資料中の「ラピスセミコンダクタ」等名称の ラピス ......v2 v3 v4 v5 v ss vs1–...

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お客様各位 資料中の「ラピスセミコンダクタ」等名称の ラピステクノロジー株式会社への変更 2020 10 1 日をもって、ラピスセミコンダクタ株式会社の LSI 事業部門は、 ラピステクノロジー株式会社に分割承継されました。従いまして、本資料中にあります 「ラピスセミコンダクタ株式会社」、「ラピスセミ」、「ラピス」といった表記に関しましては、 全て「ラピステクノロジー株式会社」に読み替えて適用するものとさせていただきます。 なお、会社名、会社商標、ロゴ等以外の製品に関する内容については、変更はありま せん。以上、ご理解の程よろしくお願いいたします。 2020年10月1日 ラピステクノロジー株式会社

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  • お客様各位

    資料中の「ラピスセミコンダクタ」等名称の

    ラピステクノロジー株式会社への変更

    2020 年 10 月 1 日をもって、ラピスセミコンダクタ株式会社の LSI 事業部門は、

    ラピステクノロジー株式会社に分割承継されました。従いまして、本資料中にあります

    「ラピスセミコンダクタ株式会社」、「ラピスセミ」、「ラピス」といった表記に関しましては、

    全て「ラピステクノロジー株式会社」に読み替えて適用するものとさせていただきます。

    なお、会社名、会社商標、ロゴ等以外の製品に関する内容については、変更はありま

    せん。以上、ご理解の程よろしくお願いいたします。

    2020年10月1日

    ラピステクノロジー株式会社

  • Dear customer LAPIS Semiconductor Co., Ltd. ("LAPIS Semiconductor"), on the 1st day of October, 2020, implemented the incorporation-type company split (shinsetsu-bunkatsu) in which LAPIS established a new company, LAPIS Technology Co., Ltd. (“LAPIS Technology”) and LAPIS Technology succeeded LAPIS Semiconductor’s LSI business. Therefore, all references to "LAPIS Semiconductor Co., Ltd.", "LAPIS Semiconductor" and/or "LAPIS" in this document shall be replaced with "LAPIS Technology Co., Ltd." Furthermore, there are no changes to the documents relating to our products other than the company name, the company trademark, logo, etc. Thank you for your understanding.

    LAPIS Technology Co., Ltd. October 1, 2020

  • 電子デバイス FJDL9058E-01発行日:2007 年 4 月 13 日ML9058E 液晶ドットマトリックス用 132 チャンネル RAM 内蔵 LCD ドライバ

    1/76

    ■ 概要 ML9058E は、ビットマップ表示を行うドットマトリックスグラフィック液晶表示用 LSI です。8 ビットのマイクロコンピュータ(以後、MPU と記載します。)のコントロール下でドットマトリックスグラフィック液晶表示パネルを駆動します。ビットマップ方式の液晶駆動に必要な機能を全て 1 チップに内蔵していますので、ML9058E を使用することにより、少ないチップ数で、ビットマップ方式のドットマトリックスグラフィック液晶表示システムを実現できます。 表示用 RAM の 1 ビットのデータが表示パネルの1ドットの点灯、非点灯に対応するビットマップ方式を採用しているため、漢字表示などの自由度の高い表示を行うことができます。1 チップで最大 65 × 132 ドットのグラフィック表示システムを構成できます。更に 2 チップを使用することにより表示を拡張できます。但し、ライン反転使用時はマルチチップ構成はとれません。 ML9058E は、CMOS プロセスを使用しています。RAM 内蔵タイプですので、低消費電力が特長で、電池駆動のポータブル機器の表示に適しています。 ML9058E は 65 本のコモン信号出力と 132 本のセグメント信号出力を内蔵しており、1 チップで 65 × 132 ドットの表示が可能です。 ■ 特長

    • ビットマップ方式による RAM データの直接表示 表示 RAM データ “1” 点灯 表示 RAM データ “0” 非点灯 (表示正転時)

