リードレスペースメーカ開始 ·...

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【速報】NPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)は11月23日、ミャン マーの少数派イスラム教徒であるロヒンギャ難民に医療支援を行 うため、バングラデシュに医師2人を派遣した。隊員は湘南鎌倉 総合病院(神奈川県)の河内順・副院長兼主任外科部長と福岡徳 洲会病院の鈴木裕之・救急科医長。 ロヒンギャはミャンマー西部のラカイン 州を根拠地としていたが、同国の多数派で ある仏教徒から歴史的な背景などにより迫 害を受け、隣国のバングラデシュに流入。 同国南部のコックスバザール県にある難民 キャンプで、60万〜80万人が生活している。 TMATは1月、現地で医療支援活動を実施しているNPO法人 AMDA(岡山県)バングラデシュ支部の協力の下、現地調査を実施。 同支部の活動に協力する形でTMATの派遣が可能か否か探るため、 AMDAが仮設診療所を開設しているクトゥパロンというエリアを中 心に調査した。 患者さんの多くは女性や子ども、高齢者で、同診療所には1日 平均120人程度が訪れ、主訴は感冒症状、発熱、消化器症状、 皮膚症状が多く、妊婦さんの姿もあった。医薬品などは外国から の持ち込みが厳しく規制され、原則、バングラデシュ国内の医薬 品などだけを使用することになっている。 今回、バングラデシュ政府より、外国人ボランティアの難民キャ ンプ立ち入り許可が下りたことを受け、AMDAと合同で日本から医 師を派遣することになった。TMAT隊員の活動期間は1週間の予定。 10 1 10 24 25 75 11 宇和島徳洲会病院(愛媛県)は10月 17日、院内の介護職員を対象に「ユマ ニチュード研修」を行った。ユマニチ ュードは「人間らしさ(ヒューマニチュー ド)」という考え方に基づく、フランス 発祥の認知症ケア技法。近年、日本 の医療機関や介護施設でも普及しつ つある。講師は同技法について学んだ大野恵・看護主任が務めた。 研修に先立ち、貞島博通総長が挨拶。ユマニチュードを「認知症 患者さんはもちろん、すべての患者さんに通じるケア」とし、「病院 全体で広めたい」と呼びかけた。 研修では大野・看護主任が基本を解説。ユマニチュードの哲学 をはじめ、4つの柱(①見る、②話す、③触れる、④立つ)と5つのス テップ(①出会いの準備、②ケアの準備、③知覚の連結、④感情の 固定、⑤再会の約束)それぞれについて具体的な対応法を示した。 途中、同院教育担当の毛利桂子看護師と、実際にユマニチュード を用いたケアについてデモンストレーションを行う場面も見られた。 最後に大野・看護主任は「これらをケアに活用することで、ケア が困難な方の拒否的行動が減少し、患者さんはもちろん、ケアをす る人の介護負担も軽減します」と締めくくった。同院は、これまでも ユマニチュードをテーマとした院内の全体研修や各部署の勉強会を 随時、実施。川口加代子・看護部長は「宇和島市の高齢化率は約 37%。認知症対応は取り組まなければならない課題のひとつなの です」と強調している。 「ユマニチュードを病院全体で」 宇和島病院が研修実施 仏発祥の認知症ケア技法 多くのスタッフが出席。病院挙げて 取り組む ロヒンギャ難民に医療支援 バングラデシュへ隊員派遣 NPO 法人 TMAT 余目病院 千葉西総合病院 札幌東徳洲会病院 大隅鹿屋病院(鹿児島県) 湘南鎌倉総合病院(神奈川県) 宇治徳洲会病院(京都府) 中部徳洲会病院(沖縄県) 岸和田徳洲会病院(大阪府) 名古屋徳洲会総合病院 福岡徳洲会病院 庄内余目病院(山形県) 南部徳洲会病院(沖縄県) リードレスペースメーカを導入 している徳洲会グループ病院 (2018 年 1 月〜 10 月購入ベース) カテーテルによって心臓内に留置 10 円玉と、ほぼ同じサイズのなかに電極、電気 回路、電池を格納(画像提供:日本メドトロニッ ク) 従来のペースメーカ(左)とリードレスペースメーカのイメージ図(画像提供:日本メドトロニック) 「ペースメーカを意識せ ず生活できます」と菊池 副院長 湘南鎌倉総合病院腎臓病総合医療センターは、新たに急性腎不 全に対する自己末 まっ しょう 血CD34陽性細胞移植による再生治療(臨床 研究) を開始しました。輸液など保存的治療に抵抗性があり、 血液 透析治療を必要とする急性腎不全患者さんで、治療に同意いただ ける方が対象(候補)です。ヒトを対象とする再生医療としては初め ての試みですが、すでに特定認定再生医療等委員会での審査を経 て、当局からの承認を得ています。治療をお受けいただけない場合 (除外基準)もありますので、詳細は下記の問い合わせ先までご連 絡ください。 【問い合わせ先】 大竹剛靖・湘南鎌倉総合病院副院長 腎臓病総合医療センター腎免疫血管内科主任部長 または臨床研究センター事務局 T E L:0467-46-1717 F A X:0467-45-0190 Email [email protected] 再生医療の患者さん募集のご案内 1 月の現地調査時に撮影し た難民キャンプの様子 命だけは平等だ 平成 30 11 26 日 月曜日│No. 1161 11 26月曜日 発行:一般社団法人徳洲会 〒102-0074 東京都千代田区九段南1-3-1 東京堂千代田ビル14階 TEL:03-3262-3133 制作:一般社団法人徳洲会 広報部 〒102-0074 東京都千代田区九段南1-3-1 東京堂千代田ビル14階 TEL:03-3288-5580 FAX:03-3263-8125  Email:news@tokushukai.jp No. 1161 26/NOV. 2018 TOKUSHUKAI MEDICAL GROUP NEWS

