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ブロックで学ぶ小中学生の技術2 MECHANICS STATICS 「機械と構造物」学習キット 解説マニュアル

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Page 1: ブロックで学ぶ小中学生の技術2 MECHANICS STATICS · この遮断機に使われている歯車が「ウオームギア」と「平歯車」です。 ウオームギアと平歯車の組み合わせでモーターの回転速度を落としています。

ブロックで学ぶ小中学生の技術2

MECHANICS & STATICS 「機械と構造物」学習キット

解説マニュアル

Page 2: ブロックで学ぶ小中学生の技術2 MECHANICS STATICS · この遮断機に使われている歯車が「ウオームギア」と「平歯車」です。 ウオームギアと平歯車の組み合わせでモーターの回転速度を落としています。

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目 次 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 第1章遮断機とウオームギア・・・・・・・・(5) 第2章歯車機構・・・・・・・・・・・・・・(7) 第3章トランスミッション・・・・・・・・(12) 第4章オートマチックと遊星歯車・・・・・(16) 第5章デフレンシャルギアとかさ歯車・・・(20) 第6章ジャッキとねじ送り機構・・・・・・(22) 第7章ワイパーとリンク機構・・・・・・・(26) 第8章てことその応用・・・・・・・・・・(30) 第9章滑車とホイスト・・・・・・・・・・(32) 第10章静力学の世界・・・・・・・・・・(34) 第11章テーブル・・・・・・・・・・・・(35) 第12章脚立の組立・・・・・・・・・・・(37) 第13章橋の組立・・・・・・・・・・・・(38) 第14章やぐらの組立・・・・・・・・・・(42) 第15章クレーンの組立・・・・・・・・・(43) あとがきに代えて・・・・・・・・・・・・(45)

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<はじめに> ■このキットで学習すること

このキットでは機械を構成する機械き か い

要素よ う そ

(ねじ・ピン・軸受じくうけ

・歯車・ベルトなど) のうちから最も基本的な構成要素である「歯車」を中心にその働きと役割につい

て、最も身近な機械である自動車を中心にしたモデルを組立ながら 学習していきます。すなわち

● 遮断機とウオームギア ● 歯車機構とトランスミッション ● 遊星歯車とオートマチックトランスミッション ● かさ歯車とデフレンシャルギア ● ジャッキとねじ送り機構 ● ワイパーとリンク機構 ● てこと滑車

つぎに静力学の中心である骨組み構造の基本について

橋やクレーンを中心にいろいろなモデルを組立ながら頑丈がんじょう

な構造物を どのように組み立てるかといったことを学習します。

■ このキットの対象年齢 このキットは入門キットやユニバーサルキット等で フィッシャーテクニックのブロックキットの基本を一通りマスターしてきた 9 歳以上のお子様を対象にしております。 このキットおよびユニバーサルキットは欧米で技術教材として高い評価を 得ている商品です。 このキットとほぼ同じ内容がイギリスの中学校の技術家庭の教材として 利用されております。従ってレベル的には中学生が学ぶ内容と考えてください。 9・10 歳のお子様の場合は組み立てることに重点を置き 11 歳以上のお子様の場合は組立のみでなく、構造やしくみもあわせて 学習していくようにしてください。

■私たちのまわりにある機械 今日、重い荷物を担いでいる人もいませんし、のみと金槌で 壁に穴を開けている人もいませんし、洗濯板で洗濯物を洗っている人も いません。(洗濯板をご存知ですか?) いろいろな便利な機械が発明され、そのおかげで人々も大変楽に仕事が

できるようになりました。

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最初は鉱山の機械から出発してジャンボジェット機やコンピューターに いたるまでいろいろな機械が開発されたおかげで私たちの仕事が 大変楽になりました。 機械にはいろいろな種類があります。

●荷役に や く

運搬うんぱん

機械き か い

トラック・自動車・クレーン・エレベーターなど ●産業機械 鉱山機械・工作機械・製鉄機械・化学機械・繊維機械など ●エネルギー変換 電動モーター・エンジンなど ●情報機械 コンピューターなど ■ 機械とは

それでは機械とは何なのか、その定義から機械とは ① お互いに関係する部分を組み合わせたものであること ② これらの部分は力が加わっても壊れたり、変形しないこと ③ それぞれの部分が一定の限られた動きをすること ④ 外から受け取ったエネルギーを有効な仕事に変えて外に出すこと の 4 つの条件を満たすものといわれています。 そして塔屋や橋などは①、②があっても③と④の無いので「構造物」と されています。

また③を満たさないもの、たとえばのこぎりやハンマーは「工具」であって

機械ではありません。 また時計やカメラは④がないので(仕事を外に出さないので)「器械」 (または機器)といわれます。

■動力学 Dynamics と静力学 Statics 昔の大聖堂を建てた建築家たちはより高い教会を建てるためにどのような構造に

すれば安定した建物になるかを研究して、その限界に挑戦してきました。 今日でも建築家は建物の安定性を計算します。とりわけ高層耐震建築を建てる 場合、それは大変重要な作業です。これはまさに静力学の世界です。

またモーターやエンジンと歯車を使って物が動く分野が動力学の世界です。 動力学は動きの変化、たとえば軸の回転や前後動や歯車を使った動きの伝達など

があります。したがって動力学とは動きの変化の科学といえます。 この 2 つの分野についてこのキットで学習していきます。

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■電動モーター モーターは機械を動かすものであり、それには 2 つの種類があります。 燃焼系のエンジンと電気系の電動モーターです。 電動モーターは今日、ほとんどの機械を動かす動力源になっています。 このキットに入っているモーターはかなり早く回転するので その 1 回転ごとの動きを見ることはできません。 また回転は速いけれどもその力は大変弱いのです。 そこで回転を遅くして、回転する力を強くするために歯車がいるのです。 ■仕事と動力 ここで簡単に仕事と仕事率についてまとめておきましょう。

