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IFRS 10Minutes PwCが国際財務報告基準に関する最新情報を簡潔にお届けするニュースレター Vol. 25 2014年4月 2015 H1 基準書、マニュアル他 IFRSの総合的な情報は PwCInform IFRS関連の 主な会計トピック、 最近の状況 ハイライト IFRS 関 連 の 主 な 会 計 トピック、最近の状況 IASB ワークプラン更新 と公表された基準等の 概要 主な会計トピック、最近 の状況を概説 - 金融商品・保険 - リース - のれん IFRSのエンドースメント に関する作業部会 そ の 他 の IFRS 関 連 ニュース 国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)に関連する、2014年1~3月の主な会計トピックの状況は以 下のとおりです。図の左側にIASB単独の審議およびIASB/FASBの合同審議等の状況を、図の右側に米国FASB単独の審議 等の状況を示しています。 IFRS関連の主な会計トピックについて、それぞれの動きがあったことがわかります。 金融商品については、最終版のIFRS第9号「金融商品」の公表が2014年4~6月の間に予定されていますが、その強制発効 日についてIASBの暫定決定が行われました。 一方、FASBでは、IASBと共同で開発していたアプローチの検討を続行しない ことを暫定決定しました。 リース・プロジェクトについては、IASB/FASB審議にて差異が生じている状況です。 保険契約については、FASBがプロジェクトの範囲を縮小しました。 のれんについては、IFRS第3号の適用後レビューによる意見募集が行われ、FASBではのれん償却の選択肢を含む非公開 企業向け最終基準が公表されました。【概説は02ページを、数年間の日欧米の動向は2014年1月号の表紙を参照】 【2014年1~3月の主な会計トピックの状況】

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IFRS 10MinutesPwCが国際財務報告基準に関する最新情報を簡潔にお届けするニュースレター

Vol. 252014年4月

2015

H1

基準書、マニュアル他IFRSの総合的な情報は

PwCの Inform

IFRS関連の主な会計トピック、最近の状況ハイライト

• IFRS関連の主な会計トピック、最近の状況

• IASB ワークプラン更新と公表された基準等の概要

• 主な会計トピック、最近の状況を概説- 金融商品・保険- リース- のれん

• IFRSのエンドースメントに関する作業部会

• そ の 他 の IFRS 関 連ニュース

国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)に関連する、2014年1~3月の主な会計トピックの状況は以下のとおりです。図の左側にIASB単独の審議およびIASB/FASBの合同審議等の状況を、図の右側に米国FASB単独の審議等の状況を示しています。 IFRS関連の主な会計トピックについて、それぞれの動きがあったことがわかります。

金融商品については、最終版のIFRS第9号「金融商品」の公表が2014年4~6月の間に予定されていますが、その強制発効日についてIASBの暫定決定が行われました。 一方、FASBでは、IASBと共同で開発していたアプローチの検討を続行しないことを暫定決定しました。

リース・プロジェクトについては、IASB/FASB審議にて差異が生じている状況です。

保険契約については、FASBがプロジェクトの範囲を縮小しました。

のれんについては、IFRS第3号の適用後レビューによる意見募集が行われ、FASBではのれん償却の選択肢を含む非公開企業向け最終基準が公表されました。【概説は02ページを、数年間の日欧米の動向は2014年1月号の表紙を参照】

【2014年1~3月の主な会計トピックの状況】

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What’s New日付 主体 2014年1月~3月の主なニュース

1月06日 東証他 新株価指数 「JPX日経インデックス400」 の初算出、新指数は1万1,728でスタート 【10Minutes 2014年1月号】

1月09日 ASBJ IFRSのエンドースメントに関する作業部会 (第7回) 【03ページ】

1月14日 金融庁 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等を公表(単体開示の簡素化)【04ページ-E】

