マシンビジョン用 インターフェース標準規格 -...

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マシンビジョン用 インターフェース標準規格 ~デジタルカメラインターフェース選択の手引き~

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マシンビジョン用

インターフェース標準規格~デジタルカメラインターフェース選択の手引き~

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www.visiononline.org www.emva.org jiia.org

メンバーの支援を受けた各国・地域の標準化団体が世界のマシンビジョン規格の標準化を

推進しています。規格の標準化は業界が成長する原動力となっており、標準化団体は標準

規格の費用、維持管理、開発を支援しています。2009年には、世界3地域のそれぞれの

標準化団体が協力して世界標準の制定を始めました。この冊子の出版は、この世界的な協力

による成果の一つです。

Copyright 2013, AIA, EMVA and JIIA. All rights reserved.

この冊子にあるデータは情報提供を目的としたものであり使用について保証するものではありません。

Camera Link (PoCL及びPoCL-Liteを含む)、 Camera Link HS、GigE Vision、USB3 Visionは、AIAの商標です。GenICamは、EMVAの商標です。 CoaXPress、IIDC2は、JIIAの商標です。FireWireは、Apple Inc.の商標です。IEEE 1394は、The 1394 Trade Associationの商標です。 USBは、USB Implementers Forum, Inc.の商標です。その他の名称は、それぞれの会社の商標、あるいは商品名です。

2014年1月発行

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この冊子では、現在の ハードウェア標準規格と ソフトウェア標準規格を 概説し、それぞれのインターフェースの基本的な 特徴を解説します。これらのマシンビジョン標準 規格に詳しくない方や、 アナログシステムのデジタル化を検討されている方に、特に役立つ内容となっています。

マシンビジョンの初期の時代は、カメラとフレームグラバとの

インターフェースには、RS170やCCIRなどのアナログテレビ

の標準規格が採用されていました。1990年台にはいると、

デジタル技術が広く用いられるようになり、複数の独自インター

フェースソリューションが使用されるようになりますが、

これはマシンビジョンのユーザにとっては混乱の環境でもあり

ました。一方、最初に登場したインターフェース標準規格は、

コンシューマ向けにApple社によって開発されたFireWire/

IEEE1394でした。2000年にはCamera Linkが標準化され、

広く市場に受け入れられました。Camera Linkは今もマシン

ビジョン業界で重要な役割を果たしていますが、画像技術を

活用するさらに広い産業分野に向けて、新しいインター

フェース標準規格が現れます。ハードウェアとしては、2006年に

GigE Visionが公開され、続いてCoaXPress、Camera Link

HS、USB3 Visionがリリースされました。ソフトウェアでは、

デジタルインターフェースと親和性の高いGenICamとIIDC2

が現れました。

マシンビジョンに用いられる

様々なデジタルハードウェアと

ソフトウェアインターフェースの

標準規格の全体像を

見てまいりましょう。

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認識と通信の確立

レジスタアクセス

画像データ転送

イベント通知カメラ アプリケーション

画像処理システムは、多様なカメラ、フレームグラバ、画像ライブラリな

ど、さまざまな機器により構成されています。それらは、複数のメーカに

よるものが混在している場合もあります。インターフェース標準規格は、

準拠した機器間のシームレスな相互運用を保証します。

初期のアナログ規格は、単にビデオ信号を伝送する接続のみを定義

していました。カメラ制御やトリガ入力は別系統であり、ベンダ独自の

接続方式でした。デジタル標準規格により、カメラ制御と画像データ

転送は1本のケーブルで行えるようになりました。デジタル信号による

画像転送が、より高い柔軟性によりシンプルなシステム設計をもたら

し、総合的なコストの低減が図れるようになりました。

画像処理ソフトウェアは、4つの基本動作、すなわち、カメラの認識と

通信の確立、カメラの設定、カメラからの画像データの取得、カメラと

ホスト間の非同期イベントの処理の動作を実行します。

インターフェース標準規格は、

カメラがPCにどのように接続されるかを

定義しており、撮像技術を簡単かつ有効に

利用できるようにすることを目的としています。

デジタルインターフェース規格による基本動作

インターフェイス技術入門

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インターフェース標準規格

TLプログラミングインターフェース

カメラプログラミングインターフェース

アプリケーショントランスポートレイヤ

ドライバ SDK

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これら4つの機能は、2つのソフトウェアレイヤで行われます。

第1は、トランスポートレイヤ(TL)です。カメラの認識、低レベルでのカメラレジスタのアクセス、カメラからの画像データの

取得、イベントの通知を扱います。トランスポートレイヤは、ハードウェアインターフェース規格と密接に関連します。また、

インターフェースの種類により、それぞれ固有のフレームグラバ(Camera Link、 Camera Link HS、 CoaXPress)