運動をさまたげる力に逆らって物体を動かしたとき、「仕事をした」といいます。 そして物体を動かすのに力が要りますから仕事量は力の大きさと移動距離を かけたものです。 仕事量=力(力の大きさ)×移動距離 仕事率は単位時間当たりの仕事量ですから 仕事率=仕事量÷時間=(力×移動距離)÷時間 =力×速度 速度=移動距離÷時間

以上は直進運動の場合で回転運動の場合は 軸を回転させようとする力と腕の長さをかけたものをトルクまたは ねじりモーメントと定義します。 トルク=力×腕の長さ そして回転運動のときの仕事量はトルクと回転角度をかけたものです。 仕事量=トルク×回転角=力×腕の長さ×回転角 仕事率は 仕事率(動力)=仕事量÷時間=(トルク×回転角)÷時間 =トルク×角速度 角速度=回転角÷時間

まとめると 運動 仕事量(kg 重・m) 仕事率(kg 重・m/秒) 直進運動 力×移動距離 力×速度 回転運動 トルク×回転角 トルク×角速度

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第 1 章ウオームギア 歯車にはいろいろな種類がありますがその中から 最初に「ウオームギア」を取り上げてみます。 ウオームギアは右の図のように表記されます。

*ウオームとは英語で長細い虫のことを言います。

1-1遮断機し ゃ だ ん き

の組立 ●組立マニュアルを見て、まず遮断機を 組み立てましょう。

●クランクを回転させると遮断機は上に上がります。 クランクを何回回転させると遮断機は垂直になるでしょうか。

●つぎにあがった遮断機を指で下へ押してください。 遮断機は下へ降りましたか。

この遮断機に使われている歯車が「ウオームギア」と「平歯車」です。 ウオームギアと平歯車の組み合わせでモーターの回転速度を落としています。 見ていてもわかるようにウオームギアが1回転すると平歯車は1歯分 回転しますので平歯車が1回転するには平歯車の歯数分、ウオームギアを 回転させる必要があります。 したがって平歯車の歯車数だけ減速されることになります。 20枚歯の平歯車を使えば20分の1に 減速されます。 使用方法は回転シャフトにウオームギアを 取り付けます。 そしてウオームギアで歯車を回転させます。

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またウオームギアは自動的にロックされた 状態になりますので 歯車が逆回転することはありません。 したがって遮断機やクレーンには安全確保のため

に、すなわち逆転するのを防ぐために 必ずウオームギアが使われています。

さて、組み立てた遮断機の場合は使用している平歯車の歯数は 30歯なので垂直に上げるには平歯車を1/4回転させる必要があります。 すなわち7.5回クランクを回転させると垂直になります。 また指で押しただけでは遮断機は下に降りません。これは自動的にロックが かかっているからです。またウオームギアを使うとわずかな力で遮断機を 上げ下げできます。

ウオームギアはいろいろな機械に使われていますが、

簡単な使用例としては次に組み立てるターンテーブルもそのひとつです。 1-2ターンテーブルの組立 ●組立てマニュアルを見てターンテーブルを組み立てましょう。

●テーブルの上に水を入れたコップを置き モーターで回転させることができるか試してみましょう。

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ウオームギアを使うことで回転速度が減速される分、 回転する力、すなわち回転トルクは反対に大きくなります。 この回転テーブルでは40歯の歯車を使っているので その速度は40分の1に減速されますが、回転トルクは40倍になります。 したがってこの重い回転テーブルも小さなミニモーターで回転させることが できるのです。 ウオームギアについて学んだことをまとめておきましょう。

第 2 章歯車はぐるま

機構き こ う

この章では歯車機構について勉強しましょう。 歯車は最も古くから、そして最も多く使われている機械の要素です。 歯車にはいろいろな大きさと形があります。 このキットで使う歯車は 平歯車・傘歯車・内歯車・ウオームギア です。

2-1歯車はぐるま

機構き こ う

の組立 ●まずこのモデルを組み立ててください。 クランクを 1 回転させると第 2 の歯車のシャフトは何回転しますか。 クランクを反対方向に回すと第 2 の歯車のシャフトはどの方向に回転しますか。

■ウオームギアの長所 ●大きな場所が要らない ●回転速度の減速ができる ●逆回転しない ●回転力(トルク)が増大する ●回転方向が 90 度変わる

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歯車は何枚かの歯車を組み合わせて使用します。

そしてその際、動力部になる歯車(自ら動く歯車)を「駆動く ど う

歯車はぐるま

」、 駆動歯車によって連動して動く歯車を「被動

ひ ど う

歯車はぐるま

」といいます。 歯車機構で 2 枚の歯車を接するように平行に取り付け、クランクで 歯車を回転させる場合、駆動歯車の歯数を z1、回転数を n1、 被動歯車の歯数を z2、回転数を n2 とすると速度比は

歯数 z1×回転数 n1=歯数 z2×回転数 n2 速度比=n2:n1=z1:z2

という関係が成り立ちます。 この場合はどちらも同じ歯車を使っているので第1の歯車が

1回転すると第2の歯車も1回転します。 駆動歯車 被動歯車 ギア No. 1 2 歯数 Z1=20 Z2=20 回転数 N1= N2= 回転方向 右回り

2-2歯車機構の組立2

●ちがう歯数の歯車を使ったモデルを組み立て、このことを 確認しましょう。

このモデルでは駆動歯車は 30 歯、被動歯車は 20 歯です。 ●クランクを 1 回転させると隣の歯車は何回転しますか。

クランクを時計回りに回転させると隣の歯車はどの方向に回転しますか

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駆動歯車 被動歯車 ギア No. 1 2 歯数 Z1=30 Z2=20 回転数 N1= N2= 回転方向 右回り