    • 表示 RAM 容量 65 � 132 = 8580 ビット • LCD 駆動回路

    コモン 65 出力、セグメント 132 出力 • MPU インタフェース: 8 ビットパラレル/シリアルの切替 • LCD 駆動電源用昇圧回路内蔵 • LCD 駆動電圧調整回路内蔵 • LCD 駆動バイアス発生回路内蔵 • コマンドによりフレーム反転駆動/ライン反転駆動切り替え可能 • 発振回路内蔵(内蔵 CR/外部クロック) • 多彩なコマンド機能

    表示データのリード/ライト、表示 ON /OFF、表示正転/反転、全点灯/全消灯、 ページアドレスセット、表示開始アドレスセット、ほか

    • 電源電圧 ロジック電源 : VDD – VSS = 3.7 V~5.5 V 昇圧基準電源 : VIN – VSS = 3.7 V~5.5V (2 倍~4 倍昇圧可能) LCD 駆動電圧 : VBI – VSS = 6.0~18 V

    • パッケージ : 金バンプチップ (バンプ硬度:高硬度、CV) : 金バンプチップ (バンプ硬度:低硬度、DV) • 耐光、耐放射線設計はされておりません

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    2/76

    ■ ブロック図

    VDD

    VIN

    FRS

    V1

    V2

    V3

    V4

    V5

    VSS

    VS1–VS2–VC3+VC4+VC5+VC6+VOUT

    VR

    VRS

    IRS

    SEGMENTDrivers

    COMMONDrivers

    COM 出力状態選択回路

    表示データラッチ回路

    表示データ RAM65 × 132

    カラムアドレス回路

    バスホルダー

    C86

    CS

    1

    CS

    2

    A0

    RD

    (E)

    WR

    (R/ W

    )

    P/ S

    RES

    DB

    7(S

    I)

    DB

    6(S

    CL)

    DB

    5

    DB

    4

    DB

    3

    DB

    2

    DB

    1

    DB

    0発

    振回

    路表

    示タ

    イミ

    ング

    発生

    回路

    CO

    MS

    CO

    MS

    0

    CO

    M63

    CO

    M0

    SE

    G13

    1

    SEG

    0

    ライ

    ンア

    ドレ

    I/Oバ

    ッフ

    ペー

    ジア

    ドレ

    ス回

    電源

    回路

    コマンドデコーダ ステータス

    MPU インタフェース

    FR

    CL

    DOF

    M/S

    CLS

    CO

    MS

    1

    TEST1

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    3/76

    ■ 絶対最大定格 VSS = 0 V

    項目 記号 条件 定格値 単位 適用端子 電源電圧 VDD Tj = 25°C –0.3~+6.5 V VDD バイアス電圧 VBI Tj = 25°C –0.3~+20 V V1~V5 昇圧出力電圧 VOUT Tj = 25°C –0.3~+20 V VOUT

    昇圧基準電圧 VIN 2 倍昇圧時 3 倍昇圧時 4 倍昇圧時

    –0.3~+5.5 –0.3~+5.5 –0.3~+5.0

    V VIN

    入力電圧 VI Tj = 25°C –0.3~VDD+0.3 V 全入力 保存温度 TSTG チップ –55~+125 °C — Tj:チップ表面温度 ■ 推奨動作範囲

    VSS = 0 V 項目 記号 条件 定格値 単位 適用端子

    電源電圧 VDD — 3.7~5.5 V VDD バイアス電圧 VBI — 6~18 V V1~V5

    昇圧基準電圧 VIN 2 倍昇圧時

    3 倍昇圧時 4 倍昇圧時

    3.7~5.5 3.7~5.5 3.7~4.5

    V VIN

    昇圧出力電圧 VOUT 外部入力時 6.0~18.33 V VOUT 動作温度 Tjop — –40~+85 °C —

    (注 1)COG 配線抵抗によって、電気的特性に影響がありますので、必ず評価して頂いた上でご使用下さい。 (注 2) VDD、V1~V5、VOUT 電圧は、VSS = 0V を基準とした値です。 (注 3) バイアス電位は、V1 が最上位電位、VSS が最下位電位になります。 (注 4) V1、V2、V3、V4、V5 の電位は常に V1 ≥ V2 ≥ V3 ≥ V4 ≥ V5 ≥ VSS の条件を保持して下さい。 (注 5) 外部電源をご使用の際、電源投入は以下の手順で実施して下さい。