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Page 1: リードレスペースメーカ開始 · 透析治療を必要とする急性腎不全患者さんで、治療に同意いただ ける方が対象(候補)です。ヒトを対象とする再生医療としては初め

【速報】NPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)は11月23日、ミャンマーの少数派イスラム教徒であるロヒンギャ難民に医療支援を行うため、バングラデシュに医師2人を派遣した。隊員は湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の河内順・副院長兼主任外科部長と福岡徳洲会病院の鈴木裕之・救急科医長。ロヒンギャはミャンマー西部のラカイン州を根拠地としていたが、同国の多数派である仏教徒から歴史的な背景などにより迫害を受け、隣国のバングラデシュに流入。同国南部のコックスバザール県にある難民キャンプで、60万〜80万人が生活している。TMATは1月、現地で医療支援活動を実施しているNPO法人

AMDA(岡山県)バングラデシュ支部の協力の下、現地調査を実施。同支部の活動に協力する形でTMATの派遣が可能か否か探るため、AMDAが仮設診療所を開設しているクトゥパロンというエリアを中心に調査した。患者さんの多くは女性や子ども、高齢者で、同診療所には1日

平均120人程度が訪れ、主訴は感冒症状、発熱、消化器症状、皮膚症状が多く、妊婦さんの姿もあった。医薬品などは外国からの持ち込みが厳しく規制され、原則、バングラデシュ国内の医薬品などだけを使用することになっている。今回、バングラデシュ政府より、外国人ボランティアの難民キャ

ンプ立ち入り許可が下りたことを受け、AMDAと合同で日本から医師を派遣することになった。TMAT隊員の活動期間は1週間の予定。

場合、③症状のある徐脈

性心房細動または洞機能

不全症候群で、右心房へ

のリード留置が困難な場

合、④鎖骨下アプローチ

ができない場合――とし

ている。

菊池副院長はPCI(経

皮的冠動脈形成術)をは

じめ、CAG(心臓カテ

ーテル検査)、心房細動

など不整脈に対するカテ

ーテルアブレーション

(心筋焼

しょう

灼しゃく

術)、PTAV

(経皮的大動脈弁形成術)、

重症下肢虚血に対する血

行再建術など幅広い治療

に取り組み、また今回の

ように新たな治療法を取

り入れながら、今後も地

域医療の充実に尽力して

いく考えだ。

性もしくは持続性の高度

房室ブロックで、右心房

へのリード留置が困難な

ー、気胸といった合併症

がありません。植え込み

後の運動制限もなく、外

見からはわかりませんの

で、ペースメーカの存在

を意識せずに生活できま

す。とくに感染を起こし

やすい透析患者さんや、

カテーテルで低侵襲に植

え込みができ身体的負担

が小さいことから高齢の

患者さんなどに向いた治

療です」とアピール。

続けて「条件付きです

が、植え込み後にMRI

(磁気共鳴画像診断)検

査も可能です。また電池

は10年もつとされており、

電池が切れた場合でも、

新たに別のリードレスペ

ースメーカを追加留置で

きます。最大3個まで留

置可能となっています」

と説明する。

日本不整脈心電学会の

基準をふまえ、同院では

リードレスペースメーカ

による治療対象として、

(鼠そ

径けい

部)の静脈から挿

入した専用のカテーテル

を通じ、心臓内に直接ペ

ースメーカを送り込んで

留置する。右心室内の心

壁に小さなフックで取り

付け固定。手術時間は約

1時間で入院は2〜3日。

一方、従来のペースメ

ーカは外科手術で胸部の

皮下に、本体を入れる小

さなポケットをつくる。

その後、鎖骨の下を通る

静脈にリードを通し、右

心室の適切な位置まで挿

入。リードを本体につな

ぎ、本体を皮下ポケット

に納める。手術時間は1

時間半〜2時間で、入院

期間は約1週間。合併症

として感染症や金属アレ

ルギー、肺の近くの静脈

から入れるため気胸など

リスクがあり、植え込み

後は運動制限もあった。

治療を手がける菊池

正・副院長兼心臓センタ

ー長兼循環器内科部長は

「リードがなく心臓内に

直接留置するため、従来

のペースメーカで見られ

た感染症や金属アレルギ

常にコンパクトだ。製造

販売する日本メドトロニ

ックによると、10月末時

点の導入施設数は全国で

357施設。

手術では、足の付け根

え込み術だ。ペースメー

カは心臓を24時間監視、

心臓の電気信号の異常を

感知し、人工的に電気信

号を発して正常な脈に戻

す医療機器。

庄内余目病院が今年8

月、新たに導入したリー

ドレスペースメーカは電

極と電気回路、電池のす

べてが一体化した装置で、

長さ25・9㎜、外径6・

7㎜、重さ1・75gと非

不整脈のなかでも心臓

の脈が遅くなるのを徐脈

性不整脈という。一時的

な意識消失や、めまい、

息切れ、眼前暗黒感など

の症状が現れる。一般的

な治療法として確立して

いるのがペースメーカ植

庄内余目病院(山形県)はリードレスペースメーカを用いた不整脈治療を開始した。

2017年9月に保険適用となったカプセル型の新しいペースメーカで、カテー

テルにより、心臓の右心室内に留置する。従来のペースメーカのように心臓が出

す電気信号を感知したり電気刺激を伝えたりするための電極と本体を結ぶリード

(電線)がないのが特徴。感染症などの合併症回避が期待できるほか、運動制限も

ないといったメリットがある。徳洲会グループでは同院を含め計11病院がリード

レスペースメーカによる治療に取り組んでいる。

宇和島徳洲会病院(愛媛県)は10月17日、院内の介護職員を対象に「ユマニチュード研修」を行った。ユマニチュードは「人間らしさ(ヒューマニチュード)」という考え方に基づく、フランス発祥の認知症ケア技法。近年、日本の医療機関や介護施設でも普及しつ