2-3自動車の組立 ●歯車について一通り勉強しましたので歯車を使った

自動車を組み立てて見ましょう。自動車 1 を組み立ててください。

モーターと歯車で本当の車のように動きます。 次に歯車の種類を変えて自動車2を組み立てます。

この自動車 2 は自動車1よりも早く走ります。駆動歯車の歯数が 20 から 30 になったので被動歯車の回転数は 1.5 倍早くなります。

つぎに駆動歯車を歯数 10 の歯車に変更して自動車 3 を組み立てます。

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今度は 30 から 10 になったので自動車2に比べ速度は3分の1に減速されます。

この 3 種の自動車を組み立てることで 3 種類の減速機げ ん そ く き

を 組み立てたことになります。 自動車1では 20:20=1:1 自動車2では 30:20=1:1.5 自動車3では 10:20=1:2 そして減速されると回転する力(トルク)が大きくなり 加速されるとトルクは小さくなります。 このことは例えばトラクターなどに応用されています。 トラクターは乗用車に比べて遅いですが耕す力は大きいのです。 またこのような減速歯車は自転車にも使われています。 ペダルにつながる歯車は大きく、後輪につながる歯車は小さくなっています。 2-4チェーン付歯車の組立 歯車が離れていた場合に力を伝達するのに「ベルト」や「チェーン」を

使用します。チェーンドライブの車を組み立ててください。

最初はモーターの代わりにクランクで動かします。 クランクを 1 回転させるとギアはどれだけ回転しますか。 クランクを時計方向に回転させるとギアはどの方向に回転しますか。 この機構は自転車と同じです。 自転車もペダルに接続した歯車と後輪の歯車をチェーンでつないでいます。

駆動歯車 被動歯車 ギア No. 1 2 歯数 Z1=20 Z2=20 回転数 N1 N2 回転方向

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2-5 ハンドル付自動車の組立 次に車が一方向だけでなくあらゆる方向に動くためには ハンドルが必要です。マニュアルを見てハンドル付の自動車を

組み立ててください。

ステアリング(ハンドル)は古代西ヨーロッパに住んでいたケルト人が 発明した商品で、彼らは荷車用に開発した結果、荷車のハンドルが

簡単に切れるようになりました。 彼らの発明したものは「第五の車輪ハンドル」と言われますが 今日でもトレーラーや馬車や手引き車などに利用されています。 第五の車輪は車軸と車輪用の椅子に似た荷物台を持ったハンドル機構で 車体に取り付けた回転ピンに取り付けられます。 そしてステアリングは取り付けられたハンドルや長柄によって 動かされます。

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この章では歯車を使うことで力を伝えるだけでなくその 回転速度・回転方向・回転トルク(回転する力)を変えることができることを 学びました。 歯車の長所をまとめておきます。

第 3 章トランスミッション この章では自動車に使われている変速機(トランスミッション)を

組み立てます。 このモデルを組み立てることで歯車を使った減速機の構造を学習します。

3-1変速機の組立

●組立マニュアルを見て、この変速機を組み立ててください。 ●モーターを動かしてギア1からギア3にゆっくりとシフトレバーを 動かしてみてください。

■歯車の長所 ● 回転する動きを伝えることができる ● 回転速度を変えることができる ● 回転する力(回転トルクといいます)を大きくしたり小

さくしたりすることができる ● 回転方向を変えることができる

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●回転速度はどのように変化していますか。下の表で確認してみましょう。 この歯車装置を図にまとめてみると次のようになります。 奇数枚数の歯車が並列に並んでいると被動歯車の回転方向は

駆動歯車の回転方向と同じです。 偶数枚数の歯車が並んでいるときは反対に被動歯車の回転方向は 駆動歯車の回転方向と反対になります。

高速回転 低速回転

逆回転(バック)

1020

10

30

2010

15

ギア No. 高速 低速 バック 駆動歯車 15 15 15 伝達歯車 30 30、20 30、10 回転軸 10 20 10、10 回転速度 n × 15/30 ×

30/10=1.5n n×15/30× 20/20=0.5n

n×15/30× 10/10=0.5n

回転方向 逆回転

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3-2やってみよう ●異なった歯数の歯車を使っていろいろがギアボックスを組み立て ください。 ●車輪をドラムに変えると電動ウインチになります。 ●チェーンを使ったギアボックスに取り組んでみてください。

■ウインチと歯車

上のウインチで大きな歯車を 30 歯の歯車、小さな歯車が 10 歯の歯車とすると 左のウインチでは B を 1 回転すると A は 3 回転します。 右のウインチでは B を 1 回転すると A は 3×3=9回転します。

A と B のどちらにワイヤーを巻き取るようにすればいいのでしょうか。 それはなぜですか。

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■ラックピニオン機構 ラックとは平歯車とかみ合う直線歯型の歯車です。 平歯車のピッチ円筒半径が無限大になったものと 考えられます。 このラックと平歯車を組み合わせたものが

ラックピニオン機構です。

●実際の自動車では ラックピニオンは 右図のように ハンドル部分に 使われています。

●フィッシャーテクニックには 2 種類のラックピニオンパーツが 準備されています。 ここではモデルの組立は行いませんが下図を参考にしてください。

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第 4 章遊星歯車と傘歯車 「遊星

ゆうせい

歯車はぐるま

」という言葉を聞いたことがありますか? それは皆様の身近なところで使われている歯車装置です。

たとえば自動車ではオートマチックトランスミッションに組み込まれていますし、 自転車の減速機にも使われていますし、家庭用品では台所のミキサーや鉛筆削り

に使われています。また遊園地の回転コーヒーカップにも遊星歯車が 使われています。 遊星歯車とは地球が自転をしながら太陽の周りを公転する遊星運動と 同じように歯車が自転と公転をすることから名づけられています。

4-1 遊星歯車機構の組立

●マニュアルを見て遊星歯車機構を組み立ててください。 ●駆動歯車であるクランクを動かして、クランクと連動してどの歯車が 動いているか観察してください。 ●スライダ(レバーの下部分)を動かし、内歯車が回転しないようにして、 クランクを回転させると反対側の歯車(これをキャリアといいます)が 減速されて回転することがわかります。

