタープランの作成は傘下のジュロン・プライムワイドが請け負う。ルーバ自由港には、エクソンモービ

ル、シェブロン、マレーシア国営ペトロナスなど大手石油会社が拠点を置いている。

海外拠点

■中国

JURONG International Constructors (Suzhou) Co Ltd(蘇州)

JURONG Consultants (Shanghai) Co Ltd(上海)

JURONG Planning and Design Consultancy (Chengdu) Co Ltd(成都)

JURONG International Constructors (Suzhou) Co Ltd, Beijing Representative Office(北京)

■シンガポール

JURONG International Holdings Pte Ltd

JURONG Consultants Pte Ltd

JURONG Primewide Pte Ltd

SMM Pte Ltd

■インド

JURONG Consultants (India) Pvt Ltd(バンガロール)

JURONG Infrastructure (India) Pvt Ltd(バンガロール)

■アラブ首長国連邦

JURONG International Consulting Pte Ltd, Abu Dhabi Office(アブダビ)

JURONG International Consulting Pte Ltd, Dubai Office(ドバイ)

■オマーン

JURONG International Consulting Pte Ltd, Oman Office(マスカット)

事業パートナー

■政府系工業団地運営機関ジュロン・タウン・コーポレーション(JTC)

JTC はシンガポール政府の出資により 1968 年に設立された公社で、シンガポール工業化の推進役として、広く認知されている。JTC は、シンガポー

ル国内で 35 以上の工業団地の開発、運営、インフラおよびその関連施設の管理を行い、その管理面積は 6,000 ヘクタール以上、シンガポール国内工

業団地の約 85%以上を所有している。中でもジュロン工業団地は内外に最もよく知られている。JTC の顧客は、国内外企業 7,000 社以上を数え、そ

の業種は、電気・電子、化学、製薬、飲料食品、石油化学製品、情報通信、ヘルスケア等多岐にわたっている。JTC は傘下にジュロン・インターナシ

ョナルのほか、工業団地開発子会社アセンダス、港湾運営子会社ジュロン・ポートの 3 社を抱え、それぞれ民営化が検討されている。

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企業名 Keppel Corporation Ltd

ケッペル・コープ 分野 複合 URL www.kepcorp.com

企業概要

■68 年設立、80 年シンガポール取引所(SGX)上場の政府系複合企業で、ケッペル・グループの投資持株・統括会社。

■オフショア&マリーン部門(ケッペル O&M)、不動産部門(ケッペル・ランド)、インフラ部門(環境エンジニアリング事業子会社ケッペル・イ

ンテグレーテッド・エンジニアリング、電力事業子会社ケッペル・エナジー、物流データセンター事業子会社ケッペル・テレコミュニケーション&ト

ランスポート)、投資部門(K1 ベンチャー及びモバイルワン)の 4 部門を中核事業としている。

■政府系投資会社テマセク・ホールディングスが株式の 21.6%(09 年 12 月時点)を保有する。

■同社の 09 年 12 月期のグループ全体の売上高は前年比 3.7%増の 122 億 4,700 万 S ドル。部門別売上は、オフショア&マリーン部門が前年比 3.5%

減の 82 億 7,300 万 S ドル(全体の 68%)、インフラ部門が前年比 8.7%増の 24 億 2,700 万 S ドル(同 20%)、不動産部門が前年比 58.7%増の 15

億 800 万 S ドル(同 12%)、投資部門が前年比 27.8%減の 3,900 万 S ドル(同 0.3%)。地域別売上比率はシンガポールが 23%、欧州が 31%、北米

が 13%、南米が 11%、中東・インドが 10%、その他アジアが 10%など。

■ケッペル・グループは、リー・クアンユー上級相と鄧小平氏の発想で 1994 年に実現したシンガポール・中国政府二国間の最初のプロジェクトであ

る「中国・シンガポール蘇州工業団地(SIP)」の開発で中心的役割を果たした。中国・シンガポール蘇州工業団地の詳細は「中国・シンガポール蘇

州工業団地」の項を参照のこと。

■蘇州工業団地に続く中国・シンガポール政府間の 2 番目の一大協力事業である中国・天津市の環境配慮型都市開発計画「天津エコシティ」もケッペ

ル・グループが中心となって進めている。「天津エコシティ」の開発主体として双方折半出資で設立された合弁会社「シノ・シンガポール・天津エコ

シティ・デベロップメント」には、シンガポール側持分の 90%をケッペル・グループが保有し、うちケッペル・コープが 45%、ケッペル・ランドが

35%、ケッペル・インテグレーテッド・エンジニアリング(KIE)が 20%をそれぞれ出資している。残る 10%はシンガポール政府系投資会社テマセ

ク・ホールディングス傘下の子会社で 09 年 6 月に新設されたシングブリッジ・インターナショナルが保有する。天津エコシティの詳細は「天津エコ

シティ」の項を参照のこと。

■オフショア&マリーン部門ケッペル O&M の詳細は「ケッペル O&M」の項を参照のこと。

■不動産部門ケッペル・ランドの詳細は「ケッペル・ランド」の項を参照のこと。

■インフラ部門環境エンジニアリング事業子会社ケッペル・インテグレーテッド・エンジニアリングの詳細は「ケッペル・インテグレーテッド・エン

ジニアリング」の項を参照のこと。

■インフラ部門電力事業子会社ケッペル・エナジーの詳細は「ケッペル・エナジー」の項を参照のこと。

■投資部門ではテクノロジー企業中心に投資するベンチャー・キャピタルでシンガポール取引所上場の K1 ベンチャーを傘下に抱えるほか、シンガポ

ールの地元通信業界 3 位のモバイルワン(M1)の発行済み株式 20%を保有する。K1 ベンチャーの主要投資先には、米石油・天然ガス探査会社マク

モラン・エクスプロレーション(MMR)や米鉄道客車リース会社ヘルム・ホールディング・コーポレーションなどがある。

海外プロジェクト

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■中国

ケッペル・コープは中国・シンガポール蘇州工業団地、天津エコシティの開発において中心的役割を果たすほか、09 年 3 月に中国・広東省広州市中

央部に知識集約型産業を中心とした環境にも優しい「広州ナレッジ・シティー(知識都市)」の開発に向けて、実現可能性調査を行うことで広州市当

局と合意。知識都市はケッペルが広東省政府に提案していたたもので、両者で広州市中央部のほとんど開発されていない地域(面積 50 平方キロメー

トル)を予定地に選定した。本プロジェクトはその後、シングブリッジに引き継がれることとなった。詳細は「シングブリッジ・インターナショナル」

の項を参照のこと。

海外拠点および主要子会社

■中国

Sino-Singapore Tianjin Eco-City Investment and Development Co Ltd(45%出資、天津エコシティ開発事業会社)

■シンガポール

Keppel Offshore & Marine Limited(100%出資、オフショア&マリーン部門投資持株・統括会社)

Keppel Integrated Engineering Ltd(100%出資、インフラ部門環境エンジニアリング事業統括会社)

Keppel Energy Pte Ltd(100%出資、インフラ部門電力事業統括会社)

Keppel Telecommunications & Transportation Ltd(80%出資、インフラ部門物流データセンター事業統括会社、シンガポール取引所上場)

Keppel Land Limited(52%出資、不動産部門統括会社、シンガポール取引所上場)

k1 Ventures Limited(36%出資、投資部門投資事業統括会社、シンガポール取引所上場)

MobileOne Ltd(20%出資、投資部門通信事業統括会社、シンガポール取引所上場)

事業パートナー

■シングブリッジ・インターナショナル

09 年 6 月にシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスが中国・天津エコシティーなど大型都市開発に参加する都市開発事業子会社と

して設立。設立にあたってケッペル・コープ会長であったリム・チーオン氏がシングブリッジに移籍し、初代会長に任命された。

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企業名 Keppel Energy Pte Ltd

ケッペル・エナジー 分野 電力・ガス URL www.keppelenergy.com

企業概要

■シンガポール取引所(SGX)上場政府系複合企業ケッペル・コープの完全子会社で、インフラ部門電力事業統括会社。

■親会社ケッペル・コープの 100%出資子会社で未上場企業。傘下に電力供給のケッペル・エレクトリック、ガス供給のケッペル・ガス、発電のケッ

ペル・メリマウ・コージェンなどの子会社を抱える。

■シンガポールのみならずエクアドル、ブラジル、中国、フィリピン、ニカラグアに発電所を保有。

■07 年に石油基地ジュロン島に有するコージェネレーション(熱併給発電)施設「ケッペル・メリマウ・コージェン」(出力 500MW)を稼働させた。

■傘下のケッペル・ガスはマレーシア国営石油会社ペトロナスとの間で、06 年半ばから 18 年間にわたり、日量 1 億 1,500 万立法フィートの天然ガス

を輸入する契約を締結した。海底ガスパイプラインを利用し、ジュロン島にあるケッペルの発電所に供給するだけでなく、米石油大手エクソンモービ

ルの石油化学プラントに対しても長期供給契約を結んでいる。

海外プロジェクト

■インドネシア

04 年に電源開発(J-Power)と共同でインドネシアの石炭火力発電所「パイトンⅡ」(2 基で出力 122 万キロワット)の一部権益を取得。総投資額は

約 150 億円で双方が折半する。パイトンⅡはインドネシア・東ジャワ州で 00 年から運転している同国最大級の石炭火力発電所。ケッペルと電発は、

英国の電力事業者、パワージェン社が保有するパイトンⅡの発電事業会社の権益 35%と運転保守会社の権益 100%を買収。発電事業会社は 50%の株

式をドイツのシーメンスグループが保有しており、それに次ぐ大株主として発電事業の経営にも参加する。

■エクアドル

06 年に子会社サーモグアサス・ジェネレーション SA を設立し、エクアドル国家電力庁向けに 15 年間の電力販売契約を締結。グアヤキル市南部のエ

スクラサス港でブラジルから移設した 150MW の能力を持つ発電用バージを設置・稼動している。

■ニカラグア

ニカラグアの子会社 CENSA を通じて、BOO 方式で 36MW の発電所を建設・所有・運営。発電能力を 63MW に拡張し、00 年より稼動を開始した。

CENSA は同国最大規模の独立系発電所となっている。

■ブラジル

02 年に同社の現地子会社であるノルデステ・ジェネレーションが、ブラジルの政府系企業コマーシャリザドラ・ブラジレイラ・デ・エナルジア・エ

マージェシャル(CBEE)との間で電力販売契約を締結。同契約でノルデステ社は、ブラジル東北部のサルバドールにあるアラツ港に 190MW の能力

を持つ発電用バージを設置し、運営する。契約期間は 02 年から 04 年までで、その間の売上高は 4 億米ドルになる。

海外拠点

■シンガポール

Keppel Merlimau Cogen Pte Ltd(100%出資、発電)

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Keppel Electric Pte Ltd(100%出資、電力・エネルギー供給)

Keppel Gas Pte Ltd(100%出資、ガス供給)

■エクアドル

Termoguayas Generation SA(100%出資、発電)

事業パートナー

■仏重電大手アルストム

ケッペル・エナジーは 10 年 10 月にシンガポール・ジュロン島の天然ガス炊きコージェネレーション(熱電併給システム)施設「ケッペル・メルマ

ウ(KMC)」の出力増強工事を、仏重電大手アルストムに発注した。投資額は 9 億 S ドル(約 560 億円)で 13 年までに完成の予定。今回の増強工事

では、現在 50 万キロワットの KMC の発電能力を 130 万キロワットに引き上げる。発電燃料の天然ガスには、現在使用している海底パイプライン経

由の輸入天然ガスと、13 年稼働予定の液化天然ガス(LNG)貯蔵基地からの調達分の双方を用いる方針。ケッペルはアルストムには発電施設稼働後

の長期保守契約も発注した。

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企業名

Keppel Integrated Engineering Ltd(KIE)

ケッペル・インテグレーテッド・エンジニア

リング

分野 環境 URL www.kie.com.sg

企業概要

■政府系複合企業ケッペル・コープの再編により 92 年新設されたインフラ部門環境エンジニアリング事業の統括会社。

■親会社ケッペル・コープの 100%出資子会社で未上場企業。傘下に環境技術子会社ケッペル・セガース、工業・商業施設建設のケッペル FMO、地域

冷房システム開発のケッペル DHCS、環境事業信託の K グリーン・トラストなどを抱える。

■13 カ国に事業所を持ち、25 カ国で 350 以上の水処理プロジェクト、100 以上の廃棄物発電プロジェクトを手懸けてきた。

■ケッペル・コープのインフラ部門(電力事業子会社ケッペル・エナジーなどを含む)の売上高は前期比 9%増の 24 億 2,600 万 S ドル(09 年 12 月期)。

■同社が手懸けた国内の代表的プロジェクトには、南西部ウルパンダンの下水再生水ニューウオーター施設(造水能力日量 14 万 8,000 トン)、北部セ

ノコ地区のセノコ廃棄物処理・発電施設(発電能力 56MW)、西部トゥアス地区に官民連携方式で開発した廃棄物焼却・発電施設(発電能力 22MW)

などがある。

■02 年に高度な環境技術を持つベルギー企業、セガース・ベター・テクノロジー(SBT)を買収。買収額は 1,910 万ユーロ。SBT は、廃棄物の焼却・

エネルギー転換、大気汚染防止、水処理などのシステム開発、技術サービスの提供で、国際的な事業を展開していたが、同年に管財人の管理下に入っ

ていた。KIE はこのセガース社買収を契機に環境・産業基盤事業で海外展開を急激に加速させることとなった。

■全額出資子会社ケッペル・セガースは、中国の廃棄物発電市場では 60%のシェアを獲得しており、蘇州、深セン、天津、江陰、広州などで事業を進

めている。また広東省では廃水処理プロジェクトを実施している。

■傘下に環境事業信託「K グリーン・トラスト(KGT)」を保有し、シンガポールの廃棄物焼却・発電施設 2 ヵ所、下水再生水ニューウオーター製造

施設 1 ヵ所が組み込まれており、資産規模は総額約 7 億 5,000 万 S ドル。KGT は 10 年 6 月にシンガポール取引所(SGX)上場を果たし、廃棄物処

理、上下水道、再生可能エネルギー、省エネ事業などの各種環境事業への投資を手掛ける。

■08 年より中国・シンガポールの二国間政府プロジェクトとして推進されている「天津エコシティ」の開発主体として双方折半出資で設立された合弁

会社「シノ・シンガポール・天津エコシティ・デベロップメント」には、シンガポール側持分の 90%をケッペル・グループが保有し、うち 20%は KIE

が出資している。さらに KIE は天津エコシティ計画推進に向けて、環境重視の都市基盤整備事業を手掛ける合弁会社「天津エコシティ・エンバイロ

メンタル・プロテクション(TECEP)」を中国企業 2 社と設立した。出資総額は 1 億人民元。合弁会社 TECEP への出資比率は、KIE が 20%、天津経

済技術開発区管理委員会(TEDA)が 55%、残り 25%を天津エコシティ・インベストメント&デベロップメント(天津生態城投資開発)。TECEP は、

環境重視の都市基盤開発として環境管理や汚染物質処理、環境の回復・改善などに取り組む。

海外プロジェクト

■中国

◆03 年に広州白雲国際空港の子会社、広州白雲国際空港地上取扱サービス会社と合弁会社を設立し、広州の新空港「白雲国際空港」で管理・運営、

メンテナンス・サービス提供を開始。投資額 79 万米ドルで株式の 25%を保有。

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◆07 年に子会社ケッペル・セガースが江蘇省蘇州市と広東省中山市で、総額 2,300 万 S ドル相当の汚泥処理関連事業を 2 件受注。2 件の事業は空気