    VOUT 端子にのみ外部電源を印加する場合、VDD 電源投入後、VOUT 電源を投入して下さい。 V1 端子にのみ外部電源を印加する場合、VDD 電源投入後、V1 電源を投入して下さい。 V1~V5 端子に外部電源を印加する場合、VDD 電源投入後、V1~V5 電源を投入して下さい。 ただし、電源投入の過渡状態を含めまして注 4 を満たす様にご使用下さい。

    (注 6) 外部電源をご使用の際、電源遮断は以下の手順で実施して下さい。 VOUT 端子にのみ外部電源を印加されている場合、 VOUT 電源遮断後、VDD 電源を遮断して下さい。 V1 端子にのみ外部電源を印加されている場合、V1 電源遮断後、VDD 電源を遮断して下さい。 V1~V5 端子に外部電源を印加されている場合、V1~V5 電源遮断後、VDD 電源を遮断して下さい。 ただし、電源遮断の過渡状態を含めまして注 4 を満たす様にご使用下さい。

    VCC

    GND

    VINVDD

    VSS

    VOUT

    V1~V5

    ML9058E 側 システム(MPU)側

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    4/76

    ■ 電気的特性

    ● 直流特性 VSS = 0 V、VDD=3.7V~5.5V [Tj = –40~ +85°C]

    項目 記号 条件 Min. Typ. Max. 単位 適用端子 “H”入力電圧 VIH 0.8 ×

    VDD - VDD

    “L”入力電圧 VIL 0 - 0.2 × VDD V *1

    “H”入力電圧 VIH 0.8 × VDD

    - VDD

    “L”入力電圧 VIL 0 - 0.2 × VDDヒステリシス幅 △V VDD=4.5~5.5V 0.85 1.0 1.55

    V *2

    “H”出力電圧 VOH IOH = –0.5 mA 0.8 × VDD

    - -

    “L”出力電圧 VOL IOL = 0.5 mA - - 0.2 × VDD V *3

    “H”入力電流 IIH VI = VDD –1.0 - +1.0 “L”入力電流 IIL VI = 0 V –3.0 - +3.0 μA

    *4 *5

    入力端子容量 CI Tj=25℃ F=10kHz

    - 8 12 pF

    *1*2

    V1 出力電圧 温度勾配

    V1TC

    Tj=25℃ V1=12V -0.03 -0.05 -0.08 %/℃ V1

    基準電圧 VREG Tj=25℃ 2.925 3.00 3.075 V 内蔵基準電圧源

    V1 出力電圧 V1 *6 10.58 10.85 11.12 V V1

    3 倍昇圧 *7 13.0 - - V Vout 昇圧出力電圧 Vout

    4 倍昇圧 *8 15.9 - - V Vout

    Vout-V1 電圧 Vot1 *9 0.6 - - V Vout,V1

    液晶ドライバ オン抵抗 RON Io = ±50 μA - - 10 kΩ

    SEG0~131,COMS0

    COMS1,COM0~63

    Tj=25℃ 18 22 26 kHz *10 内蔵発振 fOSC 14 - 31 kHz

    発振 周波数

    外部入力 fEXT 18 22 26 kHz CL*10 *1: DB0~DB5、DB7(SI)、FR、DOF 端子 *2: A0、CS1、CS2、CLS、M/S、C86、P/S、IRS、RD(E)、WR(R/W)、RES、CL、DB6(SCL) 端子 *3: DB0~DB7、FR、FRS、DOF、CL 端子 *4: A0、RD(E)、WR(R/W)、CS1、CS2、CLS、M/S、C86、P/S、RES、IRS 端子 *5: DB0~DB5、DB6(SCL)、DB7(SI)、CL、FR、DOF 端子のハイ・インピーダンス状態の時に適用します。 *6: Tj=25℃、α=31、(1+Rb/Ra)=4、Vout=13.5V(外部入力)、LCD駆動出力無負荷。 *7: VIN=4.8V、昇圧コンデンサ C1=2.6μF~4.0μF、昇圧出力負荷電流 I=500μA