1月16日 FASB のれん償却の選択を含む非公開企業向け最終基準を公表 【表紙、02ページ】

1月27日 IASB 1/21~1/23のIASB審議会をうけて、IASBワークプランが更新

1月28日 IFRS財団 モニタリング・ボードが新規メンバー(ブラジルと韓国)を公表 【04ページ-C】

1月28日 FAF FAF(米国財務会計財団)がIFRS財団に3百万ドルの資金拠出を発表 【04ページ-D】

1月29日 FASB 金融商品の分類及び測定について、IASBと共同で開発したアプローチを取下げ 【表紙、02ページ】

1月30日 IASB IFRS第3号「企業結合」の適用後レビューの情報要請による意見募集 【表紙、02、04ページ-A】

1月30日 IASB IFRS第14号「規制繰延勘定」に関する暫定基準を公表 【04ページ-B】

2月03日 ASBJ IFRSのエンドースメントに関する作業部会 (第8回) 【03ページ】

2月03日 SEC 2014年-2018年度の戦略計画案を公表

2月05日 IASB IASB議長フーガーホルスト氏が東京にて純損益とOCI他についてスピーチ

2月14日 金融庁 連結財務諸表規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件の一部改正(案) 【04ページ】

2月19日 FASB 保険契約プロジェクトの範囲の縮小を決定、コンバージェンスの可能性が大幅に低下 【表紙、02ページ】

2月25日 IASB 2/19~2/20の審議を受けてIASBワークプランが更新 、議事録に最終版IFRS第9号の強制発効日の暫定決定 【表紙、02ページ】

3月04日 FASB 公開草案 :「財務報告に関する概念フレームワーク:財務諸表の注記」を公表

3月11日 IFRS財団 IFRSの国際的なアドプションに向けた進捗を更新 (129法域のIFRS適用状況)

3月11日 ASBJ IFRSのエンドースメントに関する作業部会 (第9回) 【03ページ】

3月24日 ASBJ IFRSのエンドースメントに関する作業部会 (第10回) 【03ページ】

3月19日 IASB/FASB リース・プロジェクトの審議、一部の論点は合意に至るも差異は残る 【表紙、02ページ】

3月25日 IASB 公開草案 :IAS第1号「財務諸表の表示」の修正(開示イニシアチブの一部) を公表 【01ページ】

3月26日 IASB 3/13~3/21のIASB審議会を受けて、IASBワークプランが更新 【 01ページ】

3月26日 金融庁 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等を公表(単体開示の簡素化)【04ページ-E】

◆組織名の略称: 国際会計基準審議会(IASB)、企業会計基準委員会(ASBJ)、米国財務会計基準審議会(FASB)、米国証券取引委員会(SEC)、国際統合報告協議会(IIRC)、 会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)

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01IASBワークプラン更新と公表された基準等の概要(2014年3月26日版)

直前の2014年2月25日ワークプランと比較した最新の2014年3月26日ワークプランへの動き

2014年

Q1 Q2 Q3 Q4

主要プロジェクトIFRS第9号「金融商品」(IAS第39号の置換え)

分類及び測定(限定的な修正) IFRS目標

減損 IFRS目標

マクロヘッジ会計 DP目標

保険契約 再審議

リース 再審議

料金規制事業 DP目標

収益認識 IFRS目標

狭い範囲の修正

ジョイントオペレーションの持分取得 (IFRS 第11号 修正案) IFRS目標

年次改善(2012-2014) 再審議

年次改善(2013-2015) ED目標

果実生成型生物資産(IAS第41号修正案) 再審議 IFRS目標

減価償却及び償却の許容される方法の明確化(IAS第16号及び第38号修正案)

IFRS目標

負債の分類 (IAS第1号の修正案) ED目標

IAS第1号の修正 (開示イニシアチブ) ED目標

「ダウンストリーム」取引から生じる利益の消去(IAS第28号修正案)

ED目標

持分法:その他の純資産変動の会計処理(IAS第28号修正案) IFRS目標

公正価値測定:会計単位 ED目標

投資企業:(IFRS第10号及びIAS第28号修正案) ED目標

非支配持分に係る売建プットオプション(IAS第32号修正案) TBD

未実現損失に係る繰延税金資産の認識(IAS第12号修正案) ED目標

投資者と関連会社またはJV間の資産の売却又は拠出(IFRS第10号及びIAS第28号修正案)

