デジタル・ガバメントワークショップ...
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デジタル・ガバメントワークショップ開催報告
平成29年10月31日
電子行政分科会・規制制度改革ワーキングチーム事務局
資料1-2
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デジタル・ガバメントワークショップの開催について
①これまでの分科会・WTにおける議論に加え、②ワークショップ形式の会合を開催し、テーマに沿ってユースケース中心の議論を実施してはどうか
① 電子行政分科会・規制制度改革WTにおける議論 引き続き、横断的・枠組み的な取組や、重点的に進めるべき分野についての議論を実施
② ワークショップでのユースケース中心・具体的な議論 複数の具体的なテーマを選定し、利用者中心、ユースケース中心という観点から議論を実施 メンバーは各WS毎に、分科会・WTの構成員や各府省、外部有識者等から選定 ワークショップの成果は実行計画の策定や、各府省中長期計画等の取組にインプット 必要に応じ、実行計画策定後の継続開催も検討
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行政サービスのIT化に当たっては様々な課題が存在。何を目指すかをはっきりさせて、具体的なソリューションを議論する必要 分科会での議論とは別の機会を作り、ユースケースを絞って深掘りしたディスカッションをしたい ワークショップ形式でブレインストーミングを行うなどのサービスデザイン思考が必要。9月、10月でも、是非ワークショップ形式での開催を検討してほしい
年末の実行計画策定に向けて、利用者中心という視点から、具体的な議論を実施していく必要。 また、前回の合同会議において、構成員から、少人数形式での具体的な議論を求める意見が複数存在。
<前回(8/2)会合意見>
前回(9/5)会議資料
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各ワークショップの開催状況
〇本人確認等の在り方に関するワークショップ• 日時 :10/10(火)• 参加者 :官公庁、経済団体、弁護士、ITベンダ、シンクタンク、
セキュリティ関連団体等• 議論内容 :利用者中心という視点から、デジタル時代における適正な
本人確認の在り方について議論
〇ITガバナンスワークショップ• 日時 :10/11(水)• 参加者 :各府省副CIO(副CIO研修として開催)• 議論内容 :各府省におけるITガバナンス上の課題及び解決方策
について議論
〇サービスデザインワークショップ• 11月中旬の開催を予定• 「利用者目線でのサービスデザイン」について議論予定
次頁以降、結果概要
・本人確認等の在り方に関するワークショップ
・ITガバナンスワークショップ
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ワークショップ結果概要
<ワークショップ>
・基礎情報提供
・3チームでファシリテータを中心に議論
意見出し → 貼付・分類(議論しながら整理と追加意見出し)
・結果発表を行い、知見の共有と全体討論
本人確認等の在り方に関するワークショップ
開催日 :10月10日 15:00-18:30
場所 :内閣官房IT総合戦略室 尚友会館
参加者 :20人(官公庁、経済団体、弁護士、ITベンダ、シンクタンク、セキュリティ関連団体等)
内容 :利用者中心という視点から、デジタル時代における適正な本人確認の在り方につ
いて議論
参加者に共有された基本認識
本人確認に関して各参加者の基本的な認識に大きな差はなく、以下の点が明確化された。
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本人確認の機能
• 書類の真正性と送付者の本人性の確保という観点から、押印(印影)による本人確認には偽造が可能等の技術的な課題が存在する
• そもそも、本人確認や押印を慣習的に行っており、意義や有効性を考えると省略可能な手続きも多い
• マイナンバーカードに搭載されたJPKIでは、書類の真正性と送付者の本人性が高度に保証される
• 身分証明証による本人確認も、その意義や有効性から見直す必要がある
• 法人に関しても、電子委任状等で書類の真正性と送付者の本人性を保証するための環境整備が進む(電子証明書の価格が課題)
今、見直しをする意義• マイナンバー導入に伴いJPKIが広がる等、技術的転換点であり、今が押印見直し
のタイミングである
その他• 手続き以外の、文化的側面の賞状等の印鑑は今後も使われる。
本人確認見直しに向けての取り組み
取り組み手順(次回ワークショップテーマ) 各種制度での押印の目的・内容の再検討
• 押印、対面等の本人確認を求める手続きの法的根拠を再確認し、目的や代替処理の調査を行う
本人確認のレベル設定