    コマンド“2C”にて電圧調整回路と V/F 回路は動作させないで昇圧回路のみ動作。 *8: VIN=4.5V、昇圧コンデンサ C1=2.6μF~4.0μF、昇圧出力負荷電流 I=500μA

    コマンド“2C”にて電圧調整回路と V/F 回路は動作させないで昇圧回路のみ動作。 *9: V1 負荷電流 I=400μA、Vout に外部から 8V入力、

    コマンド“2B”にて電圧調整回路、V/F 回路動作、LCD 出力無負荷。 *10: 発振周波数とフレーム周波数の関係、表 1 参照

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    5/76

    表 1 発振周波数 fOSC、外部入力周波数 fEXT、表示クロック周波数(fLCDCK)、 液晶のフレーム周波数(fFR)との関係

    項目 表示クロック周波数 (fLCDCK) 液晶のフレーム周波数 (fFR) 内蔵発振回路使用時 fOSC/4 fOSC/(4 × 65) ML9058E 内蔵発振回路不使用時 fEXT/4 fEXT/(4 × 65)

    動的消費電流値

    (1)表示動作中、内蔵電源 OFF (外部電源使用時、V1~V5 外部印加した状態で、VDD 系に流れる電流で

    液晶駆動系の電流は含みません。)

    VSS = 0 V [ Tj=25℃ ] 規格値

    表示モード 記号 条件 Min. Typ. Max.

    単位 備考

    VDD = 5V、V1-VSS = 11 V、無負荷 - 16 45 全白 IDD VDD = 3.7V、V1-VSS = 8 V、無負荷 - 12 35

    μA

    VDD = 5V、V1-VSS = 11 V、無負荷 - 16 45 チェッカー パターン IDD VDD = 3.7V、V1-VSS = 8 V、無負荷 - 12 35

    μA

    (2)表示動作中、内蔵電源 ON (VDD 系、VIN系に流れる電流の合計を示します。)

    VSS = 0 V [ Tj=25℃ ] 規格値

    表示モード 記号 条件 Min. Typ. Max.

    単位 備考

    フレーム反転時 VDD、VIN = 5V 3 倍昇圧 V1-VSS = 11V、無負荷

    - 100 202

    フレーム反転時 VDD、VIN = 3.7V 4 倍昇圧 V1-VSS = 8V、無負荷

    - 110 222

    全白 IDDIN

    16ライン反転時 VDD、VIN = 5V 3 倍昇圧 V1-VSS = 11V、無負荷

    - 100 216

    μA

    フレーム反転時 VDD、VIN = 5V、3 倍昇圧 V1-VSS = 11V、無負荷

    - 120 391

    フレーム反転時 VDD、VIN = 3.7V、4 倍昇圧 V1-VSS = 8V、無負荷

    - 130 373

    チェッカー パターン IDDIN

    16ライン反転時 VDD、VIN = 5V、3 倍昇圧 V1-VSS = 11V、無負荷

    - 120 475

    μA

    パワーセーブ消費電流 VSS = 0 V [ Tj=25℃ ]

    規格値 項目 記号 条件

    Min. Typ. Max. 単位 備考

    スリープ状態 IDDS1 VDD = 3.7V - 0.3 5 スタンバイ状態 IDDS2 VDD = 3.7 V - 9 15

    μA

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    6/76

    パラレル・インターフェース・タイミング特性

    システム・バス ライト特性 1(80 系MPU)

    システム・バス リード特性 1(80 系MPU)

    A0

    CS1(CS2 = “H”)

    WR

    DB0~DB7(ライト)

    tAW8

    tDS8 tDH8

    tCCLW

    tCCHW

    tAH8

    tCYC8

    VIL VIH

    VILVIH

    VIH VIL

    VIHVIL

    VIH

    VILVIH

    VILVIH

    A0

    CS1(CS2 = “H”)

    RD

    DB0~DB7 (リード)

    tAW8

    tACC8

    tCCLR

    tCCHR

    tAH8

    tOH8

    tCYC8

    VIL VIH

    VILVIH

    VILVIH VIL

    VIH VIH

    VOH VOH VOL VOL

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    7/76

    [VDD = 4.5 V~5.5 V、Tj = –40~+85℃] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Max.