つある。講師は同技法について学んだ大野恵・看護主任が務めた。研修に先立ち、貞島博通総長が挨拶。ユマニチュードを「認知症

患者さんはもちろん、すべての患者さんに通じるケア」とし、「病院全体で広めたい」と呼びかけた。研修では大野・看護主任が基本を解説。ユマニチュードの哲学

をはじめ、4つの柱(①見る、②話す、③触れる、④立つ)と5つのステップ(①出会いの準備、②ケアの準備、③知覚の連結、④感情の固定、⑤再会の約束)それぞれについて具体的な対応法を示した。途中、同院教育担当の毛利桂子看護師と、実際にユマニチュードを用いたケアについてデモンストレーションを行う場面も見られた。最後に大野・看護主任は「これらをケアに活用することで、ケア

が困難な方の拒否的行動が減少し、患者さんはもちろん、ケアをする人の介護負担も軽減します」と締めくくった。同院は、これまでもユマニチュードをテーマとした院内の全体研修や各部署の勉強会を随時、実施。川口加代子・看護部長は「宇和島市の高齢化率は約37%。認知症対応は取り組まなければならない課題のひとつなのです」と強調している。

「ユマニチュードを病院全体で」宇和島病院が研修実施

仏発祥の認知症ケア技法

多くのスタッフが出席。病院挙げて取り組む

ロヒンギャ難民に医療支援バングラデシュへ隊員派遣

NPO法人TMAT

リードレスペースメーカ開始

カテーテルで心臓内に直接留置

庄 内余 目 病 院

千葉西総合病院札幌東徳洲会病院大隅鹿屋病院(鹿児島県)湘南鎌倉総合病院(神奈川県)宇治徳洲会病院(京都府)中部徳洲会病院(沖縄県)岸和田徳洲会病院(大阪府)名古屋徳洲会総合病院福岡徳洲会病院庄内余目病院(山形県)南部徳洲会病院(沖縄県)

リードレスペースメーカを導入している徳洲会グループ病院

(2018年1月〜10月購入ベース)

カテーテルによって心臓内に留置

10円玉と、ほぼ同じサイズのなかに電極、電気回路、電池を格納(画像提供:日本メドトロニック)

従来のペースメーカ(左)とリードレスペースメーカのイメージ図(画像提供:日本メドトロニック)

「ペースメーカを意識せず生活できます」と菊池副院長

①心房細動を合

併し、症状のあ

る発作性もしく

は持続性の高度

房室ブロックの

場合、②心房細

動を合併しない、

症状のある発作

合併症の回避などメリット

 湘南鎌倉総合病院腎臓病総合医療センターは、新たに急性腎不全に対する自己末

ま っ

梢しょう

血CD34陽性細胞移植による再生治療(臨床研究)を開始しました。輸液など保存的治療に抵抗性があり、血液透析治療を必要とする急性腎不全患者さんで、治療に同意いただける方が対象(候補)です。ヒトを対象とする再生医療としては初めての試みですが、すでに特定認定再生医療等委員会での審査を経て、当局からの承認を得ています。治療をお受けいただけない場合(除外基準)もありますので、詳細は下記の問い合わせ先までご連絡ください。【問い合わせ先】大竹剛靖・湘南鎌倉総合病院副院長 腎臓病総合医療センター腎免疫血管内科主任部長または臨床研究センター事務局T E L:0467-46-1717 F A X:0467-45-0190Email:[email protected]

再生医療の患者さん募集のご案内1月の現地調査時に撮影した難民キャンプの様子

徳 洲 新 聞徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❶ 平成 30 年 11月26 日 月曜日 │ No.1161

11月26日 月 曜 日

発行:一般社団法人徳洲会  〒102-0074 東京都千代田区九段南1-3-1 東京堂千代田ビル14階

TEL:03-3262-3133制作:一般社団法人徳洲会 広報部 〒102-0074 東京都千代田区九段南1-3-1 東京堂千代田ビル14階 TEL:03-3288-5580 FAX:03-3263-8125  Email:[email protected]

No.116126/NOV. 2018

TOKUSHUKAI MEDICAL GROUP NEWS

Page 2: リードレスペースメーカ開始 · 透析治療を必要とする急性腎不全患者さんで、治療に同意いただ ける方が対象(候補)です。ヒトを対象とする再生医療としては初め

