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ICTで医療現場の変革を
デルの考える理想的な医療情報システム
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理想的な医療情報システムを目指して
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目次デルの医療改革に対する展望 ....................................................................... 3
測定可能な継続的プロセス .......................................................................... 3
質の向上の推進 ........................................................................................... 5
お客様の導入事例 ....................................................................................... 5
利点の実現に関する測定 .............................................................................. 6
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デルの医療改革に対する展望デル・サービスは、あらゆる大手テクノロジーベンダーおよびサプライヤと共に臨床情報システムの導入とサポートに数多く取り組んできました。デル・サービスは、お客様が医療サービスの提供方法を改革できるようサポートすることに注力しています。デル・サービスでは、200名を超える複数の専門分野の臨床医を集めた多様性のあるグループと、医師からなる戦略的なグループを設立しました。
このような臨床ソリューションの専門家が、米国中のさまざまな医療教育機関や営利/非営利の医 療機関と連携し、11の大手プラットフォームベンダーと共に52の先進的な臨床システムの実装を 完了しました。これは、モジュールの数にして50を超えています。海外でも、48の臨床関連プロ ジェクトが実施されています。また、ペルシャ湾岸地域の多数の病院に対する、3年間に及ぶCerner Millenniumの導入プロジェクトにおけるプロジェクト管理も支援しています。
最近では、KLASによって、業界のすべてのプロフェッショナルサービスファーム(PSF)/ベンダーの中で、臨床システム実装プロバイダの第1位にデルが選出されました。しかも、臨床医療の知識、アプリケーションの知識、知識の移転、およびワークフロー設計の実装といったパフォーマンススコアの評価すべてで業界の平均を上回ったPSFは、デルだけです。KLASは、ワークフローの再設計の難易度を、容易(simple)、適度(moderate)、複雑(complex)という3つのカテゴリに分けています。調査対象となったデルのお客様のうち、過半数(75 %)が、デルに求めた作業が複雑であったと回答しています。この領域におけるデルへの評価は、PSFの中でも最も高くなっています。
デルは、お客様と協力して、医療環境にテクノロジーを適切に実装するだけでなく、医療改革の取り組みにおいて、臨床医がテクノロジーに適応し、テクノロジーの利点を得られるように努め、成功を測定できるようにいたします。例えば、パフォーマンスが一層改善され、追跡機能が追加されると、実装当初に、患者の入院時に看護師がカルテの確認を100 %行い、移行評価を行うことができるという利点が得られます。このように能力が向上して注意が集中できれば、ケア計画の改善、患者に関する重要な評価情報の漏れの低減、コンプライアンスの飛躍的な向上がもたらされます。
臨床医のテクノロジーへの適応率は、デル・サービスが実装プロセスに関与した病院で、非常に高くなっています。例えば、デルは、医療システム組織のお客様の中でも、最も大規模な2つの機関の臨床システムの適応プロセスに関与しましたが、そこでは75 ~ 85 %という米国内で最も高い適応率を達成しています。デルが関与しなかった機関の適応率は1桁ですので、その違いは明らかです。
デルが示す展望は、こうした経験に基づいて育まれてきました。従来はテクノロジーの導入の技術的側面に注力していましたが、現在はテクノロジーへの適応と実現される価値を重視するようになりました。医療改革をもたらすには医療システムの構造と機能に根本的で相互に影響し合う変化が必要であると、デルは考えています。こうした変革が医療の特性を転換し、あらゆる患者の健康とクオリティオブライフを高め、関係者すべてに価値をもたらすことになるはずです。