冷却炉、燃焼制御システム、ボイラーなどの設備を供給する。

◆08 年に子会社ケッペル・セガースが広東省の広東省広業環保産業集団から廃水・廃棄物処理基盤整備事業を受注。受注額は 60 億人民元。契約に基

づき同集団とケッペル・セガースは共同で、広東省内の排水管、廃棄物処理・管理システムを整備する。

◆09 年に子会社ケッペル・セガースが中国山東省での廃棄物発電所事業に技術・サービス提供する契約を締結。受注額は 3,000 万 S ドル。発注者は

中国光大国際(チャイナ・エバーブライト・インターナショナル)。

◆09 年に子会社ケッペル・セガースが天津市の天津経済技術開発区(TEDA)に建設される廃棄物発電施設に火炉、ボイラー、排ガス処理装置を納入

する契約(契約額 1,100 万ユーロ)を獲得。発注元は天津濱海エンバイロメンタル・インダストリー・デベロップメント。

◆10 年 1 月に全額出資子会社ケッペル・セガースが広東省深圳と四川省成都の 2 カ所で廃棄物発電施設の増設・新設関連契約を受注。受注総額は 5,300

万米ドル。深センでは既存の廃棄物発電施設のごみ処理能力を日量 4,200 トン(現行日量 1,200 トン)に引き上げる事業に関連し、火炉とボイラー、

排ガス処理装置を提供する。能力増強が 11 年に完成すると、同施設は中国で最大の廃棄物発電施設となる。成都では日量 1,800 トンのごみ処理能力

を有する同施設に、火炉とボイラー、排ガス処理装置を納入する。

■オーストラリア

07 年に子会社ケッペル・セガースが企業連合の一部として、豪ビクトリア州の水事業大手 BARWON ウオーターから豪州の下水汚泥熱乾燥施設の建

設プロジェクトを受注。プロジェクト規模は 7,600 万豪ドル。同施設では、年間 5 万 4,000 トンの下水汚泥を処理し、化石燃料の代替エネルギーや肥

料へと再生することが可能となる。

■ベトナム

07 年に子会社ケッペル・セガースがホーチミン市当局から、同市での廃棄物発電所計画について基本認可を取得。同発電所はベトナムで初の廃棄物

利用の発電所となる。廃棄物処理能力は日量 2,000 トンで、20MW 超の電力をホーチミン市に供給する。実現すれば、廃棄物の 90%削減が可能で、

廃棄物最終埋立地の利用期間延長にも役立つ。

■カタール

07 年に子会社ケッペル・セガースが 15 億 S ドル規模のカタール・ドーハにおける汚水処理施設の建設・運営事業を受注。契約内容は、カタール最

大規模の汚水処理施設の設計・建設と完工後 10 年間にわたる運営・メンテナンス事業。同施設の汚水処理能力は最高日量 43 万 9,000 立方メートル

で、90 万人以上を対象に水を供給する。

■イラク

03 年にシンガポール・エアポート・ターミナル・サービシズ(SATS)と共同で、イラクのバグダット国際空港での地上サービス提供のため、合弁会

社「ミッド・イースト・エアポート・サービシズ」を設立。KIE は、イラク国際空港のプロジェクトで、メンテナンスと運営サービスを提供。SATS

は、同空港の地上取扱サービスを提供。

■アルジェリア

07 年に子会社ケッペル・セガースがアルジェリアのアインベイダ市で水処理施設の建設・運営事業を受注。受注額は 2,200 万 S ドル。契約期間は 2

年間で、汚泥処理施設や淡水化処理施設などの管理も含まれる。水処理施設の能力は日量 2 万 5,260 立方メートル。ケッペル・セガースがアルジェリ

アで受注した水処理プロジェクトは 6 件目となった。

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■英国

09 年に英国マンチェスター地域で新設される廃棄物発電施設の設計・建設事業を受注。受注額は 2 億 3,300 万ポンド。同施設の廃棄物処理能力は、

固形ごみ燃料で年間 42 万トン。最大発電能力は 27 万 MW 時で、熱蒸気の供給も行う。

■スウェーデン

08 年に子会社ケッペル・セガースが廃棄物燃焼・発電蒸気発生施設の設計・建設をスウェーデン企業アモトフォルス・エネルギーから受注。受注額

は 3,400 万ユーロ。新施設は 10 年完成を目指し、欧州連合(EU)規制に適合するよう、排煙浄化システムなどケッペル独自の技術を活用する。

■フィンランド

06 年にフィンランドのエネルギー供給会社コトカン・エンジニアからゴミ焼却を通じた廃棄物発電施設納入を 3,000 万 S ドル相当で受注。

■ホンジュラス

08 年にホンジュラスで廃水処理施設の設計、施設・電力設備の設置事業を受注。受注総額は 1 億 2,000 万 S ドル。廃水処理能力は 1,650 立方メート

ル。

海外拠点

■中国

Tianjin Eco-City Energy Investment & Construction Co Ltd(20%出資、公益事業への投資・建設)

Tianjin Eco-City Environmental Protection Co Ltd(20%出資、環境保全インフラの投資・建設)

■香港

Keppel Seghers Hong Kong Ltd(100%出資、投資持株、エンジニアリング工事請負)

■シンガポール

Keppel Seghers Engineering Singapore Pte Ltd(100%出資、鉄鋼構造物の組立、電気・機械工事、処理工場向けエンジニアリングサービス)

Keppel FMO Pte Ltd(100%出資、工業・商業施設の建設・プロジェクト管理・メンテナンス)

Keppel DHCS Pte Ltd(100%出資、地域冷房システム開発)

K-Green Trust(100%出資、投資持株)

FELS Cranes Pte Ltd(100%出資、重機クレーンの組立)

Keppel Seghers NeWater Development Co Pte Ltd(100%出資、排水処理・浄化)

Keppel Seghers Tuas Waste-to-Energy Plant Pte Ltd(100%出資、固形廃棄物の回収・処理・再利用)

GE Keppel Energy Services Pte Ltd(50%出資、精密エンジニアリング)

■豪州

Keppel Prince Engineering Pty Ltd(100%出資、鋼材組立)

■カタール

Brixworth Group Ltd(100%出資、工業製品の輸出入)

■ベルギー

Keppel Seghers Belgium NV(100%出資、環境事業ソリューションの提供)

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事業パートナー

■シンガポール国家環境庁(NEA)

KIE は 05 年にシンガポール政府が民間売却を決めた北部セノコ地区にあるセノコ廃棄物焼却工場(SIP)の資産を取得。取得費用は 4 億 6,000 万 S

ドル。SIP の廃棄物処理能力は日量 2,400 トンで、シンガポールの焼却処理廃棄物の 36%を扱うことができる。KIE は 15 年間契約で、国家環境庁(NEA)

に廃棄物焼却サービスを提供するほか、SIP の保守・管理、燃焼排ガス処理システムの改修も実施している。次いで KIE はシンガポール西部トゥアス

地区で廃棄物発電施設(WTE)の設計・建設プロジェクトを国家環境庁(NEA)から初の官民連携(PPP)方式で受注した。子会社ケッペル・セガ

ースが設計・建設に加え、09 年 10 月の稼働時から 25 年契約で運営も受託した。廃棄物の処理能力は日量 800 トン、発電能力は約 22 メガワットに

上り、生産した電力の 8 割は外部に販売される。これらセノコとトゥアスの両廃棄物発電所は、同じくケッペル・セガースが運営するウルパンダンの

下水再生水「ニューウオーター」製造施設とともに、10 年 6 月にシンガポール取引所(SGX)に上場した環境事業信託「K グリーン・トラスト」の

当初保有資産として組み込まれた。

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企業名 Keppel Land Ltd

ケッペル・ランド 分野 不動産開発 URL www.keppelland.com.sg

企業概要

■89 年に政府系複合企業ケッペル・グループの不動産開発子会社ストレーツ・スチームシップ・ランドとしてスタート、同年シンガポール取引所(SGX)

上場、97 年現社名に変更。政府系複合企業ケッペル・コープの不動産部門の統括会社で、傘下にシンガポール国内で不動産開発を進めるケッペル・

ベイ、海外で不動産開発を進めるケッペル・インターナショナル、上場不動産投資信託の K-REIT アジア、未公開不動産投資ファンド運用会社アルフ

ァ・インベストメント・パートナーズなどを抱える。

■親会社の複合企業ケッペル・コープが主要株主となっている(52.0%保有、09 年 12 月時点)。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 9.7%増の 9 億 2,400 万 S ドル。部門別売上比率は、不動産分譲販売部門が全体の 78%、ホテル・リゾート部

門が 9%、不動産投資部門が 8%、ファンド管理運用部門が 5%を占めた。また、海外売上比率が 51%と上昇した。住宅分譲販売部門ではシンガポー

ルや中国、ベトナムなどでコンドミニアムや集合住宅の開発・分譲販売を手掛け、09 年度には 3,500 戸の住宅を国内外で販売した。

■ケッペル・ランドは、94 年に始まった中国での蘇州工業団地開発に合わせ海外展開を加速し、中国、インドネシア、ベトナム、フィリピン、インド、

マレーシア、タイ、ミャンマー、サウジアラビアで分譲住宅、コンドミニアム、商業用ビル、ホテル、リゾートなどの数多くの開発プロジェクトを手

懸けてきた。特に中国では上海、天津、無錫、江陰、常州、成都、瀋陽市などでこれまで 2 万 5,500 戸以上の分譲住宅、コンドミニアムを開発。また、

リゾートでは雲南省昆明スプリングシティ・ゴルフクラブ&リゾートなどを開発。

■ファンド管理運用部門は上場商業不動産投資信託の運用管理会社 K-REIT アジア・マネジメントと未公開不動産投資ファンド運用会社アルファ・イ

ンベストメント・パートナーズで構成。上場不動産投資信託 K-REIT アジアの 09 年 12 月期の純不動産収入は前年比 23.3%増の 4,890 万 S ドル、配

当可能利益が同 21.1%増の 7,050 万 S ドルにそれぞれ拡大した。一方、アルファ・インベストメントはこれまでに「マクロ・トレンズ・ファンド」

など計 5 つのアジアに特化したファンドを設立・運用。両方の不動産投資信託の運用資産は総額 98 億 S ドルに達している。

■08 年より中国・シンガポールの二国間政府プロジェクトとして推進されている「天津エコシティ」の開発主体として双方折半出資で設立された合弁

会社「シノ・シンガポール・天津エコシティ・デベロップメント」には、シンガポール側持分の 90%をケッペル・グループが保有し、うち 35%はケ

ッペル・ランドが出資している。

■09 年のシンガポール国内の民間住宅分譲実績では、ホンリョン・グループ、ファー・イースト・オーガナイゼーション、フレイザーズ・センターポ

イント(FCL)、ユナイテッド・オーバーシーズ・ランド(OUL)、キャピタランドに次いで 384 戸で総額 10 億 S ドル弱の分譲販売を実施した。

海外プロジェクト

■韓国

10 年 10 月に不動産投資ファンド運用子会社アルファ・インベストメント・パートナーズ(AIP)が運用する投資ファンド「マクロ・トレンズ・ファ

ンド」を通じて、韓国の首都ソウルのオフィスビル「ソウル・スクエア」を対象とした証券化商品に 2 億 1,000 万米ドルを投資。

■中国

90 年代後半に海外事業の収益拡大に向け、重点市場としての中国市場に参入、中国初の住宅開発プロジェクトである上海のコンドミニアム「ワン・

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パーク・アベニュー」(全 1,100 戸)の販売を 02 年に開始して以来、ケッペル・ランドの中国不動産事業子会社で、シンガポール取引所(SGX)上

場のエバーグロ・プロパティーズなどを通じて、上海、北京、成都、瀋陽、天津、無錫など 10 都市での住宅プロジェクトを多数手懸け、10 年 10 月

時点で中国での累計分譲戸数は 1 万 4,000 戸を上回る。また中国・シンガポール両国の共同開発事業である天津エコシティでも、5,000 戸の住宅、延

べ床面積 68 万平米のオフィス・商業施設を開発する計画が進められている。

■ベトナム

ベトナムでは 00 年からホーチミン市内のサイゴン・センターやタマリンド・パーク、ハノイのインターナショナル・センターの開発に携わっている。

04 年以降、ホーチミンでのスポーツ施設「サイゴン・スポーツ・シティー」や住宅開発プロジェクト「ビラ・リビエラ」「ドンナイ・タウンシップ」

「リベリア・コーブ」などの開発プロジェクトに着手。

■タイ

ケッペル・ランドが 45%出資するタイ証券取引所上場の子会社ケッペル・タイ・プロパティーズを通じてバンコク市内・郊外での住宅開発を多数手

懸けている。

■インドネシア

90 年代からインドネシアに進出し、東ジャカルタの住宅地「ジャカルタ・ガーデン・シティー(住宅総数 7,000 戸、敷地面積 270 ヘクタール)」、ス

ラバヤの複合商業施設「BG ジャンクション」、ビンタン島のゴルフ場「リア・ビンタン・ゴルフ・クラブ」などの開発を手掛けている。近年では、

10 年 9 月にインドネシアの首都ジャカルタの中心ビジネス地区に保有する複合オフィスビル「バークレイズ・ハウス」を地上 40 階建て高層ビルに建

て替えるプロジェクトに着手。推定投資額は 9,500 万 S ドルで、14 年前半の完工を目指す。

■ミャンマー

ヤンゴンで「セドナ・ヤンゴン」、「セドナ・マンダレー」のホテル 2 施設を所有・運営。

■豪州

傘下のオフィス専門上場不動産投資信託、K-REIT アジアが 10 年 2 月にブリスベーン市内ジョージ・ストリートのオフィスビル「275 ジョージ・ス

トリート」の持ち分 50%分を 1 億 6,600 万豪ドルで取得したほか、10 年 7 月にシドニーでオフィスビル「77 キング・ストリート」を 1 億 2,000 万

豪ドルで取得。

■インド

04 年にインドの不動産市場に進出、まずインドの住宅開発会社プラバンカラ・プロジェクツと合弁で、インド・バンガロールでコンドミニアムを開

発した。次いで 06 年に印企業マグナス・エステイト&ホテルと合弁形態でコルカタ(旧カルカッタ)に高級コンドミニアムを建設。

■アラブ首長国連邦(UAE)

07 年に首都アブダビで、地元不動産開発会社アルダー・プロパティーズと合弁で 2 つの住宅開発プロジェクトを手がける契約に調印。プロジェクト

にはケッペルが 49%、残りをアルダーが出資する。ケッペルは一戸建て(3,000 戸)、アパート(1,198 戸)、タウンハウス(168 戸)、ビラ(11 戸)

を開発する。完成は 11 年半ばの予定。

■サウジアラビア

07 年にサウジ企業との合弁で 7 億 6,000 万 S ドルを投じ、高級住宅 1,000 戸を建設するプロジェクトに着手。

海外拠点

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59

■日本

Alpha Investment Partners Japan Ltd(100%出資、ファンド管理)

■韓国

Alpha Investment Partners Korea Private Ltd(100%出資、ファンド管理)

■中国

Alpha Investment Partners China Limited(100%出資、ファンド管理)

Beijing Kingsley Property Development Co Ltd(100%出資、不動産開発)

Changzhou Fushi Housing Development Pte Ltd(100%出資、不動産開発)

Chengdu Hillwest Development Co Ltd(100%出資、不動産開発)

Jiangyin Evergro Properties Co Ltd(83%出資、不動産開発)

Jiangyin Yangtze International Country Club Co Ltd(95%出資、ゴルフクラブ開発・運営)

Keppel Hong Da (Tianjin Eco-City) Property Development Co Ltd(55%出資、不動産開発)

Keppel Township Development (Shenyang) Co Ltd(100%出資、不動産開発)

Shanghai Floraville Land Co Ltd(99%出資、不動産開発)

Shanghai Hongda Property Development Co Ltd(99%出資、不動産開発)

Shanghai Merryfield Land Co Ltd(99%出資、不動産開発)

Shanghai Minghong Property Co Ltd(99%出資、不動産開発)

Shanghai Pasir Panjang Land Co Ltd(99%出資、不動産開発)

Sunsea Yacht Club (Zhongshan) Co Ltd(80%出資、マリーナ・不動産開発)

Tianjin Fushi Property Devt Co Ltd(100%出資、不動産開発)

Tianjin Merryfield Property Development Co Ltd(100%出資、不動産開発)

Tianjin Pearl Beach International Country Club Co Ltd(100%出資、ゴルフクラブ開発)

CityOne Development (Wuxi) Co Ltd(50%出資、不動産開発)

Sino-Singapore Tianjin Eco-City Investment and Development Co Ltd(42%出資、不動産開発)

■香港

Keppel Land (Saigon Centre) Ltd(100%出資、投資持株)

Sunseacan Investment (HK) Company Limited(80%出資、投資持株)

Straits-KMP (HK) Ltd(51%出資、投資持株)

Ventek International Ltd(70%出資、投資持株)

Duit Investments Ltd(100%出資、投資持株)

Keppel Kunming Resort Ltd(100%出資、不動産投資)

■フィリピン

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60

Keppel Philippines Properties Inc(51%出資、投資持株)

Buena Homes, Inc(51%出資、投資持株)

SM Keppel Land, Inc(20%出資、不動産開発)

■ベトナム

Keppel Land Watco I Co Ltd(68%出資、不動産投資・開発)

Estella JV Co Ltd(55%出資、不動産開発)

Quang Ba Royal Park JV Co(59%出資、不動産投資)

Riviera Core JV LLC(60%出資、不動産開発)

Riviera Point LLC(75%出資、不動産投資)

Saigon Riviera JV Co Ltd(90%出資、不動産開発)

Saigon Sports City(90%出資、不動産開発)

Petro Tower Ltd(64%出資、不動産投資)

Dong Nai Waterfront City LLC(50%出資、不動産開発)

South Rach Chiec LLC(42%出資、不動産開発)

■タイ

Keppel Thai Properties Public Company Limited(45%出資、不動産投資・開発、タイ証券取引所上場)

Cornerstone Realty Co Ltd(45%出資、不動産開発)

Gold Star Property Co Ltd(45%出資、不動産開発)

Thai-Kami Co Ltd(45%出資、不動産開発)

Top Property Co Ltd(67%出資、不動産開発)

Utayan Thani Co Ltd(49%出資、投資持株)

■マレーシア

Renown Property Holdings (M) Sdn Bhd(40%出資、不動産投資)

■シンガポール

K-REIT Asia(87%出資、不動産投資信託)

Keppel Land International Limited(100%出資、不動産サービス)

K-REIT Asia Management Limited(100%出資、不動産ファンド管理)

Alpha Investment Partners Ltd(100%出資、ファンド管理)

■インドネシア

PT Kepland Investama(100%出資、不動産投資・開発)

PT Kepindo Properti(100%出資、不動産管理)

PT Keppel Land(100%出資、不動産管理・開発)

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PT Mitra Sindo Makmur(51%出資、不動産投資・開発)

PT Mitra Sindo Sukses(51%出資、不動産投資・開発)

PT Ria Bintan(46%出資、ゴルフコース所有・運営)

PT Sedona Hotels Indonesia(100%出資、ホテル・リゾート管理)

PT Sentral Supel Perkasa(80%出資、不動産投資・開発)

PT Sentral Tanjungan Perkasa(80%出資、不動産開発)

PT Straits-CM Village(39%出資、ホテル所有・運営)

PT Pantai Indah Tateli(50%出資、不動産開発)

PT Pulomas Gemala Misori(25%出資、不動産開発)

PT Purimas Straits Resort(25%出資、リゾート開発)

PT Purosani Sri Persada(20%出資、不動産投資)

■ミャンマー

Straits Greenfield Ltd(100%出資、ホテル所有・運営)

Wiseland Investment Myanmar Ltd(100%出資、ホテル所有・運営)

■インド

Keppel Magus Development Pvt Ltd(38%出資、不動産開発)

Keppel Puravankara Development Pvt Ltd(51%出資、不動産開発)