    単位

    アドレス・ホールド時間 tAH8 5 — アドレス・セット・アップ時間 tAW8 5 — システム・サイクル時間 tCYC8 166 — コントロール・L パルス幅(WR) tCCLW 30 — コントロール・L パルス幅(RD) tCCLR 70 — コントロール・H パルス幅(WR) tCCHW 55 — コントロール・H パルス幅(RD) tCCHR 55 — データ・セット・アップ時間 tDS8 30 — データ・ホールド時間 tDH8 10 — RD アクセス時間 tACC8 — 70 出力ディセーブル時間 tOH8

    CL = 100 pF 5 50

    ns

    [VDD = 3.7 V ~ 4.5 V、Tj = –40~+85℃] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Max.

    単位

    アドレス・ホールド時間 tAH8 5 — アドレス・セット・アップ時間 tAW8 5 — システム・サイクル時間 tCYC8 300 — コントロール・L パルス幅(WR) tCCLW 60 — コントロール・L パルス幅(RD) tCCLR 120 — コントロール・H パルス幅(WR) tCCHW 60 — コントロール・H パルス幅(RD) tCCHR 60 — データ・セット・アップ時間 tDS8 40 — データ・ホールド時間 tDH8 15 — RD アクセス時間 tACC8 — 140 出力ディセーブル時間 tOH8

    CL = 100 pF 10 100

    ns

    *1: 入力信号の立ち上がり、立ち下がり時間(tr、tf)は 15 ns 以下で規定します。

    システムサイクル時間を高速で使用する場合は、(tr + tf)≤(tCYC8 – tCCLW – tCCHW)もしくは(tr + tf)≤(tCYC8 – tCCLR – tCCHR)で規定されます。

    *2: 全てのタイミングは VDD の 20%および 80%を基準として規定されます。 *3: tCCLW、tCCLR は CS1 が“L”(CS2 = “H”)および WR、RD が“L”レベルのオーバーラップ期間で規定されま

    す。

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    8/76

    システム・バス ライト特性 2(68 系MPU)

    システム・バス リード特性 2(68 系MPU)

    A0

    CS1 (CS2 = “H”)

    E

    R/W

    DB0~DB7(ライト)

    tAW6

    tDS6 tDH6

    tEWHW

    tEWLW

    tAH6

    tCYC6

    VIH VIL

    VIL VIL

    VIHVIL

    VIL VIL VIH VIH VIL

    VIHVIL

    VIHVIL

    A0

    CS1 (CS2 = “H”)

    E

    DB0~DB7 (リード)

    tAW6

    tACC6

    tEWHR

    tEWLR

    tAH6

    tOH6

    tCYC6

    R/W

    VIL VIL VIH VIH VIL

    VIH VIL

    VIHVIL

    VIH VIH

    VOHVOL

    VOHVOL

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    9/76

    [VDD = 4.5 V~5.5 V、Tj = –40~+85℃]

    規格値 項目 記号 条件

    Min. Max. 単位

    アドレス・ホールド時間 tAH6 5 — アドレス・セット・アップ時間 tAW6 5 — システム・サイクル時間 tCYC6 166 — データ・セット・アップ時間 tDS6 30 — データ・ホールド時間 tDH6 10 — アクセス時間 tACC6 — 70 出力ディセーブル時間 tOH6

    CL = 100 pF 10 50

    リード tEWHR 70 — イネーブル・H パルス幅

    ライト tEWHW 30 — リード tEWLR 60 —

    イネーブル・L パルス幅 ライト tEWLW 60 —

    ns

    [VDD = 3.7 V ~ 4.5 V、Tj = –40~+85℃] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Max.

