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オリンピック財政 ~オリンピックの負債から財源調達の方法を考える~ 報告者 菊原 今西 久保 清水 中原

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オリンピック財政~オリンピックの負債から財源調達の方法を考える~

報告者 菊原 今西 久保 清水 中原

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1.はじめに

2020年8月 東京オリンピック開催

長野オリンピックは、施設の建設費・維持費が嵩み、財政赤字となった。

2020年の東京オリンピックでも同様のことが起きるかも!!

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2.長野オリンピック施設について

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平成27年度 オリンピック施設管理運営費決済額一覧表

ビッグハット(アイスホッケー)

エムウェーブ(スピードスケート)

ホワイトリング(フィギュアスケート)

アクアウィング(アイスホッケー)

南長野運動公園(開閉式会場)

スパイラル(ボブスレー)(2017年休止発表)

合計

<歳出(管理運営+改修費)>

合計 161,905 361,976 79,803 245,409 221,656 211,823 1,282,572

<歳入(NTC委託料を含む>

合計 37 100,802 111 1,006 8,681 109,220 219,857

<歳入-歳出>

一般財源負担分(通常管理費分

161,868 261,174 79,692 244,403 212,975 102,603 1,062,715

出典:長野市公共施設適正化検討委員会資料 1-3(平成28年11月24日)

(単位:千円)

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利用者一人当たり一般財源負担分

ビッグハット(アイスホッケー)

エムウェーブ(スピードスケート)

ホワイトリング(フィギュアスケート)

アクアウィング(アイスホッケー)

南長野運動公園(開閉式会場)

スパイラル(ボブスレー)(2017年休止発表)

合計

利用者数 268,778 446,298 178,146 130,467 352,032 6,339 1,382,060

利用者一人当たり一般財源負担分

ビッグハット

エムウェーブ

ホワイトリング

アクアウィング

南長野運動公園

スパイラル 合計

602 585 447 1,873 605 16,186 768

出典:長野市公共施設適正化検討委員会資料 1-3(平成28年11月24

日)

※南長野運動公園の利用者は、野球場、体育館、プール、テニスコートを含む(単位:円)

(単位:人)

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長野五輪での借金と完済時期

自治体名 借金額 完済時期

長野市(アイスホッケー、スピードスケート、フィギュアスケート等)

694億円 平成30年3月

山ノ内町(スノーボード等)

54億円 平成29年2月

野沢温泉村(バイアスロン等)

31億円 平成27年4月

白馬村(スキージャンプ等)

69億円 平成39年予定

出典:2018年4月23日 中日新聞 朝刊社会23項

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各自治体の完済(不完済)理由(独自電話ヒアリング結果)

長野市(アイスホッケー、スピードスケート、フィギュアスケート

等)

主な収入は市税で、市長や職員の人件費の削減や雇用の見直しなどを行い、計画的に返済にした。

山ノ内町(スノーボード等)

主な収入は固定資産税で、計画的に返済にした。

野沢温泉村(バイアスロン等)

収入のメインは地方交付税で、計画的に返済した。

白馬村(スキージャンプ

等)

主要産業である観光業が落ち込み、観光客数が減少したため、予定通りに完済できず、先延ばしにした。

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白馬村の観光客推計

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

40000

45000

H2 H4 H6 H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22 H24 H26 H28

(百人)

出典:長野県白馬村HP 観光統計

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長野オリンピック問題点

維持費に対して収入が少なく、維持できない施設があった。

完済・不完済の差も生まれた。

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長野五輪と東京五輪

・長野五輪は施設の建設費の借金や維持費が嵩み、結果的に財政赤字となり負のレガシーを残した。

・長野は冬季、東京は夏季であるが、上記と同様の問題により財政赤字が発生する可能性がある。

→2020年に開催される東京オリンピックでも負のレガシーが生み出されるのではないか?