IFRS目標

個別財務諸表(持分法)(IAS第27号修正案) 再審議

適用後レビュー

IFRS第3号 企業結合 公開協議

概念フレームワーク

概念フレームワーク (各章で財務諸表の構成要素、測定、報告企業、表示と開示を取扱う)

再審議 ED目標

IASBワークプランは、IASBによる主

なプロジェクトの今後の計画を示して

おり、最新版は3月26日付で公表さ

れました。

右の表は、直前のワークプラン

(2014年2月25日版)と比較した最新

のワークプラン(2014年3月26日版)

への動きを示しています。

• 基準書等の公表・審議完了等により、最新のワークプランに表記がなくなったものをグレーアウト

• 主な概要を右の吹き出しに記載

• プロジェクト時期の変更を➔○で示し、新しいプロジェクト等の記載に○を付す

右表は主要な部分を抜粋し一部翻訳

• IFRS目標:IFRS最終基準を公表する目標

• ED目標:公開草案を公表する目標

• DP目標:論点整理を公表する目標

• TBD: 後日決定

減価償却及び償却の許容される方法の明確化(IAS第16号及び第38号修正)3月26日付けワークプラン(PDF版)に「IFRS目標」の記載がありますが、2014年3月末までに公表されませんでした。

◆公開草案 IAS第1号「財務諸表の表示」の修正(開示イニシアチブ)2014/3/25公表

この公開草案は、開示・表示を改善し負荷を減らそうというIASBの取組みの一環です。 現行基準の問題に対処し、財務諸表作成者に判断を行使できる余地を与えるために、IAS第1号を狭い範囲で修正することを提案しています。

以下の項目に関する限定的修正を提案しています。・IAS第1号の重要性に関する規定の明確化・純損益及びその他の包括利益計算書並びに財政状態計算書の特定科目の分解、小計の表示方法・注記を表示する順序・重要な会計方針の識別について等

コメント期限2014年7月23日

IFRSの基準書や総合的な情報は

PwCの Inform

保険契約・リースの再審議表紙および02ページをご覧ください。

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02主な会計トピック、最近の状況を概説• 金融商品・保険• リース• のれん

IASBおよびFASBの2014年1~3月の

審議を含む、主な会計トピックの最近

の状況の全体イメージは表紙をご覧

ください。

こちらのページでは、表紙に記載し

た主な会計トピックの最近の状況を、

現在に至るまでの近年の状況なども

含めて概説いたします。

さらに詳しくご覧になりたい場合は、

文中の【速報解説】の各号をご覧くだ

さい。PwCのInformウェブサイトに解

説が掲載されています。アクセス・フ

リーですので、いつでも、どなたでも

閲覧可能です。

図表による解説は「四半期アップ

デートセミナー資料」(Inform登録

ユーザー限定)を、ご覧ください。

★ IASB、最終版IFRS第9号の強制発効日を2018年1月1日に金融商品の分類及び測定、減損、ヘッジを含む最終版IFRS第9号「金融商品」

は、2014年4~6月に公表が予定されています【01ページ、2014年3月26日IASBワークプラン】【2014年1月号02頁】。IASBは2014年2月の審議で、この最終版IFRS第9号の強制発効日を2018年1月1日以後開始する事業年度からとすることを暫定的に決定しました。IFRS第9号の強制発効日は、過去においては2015年1月1日以後開始する事業

年度とされていましたが、IASBは2013年11月に、この強制発効日を削除しました。これは最終版IFRS第9号が公表される際に、最終的な強制発効日を再検討するためでした。今回の強制発効日の暫定決定は、2014年4~6月に予定される最終版公表に向けたものです。