測定可能な継続的プロセスデルは、測定可能な真の価値をもたらす継続的なプロセスでとして医療改革を捉えています。しかし、その成功には大きな課題があります。第1に、医療改革を成功に導くには、非常に多くの時間、人材、および資金を必要とします。臨床システムおよびそれに必要なハードウェアとインフラストラク チャは高価で、導入を成功させ、継続的な保守と更新を行って利点を実現し続けるには専門的な知識が必要です。
第2に、改革の取り組みを成功に導くには、密接に関連する重要な成功要因が必要です。各機関や関係者にとって戦略を推進する要因となるものは何であるか、十分に理解する必要があります。また改革を実現する継続的な改善プロセスを維持する要因を明確に示す必要があります。成功の実現には、明確に定義された手法とロードマップを使用して、さらには変革の実現に責任を持ち、改革する構造や機能にしっかりと焦点を当てる必要があります。成功の内容は、測定可能な価値として定義と検証を行った上で表す必要があります。
第3に、改革のプロセスを継続的に実施するには大きな困難が伴います。医療環境は変化が激しく、規制要件、診療方法、および診療報酬の標準は絶えず変化しています。さらに、変化に対する抵抗勢力となる慣習や医療関係者の存在も無視できません。
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継続的な改革のプロセス、つまり改革のサイクルは、3つの重要な要素から成り立ちます。
• 戦略
• 手法
• 測定
戦略を策定することにより、未来へのビジョンと、人、プロセス、およびテクノロジーの間のシナジーが創出され、改革の取り組みが推進され、ビジョンが実現します。また、以下で説明するDell ADOPTSという繰り返し実施可能な手法を使えば、(技術的または技術以外の)変革の取り組みを実現するロードマップが作成できます。測定は、サイクルの最終段階に当たり、結果を評価し、成果を最適化し、継続性を保証します。
デルは、医療改革の取り組みが成功するには、単なるテクノロジーの導入にとどまらない作業が必要であることを理解しています。この理解を支えているのが、臨床情報システムを効果的に導入することは、本来は技術的な課題ではないという考え方です。むしろ、デルは経験を通じて、医療組織が効果的なHIS (Healthcare Information System)導入に関連する人材面とプロセス面の課題に、十分な時間と労力を集中できていないのではないかと考えています。
どのようなCISを導入するにしても、その成功には、技術、人材、プロセスの3つの要素に対して、同じように力を注ぐ必要があります。このように注力することで、医療改革の基礎となるシステムの採用におけるリスクが低減され、成功が促されるのです。このような手法を用いれば、業務フローの変更、組織改革の原動力、組織内での知識の活用方法にも注目しながら、新しいテクノロジーを注意深く、バランス良く導入し、より大きな価値をもたらすことができます。
デル・サービスでは、医療改革に必要なこれら3つの重要な要素に対して効果的に注力できるように、臨床情報システムの効果的な実装に役立つ経験に基づいた実践的モデルを開発しました。最初のプロ ジェクトの設定と編成が完了した後に、独自の「ADOPTS」フレームワークを使用し、お客様が認証情報システムを評価(Access)、設計(Desgin)、最適化(Optimize),準備(Prepare)、変換(Transform),維持(Sustain)、および維持できるようにします。デルは、この手法をフレームワークとして使用する一方、各機関独自の特性を理解した上で、プロジェクトの設定と編成の一部として、この手法を特定のニーズに合わせてカスタマイズしています。以下に、モデルの構成要素を簡単に説明します。
• 評価(Access) - 環境および問題や変化に対する組織の臨床上およびビジネス上のニーズを定義する
• 設計(Design) - 理想的なソリューションを作成し、市場環境または臨床環境が組織の臨床上およびビジネス上のニーズに合うかを判断する
• 最適化(Optimize) - 効果的なソリューション設計を保証し、 臨床上およびビジネス上のニーズに 最も合うよう戦略を変更する
• 準備(Prepare) - ソリューションの導入に 成功し、利点が実現するよう組織を準備 する
• 変換(Transform) - 利点を実現できる 変革を開始する
• 維持(Sustain) - 継続的に利点を実現 できる変革を達成して定着させる
人材
テクノロジー
導 入
実現 変
更
価値
プ
ロセス
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次に、この手法に関連する重要な原則の一部を示します。
