happy new year - jica2007年3月 12月16日~26日...

2
郡病院研修トレーナーに対するオリエンテーションワークショップ 1月16日~17日 郡病院研修でのトレーナーに対するオリエンテーションワークショップが、マラライ病院研修部とプ ロジェクトの技術協力を得つつ、二日間にわたり実施されました。 今回、公衆衛生省医療施設に関するスタンダード化に伴い、「ポリクリニック」が「郡病院」という格付けに変更となり ますが、研修モジュール、研修科目、そして一つのトレーニングコースでの研修科目や臨床指導者の割り振り方、ハ ンドブックや記録簿についてマラライ病院研修部より説明がありました。 郡病院研修は今年の5月より実施される予定になっています。 イステクラール病院での講習会 JICA リプロダクティブヘルス プロジェクト ニュースレター Quarterly Issue 第3回発行 新年 あけましておめでとうございます Happy New Year 2007年3月 12月16日~26日 カブール市内全病院の医師・助産師・看護師、総勢19 6人を対象とした講習会がイステクラール病院にて開催されました。こうした規 模の研修がイステクラール病院で実施されるのは初めてのことで、カブール市 内6病院会議のメンバーが実施に協力しました。レクチャーするのはインディラ・ ガンディー病院、マラライ病院、イステクラール病院の担当者で、新生児と産婦 人科に関する新しくかつ重要な知識に ついて講義がなされました。 出席者の間からは、この講習会に非 常に満足しており、今後も同様の講習 会が開催されることを期待する声が多く 出されました。 第3回継続ケア研修 12月2日~27日 カブール市内ポリクリニックの女性医師と助産師を対象 とした第3回継続ケア研修が、プロジェクトの技術面・資金面の支援を受けつ つ、マラライ病院研修部主導のもと実施されました。また、この研修はカブー ル州保健局担当者も見学に訪れていました。 今回の研修では16人の研修生が参加し、座学と実技の両面での研修を受 講しました。「継続ケア」とは産前、出産、産後の母子に対するケアと上位医 療施設への搬送の決定であり、こうしたことを主眼に、マラライ病院、公衆衛 生省、市内の関係するNGOの担当者らによる講義が行われました。 この研修終了は無事終了し、参加者全員が研修受講証と感謝状を受け取り ました。 マラライ病院研修部、受講者ともに今回の研修の結果に非常に満足してお り、今後も引き続き同様の研修を実施すべきとの意見が出されました。 Activities & News 搬送シートワークショップ 1月11日 3ヶ月間に渡って標準化された搬送シートが試験的に使用されてき ましたが、搬送ネットワークシステムをより効果的なものとするために、使用期 間中のフィードバックと次の計画策定のためのワークショップが開催されまし た。このワークショップにはカブール市内の1次から3次医療施設と民間病院・ クリニックの関係者が集まり、各医療施設での搬送シート試用に関する報告が なされました。 このワークショップの中で、試用期間を更に3ヶ月延長すると共に、各医療施 設での特定の部署に焦点をあてて状況を観察することで一致しました。 このワークショップには、公 衆衛生省治療診断局局長や カブール州保健局職員も参 加し、一次医療施設からの 試用報告書を受け取りまし た。 第1回郡病院対象トレーナー研修 2月17日~20日 現在、マラライ病院研修部では郡病院研修に向けた 準備が進められています。トレーナーは、講義指導者、臨床指導者、技 術監督者の三つのカテゴリーがありますが、この内、講義指導者はこれ までに十分な経験がある一方で、臨床指導者と技術監督者は新たに創 設されたため、両指導者に対して基本的指導方法や責任感を持ってもら うためにこの研修が開催されることとなりました。 We Wish Happy Spring for All of You

Upload: others

Post on 06-Mar-2021

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Happy New Year - JICA2007年3月 12月16日~26日 カブール市内全病院の医師・助産師・看護師、総勢19 6人を対象とした講習会がイステクラール病院にて開催されました。こうした規

