中堅・中小企業における...

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© Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved. 中堅・中小企業における 事業戦略構築法 (有)IDC入江 淳一 2004年 3月 27日 1.事業戦略とは 2.事業戦略とビジネスモデル、マーケティング戦略 3.STP 4.競争力 5.まとめ 1.事業戦略とは 2.事業戦略とビジネスモデル、マーケティング戦略 3.STP 4.競争力 5.まとめ

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    中堅・中小企業における事業戦略構築法

    中堅・中小企業における事業戦略構築法

    (有) IDC 入江 淳一

    2004年 3月 27日

    1.事業戦略とは2.事業戦略とビジネスモデル、マーケティング戦略3.STP4.競争力5.まとめ

    1.事業戦略とは2.事業戦略とビジネスモデル、マーケティング戦略3.STP4.競争力5.まとめ

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    ①どこと戦うか、戦う相手を決める。(競争相手の決定)

    ②何のために戦うか、大義名分を決める。(経営の意義)。戦う目的がお金やモノを奪うためならば、単なる山賊や夜盗のたぐいと同じ。経営の目的が単に利益の追求だけなら、一番程度が低い目的になります。

    ③戦う相手の情報を集める。(競争相手の情報収集)

    ④中心となる兵器と補助の兵器を決める。(重点商品と範囲の決定)

    ⑤中心となる戦場と範囲を決める。(重点地域と最大範囲の決定)

    ⑥戦場へ向かって進軍するルートを決める。(営業ルート、業界と客層の決定)戦いをする場合はどのような陣形にするかを決める。(お客を作り出す全社的な営業方法)

    ⑦部隊を編成してリーダーを決めると共に、それぞれの役割分担を決める。(人の配分と役割の決定。組織。)

    ⑧教育と訓練の方法を決める。(従業員の教育と訓練)武器や食料の補給方法を決める。メーカーなら生産能力の決定、販売会社なら仕入ルートの決定。

    ⑨軍資金の調達と配分を決める。(資金の調達と配分の決定。さらに粗利益の確保計画)

    ⑩作戦計画書を作り、必要によって部隊の責任者に渡して準備をさせる。(経営計画書の作成)

    戦略の定義:将軍の役目。1.事業戦略とは1.事業戦略とは

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    市場の環境評価に必要な視点と分析項目

    松下芳生「マーケティング戦略ハンドブック」PHP研究所

    CompanyCompany

    Co-operatorCo-operator CompetitorCompetitor

    CustomerCustomer

    Market

    ・基本属性・購買態度・求めている

    ベネフィット 等

    ・経営戦略・企業文化・製品特性・人的資源・資金力 等

    競合分析

    ・競合製品特性・市場でのシェア・戦略の方向性・強み/弱み 等

    ・財務状況・自社製品との

    適合性・市場対応力・

    販売力 等

    ・人口統計学的環境・経済環境・技術環境・政治、法律・社会環境・自然環境 等

    自社分析

    協力者の分析

    マクロ的市場分析

    顧客分析

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    複雑な競争上の問題

    ジョージ・ディ「ウォートンスクールのダイナミック競争戦略」東洋経済新報社P168

    環境上の変化

    競争上の変化

    連続的な変化 不連続的な変化

    ・薬価引き下げの圧力・管理介護の成長・開業医や個人営業の薬局の

    役割の低下

    ・国や州レベルでの様々な潜在的なヘルスケア改革

    ・FDAによる、人間向け新薬の臨床試験に対する規制の変更

    ・管理介護体制に向けての営業努力への再集中

    ・特定の治療クラスにおける研究開発予算の増加

    ・外部からのより多くの専門性の導入

    ・ファーマ、PMBの獲得・一般薬市場への参入・バイオテクノロジー技術の獲得

    と「トップダウン」による新薬開発・協調的なマーケティングの協力・消費者へのダイレクト・マーケ

    ティング

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    アンゾフの戦略モデル

    新製品現製品

    現市場

    新市場

    市場浸透戦略 製品開発戦略

    多角化戦略市場開発戦略

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    M.E.ポーターの競争戦略フレームワーク

    グロービス・マネジメント・インスティチュート「マネジメントブック」ダイヤモンド社P19

    競争優位のタイプ競争優位のタイプ

    戦略ターゲットの幅

    戦略ターゲットの幅

    コスト・リーダーシップ戦略コスト・リーダーシップ戦略

    業界全体の広い市場をターゲットに他社のどこよりも低いコストで評判をとり競争に勝つ戦略

    差別化戦略差別化戦略

    製品品質、品揃え、流通チャネル、メンテナンスサービスなどの違いを業界内の多くの顧客に認めてもらい、競争相手より優位に立つ戦略

    他社よりも低いコスト 顧客が認める特異性

    特定の市場でコスト優位に立ち、競争に勝つ戦略

    特定の市場で差別化して優位に立ち、競争に勝つ戦略

    競争優位のタイプ競争優位のタイプ

    特定市場に的を絞り、ヒト・モノ・カネの資源を集中的に投入して競争に勝つ戦略

    (業界全体)

    広いターゲット

    (特定の分野)