もしくは、バスアダプタ(Firewire、 GigE Vision、 USB3 Vision)が必要となります。

第2は、ソフトウェア開発キット(SDK)の一部である画像取得ライブ

ラリです。SDKは、単体で提供され、フレームグラバや画像処理

ライブラリに含まれていたりします。トランスポートレイヤを使用して、

カメラの機能や画像データを取得します。

カメラ機能とそのレジスタ配置の方式には、GenICamとIIDC2

という2つの標準規格があります。それらの詳細については、本冊子

のソフトウェアの項にて説明します。

デジタルインターフェース規格でのソフトウェアレイヤ

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マシンビジョン標準規格のハードウェア構成要素には、

カメラ、コンピュータのコネクタ、ケーブル、フレーム

グラバなど、接続に関する全ての仕様が含まれます。

このセクションでは、最新のハードウェア標準規格の

詳細を解説します。

・Camera Link

・Camera Link HS

・CoaXPress

・GigE Vision

・USB3 Vision

加えて、2つのレガシー

インターフェース標準規格

(FireWireおよび、USB 2.0)

について簡素に述べます。

しかし、新しい標準規格が高い

パフォーマンスを実現している

ため、マシンビジョン業界では採用数

が減少してきています。

マシンビジョン用ハードウェア標準規格

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USB2.0は、市場で最も一般的なインターフェースの一つです。ほとんどのPCに実装されおり、マシンビジョン業界では、基本的な伝送手段として現在も多くの カメラがUSB2.0を使用しています。 しかし、このUSB2.0は、マシンビジョン標準規格ではなく、ベンダ 間での相互運用性が問題となり、次第に使用数が減少してきて います。

IEEE1394は、FireWireとも呼ばれ、Apple社の開発した技術をベースとして 1987年に登場したインターフェースです。IEEE1394には、IEEE1394aと IEEE1394bの2タイプがあり、マシンビジョン業界では、IIDCプロトコルによって カメラ内部のレジスタ配置が規定されています。最新のIEEE1394-IIDCはVersion1.32であり、1つのバスあたり最大63台のマルチカメラの動作も可能としています。

伝送速度IEEE1394a: 400 Mbps(6ピンコネクタ)

IEEE1394b: 800 Mbps(9ピンコネクタ: IEEE1394-2008では3.2Gbpsまで定義されているが、一部で1.6Gbpsが使用される以外は、800Mbpsが一般的)

受信デバイスPC 直接

ケーブル通常はIEEE1394銅線 (STP)、IEEE 1394bにおいては光ファイバケーブル (HPCF, GOF, POF)や、UTPケーブルも使用可能

コネクタIEEE1394aではラッチタイプ、IEEE1349bではスクリュータイプの固定方式を採用

レガシーインターフェース標準規格

IEEE1394 USB 2.0

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カメラ1台

標準のPCと1枚のフレームグラバ

カメラリンク(Base) - ケーブル1本

2Gbpsの画像データ転送、カメラ制御、通信

カメラリンク(Medium, full) - ケーブル2本

最大6.8Gbpsの画像データ転送、カメラ制御、通信

1枚のフレームグラバが2つのBase接続を提供

カメラ1:2Gbpsの画像データ転送、カメラ制御、通信

カメラ2:2Gbpsの画像データ転送、カメラ制御、通信

Base接続のカメラ2台

HDR 14ピン コネクタ (PoCL-Lite)

SDR, HDR 26ピン コネクタ

(ミニカメラリンク)

MDR 26ピン コネクタ

カメラリンクは、2000年に規格化されました。カメラとフレーム グラバ間の送受信信号を規定した、信頼性の高い、広く使用され ている規格で、画像データ伝送、カメラタイミング、シリアル通信、 リアルタイムトリガを定義しています。カメラリンクは、パケット通信ではなく、カメラとフレームグラバ間の接続を定義した、 最もシンプルなインターフェース規格です。最新のバージョン は2.0となっています。最新版は、ミニカメラリンクコネクタ、 PoCL、PoCL-Lite、ケーブルの性能仕様が追加されています。

伝送速度リアルタイム高速伝送用として、ケーブル1本で255Mbytes/s、2本で850Mbytes/sの画像データを遅延なく伝送

受信デバイスフレームグラバ

ケーブル専用ケーブル;カメラとフレームグラバは同一ケーブルを使用した状態で簡単に交換可能; 最大長は、カメラクロック速度に依存するが、およそ7から15m; 機器の小型化が要求さる場合、ミニカメラリンクも選択可能

コネクタ26ピンのMDR;SDR,HDR (Mini Camera Link); 14ピンのHDR (PoCL-Lite)

カメラ給電PoCL対応であれば、カメラリンクケーブル経由で フレームグラバからカメラに給電が可能

その他の特徴オプションとして、GenICamに対応すれは、プラグアンドプレイが可能; カメラ一台に対して、ケーブル2本使用可能

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規格名 Camera Link

初版リリース 2000年10月

最新バージョン 2.0(2012年2月)