遊星歯車の目的は簡単です。負荷

ふ か

のかかった状態で、すなわち駆動歯車と 被動歯車の間の力の流れを切断することなく、回転速度を変換することです。 車で言えばエンジンを回転したままで変速できるオートマチック車はこの 遊星歯車のおかげです。 単純な遊星歯車の機構は下図のように、

1太陽歯車、2遊星歯車、3キャリア、4内歯車の 4 つの要素から 成り立っています。

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真ん中にある太陽歯車は駆動軸と直結して連動していて、しかも内歯車の中で 遊星歯車と接しています。

遊星歯車は内歯車に接していると 自分中心にして回る自転と内歯車の中を回転していく公転を行います。 そしてこの働きをするためには ①回転力を与える歯車を決めること ②固定する歯車を決めるか、もうひとつ回転力を与える歯車を決めること が必要です。 たとえばこのモデルではスライダを左に動かしてキャリアを固定して 内歯車を回転させると遊星歯車は自転するだけです。 今度はスライダを右に動かして内歯車を固定して太陽歯車を回転させると 遊星歯車は自転と公転を繰り返し、キャリアが出力軸になって 減速回転します。 このモデルでは内歯数は 30、太陽歯車の歯数は 10、遊星歯車の歯数は 10 です。太陽歯車につながったクランクを 1 回転させたとき、 キャリアは四分の一回転します。すなわち回転速度を1/4に減速します。 なぜ1/4なのか一緒に考えましょう。(単純に考えると太陽歯車が 10 で

内歯車が 30 なので1/3と思ってしまいます。)

次のように考えます。 ① 全体の動き

スライダが無い状態で太陽歯車を1回転させると すべてが同じ方向に1回転するので キャリアも内歯車の1回転

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② キャリア固定 つぎにスライダを左に移しキャリアを固定して内歯車を反対方向に 1回転させると 太陽歯車は 10 歯で内歯が 30 歯なので 太陽歯車の回転数は -1×-(30/10)=3となります。 回転方向が逆向きなので(-)をつけています。 この場合遊星歯車の歯数は関係してこない。

③ 実際の回転 実際の回転はスライダを右に寄せて内歯車を固定した状態 (すなわち内歯車の回転が0の状態)なので結果的には ①と②を足したものになります。

④ 速度比=出力軸(キャリア)÷入力軸(太陽歯車) 表にまとめてみると(逆向きのときは-をつける)

太陽歯車 内歯車 キャリア(腕) 全体固定

+1 +1 +1

キャリア固定 +3 -1 0 実際の動き 内歯車固定

+4 0 +1

したがって 速度比=キャリア÷太陽歯車=1÷4=1/4 となり回転速度は1/4に減速されます。

4-2傘型かさがた

歯車はぐるま

機構き こ う

の組立 かさ歯車とは回転軸を 90 度変換させるために使用する歯車です。 かさ歯車を使った歯車機構を組み立てて

見ましょう。 ● 下図のモデルを組み立てます。 ● 回転速度、回転方向、回転力がど

のようになるか調べてください。 この傘型歯車機構を使うと回転方向が 90 度変

わりますが回転速度や回転トルクは変わりません。

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4-3台所用ミキサーの組立 遊星歯車とかさ歯車を使って台所用のミキサーを作ってみましょう。

また台の上にコップを置いて実際にミキサーとして使ってみましょう。

またこのモデルを基本にしてどのようなものが製作できますか。 自分で考えていろいろなものを作ってみてください。

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第 5 章差動歯車機構(デフレンシャルギア)と傘歯車 差動

さ ど う

歯車はぐるま

機構き こ う

はデフレンシャルギアと呼ばれ、自動車では デフレンシャルギアは 2 つの役割を果たします。 1 つは駆動力を 2 つの車輪に同じ割合(50:50)で配分することで、 もうひとつは車がカーブを曲がるときに両輪の回転差を補正することです。 すなわち車がカーブを曲がるとき外側の車輪のたどる円と内側の車輪のたどる 円は違うのでそれぞれのタイヤのたどる道のりは異なってきます。 この左右の車輪の回転差を補正するためにどの四輪車にもデフレンシャル機構が

取り付けられています。 デフが無ければ車は安全にカーブを曲がることが出来ません。 またこのデフレンシャルギアは車の種類によっては 2 箇所で使われています。 それはいわゆるフルタイム4WD(四輪駆動)車に使われている デフレンシャルギアで、大きくハンドルを切った場合などは前後車輪の回転数が

違ってくるのでその違いを吸収するために取り付けられているもので 通常「センターデフ」と呼ばれるデフレンシャルギアです。

5-1デフレンシャルギアの組立

●デフレンシャルギアは「かさ歯車」を使った車の代表的な機構です。

●マニュアルを見てデフレンシャルギアを組立なさい。 ●回転速度・回転方向・回転トルクの変化を観察しましょう。 ●車輪の片方を止めた場合、他の車輪の回転はどうなりますか。

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■ディフィレンシャルギヤの説明 モデルを動かしながら確認していってください。 このモデルではディフィレンシャルはリンクギアによって回転します。 動力は傘型ギア(ピニオンギア)をかいして伝えられます。 車が直進しているとき(左右のタイヤの回転数が同じ時)は 2のデフピ二オンは回転せずディフィレンシャルケース全体が 回転します。したがって2つの車輪が1本の車軸でつながっているような 状態になっています。