    狭いターゲット

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    業界の魅力を決定づける5つの要素

    ジョージ・ディ「ウォートンスクールのダイナミック競争戦略」東洋経済新報社P48

    直接的競争関係

    顧客の力

    原材料供給者の力

    新規参入の脅威

    代替品の脅威

    需要の成長性と安定性

    技術

    革新

    公共

    政策

    ライバルが少数存在する業界、多数の小規模企業が乱立する業界は、競争が最も厳しい

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    戦略的適合の全体像

    伊丹敬之「経営戦略の論理」日本経済新聞社P25

    市場・顧客・競争

    市場・顧客・競争

    企業・資源・組織

    企業・資源・組織

    ビジネスシステム技術

    ビジネスシステム技術

    市場適合市場適合 1.顧客適合2.競争適合

    1.顧客適合2.競争適合

    インターフェイス適合インターフェイス適合 3.ビジネスシステム適合4.技術適合

    3.ビジネスシステム適合4.技術適合

    内部適合内部適合 5.資源適合6.組織適合

    5.資源適合6.組織適合

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    ビジネスデザインの4つの戦略次元

    次元次元 重要な問題点重要な問題点 重要な質問重要な質問

    ①顧客の選択①顧客の選択

    ②価値の選択②価値の選択

    ③差別化/戦略的コントロール

    ③差別化/戦略的コントロール

    ④事業領域④事業領域

    どの領域を対象としたいのか

    どの領域を対象としたいのか

    どのように利益を上げたいのか

    どのように利益を上げたいのか

    どのように自分の利益の流れを守りたいのか

    どのように自分の利益の流れを守りたいのか

    どのような活動を行うのか

    どのような活動を行うのか

    ・実質的な価値を増加できる顧客は誰か・利益を与えてくれるのはどの顧客か・対象としたくないのはどの顧客か

    ・顧客のために生み出した価値の一部分を、利益としてどう獲得するのか

    ・自社の利益モデルとは何か

    ・選択した顧客は何故自社から買うのか・自社の価値提案を競争相手のものと差別

    化し、ユニークにしているものは何か・顧客の力や競争相手の力に対抗しうる

    戦略的コントロールとは何か

    ・どのような製品、サービス、ソリューションを売りたいのか

    ・組織内で、どのような活動や機能を遂行したいのか

    ・誰と下請け契約をし、誰にアウトソーシングし、誰をビジネスパートナーにしたいのか

    『プロフィットゾーン経営戦略』

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    今回の狙い

    1.事業戦略の本はたくさんあるが、自分で応用ができない。

    2.本では大企業中心の事例ばかり。中小企業、中小事業にとっての戦略作りというテーマを作り上げたい。

    3.戦略とビジネスモデル、競争優位の源泉の関係?マーケティングの位置付け?

    4.需要と供給の逆転!これが事業戦略作りにどう影響するか

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    戦略とビジネスモデル

    誰に誰に何を何を

    どのようにして(実現イノベーション)・販売、調達チャネル ・ネット活用・コラボレーション ・顧客との交流

    どのようにして(実現イノベーション)・販売、調達チャネル ・ネット活用・コラボレーション ・顧客との交流

    自社の価値・卓越業務、・緊密顧客、・製品優位

    自社の価値・卓越業務、・緊密顧客、・製品優位

    顧客と商品と競争・どこに(誰に)、何を・リーダー、フォロワー、ニッチャー・拡大、縮小、撤退、新規

    顧客と商品と競争・どこに(誰に)、何を・リーダー、フォロワー、ニッチャー・拡大、縮小、撤退、新規

    下位戦略

    ①オペレーション戦略②業務機能別戦略

    戦 略

    ビジネスモデル

    ③中期計画、年度計画④顧客毎計画

    ⑤競合他社毎戦略⑥製品・技術毎戦略

    2.戦略・ビジネスモデル・マーケティング2.戦略・ビジネスモデル・マーケティング

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    戦略成功要因の変化 戦略→ビジネスモデル

    ・顧客は誰か・何を提供するか・明確化に主眼を置く・粗い舵取り

    ・顧客は誰か・何を提供するか・明確化に主眼を置く・粗い舵取り

    1980年以前1980年以前 ~1995年~1995年 1995年~1995年~

    事業成功要因

    事業成功要因

    ・競争優位の源泉・競争優位性から

    事業の再構築・プロセス、ナレッジ

    見えざる資産化

    ・競争優位の源泉・競争優位性から

    事業の再構築・プロセス、ナレッジ

    見えざる資産化

    ・商品と顧客のつなぎ方革新

    ・バーチャルカンパニー形態革新・新しいセグメント市場・ネット企業出現

    ・商品と顧客のつなぎ方革新

    ・バーチャルカンパニー形態革新・新しいセグメント市場・ネット企業出現

    ・成長時代・顧客ターゲット不明確・拡大か、撤退か

    ・成長時代・顧客ターゲット不明確・拡大か、撤退か

    事業環境

    事業環境

    ・競争激化・差別化、競争優位・既存顧客の上得意化

    ・競争激化・差別化、競争優位・既存顧客の上得意化

    ・インターネット・企業間でつながる・コラボレーション・顧客を個々で見る

    ・インターネット・企業間でつながる・コラボレーション・顧客を個々で見る

    戦略戦略ビジネスモデルビジネスモデル

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    マーケティング戦略を構成する中心概念

    松下芳生「マーケティング戦略ハンドブック」PHP研究所P51

    売り手視点から売り手視点から 顧客視点から顧客視点から

    4P 4C

    製品(Product)