規格化ホスト協会 AIA

規格書 website www.visiononline.org/cameralink

標準ソフトウェア必須 なしオプション GenICam (CLProtocol)

出力構成

構成 画像データ転送速度 ケーブル数

Lite 100 Mbytes/s 1Base 255 Mbytes/s 1Medium 510 Mbytes/s 2Full 680 Mbytes/s 280-bit 850 Mbytes/s 2

画像データ信頼性再送機能 なし誤り検出機能 なし

カメラ制御

Uplink 非同期シリアル通信

Downlink 非同期シリアル通信

外部トリガ 4本のフレームグラバからの直接信号

データ受信デバイス フレームグラバ

接続形態 1対1

ケーブル

種類 最大長(Typical @ 85 MHz) 給電能力

Lite 10m 4 WBase 10m 4 W (オプション)Medium 10m 8 W (オプション)Full/80-bit 7m 8 W (オプション)

その他の特徴■マシンビジョン市場において一定の地位を確立■3種のコネクタタイプ■1対1接続による最少レイテンシの画像データ転送

ロードマップ

次バージョン 2.1

目標時期 未定

主要機能■修正などのメンテナンス■Camera Link on FPGA

DIGITAL HARDWARE STANDARD SPECIFICATIONS | CAMERA LINK

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Xプロトコル、光ファイバ使用の並列処理

GPIO*16

1612M 330fps, Quad F2 1X1

300m光ファイバ、1200Mbytes/s(各ケーブル)

*GPIOの遅延は、約300ns+ケーブル遅延

**ダイレクトアタッチ10m銅線も可

PC1マスタフレームグラバ, Dual F2 1X1

並列処理

PC2 スレーブフレーム

グラバ,Dual F2 1X1

Mプロトコル、銅線使用の複数台のカメラ、

GPIOフレームグラバ、Dual C2 7M1

*GPIOの遅延は、約300ns+ケーブル遅延

GPIO*

16

16

15m銅線、4レーン、

1200Mbytes/s

4M 300fps, C2 4M1

8K TriLiniar 85Khz, C2 7M1 15m銅線、

7レーン、2100Mbytes/s

GPIO*

GPIO*

SFPまたは、 SFP+

SFF-8470 コネクタ

(InfiniBand または、CX4)

光ファイバ ケーブル

Camera Link HSは、2012年5月にリリースされ、既存のケーブル を使用して、カメラリンク規格のケーブル長や、伝送帯域を改善 したものとなっています。特徴としては、ビットエラーフリーの プロトコル、16系統の双方向GPIO、並列処理システム、フレーム 単位でのカメラ制御などがあります。Camera Link HSは、 Mプロトコルによる1レーンあたり3.125Gbpsの伝送と、 Xプロトコルによる1レーンあたり10.3Gbpsの伝送を使用します。 相互接続の問題、開発リスクを低減させるため、非暗号化のVHDL-IPが用意されています。Camera Link HSはパケット通信を使用しており、IPを使用した場合、トリガは、ジッタ6.4ns遅延時間150nsを実現しています。GPIO信号も、遅延時間、ジッタ共に300ns程度となっています。

伝送速度並列処理のためにはケーブル8本まで同時接続が可能;ケーブル1本当たりの実効帯域は、300Mbytes/s (F1),1200Mbytes/s(F2), 2100Mbytes/s (C2;銅線)

受信デバイスフレームグラバ

ケーブルC2ケーブルで最長15m;光ファイバで最長300m; ダイレクトアタッチで最長10m

コネクタ銅線ケーブル:(InfiniBand用またはCX4); 光ファイバケーブル(SFPまたはSFP+コネクタ)

カメラ給電規定なし(C2ケーブルは技術的に可能)

その他の特徴FPGA内蔵のSerdesへの直接接続が可能

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規格名 Camera Link HS

初版リリース 2012年5月

最新バージョン 1.0 (2012年5月)

規格化ホスト協会 AIA

規格書 website www.visiononline.org/cameralinkhs

標準ソフトウェア必須 GenICam (GenAPI, SFNC, GenCP)オプション GenICam (GenTL)

出力構成

構成 画像データ転送速度 ケーブル数

C2(CX4) 2100 Mbytes/s 1C2-8本 16800 Mbytes/s 8F1(SFP) 300 Mbytes/s 1F1-8本 2400 Mbytes/s 8F2(SFP+ ) 1200 Mbytes/s 1F2-8本 9600 Mbytes/s 8

画像データ信頼性再送機能 あり(μsecの固定遅延)

誤り訂正機能 あり

カメラ制御

Uplink 300 Mbytes/s (C2,F1) / 1200 Mbytes/s (F2)