ところがカーブなどで左右のタイヤに回転差が生じるとデフピニオンが うまく回転してその回転差を吸収してくれます。 いま右の車輪を固定して動きを止めると右のサイドギアも回転が止まります。 一方リングギアに取りつけられているピニオンシャフトはリングギアと 同じ回転数で回っているからサイドギアと回転差が生じてきます。 この回転差を吸収するためにデフピニオンが回転します。 ピニオンシャフトはリングギアと同じ回転数で回っているので デフピニオンが回転した分だけ左のサイドギアは回転数が上昇します。 そして両方の車輪に加わる力が等しくなるとまた 2 つの車輪が 1 本の 車軸につながっているかのような動きになり直進します。

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第 6 章ねじ送り機構 時には重たい荷物を一人で持ち上げなければならないときがあります。 車でいえばタイヤがパンクしたときはタイヤを取り替えるために 車を持ち上げる必要があります。 そしてそのためにジャッキが車にはついております。 この章ではねじとねじ送り機構について学習しましょう。

その構造の要点は「ねじ送り機構」にあり,「ウオームギア」に似た性質が あります。すなわち小さな回転力を大きな力に変えてものを持ち上げます。

6-1ジャッキの組立

● 組立マニュアルを見ながら、このジャッキを組み立てましょう。 ● クランクを 1 回転させるとウオームナットはどれほど動きましたか。 ● ウオームナットが左へ移動していくとき、ジャッキの作用点は

どのように上がりましたか。 ● またどれほど上がりましたか。 ● ジャッキの作用点を押さえるとねじ軸は逆転しますか。

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● このジャッキと通常のジャッキ(イラスト)とはどこが どのように異なるのでしょうか。

このモデルでは 3 つの部品が重要な働きをしております。 それは「ウオームギア」と「ウオームナット」と「クランク」です。

ジャッキを見てわかるように「ねじ送り機構」には多くの長所があります。 ●少しの力で重いものを持ち上げることが出来る。

クランク軸にかかる力はクランクをまわす力の (クランク半径 R÷車軸半径r)倍になる。 ねじのピッチが小さいほど大きな力になる

●クランクを1回転させるとウオームギア1ピッチ分前進する。 ●ウオームギアは自動的にロックがかかり、逆戻りしません。

6-2テーブルリフターの組立

● このテーブルリフターを組立なさい。 ● 荷台の上に水を入れたコップを置いて ● クランクをまわしてコップを押し上げてみよう。

このテーブルリフターは、シザーリフトともよばれ

丁度はさみと同じで力点は1つですがテーブルを2点で支え

均等に力を加えることが出来ますのでテーブルを平行に安定した状態で

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上下運動させることができます。昇降式の作業台として利用されています。

このリフターはパンタグラフ式のリンク機構により クランクによる回転力をテーブルの平行な上下動に変換しています。 ねじの送り出す力でウオームナットが前後に移動すると 丁度はさみと同じように作用点が固定されているのでテーブルの支点も 前後に移動して三角比が保たれるので荷台は平行な状態で上下動します。

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6-3旋盤の組立

●組立マニュアルを見て、この旋盤を組み立ててください。 ●この旋盤には 2 つのねじ送り機構がついています。まさに実物の旋盤と 同じです。前後左右に切削工具を動かせるようになっています。

* 旋盤とは工作機械の一種で工作物を主軸とともに回転させ、 往復台上にある刃物を左右前後に動かして切削し、表面切削・ ねじきり・孔あけなどを行う。(広辞苑より)

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第 7 章リンク機構 皆様は車のワイパーがどのように動いて

いるかご存知でしょうか。 この章でそのメカニズムを学びます。 ワイパーではモーターの回転運動を 前後運動あるいは左右に揺れる 揺動運動に変換するためにリンク機構と

言われるものが使われます。 一般にクランクを使ったリンク機構には

いろいろな種類がありますが 代表的なものは

1平行リンク機構 2交差リンク機構 3てこクランク機構 4スライダ・クランク機構

などです。

7-1ワイパーの組立

● 組立マニュアルを見ながらこのワイパーを組み立ててください。 ● カムがクランクの役割をしております。

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これは交差リンク機構を使ったワイパー装置です。 ただし実際の自動車のワイパーではウオームギアを使ってモーターを減速して

トルクを高めたうえでカムとクランクでワイパーを 動かしています。

7-2「4つのリンク」の組立

この4つのリンクは「てこクランク機構」を使った装置です。 この装置はその名の示すとおり、4 つの関節からできており、

それぞれが回転できるようになっております。 そのうちのひとつがカムにつながりクランクで回転させます。 ●どの部品が動き、どの部品が動かないか観察して記入しましょう。

動くか 動きの形 クランクB 連接棒C レバーD フレーム 固定 固定

●4つのリンクが成り立つ条件 三角形の成立条件と同じで「2辺の和は他の1辺より長い」が必要。 A+D>B+C (C-B)+D>A

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7-3電動のこぎりの組立

長い間電動のこぎりは金属加工にとって大変便利な道具でした。 またこの装置はスライダ・クランク機構の代表でもあります。

この装置によってクランク部分での回転運動が のこぎり部分で直進前後運動に変換されます。

そしてその動く範囲は限界点 T1 と T2 の間でその幅は クランクの直径になります。

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7-5その他関連したリンク機構 ■ユニバーサルジョイント(自在継ぎ手)

このキットにはモデルの組立がありませんが リンク機構の一種にユニバーサルジョイントがあります。 フィッシャーテクニックには 2 種類のユニバーサルジョイントパーツが 用意されています。 車ではエンジンの回転軸(プロペラシャフト)と車輪とを結びつける機構で 上下動をしても確実に連動して動力を伝達できるようになっております。 ■カム機構

これもリンク機構と同じように 回転運動を上下運動・往復運動に 変換するものです。

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第 8 章てことその応用 4000 年前にはものの価値や品質は重さで計られました。 そのための道具が天秤ばかりでした。 バランスで 2 つの重さを量ったわけです。 8-1天秤ばかり(上皿天びん)の組立