• これは、「ベンダー中立」的な手法であり、臨床情報システムごとの微妙な違いに対して適用し、カスタマイズできます。デルのアプローチはベンダー中立ですが、お客様が選んだHIS (Healthcare Information)Systemを熟知したスタッフがプロジェクトに配置されます。
• デルは、お客様との最初のディスカッションから学んだ内容に基づいてこの手法をカスタマイズし、お客様と協業します。つまり、「1つの手法ですべてに対応する」アプローチではありません。
• この手法は、医療改革の取り組みを計画している医療サービス機関が提供するサービス(外来対応、救急部門による対応、救急病院と医療システムによる対応、救急診療後の患者を担当する組織による対応など)のどの段階にも適用できます。
質の向上の推進医療改革に取り組む目的は、ケアを提供する組織が患者に提供する医療の質の向上を実現し、継続することです。デルでは、この目的を「質の向上の推進」と呼んでいます。デルは、医療改革を、卓越したケアの提供を実現する継続的かつ包括的なアプローチと定義しています。このアプローチでは、人材、プロセス、テクノロジーを効果的に結び付けて、測定可能な形で質を高め、サービスを拡大し、コストを削減し、価値を提供します。定量的なデータを用いて医療改革の価値を証明することは、測定において難しい課題ですが、このプロセスでは不可欠です。
• 第1に、測定可能な形で質を理解し、説明することが最初の重要なステップとなります。Institute of Medicineの『Crossing the Quality Chasm(質のキャズムを超える)』で明示されている6つの目的は、非常に参考となる例です。
• 第2に、改革の取り組みの効果をシステムレベルで測定する一連の高レベルの指標が、組織内のある領域における変更が別の領域に与える効果を特定するのに重要となってきます。Institute for Healthcare Improvementが定義したWhole Systems(システム全体)という指標が、これに適した例となっています。
• 第3に、どの臨床システム実装プロジェクトでも、影響を受ける患者ケアプロセスすべてに対し、目標とするパフォーマンスレベルを明確に示す必要があります。影響を受ける患者ケアプロセスに関連する一連の指標を使って、取り組み全体の成功を判断するための点数を付けます。この一連の指標は、バランス良く設定し、影響を受ける患者ケアプロセスで必要となる重要な質の特性が反映されている必要があります。ADOPTS手法のSCOREフレームワークは、この目的に適したものです。
これらのアプローチは、臨床システムを実装する取り組みにおける利点の実現を推進し、さらには進展する医療情報科学と質の向上を支援します。このモデルが成功したお客様の事例を、ここでいくつか紹介します。
お客様の導入事例導入事例: Bay Area Healthcare System(カリフォルニア州) - 3つの大規模病院。2006年1月、12月、および2007年7月に、サンフランシスコベイエリアの3つの大規模病院で、Cerner Millennium医療ITプ ラットフォームを使用したシステムの本番運用を開始しました。CPOE(提供者/医師向けのコンピュータによるオーダーエントリ)が、このプロジェクト全体で運用されています。これら3つの病院は、カリ フォルニア州を拠点とする医療システムが母体となり、運営されています。Perot Systems(現在はデル・サービスの一部になっています)が、医療システム改革のコンサルティングを担当していました。
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医療システムの導入による累計の節約額(概算)は、以下の通りです。
• 文書の改善により760万ドルが節約され、より適切なコーディングとケースミックスインデックスの計算を実現
• メディケア(米国の公的医療保険制度)の幾何平均を超える患者の入院期間を短縮したことより、130万ドルを節約
• 患者のフロー管理の向上により救急部門の対応能力が増強され、67万6,000ドルを節約
• 文書の改善により医療上必要な支払いの拒否件数が減り、28万2,000ドルを節約
• 書類の削減により9万6,000ドルを節約
• 救急部門の「診療前に帰宅する患者」の率が減り、4万6,000ドルを節約
導入事例: アリゾナ州を拠点とする医療システム。2008年10月に完成。Perot Systems(現在はデル・サービスの一部になっています)の改革コンサルタントの支援により、アリゾナ州を拠点とする医療システムは、臨床情報システムの利点を実現しました。このプロジェクトでは臨床文書の作成規則を強化して薬局の文書を改善しました。
この取り組みで実現された重要な成果は、以下の通りです。
• 薬剤師の関与の割合が30 %増加
• 完了した薬剤師の関与の種類の数が、4から22に増加
