シーメンスのコアキシャルの完全ドライブを目指して05...r 2.-、肌...

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シーメンスのコアキシャルの完全ドライブを目指して 小)IL ∴∴:∴∴∵∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴ ∴亘 ∴∴∴ 一 ∴ ∴∴∴一一 一 ∴∴ ∴∴∵ ∴一一∴∴ -i「∴∴∴ i勘i‾ 蜜重き誉: 催せ‾ ∴∴∴ ∴∴「∴ ∴∴∴∴ ∴∴ :∴ ∴一一∴∴一∵:ニ 顎襲翳 二一.議森∴: 簑凄葉 「: 石′ ∴∴ ∴∴∴ ∴∴∴ \「∴∴ 一∴ ∴∴ ∴∴ :∴ ∴∴一一一一一l ∴一∴∴一 ∴一∴∴∴∴当∴∴∴∴ ∴i: ∴i-一高i-∴ 拝亨㌻弱-) ∴∴一∴∴ :∴∴∴∴ :i∴∴ 言i)∵←\ ∴::∴∴ヽ ∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴ ∴∴∴ 寵/ル)雪目iI ∴∴ ∴∴∴∴‾∴∴i=∴∴∴∴(‾∴ ∵∴ F 2 a 薫曝 露饗 シ‾メンス ∴∴ ∴∴ ∵∴ ∴∴ ∴、覇裂作 シーメンス・コアキシャルを鳴 らす 私の友人に,タンノイのモニター レッド#15と300Bシングルを使 ってクラシックを聴いているマニア がいます.この彼から,サブ・シス テムのシーメンスのコアキシャル用 に鳴らしていた300Bシングルは, どうもイマイチ鳴らない,という不 満を聞かされました. そんな話を聞き,,以前まだ新品で 売っていた頃,入手した物が倉庫に 眠っているのを思い出して,_筆者も シーメンスのコアキシャルを鳴らし てみたくなったのです. どんなアンプが似合うか考えてい るうちに,ここで紹介する亘2aプ ツシェプル・アンプの製作を思い立 ち,‘‘義「メンスのスピーカならシー メンスの球で鳴らせ〉部罵るだろう” という単純な発想で計画を進めまし た.当然スピーカの開発者はシーメ 70 ンスのアンプを使って試聴して音決 めをしたはずであろうと…. シーメンスの球にはEdという目 が飛び出るほど高い球があります. 故伊藤喜多男先生が愛用された球 で,業務用のしっかりとした作りの 綺麗な真空管で,ADlの親戚で良 い音が出そうな格好をしており,一 度は使ってみたい真空管です. しかしEdを使うのは入手不可能 に近いのであきらめ,傍熱管で探し てみました それというのも,最近 ウエスタン・アンプの124(350Bプ ッシュプル)に618Cインプット・ト ランスを付けて,自宅のア)レテック 820を鳴らしてみると,インプット 無しのときとは見違えるほど艶がの った音が前に出てくるのを経験した のです.傍熱管は直熱管に勝てない とあきらめていましたが,大きな間 違いでした.1960年代のパーマネン ト型の多くのズピ」カは,3150曙6 L6G,KT66,1EL34等で試聴し音 を煮詰めて行ったのですから当然と いえば当然です. シーメンスで傍熱雷というとF2 a.F2all,EL156が市場にはまだ ありますが,どの球もソケットが特 殊で ロシア,中国の互換球もない ことから良い球なのに人気がないよ うで キットもほとんど見かけませ ん. EL156は大パワー用の真空管な ので,シーメンス・コアキシャルを 鳴らすにはアンプが大げさすぎま す.F2a/F2allなら恰好の大き さでしょう.早速,シーメンスの古 い回路図を見ていると,F2allを 使ったアンプは数台ありましたが, F2aを使ったアンプは手元の資料 には見っかりませんでした.シーメ ンス社のことですからさぞやさまざ まな機器を作ったのでしょうが,残 念ながら手元の資料からは探せませ んでした.しかし「der deutschen Telekommunikatio山のリス ジオ技術

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Page 1: シーメンスのコアキシャルの完全ドライブを目指して05...r 2.-、肌 -鴇言 古封‾訂”i ′ T 2費 J heIi h?I口 句∴ilま 欝le i臨めp 目m暫⊆18菓弛11霞

シーメンスのコアキシャルの完全ドライブを目指して

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∴∴ ∴亘 ∴∴ ∴ 一 ∴ ∴∴∴一一 一

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∴、覇 裂 作

シーメンス・コアキシャルを鳴

らす

私の友人に,タンノイのモニター

レッド#15と300Bシングルを使

ってクラシックを聴いているマニア

がいます.この彼から,サブ・シス

テムのシーメンスのコアキシャル用

に鳴らしていた300Bシングルは,

どうもイマイチ鳴らない,という不

満を聞かされました.

そんな話を聞き,,以前まだ新品で

売っていた頃,入手した物が倉庫に

眠っているのを思い出して,_筆者も

シーメンスのコアキシャルを鳴らし

てみたくなったのです.