● このはかりを組み立てましょう ● ブロックを両方の天秤皿においてください。 ● 天秤は均等になりましたか

これらの秤は天秤棒の長さが等しいことが前提です。

8-3竿ばかりの組立 はじめから重りの重さを一定にしておいて その位置をずらすことで物体の重さを計るものが「竿ばかり」

といわれるものである。

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■これらのはかりは「てこの働き」を利用しています。

てこが水平に保たれている状態を「つりあっている」と呼びその時は、

支点を中心にして右と左にかたむけるはたらき(力×距離)が

等しくなっています。

(作用点にはたらく力)×(支点から作用点までの距離)

=(力点に加える力)×(支点から力点までの距離)

例えば「さおばかり」の場合

(30g)×(10cm)

=(はかるものの重さ)×(7.5cm)

(はかるものの重さ)=40g

となり、40gのものをのせれば

ちょうどつりあいます。

30g

7.5cm 10cm

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第 9 章滑車とホイスト 滑車には定滑車・動滑車および組み合わせ滑車があり、力の方向を 変えたり、加えた力よりも大きな力を生じさせたりするときに用いられます。 軸が定位置にあって移動しない滑車を「定滑車」といい 引き方向が変わるだけで力は変わらない。 一方「動滑車」はロープの動きに伴って移動する滑車で 2 本のロープで重りを支えることになるのでロープにかかる重さは半分に なります。 動滑車と定滑車を組み合わせたものを「組み合せ滑車」といい、 この章では組み合せ滑車を使った荷揚げ用巻き上げ機を組立て滑車の働きを 学習します。

■滑車の原理

左の図が滑車のモデル図です。

今、矢印の向きにひもを引っ張ると

20Kg の重りが上へ上がりますが

この 2本のひもで重りを支えている

為、それぞれ 10Kg ずつ支えている

ことになり、ひもを引く力は

当然 10Kg になります。

但し、ひもを引く力は確かに半分になりますが、ひもを引く長さは倍になります。

20KG

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9-1 荷揚げ用ホイストの組立 ●まず一番のモデルを組み立ててください。 これは動滑車が 1 個、定滑車が1個ついた ホイストです。 重りをぶら下げてください。 重りを10cm上がるにはロープを 何cm引く必要がありますか。 そして引く力はどのようになりますか。

●次に2番目のモデルを組み立ててください。 この場合は動滑車が 1 個、定滑車が 2 個の場合 です。 重りを10cm上げるのにロープを 何cm引く必要多ありますか。 また引く力はどのようになりますか。

●三番目のケースは動滑車が 2 個、 定滑車 2 個の場合です。

この場合も10cm引き上げるには 何cm引く必要がありますか。 またそのときの力はいくらですか。 9-2仕事の原理 道具や機械を使っても仕事を得することは できないことを仕事の原理といいます。 機械や道具を使うとそれを動かす距離は 長くなるが力は小さくてすむわけです。 人間の出せる力は限られているから機械や 道具を使う価値があるわけです。

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第 10 章 静力学の世界 静力学とは荷重状態での強い安定した構造を研究する学問であり 建物など建築物や橋などの構造物を設計する上で基礎を成す分野です。 ものに加わる力にはいろいろなものがあり、

それ自身の重量(これを専門用語で「死し

荷重かじゅう

」dead weight といいます。)もあれば その上に乗る荷物やその他の重さ(これを「積載

せきさい

荷重かじゅう

」traffic load といいます。)も あります。 強い構造とはどういうことでしょうか。 図のように2本の支柱の上に割り箸をおいてその上に圧力を加えてみます。 少し大きな力を加えると割り箸は簡単に折れてしまいます。 ところが箸を立てにして真上から押さえても、あるいは左右に引っ張っても 簡単には折れません。 このことがポイントです。つまり力を分散させて各部材が「圧縮力」と「引っ張り力」を

受けるような構造にすると丈夫なものになります。 次に曲げに強くするにはどうすればいいのでしょうか。 これは同じ素材の部材でもその断面の形状によって 強さが異なってきます。 例えば右図の 3×3mmの角材を基準にすると 6×3mmにするとその強度は 4 倍になります。 また 3×6mm にすると 2 倍の曲げ強度になります。

専門用語では「断面だんめん

係数けいすう

」といわれる値で 曲げに対する強さを表します。 割り箸を使って

①割り箸1膳を上から押さえる ②2膳を重ねて上から押さえる ③2膳を横に並べて上から押さえる

の各場合について比較してみてください。 しかし部材を大きくすればその重さもまた大きくなりますので出来るだけ重さを 大きくせず強度を強くする工夫が必要です。

専門用語では「比ひ

強度きょうど

」といわれるもので耐たい

荷重かじゅう

を重さで割ったものです。 どのような構造にすれば耐荷重が大きく、しかも軽量に仕上がるかが 橋などを設計する上で大切なことになっています。

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第11章テーブルの組立

●マニュアルを見てテーブルを組み立ててください 対角線の筋交いも正しく接続してください。

テーブルはそれ自身の重さ(死し

荷重かじゅう

)を支えるのみでなく その上におかれる積載荷重も支えています。

もちろんその他の荷重の中には突然襲ってくる衝撃(これを「衝突しょうとつ

荷重かじゅう

」と いいます。)もあります。 そのためにもテーブルは安定した構造をとる必要があります。 部材としてこのテーブルでは足に L 型のアングル(角材)を使っているので

大変安定しています。

また 2 種類の「筋交い」(斜材しゃざい

Diagonal と支柱張り Bracing)を入れることで テーブルの構造もしっかりしています。

そして斜材とテーブルの足は三角形を形作り、圧力や引張りに強い構造に なっております。

こうした骨組み構造物では接続部分のことを「節点せつてん

node」といいます。 また構造物に加わる力を地盤に伝える点を「支点」といいます。

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●やってみよう! ① テーブルの支柱張りをはずしてから荷重をかけます。