    単位

    アドレス・ホールド時間 tAH6 5 — アドレス・セット・アップ時間 tAW6 5 — システム・サイクル時間 tCYC6 300 — データ・セット・アップ時間 tDS6 40 — データ・ホールド時間 tDH6 15 — アクセス時間 tACC6 — 140 出力ディセーブル時間 tOH6

    CL = 100 pF 10 100

    リード tEWHR 120 — イネーブル・H パルス幅

    ライト tEWHW 60 — リード tEWLR 60 —

    イネーブル・L パルス幅 ライト tEWLW 60 —

    ns

    *1: 入力信号の立ち上がり、立ち下がり時間(tr、tf)は 15 ns 以下で規定します。

    システムサイクル時間を高速で使用する場合は、(tr + tf)≤(tCYC6 – tEWLW – tEWHW) もしくは(tr + tf)≤(tCYC6 – tEWLR – tEWHR)で規定されます。

    *2: 全てのタイミングは VDD の 20%および 80%を基準として規定されます。 *3: tEWHW、tEWHR は CS1 が“L”(CS2 = “H”)および E が“H”レベルのオーバーラップ期間で規定されます。

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    10/76

    ● シリアル・インターフェース・タイミング特性

    シリアル・インタフェース

    [VDD = 4.5 V~5.5 V、Tj = –40~+85℃] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Max.

    単位

    シリアル・クロック周期 tSCYC 200 — SCL“H”パルス幅 tSHW 75 — SCL“L”パルス幅 tSLW 75 — アドレス・セット・アップ時間 tSAS 50 — アドレス・ホールド時間 tSAH 100 — データ・セット・アップ時間 tSDS 50 — データ・ホールド時間 tSDH 50 — CS セットアップ時間 tCSS 100 — CS ホールド時間 tCSH 100 —

    ns

    *1: 入力信号の立ち上がり、立ち下がり時間(tr、tf)は 15 ns 以下で規定します。 *2: 全てのタイミングは VDD の 20%および 80%を基準として規定されます。

    CS1 (CS2 = “1”)

    SCL

    SI

    A0

    tCSS

    tSLW

    tSDS

    tSHW

    tCSH

    tSAS

    tSCYC

    tSAH

    tSDH

    tf tr

    VILVIH

    VIL VIL

    VILVIH

    VIL VIH

    VIL VIH

    VILVIH

    VILVIH

    VILVIH

  • FJDL9058E-01

    電子デバイス ML9058E

    11/76

    [VDD = 3.7 V~4.5 V、Tj = –40~+85℃] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Max.

    単位

    シリアル・クロック周期 tSCYC 250 — SCL“H”パルス幅 tSHW 100 — SCL“L”パルス幅 tSLW 100 — アドレス・セット・アップ時間 tSAS 150 — アドレス・ホールド時間 tSAH 150 — データ・セット・アップ時間 tSDS 100 — データ・ホールド時間 tSDH 100 — CS セットアップ時間 tCSS 150 — CS ホールド時間 tCSH 150 —

    ns

    *1: 入力信号の立ち上がり、立ち下がり時間(tr、tf)は 15 ns 以下で規定します。 *2: 全てのタイミングは VDD の 20%および 80%を基準として規定されます。

    ● 表示コントロール出力タイミング特性

    [VDD = 4.5 V~5.5 V、Tj = –40~+85°C] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Typ. Max.

    単位

    FR 遅延時間 tDFR CL = 50 pF — 10 40 ns

    [VDD = 3.7 V~4.5 V、Tj = –40~+85°C] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Typ. Max.

    単位

    FR 遅延時間 tDFR CL = 50 pF — 20 80 ns *1: 全てのタイミングは VDD の 20%および 80%を基準として規定されます。 *2: マスター動作時のみ有効

    CL(OUT)

    FR

    tDFR

    VIL VIH

    VOH

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    電子デバイス ML9058E

    12/76

    リセット入力タイミング

    [VDD = 4.5 V~5.5 V、Tj = –40~+85℃] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Typ. Max.

    単位

    リセット時間 tR — — 0.5 リセット“L”パルス幅 tRW 0.5 — —

    μs

    [VDD = 3.7V~4.5 V、Tj = –40~+85℃] 規格値

    項目 記号 条件 Min. Typ. Max.