★ FASB、保険契約プロジェクトの範囲を縮小-コンバージェンスの可能性が大幅に低下

FASBは2014年2月の審議で、保険契約に関するプロジェクトの範囲を縮小することを決定しました。これは、FASBが保険契約プロジェクトの大幅な方向転換を行ったことになります。これにより、保険契約プロジェクトに関する国際的なコンバージェンスの可能性は低下しました【速報解説2014/2月】。

★ のれんの償却の議論IFRSおよび米国基準では、のれんは償却せず、減損テストを行うものとされています。

【FASB】FASBは2014年1月に、ASU2014-02号「のれんの会計処理」を公表し、非公開企業についてのれんの処理を簡素化しました。非公開企業は、10年間(特定の状況では10年未満)にわたってのれんを定額償却できるようになります【速報解説2014/1月】。 さらにFASBは公開企業についても、2014年2月の審議からのれんの事後測定の検討を開始しました。

【IASB】IASBは2014年1月に、IFRS第3号「企業結合」の適用後レビューについての情報要請を公表し、財務諸表の作成者や利用者等への意見募集を開始しました【04頁参照】。 この情報要請の中には、のれんについて償却ではなく減損テストを毎年行うアプローチが有益かどうかといった質問も含められています【速報解説2014/1月】。

【参考 -- 日本】現行の日本基準では、のれんは一定期間にわたって償却されます。ASBJによる

「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」では、「のれんの非償却」について、削除又は修正を検討する項目の候補として、検討が行われています【03頁参照】。

★ FASB、金融商品の提案を大幅に見直す暫定決定金融商品会計の改訂は、米国基準とのコンバージェンスの目的のひとつとし

てMOU(覚書)項目にもあげられていました。昨年末から2014年の第1四半期にかけて、 FASBは、IASBと共同で開発していた金融商品の提案を大幅に見直す暫定決定を以下のとおり行いました。

【分類及び測定】FASBは2013年12月に、契約上のキャッシュ・フロー特性を評価する元本及び利

払いのみ(SPPI)のモデルの検討を続行せず、代わりに混合金融資産の区分処理に係る現行の米国基準のガイダンスを引き継ぐことを暫定決定していましたが、さらに2014年1月には、ビジネスモデル評価のアプローチの検討を続行しないことも暫定決定しました。これらによって、IASBとFASBとの合同会議で開発されたアプローチは、ともに取り下げられることになりました。

【減損】IASBとFASBは発生損失モデルや予想損失モデルに共同で取り組んでいました

が、FASBは2012年12月に現在予想信用損失(CECL)減損モデルに基いて、また、IASBは2013年3月に予想損失減損モデルに基づいて、それぞれの公開草案を公表しました。 こうした状況の中で、FASBは2013年12月にCECLモデルを引き続き改善する、すなわち、IASBと同じ会計モデルの検討を続行しないことを暫定決定しました。

★ IASBとFASBのリース・プロジェクトの審議、一部に合意あるも差異は残る【速報解説2014/3月】

リース・プロジェクトは2010年の公開草案、2013年の再公開草案から引き続き、審議が継続しています。 IASBとFASB(両審議会)は2014年3月、再審議を行いました。借手の処理については、リースを貸借対照表上に計上することが支持されました

が、関連する損益計算書上の取扱いについては両審議会の意見が分かれました。貸手の処理については、現行のリース基準と類似した分類方法や会計処理を採用することに合意しましたが、一部のリースに関する収益と利益の計上の仕方については継続的な議論が見込まれます。会計処理の簡素化として短期リース(12か月以下)については、免除規定を設け

ることが確認され、現行のオペレーティング・リースと同じ会計処理が行われることとなります。少額リース(small ticket leases)については、基準上で明示的な重要性のガイダンス(例えば非流動性資産合計の5%など)を設けないことで合意しました。IASBは、一部の少額な資産についてリースの資産計上を免除する取扱いを設けることを支持しました。これに対してFASBは、そうした取扱いを設けることを支持せず、影響を把握する追加の調査をFASBスタッフに求めました。審議は今後数か月にわたり継続する見込みです。両者の差異が、今後どのよう