• リスクとのバランスも考えたレベル分けを設定し、対面・押印などの複数の手段を選択可にする
• レベルの手続き内容と電子対応手段(署名・クリック・メール)の一覧化
• 例示を示すことにより、責任回避のためのレベルの高止まりを防ぐ
推進加速策
• 電子的手続きのほうが簡単にできるようにする等のインセンティブを考える
すぐにでも取り組むべきこと 委任状
• 紙の委任状を見直し、より安全な電子委任を普及
公印
• 手続きにおける公印は原則廃止ができないか検討する
7次回のワークショップで具体的な一覧の検討を行う予定
<ワークショップ>
・3チームでファシリテーター(政府CIO補佐官)を中心に議論
・課題の共有・整理
・村林構成員プレゼン
・課題の特定、解決策の案出し・特定
・発表・講評
ITガバナンスワークショップ
開催日 :10月11日 13:00-16:00
場所 :中央合同庁舎4号館共用1203会議室
参加者 :25人(副CIO:21人、CIO補佐官:4人)
その他参加者 :4人(村林構成員、遠藤CIO、向井副CIO、奥田参事官)
備考・副CIO向け研修の一環として開催
各省副CIOより共有された主な課題
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人材について システムの知識を持った職員が少ない中、一部のプロパー職員や任期付職員に
頼り、ガバナンスが十分でいないおそれがある。 IT・システムに関するノウハウを継承することが難しい。 投資効果を測ることはできても、企画・立案をする能力が乏しい。 PJMOがベンダーと渡り合えず、PMOもそれを補いきれていない。
組織について コスト削減効果の測定はシステム担当で可能でも、業務担当を巻き込んだBPRの
企画・立案にまで展開できていない。 組織内でITの必要性・有効性に関する理解を浸透させる必要がある。 CIO、副CIO、PMO、PJMOの役割(権限・所掌)が明確でない。 強力な原局がPMOに対して非協力的である場合、横串対応に苦慮する。
文化・情報について IT技術は進展のスピードが速く、習得コストがかかる。 PJMOからPMOへの情報提供が遅いため、適切な対策を検討できない。
各省副CIOより共有された主な解決策案
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人材について 役割に応じた省内研修や、併任等を活用した情報連携強化により、「横串」の必要性を
理解した人材を育成する。 他府省やベンダ等外部組織との意見交換等、最新情報の収集を実施する。 必要に応じ中途採用による即戦力職員を確保する。 システム運用の外部委託を進めることにより、外部委託者よりシステム運用のノウハウを
学ぶ。 知識を増やす意欲がある人に対して、積極的にフォローアップや情報提供を行う。
組織について ガイドライン等で、各人の具体的な役割や動き方を明示しつつ、組織内での理解の浸透
や、モチベーション向上につながるBPR等の具体的な実践を通じた役割の定着を図る。 日頃から職員の意識を変えておくことで、大きな流れをしっかりと利用できるような体制を
整える。
文化・情報について CIO補佐官への相談を促す環境を整備する。 適切な職員に適切なタイミングで情報を共有するための仕組みを整備する。 ODB(政府情報システム管理データベース)等の利便性を高め活用し易くする。
次回ワークショップでは、PMO体制の強化や、より良い調達のための取組等、特定のテーマに絞って議論を実施する予定。
参考1
本人確認等の在り方に関するワークショップにおける各種意見
・本人確認
・押印制度
・今後の方向性
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全般
押印や対面は全廃に向けて考えるべき
方式の変更には移行期間が必要である
対面の確認
対面による身分証を確認する意味がどこまであるのか不明
その目的、必要性、有効性はそもそも何であったか曖昧
レベルの必要性
どんな手続きに本人確認が必要なのであろうか?
本人確認のレベル/方法は統一すべし(レベル分け)
そのレベル感はリスク分析によって図られるべき
本人確認の必要条件
必要条件を洗い出せば、不要な手続きが見えて来るのでは?
本人確認の方法
本人確認できる証明書による方法
印による方法
署名による方法
登録済み電話番号による方法
登録済みメールアドレスによる方法
クリックによる意思確認
初回での対面確認12
本人確認
押印制度
押印の目的
書面に押印している根拠を確認したい(銀行・不動産取引)
そもそも銀行は本人確認が本質であり、押印が目的ではないはず
最終的に誰に何を証明するものであったのか、目的を再点検したい
押印の効果
押印の効果はなぜあるのか?特に認印については心理効果のみ?
日本社会では、印鑑で本人確認ができるという思い込みがあり、「本能的」に使っている要素がある
レベルによる見直し
認印は容易に入手でき、かえって電子署名の方が安心
認印など、印鑑証明がない押印は不要なのではないか?