テーブルはどのようになりましたか。 ② 今度は支柱張りをもう一度戻してから、斜材をはずしてください。

そして荷重をかけます。テーブルはどうなりましたか。 ③ こんどは支柱張りもはずしてください。テーブルはどうなりましたか。

(1) の場合は上から荷重すると簡単にこわれてしまいます。 (2) の場合は筋交いで補強しているので簡単に壊れませんが

斜めに荷重されると平行四辺形に崩れる可能性があります。 (3) の場合は斜材を入れているので上からの荷重では簡単に

壊れません。三角形によって構造的に強くなったからです。

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第12章脚立きゃたつ

の組立 脚立は最も単純で安定した構造物です。 足はアングルでできていてなおかつ支柱張りもついております。 脚立は 2 本のはしごを組み合わせたものでその一番上で 蝶番でつながれています。

●やってみよう! ① 脚立を組立ますが、最初は支柱張りを取り付けないでください。 ② その状態で脚立に荷重をかけ、なおかつはしごを押してください。

脚立は安定しておりますか。 ③ つぎに支柱張りを取り付けてから同じように荷重してみます。

今度はどうですか。 脚立は左右同じはしごを真ん中で接続していますので

三角型の安定した構造ですが支柱張りなしでは、荷重すると スリップして脚が広がってしまう可能性があります。

しかし支柱張りを取り付けると、三角型の安定した構造になり、 少しぐらいの荷重では壊れることはありません。

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第13章 橋の組立 13-1けた橋の組立 橋にはいろいろな種類がありますが大きく分けて 桁橋・アーチ橋・トラス橋・つり橋・

ラーメン橋(ラーメンとはドイツ語で額縁のこと) 斜張橋(しゃちょうきょう)

の 6 種類があります。

そして最良の橋とは安全で、長くて、安くて、見栄えがいいことです。

最初に組み立てる橋はもっとも古典的な橋でいわゆる「桁けた

橋はし

」というものです。

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● マニュアルを見てこの桁橋を組み立ててください。 ● この橋の強度を調べるために橋の中央に重りを置いてください。 ● どのくらいの重さにまで耐えられますか。 (調べ方としてはこの橋を机の両端等において砂か小石を入れた スーパーのポリ袋の重りを橋の中央に置いた箸などにぶら下げて 調べます。)

このような1スパンの「けた橋」は荷重も少なく、橋げたの幅も広くないとき には適していますが、橋げたの幅が広くなり、荷重が大きくなると 安定性、耐荷重性で問題があります。

桁橋がどれだけの曲げ圧力に耐えられるかによってその強度は決まってきます。 13-2下梁構造の橋(トラス橋1)

● 今度は前の桁橋に梁を下に取り付けてこの橋を完成させてください。 ● 前の橋に比べ格段に丈夫になりました。 ● より重い荷重を橋の中央に加えながら調べてみてください。

この荷重実験からこの橋は大変安定していて大きな力にも 耐えうることがわかります。その理由は何でしょうか。 これは「トラス構造」という大変力学的に丈夫な構造になったからです。

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トラス構造とは三角形をひとつの単位として構成された骨組み構造で この構造に作用する荷重はすべて節点のみに作用するようになります。 そうするとすべての部材には軸方向にのみ力が加わり、曲げの方向に 力が加わらないようになります。 部材は曲げ変形に対する強さよりも軸方向の変形(圧縮力・引張力による変形)に 対する強さの方が大きいため、 トラス構造は力学的に強い構造になるのです。 しかし大きな荷重には適しておりますが長いスパンの橋には向いておりません。 またこのタイプの橋は見た目にはつり橋に似ておりますが 構造的には全く異なります。

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13-3上梁構造の橋(トラス橋2) この上梁構造の橋は トラス橋の典型的な形です。 筋交いを使って三角形の トラス構造にすることによ

って大変強い構造になって

おります。 圧縮力は主桁のみでなく他

の部材にも分散されており

ます。 上梁は交差した筋交いでで

きていてそれらは側面の上

部につながれています。 上部の筋交いは橋の ねじれを防いでいます。

●やってみよう! この橋に荷重を加えていくことによってどの節点に

圧縮荷重が、どの節点に引張り荷重がかかっているかを調べてみましょう。 たわんできた部分は圧縮荷重に弱いところです。 例えば 106mm の筋交いはたわみますのでこれをなくすには

106mmの筋交いにかえて、黄色の L 型に差し替えるなどを行うことで より丈夫な橋になります。

■ブリッジコンテスト ある中学校で技術家庭の教材としてブリッジコンテストがなされています。

4×4×900mm のヒノキ材を6本使い、木工用接着剤のみで スパン 400mmの橋を作り何 kg までの荷重に耐えることが出来るか という競技です。

どのようなトラス構造にすると最も丈夫な橋ができるか、 アイデア競争です。

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第14章やぐらの組立

上から遠方を眺めようと思えば見晴らし台が必要です。 ● この見晴らし台を組み立てて下さい。

● この建物の構造が理解できますか。

構造物の構成要素は「骨組み」と呼ばれているものです。 建物や塔やこのような見晴らし台にはまず骨組みが組み立てられます。

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第15章クレーンの組立 ●クレーンを組立ててください。 ●巻き上げにウオームギアを 使っていますがなぜ ウオームギアを使うのですか。 ●塔屋を丈夫にするために 補強材がどのように使われていますか。 ●クレーンのジブは一種の 「てこ」になっています。 力はどのように働いていますか。 ●このクレーンではジブが 起き上がりませんがどのようにすれば 起き上がるようになりますか。 ●クレーンに取り付けた 巻き上げ機(ウインチ)で 重い荷物を持ち上げれるようにするには どのように改良すればいいのでしょうか。 ●このクレーンに使える他の歯車装置は ないでしょうか。 ●荷揚げ機構も改良できませんか。