    製品(Product)

    価格(Price)

    価格(Price)

    流通チャネル(Place)

    流通チャネル(Place)

    プロモーション(Promotion)

    プロモーション(Promotion)

    顧客にとっての価値(CustomerValue)

    顧客にとっての価値(CustomerValue)

    顧客の負担(CosttotheCustomer)

    顧客の負担(CosttotheCustomer)

    入手の容易性(Convenience)

    入手の容易性(Convenience)

    コミュニケーション(Communication)

    コミュニケーション(Communication)

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    ブランド構成要素と概要

    松下芳生「マーケティング戦略ハンドブック」PHP研究所P147

    ブランド・ネーム

    ブランド・ネーム

    キャラクターキャラクター

    PricePrice

    ロゴロゴ

    Channel(Place)

    Channel(Place)

    PromotionPromotion

    シンボルシンボル

    ジングルジングル

    パッケージング

    パッケージング

    ProductProduct

    スローガンスローガン

    言葉として表現された発音可能なブランドの部分

    ワードマーク以外のロゴ

    ブランドに関する音楽によるメッセージ

    架空あるいは実在の人物などをかたどったブランド・シンボルの特別なタイプ

    ブランドに関する記述的情報や説得的情報を伝達する短いフレーズ

    製品の容器や包装をデザインし、製作する活動

    製品・サービス

    価格帯

    広告・PRなど

    店舗・営業マン・ホームページなど

    独特の書体で書かれた企業名や商標(ワードマーク)

    狭義のブランド構成要素狭義のブランド構成要素

    広義のブランド構成要素として新たに追加される要素

    広義のブランド構成要素として新たに追加される要素

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    マーケティングこそが事業戦略の根幹

    供給論理

    供給論理

    顧客の楽さ

    顧客の楽さ

    事業ターゲット事業ターゲット

    1980年以前1980年以前 ~1995年~1995年 1995年~1995年~

    商品商品

    価格価格

    チャネルチャネル

    販促販促

    顧客論理

    顧客論理

    顧客との関係

    顧客との関係

    顧客ターゲット顧客ターゲット

    事業構想

    事業構想

    ・有利なチャネル・商品の供給効率

    ・有利なチャネル・商品の供給効率

    ・需要喚起・適正利潤、価格

    ・需要喚起・適正利潤、価格

    ・セグメント・ターゲット・ポジショニング

    ・セグメント・ターゲット・ポジショニング

    ・顧客の価値・顧客の満足

    ・顧客の価値・顧客の満足

    ブランドブランド

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    顧客価値と事業価値

    顧客

    ターゲット

    顧客

    ターゲット

    提供価値

    製品、価格サービス、ブランド

    提供価値

    製品、価格サービス、ブランド

    コアコンピタンス

    独自技術基盤

    コアコンピタンス

    独自技術基盤

    技術と事業の適合性技術の強さ

    技術と事業の適合性技術の強さ

    提供価値の水準顧客側の認識

    提供価値の水準顧客側の認識

    ターゲットの適合性ターゲットの独自性

    ターゲットの適合性ターゲットの独自性

    3つの適合性・一貫性競争の強さ

    総称して「ブランド」

    3つの適合性・一貫性競争の強さ

    総称して「ブランド」

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    STPの流れ

    Sセグメンテーション

    Sセグメンテーション

    Tターゲティング

    Tターゲティング

    Pポジショニング

    Pポジショニング

    ①地理的②人口統計的③心理的④行動的⑤ロイヤルティ⑥購買準備手段⑦態度

    ①地理的②人口統計的③心理的④行動的⑤ロイヤルティ⑥購買準備手段⑦態度

    ①単一セグメント集中

    ②選択的特定化③製品特定化④市場特定化⑤全市場カバー

    ①単一セグメント集中

    ②選択的特定化③製品特定化④市場特定化⑤全市場カバー

    ①製品の差別化②サービスの

    差別化③社員の差別化④イメージの

    差別化

    ①製品の差別化②サービスの

    差別化③社員の差別化④イメージの

    差別化

    3.STP3.STP

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    ターゲティング:コトラーによる標的市場5つのタイプ