    単位

    リセット時間 tR — — 1 リセット“L”パルス幅 tRW 1 — —

    μs

    *1: 入力信号の立ち上がり、立ち下がり時間(tr、tf)は 15 ns 以下で規定します。 *2: 全てのタイミングは VDD の 20%および 80%を基準として規定されます。

    RES

    内部状態 リセット中 リセット完了

    tRW

    tR

    trtf

    VIL VIHVIH

    VIL

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    ■ 端子説明

    機能 端子名 端子数 I/O 説明

    DB0~DB7 8 I/O

    8 ビットの双方向性データ・バスで 8 ビットの標準的な MPU のデータ・バスに接続します。 シリアル・インタフェース選択時(P/S = “L”)には DB7: シリアル・データ入力端子(SI) DB6: シリアル・クロック入力端子(SCL)です。 このとき、DB0~DB5 はハイ・インピーダンスとなります。チップセレクトがノンアクティブ状態では DB0~DB7 はハイ・インピーダンスとなります。 DB0~DB5 端子は“H”もしくは“L”に固定して下さい。

    A0 1 I

    通常 MPU のアドレス・バスの最下位ビットが接続されデータ/コマンドの 区別をします。 A0 = “H”: DB0~DB7 が表示データであることを示します。 A0 = “L”: DB0~DB7 が制御データであることを示します。

    RES 1 I RES を“L”にすることにより初期設定がされます。 リセット動作は、RES 信号のレベルで行われます。

    CS1 CS2 2 I

    チップセレクト信号です。CS1 = “L”かつ、CS2 = “H”の時に、アクティブとなり、データ/コマンドの入出力が可能です。

    RD (E) 1 I

    80 系 MPU 接続時はアクティブ“L” 80 系 MPU の RD 信号を接続する端子で、この信号が“L”の期間、 ML9058E のデータ・バスが出力状態になります。 68 系 MPU 接続時はアクティブ“H” 68 系 MPU のイネーブル・クロック入力端子となります。 シリアルインタフェース選択時(P/S = “L”)は RD は“H”もしくは“L”に固定して下さい。

    WR (R/W)

    1 I

    80 系 MPU 接続時はアクティブ“L” 80 系 MPU の WR 信号を接続する端子です。データ・バス上の信号は、 WR 信号の立ち上がりエッジでラッチされます。 68 系 MPU 接続時 リード/ライト制御信号の入力端子となります。 R/W = “H”: リード R/W = “L”: ライト シリアルインタフェース選択時(P/S = “L”)はWRは“H”もしくは“L”に固定して下さい。

    MPU インタ

    フェース

    C86 1 I MPU インタフェースの切り替え端子です。 C86 = “H”: 68 系 MPU インタフェース C86 = “L”: 80 系 MPU インタフェース

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    機能 端子名 端子数 I/O 説明

    パラレル・データ入力/シリアル・データ入力の切り替え端子です。 P/S = “H”:パラレル・データ入力 P/S = “L”:シリアル・データ入力

    P/S 状態により下表のようになります。

    P/Sデータ/ コマンド データ

    リード/ ライト

    シリアル クロック

    “H” A0 DB0~DB7 RD、WR なし “L” A0 SI(DB7) なし SCL(DB6)

    MPU インタ

    フェース P/S 1 I

    シリアルデータ入力では RAM の表示データ・リードはできません。

    発振 回路 CLS 1 I

    表示クロック用内蔵発振回路の有効/無効を選択する端子です。 CLS = “H”: 内蔵発振回路有効 CLS = “L”: 内蔵発振回路無効(外部入力)

    CLS = “L”の場合、CL 端子より表示クロックを入力する。 ML9058E に対するマスター/スレーブ動作を選択する端子です。 スレーブ動作は液晶表示に必要なタイミング信号を入力することにより、液

    晶表示系の同期をとります。 M/S = “H”: マスター動作 M/S = “L”: スレーブ動作

    M/S、CLS 状態により下表のようになります。 M/S CLS 発振回路 電源回路 CL FR FRS DOF

    “H” 有効 有効 出力 出力 出力 出力 “H”