郡病院研修トレーナーに対するオリエンテーションワークショップ

1月16日~17日 郡病院研修でのトレーナーに対するオリエンテーションワークショップが、マラライ病院研修部とプ

ロジェクトの技術協力を得つつ、二日間にわたり実施されました。

今回、公衆衛生省医療施設に関するスタンダード化に伴い、「ポリクリニック」が「郡病院」という格付けに変更となり

ますが、研修モジュール、研修科目、そして一つのトレーニングコースでの研修科目や臨床指導者の割り振り方、ハ

ンドブックや記録簿についてマラライ病院研修部より説明がありました。

郡病院研修は今年の5月より実施される予定になっています。

イステクラール病院での講習会

J I C A リ プ ロ ダ ク テ ィ ブ ヘ ル ス プ ロ ジ ェ ク ト ニ ュ ー ス レ タ ー

Quarterly Issue

第 3 回 発 行

新年 あけましておめでとうございます

Happy New Year

2 0 0 7 年 3 月

12月16日~26日 カブール市内全病院の医師・助産師・看護師、総勢19

6人を対象とした講習会がイステクラール病院にて開催されました。こうした規

模の研修がイステクラール病院で実施されるのは初めてのことで、カブール市

内6病院会議のメンバーが実施に協力しました。レクチャーするのはインディラ・

ガンディー病院、マラライ病院、イステクラール病院の担当者で、新生児と産婦

人科に関する新しくかつ重要な知識に

ついて講義がなされました。

出席者の間からは、この講習会に非

常に満足しており、今後も同様の講習

会が開催されることを期待する声が多く

出されました。 第3回継続ケア研修

12月2日~27日 カブール市内ポリクリニックの女性医師と助産師を対象

とした第3回継続ケア研修が、プロジェクトの技術面・資金面の支援を受けつ

つ、マラライ病院研修部主導のもと実施されました。また、この研修はカブー

ル州保健局担当者も見学に訪れていました。

今回の研修では16人の研修生が参加し、座学と実技の両面での研修を受

講しました。「継続ケア」とは産前、出産、産後の母子に対するケアと上位医

療施設への搬送の決定であり、こうしたことを主眼に、マラライ病院、公衆衛

生省、市内の関係するNGOの担当者らによる講義が行われました。

この研修終了は無事終了し、参加者全員が研修受講証と感謝状を受け取り

ました。

マラライ病院研修部、受講者ともに今回の研修の結果に非常に満足してお

り、今後も引き続き同様の研修を実施すべきとの意見が出されました。

Activities &

News

搬送シートワークショップ

1月11日 3ヶ月間に渡って標準化された搬送シートが試験的に使用されてき

ましたが、搬送ネットワークシステムをより効果的なものとするために、使用期

間中のフィードバックと次の計画策定のためのワークショップが開催されまし

た。このワークショップにはカブール市内の1次から3次医療施設と民間病院・

クリニックの関係者が集まり、各医療施設での搬送シート試用に関する報告が

なされました。

このワークショップの中で、試用期間を更に3ヶ月延長すると共に、各医療施

設での特定の部署に焦点をあてて状況を観察することで一致しました。

このワークショップには、公

衆衛生省治療診断局局長や

カブール州保健局職員も参

加し、一次医療施設からの

試用報告書を受け取りまし

た。

第1回郡病院対象トレーナー研修

2月17日~20日 現在、マラライ病院研修部では郡病院研修に向けた

準備が進められています。トレーナーは、講義指導者、臨床指導者、技

術監督者の三つのカテゴリーがありますが、この内、講義指導者はこれ

までに十分な経験がある一方で、臨床指導者と技術監督者は新たに創

設されたため、両指導者に対して基本的指導方法や責任感を持ってもら

うためにこの研修が開催されることとなりました。

We Wish Happy Spring for All of You

Page 2: Happy New Year - JICA2007年3月 12月16日~26日 カブール市内全病院の医師・助産師・看護師、総勢19 6人を対象とした講習会がイステクラール病院にて開催されました。こうした規

カブール州は他の州に比べて、カ

ブール市に人口が集中しており、

たくさんの特殊な課題を抱えてい

ます。そこで、カブール都市部で

の保健行政を、それ以外の地域

と切り離すこととし、この度、Dr.

Saheb Noor Tamana氏がカブール州保健局

都市部担当官として任命されました。

J I C A R H - P R O J E C T N E W S L E T T E R

P A G E 2

第 3 回 発 行

カブール都市部保健行政(ちょっと堅いおはなし)

都市保健の考え方は、ここアフガニスタンでは新しい考え方です。現在のカブール市内の医療施設の状況を

見ますと、一般患者が高次医療施設に集中しており、これをいかにして市内に多数ある一次・二次医療施設

に仕向けるかが課題となっています。そのためには、これまで十分な医療サービスを提供することが

できなかったコミュニティーレベルの医療施設(一次、二次)の機能を運営面と技術面から強化する

必要があると同時に、各レベルの医療施設間での連携システム(レファラルシステム)が強化される

必要があります。そこで、カブールにおける都市保健構想では、カブール市内を4つのレファラル

ゾーンに分割し、この中での各レベル医療施設の連携を強化促進することが検討されています。

また、このレファラルシステムを構築するためには、各医療施設の機能・役割をEPHS(Essential

Packages of Health Service)やBPHS(Basic Packages of Health Service)と言った公衆衛生省基本政策を基