冒頭、八尾徳洲会総合

病院(大阪府)の坂野千

賀・薬局主任が「自院で

活動していて、他の施設

ではどうしているのか聞

きたい時に、一番声をか

けやすいのが今回参加し

ているメンバーだと思い

ます。ぜひ交流を深めて

ください」と挨拶。

参加病院の年間業務報

告に続き、各病院が演題

発表を行った。最も多か

った内容は「フリースタ

イルリブレ」に関する報

告。同製品は間質液中の

グルコース値を連続的に

測定・記録するもので、

2017年9月に発売さ

れた。痛みがなく、服の

上からでも簡単に測定で

き、一度センサーを装着

すると最長で14日間、グ

ルコースデータを提供で

きるなどメリットがある。

発表では同製品の運用

方法やコスト、課題など

について4病院がそれぞ

れ報告。たとえば大垣徳

洲会病院(岐阜県)の堀

浩子薬剤師は、使い方や

画面の見方など患者さん

にわかりやすく指導する

にはどうすれば良いか、

工夫など交え説明し「患

者さんの理解が弱いと、

継続して使用していただ

けなくなる可能性がある

ので、最初の指導は大切

です」と強調した。

このほか、リラグルチ

ド(GLP–

1受容体作

動薬)やメトホルミンな

どに関する調査報告や、

感染対策、啓発活動、専

門医不在の取り組みなど

多種多様なテーマが挙が

った。和泉市立総合医療

センター(大阪府)の氏

川郁穂薬剤師は「インス

リン指導における多職種

間の認識度の違い」がテ

ーマ。医師、看護師、薬

剤師にアンケートを実施

した結果、重要と考える

視点が職種により異なる

点に触れ、「今回のアン

ケート結果をふまえ、よ

り良い糖尿病療養指導に

つなげていきたい」と意

気込みを見せた。

続いて、松原徳洲会病

院(大阪府)の岸井昭人・

薬局主任と吹田病院の永

沼智至・薬剤部副主任が

講師となり、症例検討会

を実施。参加者が8チー

ムに分かれてグループデ

ィスカッションを行い、

各代表者の発表に対して

質疑応答しながら進行。

症例1は典型的なメタ

ボリックシンドロームの

患者さんに関する出題。

アクションとして食事指

導、運動療法、禁煙指導

などを挙げ、具体的な薬

剤の変更や追加を提示し

た。症例2はフリースタ

イルリブレを装着してい

る患者さんからの出題。

患者背景とリブレのデー

タを用いて課題を考察、

さらに患者指導、処方提

案など解説した。

最後に岸井主任が総括。

「今回はフリースタイル

リブレに関する発表が多

く、新しい取り組みは、

どの病院でも試行錯誤し

ていますが、情報共有が

できて良かったです。薬

剤師として、どのように

糖尿病治療にかかわって

いけるか考えていきまし

ょう。今回の交流をこれ

からの業務に生かしてく

ださい」とまとめた。

うえで、大切な要素は病院の中

だけでなく外にもあります。新

規の入院患者さんを確保するた

めに、グループ外の施設の情報

を得たり、当医療圏外のグルー

プ病院・施設との情報交換・共

有を行ったりすることなどが課

題と考え、当院職員が他施設に

出向いて行う医療講演を積極的

に実施するようにしました。

15年からは一般の方を含め、

地域の公民館などで一次救命処

置法(BLS)の講習会を定期

的に開いています。講師を務め

るのは、TCLS(徳洲会二次

心肺蘇生救急教育)コースを修

了した当院の看護師です。

中学生を対象にBLSを実施

高校看護学生実習受け入れも

昨年からは地元の中学生を対

象としたBLS講習会をスター

ト。指い

ぶすき宿

市立山川中学校では2

年生の全生徒を対象に実施しま

した。同校では2年生の保健体

育の授業で救命処置を学ぶ座学

のカリキュラムがあるものの、

実習の時間がありません。実際

に救命処置を要する場面に遭遇

した場合には、事前に実技訓練

を受けておくことが望ましいこ

とから、講習会の開催を依頼さ

れました。

生徒たちは、初めて使用する

AED(自動体外式除細動器)