本人確認のレベル感はリスクと納得感のバランスではないか
機能性
誰に対して何を確認していているのか、また押印理由の整理が必要
押印より署名の方が本人確認には適していると思う
電話等契約時の法人の印鑑証明書は、実在性確認しているだけであれば不要ではないか
実施する根拠
機能というよりも法令等に記載されているため
文化
デジタル時代において押印は、手続きというより慣習や文化でしかない
印章や落款印としての文化として考えるのではないか13
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今後の方向性
押印理由の整理
法的根拠を確認する、その結果、誰も押印を求めていない申請書が出てくると思う
押印廃止と代替手段
諸手続きにおける物理押印は原則、無くすことで検討していきたい
デジタル時代においては、マイナンバー/マイナンバーカードを徹底活用していきたい
マイナンバーの表面とJPKIで多くのものが代替できる
ユースケースを想定して検討する必要がある
紙と電子申請は分離して検討すべき。紙の真正を電子化すればよいものではない。
民間サービスの利用も想定するべき
インセンティブの付与
代理/委任も押印よりも電子署名の方が安全であるというインセンティブ
紙申請と電子申請は分離して進め、電子申請においては、行政機関からのプッシュ型通知など、多彩なオプションを設定し、価値を高めて行くべき
職員側のインセンティブとして業務が楽になるということが重要
ホワイトリスト化
押印しなければいけない手続きの一覧(ホワイトリスト形式)を作成し、限定しても良いのではないか
ホワイトリストに登録する基準・審査を明確にすることで、申請・手続きの電子化を促進したい
参考2
市民参加型 官民押印見直しワークショップ
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民間のワークショップ(Code for Japan Summit 2017)
主な意見
殆どの手続きで惰性で印を押していたが、押印はいらない。(施設予約、請求書等)
押印で何を証明しているのかわからないものも多い。(委任状等)
エストニアでも対面で行っている結婚、土地取引等の5つの手続き以外は、押印はいらない。
簡易な手続きは、クリックとかで本人確認できる。
領収書は日々の精算業務で出てくるので押印不要となれば楽になる。
大手企業が押印を求める場合が多い。
企業は、税務や裁判で、もしも、印影が必要と言われたときのために印を求める。
マイナンバーカードを持っている人は押印しなくてよくすればよい。
押印の代替としてマイナンバーカードの活用場面が増えるのではないか。 16
開催日 :9月24日 15:00-18:30
場所 :しあわせの村(神戸市)
参加者 :20人(府省、自治体、CivicTech関係者、市民)
内容 :デジタル時代における押印について議論
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グラフィックレコーディング
※グラフィックレコーディングとは、議論内容をリアルタイムにビジュアル化する議事の記録手法
参考3
ITガバナンスワークショップにおける各種意見
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「人材」に関する課題や解決策案
業務の偏り 特定の職員への依存度が高い。 システムの知識を持った職員が少ない中、
特定の職員に頼っている。 人材不足を、民間企業からの任期付職員
に頼って回している。 業務の理解不足
PJMOがベンダーと渡り合えないことに加え、それをPMOが補うことができていない
誰が、どのタイミングで、何をすべきか理解していない者が多い。つまり、組織内での役割を理解できていない職員が多い。
情報システム関係の業務に従事した経験のある職員が少なく、業務プロセスを理解していない職員もいる。
その他 投資効果を図ることはできても、企画・立
案をする能力が乏しい。 IT人材が不足。職員はシステムをやるた
めに入ってきているわけではない。
採用 民間人材を積極的に登用することも含め
て、人事施策が重要である。 中途採用を進め、即戦力となる職員を確
保すべきではないか 育成
PMOやPJMOなど、実務者レベルの研修が必要。
知識を増やす意欲がある職員に対して、積極的にフォローアップや情報提供をする仕組みを確立することが有効。
ベンダが開催するユーザ会への出席 他省庁のベンダ対策先行事例の共有 サイバーセキュリティ・情報化審議官の交
流の場(現役・OB含め)を作る システム運用の外部委託を進めることに
よるノウハウの導入
<課題> <解決策案>
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「組織」に関する課題や解決策案
役割 ガイドライン等で、各人の具体的な役割や
動き方を明示することが必要。 原課との関係
PJMOがより話しやすいであろうCIO補佐官への相談を促す環境を整備
PMOが号令をかけるだけでなく一緒になって対応することや仕組みが必要。
標準ガイドラインの勉強会をするなど、省内での一体運営を導く対応をすることが有効。
PJMOがCIO補佐官を活用することが有効。
<課題> <解決策案> 役割
CIO、PMO、PJMOの役割(所掌)が明確でない。
PMO、PJMOに対する省内の理解が足りない。
PMOが文書管理業務など他の業務と兼務。なんでも屋になってしまっている。
原課との関係 組織が縦割りになってしまっている。 強力な原局が存在し、PMOに対する協力
姿勢が異なっており、横串対応に大変苦慮している。
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「文化・情報」に関する課題や解決策案
文化 出向者のそれぞれ親元省庁が違うため、
業務上の連携が不足。 情報
情報が展開されないことが多く、タイムリーな情報共有が必要。
プロパー職員が少なく、他府省からの出向が多い。こうした中、IT・システムに関するノウハウを継承することが難しい。
文化 システムに関する成功例、失敗例を省内
で横展開することは実践に役立つ。 各人に必要な情報を整理し、情報を体系
的に提供することが有効。 中長期目標を確立するとともに、あるべき
姿を定義することが有効。また、現状とのギャップを補正する仕組みの確立が必要。
言われたからやるでは進まない。自発的な取組を生み出すために、日々の意識改革と、そのためのトップのコミットメントが必要。
情報 PMO等原局の補佐クラス(11名)をPMO
に併任し、全体の底上げ及び円滑な情報共有を図っているという事例あり。
元号の改元に関することなど府省庁共通な課題については、IT室が対応方針を示して、縦ラインで連絡することが必要。
<課題> <解決策案>
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議論模様