    松下芳生「マーケティング戦略ハンドブック」PHP研究所P45

    P1

    P2

    P3

    M1 M2M3

    単一市場への集中化

    単一市場への集中化

    特定のセグメントだけを標的として

    選ぶ

    P1

    P2

    P3

    M1 M2M3

    選択的特化選択的特化

    複数のセグメントを

    標的市場として選ぶ

    P1

    P2

    P3

    M1 M2M3

    特定市場タイプへの集中化

    特定市場タイプへの集中化

    特定のセグメントに各種

    の商品を売り込む

    P1

    P2

    P3

    M1 M2M3

    特定商品タイプへの集中化

    特定商品タイプへの集中化

    特定の商品を各種の市場に

    売り込む

    P1

    P2

    P3

    M1 M2M3

    フルカバレッジフルカバレッジ

    すべての商品を

    すべての市場を対象に売り込む

    M=市場、P=製品

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    セグメンテーション変数(切り口)-消費財の場合

    グロービス・マネジメント・インスティチュート「マネジメントブック」ダイヤモンド社P55

    変数(切り口) セグメントの例 該当する商品の例

    1.地理的変数・地方・気候・人口密度

    関東、関西など寒暖、季節など都市部、郊外、地方など

    地域限定商品:「東京ウォーカー」角川書店季節限定商品:「メルティキッス」明治製菓ロードサイドDS:ドンキホーテ

    2.人口動態変数・年齢・性別・家族構成・所得・職業

    少年、ヤング、中年、高齢者男、女既婚、未婚3000万円以上などブルーカラーなど

    少年誌:「週間少年ジャンプ」集英社女性向けタバコ:「バージニアスリム」フリップモリス主婦向け雑誌:「すてきな奥さん」主婦と生活社高級車:「ベンツ」メルセデスベンツ健康ドリンク:「リゲイン」三共

    3.心理的変数・ライフスタイル・パーソナリティ

    スポーツ好き、アウトドア派新しもの好き、保守的など

    RV(レクリエーション・ビークル)

    4.行動変数・求めるベネフィット・使用率

    経済性、機能性、プレステージノンユーザー、ライトユーザー

    機能性飲料

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    顧客(ニーズ)の選択

    齋藤嘉則「戦略シナリオ」東京経済新報社P137

    ターゲットの選択ターゲットの選択 オケージョンの選択オケージョンの選択 ベネフィットの選択ベネフィットの選択

    (顧客) (場面) (ニーズ)

    WHO WHEN/WHERE WHAT

    ●地理的プロフィール・地域/国、気候、人口集中度

    ●人的プロフィール・年代/世代、性別、家族構成、職業

    ●ライフスタイルプロフィール・趣味、価値観

    ●タイミング・季節、時間帯

    ●場所・屋外/外、施設別

    ●シーン・購買決定プロセス上・利用プロセス上

    ●基本ベネフィット・機能性、経済性

    ●付加ベネフィット・デザイン、肌触り/食感

    ●イメージベネフィット・プレステージ・希少性

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    顧客(ニーズ)の選択

    齋藤嘉則「戦略シナリオ」東京経済新報社P139

    ターゲットの選択ターゲットの選択 オケージョンの選択オケージョンの選択 ベネフィットの選択ベネフィットの選択

    ハイブリッド車「プリウス」トヨタ

    「ポカリスエット」大塚商会

    ・環境への関心 ・都市型ライトドライビング

    ・燃費経済性・環境エコロジー性

    ・スポーツ愛好者 ・運動の後 ・イオンの補給・水分補給

    栄養補給食品「ウイダー・イン・ゼ

    リー」森永製菓

    ・朝食を食べない人・忙しくて食事が不規則な人

    ・コンビニで手軽に ・栄養補給・液体でも個体でもない

    ゼリーの食感

    「カーマイペット・ベガ」花王

    ・女性ドライバー・場所や時間や天気を選ばず、家の掃除の延長感覚で洗車。いつでもどこでも。(例)お出かけ前

    ・水なし洗車・手軽に洗車

    生命力化粧品「アユーラ」資生堂

    ・コンプレックス・スキンの時代の女性

    ・体や心、環境まで含めたホリスティック・シーン

    ・最新の西洋科学と東洋の英知を融合・対話と体感の販売(五感カウンセリング)

    スカンジナビア航空(SAS)