や人型のシミュレーター(医療

訓練用人形)にとまどいながら

も真剣に取り組んでいました。

加えて、指宿市が運営する恒

例の「いぶすき菜の花マラソン」

では救護班として参加。参加者

が約2万人に及ぶため、けがな

どで救護所を訪れる人は少なく

山やまがわ川

病院は2006年9月、

山川クリニックと、同じ南な

んさつ薩

健医療圏にあった徳洲会グルー

プの岡元内科病院が合併して誕

生しました。

1997年から2003年に

かけて、同一の医療圏内にクリ

ニックを中心として徳洲会グル

ープ7施設が開業しましたが、

当院はクリニック時代を含め、

その中心的な施設として運営を

行っていました。

グループのほかの施設と連携

するなかで、経営的には、それ

ほど苦労なく運営できていたと

思います。しかし、それぞれの

施設が経営不振のため閉鎖し、

現在は当院と開か

いもん聞クリニック、

生ぬく

見み

クリニックだけとなってし

まいました。その影響は、やは

り大きく、当院も徐々に経営が

困難となってきました。

全員参加の病院運営を推進

他施設での医療講演も開く

こうしたなか、経営改革の一

環として、全員参加の病院運営

を推進するため、朝礼や8時会

などの場で、職員に病院運営に

対する積極的な参画をお願いし

ました。そのかいもあり徐々に

経営を改善していくことができ

るようになりました。

しかし、インフルエンザや感

染性胃腸炎の流行、近隣病院の

閉鎖など、偶発的な要素による

“追い風”で救われている部分

も多く、まだまだ不安定な状況

と言わざるを得ません。

今後、厳しい経営環境のなか

で、小規模病院が生き残るため

に何かを行う必要があると感じ

ています。安定した経営を行う

ありません。傷病者がいると連

絡が入れば、現場に駆け付けた

りもしています。過去、大雨が

降った大会では、50人近い低体

温症のランナーを当院で受け入

れた例もあります。

県内にある高等学校看護学科

の学生実習の受け入れにも取り

組んでいます。学生の指導を通

じて、新鮮な気持ちになったり、

自分たちにとっても学びの機会

になったりしています。この学

生のなかから、当院で仕事をす

る人が出てくるのではないかと

期待しています。

こうした地域での活動に加え

て、病院を支えてくれている健

康友の会との関係強化も、今ま

で以上に取り組まなければなり

ません。友の会は、私が当院に

赴任し、すぐに立ち上げた組織

で、今年で21年目になります。

年々、高齢化とともに会員数は

減少していますが、当院をご理

解いただいている大切な方々で

す。今後、会の発展を考えるこ

とが、とても重要なことと感じ

ています。

今年に入ってからは、市民楽

団である指宿吹奏楽団を招き、

当院初の院内コンサートを開催。

1階ロビーに約50人の患者さん

やご家族が集まり、大変盛況な

会となりました。今後も、こう

した癒やしのひと時を提供して

いきたいと考えています。

小規模病院であっても、医療

機関という公的な施設として、

地域への貢献や奉仕は重要です。

職員とともに取り組み、当院を、

そして地域を盛り上げていきた

いと思います。

皆で頑張りましょう。

徳洲会薬剤部会は10月6日、吹田徳洲会病院(大阪

府)で第41回西日本糖尿病研究会を開催した。同会

は糖尿病に関する各病院の取り組みや新しい知見を

共有することで、糖尿病治療への薬剤師の参画を後

押しするのが狙い。西日本のグループ病院16施設か

ら40人以上が参加した。11月18日には東京西徳洲会

病院で東日本糖尿病研究会を開催。

西日本の徳洲会16病院から40人以上が参加し交流

札幌徳洲会病院は北海

道電気保安協会による定

電気設備の点検を担当した佐竹課長(左)と南主任

自家発電の供給量把握

―札幌病院

期設備点検の際に、自家

発電設備の電力供給量と

実際の使用バランスの検

証を行った。これは万が

一の事態に備え、自家発

電により、使用できる電

気の量と時間が、病院全

体でどのくらいあるのか

把握するのが目的。

背景には9月6日に発

生した北海道胆い

振ぶり

東部地

震での全道停電がある。

同院では2つの自家発電

設備が停電直後より稼働

し、病院全体で節電しな

がら運営したものの、余

力がどの程度あるか確証

がなく、手探りの節電で

あった。

佐竹秀幸・経理課課長

は「今回の結果から、震

災時は自家発電設備の能

力に比して15%前後の発

電量だったことがわかり

ました。燃料の供給とい

う課題がクリアされれば、

停電があっても、より快

適な病院運営ができる余

地があります」と振り返

る。南竜二・資材課主任

は「今回の結果を生かし、

燃料の備蓄と自家発電を、

どの電気設備に供給する

かあらためて検討し、医

療パフォーマンスの向上

に設備工事を提案してい

きます」と展望している。

野の

口ぐ ち

修しゅう

二じ

山やまがわ川病院院長(鹿児島県)

安定経営の大切な要素は病院の外にある

小規模病院として生き残るには積極的に院外へ出向き地域貢献

新・血糖測定器など話題

西日本糖尿病研究会開く

徳 洲 会薬剤部会

徳 洲 新 聞生い の ち

命だけは平等だ 平成 30 年 11月26 日 月曜日 │ No.1161 ❷

Page 3: リードレスペースメーカ開始 · 透析治療を必要とする急性腎不全患者さんで、治療に同意いただ ける方が対象(候補)です。ヒトを対象とする再生医療としては初め

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は10月18日、院内講堂で第1回湘南集束超音波治療フォーラムを開催した。同会は地域の医療施設に対し、同院で2017年に開始したMRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)の治療成績などを紹介するのが目的。同治療はMRI(磁気共鳴画像診断)で患部の位置と温度をモニタリングしながら、約1,000本の超音波を一点に集中させ患部を

熱凝固する治療法だ。冒頭、亀井徹正総長の挨拶の後、伊藤恒・神経内科部長が「MRガイ

ド下集束超音波治療と対象疾患」をテーマに講演。同治療機は日本に9台しかないことや、MRgFUSの原理、3泊4日で行う治療の流れ、有害事象などを解説。「頭髪の完全な剃

ていもう

毛が必要ですが、他の治療に比べ低侵襲で放射線被ばくが少ないことがメリット。すぐに治療効果を確認することもできます」と強調した。次に湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の山本一徹・脳神経外科医師が

「MRガイド下集束超音波治療の治療経験」と題し講演。本態性振戦と振戦優位型パーキンソン病の治療成績を説明するとともに、臨床試験の終了と、本態性振戦の自由診療開始をアピールした。また、ジスキネジア(不随意運動の一種)を呈するパーキンソン病の臨床試験は治療希望者を募集中であると報告、最後に治療を受けた患者さんの喜びの声も紹介した。新百合ヶ丘総合病院の山口敏雄・放射線診断研究所所長は「MRガイ