どんなアンプが似合うか考えてい

るうちに,ここで紹介する亘2aプ

ツシェプル・アンプの製作を思い立

ち,‘‘義「メンスのスピーカならシー

メンスの球で鳴らせ〉部罵るだろう”

という単純な発想で計画を進めまし

た.当然スピーカの開発者はシーメ

70

ンスのアンプを使って試聴して音決

めをしたはずであろうと….

シーメンスの球にはEdという目

が飛び出るほど高い球があります.

故伊藤喜多男先生が愛用された球

で,業務用のしっかりとした作りの

綺麗な真空管で,ADlの親戚で良

い音が出そうな格好をしており,一

度は使ってみたい真空管です.

しかしEdを使うのは入手不可能

に近いのであきらめ,傍熱管で探し

てみました それというのも,最近

ウエスタン・アンプの124(350Bプ

ッシュプル)に618Cインプット・ト

ランスを付けて,自宅のア)レテック

820を鳴らしてみると,インプット

無しのときとは見違えるほど艶がの

った音が前に出てくるのを経験した

のです.傍熱管は直熱管に勝てない

とあきらめていましたが,大きな間

違いでした.1960年代のパーマネン

ト型の多くのズピ」カは,3150曙6

L6G,KT66,1EL34等で試聴し音

を煮詰めて行ったのですから当然と

いえば当然です.

シーメンスで傍熱雷というとF2

a.F2all,EL156が市場にはまだ

ありますが,どの球もソケットが特

殊で ロシア,中国の互換球もない

ことから良い球なのに人気がないよ

うで キットもほとんど見かけませ

ん.

EL156は大パワー用の真空管な

ので,シーメンス・コアキシャルを

鳴らすにはアンプが大げさすぎま

す.F2a/F2allなら恰好の大き

さでしょう.早速,シーメンスの古

い回路図を見ていると,F2allを

使ったアンプは数台ありましたが,

F2aを使ったアンプは手元の資料

には見っかりませんでした.シーメ

ンス社のことですからさぞやさまざ

まな機器を作ったのでしょうが,残

念ながら手元の資料からは探せませ

んでした.しかし「der deutschen

Telekommunikatio山のリストに

ラ ジオ技術

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はF2aが載っているのを見つけま

した.Aaから始まる電話用の「連

の球でA・B・C・D・E・F・G・K・

0・R・S・Zのシリーズがあります.

FシリーズはF2aとF2allだ

けのようです.F2aの開発年代は

正確にはわかりせまんが,1951年前

後のようです.F2aとF2allは

全然遭う球でF2aは5極管,F2

allはビーム管であり,ソケットも

違うので差し替えて使うことは出来

ません.F2allは8ピンSteel

SOCketで F2aは9ピンpostal

〈第1図〉シーメンスV69パワー・アンプ回路

SOCketです.しかし同一回路で使う

ことは出来るようです.

またF2aは初期と後期で内部の

作りは違い(写真1,2),電話用の

真空管がF2aで,ELシリーズ等

と差し替えのきくソケットを使った

民生業務用アンプ用にF2allを

作ったのでしょう1.というのもオリ

トシーメンスのF2aの

新(右),旧(左)を比べる

▼F2a用(左)とZ2C用ソケット

∴∴ :∴ ∴ ● 、

∴- ∴ 一 ∴_∴ .

∴ _ ∴ ∴ ∴ ∴

/i _i i 掌 /

∴∴ ∴∴∴ ∴∴∴ ∴

JAN.2003

劉鍔

II鶉

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IIiIiIIlI

1●17IlfIi′Ii◆iIJI

I I li I l 12I

I

___←七

ジナルのF2aのソケットは一度挿

したら抜けないぐらいタイトなソケ

ットで,球が壊れた時くらいしか抜

くことを考えてないように思えるか

らです1.

どちらにしろ,WE350B同様に

音楽や人の声を再生するために作ら

れた業務用の球で うまく鳴らせば

雷善∵輩

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lZAU7作80cc 12AU7作BOCC

4,7k  o.47∪

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125 JS 1814

4K 40W

E NF

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U7個 cc 帥 V

耽 1 8.3V

5v  O・25露 .血 10Hz問詰

巨 十 4印∨20uDv

的Y く第4図〉F 2a 3緒プッシュプル・モノ アンプ全回路図

とアドバイスを受けました.シーメ

ンスの電話管Zシリーズのリスト

に戦ってはいますが,私は見たこと

も使ったこともない整流管で大変

な電気喰いの傍熱整流管で4V4A

のヒ一夕が必要です.見せてもらっ

たZ2CはF2aにピッタリで黄

色い帯も揃って格好良いのですぐに

これに決めました∴F2aより若干

背力薄いのが欠点ですが,GZ34で

は得られない風格のあるアンプに仕

上がっています.

雑はまだ教本あるそうで興味

のある方は問い合わせてください.

音質的にもGZ34よりもよいと思

います.GZ34は馬力のある音は出

ますが,優しさが足りずZ2Cはそ

うした不安を一掃してくれ,まさに

WE350BとWE274Bのコンビ

JAN.2003

ノクチPMC-ZMM

に負けない組み合わせとなりまし

た.