■サウジアラビア

Keppel Al Numu Development Ltd(51%出資、不動産開発)

■米国

Keppel (USA) Inc(100%出資、投資持株)

Keppel Houston Group LLC(86%出資、不動産投資)

Straits (USA) Inc(100%出資、投資持株)

事業パートナー

■シンガポール住宅開発局(HDB)の建設・開発部門スルバナコープ

03 年に急成長する中国の住宅市場進出のため、スルバナコープと合弁会社「シティーワン・タウンシップ・デベロップメント」を設立。シティーワ

ンは北京、上海、広州、成都など大都市の住宅開発を注力する。

■香港の大手不動産開発会社、長江実業(チョンコン)

香港の最有力財閥、李嘉誠氏が率いる長江実業は 90 年代に国際会議場「サンテック・シティ―」などシンガポールの不動産市場に 15 億 S ドル以上

を投資しているが、01 年にケッペル・ランドとホンコン・ランドと組んで、シンガポールの金融街ラッフルズ・プレースに隣接する新金融業務地区

「マリーナ湾金融センター(MBFC)」(計画面積 3.55 ヘクタール)の開発用地落札に成功している。3 社は合弁会社「ラッフルズキー・アセット・マ

ネジメント」を設立し、10 年半ばに完工した第1期工事で、オフィスビルのタワー1(地上 33 階建て)、タワー2(同 50 階建て)と高層住宅「マリ

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ーナベイ・レジデンシズ」(428 戸)を整備。15 年完成予定の第 2 期工事では、タワー3(同 46 階建て)と高層住宅「マリーナベイ・スイーツ」(221

戸)を整備する。開発総額は 85 億 S ドルと見積もられている。

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企業名 Mapletree Investments Pte Ltd

メープルツリー・インベストメンツ 分野 物流施設・不動産 URL

www.mapletree.com.sg

www.mapletreelogisticstrust.com

企業概要

■00 年にシンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスの完全子会社として設立。シンガポール政府港湾庁(PSA)が保有していた施設・資

産を譲受して物流施設に特化した不動産会社としてスタート。保有不動産は、同社が運用する投資ファンドによる取得が中心を占めている。

■10 年 3 月期のグループの総収入は前年比 1.9%増の 4 億 5,350 万 S ドル。総収入の 77%は賃貸収入が占める。グループが所有・管理する不動産の総

資産は前年比 9.3%増の 129 億 S ドル。

■同社が運用する最初の物流関連不動産投資信託(REIT)である「メープルツリー・ロジスティックス・トラスト(MLT、資産規模 33 億 S ドル)」

を 05 年にシンガポール取引所(SGX)で上場した。次いでインドネシアの財閥リッポ・グループと共同で設立したインドネシアの商業関連不動産投

資信託(REIT)である「リッポ・メープルツリー・インドネシア・リテール・トラスト(LMIR、資産規模 10 億米ドル)」を 07 年に SGX で上場、

さらに工業関連不動産投資信託(REIT)である「メープルツリー・インダストリアル・トラスト(MIT、資産規模 21 億 S ドル)」を 10 年 10 月に

SGX で上場した。

■3 つの上場不動産投資ファンド以外に、シンガポール国内の商業不動産を運用資産とする不動産投資信託「メーブルツリー・コマーシャル・トラス

ト(MCT)」、インド・中国の不動産に投資するファンド「メープルツリー・インディア・チャイナ・ファンド(MICF)」、マレーシアの不動産に

特化したファンド「CIMB メープルツリー・リアル・エステート・ファンド(CMREF)」など複数の未上場ファンドを運用しており、アジア域内の

産業用不動産を対象にした上場・非上場不動産投資ファンドを運用する会社として、3~5 年後には保有・運用不動産が 200 億 S ドルに拡大する計画。

■シンガポール国内では、南部ハーバーフロント地区で国内最大級の商業施設「ビボ・シティー」(設計を建築家の伊東豊雄氏が手掛けた)を開発し

たほか、西部アレクサンドラ地区で物流施設の跡地を再開発してオフィスビル4棟から成る副都心ビジネスパーク「メープルツリー・ビジネス・シテ

ィー(MBC)」の整備を進めている。投資総額は 7 億 6,600 万 S ドル。施工は清水建設が担当し、10 年第 2 四半期の完成。

海外プロジェクト

■日本

傘下の「メープルツリー・ロジスティクス・トラスト(MLT)」を通じて、複数の物流施設を取得。MLT が日本に保有する不動産の時価総額は 430

億円に達する。

■韓国

傘下の「メープルツリー・ロジスティクス・トラスト(MLT)」を通じて、08 年に韓国・京畿道の物流倉庫を韓国の物流管理会社オークラインより

取得。買収価格は 1,770 万 S ドル。

■中国

物流パーク開発プロジェクトとして、これまでに天津空港国際物流地域内で「メープルツリー天津空港物流パーク」(敷地面積 4.8 ヘクタール)、天

津港海豐で「メープルツリー天津港海豐保税物流パーク」(同 18 ヘクタール)、無錫で「メープルツリー無錫物流パーク」(同 6.8 ヘクタール)、

上海の洋山深水港で「メープルツリー洋山保税物流パーク」(同 2 ヘクタール)を開発。工業団地開発案件では、上海市大寧で「メープルツリー大寧

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工業団地」(同 7.9 ヘクタール)を 08 年に整備・運用。住宅・商業施設の複合開発案件では、西安で「フューチャーシティー」(同 20 ヘクタール)、

広東省仏山市で「南海ビジネスシティー」(同 42 ヘクタール)を開発。オフィスビル投資案件では、北京で「北京ゲートウエー・プラザ(佳程広場)」

と「メープルツリー・タワー」の 2 物件を傘下のファンドを通じて取得・運用。

■香港

傘下の「メープルツリー・ロジスティクス・トラスト(MLT)」を通じて、複数の物流施設を取得。06 年には渋沢倉庫(東京都中央区)から倉庫ビ

ルを 2 億 1,000 万香港ドル(4,200 万 S ドル)で取得した。

■ベトナム・

物流パーク開発プロジェクトとして、07 年から南部ビンズオン省のベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)1 期区域内で「メープルツリー・ビン

ズオン物流センター」(敷地面積 3.2 ヘクタール)、同ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)2 期区域で「メープルツリー・ビンズオン物流パー

ク」(同 44 ヘクタール)、北部バクニン省のベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)バクニン区域で「メープルツリー物流パーク・バクニン」(同

30 ヘクタール)を開発。ビジネスパーク開発案件では、南部ビンズオン省で「ビジネス・シティ@ビンズオン」(同 58 ヘクタール)を開発。住宅・

商業施設の複合開発案件では、ホーチミン・シティで「南サイゴン・コマーシャル・コンプレックス」(同 10 ヘクタール)を開発。

■マレーシア

物流パーク開発プロジェクトとして、08 年からスランゴール州シャーアラムで「メープルツリー・シャーアラム物流パーク(MSALP)」を開発。工

場建売物件ではジョホール州タンポイ工業団地などで複数の賃貸・販売物件を開発・分譲。ファンド管理では、05 年にマレーシア国内金融 2 位の CIMB

と共同で不動産投資ファンド「CIMB メープルツリー・マネジメント」を設立。

海外拠点

■日本

Mapletree Investments Japan Kabushiki Kaisha(100%出資、ファンド管理・アドバイザリー)

■中国

Shanghai Mapletree Management Co Ltd(100%出資、不動産管理)

Beijing Mapletree Huaxin Management Consultancy Co Ltd(100%出資、ファンド管理・アドバイザリー)

Guangzhou Mapletree Huaxin Enterprise Management Consultancy Co Ltd(100%出資、ファンド管理・アドバイザリー)

Mapletree Zhu Yuan (Beijing) Logistics Development Co Ltd(100%出資、メープルツリー北京輸出加工区の所有・運用)

Mapletree (Tianjin) Airport Logistics Development Co., Ltd(100%出資、メープルツリー天津空港物流パークの所有・運用)

Tianjin Port Haifeng Bonded Logistics Co., Ltd(49%出資、メープルツリー天津港海豐保税物流パークの開発・所有・運用)

Mapletree Logistics Development (Wuxi) Co., Ltd(100%出資、メープルツリー無錫物流パークの所有・運用)

Mapletree Lingang Logistics Warehouse (Shanghai) Co., Ltd(100%出資、メープルツリー洋山保税物流パークの所有・運用)

Mapletree India China Fund Ltd(43%出資、投資持株、不動産所有)

■香港

Mapletree Hong Kong Management Ltd(100%出資、ファンド管理・アドバイザリー)

■ベトナム

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Mapletree Vietnam Management Consultancy Co Ltd(100%出資、ファンド管理・アドバイザリー)

Mapletree Business City (Vietnam) Co., Ltd(100%出資、ビジネス・シティ@ビンズオンの所有・運用)

Mapletree First Warehouse (Vietnam) Co., Ltd(100%出資、メープルツリー・ビンズオン物流センターの所有・運用)

Mapletree Logistics Park Bac Ninh (Vietnam) Co., Ltd(100%出資、メープルツリー物流パーク・バクニンの所有・運用)

Mapletree Logistics Park (Vietnam) Co., Ltd(100%出資、メープルツリー・ビンズオン物流パークの所有・運用)

■マレーシア

Mapletree Malaysia Management Sdn Bhd(100%出資、ファンド管理・アドバイザリー)

Carrymell (M) Sdn. Bhd(100%出資、メープルツリー・シャーアラム物流パークの所有・運用)

CIMB-Mapletree Management Sdn. Bhd(40%出資、ファンド管理・アドバイザリー)

Lot A Sentral Sdn Bhd(40%出資、不動産投資)

■インド

Mapletree India Management Services Private Limited(100%出資、不動産管理サービス)

事業パートナー

■伊藤忠商事

メープルツリーと伊藤忠商事は 05 年に物流ファンド事業で業務提携したのに続き、09 年 12 月に日本国内での物流事業向け不動産施設開発・賃貸事

業の共同展開で合意し、覚書を結んでいる。覚書では今後 2 年間に両社合計で 3 億~5 億米ドル(264 億~440 億円)を投資し、開発した施設はメー

プルツリー傘下の不動産投資ファンドに譲渡することとされた。傘下の「メープルツリー・ロジスティクス・トラスト(MLT)」が 06 年以降、伊藤

忠から取得した物件には、埼玉県行田の物流倉庫(取得額 18 億円)、厚木、綾瀬、船橋、座間の首都圏にある 4 物流センターと京都の物流センター

の計 5 施設(総額 278 億円)などがある。10 年 3 月には東京江東区で新築されたオフィスビルで東証上場企業が入居する「イクシナル門前仲町」を

開発事業者の伊藤忠商事、伊藤忠不動産開発の両社から取得した。

■中東バーレーンの投資銀行アルカピタ銀行

08 年にメープルツリーは総額 17 億 1,000 万 S ドルでシンガポールの工業団地運営政府機関 JTC コープから取得することを決めた工業不動産の受け

皿となる不動産投資ファンドをアルカピタ銀行と共同で設立した。新設されたファンドの名称は「メープルツリー・インダストリアル・トラスト(MIT)」

で、アルカピタ銀は MIT に 56.5%出資、投資額は 9 億 6,600 万 S ドルに上った。同ファンドはその後組み入れ資産を拡大し、10 年 10 月にシンガポ

ール取引所(SGX)に上場を果たした。

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企業名 PSA International Pte Ltd

PSA インターナショナル 分野 港湾運営 URL www.internationalpsa.com

企業概要

■シンガポール港湾を運営・管理する政府機関のシンガポール港湾庁(PSA:Port of Singapore Authority)から運営部門が分離独立、97 年 10 月に港

湾運営会社として PSA コーポレーション(現 PSA インターナショナル)が発足した。港湾行政は新設されたシンガポール海事港湾庁(MPA)に移

管し、柔軟な会社組織でシンガポール港を運営する仕組みをつくることで、アジア域内で激化する港湾ハブ競争を勝ち抜く戦略の一環。新設した PSA

コーポレーションには、政府系投資会社テマセク・ホールディングスが全額出資した。

■新会社設立に伴い PSA の海外事業部門も PSA コーポレーションに移管された。PSA の海外事業部門はこれまで海外の港湾運営事業者に出資して港

湾の共同運営、運営管理の受託、港湾開発のコンサルティング業務などを行ってきた。03 年にグループの投資持株会社として PSA インターナショナ

ルが設立され、海外事業を含むグループのすべての子会社が PSA インターナショナルのもとに統合された。

■シンガポール国内では、子会社 PSA シンガポール・ターミナルズがジュロン港を除く港湾ターミナル及び附帯施設の整備・運営や港湾内での船舶

の運航管理等の関連事業を行っている。

■グループ全体では世界 16 ヵ国で 28 港湾を運営。グループが運営する港湾における 09 年の海上コンテナ取扱量は、前年比 9.9%減の 5,693 万 TEU

(20 フィート標準コンテナ換算)に縮小した。国内外の内訳では、シンガポールの PSA 運営港湾の取扱量が前年比 13.1%減の 2,514 万 TEU、国外

の取扱量が同 7.1%減の 3,178 万 TEU だった。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 13%減の 38 億 3,500 万 S ドル。地域別売上比率は東南アジアが 58%、欧州が 30%、北東アジアが 7%、その

他が 5%であった。

■06 年に英海運大手 P&O 買収をめぐり、ドバイ港の港湾管理会社、ドバイ・ポーツワールド(DP ワールド)と繰り広げていた買収合戦で敗退。DP

ワールドは 39 億ポンドで PSA を退けて P&O を買収し、当時世界第 4 位のメガターミナルオペレーターだった P&O マリタイム・サービスを手に入

れた。PSA は 04 年に行われた米港湾運営会社 CSX ワールド・ターミナルズの港湾関連資産売却入札でも DP ワールドに敗退している。

■PSA はシンガポール港湾の大手顧客だった海運最大手マースク・シーランド(デンマーク)とエバーグリーン(台湾)を隣国マレーシアのタンジョ

ン・プラパス港に奪われている。

■PSA の IT 部門ポートネット・ドット・コムは港湾管理システム「ポートネット」を開発し、シンガポールの港湾に導入するほか、「ポートネット」

と同様のシステムを米シアトル港や中国の大連コンテナ・ターミナル、イタリアのベニス・コンテナ・ターミナル、南アフリカの主要 6 港湾管理局に

導入する契約を締結している。

海外プロジェクト

■日本

北九州市が民間資金を活用する PFI 方式での整備を計画していた北九州港内のひびきコンテナターミナルで PSA が参加する企業連合が受注。PSA は

日本の港湾プロジェクトに直接投資する初の外国企業となった。PSA は当初同ターミナル運営会社の株式の 60%を取得する計画だったが、その後運

営条件や取扱量をめぐり交渉が難航し、02 年に出資比率を約 34%に引き下げた。PSA の投資額は 2,000 万米ドル弱。同運営会社の残りの株式は、港

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湾運送大手の上組が 15.3%、北九州市が 10%を取得し、残りを日本通運、三井物産など日本の企業 16 社が保有する。同ターミナルの年間コンテナ取

扱能力は 100 万 TEU に上り、本格稼動は 05 年からとなる。

■韓国

01 年に韓国のサムスンとの間での 2 億米ドル規模の合弁事業、仁川コンテナ・ターミナルの工事を開始。仁川港プロジェクトは、韓国としては初の

海外企業との合弁による港湾開発となる。最終的には 3 つの埠頭が建設され、年間 120 万 TEU の貨物を扱う。

■中国

◆大連

PSA 初の海外プロジェクトとして 96 年に大連港の拡張・運営事業に合弁で参入。合弁会社、大連コンテナの持ち株比率は大連港集団が 51%、PSA

が 44%、海運大手のマースク・シーランドが 5%。

◆福州

98 年に福州で港湾・物流事業を開始するために、福州港湾庁と合弁で福州・青州コンテナ・ターミナル(FQCT)を設立。02 年に福州・江陰国際コ

ンテナ・ターミナルの開発を合弁で受注。同ターミナルは、中国と台湾間の直通輸送が将来実現した際には、重要な役割を果たすと期待されている。

◆広州

01 年に広州港湾局と合弁で広州コンテナ・ターミナル(GCT)を運営・管理する契約を締結。PSA は運営会社の株式 49%を取得している。

◆福建省福清市

01 年に福建省港務集団と合弁で福清江陰コンテナ埠頭の開発に着手、総投資額 4 億 2,000 万元。コンテナ取扱量は最終的には 40 万 TEU になる。

◆広東省恵州市

01 年に恵州市政府と恵州港コンテナ埠頭を共同建設する契約を締結。恵州港は 93 年 4 月から外国船舶に開放された国家一類対外開放港。

◆天津

06 年に中国国家発展改革委員会より、天津港集団との合弁による天津港北港池コンテナ埠頭第 3 期事業を獲得。合弁期間は 50 年。資本金は 23 億 300

万元、投資総額は 66 億元。出資比率は天津港が 51%、PSA が 49%。第 3 期事業では、コンテナ埠頭 6 ヵ所と付属施設を建設し、年間にコンテナ 400

万 TEU を取り扱う。PSA は 05 年にも天津港で 4 埠頭を建設する契約を天津港集団と結んでいる。

◆浙江省寧波

09 年に舟山港のコンテナターミナル拡張計画に参加、7 ターミナルを整備する計画を政府当局に申請。また PSA とは別に、香港の九龍倉集団(モダ

ン・ターミナルズ)も同港に 9 ターミナルを建設する計画を表明していた。しかし、PSA と九龍倉集団はともに世界的な経済危機が落ち着くまで、

計画を凍結することを決定。PSA と九龍倉集団のコンテナターミナル整備費用は、いずれも 8 億人民元(1 億 7,300 万 S ドル)と見込まれていた。

中国当局は舟山港のコンテナ取扱量を 08 年の 1,093 万 TEU から、20 年には 3,000 万 TEU に引き上げる計画を堅持している。また同港の貨物取扱量

