アマモ種子バンク芳田利春とする意識をもつきっかけとなった。2.「なぎさ海道」への理解...

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特定非営利活動法人アマモ種子バンク 大飯町のアマモ場(撮影:森 鐘一) 2011.12.16 第3回『魚庭の海』賞 発表会 特定非営利活動法人アマモ種子バンク 芳田利春

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Page 1: アマモ種子バンク芳田利春とする意識をもつきっかけとなった。2.「なぎさ海道」への理解 アマモの花枝が流れ藻となり播磨灘、大阪湾そして紀州灘の流れ(恒流)で各海域に

特定非営利活動法人アマモ種子バンク

大飯町のアマモ場(撮影:森鐘一)

2011.12.16 第3回『魚庭の海』賞発表会

特定非営利活動法人アマモ種子バンク 芳田利春

Page 2: アマモ種子バンク芳田利春とする意識をもつきっかけとなった。2.「なぎさ海道」への理解 アマモの花枝が流れ藻となり播磨灘、大阪湾そして紀州灘の流れ(恒流)で各海域に

赤穂海浜公園前のアマモ(撮影:三島正嗣)

特定非営利活動法人アマモ種子バンク

海草海草““アマモアマモ””

光合成により有機物を作る一光合成により有機物を作る一次生産者次生産者

土中や水中の栄養分を吸収し、土中や水中の栄養分を吸収し、光合成により炭酸ガスを吸収し光合成により炭酸ガスを吸収し酸素を放出酸素を放出

このような視点でアマモ場を回復、拡大するため、種々のアマモ場造成法が提案されている。当NPOも沿岸域環境の保全および新たな創造のために、アマモ場造成に関する技術の研究と開発を行い、その普及活動を通じて地域社会の発展と環境の調和を図るとともに、地球環境問題に関する国際協力活動を行い、人類の持続的発展に貢献することを目指し、活動しています。

魚介類の幼稚仔が成育する場魚介類の幼稚仔が成育する場

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アマモの生態

栄養株花枝株

発芽期1月~2月

(15~12℃)花枝(生殖株)3月~6月形成(13~21℃)

衰退期7月~9月(22℃以上)

伸長期2月~6月

(12~21℃)

冬春

栄養株は現存する藻場を維持する。栄養株は現存する藻場を維持する。種子は波、流れにより現存する藻場から流出し、新たなテリトリーを求める。種子は波、流れにより現存する藻場から流出し、新たなテリトリーを求める。

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市民によるアマモ場再生モデル事業

播磨灘

大阪湾

紀州灘

「なぎさ海道」アマモ場再生プロジェクト播磨灘、大阪湾そして紀州灘を結ぶ「なぎさ海道」沿岸部に沿ってアマモ場を子ども達の環境体験学習や地域住民の市民活動として造成する。これによって、沿岸部の流れに乗ってアマモ種子が各地に供給されるようになり、アマモ自身の生命力を活かして「なぎさ海道」のアマモ場を再生する。

姫路市海のいのちクラブ

阪南市

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5~6月 :田辺市、赤穂市、姫路市、明石市のアマモ場でアマモ種子を採取アマモ種子を採取

「なぎさ海道」アマモ場再生プロジェクト

2011.5.17 田辺市内之浦湾 (和歌山県、田辺市、内の浦湾を良くする会ほか)2011.6.13 赤穂市海浜公園前 (御崎小学校、海っ子倶楽部ほか)2011.6.15 姫路市白浜海岸 (白浜小学校、海のいのちクラヴほか)2011.6.18 明石市江井ヶ島港 (市民、当NPO)

田辺市内之浦湾

赤穂市海浜公園前

姫路市白浜海岸

明石市江井ヶ島港

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6~8月 :明石市・江井ヶ島漁港でアマモ種子を養生・選別アマモ種子を養生・選別8~10月 : NPO事務所(西宮市)の恒温高湿箱でアマモ種子を保存アマモ種子を保存

明石市江井ヶ島港

田辺市内之浦湾

明石市江井ヶ島港

当NPO事務所

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10~11月 :アマモの種まきアマモの種まき

アマモ育苗キット配布会(赤穂市、相生市、明石市、泉南市、阪南市)