Downlink 画像データと共用

外部トリガ カメラへの直接接続、ソフトウェアトリガ

データ受信デバイス フレームグラバ

接続形態 1対1, データ分割 同時並列処理では、複数のPC/FGを同期運転

ケーブル

データ受信機器 データ受信機器 給電能力C2 (銅線) 15m なしF1/F2(ダイレクトアタッチ) 10m なしF1/F2 (マルチモードファイバ) 500m なしF1/F2 (シングルモードファイバ) 5000m なし

その他の特徴■IPコアをAIAが提供する■通信業界で多量に使用する部品を利用

■カメラからの高速トリガメッセージ転送■16本の低レイテンシ双方向のGPIO

ロードマップ

次バージョン 2.0

目標時期 2014年第3四半期

主要機能■ C2の高速化(3.125Gbpsから5または6Gbpsへ)■CX4-光変換アダプタ■マルチウインドウモード

DIGITAL HARDWARE STANDARD SPECIFICATIONS | CAMERA LINK HS

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カメラ1台

1本のケーブルで画像データ転送、カメラ制御、電源供給を行う

標準PCとフレームグラバ

例:35m、3600Mbytes/s

カメラ複数台、フレームグラバ1枚

標準PCとフレームグラバ

例:105m、120Mbytes/s

例:35m、600Mbytes/s

Multiway DIN コネクタ

BNC コネクタ

DIN 1.0/2.3 コネクタ

®

CoaXPress(CXP)は2010年12月にリリースされました。この規格は、カメラとフレームグラバを高速かつ、長いケーブル長での接続を可能にするインターフェースです。1本の同軸ケーブルというシンプルな形態で、カメラからフレームグラバへの 6.25Gbpsのデータ転送、トリガ信号などフレームググラバ からカメラへの20.8Mbpsの制御信号、13Wの電源供給を 実現しています。より高速のデータ転送が必要とされる場合、 リンクアグリゲーションにより、2本以上のケーブルでデータを 分散して転送することができます。Ver1.1ではDIN1.0/2.3 コネクタも使用できます。

伝送速度高速トリガを必要とするラインスキャンカメラを含め、 リアルタイムトリガをサポート;標準の20.8Mbpsのuplinkでは3.4μ秒、オプションの高速uplinkでは、通常150n秒の遅延で動作;6リンクを1つのコネクタに集約することにより、3.6Gbytes/s の転送が可能となり、市場に存在する最高速のカメラに 対して、十分な余力をもって対応することが可能

受信デバイスフレームグラバ

ケーブルリンク速度1.25Gbp(CXP-1)において100m以上のケーブル長;3.125Gbps(CXP-3)にて最高85m;最高速の6.25Gbps(CXP-6)においも6mm径の ケーブルで35mが可能;より太いケーブルにて、より長いケーブル長が可能

コネクタ広く使われているBNCコネクタとより小型のDIN1.0/ 2.3コネクタ;DINコネクタは多リンクをまとめたコネクタでの使用も可能

カメラ給電対応

その他の特徴GenAPI、SFNC及GenTL(イメージストリームを含む)を含んだGenICamのサポート;IIDC2はオプションサポート

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規格名 CoaXPress

初版リリース 2010年12月

最新バージョン 1.1 (2013年2月)

規格化ホスト協会 JIIA

規格書 website www.coaxpress.com

標準ソフトウェア必須 GenICam (GenAPI, GenTL, SFNC)オプション IIDC2

出力構成

構成 画像データ転送速度 ケーブル数

CXP-1 120 Mbytes/s 1CXP-3 300 Mbytes/s 1CXP-6 600 Mbytes/s 14x CXP-6 2400 Mbytes/s 4(又は複合ケーブル)6x CXP-6 3600 Mbytes/s 6(又は複合ケーブル)

画像データ信頼性 エラー検出のみ CRC32を使用

カメラ制御

Uplink 標準 : 20.8 Mbpsオプション : 6.25 Gbps(専用同軸線)

Downlink 画像データ共用

外部トリガ フレームグラバ経由、カメラへの直接接続

データ受信デバイス フレームグラバ

接続形態 1対1 リピータ使用による複数台受信可能

ケーブル注)ここでの値は直径6mmでの場合であり、より 太いケーブルを使用することで最大長を延ばす ことができる。

種類 最大長 給電能力

CXP-1 105m 13WCXP-3 85m 13WCXP-6 35m 13W4x CXP-6 35m 52W6x CXP-6 35m 78W

その他の特徴■1本の同軸による、制御、画像データ、トリガ入力■カメラからの高速トリガメッセージ転送

ロードマップ

次バージョン 2.0

目標時期 2014年第3四半期

主要機能

■高速化( 10 / 12 Gbps)■高速カメラに対する複数フレームグラバ対応■エラー訂正■GenICam イベント対応

DIGITAL HARDWARE STANDARD SPECIFICATIONS | COAXPRESS

®

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カメラ1台

イーサネット経由または外部からの電源供給による、ラインスキャンカメラもしくはエリアカメラ

10Gbpsまでのデータ伝送速度フレームグラバ不要

100m銅線

カメラはイーサネット経由または外部からの電源供給トータルでの10Gbpsまでのデータレート(10Gbpsのリンク)