は 08 年の 5 億 2,000 万トンから 20 年には 8 億 9,000 万トンに増やすことを目指している。

◆広東省東莞

07 年に東莞市港湾の桟橋拡張事業について中国当局の認可を取得。この事業は中国側企業と協力して実施するもので、事業規模は 12 億元。

■ベトナム

07 年にベトナム海運公社、サイゴン港と共同で合弁会社を設立、ベトナム南部タンタイン県ブンタウでの国際港造成工事に着工。第 2 期工事が完了

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すれば、取扱い能力は約 200 万 TEU になる。

■タイ

03 年にタイの主要港であるレムチャバン港の港湾管理会社、イースタン・シー・レムチャンバン・ターミナル社(ESCO)の株式一部を取得。ESCO

はレムチャバン港の B3 コンテナ・ターミナルの管理を行っているほか、B1 ターミナルを管理する LCB コンテナ・ターミナル 1 の株式 40%を保有、

ESCO が取り扱うコンテナ量は、同港での全取扱量の約 37%に達する。

■ブルネイ

00 年にブルネイ港湾局との合弁で、ムアラ港コンテナ・ターミナルを 25 年間運営する契約を結んだが、07 年 4 月付で運営権をブルネイ政府に返還

している。ブルネイ政府がムアラ港の長期計画の見直しを行い、地域の貨物積み換えハブへとすることを計画していることから、運営権の返還を至っ

た。同港のコンテナ取扱量は年間約 10 万 TEU。

■インド

◆タミルナド州のチュティコリン港を運営する PSA シカル・ターミナル社株 57.5%を保有。

◆99 年に海運大手 AP モラーと共同で西部グジャラート州のピパバブ港の株式 21.8%を取得。ピパバブ港は民間企業が参加するインド初の開発プロ

ジェクト。04 年に PSA は保有株式を AP モラー社に売却して撤退。

◆05 年にインドの大手複合企業 ABG グループと共同でインド西部グジャラート州カンドラ港のコンテナ・ターミナルの建設、運営、譲渡(BOT)入

札で落札。

◆06 年にインド南部のチェンナイ港で 2 つのターミナル運営業者を決める入札で、チェンナイの企業、シカル・ロジスティクスと共同で落札。

◆07 年に英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルと共同で、インド西部グジャラート州ハジラ港湾貨物ターミナルの建設についてハジラ・

プライベート・ポート(HPPL)と基本合意。提案書では HPPL が、年間 100 万 TEU の処理能力を有する海上コンテナ・ターミナルを所有し、PSA

が借り上げる予定だった。しかし、08 年に計画していたターミナル建設事業から離脱。

■パキスタン

06 年にグワダル港で運営権をパキスタン政府から取得、08 年より運営開始。PSA の運営期間は 40 年。

■イエメン

アデン港は PSA が 98 年に開発した港だが、アデン沖で 02 年に海上テロ事件が発生して以来、戦争リスク保険の高騰によりアデン港の貨物取扱量が

激減し、PSA は翌 03 年に同港の運営・管理事業から撤退。PSA の元幹部らが設立したオーバーシーズ・ポートがその後、同港の運営・管理を引き

継いだ。

■トルコ

07 年にトルコのメルシン港運営入札で、トルコの複合企業アフケン・ホールディングと共同で落札。落札額は 7 億 5,500 万米ドル。メルシン港は従

来、トルコ国家鉄道局が保有していたが、PSA とアフケンが合弁で設立した新会社に運営権が譲渡される。同合弁会社は 43 年まで 36 年間、同港を

運営する。

■モロッコ

08 年にタンジール港当局(TMSA)より 12 年の開港を予定しているモロッコ・タンジール港の一般コンテナ・ターミナルの運営事業を受託。同ター

ミナルの海上コンテナ取り扱い能力は、年間 200 万 TEU を予定。PSA など企業連合の受託期間は 30 年。この企業連合には PSA が 50%を出資する

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ほか、モロッコ王室が管理する投資ファンド「SNI」とモロッコ国営港湾管理会社「マーサ・モロッコ」が各 25%を出資している。

■英国

07 年に英インターナショナル・ポート・ホールディングス(IPH)と共同で英ノーフォーク州グレート・ヤーマス港のコンテナ・ターミナル開発を行

う合弁会社を設立。合弁会社には PSA が 60%、IPH が 40%を出資。両社は同合弁会社を通じ、約 3,000 万ポンドを投じ、ターミナルを建設する。タ

ーミナルの運営権は 30 年。第 1 期工事によるターミナルのコンテナ取り扱い能力は 25 万 TEU。

■ベルギー

02 年にベルギーのアントワープ港とゼーブルッヘ港を管理する港湾管理会社ヘッセ・ノールト・ナティエ(HNN)の株式 80%を買収。HNN は、年

間 480 万 TEU の貨物を扱う大手港湾管理会社。

04 年に欧州第 2 の港湾であるアントワーク港西部に建設中の 3 ターミナルに 3 億ユーロを投じてアントワープ港湾局(APA)から運営権を取得。同

契約に基づく運営期間は 40 年間。

■イタリア

05 年にイタリアのジェノバ港湾当局から、ボルトリ港の第 6 期開発・管理契約を受注。PSA は既にボルトリ港を運営しており、第 6 期開発工事で、

今後 5 年間で約 7,000 万ユーロを投資する。

■パナマ

07 年にパナマの新コンテナ・ターミナル開発への出資とターミナル運営権を取得。PSA はパナマの地元企業パルケ・インダストリアル・マリタイム

社と共同で出資し、パナマ運河の太平洋側入り口にコンテナ・ターミナルを建設する。第 1 期工事では、年間 45 万 TEU の取扱能力のある埠頭を設

置。

■エクアドル

07 年にフィリピンのインターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズと共同で、南米エクアドルの最大港、グアヤキル港の運営権を落札。

同港の運営期間は 20 年間。グアヤキル港はエクアドルの全輸出入貨物の 70%を扱っている。

■アルゼンチン

08 年に英インターナショナル・ポート・ホールディングス(IPH)と共同で、アルゼンチンの港湾サービス会社インターナショナル・トレード・ロジ

スティックス(ITL)に過半数を出資。ITL はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに位置するアルゼンチン第 2 位のコンテナターミナル、エクソル

ガン港を含む港湾サービスを行っている。

海外拠点

■日本

Hibiki Container Terminal

■韓国

Incheon Container Terminal

Pusan Newport International Terminal

■中国

Dalian Terminals

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Fuzhou Terminals

Guangzhou Container Terminal

Tianjin Terminals

Dongguan Container Terminal

Hong Kong Terminals

■ベトナム

SP-PSA International Port Co Ltd

■タイ

Eastern Sea Laem Chabang Terminal

■インド

Tuticorin Container Terminal

Chennai International Terminals

PSA Hazira International Terminal

PSA ABG Kolkata Container Terminal

PSA ABG Kandla Container Terminal

■パキスタン

PSA Gwadar International Terminals

■トルコ

Mersin International Port

■イタリア

Voltri Terminal Europa

Venice Container Terminal

■ベルギー・オランダ

PSA HNN

PSA Zeebrugge

■ポルトガル

Sines Container Terminal

■英国

PSA Great Yarmouth Container Terminal

■パナマ

PSA Panama International Terminal

■アルゼンチン

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Exolgan Container Terminal

事業パートナー

■日本郵船・川崎汽船

07 年に日本郵船、川崎汽船と共同で、シンガポール港で自動車専用ターミナルを運営する合弁会社「アジア・オートモービル・ターミナル・シンガ

ポール」を設立。自動車専用ターミナルの設置はシンガポールでは初めてで、専用ターミナルは同港のパシルパンジャン埠頭に設けられた。

■香港複合企業ハチソン・ワンポア

06 年に PSA と競合する香港複合企業ハチソン・ワンポア傘下の港湾事業ハチソン・ポート・ホールディングス株 20%を取得、買収額は 44 億米ドル。

ハチソンは港湾管理では世界最大手で、20 カ国 42 港湾を運営、中国でも大きな存在感を持っている。最大株主は香港の有力実業家・李嘉誠氏。

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企業名 Sembcorp Environment Pte Ltd

セムコープ・エンバイロメント 分野 環境・廃棄物処理 URL www.sembcorp.com.sg/sembcorp/business_environment.html

企 業 概

■シンガポール取引所(SGX)上場の政府系複合企業セムコープ・インダストリーズ傘下の完全子会社で環境事業部門統括会社。

■親会社セムコープ・インダストリーズはシンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」

の一つ(49.6%保有、09 年 12 月時点)。

■環境事業部門の 09 年 12 月期の売上は前年比 14%減の 1 億 8,500 万 S ドル。親会社セムコープ・インダストリーズのグループ全体の同期売上高は

95 億 7,200 万 S ドルで、環境部門が全体の 2%を占める。

■セムエンバイロはゴミ・廃棄物などの回収・再処理会社として、4 ヵ国・16 都市で事業展開している。

■シンガポール国内では 120 万世帯、約 5 万社のゴミや産業廃棄物を回収・再処理している。05 年にシンガポールのトゥアスに電子機器リサイクル

施設を設立したほか、リムチューカンに年間 30 万トンの建設資材を扱える再処理施設を運営している。

海外プロジェ

クト

■中国

04 年に中国の国営企業、上海エンバイロメント・インベストメンツと合弁会社を設立し、上海のゴミ処理市場に進出。合弁会社設立のため 25%に当

たる 4,700 万 S ドルを出資。同合弁会社は、上海市内に現在建設中のゴミ処理プロジェクトを管理するほか、ゴミ回収業者を買収し、ゴミの回収、輸

送、処理など、ゴミ管理のサイクルを確立、上海のゴミ処理市場の民営化に取り組む。06 年には中国の鉛リサイクル最大手、江蘇春光合金(JCA)

や中国の古紙再生会社シャンホン・ウエイスト・ペイパー・リサイクリングと合弁会社を設立することで合意。

■インド

04 年に 900 万 S ドルを投じ、インドのランキー・メディケア・インシンの株式 51%を取得。セムエンバイロは今回の買収でインドの医療廃棄物管理

市場に進出した。さらにランキー・グループの有害廃棄物埋立事業にも 51%出資することに合意。ランキーが管理するハイデラバードとムンバイに

ある有害廃棄物の埋立地は年間 35 万トンの有害廃棄物を処理する能力がある。

海外拠

■シンガポール

SembWaste Pte Ltd(100%出資)

SembSITA Pacific Pte Ltd(40%出資)

Sembcorp Tay Paper Recycling(60%出資)

■豪州

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SembSita Australia(40%出資)

■インド

SembRamky Environmental Management(51%出資)

事業パートナ

n.a.

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企業名 Sembcorp Industrial Parks Ltd

セムコープ・インダストリアル・パークス 分野 工業団地運営 URL www.sembcorp.com.sg/Sembcorp/business_parks.html

企業概要

■98 年設立、シンガポール取引所(SGX)上場の政府系複合企業セムコープ・インダストリーズの完全子会社で、工業団地部門統括会社。

■親会社セムコープ・インダストリーズはシンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」

の一つ(49.6%保有、09 年 12 月時点)。

■工業団地部門の 09 年 12 月期の売上は前年比 8%減の 1,500 万 S ドル。親会社セムコープ・インダストリーズのグループ全体の同期売上高は 95 億

7,200 万 S ドルで、工業団地部門が全体の 0.2%を占める。

■インドネシア、ベトナム、中国でシンガポール政府が推進してきた大型工業団地開発案件の権益を保有して工業団地の運営管理を実施している。

海外プロジェク

■中国

◆無錫

中国江蘇省の「無錫シンガポール工業団地(WSIP、敷地 290 ヘクタール)」はセムコープ率いるシンガポールの企業連合が 49%、無錫新区(WND)

の経済開発グループ・コーポレーションが 51%を保有する二国間合弁事業として 94 年から共同で開発した工業団地。シンガポールの企業連合は 02

年、同プロジェクトの支配権を放棄し、運営を WND に委譲したが、セムコープは依然 45.4%の権益を保有。パナソニック、米ハードディスク大手シ

ーゲート、独半導体大手インフェニオンなど約 80 社が入居し、08 年の WSIP の輸出額が 50 億米ドルと無錫市全体の輸出額の 20%を占めた。

◆蘇州

中国江蘇省の「中国シンガポール蘇州工業団地(SIP、敷地 260 平方キロメートル)」は中国とシンガポール政府との共同都市開発事業として 94 年に

稼動。08 年時点で 3,200 社以上の外資系企業(うち日系企業 330 社)が進出している。SIP への出資比率は中国側コンソーシアムが 52%、シンガポ

ール側コンソーシアムが 28%で、そのうちセムコープは 8.34%の権益を保有。開業以来過去 15 年間で計 3,500 社から合計 350 億米ドルの投資を呼び

込み、08 年の付加価値産出額は 1 億人民元と蘇州市全体の 15%を占めた。

◆南京

09 年に中国系不動産会社ヤンロード・ランド・グループとシンガポールのエンジニアリング会社スルバナ・コーポレーションと共同で合弁会社を設

立、中国・南京市に環境配慮型の都市を整備するエコシティ計画の実現可能性調査を実施。

■インドネシア

◆バタム島

バタム島最大の工業団地バタミンド・インダストリアル・パーク(BIP)はインドネシア財閥のサリム・グループがセムコープを中心とするシンガポ

ール政府系企業連合と合弁で開発を進め、91 年に稼動。01 年のピーク時には 96 社(うち日系企業 46 社)が操業、約 8 万 5,000 人の労働者が働いて

いたが、以降中国やベトナムに移転する企業が相次ぎ、操業企業数は減尐傾向にある。セムコープは BIP の権益の 50%近くを当初保有していたが、

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関連会社ギャラント・ベンチャーに株式を売却。

◆ビンタン島

ビンタン島最大の工業団地ビンタン・インダストリアル・エステート(BIE)は同じくインドネシア財閥のサリム・グループがセムコープを中心とす

るシンガポール政府系企業連合と合弁で開発を進め、94 年に稼動。03 年時点で日本電産などエレクトロニクス企業や繊維会社など 34 社が入居して

いたが、以降、撤退が相次いでいる。セムコープは BIE の権益の 50%近くを当初保有していたが、関連会社ギャラント・ベンチャーに株式を売却。

■ベトナム

ベトナムとシンガポールの両国政府が推進する「ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)」は 96 年から開発が開始され、これまでビンズオン省の

「VSIP-I」(500 ヘクタール)、「VSIP-II」(2,000 ヘクタール)、北部バクニン省の VSIP バクニン(700 ヘクタール)、VSIP ハイフォン(1,600

ヘクタール)と 4 つの工業団地を開発。10 年 1 月に起工式を行った 4 番目の VSIP ハイフォンは、工業施設だけでなく、金融センター、ショッピン

グモール、ホテル、コンベンションセンター、学校、医療センターなども併設するビッグプロジェクト。VSIP にはこれまで 20 カ国以上から約 380

社が投資し、6 万人以上を雇用している。VSIP 合弁会社には、セムコープが 40.4%、ベトナム国営のベカメックス IDC が 49%、三菱商事も 1.89%出

資している。

海外拠点

■中国

Wuxi Singapore Industrial Park Development Co Ltd(45%出資)

■ベトナム

Vietnam Singapore Industrial Park JV Co Ltd(40%出資)

Vietnam Singapore Industrial Park and Township Development Joint Stock Company(40%出資)

VSIP Bac Ninh Co(40%出資)

VSIP Hai Phong Co(40%出資)

■シンガポール

Sembcorp Parks Management Pte Ltd(56%出資)

Gallant Venture Ltd(24%出資)

Sino-Singapore Nanjing Eco High-tech Island Development Co(22%出資)

事業パートナー

■中国系不動産会社ヤンロード・ランド・グループとシンガポールのエンジニアリング会社スルバナ・コーポレーション

シンガポール・中国の新たな共同都市開発事業となる「シンガポール・南京エコ・ハイテク・アイランド(南京エコシティ)」計画の実現可能性調査

を実施するため、09 年に中国系不動産会社ヤンロード・ランド・グループとシンガポールのエンジニアリング会社スルバナ・コーポレーションと共

同で合弁会社を設立。合弁会社の名称は「シンガポール・インテリジェント・エコアイランド・デベロップメンツ」で、セムコープ・インダストリア

ル・パークスとスルバナ・ランドが各 30%、ヤンロード・ランド社が 40%を出資。

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企業名 Sembcorp Industries Ltd

セムコープ・インダストリーズ 分野 複合 URL www.sembcorp.com

企業概要

■98 年に政府系公益事業大手シンガポール・テクノロジーズ・インダストリアル・コープ(ST インダストリアル)と政府系造船大手センバワン・コ

ープの合併により誕生。98 年シンガポール取引所(SGX)上場の政府系複合企業で、セムコープ・グループの投資持株・統括会社。

■造船部門(セムコープ・マリーン)、公益事業部門(セムコープ・ユーティリティ)、環境部門(セムコープ・エンバイロメント)、工業団地部門

(セムコープ・インダストリアル・パークス)の 4 部門を中核事業として位置付けている。

■シンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」の一つ(49.6%保有、09 年 12 月時点)。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 4%減の 95 億 7,200 万 S ドル。部門別売上比率は、公益事業部門が 37%、造船部門が 60%、環境部門が 2%、