• 投薬の監視に費やした時間が25 %増加
利点の実現に関する測定ADOPTS手法と関連ツールキットは、ユーザーのテクノロジーへの適応を推進することと、コミュニ ケーション、変更管理、および複数分野に渡るユーザーの関与に重点を置いて適応の達成を目指すことを目的としています。デルは、本文書の図で示すような詳細な価値の測定を実施します。また、医療改革得られる利点を反映させるために、インジケータからなる表(SCORE)を開発しました。
6つの領域の1つである臨床医の参加と適応は、特に医師と処方提供者に焦点を当てています。この領域でのデルの作業は、他のすべての領域と統合されており、そのため、ガバナンスとリーダーシップ、プロセスの再設計、変更管理、利点の実現、および医師と医師によるテクノロジーへの適応を目標としたテクノロジーの実装戦略が考慮されています。
ADOPTSには、これら6つの領域を包括的に扱い、各領域の作業を効果的に統合する独特の特性があります。ADOPTSは、当社のお客様に最大の利点を提供してきました。デルは、医師担当のコンサルタントをアプローチのひとつに取り入れ、メリットを実現し、成功を数値として示すことに取り組んでおり、こうしたデル独自のサービスがお客様の成功に大きく貢献できるものと考えております。医師の皆様にとって、データと実証可能な結果は信頼に足るものであり、これこそがデルのアプローチの重要な要素なのです。
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図: 利点の実現に関するデルのADOPTS SCOREインジケータ
• 内容は米国デルのサービスであり日本や一部の国でのサービス提供は行えない内容も含まれています。
• 米国Dell 『Realizing Benefits from Clinical Systems Implementations』資料(2012年6月時点)の翻訳版です。 USサイト(http://i.dell.com/sites/content/public/solutions/healthcare/en/Documents/benefits-clinical-systems.pd)
• DELL ロゴは、米国Dell Inc. の商標または登録商標です。その他の社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
i 『Clinical Implementation Services Special Survey, March 2008(臨床システム実装サービスの特別調査、2008年3月)』 KLAS Confidential Information. 2009 KLAS Enterprises, LLC. All rights reserved. www.KLASresearch.com
アプリケーション ビジネスプロセス コンサルティング インフラストラクチャ サポート
© 2010 Dell Inc. All rights reserved.
利点の実現
安全性/品質 臨床的導入 ROI証拠に基づく意思決定
• タイプ別処方ミス
• 副作用の発生率
• CMSのコンプライアンススコア
• Joint Commision/全米患者 安全目標のコンプライアンス スコア(Fallas、SSI、 処方確認率など)
• 死亡率の削減
• スクリーニング評価の遂行(ワクチン接種など)
• 患者教育/退院指導に 関するコンプライアンス
• エンドユーザー満足度
• 分野別エンドユーザーの ログイン率
• 患者関連情報へのリモート アクセスの使用率
• 理由別ヘルプデスクへの問い 合わせ件数
• CPOEの使用率
• 医療サービス提供者の電子 署名によるタイムリーな オーダー
• 臨床文書の完成度
• 救急部門の「診療前に 帰宅する患者(LWBS)」
• 救急部門の治療期間(搬送から 入院/退院までの 時間)
• 搬送拒否(ベッドの利用状況)
• コーディングの コンプライアンス(CMIの妥当性)
• 部門別サービス単位ごとの 作業時間
• キャンセル理由別重複テスト 検査科/放射線科)
• 電子カルテの不備率
• 処理時間(テスト/試料/手順)
• 結果報告時間(検査科/放射 線科のオーダーから最終結果 まで)
• 拒否
• 医療費未払いでの退院(DNFB)
• 保険会社別上位25のDRGに 関するLOSおよびコスト
• ケースミックス調整を行った 退院患者別の全体的な薬剤 コスト
• 運営コスト/調整を行った 患者の退院
• 採用コストの削減
• 副作用/1,000患者日
• 複製物および文書の ストレージコスト
• 証拠に基づくオーダー セットの使用
• 警告のオーバーライド機能の 使用
• 承認通知機能の使用
• 知識リソースリンクの使用
• クリニカルパスの使用
• 患者リスク評価ツールの使用
運用の効率化