に解消してゆくのか、また、最終基準の公表時期に影響するのかは、まだ明らかではありません。

IFRSの基準書や総合的な情報は

PwCの Inform

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03IFRSのエンドースメントに関する作業部会

削除又は修正する場合ASBJは2013年8月27日より、「IFRSのエ

ンドースメントに関する作業部会」を開催

しています。エンドースメントされたIFRS

を開発するにあたっては、IASBが設定し

た個々の会計基準等について、削除又

は修正することなしに採択可能か否か、

また、どのような項目にガイダンスや教育

文書等の作成が必要か否かについて検

討することになります。

同作業部会は、2014年1月から3月に

かけて第7~10回が開催されました。第7

回までについては、10 Minutes 2013年

10月号と2014年1月号をご覧ください。第

8回目からは右に記載のとおり、項目ごと

の詳細な検討が行われています。

今後も引き続き作業部会での議論を重

ね、親委員会であるASBJによる審議を経

た上で、日本基準の開発と同様にASBJ

のデュー・プロセスによる公開草案の公

表が予定されています。

作業部会(名簿: 19名 )は、 IFRS と日本基準に精通した作成者、利用者、監査人、学識経験者で構成

「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」 の進捗状況

識別した項目全体の整理と、論点の主張の整理

第8~9回作業部会(2014年2月3日および3月11日開催)では、「検討が必要な項目の候補」としてこれまでに識別された項目全体の整理が行われました。各項目は右のリストのとおりです。

また、第7回までの作業部会で特に詳細な整理が要請された以下の項目について、現行のIFRS・日本基準などの処理、アジェンダコンサルテーションでのASBJの主張、概念フレームワークによる提案など各主張の整理が行われました。

• リサイクリング、その他の包括利益と当期純利益の論点

• のれんの非償却の論点

もし削除又は修正する場合にどのように削除又は修正が行われるのか

第9~10回作業部会(2014年3月11日および3月24日開催)では、削除又は修正を行うことの是非に関する検討をより深めるために、右のリストに●を付した項目について、もし削除又は修正する場合に、どのように削除又は修正が行われるのかについての検討が行われました。

第10回作業部会では、今後、会計基準の様式等を検討するにあたり参考となる諸外国におけるIFRSの適用方法が紹介され、欧州やカナダなどのガイダンスや教育文書の取扱いなども紹介されました。

もし削除又は修正する場合どのような条項の内容になるのか検討

第11回作業部会(2014年4月9日開催)では、さらに検討を深めるために、右のリストに▲を付した項目について、もし削除又は修正を行った場合に、どのような条項の内容になるのか、具体的に基準の条項を用いた検討が行われました。

2013年8月 2013年11月 2014年2月

検討が必要な項目の候補 (第281回ASBJ審議資料より抜粋) 検討1 有形固定資産の再評価モデル

2 契約にリースが含まれているか否かの判断

3 固定資産の減損の戻入れ

4 無形資産の再評価モデル

5 投資不動産の公正価値モデル

6 生物資産及び農産物の公正価値測定

7 引当金の認識(修繕引当金を含む)

8 減価償却方法

9 取替法

10 耐用年数

11 繰延税金資産の回収可能性

12 機能通貨

13 外貨建その他有価証券(外貨建債券)の換算差額

14 短期有給休暇

15 財政状態計算書(貸借対照表)

16 損益計算書の段階別表示(特別項目の表示)(非継続事業の表示を含む)

17 修正後発事象の会計処理(会社法計算書類監査報告書日後の取扱い)

18 のれんの非償却 ● ▲19 企業結合の会計処理(全部のれん)

20 子会社の報告日が異なる場合の取扱い

21 開発費の資産計上

22 過去勤務費用

23 退職給付に関する再測定部分 ● ▲24 金融負債と資本の分類

25 金融資産の減損(償却原価で計上されている金融資産)