工業団地部門が 0.2%、その他部門が 2%。地域別売上比率はシンガポールが 41%、その他アジアが 14%、欧州が 27%、その他が 18%。

■工業団地部門セムコープ・インダストリアル・パークスの詳細は「セムコープ・インダストリアル・パークス」の項を参照のこと。

■環境部門セムコープ・エンバイロメントの詳細は「セムコープ・エンバイロメント」の項を参照のこと

■造船部門セムコープ・マリーンの詳細は「セムコープ・マリーン」の項を参照のこと。

■公益事業部門セムコープ・ユーティリティの詳細は「セムコープ・ユーティリティ」の項を参照のこと。

■その他部門には貨幣製造を手懸ける全額出資子会社シンガポール・ミント(シンガポール造幣局)がある。同社は 68 年に創設され、その後、記念

品・宝飾品などの製造にも事業範囲を広げてきた。近年では海外からの事業受注にも力を入れており、これまでにブータン、ブルネイ、サモアなど

30 ヵ国以上から記念貨幣製造を受注し、海外売上比率が急増している。

■セムコープはこれまで中核事業の見直しを繰り返し、03 年には物流部門子会社セムコープ・ロジスティクスをオーストラリア最大の陸上運輸会社ト

ール・ホールディングスに約 14 億 S ドルで部門ごと売却、また、06 年には建設部門子会社セムコープ・エンジニアズ&コンストラクターズ(セム

コープ E&C)をインドの建設・エンジニアリング企業パンジ・ロイドに 4,000 万 S ドルで売却した。

海外プロジェクト

■中国

シンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスの都市開発事業子会社シングブリッジ・インターナショナルが主導する四川省成都市の都市

開発計画「シンガポール・四川ハイテクイノベーション・パーク(HTIP)」のシンガポール側企業連合「シンガポール・四川インベストメント・ホー

ルディングス(SSIH)」に資本参加することで合意。SSIH にはテマセクやセムコープのほか、政府系複合企業のケッペル・コープ、政府系不動産開

発会社アセンダスが現時点で参画。同企業連合は四川省成都市の成都ハイテク産業開発区の南側区域に HTIP の開発を目指すことで、四川側企業連合

「成都ハイテクゾーン・インベストメント・グループ」と合意し、10 年 6 月に覚書を締結した。同パークの対象区域面積は 36 平方キロメートルで、

ハイテク産業や低炭素型製造業を中心に誘致し、サービス業や住宅も整備する構想。SSIH は第一段階として 11 年半ばまでに実現可能性調査を終え

る予定。

海外拠点および主要子会社

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■シンガポール

Sembcorp Utilities Pte Ltd(100%出資、公益事業部門統括会社)

Sembcorp Environment Pte Ltd(100%出資、環境部門統括会社)

Sembcorp Marine Ltd(61%出資、造船部門統括会社、シンガポール取引所上場)

Sembcorp Industrial Parks Ltd(100%出資、工業団地部門統括会社)

Sembcorp Design and Construction Pte Ltd(100%出資、その他部門建設事業統括会社)

Singapore Precision Industries(100%出資、その他部門鋳造事業統括会社)

The Singapore Mint(100%出資、造幣)

事業パートナー

■三井物産

10 年 4 月にセムコープは三井物産などと共同で、南米ブラジルの発電・水処理事業への参入を進める方針を発表した。国営石油会社ペトロブラスが

中南部リオデジャネイロ州に建設する石油化学コンビナート(COMPERJ)の一環として、発電をはじめ蒸気・水素供給、水道供給・産業廃水処理の

産業インフラを一括提供する計画に参入するため、セムコープは三井物産、ブラジル地元企業の 3 社と共同出資で「SMU エネルギア社」を設立。出

資比率は三井物産が 33.4%、残り 2 社が各 33.3%。さらに SMU エネルギアがペトロブラス子会社と別の合弁会社「CDPU 社」を設立し、CDPU 社

が石化コンビナートの発電・水処理事業に関する実現可能性調査を実施する。CDPU には SMU が 80%、ペトロブラス側が 20%をそれぞれ出資する。

ペトロブラスは COMPERJ に製油所と石化プラントを整備し、13 年前半に操業を開始する予定。三井物産はペトロブラスとバイオエタノール事業で

提携するとともに、ペトロブラスに海洋油田開発向け大水深掘削船(ドリルシップ)を貸し出す事業を日本郵船などと共同運営している。

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企業名 Sembcorp Marine Limited

セムコープ・マリーン(セムマリーン) 分野 造船 URL www.sembcorp.com/sembcorp/business_marine.html

企業概要

■97 年センバワン・シップヤードとジュロン・シップヤードの合併でセムコープ・マリーンが誕生、同年シンガポール取引所(SGX)上場。シンガポ

ール政府系複合企業セムコープ・インダストリーズの造船部門統括子会社で、造船・船舶修繕・石油海底油田掘削装置(リグ)建設の大手である。

■主要株主はセムコープ・インダストリーズ(61.6%保有、09 年 12 月時点)。親会社セムコープ・インダストリーズには政府系投資会社テマセク・

ホールディングスが 49.6%出資する。

■傘下に造船子会社センバワン・シップヤード、石油海底油田掘削装置(リグ)建設大手ジュロン・シップヤード、海上石油・ガス施設建造 SMOE、

中国海運最大手・中国遠洋運輸集団(COSCO)との合弁造船子会社コスコ・シップヤード(中国)、PT カリムン・センバワン・シップヤード(イ

ンドネシア)、セムコープ・サビナ・インダストリーズ(米国)、セムマリーン中東を保有する。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 13%増の 57 億 2,300 万 S ドル。親会社セムコープ・インダストリーズのグループ全体の同期売上高は 95 億

7,200 万 S ドルで、造船部門が全体の 60%を占める中核事業となっている。部門別売上高は、リグ建造が前年比 28%増の 36 億 3,500 万 S ドルと大

きく伸びる一方、船舶修繕は同 11%減の 7 億 600 万 S ドルに縮小。船舶用途転換は同 1%減の 13 億 4,300 万 S ドルとほぼ横ばいだった。また、同期

の純利益は前年比 63%増の 7 億 S ドルとなり、過去最高益を更新した。

■全額出資子会社ジュロン・シップヤードは、ジャックアップ型(甲板昇降型)リグや FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)建造の大手

でケッペル O&M 傘下のケッペル・フェルズと 2 社で世界のジャックアップ型リグ市場を圧巻している。主要顧客にはブラジル国営石油会社ペトロブ

ラス、ノルウェーの海洋資源掘削大手シードリル、北海油田の FPSO 運営最大手ティーケイ、リグ保有会社シードラゴラン・オフショア、三井海洋

開発(MODEC)、ノルウェー系石油開発ペトロプロッド、ベトナムの政府系合弁石油会社ベトソペトロなど多岐に渡っている。

■セムマリーンは、シンガポール西部のトゥアス・ビュー地区に最新の建造・修理技術を導入する造船所を建設する計画で、第 1 期工事(投資計画額

7 億 5,000 万 S ドル)では超大型タンカー用乾ドック 4 基と付属港湾施設などを整備する。建設工事は 3 期 16 年間に分けて行い、第 1 期部分(敷地

面積 73 ヘクタール)は 09 年 12 月に着工し、約 4 年間で完成させる計画。新造船所の第 1 期建設工事は、中国国営の中国交通建設(CCCC)傘下の

振華工程(シンガポール)に一括発注された。新造船所(第 1 期)の完成に伴い、セムマリーンは西部ジュロン地区サムルン島の造船所を廃止、移転

する。同社全体の造船能力は現行の 189 万 7,500 重量トンから、307 万 5,000 重量トンへ 62%拡大する。

■全額出資子会社SMOEは10年3月に米石油大手コノコフィリップスから、北海エコフィスク油田の海上居住基地の上層部分の設計・調達・建設(EPC)

契約を受注。受注額は 5 億 5,000 万 S ドル。最大 552 人の作業員が居住できる居住基地(重量 1 万トン)とともに船橋、船橋連絡通路、ヘリコプタ

ー発着施設を建造・整備する。13 年に引き渡す予定。居住基地はノルウェーのスタバンゲル沖約 300 キロ、水深 80 メートルの洋上に設置される。

海外プロジェクト

■中国

07 年に造船事業子会社ジュロン・シップヤードを通じて、上海ジュロン・マリーン・エンジニアリング&テクノロジー(JSMET)の株式 70%を取得。

買収額は 175 万人民元。JSMET は今後、ジュロン・シップヤードの設計などを請け負うとともに、中国で技術者を新たに採用する。

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■インドネシア

09 年に海上石油・ガス施設建造子会社 SMOE が参画する企業連合が、インドネシア沖の海底ガスの生産基地と海底パイプラインの設計・建設事業を

受注。受注額は 4 億 3,000 万米ドル。発注元はプレミア・オイル・ナツナ・シー。受注側の企業連合には、イタリア系石油ガス開発会社サイペム・イ

ンドネシアが参加。同企業連合は、既設の輸出用ガスパイプラインに接続する全長 3 キロのパイプラインを新たに敷設、シンガポールのセムガスへの

ガス輸出に利用される。また SMOE は総額 2 億 3,000 万 S ドルに上る生産基地 2 基の設計・建造、試運転を担当する。

■インド

09 年に東部アンドラプラデシュ州カキナダにある合弁の造船会社「セムマリーン・カキナダ(SKL)」を通じて、掘削装置の保守、オフショア船の

建造・保守などを一貫して提供できる体制を構築する。合弁造船会社 SKL は、子会社センバワン・シップヤードとカキナダ港を運営する民間企業カ

キナダ・シーポーツが共同出資で設立。センバワンは初期投資額 5 億米ドルの 19.9%を負担。

■サウジアラビア

07 年にサウジ西海岸の都市ヤンブー造船所と 660 万米ドル規模のジョイント・ベンチャーを設立することで合意。

■ブラジル

10 年 2 月にブラジル中南部エスピリサント州アラクルスで敷地面積 82 万平方メートルの造船所建設を発表。新造船所は 1,600 メートルの海岸線を有

し、乾ドックや造船台、埠頭などを整備する。半潜水型リグや掘削船の建造、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)への改造作業などを

手掛ける計画。セムマリーンは 97 年からこれまでに、ブラジルの海洋油田・ガス田開発向けに 11 基の探査・生産・貯蔵基地を手掛け、ブラジル国

営石油会社ペトロブラスの石油生産の 50%以上に現在使用されている。

海外拠点

■中国

COSCO Shipyard Group(30%出資)

Shenzhen Chiwan Offshore Petroleum Equipment Repair & Manufacture Company(35%出資)

■シンガポール

Jurong Shipyard Pte Ltd(100%出資)

PPL Shipyard Pte Ltd(85%出資)

Sembawang Shipyard Pte Ltd(100%出資)

SMOE Pte Ltd(100%出資)

Jurong SML(100%出資)

Sembcorp Marine Technology(100%出資)

■インドネシア

PT Karimun Sembawang Shipyard(100%出資)

PT SMOE Indonesia(90%出資)

■インド

Sembmarine Kakinada(20%出資)

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■サウジアラビア

SembMarine Middle East(60%出資)

■米国

Sembcorp-Sabine Shipyard(100%出資)

■ブラジル

Estaleiro Jurong Aracruz(100%出資)

Jurong do Brasil Prestacao de Services(100%出資)

事業パートナー

■ブラジルの石油・ガス施設専門の造船会社マクラーレン・シップヤード

08 年に子会社ジュロン・シップヤード(JSPL)はマクラーレン・シップヤードと戦略的提携を結ぶことで合意。今回の提携では、JSPL がブラジル

での受注事業について 51%の資金を出資して主導権を握り、マクラーレンが残り 49%を出資する。また JSPL はリオデジャネイロのリテロイにある

マクラーレンの造船所の独占使用権を無償で得た。マクラーレンの造船所は広さ 40 万平米で、うち 28 万平米が建造スペースとなっており、同社は

現在、造船所拡張に向けて 150 メートルの乾ドックを建設している。

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企業名 Sembcorp Utilities Pte Ltd

セムコープ・ユーティリティーズ 分野 公益事業 URL www.sembcorp.com/sembcorp/business_utilities.html

企業概要

■シンガポール取引所(SGX)上場の政府系複合企業セムコープ・インダストリーズ傘下の完全子会社で公益事業部門統括会社。電力・ガス、水処理

など総合的な公益事業ソリューションに強みを持つ。

■親会社セムコープ・インダストリーズはシンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」

の一つ(49.6%保有、09 年 12 月時点)。

■公益事業部門の 09 年 12 月期の売上は前年比 22%減の 34 億 9,500 万 S ドル。親会社セムコープ・インダストリーズのグループ全体の同期売上高は

95 億 7,200 万 S ドルで、公益事業部門が全体の 37%を占める。

■シンガポール国内では 99 年にジュロン島で水処理に参入し、その後、高度工業用水やミネラル除去水、冷却水の供給や、海水淡水化なども手掛け

ている。08 年には公共事業局(PUB)との 25 年契約で、東部チャンギ下水処理場内に国内 5 番目となる下水再生水「ニューウオーター」生産施設を

設計・建設・所有・運営。同下水再生施設は 09 年 7 月に商業運転開始、処理能力は日量 22 万 8,000 立方メートルで世界最大規模を誇る。同施設の

逆浸透膜(低ファウリング RO 膜)は東レが納入している。同施設を含む国内 5 ヵ所のニューウオーター施設を合わせると、シンガポール国内水需要

の 3 割の水源を賄えるようになった。

■関連会社のセムコープ・ガス(セムガス)は 99 年からインドネシア産天然ガスの輸入契約を英国の石油ガス開発会社プレミア・オイル(インドネ

シア)との間で締結し、インドネシア・西ナトゥア諸島とシンガポール・ジュロン島を結ぶ海底パイプラインで輸送している。

■水処理事業ではシンガポールを含め 5 ヵ国 10 ヵ所(シンガポール国内 2 ヵ所、中国 5 ヵ所、英国 1 ヵ所、中東アラブ首長国連邦 1 ヵ所、オマーン

1 ヵ所)で水処理施設を運営しているが、10 年 4 月に英国の水処理大手バイウオーターから、ニューヨーク上場の海外事業子会社カスカルを買収す

ることで合意した。買収総額はカスカルの債務も含み約 4 億 1,600 万米ドルに上る見込み。カスカル買収で水処理事業の展開地域を 11 ヵ国 31 ヵ所

に拡大した。

■発電事業では民間発電事業者としてジュロン島でシンガポール最大規模のコージェネレーション(熱併給発電)施設を建設・所有・運営。発電能力

は 815 メガワット。さらに 2 基目のコージェネレーション(400 メガワット)増設計画が進められているほか、海外ではベトナム、インド、中国、オ

マーン、アラブ首長国連邦で発電所を合弁形態で運営している。

海外プロジェクト

■中国

◆江蘇省張家港

08 年に中国江蘇省・張家港経済開発区で工業用水処理事業に地元企業と合弁で参入、セムコープが 80%を出資し、日量 7 万 5,000 リットルの処理能

力を有する工業用水再処理施設を建設・運営(期間 50 年、総投資額約 3 億人民元)。

◆瀋陽

08 年に瀋陽経済技術開発区の瀋陽科学工業団地での給水網の取得、拡張、運営について地元開発会社と合弁会社を設立、同区向けの工業用水処理・

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供給(日量 16 万立方メートル)事業に参入。合弁会社には、セムコープが 80%出資。出資額は 3 億 3,000 万人民元(6,550 万 S ドル)。

◆天津

06 年に天津の臨港工業区で廃水処理施設(日量処理能力 1 万立方メートル)の建設で契約締結。

◆広西チワン族自治区欽州市

10 年 1 月に広西チワン族自治区欽州市の経済開発特区で廃水処理施設(日量処理能力 1 万 5,000 立方メートル)の建設・運営を受注(事業費 6,200

万元)。

◆南京

03 年に中国でも最大級の石油化学団地となる南京化学工業パーク(NCIP)の第1期工業排水処理プロジェクト(日量処理能力 1 万 2,500 立方メート

ル)を入札で獲得。同プロジェクトに 1,000 万米ドルを投資し、シンガポールの石油化学ハブ、ジュロン島で成功を収めている同社の工業排水技術を

応用する。次いで、07 年 7 月に南京で廃水処理施設(日量処理能力 4 万 2,500 立方メートル)の建設で契約締結。

◆山東省

05 年に中国側のパートナーと廃熱発電所(事業費 12 億 4,000 万元)の建設で契約締結。

◆上海

03 年に上海化学工業団地の入居企業向けにガス燃料のコージェネレーション(熱電併給)の発電施設を開発する合弁プロジェクトに参画。2 億 1,800

万 S ドルを投資し、30%の権益を確保。

■ベトナム

04 年に稼動したフーミーⅢ火力発電所(出力 717 メガワット、総投資額 4 億 1,300 万米ドル)に日本の九州電力と双日の企業連合、英国の BP ホー

ルディングス社がそれぞれ 3 分の 1 ずつ出資。06 年にホーチミン市と同市郊外の工業地帯に 700 メガワットのガス発電所を BOT 方式で建設する契

約を締結。同建設事業への投入額は 4 億 5,000 万米ドル。

■インド

10 年 5 月に印ハイデラバードでムンバイ上場の地元建設会社ガヤトリ・プロジェクツとの合弁で同国での発電事業に進出。同国南東部アンドラプラ

デシュ州クリシュナパトナムに総発電能力 1,320 メガワットの石炭火力発電所を建設し、13 年末までにフル稼働させる計画に参入する。合弁計画で

は、セムコープ・ユーティリティーズとガヤトリは共同出資で発電所建設・保有会社 TPCIL を設立。TPCIL は総額 21 億 S ドルを投じて、超臨界圧

技術を採用した石炭火力発電装置 2 基から成る発電所を整備する。TPCIL への出資比率はセムコープが 49%、ガヤトリが 51%で、セムコープの出資

額は 3 億 1,900 万 S ドルとなる。一方、発電所の運営管理を請け負う合弁会社はセムコープ 70%、ガヤトリ 30%の出資比率で別に設立する。

■オマーン

09 年に中東オマーン南西部サラーサ地区の淡水化・発電複合プラント建設運営事業(IWPP)をオマーンの投資会社オマーン・インベストメント・コ

ーポレーション(OIC)との合弁で受注。両社は総額 10 億米ドルを投じて IWPP 施設を建設、2012 年前半の稼働開始から 15 年間にわたってオマー

ン政府の電力・水道調達公社に電力・淡水化水を売却する。ガス発電施設の発電能力は 445MW、海水淡水化施設の造水能力は日量 1,500 万英ガロン

(約 6,919 万リットル)を見込む。

■アラブ首長国連邦(UAE)