    ・国際線を頻繁に使う北欧のビジネスマン

    ・インターナショナルビジネスユース

    ・迅速かつ時間に正確な長距離輸送

    商品・サービス例商品・サービス例

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    タイムラグ・マーケティング

    専門性独自性固有性個性集約性集客性

    次のスパイラル循環

    付加価値増大の方向 付加価値喪失の方向

    プレ・マスミッド・マス

    フォロー・マス

    類似同質化

    サイバー

    イノベーター

    オピニオン

    マス

    レイター

    時間軸に沿った情報の流れ

    1% 3% 9% 81% 6%

    私性アート性サービス性

    出典「最小単位の市場戦略」谷口正和著

    市場は時間軸により、規模も特性も異なる。

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    RE:マーケット

    RE:マーケットRE:マーケット

    新品市場新品市場

    厳選・圧縮。着地を起点にした生産。リース・レンタル。

    お直し市場お直し市場

    リメイク・リデザイン。

    修理・リフォーム。

    中古市場中古市場

    価値の再認識生命価値活性化

    売るだけ→売る・貸す・オーダー

    次につなぐ生涯顧客

    売り買いの双方向関係

    目利き・アドバイス

    顧客関係 顧客関係 顧客関係

    「最小単位の市場戦略」谷口正和著

    新品以外の商品にも価値を見いだすことでできるようになった。そのため、再利用市場が新たに出てきた。

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    市場の入れ子

    松下芳生「マーケティング戦略ハンドブック」PHP研究所

    リラックス目的の飲料市場

    朝食時の飲料市場

    清涼飲料水市場

    果汁100%オレンジ

    ジュース市場

    果汁20%オレンジジュース果汁20%オレンジジュース

    コーヒーコーヒー

    ビールビール

    レモンジュース

    レモンジュース

    コーラ

    コーラ

    味噌汁

    味噌汁

    焼酎

    焼酎

    ウィスキー

    ウィスキー

    牛乳

    牛乳

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    顧客プロセスのどこを市場とするか

    水越豊「BCG戦略コンセプト」ダイヤモンド社P115

    本を買う人が経験するプロセス

    本への

    ニーズが

    生まれる

    本への

    ニーズが

    生まれる

    出かける

    出かける

    書店を

    選ぶ

    書店を

    選ぶ

    店頭で

    本を探す

    店頭で

    本を探す

    購入する

    購入する

    持ち帰る

    持ち帰る

    読む

    読む

    感想を持ち

    伝えたく

    なる

    感想を持ち

    伝えたく

    なる

    次の本への

    ニーズが

    生まれる

    次の本への

    ニーズが

    生まれる

    顧客の

    潜在的不満

    顧客の

    潜在的不満

    自社の

    提供価値

    自社の

    提供価値

    時間がない、

    面倒

    いい書店が

    近くにない

    欲しい本が

    見つからない

    値段が高い

    重たい、

    面倒

    伝える場が

    ない、相手が

    いない

    どんな本が

    出ているか自

    分で調べる必

    要がある

    自宅に居ながら

    「地球上最大の

    書店」での

    買い物が可能

    250万部の

    品揃えと

    検索・推薦機能

    ベストセラーを

    含め最大4割引

    (米国の場合)

    宅配機能

    自由参加の

    書評コーナー

    見繕い機能・

    新刊お知らせ

    機能

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    個客・シーンで必要なことが需要

    個(自己)(個性)(嗜好)

    個(自己)(個性)(嗜好)

    食事通勤

    ファッション

    旅行

    学校

    レジャー職場

    遊び

    情報提供

    飲物

    サービス

    ワーク

    趣味

    個人・個性

    生活カテゴリー生活シーン

    必要なもの、サービス

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.

    マーケットのフォーカス

    マス セグメント 個

    不満足の減少不満足の減少

    満足の向上満足の向上

    モノ提供

    調達代理店

    ポータル

    ターゲットの絞りターゲットの絞り 関係の深さ関係の深さ

    感動

    感動

    拒否

    拒否

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    事業のステージ

    現在市場は競争が厳しい。前後にスライドすることで、利益性・安定性を狙う。

    顧客支援市場

    顧客支援市場

    機器修理市場機器修理市場

    運用一括アウトソース運用一括アウトソース

    顧客的事業顧客的事業

    アフター市場

    アフター市場

    替えインク市場替えインク市場

    運用請負運用請負

    こと的事業こと的事業

    当該市場

    当該市場

    プリンタ販売プリンタ販売

    システム開発システム開発

    もの的事業もの的事業

    開拓市場

    開拓市場

    新規技術新規技術

    コンサルティングコンサルティング

    開発的事業開発的事業

    安定性高い安定性高い利益性高い利益性高い

    関連機器メンテナンス関連機器メンテナンス保守サービス保守サービスエレベータ販売エレベータ販売ビル機器デザインビル機器デザイン

    じり貧じり貧 利益性・安定性高い利益性・安定性高い

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.28

    競争的マーケティング戦略

    松下芳生「マーケティング戦略ハンドブック」PHP研究所P123

    目 標 戦略キーワード 施策

    市場

    リーダー

    市場チャレ

    ンジャー

    市場

    フォロワー

    市場

    ニッチャー

    No.1の維持

    シェアの拡大

    シェアの維持

    部分的独占

    ①市場規模の拡大

    ②市場シェアの拡大

    ①打倒リーダー

    ②同規模/下位企業攻撃

    ①リスク回避

    ②低コスト化

    ①技術力向上

    ②顧客からの信頼性獲得

    全方位化

    差別化

    効率化

    集中化

    コスト・リーダーシップと同質化

    模倣されない独自性のあるビジネス・モデル作り

    低価格化対応

    特定セグメント内でのリーダー化

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.29

    絞り込みから広がりが生まれる

    伊丹敬之「経営戦略の論理」日本経済新聞社P72

    狭いターゲットへの集中狭いターゲットへの集中

    集中ゆえの成功集中ゆえの成功

    成功の波及効果成功の波及効果

    ターゲット以外の場所でも成功ターゲット以外の場所でも成功

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.30

    市場のつながりを俯瞰する

    当面ターゲットとする市場

    当面ターゲットとする市場

    つながり市場・市場規模・市場特性・自社との相性

    つながり市場つながり市場

    つながり市場

    供給側からの市場つながり。「ナイロン市場」「コード市場」「靴下市場」「カーペット市場」「アパレル市場」

    顧客側からの市場つながり。既存客の他シーン全て。既存客に他商品を提供。既存客の知合い市場に拡大。

    販売チャネルつながり。親和性がある別商品。

    商品を顧客に提供するしくみのつながり。ダイレクト販売で他商品。顧客提案を商品化する。

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.31

    アスクルが切り開いたターゲット市場

    「文具・オフィス用品の翌日配送で巨大市場を掘り起こす」販売革新 1999年8月号

    30人以上

    30人以下

    10人以下

    文具ターゲット

    1.4兆円

    外商

    法人向け

    店頭

    パーソナル

    コンビニ量販

    専門

    巨大な真空マーケット

    巨大な真空マーケット

    フルサービスフルサービス

    一部対応一部対応

    5%

    95%

    既存文具流通とアスクルのターゲット既存文具流通とアスクルのターゲット

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.32

    提供する価値は何ですか?