ド下集束超音波治療の展望」をテーマに講演。同治療の歴史から現在行われている研究、さらに日本と世界での展望などに触れ、湘南藤沢病院の治療成績の良さにも言及した。

厚生労働省は、発病の

仕組みが不明で、治療法

が未確立の希少疾患、長

期療養を必要とする疾患

を「難病」と定義。さら

に、難病のなかでも患者

数が人口の0・1%程度

以下で、良質かつ適切な

医療の確保を図る必要性

が高く、客観的な診断基

準が確立している疾患を

「指定難病」とし、助成

対象にしている。「難病

の患者に対する医療等に

関する法律」が施行され

た2015年1月、指定

難病は110疾患だった

が、今年4月に331疾

患にまで増えた。

大阪府の難病患者在宅

医療支援事業は、こうし

た難病患者さんが安心し

て在宅で療養を続けられ

るように、難病専門病院

が地域の医療・介護施設

などと連携し、在宅での

難病医療を支援、推進す

る。大阪府からの委託を

受け現在、和泉医療セン

ターを含む府下7病院が

同事業に取り組んでいる。

和泉医療センターで中

心的な役割を担う中村雄

作・院長代行兼脳神経内

科部長は、「難病患者さ

んや、そのご家族に対し、

入院中から支援しながら、

退院後の療養生活への不

安にも対応していきます。

そのためには院内のスタ

ッフはもちろん、地域の

医療関係施設との連携が

必要です。今回の研修会

は初開催なので、地域の

方々としっかり情報共有

をしたい」と説明。

研修会は同院の上野周

一・脳神経内科医師が座

長を務め、「当院の主な

難病患者支援について」

をテーマに、まず佐竹夏

希看護師が「レスパイト

入院の受け入れ体制」と

題し発表した。レスパイ

ト入院とは、介護者の負

担軽減(息抜き)を目的

に受け入れる入院のこと。

この対象患者さんや受け

入れの流れ、退院時の対

応など説明し、「短期間

の入院のため、迅速に情

報収集・提供を行えるよ

う、訪問看護師などと密

な連携が必要です」と展

望を示した。

次に三宅夏子看護師(難

病センター)が「同行訪

問について」と題し発表

した。同行訪問とは、同

院スタッフが地域の主治

医や訪問看護師などに同

行し、診察・相談を受け

ることで、在宅ケアの向

上や支援不安の解消など

が目的。同院は、これま

でに11件の訪問を実施、

そのなかから事例を提示

し、同行訪問の流れや実

績など紹介した。

休憩後、大阪大学大学

院医学系研究科地域ヘル

スケアシステム科学研究

室の小西かおる教授が

「ALS(筋萎縮性側索

硬化症)患者の意思決定

支援について」をテーマ

に講演。難病ケアとは「難

病である自分を受け入れ、

生きることをあきらめず、

自分らしい人生について、

もう一度考え、今ある時

間を大切に生き抜く」た

めのケアと定義。

さらに告知の難しさや

必要性にも言及し、意思

決定を支えるポイントと

して、①思いをとことん

聞く、②自分の価値観を

相手に押し付けない、③

目の前にある課題を確実

にこなす――など列挙。

さらに地域を俯ふ

瞰かん

的に眺

め支援体制を考えること

の重要性を説いた。

最後に中村・院長代行

が挨拶。「固定観念をな

くして患者さんに接する

のが大事なのと同時に、

患者さんに自分たちの思

いを伝えることも大切。

なぜ患者さんに在宅医療

和泉市立総合医療センター(大阪府)は10月20日、院内で第1回大阪府難病患者

在宅医療支援事業研修会を開催した。大阪府からの委託事業で、同院は難病医療

で泉州地区の中心的な役割を担っており、同研修会は難病患者さんが在宅で療養

を続けるために必要な支援に関し、地域の医療・介護施設と情報共有するのが目的。

1年に2回開催することが必須で、今回は160人以上の参加者が交流を深めた。

を勧めるのか、あらため

て考えてみるのも良いか

もしれません」と問題提

起をしたうえで、「私た

ちは患者さんの人生を支

えています。当院の取り

組みを、しっかり発信し

ていきますので、地域で

連携していきましょう」

とメッセージを送った。

共愛会病院(北海道)

は10月15日から10日間、

「喀か

くたん痰吸引等基本研修」

を実施した。同研修を通

じて、より多くの介護職

員にスキルを身に付けて

もらい、施設内や定期巡

回型を含む訪問介護など

の利用者さんに対する医

療的ケアの充実に貢献し

たい考えだ。基本研修で

は講義と演習を行う。

近年、介護専門職の養

成が喫緊の課題となって

いる。実際、看護師が従

来担ってきた行為が担い

きれない事態が生じてい

たことから、やむを得な

い措置として介護職員に

よる喀痰吸引など医療的

ケアの実施が、これまで

容認されてきた(実質的

違法性阻却)。

厚生労働省の検討会の

結果を受け、社会福祉士

および介護福祉士法が一

部改正され、必要なケア

をより安全に実施するた

め、介護職員による喀痰

吸引などの実施が制度化。

2012年4月からは一

定の研修を受けた介護職

員が医師の指示の下、喀

痰吸引と経管栄養を行う

ことが認められている。

同研修は、不特定多数

の者に実施するための第

1号・第2号研修と、特

定の者に実施するための

第3号研修がある。研修

を実施するには、一定の

基準を満たし研修機関と

して登録する必要がある。

同院は不特定多数の者に

対する口こ

うくう腔

内、鼻び

腔くう

内、

気管カニューレ内部の喀

痰研修と、胃ろう、腸ろ

う、経鼻経管栄養のすべ

ての基本研修を行う第1

号研修の実施施設として

登録。

医療法人徳洲会の菊池

玲子・北海道介護教育研

修責任者は「受講者が真

剣に取り組んでいる姿を

見て、実施して良かった

と思いました。道全域で

は実地研修の登録施設が

多数ありますが、基本研

修を行う事業所は少ない

のが現状です。道内の徳

洲会施設では共愛会病院

に加え、介護老人保健施

設コスモスも実施施設と

して登録しました。今後、

喀痰吸引等基本研修を継

続することにより、喀痰

吸引ができる介護職員が

増え、対象となる利用者

茅ヶ崎徳洲会病院(神

奈川県)は10月28日、茅

ヶ崎里山公園で開催され

た「秋の里山公園まつり」

に参加した。当日は多数

の模擬店や動物とのふれ

あいコーナーなど催しが

あり盛況だった。地元の

野菜がたっぷり入った大

鍋でつくる「里山鍋」も

人気を集めていた。

同院が設けたブースで

は健康相談、血圧測定、

体脂肪測定、骨密度測定、

血管年齢測定を実施。各

コーナーとも好評で行列

ができ、今秋導入した内

視鏡下手術支援ロボット

「ダ・ヴィンチ」などに

ついて同院職員が、待っ

ている方々に話しかけ、

交流を深めるひと幕も見

られた。同院は来年度も

参加し、病院をもっと身

近に感じてもらう考えだ。

東京西徳洲会病院は9月14日、昭和公園陸上競技場で東京消防庁昭島消防署が毎年主催する自衛消防訓練審査会に参加、池田健二・医事課副

主任と粟野裕隆・設備課事務員が「2号消火栓の部」で優勝した。同会は各事業所の自衛消防隊が日頃の訓練成果を発表し、地域の防火防災能力向上を図るのが目的。同院は出場7隊中で1位という成績を収め、同時に粟野事務員は個人の部で優秀賞を獲得した。指揮者を務めた池田副主任は、同院が5回目の挑戦で初優勝した喜びを語るとともに、「訓練を通じ、けが人の処置や消火活動、避難誘導など救助することを学びました。自分たちの病院は自分たちで守るという思いを職員全員に伝えていき、また地域の皆さんの安心と安全の確保に努めていきたいと思います」と意気軒高だ。