カメラ複数台IEEE1588による共通タイムスタンプとトリガリング

55m Cat-7

5000mファイバ5000mファイバ

100mダイレクトアタッチ

銅線 イーサーネットケーブル

ロック付き銅線 イーサーネット

ケーブルコネクタ

10Gbit イーサーネット ダイレクト

アタッチケーブル

イーサーネット 光ファイバ ケーブル

GigEVisionはイーサネット通信規格(IEEE802.3)を用いた 広範囲に対応するカメラインタフェース規格です。2006年5月 にリリースされ、2010年にはversion 1.2に、2011年にはversion2.0に改定されました。複数ストリームチャネルをサポートし、標準 のイーサネットケーブルを用いて非常に長い距離を高速で エラー無しでの画像データ転送を可能にしています。異なる メーカのハードウェアとソフトウェアが様々なデータレートで イーサネット接続を通してシームレスに相互運用することが できるようになります。IEEE1588のような他の規格を用いて、正確なトリガリングを行うこともできます。

伝送速度現時点では1および2Gbps(2本のケーブルを使用)でのシステムが可能;10Gbpsと無線システムへの対応も検討中

受信デバイスPC直接;フレームグラバは多くの場合不要

ケーブルケーブルとカメラの台数にもよるが、ケーブル長は カメラ1台に対して100m(銅線)または5,000m (光ファイバ)まで可能

コネクタ銅線イーサネット; スリュー固定付き銅線イーサネット;10ギガビットイーサネットダイレクトアタッチ;イーサネット光ファイバケーブル

カメラ給電イーサネットケーブル(POE)経由または外部から給電が可能

その他の特徴マルチカメラが可能;各カメラはそれぞれのIPアドレスを持つため、同一ネットワーク内で動作するカメラの数に制限はない

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規格名 GigE Vision

初版リリース 2006年5月

最新バージョン 2.0 (2011年11月)

規格化ホスト協会 AIA

規格書 website www.visiononline.org/gigevision

標準ソフトウェア必須 GenICam (GenAPI, SFNC)オプション GenICam (GenTL)

出力構成

構成 画像データ転送速度 ケーブル数

1 GigE 115 Mbytes/s 12 x 1 GigE (リンクアグリゲーション) 230 Mbytes/s 2

10 GigE 1100 Mbytes/s 1WiFi 25 Mbytes/s なし

画像データ信頼性 再送機能 CRC, 受信側からのパケット再送コマンドの発行(オプション)

カメラ制御

Uplink Downlinkに相対

Downlink 画像データ共用

外部トリガカメラへの直接接続、ソフトウェアトリガ、IEEE1588による高精度同期(オプション)

データ受信デバイスネットワーク・インターフェースカード (NIC) をマザーボードに搭載あるいはアドインのカードとして挿入可能。GigE Vision フレームグラバを使うことも可能。

接続形態 1対1、1対多 ネットワークカードに直接接続あるいはイーサネットスイッチ経由での接続が可能。マルチキャストとブロードキャストをサポート

ケーブル

種類 最大長 給電能力

CAT-5e/CAT-6a/CAT-7 100m 13W (IEEE802.3af)(オプション)

25W (IEEE802.3at)(オプション)2 x CAT-5e/ CAT-6a/CAT-7 (リンクアグリゲーション)

100m 26W (IEEE802.3af)(オプション)50W (IEEE802.3at)(オプション)

マルチモードファイバ 500m なしシングルモードファイバ 5000m なしSFPダイレクトアタッチ 10m なし

その他の特徴

■ネットワーク機能、イーサネットスイッチと互換■GenICam メタデータ■イベント生成■複数データフォーマット対応:非圧縮, JPEG, JPEG 2000, H.264 など■アクションコマンド:複数デバイスに同時にトリガ

