フォトクロミック分子を用いた 先端機能材料開発 -...
TRANSCRIPT
フォトクロミック分子を用いた先端機能材料開発
米子工業高等専門学校 物質工学科
谷藤 尚貴
光機能性材料を使った製品
ディスプレイ
CD-R 近赤外吸収色素DVD-ROM,Blu-Ray 紫外可視吸収色素
光通信
光記憶
プリント
太陽光発電
医療
(分野)
ブラウン管 発光材料液晶 三原色色素プラズマ 発光材料有機EL 発光材料
光ファイバー 光増幅材料レーザーポインター 光増幅材料
レーザープリンター 感光体
太陽電池 シリコン・有機色素
近視,外科治療 光増幅材料光力学治療 光増感色素
本日取り扱う材料:フォトクロミック分子
分子:ジアリールエテン
S S S S
UVF2
F2F2
F2
F2F2
可視光アリール部位
エテン部位
本日紹介する材料:フォトクロミック分子
分子:ジアリールエテン
S S S S
UVF2
F2F2
F2
F2F2
可視光
国産の光機能性分子化合物
①液中・固体中でも反応する→条件に制限されない確実な機能性
②両異性体(開環体、閉環体)が熱安定性が高い→書き込み情報の保持
③高耐久性:1万回以上の繰り返し可
超極小デバイスへの応用が可能
光エネルギーを用いた極小部品・材料へ開発
アリール部位
エテン部位
フォトクロミック分子研究の現状
「急速に発展しつつある研究領域調査(2005年)」文部科学省・科学技術政策研究所による論文データベース分析
テーマ:有機フォトクロミズム材料およびその光応答性機能利用
・物理・化学・生物・医学・薬学・農学・経済等全679の分野中で
・急速に発展しつつある化学分野14領域の1つ・日本の存在感が高い領域で3位にランク付けされている.
実際に光だけで情報を書き込んでみる
UV
熱NH
O
H3C CH3
NO2 N
H3C CH3
O
(室温)
NO2
スピロベンゾピラン メロシアニン(着色体)
UV
分子・原子の大きさ
太陽
地球 約100倍
約1億分の1 約1億分の1
人間分子
同じスケールで小さい
身のまわりの物質による大きさの比較
分子・原子は相当小さな物質である
SS
F2F2
F2
光で機能が発現する分子を使って何ができるか?
分子そのものが変化して情報が変わるデバイス
S S S S
F2
F2F2
F2
F2F2
可視光
UV
情報のやりとりが制御する部品として利用
可視光
UV
可視光
UV
実際の試み
S S
F2F2F2
S SS S
F2F2F2
S S
UV
可視光
金原子
金原子
金原子
金原子
将来的電圧の印加で分子構造が変化→導電性が変化
分子ダイオードの概念図
分子を電極に結合させる
光スイッチを 電極に結合させると
光で導電性を変える極小スイッチング素子になる
化学物質の導電性
物質中の自由度の高い電子(パイ電子)を使う
S S S S
F2
F2F2
F2
F2F2
可視光
UV
導電性小 導電性大スイッチング素子になる
デバイスの作成
S S
F2F2F2
S S3
S S
F2F2F2
HS SH S S
F2F2F2
HS SH
UV
Vis.
S S
F2F2F2
HS SH
1a 1b
1a Toluene
TBABr四塩化金
S S
F2F2F2
S S S S
F2F2F2
S S S S
F2F2F2
S S S S
F2F2F2
S S
金原子
電子
光スイッチング分子と金ナノ粒子のワイヤーができる
成果の記事掲載
Nature Asia Materials誌
アジアにおける材料系の全学術誌の中で1ヶ月間の上位8報に選出
(2009年1月)
1分子の構造変化を材料として機能させる研究では世界をリード
導電性スイッチング以外に何が出来るか?
S
SR
S
S R
F F2
F2
Vis.
switch-on
sp2 sp3
UV
2 F F2
F2
2
switch-off
NN
O
NN
O NNN
N
O
O
ESR 13-lines Signal 7-lines Signal
磁気的特性の光スイッチング(2004)
光による書き込み,磁気による読み出しが可能な分子デバイス
まとめ:光機能性材料でできること
S
SR
S
S R
F F2
F2
switch-on
sp2 sp3
2F F2
F2
2
switch-off
NN
O
NN
ON
NNN
O
OESR 13-lines Signal7-lines Signal
UV
可視光
②分子レベルの磁気的性質スイッチ
①分子レベルの導電性スイッチ
S S
F2F2F2
S SS S
F2F2F2
S S
UV
可視光
金原子
金原子
金原子
金原子
現在のテーマ:これらの知見を「役に立つ」技術にすること