「自分の病院は自分で守る」

東京西病院が初優勝自衛消防訓練審査会

地域の医療・介護施設から160人以上が参加し情報共有

取り組みを説明する佐竹看護師(右)と三宅看護師

「地域で連携していきましょう」と中村・院長代行

伊藤部長はMRgFUSの原理をわかりやすく解説

自衛消防隊優勝の賞状を持つ池田副主任(右)と個人優秀賞の賞状を手に粟野事務員

MRgFUS フォーラム

低侵襲など地域にアピール湘南藤沢病院が初開催

難病の在宅医療支援

大阪府から委託で初研修会

和泉医療センター

喀痰吸引等研修に真剣に取り組む受講者

さんが痰の貯留に苦しむ

ことが、少しでも緩和さ

れることに寄与していき

たいです」と話している。

里山公園まつりに参加

―茅ヶ崎病院

茅ヶ崎病院のブースは行列ができる盛況ぶり

医療的ケアの充実に貢献

喀痰吸引研修を実施

共愛会病 院

徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❸ 平成 30 年 11月26 日 月曜日 │ No.1161

Page 4: リードレスペースメーカ開始 · 透析治療を必要とする急性腎不全患者さんで、治療に同意いただ ける方が対象(候補)です。ヒトを対象とする再生医療としては初め

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は10月20日、第9回院内コンサートを開いた。今回は藤沢男声合唱団を招待。アマチュアながら、藤沢市民オペラへの出演や海外での演奏といった活動も展開している。コンサートは同合唱団の団歌『仲間達よ歌おう!』でスタート。童謡『おなかのへるうた』、『サッちゃん』、『いぬのおまわりさん』、さらには『フィンランディア』、『エーデルワイス』、『美しく青きドナウ』など本格的な合唱曲まで、多彩な曲を披露した。ロビ

ーに響く重厚で美しいハーモニーは大勢の観客を魅了。会場からのアンコールも起こり、モーツァルトの『A

アヴェ

veVヴ ェ ル ム

erumCコ ル プ ス

orpus』、唱歌『ふるさと』を熱演した。「病院での演奏ということで、指揮者の先生ともご相談し、できるだけ馴

な じ

染みがあり明るい曲を意識しました」と伊豆原孝団長。「天井が高くて明るいロビーは、想像以上に歌いやすかったです。また、お客さんが近いため、お楽しみいただいている表情がよくわかりました」と笑顔を見せた。団員の大脇嶺さんは同院で腎移植を受

けた元患者さん。移植から1年が経過したことを明かし、「リハビリテーションを兼ねて3カ月間コーラスの練習に励んできました。お世話になった方々の前で感謝を込めて歌いました」と感慨深げに振り返った。