2011.10.18 姫路市 白浜小学校 (海っ子倶楽部ほか)2011.10.25 赤穂市 御崎小学校 (海のいのちクラブほか)2011.10.31 相生市 那波および相生小学校 (相生湾自然再生学習会議ほか)2011.12.5 阪南市 西鳥取小学校 (環境教育技術振興会ほか)

阪南市西鳥取小学校

姫路市白浜小学校

赤穂市御崎小学校

相生市那波および相生小学校

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10~11月 :アマモの種まきアマモの種まきアマモ播種シートの製作・設置(田辺市、泉南市)

2011.10.22 田辺市・内之浦湾 (新庄第2小学校、和歌山県、田辺市、内の浦湾を良くする会ほか)2011.11.22 泉南市・田尻漁港 (田尻小学校、りんくうタウン沿岸漁業振興連絡会、東洋建設㈱ほか)

田辺市内之浦湾

泉南市田尻漁港

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2009年2~3月 :アマモ育苗キットの回収およびアマモ苗の移植アマモ苗の移植

2011.2.28 姫路市・白浜海岸 (白浜、那波および相生小学校、海のいのちクラブ、相生湾自然再生学習会議ほか)2011.3.4 阪南市・せんなん里海公園 (西鳥取小学校、環境教育技術振興会ほか)2011.3.7 赤穂市・大倉海岸 (御崎小学校、海っ子倶楽部ほか)2011.3.7 相生市・那波港 (那波小学校、相生湾自然再生学習会議ほか)

赤穂市大塚海岸

阪南市せんなん里海公園

相生市那波港

姫路市白浜海岸

ボランティアダイバーの協力ボランティアダイバーの協力明石市 ダイブセンターノリス(三宮店、明石店、加古川店、姫路店)大阪市 環境教育技術振興会、アクアブルー和歌山市 紀州灘環境保全の会

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啓蒙・普及活動毎年 :アマモ勉強会の開催アマモ勉強会の開催

2010.5.26 第7回アマモ勉強会-アマモ、アマモ場の利活用- 新大阪丸ビル・新館606号室2011.11.20 全国アマモサミット2011-アマモ場再生の輪をひろげよう!- 海遊館ホール

第7回アマモ勉強会・パネルディスカッション

全国アマモサミット2011

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活動の効果活動の効果

1.アマモおよび海域環境に関する意識

子ども達や市民が種子から自分の手で育苗し、海域に移植した後の生育状況を自分の目で確認することにより、アマモの生態を理解し、その生育する身近な海域環境の保全について関心を持ち、さらにはより広い自然環境の創造に対して自ら行動しようとする意識をもつきっかけとなった。

2.「なぎさ海道」への理解

アマモの花枝が流れ藻となり播磨灘、大阪湾そして紀州灘の流れ(恒流)で各海域に種子を落とし、アマモの生命力と自然の力でアマモ場が再生される。この海域沿岸部の流れの流路そのものが「なぎさ海道」であり、「なぎさ海道」はアマモ種子回廊であり、アマモにとって重要な海道(回廊)である。この理解から、子ども達を始めとする多くの方々に、アマモ場再生を通して「なぎさ海道」を知り、その環境を保全し創造することの大切さを知って頂いた。

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今後の課題今後の課題

1.本プロジェクト継続の資金的な裏付け各海域で活動している市民活動団体と協働して本プロジェクトを継続してくため、毎年度、どのようにして活動資金を確保していくかが問題である。市民活動団体(当NPOも含め)の組織体制の整備と活動資金の確保が不可欠であるといえるが、各団体にとっては容易ではない。このことから、当NPOとしては、本プロジェクトを公的な第三者機関に引き継いでもらえるよう、関係先各方面に働きかけていきます。

2.播磨灘の里海づくりとの連携兵庫県は播磨灘の里海づくりについて種々検討されているが、赤穂市、相生市、姫路市および明石市での本プロジェクトの活動とどのような関係で連携していけるかを検討します。

3.地元住民および一般市民の参加 各

地域の市民活動団体を通して、多くの小学校でアマモおよび海に親しむ環境体験学習がなされ、その都度地元紙ほかで報道され、地元住民および一般市民にも認知されるようになっている。しかし、地元住民および一般市民が直接本プロジェクトに参加することは少ない。インターネットだけでなく種々の広報媒体による衆知を検討したい。