    製品の機能・性能

    大きな箱(顧客の目的)

    小さな箱(製品品質)

    届け方届け方

    アフターサービス

    アフターサービス 技術提案技術提案

    共同開発共同開発 安心感安心感

    ブランド信頼

    ブランド信頼

    価格価格

    サービス水準

    サービス水準

    4.競争力4.競争力

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.33

    競争力の「3つの源泉」 経営品質協議会資料より

    類型 代表的企業 競争力の源泉

    業務の卓説性

    OperetionalExcellence

    緊密な顧客関係

    CunstomerIntimacy

    製品の優位性

    ProductLeadership

    マクドナルドデル・コンピュータサウスウェスト航空

    リッツカールトンホテルメリルリンチ証券

    ソニーインテル3M

    競争力ある価格、製品の品質、製品ラインアップ迅速なオーダー処理、オンタイムデリバリー

    主要プロセス:生産・提供、サービス提供、プロセス提供・開発

    顧客別の特別サービス、ソリューション完成度、顧客との関係強化

    主要プロセス:顧客との信頼関係構築、組織的能力向上

    製品・サービス機能強化新製品開発スピード製品のトータルパフォーマンス向上

    主要プロセス:設計・開発プロセス、研究・開発プロセス

    M.トレーシー&F.ウィアセーマ(1995)

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.34

    顧客への企業間チェーン

    顧客顧客

    原料メーカー

    原料メーカー

    部品メーカー

    部品メーカー

    自社(メーカー)

    自社(メーカー) 卸卸 小売小売

    製品設計 調達 製造 物流 販売

    スピード向上企業間コスト低減

    スピード向上企業間コスト低減

    企業間、機能間の連携強化

    企業間、機能間の連携強化

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.35

    顧客との面接点

    顧客顧客

    原料メーカー

    原料メーカー

    部品メーカー

    部品メーカー

    自社(メーカー)

    自社(メーカー)

    卸卸

    小売小売

    パートナー

    パートナー

    製品設計製品設計

    調達調達

    製造製造

    物流物流

    販売販売

    物流物流

    顧客と直接つながる

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.36

    バーチャルカンパニー

    原料メーカー原料メーカー 製品メーカー製品メーカー 物流企業物流企業 IT企業IT企業 小売業小売業

    調達

    製造

    配送

    調達

    製造

    在庫

    保管

    荷役

    配送

    企画

    開発

    運用

    販売

    店頭

    仕入

    生活者

    生活者

    標的顧客対応のバーチャルカンパニー標的顧客対応のバーチャルカンパニー

    調達調達

    製造製造

    調達調達

    製造製造 配送配送

    販売販売

    店頭店頭

    運用運用

    生産計画生産計画

    生活者生活者

    強い機能を持たないと参加要請は

    来ない

    最適な機能を集める

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.37

    ディストリビューション

    新業態の出現 ―自動車業界の例ー

    マッキンゼー著「情報化による我が国の産業構造革新」

    顧客にとっての付加価値の広がり

    顧客にとっての付加価値創出活動の流れ

    サービス提供

    自動車関連

    付帯サービス

    ローン

    保険

    整備

    リセール

    ドライビングサポート

    カーライフサポート

    パーツ・材料 OEM

    (単独)商品

    組合せ商品(パッケージング)

    商品・サービス購買(支援)

    商品・サービスの購買

    顧客

    サポート

    トータルカーライフ

    サポート

    トータルドライビング

    顧客エージェント

    ポイント端末

    無線(カーナビ)

    ガソリン

    整備工場

    ポイント端末

    ディーラー

    娯楽情報

    旅行情報

    道路情報

    駐車場

    ガソリン

    整備チーム

    自動車保険

    カードローン

    自動車部品

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.38

    CSからビジネスモデルへ

    顧客重視

    顧客重視

    顧客起点

    顧客起点

    競合との相対競争

    顧客満足度調査

    顧客満足度調査

    点数UPの為に頑張ろう

    点数UPの為に頑張ろう

    大きな業績の差は付かない

    大きな業績の差は付かない

    顧客の為の事業構造

    顧客の為の事業構造

    顧客との絶対競争

    ・ターゲットをより絞り込み・価値をより明確にし・満足度をより向上し・特化した事業形態

    ・ターゲットをより絞り込み・価値をより明確にし・満足度をより向上し・特化した事業形態

    青梅慶友病院:人生の最後の大往生青梅慶友病院:人生の最後の大往生

    リッツカールトン:宿泊客の嗜好を全世界共有リッツカールトン:宿泊客の嗜好を全世界共有

    セブンイレブン:単品管理で顧客理解へセブンイレブン:単品管理で顧客理解へ

    独走独走

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.39

    経営における3要素の重要性

    過去過去 現在現在 近未来近未来

    心(ビジョン)心(ビジョン)

    頭(競争戦略)頭(競争戦略)

    体(オペレーション)体(オペレーション)

    規制緩和、グローバリゼーションの進展で独自性のある戦略シナリオの価値が高かっ

    心(ビジョン)心(ビジョン)