ここでは今まで学んできたことの総まとめとしてこのクレーンについては メカニックから構造にいたるまで改良案を考えトライしてみてください。 そして結果を下の表にまとめてみましょう。 改善点 有利な点 使用の可能性 使用部材

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以上でこのキットを使ったモデルの組立は終了します。

自動車の代表的なメカニズムや橋の強度について大方の理解が

得られたことと存じます。

ここで学んだことはいろいろなマシンを自作する上で大変重要な事柄ばかりです。

もし不明なところがありましたら発売元までファックスまたはメールで

お問い合わせください。

「ユニバーサルキット」およびこの「機械と構造学習キット」が終了すると

大方のモデルは組み立てることが出来ると思いますし

そのメカニズムも十分理解できると思います。

キット以外にオリジナル製品を組立てる上で新たに部品が必要になれば

発売元においてパーツの個別販売もいたしておりますので併せてお問い合わせ下さい。

本マニュアルの作成に当たり下記出版物を参考にさせていただきました。

厚く御礼を申し上げます。

日本実業出版社 原田了著「自動車のメカニズム」

山海堂 橋口盛典著「クルマのメカ入門」

日本規格協会 中里為成著「歯車のおはなし」

秀和システム 松本慎也著「構造力学の基本」

共立出版 中井・北田著「新編 橋梁工学」

技術評論社 渡辺忠著「機械要素のABC」

輸入発売元:株式会社のもと

〒531-0077 大阪市北区大淀北1-1-11

電話 06-6458-6831

FAX 06-6458-6811

e-mail [email protected]

URL http://www.kknomoto.co.jp

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<あとがきに代えて>

フィッシャーテクニックのブロックキットをお買い上げいただき、有難うございます。

フィッシャーテクニックは子供たちの知的好奇心を引き出し、創造力を育てるブロックキットとして

全世界の人々から 40 年以上も愛され続けている教育玩具です。

ブロックが作り出すことの出来る世界を限界まで追求し、その精度の高さはブロックを

1つ手にとって頂くだけでお分かり頂けるかと思います。

では、このブロックキットが何故ここまで全世界で愛され続けてきたかと申しますと1つは

このブロックキットが子供達の科学技術への興味関心を大いに高める効果があるからです。

例えば、休日に親子でキャッチボールをしている姿を公園などでよく見かけますが、

その時の子どもの顔をよく思い出してみてください。

投げる時も受ける時も打つ時もまさに真剣そのものの顔つき、、、

そして難しいボールが取れた時、打てた時の心の底からの嬉しそうな笑顔、、、

世界に名だたる一流選手もこの笑顔、できたという感動から野球人生をスタートさせたのです。

また一流の科学者も元々は理科実験・理科工作や自然観察から大きな感動と喜びを得て

ひとつの事柄を理解し、そして又、新たに実験・工作を行い、、、

やがて科学技術者としてその道を切り開いていっているのです。

ここで重要なことは、子供たちへの野球や科学への動機付けであり、つぎにそのモチベーションを

いかに高く維持していくかということです。

そのためには「やった!出来た!」という達成感を積み重ねていくことが大切です。

フィッシャーテクニックは“家庭”で親子がいっしょになってこの感動を体験できる環境を

提供いたしております。

フィッシャーテクニックは科学好きな子供たちにこの「やった、できた」の感動を与え、

その興味と関心を高めていく効果のあるすばらしい教材の開発を目指して努力しております。

野球やサッカーも9,10歳くらいからクラブに入り、根気よく基礎練習を積み重ねて

いくことにより上達していきます。科学的能力も同じです。

そのための最適なツールがこのフィッシャーテクニックのシリーズです。

子供たちは簡単なモデルの組立から数年のうちに独創的なマシンが製作できるところまで

その能力を高めていくとともに現代技術について多くのことを学んでいけるようになっています。

そしてより高度なものへとチャレンジしていく中で技術や科学への関心を高めるだけでなく

一般的な学習意欲も高まっていきます。

お子様はいかがでございましたでしょうか。

少し難しければまず組み立てて動かすこと、マニュアルが難解であれば飛ばしてください。

それでもマシンを動かしながらその動きを観察することでメカニズムが理解できるはずです。

子供たちの科学的能力を高める有効なツールとして、また親子のコミュニケーションツールとして

フィッシャーテクニックの各種シリーズがきっとお役に立つものと確信しております。

Learning by Playing フィッシャーテクニックからの提案です。

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■フィッシャーテクニックの商品群 7歳からの入門キット 9歳からの学習キット 12歳からのロボットキット

ミニキットシリーズ ★機械と構造物学習キット ★ロボット入門キット

★ベーシックシリーズ ★エコパワ-学習キット ★自走ロボットキット

★ユニバーサルキット ★空気圧学習キット 産業ロボットキット

センサー学習キット 空気圧ロボットキット

★歩行ロボットキット

9歳からのホビーキット スペアパーツほか

カー&トラック組立 モーターセット

★パワーブルドーザー ライトセット

★大型観覧車組立キット IR リモコン

★大型トラック組立キット クリエイティブ Box

★大型トラクターキット

★スチームエンジン

オレンジマークの「Spiel Gut」スピールグートとはドイツの「子供の遊びと玩具」審議会がよい玩

具として推奨するものにだけ貼ることが許可された玩具マークで「玩具でよく遊びなさい!」という

意味が込められています。詳しくは http://www.spielgut.jp 星印のついた商品は「SpielGut」認定

商品です。

■フィッシャーブロックの特徴

構造的に6面すべてを使って立体的に 組み立てていけること

ブロックは3種類の素材(ナイロン樹脂・プラスチック・金属)

から出来ており、プラスチックブロックの接合部分は

引張り強度の大変強いナイロン樹脂を使用し

しかもさらに強度を高めるために内部は金属棒

(アンカーボルト)で補強されています。

この製造法によってフィッシャーテクニックのブロックは

世界で最も丈夫なブロックといわれています。