ロードマップ

次バージョン 2.1

目標時期 2014年末

主要機能■メカニカル仕様■テスト性向上

■新しいピクセルフォーマット■3Dデータサポート

DIGITAL HARDWARE STANDARD SPECIFICATIONS | GIGE VISION

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カメラ1台

カメラは1本のケーブルでPC/ノートPCのUSB3.0のポートに接続、PCよりの電源供給、400Mbytes/sまでのデータレート

フレームグラバ不要

カメラ複数台

USB3.0ポートを複数持つ標準PC

USB3.0ハブ

カメラの直接接続、フレームグラバ不要

ハブ経由でのカメラ接続、帯域幅の共有

ホスト側ロック付き Standard A

デバイス側ロック付き

micro B

USB3 Visionは、2011年後半に起案され、2013年1月にVersion1.0がリリースされた新しい規格です。USBは、プラグアンドプレイや高い 機能性などで、広く一般に知られていましたが、マシンビジョン業界では、それまで一般的ではありませんでした。しかし、マシンビジョンの種々の ニーズに適合させるために、多くの企業による専門知識を結集し、規格化 作業を行いました。この規格化により、ごく普通のUSBホストやほとんど のOSで、カメラからの画像データのユーザバッファへの転送において、 DMAを利用した直接転送を実現することができました。GenICam規格によるカメラ制御の導入により、エンドユーザが、USB3 Visionを既存システムに容易に実装できるようになりました。USBの規格化団体であるUSB-IFによる伝送速度の向上や機能追加といったUSB規格の改良(2倍の伝送速度を持つUSB3.1は既にリリースされています)に伴って、USB3 Visionの改良も期待されています。

伝送速度USB3.0規格に則った400 Mbytes/s 以上のデータ転送の信頼性;最近規格化されたUSB3.1はこの2倍以上だが未対応

受信デバイスPC直接; ほとんどのPC、組み込みシステムにUSBが実装されており、フレームグラバなどの追加インターフェースカードは多くの場合不要

ケーブル長標準パッシブ銅線3-5m; アクティブ銅線 8+m;マルチモード光ファイバ100m

コネクタUSB3 Vision タイプ: ホスト側: ロック付き standard A;デバイス側: ロック付きmicro-B

電源供給標準パッシブケーブル: 最大4.5 W (5 V, 900mA) ;アクティブケーブル: 場合により変動;マルチモード光ファイバ: なし

その他の特徴フレームグラバに近い画像データ転送性能

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規格名 USB3 Vision

初版リリース 2013/01

最新バージョン 1.0 (2013/01)

規格化ホスト協会 AIA

規格書 website www.visiononline.org/usb3vision

標準ソフトウェア必須 GenICam (GenAPI, SFNC, GenCP)

オプション GenICam (GenTL), IIDC2

出力構成構成 画像データ転送速度 ケーブル数

USB 3.0 SuperSpeed 5Gbps 400 Mbytes/s 1

画像データ信頼性 自動再転送 (USB bulk 転送) USB3.0のハードウェアに実装

カメラ制御

Uplink Downlinkに相対

Downlink 画像データ共用

外部トリガ カメラへの直接接続、ソフトウェアトリガ

データ受信デバイス PC直接、アドインカード

接続形態 1対1、1対多 ハブを使用したスター構成1つのバスに最大127デバイス

ケーブル

種類 最大長 給電能力

標準パッシブ銅線 3~5m 4.5W

アクティブ銅線 8+m 変動

マルチモード光ファイバ 100m (typ) なし

その他の特徴

■マシンビジョンタイプコネクタ (スクリューロック:ホスト側、デバイス側)■フレームグラバに近い画像データ転送性能■プラグアンドプレイ■800 Mbytes/s のUSB3.1に対して、プロトコル、コネクタについては対応可能

ロードマップ

次バージョン 1.1

目標時期 未定

主要機能

検討中■高フレームレート転送対応■有効な非同期イベント通知■複数画像データ転送■マルチカメラ同期■外部電源供給

DIGITAL HARDWARE STANDARD SPECIFICATIONS | USB3 VISION

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規格名 IEEE1394 + IIDC Camera Link Camera Link HS

初版発行時期 1996年8月 (IIDC) 2000年10月 2012年5月

最新バージョン version 1.32 (IIDC) version 2.0 version 1.0

最新バージョン発行時期 2008年7月 (IIDC) 2012年2月 2012年5月

接続形態 デージーチェイン 1対1 1対1、データ分割

データ伝送形式 パケット パラレル パケット

画像データ信頼性 エラー検出のみ なし 再送機能/誤り訂正機能

標準ソフトウェア 必須: IIDC オプション: GenICam CLProtocol

必須: GenICam GenAPI, GenCP, SFNC

オプション: GenICam GenTL

認証 自己認証 登録制、自己認証 登録制、認証試験

出力構成

IEEE1394a (S400) IEEE1394b

(S1600) BASE MEDIUM/FULL 80-bit C2 F2 8xF2

(分割)IEEE1394b (S800)

画像データ転送速度

� �� ��� ���� ���� ����� ����� �����

�: 100 Mbytes/s

��: 200 Mbytes/s

���: 500 Mbytes/s

����: 1000 Mbytes/s �����: > 1000 Mbytes/s

制御系統 画像データ共有 独立シリアル 独立uplink, 画像データ共用

ケーブル形態 IEEE1394 Camera Link CX4 ファイバ

ケーブル長 (パッシブ)cable)