に設定される必要があり、また医療施設の体系

化も必須であると認識されています。現在、各種

医療施設の再編成作業が急ピッチで進められて

います。

こうした中、カブール州保健局は、各医療施設

への医薬品・消耗品を中央倉庫から一括して配

布する物流の面での連携強化を促進中であり、

また公衆衛生省三次医療施設局では医療施設

での技術面での支援を行っています。

編集後記

リプロダクティブヘルスプロジェクトが開始されてから2年以上が経過しました。このニュースレター

は、このプロジェクトのアフガニスタンスタッフによって作成され、四半期ごとに発行されています

が、この活動を通じて私たちの活動をナショナルスタッフ内で共有することにも役立っています。今

後も新鮮な情報をコンパクトに、そしてより魅力あるものとしてご紹介してゆきたいと考えておりま

す。このニュースレターに関する皆様からのコメント、ご意見、ご提案等ございましたら、プロジェクト

編集部までお寄せください(e-mail: [email protected])。

2007年3月 カブールにて

編集チームメンバー:Nazilla Najwa, Nasir Ahmad Ahmadi,Rabiullah Wardak

カブール州保健局に

「都市部担当官」就任

サポーティブ スーパービジョン

サポーティブ・スーパービジョンはアフガニスタンリプロダクティブヘルス(RH)プログラムの一つとして

位置づけられており、公衆衛生省RH部の手動のもと、ナンガハール、パルワン、カピサ、ラグマンの各

州に対して実施されました。

サポーティブ・スーパビジョンでは、本省にて実施する全国RH行政官研修後、各州におけるRHサー

ビス提供の状況を調査フォーマットを基に調査し、その結果に基づき各州RH行政官に対して助言・指

導する一方で、次回RH行政官研修にフィードバックするというものです。

今回の訪問では、RH部担当者が各州RH担当官と面談し、また、一緒に州内医療施設を訪問しなが

ら、各州間のRHサービス提供の差について検証しました。

Dr. Tamana

新年あけましておめでとうございます。

でも、アフガンの新年(3月21日:春分の日)

も忘れないでくださいね。

By 編集者

第5回看護管理ワークショップ

3月4日~6日 カブール市内、そしてアフガン国内の州におけ

る看護・助産管理技術の向上と病院内研修を推進するため、プ

ロジェクトの技術・資金面の支援を受けつつ、第5回看護管理

ワークショップが公衆衛生省にて開催されました。

この3日間に渡るワークショップにて、20人の州病院看護管

理担当者は院内研修の方法、医療倫理、看護・助産の問題解

決方法について学びました。

また、ワークショップ2日目には、参加者たちはカブール市内

のラビアバルキ病院を訪問し、看護師・助産師に対する院内教

育の実情を視察しました。

ワークショップ終了後、参加者全員から今回のワークショップ

の成果について非常に

満足しており、今後も

引き続きこうしたワーク

ショップを実施するよう

に意見が出されまし

た。

今月の顔

Activities &

News

カブール市内医療施設へのサポーティブ・スーパービジョン

これまで数回にわたり継続ケア研修が実施されていますが、その後、研修受講者が現場でどのよう

な問題に直面しているか、その解決とこうした現場での問題点を次回継続ケア研修に反映させてゆく

ことを目的として公衆衛生省SRSチーム(Strengthening Referral System)がイニシアチブを取り、サ

ポーティブ・スーパビジョンが実施されることとなりました。このスーパービジョンはカブール市内の医療

施設のうち、NGOのサポートを受けていないところです。

この結果わかってきたことは、研修受講者の活動状況は非常に良好でしたが、CHC(Comprehensive

Health Center:総合診療所)では、医療機材や公衆衛生省からの支援が不足しており、また診療所ス

タッフの人材面での能力不足などの問題点が明らかになりました。

これを受け、カブール州保健局では足りない医薬品の供

給、プロジェクトからは衛生用水タンクと保健教育教材の配

布、そしてRH部ではCHC向けガイドラインが配布されること

となりました。

引き続きSRSチームでは少しでも問題を解決してゆけるよ

うに、こうした医療施設との連絡を継続してゆくこととしてい

ます。