    頭(競争戦略)頭(競争戦略)

    体(オペレーション)体(オペレーション)

    3つのバランスがとれた企業

    心(ビジョン)心(ビジョン)

    頭(競争戦略)頭(競争戦略)

    体(オペレーション)体(オペレーション)

    相対的に戦略シナリオの重要性が減り、強いビジョンと実行能力で差別化できる企業だけが勝ち残る

    遠藤功「MBAオペレーション戦略」

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.40

    企業の重心

    起業段階起業段階 成長段階成長段階 成功段階成功段階

    重心 重心

    顧客 顧客

    重心

    顧客

    企業企業

    企業

    『プロフィットゾーン経営戦略』

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.41

    競争優位を理解する視点

    ジョージ・ディ「ウォートンスクールのダイナミック競争戦略」東洋経済新報社P75

    顧客の重視度

    競争相手の重視度

    小 大

    自己中心 競争相手中心

    顧客中心 市場中心

    在庫回転率やスクラップ率、従業員当たり売上高といった比率の年毎の伸び率を重視する考え方。競争相手との比較という観点が欠けている。

    自社の競争力の強弱を経営者が判断するのではなく、顧客の判断に委ねようとする考え方。

    競争相手となる数社との直接的な比較に基づいて優位性を評価する考え方。固定費の割合の大きい大型装置産業によく見られる。

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.42

    相手の行動を予測する-基本的枠組み-

    ジョージ・ディ「ウォートンスクールのダイナミック競争戦略」東洋経済新報社P193

    行動者 行動

    多数のライバルに対する影響

    反応はあるか?誰が反応するか?どの行動に対してか?誰の行動に対してか?どのくらい速く反応するか?

    反応はあるか?誰が反応するか?どの行動に対してか?誰の行動に対してか?どのくらい速く反応するか?