回り優勝を決めた。

今大会の最優秀選手賞

(MVP)を池間智暖選

手(老健おきなわ徳洲苑

介護士)が受賞した。

新城剛監督(同院健康

管理センター係長)は「フ

ァーストサーブが思うよ

うに入らず、自分たちの

リズムで試合運びができ

ませんでした。サーブを

強化し、今年度の残りの

全国大会でも優勝できる

チームづくりをしたい」。

また同院バレーボール

部は9月8日、沖縄市体

育館でフランスの男子ジ

ュニア代表チームと親善

試合を行った。同チーム

が沖縄に合宿に来ており、

「地元のチームと親善試

合をしたい」と望んだこ

とから、同院に声がかか

り実現。フランスチーム

の高さとパワーに対して、

同院チームは速さとテク

ニックで対抗した。序盤

からクイックや移動攻撃

のスパイクが次々と決ま

り、セットカウント3対

1で勝利。試合終了後は

互いに健闘をたたえ合い、

ユニフォームを交換する

など交流を深めた。

し、第1セットを取った

ものの、続く第2、第3

セットを連取され惜敗。

優勝をかけた最終戦、

住友電工との試合では第

1セットを奪われたが、

第2、第3セットを下地

将一郎キャプテン(介護

老人保健施設おきなわ徳

洲苑介護士)を中心とし

た粘りのレシーブと、有

馬亨選手(同院デイケア

センター介護士)、小野

翔悟選手(徳洲会ハンビ

ークリニック介護士)の

両エースの活躍で奪い、

セットカウント2対1で

勝利。6勝1敗で富士通

が並んだが、得点率で上

中部徳洲会病院(沖縄

県)バレーボール部は10

月6日から3日間、広島

県福山市で開催された第

4回全日本9人制バレー

ボールトップリーグ(V

9チャンプリーグ)で、

2年連続となる優勝を飾

った。同リーグは9人制

バレーボールを盛り上げ

ることを目的とし201

5年にスタート。全国大

会常連の強豪8チームが

総当たり戦を繰り広げる

リーグ戦だ。

初日、2日目と順調に

勝ちを重ね、5勝0敗で

2試合を残して迎えた最

終日。まず富士通と対戦

セミナーが

緩和ケアに

携わる方の

励みになる

場となり、

さらには徳

洲会ならで

はの緩和ケ

アが生まれ

たらいいで

すね」と期

待を込める

とともに、

あらためて

「徳洲会の

部会として

札幌南徳洲会病院は10月20日、札幌市内で第2

回徳洲会緩和ケアセミナーを開催した。徳洲会

グループの多職種約100人が参加し、緩和ケ

アの精神を学ぶとともに、対応について意見を

交わした。次回は千葉徳洲会病院で開催予定。

セミナーには北海道か

ら沖縄まで徳洲会グルー

プの医療・介護23施設が

参加した。はじめに四十

坊克也院長が「札幌南徳

洲会病院 

ホスピス15年

のあゆみ」と題し基調講

演。グループ病院初の緩

和ケア病棟開設など、自

院の歴史や実積を紹介し、

最後に新築移転(202

1年予定)にも触れた。

続いて、初の外部講師

である米本智昭・認定臨

床宗教師が「臨床宗教師

の働きホスピス病棟にお

けるスピリチュアルケア」

と題し特別講演。臨床宗

教師とは、宗教の立場か

ら心理面での寄り添いを

行う宗教者を指し、20

11年の東日本大震災を

契機に誕生した。

米本・認定臨床宗教師

は一般の宗教者との違い

や、スピリチュアルケア

と宗教的ケアの相違など

を解説。同院の傾聴ボラ

ンティアとして活動して

いるエピソードなども交

えながら、最後に自分自

身を見つめる大切さを強

調した。

「相手の話をありのまま

に聞くのは困難。なぜな

ら自分の“色眼鏡”をと

おして聞くからです。な

らば色を透明に近づける

か、その眼鏡の色や形を

よく理解しておくかしな

ければなりません。それ

には努力が必要です。相

手を理解する前に自分自

身を理解することが大事

です」。

帯広第一病院の今井貴

史・緩和ケア科科長は「十

勝地方初のホスピス病棟

立ち上げまでのプロセ

ス」をテーマに特別講演。

自院で緩和ケア病棟を開

設するまでの苦労や、開

設後の運営でスタッフを

育成するための工夫を具

体的なエピソードを交え

ながら説明した。

各施設も発表を行い、

中部徳洲会病院(沖縄県)、

千葉徳洲会病院、大隅鹿

屋病院(鹿児島県)、千

葉西総合病院、和泉市立

総合医療センター(大阪

府)、大和徳洲会病院(神

奈川県)の医師や看護師

が、緩和ケアに関する自

院の取り組みや課題、症

例報告などを行った。

徳洲会ならではの

緩和ケア生み出す

最後にワークショップ

を実施。前回は職種でグ

ループを分けたが、今回

は多職種でのグループ討

論を行った。まず札幌南

病院の名越康晴・緩和ケ

ア内科医師が多職種での

カンファレンスをうまく

進めるコツとして「臨床

倫理4分割カンファレン

ス」を解説。その後、事

例をベースに、患者さん

が生活の場を選択する意

思決定支援をグループご

とに協議した。

次回の開催病院となる

千葉病院の渡邉敏・緩和

ケア内科部長が抱負を語

り、最後に札幌南病院の

前野宏総長が挨拶。「当

湘南鎌倉病院が院内コンサート

全国から多職種が駆け付け盛況

美しいハーモニーを奏でる藤沢男声合唱団

セミナー発展に意欲を見せる前野総長

標語を手に「まずは自部署から」と梅津看護師

徳洲会グループ感染管理部会は今年度の手指衛生キャンペーン(12月〜2019年2月)の標語に「手を洗おう指の間も手の甲も 衛っていこう生命を」を選定した。作者は湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の梅津有希子看護師。事前にグループの感染対策委員会メンバーを中心に公募し、同部会執行部と各ブロック長ら15人による厳正な審査の末、応募総数112作品のなかから選ばれた。「もともとキャッチコピーや川柳を考えるのが好きなので応募しました。どう表現すれば伝わりやすいか仲間にも相談しました」と梅津看護師。「まずは私が所属する手術室から順守率を高め、やがて院内、グループ全体で盛り上げていけたら」と意気込んでいる。徳洲会の手指衛生に対する取り組みは、従来、看護

部が中心となって行ってきたが、昨年、グループ内に感染管理部会が立ち上がったのを機に強化。全職種を対象に手指衛生順守率の向上などを図っている。なお、2〜5位(5位は同率)は次のとおり。「身につけよ

う手指衛生とプロ意識」(仮重喜代美・大隅鹿屋病院看護師長)、「アウトブレイクしない・させない手指衛生」(堀内千春・白根徳洲会病院看護師長)、「いつも笑顔ときれいな手」(藤澤律子・大和青洲病院看護部長)、「手指衛生命を守るワンプッシュ」(齊藤由里・庄内余目病院看護主任)、「『忙しい』その言い訳が感染源」(仮重・大隅鹿屋病院看護師長)

手を洗おう指の間も手の甲も衛っていこう生命を

手指衛生キャンペーン標語決定

ワークショップでは、それぞれ専門的な視点で活発に議論

四十坊院長は「皆のマインドを感じました」

V9チャンプリーグで2年連続優勝

「ホスピスのこころ」共有全国23施設100人参加

札幌南病院が緩和ケアセミ

梅津・湘南藤沢病院看護師の作品

「部会として設立したい」

実施できたら良いと思い

ます」と部会設立に意欲

を見せた。

参加した東大阪徳洲会

病院の橋爪慶人院長は、

「当院に緩和ケア病棟は

ありませんが、緩和ケア

病棟と同等の満足度を追

求していきたいと思って

います。とても勉強にな

りました」と得心した様

子だった。

V9チャンプリーグ優勝

仏Jrチームと親善試合も

重厚な男声合唱で魅了!

元患者さんの団員も参加

中部徳洲会病院バレー部

徳 洲 新 聞生い の ち

命だけは平等だ 平成 30 年 11月26 日 月曜日 │ No.1161 ❹