� � �� �����

�: 10 m

��: 20 m

���: 50 m

����: 120 m ����: > 120 m

給電機能 必須 オプション なし

給電容量 最大45W (PCに依存) 4W 8W 8W ー

フレームグラバの必要性 不要 必要 必要

外部トリガ入力 カメラへのハードウェアトリガ

カメラへの直接接続、 フレームグラバから

カメラへの直接接続、 フレームグラバから

トリガレイテンシフレームグラバからカメラ(リンクのレイテンシ、プロトコルのオーバヘッドのみ)

ー ����� ���� �: 100us

��: 10us

���: 1us

����: 100ns �����: < 100ns

ハードウェアインターフェース標準規格比較表

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CoaXPress GigE Vision USB3 Vision

2010年12月 2006年5月 2013年1月

version 1.1 version 2.0 version 1.0

2013年2月 2011年11月 22013年1月

1対1 1対1、ネットワーク 1対1、階層状スター

パケット パケット パケット

エラー検出のみ 再送機能 再送機能

必須: GenICam GenAPI, GenTL, SFNC 必須: GenICam GenAPI, SFNC 必須: GenICam GenAPI, GenCP, SFNC

オプション: IIDC2 オプション: GenICam GenTL オプション: GenICam GenTL, IIDC2

登録制、電気適合試験、 プロトコル試験、プラグフェスト 登録制、認証試験、プラグフェスト 登録制、電気適合試験、

プロトコル試験、プラグフェスト

CXP3 CXP6 4+1 CXP6 (LAG) 1 GigE 2x1GigE

(LAG) 10 GigE SuperSpeed (5 Gbps)

��� ���� ����� �� ��� ���� ���

独立uplink, 画像データ共用 全二重、画像データ共用 全二重、画像データ共用

同軸線 CAT-5e, ファイバ CAT-6a, ファイバ SuperSpeed USB

���� ��� ������� (CAT-5e/6a)

����� (ファイバ)�

�(銅線)

���� (ファイバアダプタ)

必須 オプション 必須

13W 52W13W (IEEE802.3af),

4.5W25W (IEEE802.3at)

必要 不要 不要

カメラへの直接接続、 フレームグラバから カメラへの直接接続 カメラへの直接接続

���� ー ー

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ソフトウェア標準規格は、マシンビジョンシステム

機器の相互運用性を確保するという点に

おいて、ハードウェア標準規格と同様に

重要です。

インターフェースのソフトウェアは、トランスポートレイヤ(TL)、ソフトウェア開発ツール(SDK)の一部であるライブラリによって構成されます。SDKは、単体で提供されたり、 フレームグラバやサードパーティによる画像 処理ライブラリに含まれていたりします。

トランスポートレイヤは、規格化された、あるいは独自のトランスポートレイヤプログラムインターフェースを持ち、カメラとホスト間の基本的なデータ転送を行います。カメラの機能と、それらのカメラでの低レベルでのレジスタ配置を標準化することが、SDKライブラリの役割となります。この標準化プロトコルには、GenICamとIIDC2の2つの方式があります。

GenICamでは、規格書にカメラ機能が列挙されていますが、そのレジスタ配置は実装に依存していま

す。カメラ機能がどのようなレジスタ配置になっているかは、決められた書式によってカメラ記述ファイルに記述されま

す。SDKライブラリは、カメラから記述ファイルを読み出し、解釈することでそのレジスタ配置を知ることができます。

一方、IIDC2では、規格書にカメラの機能と実装の詳細が固定レジスタ配置として定義されています。そのため、SDKライブラリは通常、カメラ機能とレジスタ配置の関係がハードコーディングされています。

ハードウェアインターフェース標準規格は、カメラがいかなるドライバやフレームグラバとも接続できることを保証します。ソフトウェア標準規格のプログラミングインターフェースは、異なるライブラリでも、あるいは独自開発の場合であっても使えることを保証します。開発者は、カメラ、ドライバ、あるいはインターフェースを交換する場合でさえ、それらが標準規格に則っていれば、大きな変更を必要とせず相互に交換することができます。

マシンビジョン用ソフトウェア標準規格

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GenICam規格は次のようなモジュールで構成されています。

•GenTL (Generic Transport Layer)は、トランスポートレイヤプログラミングインターフェースを規定します。 カメラの認識、カメラレジスタのアクセス、画像データの転送、非同期イベントの通知を可能にします。GenTLは、 低レベルのインターフェースなので、エンドユーザは通常、直接GenTLを使用する代わりにSDKを使用します。GenTLの主な目的は、異なるベンダによるドライバとSDKのシームレスな動作を保証することです。

•GenApi (Generic Application Programming Interface)は、カメラ記述ファイルの書式を規定します。 このファイルはカメラ(標準およびベンダ固有)の実装に伴う機能をすべて列挙し、各カメラレジスタの配置を定義します。この記述は、XMLフォーマットを使用し、テキストで記述されているので、容易に解釈できます。一般的にこのファイルはカメラに格納され、カメラがシステムに最初に接続された時、SDKによって読み出されます。