06 年にアブダビ・フジャイラ発電・淡水化プラント(IWPP)第 1 期部分の権益 40%分を、約 17 億 3,000 万米ドルで落札。同 IWPP の淡水化能力は

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日量 1 億ガロンで、世界有数の規模とされる。同事業は電力・淡水化の事業を民営化するもので、同社と UAE 側とで合弁会社「エミレーツ・セムコ

ープ・ウォーター&パワー・カンパニー」を設立、合弁にはアブダビ水電力局(ADWEA)子会社が 60%を出資する。また、同企業が発電する電力な

どは 22 年契約で、アブダビ水電力会社に販売する。10 年 6 月にセムコープ・ユーティリティーズは ADWEA から海水淡水化施設の新設・運営事業

を受注。新施設の造水能力は 3,000 万ガロンで建設費用は約 2 億米ドル。13 年末までに新施設を稼働させ、淡水化で製造する飲料水を同局に 20 年契

約で売却する。新淡水化施設は、セムコープと同局の共同事業体「エミレーツ・セムコープ・ウオーター&パワー・カンパニー」が発電・海水淡水化

施設を運営するフジャイラ第 1 期地区に設置する。新施設を合わせたフジャイラ第 1 期の飲料水造水能力は現行の日量 1 億ガロンから同 1 億 3,000

万ガロンに 3 割拡大する。

■英国

03 年に経営危機に陥ったエンロンから英北東部ウィルトンの国際石油化学コンビナートを買収。05 年に英北東部ティーズサイドで英国最大級の木廃

材バイオマス発電所(30 メガワット)を建設、投資額は 6,400 万ポンド。同発電所は年間 30 万トンの木廃材を燃料として使用、二酸化炭素の排出量

を従来の発電所に比べ年 20 万トン削減できる。

海外拠点

■中国

Shanghai Cao Jing Cogeneration Co Ltd(30%出資)

Shenzhen Chiwan Sembawang Engineering Co Ltd(32%出資)

Sembcorp Utilities Investment Management (Shanghai) (100%出資)

Nanjing Sembcorp SUIWU Company(95%出資)

NCIP Water Co(95%出資)

Zhangjiagang Free Trade Zone Sembcorp Water Co(80%出資)

Zhangjiagang Free Trade Zone Sembcorp Water Recycling Co (80%出資)

Sembcorp Tianjin Lingang Industrial Area Wastewater Treatment Co (90%出資)

Shenyang Sembcorp Water Co(80%出資)

Qinzhou Sembcorp Water Co(80%出資)

■ベトナム

Phu My 3 BOT Power Company Ltd(33%出資)

■シンガポール

Sembcorp Cogen Pte Ltd(100%出資)

Sembcorp Gas Pte Ltd(70%出資)

Sembcorp Air Products (Hyco) Pte Ltd(60%出資)

Sembcorp Power(100%出資)

Sakra Island Carbon Dioxide(30%出資)

Sembcorp NEWater(100%出資)

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■アラブ首長国連邦

Emirates Sembcorp Water & Power Company P.J.S.C(40%出資)

Sembcorp Gulf O&M Co(100%出資)

■オマーン

Sembcorp Salalah Power & Water Company(60%出資)

Sembcorp Salalah O&M Services Company(70%出資)

■英国

Sembcorp Utilities (UK) Limited(100%出資)

事業パートナー

■九州電力

04 年に稼動したベトナムのフーミーⅢ火力発電所(出力 717 メガワット、総投資額 4 億 1,300 万米ドル)に日本の九州電力と双日の企業連合、英国

の BP ホールディングス社がそれぞれ 3 分の 1 ずつ出資。

■英国の水処理大手バイウオーターの海外事業子会社カスカル

10 年 4 月にセムコープが買収したオランダ系水処理会社カスカルは 00 年創業、06 年に英バイウオーターの傘下に入り、現在は英国内 1 ヵ所と中国

6 ヵ所、フィリピン 1 ヵ所(スービックベイ)、インドネシア 2 ヵ所(バタム島、パレンバン)、南アフリカ共和国 2 ヵ所、南米チリ 5 ヵ所、パナマな

ど中米地域 4 ヵ所で水事業を展開。水処理サービスの提供人口は合計 470 万人に上る。ニューヨーク証券取引所には 08 年に上場した。カスカルの年

商は 1 億 6,300 万米ドルで半分強を英国で上げている。親会社の英バイウオーターは債務返済で資金が必要なことからセムコープに売却を決めた。セ

ムコープはその後 TOB を通じてほぼ全株取得に成功、カスカルを完全子会社化している。

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企業名

Singapore Cooperation Enterprise (SCE)

シンガポール・コーペレーション・エンター

プライズ

分野 対外経済技術協力機関 URL www.sce.gov.sg

企業概要

■06 年にシンガポール政府の政策モデルやノウハウを海外に輸出する目的で、外務・通産両省傘下の対外経済技術協力機関として設立。初代最高経営

責任者(CEO)にはシンガポール国際企業庁(IE シンガポール)の国際部門を統括するアルフォンスス・チア氏が就任した。

■これまで中東やアフリカ諸国などの政府機関からシンガポール政府が実施している工業団地の開発・経営、電子政府、海運事業などに関する政府機

関のマネジメントや専門知識、政策を学びたいという要請を数多く受けていたことが SCE 設立の発端となった。SCE は 15 の省、66 の政府官庁が蓄

積した空港管理・運営、国防技術、電子政府、工業団地の開発・運営などのコンサルティングやプロジェクト管理の方法などを伝えると同時に、シン

ガポールの民間企業に官民連携(PPP)方式による外国プロジェクトの推進により、新たなビジネス機会を提供する役割も果たしている。

海外プロジェクト

■中国

◆雲南省昆明市

09 年に SCE とアジア開発銀行(ADB)は、中国・雲南省昆明市政府との間でインフラ整備計画の策定などに関する協力覚書を締結。SCE と ADB、

昆明市当局の 3 社は作業委員会を設置し、行政、水資源・環境管理、交通・人材管理、投資推進の各分野を対象に協力内容の具体化を進める。10 年

4 月に SCE、テマセク財団と昆明市との間で、シンガポールのインフラ整備の専門家が、官民連携事業などのノウハウを提供する交流事業で合意。

10 年 9 月に雲南省昆明市当局との間でインフラ整備事業と同市職員の研修事業に関する協力推進で合意し、覚書を締結。今回の覚書は、昆明市とシ

ンガポールが締結した協力合意を発展させたもので、水資源分野の協力案件の追求、営利事業として成立する官民連携事業(PPP)の検討、保健分野

の職員研修、短期の職員相互派遣研修の実施を進める。

◆天津市

07 年にシンガポールと天津市は、経済・貿易委員会を開催するとともに、都市計画やインフラ開発などを推進することで合意。この合意には天津市

の西青経済開発区内の商業・住宅・レクリエーションなど複合団地開発も含まれる。参加するシンガポール企業は SCE のほか、不動産大手ケッペル・

ランド、工業団地開発会社アセンダスで、水処理会社ハイフラックスも環境サービス関連で契約を結んだ。さらに同年、SCE は天津市人民政府と都

市経営に関する協力の枠組み合意書を締結、土地利用計画、公団住宅、輸送機関の開発、環境管理、工業団地計画、都市緑地化などの分野で協力する。

◆大連市

07 年に中国大連市職員を対象に 2 年間で最大 1,200 人の研修事業を実施することで合意。研修は同市の中上級クラスの職員が対象で、40 部門以上に

わたって行う。

◆広東省

08 年に佛山市当局に対する都市緑化、都市管理、コーポレートガバナンスに関する研修事業を実施することで合意。同じく広東省恵州市の技術専門

教育機関の教員に対する能力開発研修プログラムに関する提言を実施。同じく広東省深圳市当局に対して都市交通管理、廃棄物管理、環境保全、都市

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緑化に関する研修事業を実施。

◆江蘇省蘇州市

08 年に江蘇省蘇州市政府に対して工業団地管理、環境保全、物流管理に関する研修事業を実施。

■ラオス

09 年に SCE、テマセク財団、世銀ラオス事務所の 3 者はラオス財務省に国家財政現代化の協力プログラムを提供。ラオスへの支援は 2 年間かけて行

う予定で、テマセク財団が 115 万 S ドルの補助金を提供する。SCE はシンガポール国税庁(IRAS)と税関、財務省の元幹部による派遣チームを組織

し、財務、税務、関税業務についてラオスへの支援を実施する。

■インド

10 年 5 月にケララ州政府と都市開発マスタープラン作成に関する覚書を締結。

■アラブ首長国連邦

07 年にアブダビ首長国行政サービス局と覚書を締結、土地登記、人材開発などについて協力。08 年にアラブ首長国連邦ドバイ行政府のコンサルタン

ト事務局との間で連携枠組み協定を締結。協定に基づき、SCE はドバイ側に対し、医療、教育、都市開発、政府機関統合などについて助言を提供す

る。SCE は第1弾として、ドバイの保健行政当局に対して助言を行う。

■オマーン

07 年にオマーン情報技術局との間で政策面での協力に関し覚書を締結。08 年にオマーン金融庁(CMA)に対して資本市場整備に関する助言活動を実

施する相互協力合意書に調印。CMA はオマーンの証券取引市場を統括する機関で、マクブール・アリ・スルタン商工相が最高経営責任者を務める。

■カタール

07 年にカタール財務省と業務改革について提言する覚書を締結。

■サウジアラビア

06 年にサウジアラビアで約 600 平方キロメートルの用地に新しい都市づくりのマスタープラン作成プロジェクトに協力。

■バーレーン

07 年にバーレーン労働財団に対し、人材と組織開発戦略の見直しについて提言する覚書を締結。

■モーリシャス

08 年にモーリシャス政府と覚書を締結、土地開発プロジェクトに関するマスタープラン作成に協力。

■アルジェリア

06 年にシンガポールを拠点とするサウジアラビアの投資会社アーク・キャピタル・ホールディングスとアルジェリアにレジャー・ホテル関連の人材

研修施設を設置する合意書に署名した。

■リビア

08 年 5 月にリビアの国家経済開発庁(NEDB)と中小企業の育成に関する協力協定を締結。協力の第1弾として、SCE シンガポール国立大学(NUS)

の学外講座プログラムを活用し、リビア国内で金融モデル、人材開発、技術開発などの講座を提供する。両国は 06 年から国交を樹立している。

■ルワンダ

07 年にルワンダの人材企業能力開発局(HIDA)と都市計画、投資推進など 7 分野での公共部門の協力に関する覚書を締結。SCE は公務員研究大学

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(CSC)、民間航空局(CAAS)の海外事業子会社チャンギ・エアポーツ・インターナショナル(CAI)などとも協力し、ルワンダ側に各種専門ノウハ

ウを提供する。

■トーゴ

10 年 7 月にトーゴ政府と同国での産業・教育支援に合意し、同国政府と覚書を締結。

■コンゴ

10 年 10 月にコンゴ共和国の経済特区整備計画に協力することで合意し、同国政府と覚書を締結。SCE はコンゴ共和国が経済特区の整備を目指して

いる 3 ヵ所の候補地の実現可能性調査を他のシンガポール政府機関や民間企業の力を借りて実施する。同国の構想には、港湾都市ポワントノワールの

北郊 50 キロメートルの 1,660 ヘクタールの用地に、石油採掘産業関連の産業を整備する計画や同市北郊 65 キロのクイルー川沿い 6,000 ヘクタール

の用地に高付加価値農業や製造業を整備する計画が含まれている。

■ブラジル

08 年にミナスジェライス州政府と覚書を締結、公務員の業績評価制度導入について提言。

海外拠点

特になし

事業パートナー

■世界銀行

世銀とシンガポール政府は 08 年にシンガポールが急速な都市化の過程で蓄積した都市管理やインフラ整備、資金調達のノウハウを、新興国・途上国

の都市問題の解決に役立てることで合意、協力覚書を締結した。09 年に世銀とシンガポール政府は都市対策会議「世銀・シンガポール・インフラス

トラクチャー・ファイナンス・サミット」を開催、新興国・開発途上国の都市対策を共同で支援する連携事業をモンゴル、ベトナム、中国・重慶市の

2 ヵ国 1 都市から開始すると発表した。第 1 弾として実施するモンゴル、ベトナム、重慶市に対する支援では、SCE が水処理、電力、道路などの社

会基盤整備に民間資金を活用する官民パートナーシップ(PPP)の導入に向けて必要となる規制・金融面の準備を支援する。また世銀は SCE ととも

に PPP の手法・経験などを伝える研修会を共催する。具体的には、重慶市では有料道路の民間売却に対する助言を行い、モンゴルでは資源開発での

PPP 活用に向けた能力開発を支援する計画。ベトナムでは PPP 方式の金融枠組みの準備に対する助言などを行う。

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企業名 Singbridge International Singapore Pte Ltd

シングブリッジ・インターナショナル 分野 都市開発 URL www.singbridge.sg

企業概要

■09 年 6 月にシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスが中国・天津エコシティーなど大型都市開発に参加する都市開発事業子会社と

して設立。

■親会社のシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスの 10 年 3 月末時点の保有運用資産の時価総額は前年比 42%増の 1,860 億 S ドル

(約 11 兆 9,000 億円)に大幅伸長し、08 年 3 月末時点に記録した年度末時価総額の過去最高(1,850 億 S ドル)を小幅ながら 2 年ぶりに更新した。

10 年 3 月末時点の保有運用資産の地域別分散比率は、シンガポールが 32%(09 年 3 月末時点 31%)、日本・シンガポールを除くアジア域内が 46%

(同 43%)にそれぞれ上昇し、日本を除くアジア域内への投資が全体の 78%(同 74%)に達した。一方、韓国・メキシコを除く OECD(経済協力開

発機構)が 20%(同 22%)、その他地域が 2%(同 4%)にそれぞれ低下した。

■同社は海外での都市開発事業に中核デベロッパーとして参加・推進することでシンガポール企業の事業機会の創出を目指すとともに、当面は中国で

の事業に注力する。都市化と環境への高い関心の高まりという世界の二つの大きな潮流を踏まえ、シングブリッジが手掛ける事業は、環境配慮型の「エ

コ」と採算・経済性の「エコ」の二つの「エコ」を追求する。

■同社会長のリム・チーオン氏は元閣僚で政府系複合企業ケッペル・コープの会長も務めた。

海外プロジェクト

■中国

10 年 11 月時点でシングブリッジが既に参加を決めた中国の都市開発プロジェクトは次の通り。

◆天津市の環境配慮型都市開発計画「天津エコシティ」

シングブリッジは 10 年 2 月に、中国とシンガポールの両国政府が天津市浜海新区で共同開発を進めている環境配慮型都市「中新生態城(天津エコシ

ティ)」に対するシンガポール側持ち分の 1 割をケッペル・コープより取得し、同計画に参画することとなった。シングブリッジは今回の持ち分取得

によって、ケッペルと中国側企業とが折半出資するエコシティー計画の開発主体「シノ・シンガポール・天津エコシティ投資開発」に間接的に 5%出

資することになった。天津エコシティのプロジェクト概要と進捗状況については「天津エコシティ」の項を参照のこと。

◆広東省広州開発区の都市開発計画「ナレッジ・シティー(知識都市)」

【プロジェクト概略】

知識都市は政府系複合企業ケッペル・コープが広東省政府に提案していたたもので、両者で広州市中央部から 35 キロ離れた未開発の地域(面積 123

平方キロメートル)に知識集約型産業を中心とした環境にも優しい持続可能な職住一体型産業都市を開発する計画である。開発後の居住者は 7万 7,000

人、通勤者は 1 日 3 万 5,000 人を見込んでいる。特に力を入れる産業分野には、(1)情報技術、(2)バイオテクノロジー、(3)医薬品、(4)エネルギー・環

境技術、(5)先端技術を利用した製造、(6)研究開発、(7)クリエーティブ産業、(8)教育・研修・健康の 8 分野を挙げている。知識都市はシンガポールと

中国が培ってきた蘇州、天津の共同都市開発とは異なり、民間企業を中心に開発を進める。開発を担う合弁会社「ナレッジ・シティー」には、シング

ブリッジが 50%、残り 50%を杭州開発区が間接的に出資するナレッジ・シティー・インベストメント&デベロップメントが折半出資している。シン

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グブリッジは 20 億人民元(4 億 1,200 万 S ドル)を投資する予定。シンガポールは 1979 年から 2008 年までの 30 年間に、広東省での事業 1,952 件

に総額 54 億 5,000 万米ドル超を投資した実績があり、中国国内の省別投資額では江蘇省に次ぐ 2 番目の規模となっている。また、シンガポール・広

東省間の貿易額は、シンガポール・中国の貿易総額の 4 分の 1 を占めている。

【プロジェクトの経緯と進捗状況】

09 年 3 月

・政府系複合企業ケッペル・コープが「ナレッジ・シティー」開発に向けて事業化調査を行うことで広州市当局と合意。

・シンガポールのゴー・チョクトン上級相の広東省公式訪問に合わせて、ケッペルのリム・チーオン会長が広州市当局と覚書を締結。

09 年 7 月

・広州市で事業化調査の終了式典を開催。

・ケッペルに代わり同プロジェクに参画するシングブリッジと広州市当局が知識都市開発に関する 2 件の覚書に署名。

・契約先はシンガポール・ビジネス連盟(SBF)とシンガポール中華総商会(SCCCI)