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3.東京オリンピック施設について

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整備費の推移と増減

会場名 立候補ファイル

整備費の上昇

再検討前 縮減額 整備費 縮減額 見直し後

東京アクアティクスセンター(水泳)

321 +362 683 683 -154~-169 514~529

海の森水上競技場(ボート)

69 +969 1,038 -547 491 -193 298

有明アリーナ(バレーボール)

176 +228 404 404 -65 339

葛西臨海公園(カヌー・スラローム)

24 +49 73 73

大井ホッケー競技場(ホッケー)

26 +23 48 48

夢の島公園アーチェリー場(アーチェリー)

14 +10 24 24

合計 629 1,641 2,270 -547 1,723 -412~-427 1,151~1,169

出典:都政改革本部 平成28年度会議第2回 配布資料4-2、平成28年度会議第5回 配布資料4-1

(単位:億円)

(平成25年1月) (平成25年9月) (平成28年9月) (平成28年12月)

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施設運営計画

新規恒久施設 収入

単位:百万円

支出

単位:百万円

合計(収入−支出)

単位:百万円

東京アクアティクスセンター(水泳) 350 988 −638

海の森水上競技場(ボート) 113 271 −158

有明アリーナ(バレーボール) 1245 889 356

カヌー・スラロームセンター(カヌー・スラローム)

164 349 −186

大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場(ホッケー)

54 145 −92

夢の島公園アーチェリー場(アーチェリー)

3.3 15.0 −11.7

合計 1929.9 2657 −727.1

出典:新規恒久施設の施設運営計画平成29年4月19日発行

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東京オリンピックの負担内訳

組織委員会

44.4%

東京都

44.4%

11.1%

出典:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP

(平成29年12月22日発表)

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東京オリンピックの予算推移(東京都負担分)

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

H25 H26 H27 H28 H29 H30

億円

年度

出典:東京都財務局

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オリンピックの財源調達の候補

都債発行

→現時点で負債を多く抱えている

増税

→国民の理解が必要

公平な負担の推進(公施設などの料金の増額)

→利用者が減る可能性がある

職員の給与の減額

→職員の労働意欲が低下する可能性がある

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東京オリンピック

•新規恒久施設は整備費が増加し、オリンピック後の収入・支出予想から見ても赤字である。

•東京都の負担割合は大きく、予算も増加すると予想される。

•考えられる財源調達は理解が必要。

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より理解が得られる財源調達は?

「ふるさと納税」がより理解が得られる財源調達である。

ふるさと納税は特定の自治体にお金を寄付することで、その自治体の特産品が得られ、さらに所得税・住民税が控除されるという寄付者と自治体にとってWINーWINな関係の制度である。

→この両者の関係を活かして、より効率の良い財源調達を目指す。

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ふるさと納税の受入額及び受入件数(全国計)の推移

81.4 77.0 102.2 121.6 104.1 145.6388.5

1,653

2,844

3,654

5.4 5.6 8.0 10.2 12.2 42.2191.3

726

1,271

1,730

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

平成20年度平成21年度平成22年度平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度

ふるさと納税受入額(億円) ふるさと納税受入件数(万件)

出典:総務省 平成30年度ふるさと納税に関する現況調査について 調査結果(概要)

(億円)

(万件)

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4.橋本恭之・鈴木善充(2016)「ふるさと納税制度の現状と課題」

会計検査研究 No.54(2016.9)

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ふるさと納税制度を積極的に取り入れている事例

事例:北海道増毛町を取り上げる

→人口4,718人の町である(2015年7月末)

→2014年に寄付額が急増!!

なぜこのような町が寄付額が増加するの??

理由がわかれば東京都でもそれを活用できるのでは??

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増毛町の寄付金の推移

10

5000

2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年

(万)

①情報発信の強化電話のみ→HPに詳しく

②クレジットカードの導入③取材依頼の増加④返礼品の送付回数の増加年1回→無制限

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増毛町とふるさと納税

5000 10000 10100 12000 15000 20000

30000 40000 50000 60000 100000 その他

寄付金額別の状況

1万円

寄付金額 負担額

1万円以上3万円未満 3,000円(送料込み)

3万円以上5万円未満 5,000円(送料込み)

5万円以上10万円未満 7,000円(送料込み)

10万円以上100万円未満 10,000円(送料込み)

100万円以上 20,000円(送料込み)

寄付金別負担額

※2015年度からは寄付金額にかかわらず3割程度に固定

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ふるさと納税制度の問題点と改善策

既存の寄付金税制にふるさと納税制度特有の特例控除部分を加えること

ふるさとを応援するという本来の目的ではなく、返礼品の有無で寄付が行われているということ

問題点

改善策

地方税について設定されている特例部分の段階的廃止

高額の寄付には一定割合の自己負担を伴うようになり、高所得者の有利さを軽減することにつながる

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5.ふるさと納税の問題点

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ふるさと納税に係る控除額

72.6 65.5 67.1

649.1

130.1 141.9341.1

1471

2566.1

3481.9

18.9 18.1 20.4210.2

45.3 60.6184.2

1001.9

1783.2

2447.7

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度

ふるさと納税(億円) 控除額(億円)