•SFNC (Standard Feature Naming Convention)は、カメラ記述ファイルに記述する機能名、レジスタの型、機能、使い方を規定します。これは、異なるベンダのカメラであっても、同じ機能は同じ機能名で制御できることを保証します。

•GenCP (Generic Control Protocol)は、カメラ制御のパケット構造を規定し、制御系のソフトウェアの再利用性を確保するために使用されます。

GenICam委員会メンバーは、カメラの記述ファイルを解析するパーサーサンプルコードを維持管理しています。実行コードはC++で書かれており、無償で使用することができます。一連のOSやコンパイラで幅広く相互利用可能です。利用可能なSDKの多くは、このサンプルコードを利用して実装されており、それゆえ、高い相互運用性が保証されています。

GenTLインターフェース

アプリケーション

(オプション)レジスタアクセス

カメラ記述ファイルXML

カメラ

ドライバ SDK

実装

画像データ

GenICam (Generic Interface for Cameras)は全てのカメラ、いかなるインター フェース技術、あるいは、どのような機能が実装されていても、汎用的なプログラミング インターフェースを提供します。GenICamは、産業界全体で使用される同じアプリケーション プログラミングインターフェース(API)を持つことを目指しています。

GenICam方式

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レジスタアクセス

画像データカメラ

ドライバ SDK

実装

アプリケーション

IIDC2の概念:

•容易な実装と使い易さ

•カメラコントロールレジスタのアクセス性

•ベンダ固有機能への拡張性

•全てのカメラに対する共通の制御方式

•多種インターフェースへの対応(IEEE1394, USB3 Vision, CoaXPress, 将来のインターフェース)

•GenICamとの親和性

IIDC2規格は、カメラ内部のレジスタを直接読み書きすることでカメラをコントロールするという簡便な方式を使用 しています。全てのカメラの機能に関する情報はカメラ内部にあるため、ユーザはこれらのレジスタを読むことにより、 カメラの機能に関する全ての情報を得ることができます。

レジスタの配置は、半固定方式によって行われています。アクセス性を実現する固定方式と、拡張性を実現する 非固定方式の組み合わせです。カメラの機能は基本機能と拡張機能に分類されています。基本機能は、レジスタ配置 と機能が規格書で規定されています。一方、拡張機能は、ベンダが任意に追加することができるもので、レジスタ配置を 規格書にあるリストから選択し、その機能についてはベンダ独自のものとすることができます。

IIDC2レジスタをGenICamとセットで使用する場合、カメラ記述ファイルは全てのカメラに対して共通となります。 これは、IIDC2レジスタ配置が規格書で規定されているためです。

IIDC2規格は、カメラコントロールレジスタ配置を定義します。IEEE1394カメラにおけるIIDCの後継規格でもあります。露光時間制御などの各機能の詳細が定義され、制御レジスタが、 半固定方式にてレジスタ空間に配置されています。IIDC2は、非常にシンプルなカメラ制御 方式を提供します。

IIDC2方式

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GenICam IIDC2

基本データ

初版リリース 2006年9月 2012年1月

最新バージョン 2.4(2014年1月) 1.0.0 (2012年1月)

規格化ホスト協会 EMVA JIIA

規格書website www.genicam.org www.jiia.org

トランスポートレイヤプログラミングインターフェース GenTLモジュールによる対応 対応なし

カメラ検出 あり ー

カメラレジスタアクセス あり ー

ビデオデータ あり ー

非同期イベント通知 あり ー

対応ハードウェアインターフェース標準規格

 必須 CXP ー

 オプション 1394, CL, CLHS, GEV, U3V ー

カメラプログラミングインターフェース 対応 (GenApi + SFNCモジュール) 対応

規定方法 カメラ記述ファイル 規定されたレジスタ構成

規格化された機能数 460 54

カスタム機能対応 あり あり

イベント通知 あり ー

チャンクデータ操作 あり ー

対応ハードウェアインターフェース標準規格

 必須 CXP, CLHS, GEV, U3V ー

 オプション 1394, CL 1394, CXP, U3V

リファレンスコード あり (GenApi module) なし

使用料 無償 ー

実行コード あり ー

プログラミング言語 C++ ー

サポートOSWindows (32/64), Linux (32/64/ARM), Mac OS X

サポートコンパイラ Visual Studio, GCC ー

ロードマップ

次バージョン 3.0 1.1.0

目標時期 2014年第3四半期 2014年第2四半期

主要機能実行速度の改善、メモリ使用量の削減

イメージフォーマット、トリガ制御の改善

ソフトウェア標準規格比較表

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www.visiononline.org www.emva.org jiia.org