・覚書に基づき両者には今後、プロジェクトに関する情報が直接提供される。

・事業化調査の結果、開発計画を当初の 50 平方キロから約 2.5 倍の 123 平方キロに拡大。

・建設予定地は広州開発区内の北側地域で、総合計画には広州開発区の既存ハイテク企業集積地「サイエンス・シティ」が含まれる。

・交通の便を改善するため広東省政府は、市内の地下鉄網と高速鉄道を延伸する。

・中央政府の国家発展改革委員会(NDRC)と商務部が同プロジェクトに対し、政策面で特別な支援を付与することを承認。

10 年 6 月

・「ナレッジ・シティー」の着工式典を開催し、シンガポールのゴー・チョクトン上級相と汪洋・広東省党委書記が出席。

・開発を担う合弁会社「ナレッジ・シティー」の設立に関する契約に署名。

10 年 11 月

・「ナレッジ・シティー」の開発主体となる両国合弁会社の設立契約の調印式を開催。

・合弁会社の社名は「広州ナレッジ・シティー」で、資本金は 40 億人民元の予定。

・シンガポール側はシングブリッジ、中国側は広州開発区傘下のナレッジ・シティー・インベストメント&デベロップメントが折半出資。

◆吉林省吉林市の農業食料生産基地開発計画「中国吉林・シンガポール新型農業協力食品区」

【プロジェクト概略】

中国・吉林省は 10 年 5 月にシンガポール政府・企業と提携し、計画面積 1,450 平方キロメートルの大型農業食料生産基地の開発を進めることで基本

合意に達した。吉林省はシンガポールの官民の力を借りて食料生産能力を高め、国内・東アジア地域への供給拡大を目指す一方、シンガポールは海外

に頼る食料の調達先多様化・安定化を図る。食料基地の名称は「中国吉林・シンガポール新型農業協力食品区」。具体的な食品区開発の投資額につい

ては、シングブリッジが今後 9 ヶ月かけて実施する実現可能調査終了後に決定されることとなった。吉林省などが策定した予備計画では、食品区は(1)

食品製造会社やバイオ研究機関などが集積する 30 平方キロメートルの「中核地区」、(2)環境に配慮した農業や畜産を行う「管理地区」で構成され、

その周囲に食品区に高品質の原料を供給する「後背地」を確保する。後背地には同省のほか、遼寧省、黒龍江省、内モンゴル自治区の一部も含むとさ

れている。

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【プロジェクトの経緯と進捗状況】

08 年 4 月

・シンガポール中華総商会(SCCCI)が「シンガポール-中国・吉林省商業協力フォーラム」を主催。

・複数のシンガポール企業が金融、環境、水処理技術などの分野で総額 3 億 3,500 万人民元を投資することで吉林省当局と合意。

10 年 5 月

・吉林省・吉林市や農業協力食品区開発会社がシンガポール政府機関などと 5 件の協定・覚書を締結。

・シングブリッジとは、食品区の商業化を判断する実現可能性調査を約 9 ヵ月間かけて行うことで合意。

・テマセク・ホールディングスの投資子会社フラトン・フィナンシャル・ホールディングスとは、農家などに金融サービスを提供する「農村銀行」の

設立を中国銀行と共同で進めることで一致。

・シンガポールの農食品畜産庁(AVA)とは、世界動物保健機関(OIE)の基準に沿った畜産を行う家畜伝染病・口蹄疫の「無病地区(DFZ)」を食品

区内に 18 ヵ月間かけて整備することで合意。DFZ で生産した食品を当初はシンガポールに輸出する。

・シンガポールの食品製造会社シンガポール・フード・インダストリーズ(SFI)と台湾系食品メーカーの大成食品とは、吉林省永吉県に食肉加工施

設を含む総合養豚所を整備することで合意。第1期段階で年間 10 万頭、最終的には同 100 万頭の豚を出荷する体制を構築する。

◆四川省成都市のハイテク産業地区「シンガポール・四川ハイテクイノベーション・パーク(HTIP)」

10 年 9 月にシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスが主導する同国企業連合「シンガポール・四川インベストメント・ホールディ

ングス(SSIH)」は四川省成都市の成都ハイテク産業開発区の南側区域に、職住接近のハイテク産業地区「シンガポール・四川ハイテクイノベーショ

ン・パーク(HTIP)」の開発を目指すことで、四川側企業連合「成都ハイテクゾーン・インベストメント・グループ」と合意し、覚書を締結した。同

パークの対象区域面積は 36 平方キロメートルで、ハイテク産業や低炭素型製造業を中心に誘致し、サービス業や住宅も整備する構想。SSIH は第一

段階として 11 年半ばまでに実現可能性調査を終える方針。SSIH にはテマセク傘下シングブリッジのほか、政府系複合企業のケッペル・コープ、セ

ムコープ・インダストリーズ、政府系不動産開発会社アセンダスが現時点で参画、SSIH 代表にはフォック・シュウワー氏(PSA インターナショナル

会長)が務めている。HTIP の詳細計画は実現可能調査の後に決定されることとなっている。

◆福建省福州市の「平潭国際観光商業貿易城」開発

09 年 10 月に福建省の福州(平潭)総合実験区管理委員会とシンブリッジは、福州市で平潭島開発計画の協力に関する覚書に調印した。双方は島内の

「平潭国際観光商業貿易城」開発に関連し、都市建設や観光・商業・貿易など分野で協力する予定。

海外拠点

■中国

Sino-Singapore Tianjin Eco-City Investment and Development Co Ltd(5%出資、天津エコシティ開発事業会社)

事業パートナー

海外の都市開発事業にシンガポール政府と民間企業を代表する中核デベロッパーとして参画することより、海外の国・地域の政府機関が事業パートナ

ーとなる。

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プロジェクト名

Sino-Singapore Tianjin Eco-city

(SSTEC)

天津エコシティ

分野 二国間共同都市開発プ

ロジェクト URL

www.tianjinecocity.gov.sg

www.eco-city.gov.cn

www.tianjineco-city.com

プロジェクト概要

シンガポール政府は現在、中国の天津市で環境配慮型都市開発「天津エコシティ」の開発を両国政府の戦略的協力プロジェクトとして進めている。天

津エコシティは天津港から 15 キロ、天津空港から 40 キロに位置する浜海新区の 30 平方キロメートルの用地を開発し、人口 35 万人の新都市を 2020

年までに建設する計画である。このプロジェクトは水不足で塩分を多く含むアルカリ性土壌の荒れた土地という資源制約のある条件でエコシティを建

設するもので、両国政府が地球の気候変動、環境保護、資源節約、持続可能な発展に対処するのに模範を示す重要な役割を持っている。環境に優しい

町づくりを目指し、区内では汚染源となる低品位の石炭、燃料の使用を禁止するとともに、建物はすべて省エネルギー基準に基づいた建設を義務付け

る。環境配慮を評価するシンガポールの「グリーンマーク」制度に従い、水の再利用や、発電所の廃熱利用など環境に配慮した公共住宅を建設。シン

ガポールの公団住宅(HDB フラット)型都市を採用する方針で、住宅供給面では、政府が補助金を支給して低中所得層向けに安価に賃貸・販売する

住宅の比率を 20%以上に確保し、あらゆる所得層が共存できる住環境を整える。また公共交通手段としては、天津市中心部と天津浜海新区を結ぶ「津

浜ライトレール」の延長工事(全長 30 キロメートル)に着手するほか、エコシティ内の主要 4 地区をめぐる LRT(軽便鉄道)を整備する。基本計画

によると、エコシティの緑化率を 50%、1人当たりの緑地面積を 12 平方メートル、再生可能なエネルギー利用率を 20%、クリーンエネルギーの利

用率と生活ごみ無害化処理率をいずれも 100%、ごみ回収利用率を 60%とする目標を掲げ、世界の先進レベルに近づける方針。住宅、商業エリアのほ

か、「エコ産業園」、「アニメ産業園」などを約 10 年かけて全面完成させる。環境に配慮したビジネス街「エコ中央ビジネス地区(CBD)」は持続可能

で活気のある生活・仕事・遊びの空間として整備し、他の提携企業や環境企業との連携を進める基盤とする。また、エコシティでは将来的に区内を走

る自動車の 90%を新エネ車にする目標を掲げており、新エネ車市場を開拓する自動車メーカーにとってエコシティは全国のモデル地域となる。エコ

シティの建設・運営は、中国の天津泰達投資控股有限公司、国家開発銀行などが参加する中国側の企業連合と、ケッペル・コープを中心とするシンガ

ポール側の企業連合とによる双方折半出資した合弁会社「シンガポール・天津エコシティ投資開発(SSTEC、当初資本金 40 億元)」が共同開発主体

となる。双方の投資額は約 500 億元と見込まれている。

沿革

エコシティの構想は 07 年 4 月、ゴー・チョクトン上級相が中国・北京で温家宝首相と会談した際に提言。候補地の選定では天津市のほか河北省唐山

市内、モンゴル自治区包頭市、新疆ウイグル自治区のウルムチの名前も挙がっていた。07 年 11 月、シンガポールを訪問した中国の温家宝首相はリー・

シェンロン首相との会談で、天津市に資源保全・環境保護と都市開発の両立を目指す「エコシティ」の建設を進めることで一致し、基本合意書に署名

した。両国政府は同プロジェクトの推進にあたり、全体をまとめる副首相レベルの理事会とそれを遂行する部長級の共同運営委員会を設立、08 年 1

月から数回に渡り協議を重ね、08 年 5 月には基本開発計画が両国間で承認された。第 1 期では 11 年末までに 4 平方キロメートルの地区に 2 万 6,500

世帯が住む水辺に面した居住区と商業センター、生態環境大学が建設され、08 年 9 月に中国の温家宝首相とシンガポールのゴー・チョクトン上級相

が立会いのもと起工式が執り行われた。共同開発主体である「シンガポール・天津エコシティ投資開発」は国内外の企業にプロジェクト参画を呼びか

け、これまでにシンガポール企業 30 社以上が参画に向けた協議を行っているほか、日本からも三井不動産、日立製作所が参画を表明し、既に具体的

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なプロジェクトが進行中である。天津エコシティへの企業誘致も進んでおり、10 年 6 月末現在の入居企業は 157 社、資本金の合計は 100 億元を超え

た。また、ソーラー温水器や新型断熱材などエコ技術を多用している第 1 期住宅部分の予約販売が 10 年 6 月に開始され、既に天津市内のほか河北省、

北京市などから 1,000 人を超す購入希望者がリストに名前を載せている。産業プロジェクトでは、シンガポール企業との提携による多結晶シリコン生

産工場をはじめ、皇明太陽能集団による太陽エネルギー研究開発基地、シンガポールのアセンダスグループの科学技術パーク、デジタルメディア産業

パーク、国家アニメ産業総合モデル地区などまとまったプロジェクト 5 件、商談中のプロジェクト 11 件、長期的なプロジェクト 12 件などが進行中

である。国家アニメ産業総合モデル地区では、アニメ・映像関連の国家級産業プロジェクト 3 件が続々と始まる予定となっている。3 件のうち「中国

天津 3D 影視創意園」の建設は、天津エコシティー内に 3D 映像の制作や商品化、取引の拠点を構えるもので、国内初の裸眼 3D 映画館を含む施設が

10 年末までに完成する。ほか 2 件は「国家影視インターネットアニメ実験園」と「国家影視インターネットアニメ研究院」の建設で、いずれもアニ

メを中心とした映像産業のレベルアップを図ることが目的とみられる。

最近の進捗状況

■08 年 1 月、アモイ航空がアモイ経由のシンガポール-天津線を 1 日 1 往復で運航開始。シンガポールと天津を結ぶ定期旅客線は初めてとなる。

■08 年 6 月、シンガポール政府系複合企業ケッペル・コープ傘下のケッペル・インテグレーテッド・エンジニアリング(KIE)と中国企業 2 社が環境

重視の都市基盤整備事業を手掛ける合弁会社「天津エコシティ・エンバイロメンタル・プロテクション(TECEP)」を設立。出資総額は1億人民元(1,980

万 S ドル)で、出資比率は KIE が 20%、天津経済技術開発区管理委員会(TEDA)が 55%、SSTEC が 25%。TECEP は、環境重視の都市基盤開発と

して環境管理や汚染物質処理、環境の回復・改善などに取り組む。

■09 年 1 月、シンガポールの建設会社センバワン・エンジニアズ&コンストラクターズ(SBW)が 10 億米ドルにのぼる太陽熱発電関連施設の建設に

関する覚書を SSTEC と締結。太陽光発電用ポリシリコンの生産プラント建設の実現可能性を調査し、実施する場合には SBW がプロジェクトの開発

主体として、建設に関わる共同事業体を率いる。

■09 年 4 月、シンガポールの教育事業会社イートンハウスとチー・ウェイ・ホールディング・グループが外国人学校整備に向けた覚書を SSTEC と締

結。開校は 11 年の予定で、幼児から高校生まで約 600 人を受け入れる計画。外国人学校は、天津エコシティの第 2 期計画で整備される。

■09 年 6 月、シンガポールのファースト DCS がビジネスパーク内の直接暖房・冷房システムに関する調査で SSTEC と提携。

■09 年 6 月、シンガポール政府系工業団地開発機関 JTC コープの不動産子会社アセンダスがビジネスパークの計画・開発・マーケティングを共同で

行うことでに SSTEC と提携。

■09 年 6 月、シンガポールの太陽光発電モジュール製造会社 PV ワールド(PVW)が SSTEC との共同事業で、省エネ型ビルをエコシティのビジネス

パーク部分に整備することで合意。投資額は 3 億 5,000 万元で、11 年初めに完成させる予定。PVW 社はまた、年間製造能力 240MW の太陽光発電モ

ジュールの工場の建設を進め、第1期工場の生産は 12 年に開始する計画。

■09 年 7 月、ケッペル・コープと同社傘下の不動産開発大手ケッペル・ランドがエコシティ第1期開発地区(総面積 400 ヘクタール)の商業副都心

地区(36.8 ヘクタール)の住宅・商業・オフィス地区の開発を発表。両社の投資総額は 7 億 500 万人民元(1 億 4,800 万 S ドル)で、プロジェクト

の出資比率はケッペルが 45%、ケッペル・ランドが 55%。第1期工事では住宅 1,760 戸、延べ床面積 4 万平方メートル分の商業施設を整備する。10

年第1四半期までに着工する予定。

■09 年 7 月、三井不動産が第1期区域内の 40 ヘクタールの敷地に住宅整備を進めることで SSTEC と覚書を締結。

■09 年 7 月、中国の不動産大手、世茂房地産(シマオ・プロパティー・ホールディングス)がエコシティの第1期開発区域で住宅・商業地区開発を推

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進するため SSTEC と覚書を締結。

■09 年 9 月、シンガポール政府系複合企業シンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリングの陸上システム子会社 ST キネティクスが環境に配慮し

た交通システム開発に関する覚書を SSTEC と締結。覚書に基づき両社は、環境に優しい公共・民間交通ネットワークについて共同研究する。

■09 年 9 月、シンガポール陸上交通管理局(LTA)の研修研究部門 LTA アカデミーが環境に配慮した交通システム開発に関する覚書を SSTEC と締結。

覚書に基づき両社は、環境に配慮した電気車両、ハイブリッド車両を活用した交通システムについて検討する。

■09 年 10 月、中国・吉林省長春市のアニメ制作会社、長春華漫兄弟互動娯楽がエコシティー内に建設中の国家アニメ産業総合モデル区に入居するこ

とで同プロジェクト管理委員会と合意。同モデル区への入居が決まった第1号となった。

■09 年 10 月、オランダ系電機大手フィリップスが天津エコシティの住宅・街路に、環境に優しい照明・消費者家電を提供することで SSTEC と合意。

■09 年 11 月、シンガポールの民間教育施設大手 GEMS エデュケーションが SSTEC と提携し、同シティ内に外国人向け教育施設を開設することを発

表。SSTEC と GEMS は共同で「GEMS ワールド・アカデミー天津」を設立し、就学前の児童から高校生まで 2,000 人以上の外国人を受け入れる計

画。

■09 年 11 月、ケッペル・コープがエコシティ第 1 期の計画面積 4 平方キロの住宅開発で起工式を開催。ケッペルは 2 万 6,500 戸の住宅を整備し、11

年頃から住民の入居が始まる予定。

■09 年 11 月、三井住友銀行と日本総合研究所が同シティに日本企業を誘致する業務を、同プロジェクトの管理委員会から受託。

■09 年 12 月、韓国建設大手サムスン C&T が環境に配慮したエコ中央ビジネス地区の開発について SSTEC と覚書を締結。

■10 年 5 月、三井不動産傘下の三井不動産レジデンシャルがシンガポールの不動産開発会社ティオン・セン・プロバティーズと SSTEC の 3 社の合弁

事業として、第 1 期開発区域内の 40 ヘクタールの敷地に、高層集合住宅約 2,250 戸、低層・戸建て住宅約 400 戸を整備・分譲することで合意。

■10 年 5 月、中国企業のエンビジョン上海がエコシティ内に中国北部地域本部を設置し、太陽電池ファサード製品の研究開発、販売などを実施するこ

とで SSTEC と戦略的提携を締結。

■10 年 5 月、シンガポール政府系防衛複合企業シンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリングの電子機器部門STエレクトロニクスがビルの省エ