出典:総務省 平成30年度ふるさと納税に関する現況調査(住民税控除額の実績等)について 調査結果(概要)

(億円)

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実質寄付額、税収減比率の推移

H21 H21 H22 H23 H24 H25

寄付金額(億円) 72.5996 65.5318 67.0859 4691490 130.1128 141.8935

税収ロス金額(億円) 43.7337 39.6012 42.2938 420.4759 89.9298 109.6823

実質寄付額(億円) 28.8659 25.9306 24.7921 228.6731 40.1830 32.2112

出典:「ふるさと納税制度の検証」橋本恭之、鈴木善充

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年収別寄付総額と所得税の税収ロス

17.8732

7.1489

02468

101214161820

(万円)

寄付総額(万円) 所得税の税収ロス(万円)

出典:「ふるさと納税制度の検証」橋本恭之、鈴木善充

幅がひろがると国の負担が大きくなる

実質寄付金額

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都道府県別 受入額・控除額

0

2,000,000

4,000,000

6,000,000

8,000,000

10,000,000

12,000,000

14,000,000

16,000,000

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

受入額 控除額

出典:「ふるさと納税制度とその問題点」 水田健一奥野、八木、小川編 『公共経済学で日本を考える』中央経済社

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ふるさと納税の募集や受入等に伴う経費

金額 受入額に占める割合

返礼品の調達に係る費用 140,615 38.5%

返礼品の送付に係る費用 24,098 6.6%

広報に係る費用 5,570 1.5%

決済時に係る費用 7,752 2.1%

事務に係る費用、その他 24,671 6.8%

合計 202,707 55.5%

(単位:百万円)

出典:総務省 平成30年度ふるさと納税に関する現況調査について 調査結果

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問題点

控除による実質寄付金額の減少

高所得者にとって有益だが国の負担が大きい

人口集中地域における税収減

返礼品競争の過熱

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6.私たちが考える財源

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ふるさと納税の妥当性

オリンピックの注目度が高まっている→返礼品の幅が広く、充分な収入が期待できる

→オリンピック運営の財源調達としては妥当

オリンピックの注目度は徐々に低くなっていく→返礼品の幅が狭く、収入は期待できない

→ふるさと納税でオリンピック後の施設維持費を調達するには限界がある

オリンピック閉会後は新たな財源調達が必要

オリンピック

オリンピック

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Web上で資金提供を募る

起案者

資金提供

支援者

クラウドファンディングとは

出典:朝日新聞社のクラウドファンディングサイト A-port(http://a-port.asahi.com)

「世の中の問題を、こんな風に解決したい」といったアイデアやプロジェクトを持つ起案者が、専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人から広く資金を集める方法。

投資型出資者がプロジェクトの利益から配当と言う形でリターンを受け取る

融資型出資者が利子という形で一定の

リターンを受け取る

購入型支援者はお返しとしてモノやサービス、権利という形での特典を受け取る

寄付型集めた資金を

全額寄付に充て、リターンはなし

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ふるさと納税

お礼の品から選ぶ

寄付する

お礼の品が届く

地域の産業を支援

使い道から選ぶ

寄付する

お礼の品が届く

地域の課題を解決

ガバメントクラウドファンディング

ガバメントクラウドファンディング(購入型)

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なぜガバメントクラウドファンディングか

• 返礼品の幅が広がる

• 寄付金の使用用途が明確メリット

従来のふるさと納税制度の返礼品では、基本的に特産品のみさらに3割程度のものになる可能性がある

しかし ふるさと納税の抜け道になり得る

ガバメントクラウドファンディングは返礼品の制限なし

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実現可能性

• 東京都オリンピック・パラリンピック準備局 小杉さん

ふるさと納税やクラウドファンディングを用いた財源調達の方法は、実現の見込みがあると思った。しかし、実際のところ東京オリンピック・パラリンピック準備局側は、施設に対しての費用削減に焦点を置いており、東京オリンピック・パラリンピック事前・後の財源調達に関しては、考えていない。

財源調達の問題認識がない

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7.終わりに

長野オリンピックでの赤字財政をもとに東京オリンピックでは新たな財源調達が必要であり、その一つとして「ふるさと納税」があげられる。

しかし、オリンピック閉会後に施設を維持する方法としては適していない。

そこで、開会前のオリンピック運営資金を募るのに「ふるさと納税」、オリンピック後の施設維持費などには「ガバメントクラウドファンディング」と大会前後で異なる財源調達を用いるのが良いと考えた。