26 資本性金融商品の OCI オプション ● ▲27 投資信託の受益証券への OCI オプションの適用

28 公正価値オプションに指定された金融負債の自己の信用リスク ▲29 非上場株式の公正価値測定

30 年次開示関連

31 四半期開示関連

第5~7回 作業部会第1~4回 作業部会

2014年4月

• もし削除又は修正する場合、どのような条項の内容か検討

第8~10回 作業部会 第11回 作業部会

• 識別した項目全体と論点の主張の整理• もし削除又は修正する場合の検討

「検討が必要な項目の候補」の詳細な分析

「検討が必要な項目の候補」の抽出

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04その他のIFRS関連ニュース

Inform

2014年1月からの3カ月間のIFRSに

関係するその他のニュースをご紹介

します。

さらに直近のニュースをご覧になり

たい場合は、PwCのInformウェブサ

イトをご利用ください。アクセス・フ

リーですので、いつでも、どなたでも

閲覧可能です。

A. IASBが、IFRS第3号「企業結合」の適用後レビューの情報要請による意見募集IASBは2014年1月30日、IFRS第3号「企業結合」の適用に関する情報要請

(RfI)を公表し、当該基準の適用後レビュー(PiR)に関する意見募集を開始しました(コメント期限:2014年5月30日)。この情報要請では、IASBの広範な関係者に対して以下のようなフィードバックを求めています。

• IFRS第3号は財務諸表の利用者にとって有用な情報を提供しているか

• IFRS第3号に適用上の問題が生じている分野はあるか

• IFRS第3号の適用に際して、予期し得なかったコストが生じていないか

B. IASBが、料金規制事業に関する暫定基準を公表IASBは2014年1月30日、IFRS第14号「規制繰延勘定」を公表しました。ガスや

電力などの事業では、料金規制を通じて、政府が民間企業の特定の活動に関する供給と価格決定を規制している場合があります。IFRS第14号は、料金規制事業プロジェクトにおいて検討されている包括的基準に関する結論が出されるまでの過渡的基準であり、企業の料金規制事業に関して比較可能性を確保するために、いくつかの規定を除いて、従前の会計方針を維持することが許容されています。ただし、IFRSを既に適用している企業との比較可能性を高めるため、他の項目とは別に料金規制の影響を表示することを求めています。なお、IFRSに従って財務諸表を既に作成している企業は、この基準を適用する

ことはできません。この基準は2016年1月1日から発効し、早期適用が認められます。

C. IFRS財団モニタリング・ボードが、新規メンバーを公表(ブラジルと韓国)金融庁を含む当局の代表者から構成されるIFRS財団モニタリング・ボード(MB)

は2014年1月28日、新規メンバーとして、ブラジル証券取引委員会および韓国金融委員会を選出したことを公表しました。任期は「IFRS財団モニタリング・ボード憲章」に署名した時点で開始となります。新規メンバー最大4議席のうち残り2議席分については、引き続き審査が行われており、後日、結果が公表される予定です。MBは、2012年2月9日に公表したIFRS財団のガバナンス改革に関する最終報告書を踏まえてMBのメンバー拡大に関する検討を進めており、2013年5月20日から6月30日の間、新規メンバーの募集を行いました。

D. FAFが、IFRS財団に3百万ドルの資金拠出を発表米国の財務会計協会(FAF)は2014年1月28日、国際的なコンバージェンスプ

ロジェクトの完了を支援するため、IFRS財団に対して最大3百万ドルを臨時で拠出することを発表しました。この拠出は、FAF評議会が米国SECと協議して決定されたものであり、その目的は、FASBがIASBと共同で進めている4つの会計基準プロジェクト(収益認識、リース、金融商品(分類と測定および減損)、保険)の作業完了までの期間において、IASBを支援することです。資金は、2014年中に3回に分けて1百万ドルずつ、FAFの準備金から支払われ

る予定です。FAFは、2011年にもIFRS財団に50万ドルの資金を拠出しています。

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E. 金融庁が、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等を公表(単体開示の簡素化)金融庁は2014年3月26日、 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する

規則等の一部を改正する内閣府令」等を公表しました。 本改正は、企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議が公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」(2013年6月20日公表)に述べる3つの柱のひとつです。

