成人と小児・乳児の救命の連鎖の違い...成人の救命の連鎖 (思春期以降)...
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成人の救命の連鎖
(思春期以降)
成人と小児・乳児の救命の連鎖の違い
小児・乳児の
救 命 の 連 鎖
(思春期まで)
通報 → CPR → 除細動 → ACLS →
( 急変 → 心停止 : AEDが より重要 )
予防 → CPR → 通報 → PALS →
( 急変 → 呼吸停止 : CPRが より重要 )
※ 小児が目の前で倒れた場合
(心停止が疑われる場合) 心停止後
ケアの統合
心停止後
ケアの統合
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
年齢により心肺停止の原因は異なる 1) 心停止が先行する心肺停止(心停止→心肺停止)
● 成人の心肺停止の大部分がこの型
● 大部分は 心筋梗塞が原因で心室細動(VF)を起こす
● 治療は 除細動と CPR (質の高いCPR)
2) 呼吸停止が先行する心肺停止(呼吸停止→心肺停止)
● 小児・乳児の心肺停止の大部分がこの型
● 何らかの原因で 呼吸停止が先行して起こり、
低酸素血症→徐脈→心肺停止の過程をたどる
● 一度 心肺停止に陥ると、蘇生される可能性は低い
治療は CPR (質の高いCPR;特に気道管理)
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
< AHA G2010 BLSの流れ > 現場の安全確認 ⇒ 意識・正常な呼吸の確認
人&物を集める(119番通報/救急コール、AED)
循環の確認 (5秒以上、10秒以内に 頚動脈拍動を確認)
気道確保 (頭部後屈・あご先挙上)
人工呼吸 2回
D 除細動 (AED/マニュアル式除細動器にて)
胸骨圧迫30回 (胸骨圧迫の速さ:少なくとも100回以上/分)
C
A
B ⇒⇒ “胸骨圧迫30回:人工呼吸2回”を繰り返す
( 1回につき1秒かけて、2回で10秒以内)
(胸骨圧迫の深さ:少なくとも 5cm以上)
Ⅰ) 急変 ⇒ 心肺停止であることの確認 : 評価 1A 反応(意識)の確認
1B 正常な呼吸の確認
⇒ 緊急対応システム(119番)への通報、AED依頼
2 循環の確認(頸動脈の触知:5秒以上、10秒以内)
意識・呼吸・循環の確認・手順
CPRの順番 : C→A→B
Ⅱ) 心肺停止に対するCPRの手順(C→A→B) C (Compression ) 胸骨圧迫
A (Airway)気道確保 : 頭部後屈、あご先挙上
B (Breathing)呼吸 : 2回の人工呼吸
⇒ AEDが到着するまで 30:2 のCPRを継続
D (Defibrillation)除細動 : AEDの実行
【 5秒以上、10秒以内 】
G2010 BLS 必ず行うべき手順
1) 心停止の認識から 10秒以内に 胸骨圧迫を
開始すること
2) 効果的な胸骨圧迫をする(圧迫の深さと速度)
成 人 : 圧迫の深さは 少なくとも 5cm 小児・乳児 : 圧迫の深さは 少なくとも 胸郭の
前後径の1/3(小児⇒約5cm、乳児⇒約4cm)
全年齢 : 圧迫の速さは 少なくとも 100回/分
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
G2010 BLS 質の高いCPRの要件
3) 圧迫後、胸郭を完全にもとに戻す(=リコイル)
毎回100% きちんと もとの位置まで戻す
5) 傷病者の胸郭が “軽く” 挙上するくらいの
有効な人工換気(呼吸)を行う
6) 過換気を避ける
4) 中断を最小限にする
⇒ 胸骨圧迫の中断時間を10秒以内にする
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
安全の確認 ⇒ 意識・呼吸の確認
大丈夫ですか?
わかりますか?
(さっと胸郭を見渡し)
意識・正常な呼吸
がない! 大変だ!!
まずは、軽く 両肩などをたたきながら、呼びかけてみます。
意識がない、もしくは、呼吸状態がおかしかったら、人と物集め。
ここ(現場)は、
安全です。
【 5秒以上、10秒以内 】
人と物を集めます
誰か来て下さい!