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.43

    差別化の方法

    齋藤嘉則「戦略シナリオ」東京経済新報社P151

    差別化差別化

    商品・サービスそのものの

    差別化

    商品・サービスそのものの

    差別化

    商品・サービスのポジショニング

    上の差別化

    商品・サービスのポジショニング

    上の差別化

    市場の枠組み(軸)の差別化

    市場の枠組み(軸)の差別化

    ポジショニングの見せ方の差別化

    ポジショニングの見せ方の差別化

    新しい市場の創造

    差別化のレベル

    大大

    競争回避のセグメントを発見 中中

    競合との認知上の差異化 少少

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.44

    差別化のパターンとその例

    齋藤嘉則「戦略シナリオ」東京経済新報社P155

    差別化のパターン 差別化例

    商品・サービス「そのもの」の差別化

    商業用ワゴン車とは異なるファミリーユースのRV市場の創造

    ホンダの「オデッセイ」「ステップワゴン」

    市場の枠組み(軸)の差別化

    ポジショニングの見せ方の差別化

    電動アシスト自転車は「簡易バイク」としてではなく、「楽な自転車」として訴求

    ヤマハの「パス」

    発泡酒市場において、麒麟端麗<生>を、おいしくて安いビールとして差異化

    キリンの「麒麟端麗<生>」

    新市場の創造

    簡易バイク

    自転車

    枠の選び方

    ●サッポロ●サントリー

    ビールの味わい

    すっきりした味わい

    高い安い

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.45

    競争適合の3つのレベル

    伊丹敬之「経営戦略の論理」日本経済新聞社P102

    競争相手の本質競争相手の本質 競争適合の3つのレベル競争適合の3つのレベル

    相手は自分とは違う相手は自分とは違う 競争上の優位性競争上の優位性

    相手は反撃する相手は反撃する 反撃の困難さ反撃の困難さ

    相手は誰でも敵でない相手は誰でも敵でない 敵にしない敵にしない

    より難しい適合へ

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.46

    競争優位の循環

    ジョージ・ディ「ウォートンスクールのダイナミック競争戦略」東洋経済新報社P65

    優位性の源泉・優れた資産・優れた能力

    優位性の源泉・優れた資産・優れた能力

    競争上のダイナミックスによる優位性の崩壊

    競争上のダイナミックスによる優位性の崩壊

    業績/報酬・満足 ・収益

    ・忠誠心 ・シェア

    業績/報酬・満足 ・収益

    ・忠誠心 ・シェア

    新たな優位性獲得への投資

    新たな優位性獲得への投資

    業界内での優位性の獲得

    ・顧客からの高い評価

    業界内での優位性の獲得

    ・顧客からの高い評価

    模倣の障害

    鍵となる成功要因

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.47

    ニーズの事業のコンセプトの2重性

    伊丹敬之「経営戦略の論理」日本経済新聞社P64

    ミスミミスミ

    金型部品

    事業

    金型部品

    事業

    調達代理店

    調達代理店

    事業の定義

    事業の定義

    コンセプト

    コンセプト

    顧客顧客

    ・コスト・品質

    ・範囲・水準

    ドンキホーテドンキホーテ

    小売業

    小売業

    宝探し

    宝探し

    顧客顧客

    ・品揃・価格

    ・陳列・わく

    わく感

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.48

    自社の強みに資源を集中

    齋藤嘉則「戦略シナリオ」東京経済新報社P156

    集中のパターン集中例

    内容 企業

    事業の集中

    商品・サービスの集中

    展開エリアの集中

    機能/スキル/システムの集中

    展開時間の集中

    No.1かNo.2の事業に集中財務体質強化のためドーナツ事業(最大時126店)から撤退

    GE吉野屋

    軽・小型車に集中ラップトップ、ノート型パソコンに集中

    大都市圏への出店の集中

    液晶技術に集中的投資

    0のつく日はドーナツ100円均一に値下げ。値引きキャンペーンの集中

    スズキ自動車東芝

    HMV

    シャープ

    ミスタードーナツ

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.49

    結論(要約)5.まとめ5.まとめ

    1.需要と供給の逆転から起こることを、頭の中に浸透させよう。

    2.「独自性」を武器とする中堅・中小企業はチャンスが増える。

    3.「顧客から見た価値」、他社と違う「競争優位源泉」、それを実現する「コア・コンピタンス」。やるべきことは極めてシンプル。

    4.競争力には寿命がある。競争優位を実現できるやり方を作る。

    5.市場を独自にセグメントする切り口こそが最高の事業戦略。

    6.全ての事業で成功するとは限らない。成功法則を知り、それに近づける。ダメならば次を探す。それを事前に予見できるようにする。君子危うきに近づかず。

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.50

    戦略の3Cと3Sの裏返し

    齋藤嘉則「戦略シナリオ」東京経済新報社P132

    ACTIVEACTIVE PASSIVEPASSIVE

    選択する基準がないと選択できない

    選択する基準がないと選択できない

    網羅する一見機会損失は少なく見える

    網羅する一見機会損失は少なく見える

    差別化する想像しなければ差別化できない

    差別化する想像しなければ差別化できない

    模倣する決定的負けはなさそうだ

    模倣する決定的負けはなさそうだ

    集中するリスクを取らなければ集中化できない

    集中するリスクを取らなければ集中化できない

    分散・拡大するリスクが分散化できる

    分散・拡大するリスクが分散化できる

    自分なりの判断の枠組みと責任を求められ、リスクも高い

    自ら積極的判断の必要性が低く、言い訳しやすい

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.51

    中堅・中小企業の事業戦略構築

    ■ ニーズ型事業

    ■ シーズ型事業

    市場ターゲットの設定

    市場ターゲットの設定

    顧客価値の設定

    顧客価値の設定

    顧客価値コントロールのデザイン

    顧客価値コントロールのデザイン

    事業内容(商品、

    インターフェイス)デザイン

    事業内容(商品、

    インターフェイス)デザイン

    事業構想の評価

    事業構想の評価

    独自性ドメイン認識

    独自性ドメイン認識

    提供できる顧客価値の設定

    提供できる顧客価値の設定

    市場ターゲットの設定

    市場ターゲットの設定

    顧客価値コントロールのデザイン

    顧客価値コントロールのデザイン

    事業構想の評価

    事業構想の評価

    『プロフィットゾーン経営戦略』

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.52

    戦略のタイムラグ

    事業戦略

    事業戦略 予期

    せぬ

    反応

    予期せぬ

    反応

    業務活動業務活動社内持ち帰り

    対応検討

    社内持ち帰り対応検討

    戦略の

    適宜修正

    戦略の

    適宜修正

    偶然の

    成功

    偶然の

    成功

    時間他社の

    優劣点

    他社の

    優劣点

  • © Copyright 2003 IDC Inc. All right reserved.53

    事業戦略とは

    戦略対応策は次第にパターン化される戦略対応策は次第にパターン化される

    「市場ターゲット、顧客価値、コアコンピタンスの決定」統合するのが戦略である「市場ターゲット、顧客価値、コアコンピタンスの決定」統合するのが戦略である

    将来の不安要素を出して事前に手を打つことである将来の不安要素を出して事前に手を打つことである

    競争相手との方策の影響度合いを読み合うゲームである競争相手との方策の影響度合いを読み合うゲームである

    社会・社員・株主の為、という「高潔なる人間の道」である社会・社員・株主の為、という「高潔なる人間の道」である

    不確実なことは速く事前検討、速く軌道修正するスピードこそが事業戦略である不確実なことは速く事前検討、速く軌道修正するスピードこそが事業戦略である

    事業の指揮者・参謀が少数いれば企業は変わる事業の指揮者・参謀が少数いれば企業は変わる

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    軍事格言用語集

    ・攻撃して圧倒する

    ・包囲して破壊する

    ・相手の強みを攻撃する

    ・集中攻撃する

    ・焦点を絞って突進する

    ・優勢を確立する

    ・間接的にアプローチする

    ・側面をつく機動作戦

    ・計画的に撤退する

    ・計画的に反撃する

    ・早期に敗北を容認する

    ・相手の資源をストレッチさせる

    ・防御的ポジションから相手を誘い出す

    ・敵の政治的、心理的な意志を弱める

    ・陽動、言奇計、勇敢

    ・欺くための機動作戦

    ・誤解を生じさせるメッセージを活用する

    ・機動力と奇襲

    ・迅速な工作活動・計画的な柔軟性

    ・優勢度

    ・主要拠点を強化する

    ・橋頭堡を確立する

    ・兵力を整理統合する

    ・退却する

    実践での選択肢