連結財務諸表を作成している会社のうち会社法に規定する会計監査人設置会社(特例財務諸表提出会社)について、金融商品取引法に基づいて作成される個別財務諸表の本表・注記を中心に、単体開示の簡素化を図るものです。

同内閣府令は3月26日付で公布・施行され、2014(平成26)年3月31日以後に終了する事業年度等に関する財務諸表等について適用されます。

F. 金融庁が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」の一部改正(案)を公表金融庁は2014年2月14日、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関す

る規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」の一部改正(案)を公表しました(意見募集:2014年3月17日まで)。

IASBが公表した以下のIFRS基準を、指定国際会計基準(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第93条に規定)とするものです。本案は公布の日から適用されます。

• IFRS第9号「金融商品」(2013(平成25)年11月19日公表)

• IAS第19号「従業員給付」(2013(平成25)年11月21日公表)

• 年次改善2010-2012年サイクル(2013(平成25)年12月12日公表)

• 年次改善2011-2013年サイクル(2013(平成25)年12月12日公表)

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1. 研修サービス

IFRSの規定の解説に加え、業種特有の論点や欧州での適用事例などを豊富に取り上げた研修会を実施いたします。また、貴社固有の論点についてのディスカッションも行います。

2. 予備調査・コンバージョン支援サービス

(1) IFRSクイックレビュー

企業がIFRS適用にあたって解決すべき課題を6つの観点(業務プロセス、システム、組織、内部統制、教育制度、管理会計)から整理し、これらの課題について、解決の方向性とコストの概算等を提示します。

本格的な予備調査を実施せず、簡易的にIFRS適用の影響を把握したい会社へのサービスです。

(2) 予備調査

IFRSの適用を検討するために必要な調査を行います。財務数値への影響のみならず、業務プロセスやシステム、事業計画などIFRS適用がもたらす影響の概要を把握し、IFRS適用までの実行計画案を策定します。

(3) IFRSコンバージョン支援サービス

IFRSの適用プロセスをいくつかのサブフェーズに区切り、IFRS適用後の会計処理方針策定、グループ会計マニュアル作成、必要な業務プロセス改革、システム改修/構築等、貴社のIFRS適用を全面的に支援します。

3. 会計基準適用アドバイザリー・サービス

新会計基準の適用方法や新規取引、特定案件への会計基準の適用について技術的支援を行います。IFRS適用前においては、IFRS導入を見据えたアドバイスを提供します。

4. 財務報告プロセス改善支援サービス

グループ会計マニュアルの作成・導入や決算早期化、決算プロセス効率化・標準化など、グループレベルでの財務報告体制の改善について、J-SOX対応を図りつつ支援します。

5. 業務プロセス改善支援サービス

IFRS適用により影響を受ける広範なシステム・業務プロセスについて、IFRS適用の実現を図る取組を支援します。また、IFRS適用を好機に行うさまざまな業務改革についても全面的に支援します。

6. 連結システム・会計システム等導入支援サービス

IFRS適用後の業務を効率的に運用するために必要な連結システム・会計システム及び様々な業務システムの導入を構想立案・要件定義から実際の導入運用までを全面的に支援します。

7. IASBの動向についての情報提供サービス

IASBの公表するディスカッションペーパー、公開草案等の情報およびその解説をいち早く提供します。

予備調査IFRSの適用

会計/業務プロセス/情報システム定着化

Phase 1 Phase 2 Phase 3

3~6ヶ月 6~12ヶ月12~30ヶ月

PwCの3フェーズ・アプローチ

IFRSクイックレビュー

1週間

PwCがお手伝いできること

How PwC can help IFRSの基準書や総合的な情報は

PwC の Inform

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PwC Japan

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プライスウォーターハウスクーパース株式会社

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Inform : (PwC Globalの方針に基づき、ウェブサイトの正式な名称を“PwC Inform”から“Inform”に更新中です)

https://inform.pwc.com/inform2/show?action=bookshelf

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責任者: 小林 昭夫

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