119番通報を
お願いします!
AED(自動体外式
除細動器)を持って
きて下さい!
近くの人に助けを求めます。119番通報をしてもらい、AED(自動体外式除細動器)を持ってきてもらいます。
C : 循環の徴候(サイン)の確認
医療従事者は、頚動脈触知 を行います。 ( 5秒以上、10秒以内に 頚動脈拍動の有無 を判定 )
一般市民は、頚動脈触知は行いません。
( 脈を間違って感じたり、脈を触れるのに
時間がかかりすぎることが多いためです。)
成人のCPRの流れ : C⇒A⇒B sequence(手順)
C : 胸骨圧迫の手の位置
手掌の“付け根”で押します。
剣状突起(みぞおちにある とがった骨)
あまり下を押しすぎると、剣状突起を押してしまい、おなかの臓器を傷つける可能性があります。
胸部の“真ん中” を押します。
指先に力を入れてしまうと、
肋骨を折ったり、肺を傷つけて
しまう可能性があります。
(heel of hands )
押す深さは 5 cm以上
少なくとも100回/分の
速さでリズミカルに!
乳頭を結ぶ線と体の
中心と交わった辺り。
(胸骨の下半分に相当)
圧迫解除時は、胸壁を
元の位置にもどします。
胸骨の下半分に相当
基本的な気道確保と人工呼吸(換気)
(ポケット) フェースマスク
フェイスシールド バッグ
(バルヴ)マスク
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A : 気道確保
気道の確保。
頭部後屈 あご先挙上。
基本的な気道確保の方法です。
片手を前額部(おでこ)にあて頭部を後屈(後ろにそらせる)
させ、もう一方の手の指2本であご先を引き上げます。
B : 人工呼吸2回
呼吸がなければ、人工呼吸 ! (医療従事者のみ)
1回1秒かけて、 2回、ゆっくり行います。
感染を防ぐため、フェースシールドやポケットマスク
(バリア・デバイス)を使用するべきです。
G2010 BLS 必ず行うべき手順:人工呼吸 (ポケット・フェース・マスク編)
1) マスクは 顔に しっかりと当てて 保持すること
2) 2回の人工呼吸を 胸郭が ”軽く” 挙上する
ように 行うこと
3) 各人工呼吸は、1秒かけて 行うこと
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G2010 BLS 必ず行うべき手順:人工呼吸 (ポケット・フェース・マスク編)
必ず行うべき手順 : 胸骨圧迫⇔人工呼吸
1) 強く、速く 押す ⇒ 少なくとも100回/分のテンポ
圧迫の深さは、成人では少なくとも 5cm
2) 圧迫ごとに、胸郭をもとの位置まで 完全に戻す
3) 各1セットの胸骨圧迫後に2回の人工呼吸を行う
4) 1回の人工呼吸は1秒かけて行い、速すぎたり、
遅すぎたりしないように 気をつける
5) 人工呼吸ごとに胸郭が挙上することを確かめる
⇒ 胸郭が “軽く” 挙上することが有効な換気
6) 中断は最小限に!(胸骨圧迫中断は10秒以内) 7) 過換気を避けること
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
心 肺 蘇 生 (CPR)
① AEDの到着まで、② ACLSチームの到着まで、
③ 傷病者の体動がみられるまで、CPRを続けます
2
30
100↑/分
成人の場合、
1人法でも 2人法でも、
胸骨圧迫 : 人工呼吸
の比は、 30:2
人工呼吸は10秒以内で!
胸骨圧迫のテンポは、
100回以上/分の速さで!
2人法では、CPR 30:2
5~6サイクル(≒2分)毎に
胸骨圧迫を交代 します
AED ⇒ “救命の連鎖”の第3の輪 ① ② ③ ④ ⑤
○ AED とは Automated External Defibrillator の略語であり
「自動体外式除細動器」 と邦訳されます。コンピュータを内蔵して
おり、心リズムを解析して電気ショック(除細動)を実施するように
指示したり、胸骨圧迫をするよう アナウンスしたりする器械です。
○ なぜ早期除細動か? : 除細動が遅れると救命率が低下するから
○ 成人の心停止直後の心リズムは、殆どが VF(心室細動)です。
↑↑ AF(心房細動)では ありませんヨ!