ネ管理、交通管理システム、電子学習システムなどを開発・提供することで SSTEC と戦略的提携を締結。

■10 年 5 月、ケッペル・インテグレーディッド・エンジニアリングの全額出資子会社ケッペル DHCS がエコ・ビジネスパーク(EBP)地区の省エネ

に役立つ冷暖房システムを整備することで合意。

■10 年 5 月、中国の建材大手・天津住宅建設発展集団が 3 億元を投じて、エネルギー効率が高いグリーン・ビルをエコ・ビジネスパーク(EBP)に建

設することで SSTEC と合意。

■10 年 5 月、漢方薬の四川省新荷花漢方薬飲片が漢方薬の生産・物流・輸出施設の整備に 5 億元を投資することで SSTEC と合意。

■10 年 6 月、台湾建設大手の遠雄建設事業が SSTEC との合弁事業として 10 期に分けて不動産開発を行うことで合意。

■10 年 9 月、日立製作所が環境重視のビジネス中心街区整備、電気自動車(EV)の導入支援、環境分野の研究開発拠点新設など 5 分野で参画を進め

ることについて SSTEC と合意。このうち、環境配慮型ビジネス中心街区整備では、太陽光発電などの新エネルギーや蓄電池を活用する住宅・ビル・

地域のエネルギー管理の整備、省エネ型データセンター分野の協力などを行う。電気自動車などの環境配慮型車両「エコカー」の普及支援では、管理

システムや関連サービスの構築を担う協議会に日立が参加し、電気自動車の導入に向けたシステム設計・開発にも協力する。このほか、エコシティー

内の新築住宅約 900 戸を対象とする各住宅のエネルギー消費の監視・管理を行う住宅向けエネルギー管理(HEMS)も受注。研究開発拠点はエコ・ビ

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ジネスパーク内の貸しオフィスに設け、環境都市やグリーン交通システムの研究開発を行う。

■10 年 9 月、中国自動車メーカー大手の奇瑞汽車が電気自動車、ハイブリッド車、電量電池車などの新エネルギー車を提供する商業提携に関する趣意

書を SSTEC と締結。

■10 年 10 月、マレーシアの不動産会社サンウェイ・シティがエコシティ開発第 2 期の面積 28 万平米の住宅・商業地域を開発することで契約を締結。

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企業名 SMRT Corporation Ltd

SMRT コーポレーション 分野 交通 URL www.smrt.com.sg

企業概要

■87 年設立、00 年シンガポール取引所(SGX)上場の公共交通大手

■シンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングスが主要株主となっている「テマセク系企業(TLC)」の一つ(54.4%保有、09 年 12 月時点)。

■09 年 12 月期のグループ売上は前年比 9.6%増の 8 億 7,900 万 S ドル。

■シンガポール国内で 87 年より MRT(大量高速鉄道、総延長 93.2km)や LRT(軽便鉄道、総延長 7.8km)の運行・保守を行う鉄道事業のほか、01

年に買収したバス会社ティブス・ホールディングスのバス事業(890 台運行)、タクシー事業(2,600 台運行)、駅構内の不動産賃貸事業、広告事業、

エンジニアリング・コンサルタント事業を手懸ける。MRT の1日当たりの平均利用客数は 200 万人(10 年 6 月時点)。

■シンガポール国内の MRT・LRT には川崎重工、日本車輌、近畿車輛、東急車輛製の車輌が相当部分で利用されている。

■09 年には鉄道業界で働く人材を育成する専門学校「SMRT インスティチュート」を開設。

海外プロジェクト

■台湾

台北捷運公司(TRTC)に対する保守・運行業務に関する社員研修の提供

■中国

南京メトロ、上海メトロ社に対する保守・運行業務に関する社員研修の提供

■フィリピン

マニラ LRT2 号線の入札において、丸紅に対しマニラ交通局への入札書類作成時の事業計画および保守計画に関するコンサルティング業務を提供。

■ベトナム

アジア開発銀行(ADB)に対し、ホーチミンシティ鉄道システムの収益最適化と運賃外収益源に関する提言

■タイ

バンコク・メトロ(BMCL)社およびバンコク・トランジット・システム(BTS)社に対する管理職研修の提供と自動改札システムの技術指導。

■インドネシア

首都ジャカルタでモノレール事業を進めるジャカルタ・モノレール社に地元企業や車輌を納入する日立とともに出資、2001 年から路線策定を進めて

きた。当初の事業総額は 6 億 7,000 万 S ドル。06 年 11 月に日本とインドネシアの間で建設のための円借款調印が行われたが、現在、工事は完全に

停止状態となっている。

■インド

デリー・メトロ鉄道公社に対する保守・運行業務に関する社員研修の提供、保守業務の監督

■アラブ首長国連邦(UAE)

09 年 2 月に傘下の SMRT エンジニアリング社がドバイ人工島のパーム・モノレール運行・管理・保守事業をドバイの不動産開発大手ナキール社から

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受注、契約期間は 6 年間で、受注額は年間 1,800 万 S ドル。中東初のモノレールで、丸紅、日立製作所、大林組などが参加する企業連合が建設・整

備を担当。しかしながら、ドバイ・ショック後のナキールの事業再構築の一環として、10 年 8 月に運行・保守契約は解約され、1年余りで受託契約

を打ち切ることが決まった。

海外拠点

■中国

09 年 7 月に傘下の SMRT 香港を通じて、深セン市の陸上交通大手、深セン市中南運輸集団(ZONA トランスポーテーション・グループ)の株式 49%

を取得。取得価額は 6,840 万 S ドル。

■香港

SMRT Hong Kong Ltd 100%出資子会社 中国事業の投資持株会社

■アラブ首長国連邦

SMRT Engineering (Middle East) 100%出資子会社 パーム・モノレールの運行・管理・保守

事業パートナー

■川崎重工

川崎重工は 1984 年の MRT 操業以来、陸上交通局(LTA)を通じて、106 編成のうち 87 編成を納入。09 年 5 月には MRT の新規プロジェクトを、川

崎重工業と CSR(中国南方鉄道)の青島車両工場の共同コンソーシアムが受注、22 編成の車両を MRT 東西線・南北線に 11~12 年に納入される。

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企業名 Surbana Corporation Pte Ltd

スルバナ・コーポレーション 分野

都市開発・社会基盤コ

ンサルタント URL www.surbana.com

企業概要

■シンガポール住宅開発局(HDB)の住宅建設・開発部門を 03 年に HDB コープとして企業組織化したもので、04 年末にシンガポール政府投資会社

テマセク・ホールディングスに 1 億 1,700 万 S ドルで売却され、完全子会社となる。05 年に社名がスルバナ・コープに変更された。HDB コープは、

設立後 3 年間は HDB からの設計・開発プロジェクトをすべて独占的に請け負うが、4 年目に HDB のプロジェクトのうち 10%が民間に外注され、5

年目には 30%、6 年目には 50%と民間への外注比率が高まり、その独占的な地位を失うことになった。

■国家開発省の傘下にある住宅開発局(HDB)は 1959 年の設立から 50 年で 90 万戸の公共住宅(HDB)を供給し、シンガポール国民の 80%が HDB

に居住、95%の持ち家率に貢献してきた。

■2010 年 3 月期のグループ売上は前年比 0.2%減の 2 億 6,630 万 S ドル。

■都市開発部門、コンサルティング部門、ファンド管理部門の 3 部門からなり、10 年 3 月期までにコンサルティング部門では国内外 17 都市で都市開

発計画コンサルティングの実績があり、都市開発部門では主に中国で 2 億 S ドル超を投資して 7,000 戸近くの住宅を供給、ファンド管理部門では 2

億 5,000 万米ドル規模のスルバナ都市開発ファンドを設立した。

海外プロジェクト

■中国

01 年に初の海外事務所を上海に設立。03 年に不動産開発大手ケッペル・ランドと合弁会社「シティーワン・タウンシップ・デベロップメント」を設

立して、遼寧省瀋陽市、四川省成都市、江蘇省無錫市の都市開発プロジェクトを受注、これら 3 都市で計 3 万戸の住宅を供給。成都市のプロジェク

トでは、65 ヘクタールの開発用地を 3 期に分けて、約 9,500 戸の低中級高層アパート「ボタニカ」を開発中。06 年に陝西省西安市にある 136 ヘクタ

ールの住宅開発用地を 17 億人民元で落札。この用地を利用して香港上場のヘンダーソン・ランドと共同で中高所得者層を対象とした約 2 万 5,000 戸

の集合住宅を供給する。09 年にシンガポールの政府系複合企業セムコープ・インダストリーズ、中国系不動産会社ヤンロード・ランド・グループと

合弁会社を設立、中国・南京市に環境配慮型の都市を整備する南京エコ・ハイテク・アイランド(南京エコシティ)計画の実現可能性調査を実施。

■ブルネイ

08 年にグローバル・マリタイム&ポート・サービシズとの企業連合がブルネイのムアラ・ベサール島を港湾・産業ハブに整備する計画について、基

本計画立案作業を受託。同グループは、ブルネイ経済開発庁(BEDB)と協力し、ムアラ・ベサール島の港湾開発を主導する。計画では港湾施設のほ

か、ハラル商品の輸出拠点や主要産業の生産施設、アルミ製錬所なども開発する。第 1 期では、全長 660 メートルの埠頭を建設する。12 年末までに

完成する見込みで、コンテナ取扱能力は年間 80 万 TEU 以上になるとみられる。

■カタール

08 年に中東カタールの北部のアル・ワクラと、南部のアル・ホール両都市の地方自治体から受注した都市計画の基本計画策定作業が完了。基本計画

は 07 年受注し、傘下のスルバナ・アーバン・プランニング・グループが作成作業に当たった。基本計画では 25 年をかけて、両都市に商業施設や政

府関連施設、教育機関、住宅などを整備。芸術・文化施設や家族向けの娯楽施設なども中心部に配備し、近代的な都市に仕上げる。完成時の人口とし

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て、アル・ワクラは 60 万人、アル・ホールは 17 万人を想定している。

■アラブ首長国連邦

05 年にアブダビに建設予定の自動車ショールームやテストドライブ用サーキット、テーマパーク、ホテルなどからなる「オートポリス」の設計、コ

ンサルタント契約を地元パートナーと共同で獲得。06 年にアラブ首長国連邦のウムアルカイワイン、アルサラームの住宅、商業複合都市のマスター

プラン作成の都市計画コンサルティング契約を締結。07 年にオフィス・住宅複合ビル「ロイヤル・コンプレックス」の建設プロジェクトを獲得。総

事業費は 3 億 3,100 万 S ドル規模。このほか、アブダビ観光局本部ビル(事業総額 1 億 900 万米ドル)、アブダビ・コーニッシュ・ウーターフロン

ト・ホテル(同 1 億 1,000 万米ドル)、エミレーツ・モロッコ・ホテル(同 2 億 3,000 万米ドル)、アル・バティーン地区再開発計画(同 4 億 3,500

万米ドル)などのコンサルタント業務を手掛けている。

■リビア

07 年にエンジニアリング企業ボウステッド・シンガポールがリビア首都トリポリ東部で都市整備プロジェクトを 3 億 S ドルで受注した事業でコンサ

ルタントとして指名を受ける。465 ヘクタールの用地に 1,164 戸の住宅や水供給システム、下水、教育機関なども整備する。

海外拠点

■中国

Surbana (Shanghai) Consultants Ltd(100%出資)

CNE-Surbana Facilities Management Co Ltd(70%出資)

Shenyang Aoyuan Real Estate Development Co Ltd(42%出資)

Surbana (Hangzhou) Development Co. Ltd(100%出資)

Surbana II (Hangzhou) Development Co Ltd(100%出資)

Surbana-Henderson (Xian) Property Development Co Ltd(38%出資)

Surbana-Henderson II (Xian) Property Development Co Ltd(38%出資)

Plein Essor Property Services (Shanghai) Co Ltd(50%出資)

Plein Essor Property Services (Chengdu) Co Ltd(50%出資)

Plein Essor Property Services (Wuxi) Co Ltd(50%出資)

Chengdu Century Development Pte Ltd(15%出資)

CityOne Development (Wuxi) Co Ltd(15%出資)

Sino-Singapore Nanjing Hi-Tech Eco Island Development Co Ltd(15%出資)

■香港

Well Talent Resources Limited(42%出資)

Jade Glory Development Limited(70%出資)

■ベトナム

Surbana International Consultants (Vietnam) Co Ltd(100%出資)

■マレーシア

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Surbana International Consultants (Malaysia) Sdn Bhd(100%出資)

■ブルネイ

Surbana International Consultants (Brunei) Sdn Bhd(100%出資)

■インド

Surbana International Consultants (India) Pte Ltd(100%出資)

CESMA – Hua Kok – Tiong Seng – Neo Construction (India) Pvt Ltd(25%出資)

■アラブ首長国連邦

S2 Project Management(50%出資)

事業パートナー

■日本の設計事務所「株式会社 SEN 環境計画室」(本社大阪市)

08 年にシンガポール北部ポンゴル地区の街並み改造事業について、同社と株式会社 SEN 環境計画室の企業連合が提案した事業計画が採用された。同

計画では、ポンゴル地区の水路に沿う形でサイクリングロードを整備し、かつての漁村をモチーフに歩道や橋を設けるほか、水路沿いの公園には小さ

な滝を設けたり、壁面を使ってポンゴルの変遷を紹介したりする。これらの街並みづくりは 10 年に終える予定。ポンゴル地区で HDB は 11 年までに

計 2 万 3,000 戸の公団住宅整備を終える計画としている。

■シンガポール政府投資公社(GIC)の不動産投資部門 GIC リアル・エステート

07 年に GIC リアル・エステートと共同で中国の主要都市で住宅開発事業に投資するためのファンドを設立。ファンドの規模は 2 億 5,000 万米ドル。

ファンドの投資対象は、中国の都市部に住む中産階級を対象に、シンガポールの公共住宅(HDB フラット)をモデルに開発する物件で、これまで遼

寧省瀋陽市および陝西省西安市の都市開発プロジェクトにそれぞれ 8,400 万米ドル、6,200 万米ドルを投じた。

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企業名 YCH Group Pte Ltd

YCH グループ 分野 物流 URL www.ych.com

企業概要

■55 年設立の未上場の地場物流・サプライチェーン管理(SCM)大手。

■デル、モトローラ、ソレクトロン、キャノン、エクソン・モービル、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ダイスター、ソルーシア、モエヘネシー

など多国籍企業から物流業務を委託されている。

■シンガポールを本拠に、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、香港、台湾、オーストラリア、中国、インド、韓国など世界 10 カ国に拠

点を持つ。

■物流におけるサプライチェーンを構築するためモトローラなどから逸早く電子タグ(RFID)を利用した倉庫管理システムを導入し、保税倉庫におけ

る業務を流線化や供給チェーンの可視性を向上させた。中国・上海にある臨港物流パークにも初の RFID 利用倉庫を建設した。07 年と 08 年にはサプ

ライチェーン・アジアからアジア 3PL・オブ・ザ・イヤー賞を 2 年連続で受賞した。

海外プロジェクト

■韓国

韓国と ASEAN の自由貿易協定(FTA)締結を受けて、09 年 9 月に韓国のソウルに事務所を開設。YCH は韓国の多国籍企業に対し、同社が有する域

内のサプライチェーン・ネットワークを使うことで、輸出競争力の強化を支援する。

■中国

04 月に顧客である米モトローラがアジア地域における物流統括拠点をシンガポールから天津に移転したことを受けて、天津港保税区内に 4,000 万 S

ドルを投じ国際物流センターを開設。次いで、07 年に天津空港の貨物などを取り扱う 2,500 万 S ドルの天津空港物流パークを開業。08 年より上海浦

東国際空港に近く洋山深水港に隣接する臨港物流パーク内に地元企業、上海臨海国際物流開発と共同で 4.3 ヘクタールの物流施設を建設・運営。09

年に四川省成都市に物流センターを建設することで同市の関係当局と覚書を締結。10 年 9 月にはアモイでの事業拡大に向けて、提携先の厦門港湾開

発集団と共同で延べ床面積 60 万平方フィートの倉庫施設の新設を進めている。その他、中国では昆山、杭州、深セン、香港に事業所および倉庫を運

営。

■ベトナム

ベトナム政府系企業プロトレードと合弁で 2,000 万 S ドルを投じて南部ビンズオン省の 6.9 ヘクタールの土地に YCH・プロトレード物流パークを建

設中、10 年前半に開業予定。

■インド

06 年にインド市場に参入、10 年 5 月にチェンナイ特別経済区内に延べ床面積 53 万平方フィートの倉庫施設を開設。

海外拠点

■韓国

YCH Korea Inc(ソウル)

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■台湾

YCH Logistics (Taiwan) Co Ltd(桃園)

■中国

Tianjin YCH Logistics Co Ltd(天津)

YCH International Logistics (Tianjin) Co Ltd(天津)

Tianjin YCH Bonded Logistics Park Co Ltd(天津)

YCH Logistics (Tianjin) Co Ltd(天津)

YCH Logistics (Shanghai) Co Ltd(上海)

YCH Logistics (Kunshan) Co Ltd(昆山)

YCH Logistics (Hangzhou) Co Ltd(杭州)

YCH Logistics (Xiamen) Co Ltd(厦門)

Shenzhen YCH Port Logistics Co Ltd(深圳)

YCH Logistics (ShenZhen) Co Ltd(深圳)

■香港

YCH Logistics (HK) Ltd

■フィリピン

YCH Logistics Philippines Inc(パラナケ・シティ)

■タイ

YCH (Thailand) Co., Ltd(バンコク、パトゥムターニー)

■マレーシア

YCH Logistics (M) Sdn Bhd(ペナン、クアラルンプール)

YCH DistriPark Sdn Bhd(ペナン)

Melewar Logistics Sdn Bhd(ペナン)

■インドネシア

PT YCH Indonesia(ジャカルタ、スラバヤ、バンドン、セマラン、メダン)

■豪州

YCH Logistics (Australia) Pty Ltd(アーミントン)

■インド

YCH Logistics India Private Limited(タミルナド)

事業パートナー

n.a.