ノグチの264Mは4Vのタップ

が出てはいますが,整流管のZ2C

には5V4Aの整流管用の巻き線

レ・パワー・

から0.25tlの抵抗を入れて4V

としました.メーカーにもよります

がすべてのヒ一夕用タップカ滴電圧

用の絶縁を施しているかわからなか

ったからです.

∴∴ ∴∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴

∴ ∵il ∴ ∴∴∴∴ ∴ ∴

∴∴ ∴∵∴ ∴∴∴∴ ∴ 一 .∴ :∴

∴∴ ∴∴ ∴ ∴ ∴ 一一°○○

∴ :\‾\ン∴ヽ 一∴ ∴ ∴ ∴ ∴

!幸 /

高貴‾ii梁∴ ∴∴

∴∴∴

\’兼誓譲

∴∴∴

瀧田 醸 闘 轡単∴ ∴ 一

〇∴ ∴

:∵ :∴ ∴

.∴ :∵∴ 一一

∴∴∴ ∴

一一 ∴

∴∴∴∴∴.

∴∴ ∴ ∴ ∴

寧__-ゝ

王手

∴ _れ

\\Y/\野営蕊 霊 ∴

享受 漆 \-\\iiく/;∴ ∴ ∴

∴「 :∴

舘 泊 闇 敵 /

ii/\/1㌢粍 // /

: ∴ ∴∴ - ∴

 ∴∴

∴∴ ∴ ‾ :∴ \)i//-ケ一両

/享子-/悠

∴ ・i∴∴ ∴∴∴

霊(二ァoi

∴∴ ∴∴

∴∴∴∴

諒 遭懸ゝ 媒華0 0面e S S S S S

●アテネ一夕は600(タイプを採用している.左は12AU7/E80cc回りの西藤

75

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ap) Kヽ常時▲

i i i i i i il i i

R Za パ ワ ー ・ア ン プ

i

1 i i

1臆10      100      1k lOk lOOk

周波数(Hz)

錦5図〉本機の周波数持蛙測定周波数はIkHZ.残留ノイズは20W出力時0.35mV(A補正0.045mの,入力感度1.6V(20W)

このアンプを作るのに入手が難し

いのはソケットで オリジナル品は

店頭で見ることはなくなりました.

幸いなことにF2a用は山本音響工

芸のテフロン製のソケットが入手で

きます.オリジナルは超レアで手に

入りませんし,球の抜き差しの好き

な日本の真空管アンプ・マニアには

向きません.Z2C用はED用のす

ずき産業のコーリアンのソケットが

あります.どちらの素材も現代の材

料で力虹の点では薬ですが,放熱の

ことを考えるとベストとはいえませ

ん.球のベースはセラミックで出来

ているので,逃げの少ないソケット

だと抜き差しすると割れてしまうこ

とがあります.注意が必要です.

シャーシはNテクノロジーの

特注品,70mmの深さは大型のATTもラク

F2aにおのおの72mAを流し

て,出力は20W40Wのテトロー

ド接続にも簡単に改造できるので

82dB前後の現代の小型スピーカを

鳴らす方はNFBを掛けて改造さ

れるたよいでしょう.回路は見ての

とおりのシンプルなもので,部品は

1個でも少ない方がよいと思っての

ことです.F2aは感度が高いので

76

ゲインのあるライン・アンプを使え

を蝉管プッシュプルも可能です.

火を通すとF2aもZ2Cも

綺願に光り,思ったよりも明るい.しかし熱い

完成してすぐにJBLのメトロゴ

ンに繋ぎました今までメトロゴン

(130A+LE175)に繋いであった300

Bシングル・アンプと比べて,骨格

のしっかりとした音が飛び出してき

ました.プッシュプル特有の締まっ

た低音でいづものジャズが楽しく

開けます.JSのトランスはハイファ

イでなかなかよい音がします.この

組み合わせは成功でしょう.球の作

りがよいのか,どの球でもハムが少

なく,JBL130Aiでハムが出なけれ

ば大丈夫でしょう.ピアノ曲でもグ

ランドピアノの大きさがわかるスケ

ールの大きい音が響きます.その後,

シーメンスのコアキシャルに繋ぎ,

完全にドライブできました.

古いドイツの真空管やスピーカを

使っている人が最近周りに多く見ら

れます.とくにクラシック音楽が好

きで,繊細な方に多いような気がし

ます.ウエスタンやアルテックでも

良いのですが,シーメンスやクラン

グフイルム,テレフンケンといった

メーカーは,ロゴマークからも感じ

られる作りの良さが音に出ているよ

うに思います.F2aの互換球はあ

りませんが大変よい音の球だと思い

ます.次はシングル・アンプも作っ

てみたくなりました.

∴ 菊 酒 ∴U 一 ∴ ∵ :

注を/\

∴一 ∴∴ ∴ ∴ ∴「 「∴ ∴

∴一∴∴

三宮坪\/ii

∴i、

∴∴∴∴∴∴

∴∴∴

∴∴∴∵

∴  ∴∴ ∴

●シャ‾シは70mmと深めのため大型ATTもラクに収容できる

ラ ジオ技術