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0
20
40
60
80
100
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
虚脱⇒除細動までの時間(分)
生存退院率(%)
除細動までの時間と救命率
除細動までの時間が 1分
遅れるごとに、救命率は
約10%ずつ低下していく
↓↓
早期の除細動 が大切
院内 院外
70%
50%
○ ○
D : (電気的) 除 細 動
○ 一次救命処置 (BLS) の 「D」 に、除細動が含まれています。
○ 除細動は、時間との勝負です!
○ 除細動までの時間が1分遅れるごとに 蘇生率が約10%低下!
倒れた直後から CPR を開始すると、
AEDを用いた 除細動の成功率が、
2倍以上アップします!
○ AED が到着するまで、救助者が早期から、適切なCPRを
行った場合は、除細動の成功率が ぐ~んと アップします。
成功の可能性が1分ごとに 約10%ずつ低下
G2005~G2010 BLS
コースにおける年齢分類
1) 成人 : 思春期以上
2) 小児 : 1歳から思春期まで (思春期⇒男子は陰毛の出現、女子は乳房の発達)
3) 乳児 : 1歳未満
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
小児・乳児の蘇生
・ 小児の救命の連鎖を改訂
・ 心停止後のケアを新しく連結
・ 予防の重要性は変わらない
まとめ:医療従事者の小児BLSにおける手順
● 反応がなく、呼吸がないか、あるいは あえぎ呼吸 である
ことを確認する.
● 誰かに119番通報してもらい、AEDを手に入れる.
(あるいは、誰かに取りに行ってもらうよう依頼する)
● 脈を確認する (5秒以上 10秒以内で ) .
● 脈がなければ、30:2 で 胸骨圧迫と人工呼吸を実施する.
● 一人なら、2分間のCPRを実施した後で、119番通報する.
● 2人の救助者 がいれば、胸骨圧迫と人工呼吸は 15:2!
● 可能な限り、早期にAEDを使用する.
● Standard CPR(1人法) ( 30 : 2 )
胸骨圧迫
● Hands Only CPR
胸骨圧迫のみ
人工呼吸
好生館トレーニングサイト AHA G2010 BLS for HCP 補足スライド Ver.4.1 ( 2012.3.10)
1、Hands Only CPR とは?
胸骨圧迫のみ行なう CPR (人工呼吸を行わない)
2、どのような傷病者に行うか?
成人の心肺停止患者(傷病者)に許容される
(何もしないより胸骨圧迫だけでもする方が良い) ⇒ 小児や乳児には 正規のCPR を行なうべき
3、どのような救助者に対して許容されるか?
CPRの訓練を受けていない非医療従事者
or バリア・デバイスを持たない医療従事者
(訓練を受けている非医療従事者、及び
医療従事者=プロは、正規のCPRを行うこと)
Hands Only CPR
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窒息への対応
Ⅰ. 反応(意識)がある場合
- 反応がなくなるか、異物が出るまで、以下を行う -
1) 成人・小児 ⇒ ハイムリッヒ法(腹部突き上げ法)
2) 乳児 ⇒ 背部叩打 ⇔ 胸骨圧迫法
(5回ずつ、繰り返す)
Ⅱ. 反応(意識)がなくなった場合
胸骨圧迫 → CPR <30:2>を開始する
(気道確保のたびに 口腔内の異物を確認)
⇒ 異物が見えれば、慎重に取り出す
最後のテスト
実技試験 : 成人の AED を用いた1人法&2人法
CPR のスキル・テスト
(2名ペアを組んで、実技試験を行います)
● スキル・チェック表 ● ポケット・マスク
筆記試験 : 試験問題数は、25 問
● 84%以上(21問以上)の正解率が必要です
● 制限時間は、25分間です
● 事前~本日配布資料に目を通しておきましょう
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