    “L” 無効 有効 入力 出力 出力 出力“H” 無効 無効 入力 入力 出力 入力

    “L”“L” 無効 無効 入力 入力 出力 入力

    表示 タイ

    ミング 発生 回路

    M/S 1 I

    但し、ライン反転使用時はマルチチップ構成はとれません。

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    機能 端子名 端子数 I/O 説明

    クロック入出力端子です。 M/S、CLS 状態により下表のようになります。 M/S CLS CL “H” 出力 “H” “L” 入力 “H” 入力 “L” “L” 入力

    CL 1 I/O

    ML9058E をマスター/スレーブで使用する場合、 それぞれの CL 端子を接続します。

    FR 1 I/O

    液晶交流化信号の入出力端子です。 M/S = “H”: 出力 M/S = “L”: 入力

    ML9058E をマスター/スレーブで使用する場合、 それぞれの FR 端子を接続します。

    DOF 1 I/O

    液晶表示のブランキング制御端子です。 M/S = “H”:出力 M/S = “L”:入力

    ML9058E をマスター/スレーブで使用する場合、 それぞれの DOF 端子を接続します。

    表示 タイ

    ミング 発生 回路

    FRS 1 O スタティック駆動用出力端子です。 FR 端子と共に用います。

    IRS 1 I

    V1 電圧調整用抵抗選択端子です。 IRS = “H”: 内蔵抵抗使用。 IRS = “L”: 内蔵抵抗未使用。V1 電圧は VR 端子に接続する外

    付け分割抵抗により調整します。 マスター動作時のみ有効です。 スレーブ動作時には“H”もしくは“L”に固定します。

    VDD 12 — MPU 電源端子 VCC と共通にします。 VSS 12 — システム GND に接続される 0 V の端子です。

    電源 回路

    VIN 5 — 液晶駆動用の昇圧回路用基準電源です。

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    機能 端子名 端子数 I/O 説明

    VRS 2 — 液晶電源電圧調整回路用テスト端子です。OPEN として下さい。 VOUT 2 I/O 昇圧時の出力端子。VSS 間にコンデンサを接続します。

    液晶電源用の多レベル電源です。液晶セルにより定められた電圧を抵抗分

    割もしくは、オペアンプによりインピーダンス変換して印加します。電位は VSSを基準に定め、下記の大小関係を守る必要があります。

    V1 ≥ V2 ≥ V3 ≥ V4 ≥ V5 ≥ VSS マスター動作: 電源 ON 時では、内蔵された電源回路により V2~V5 に下記の電圧が与えられます。電圧の選択は LCD バイアス・セット・コマンドにより決定されます。 ML9058E V2 8/9 × V1 6/7 × V1 V3 7/9 × V1 5/7 × V1 V4 2/9 × V1 2/7 × V1 V5 1/9 × V1 1/7 × V1

    V1 V2 V3 V4 V5

    10 I/O

    VR 2 I 電圧調整端子。分割抵抗により V1-VSS 間の電圧を与えます。 V1 電圧調整用内蔵抵抗未使用(IRS = “L”)の場合のみ有効です。 V1 電圧調整用内蔵抵抗使用(IRS = “H”)の場合は OPEN として下さい。

    VS1– 3 O 昇圧用コンデンサ負側接続端子。 VC5+ 端子間にコンデンサを接続します。

    VS2– 3 O 昇圧用コンデンサ負側接続端子。 VC4+、VC6+ 端子間にコンデンサを接続します。

    VC3+ 3 O 昇圧用電位入力端子。 昇圧倍率によってオープンまたは VIN と同電位(条件によりましては(VIN)/2電位)を入力します。

    VC4+ 3 O 昇圧用コンデンサ正側接続端子。 VS2–端子間にコンデンサを接続します。 但し、3 倍昇圧時は、昇圧用電位入力端子になります。

    VC5+ 3 O 昇圧用コンデンサ正側接続端子。 VS1–端子間にコンデンサを接続します。 但し、2 倍昇圧時は、昇圧用電位入力端子になります。

    電源 回路

    VC6+ 3 O 昇圧用コンデンサ正側接続端子。 VS2–端子間にコンデンサを接続します。

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    機能 端子名 端子数 I/O 説明

    液晶のセグメント駆動用出力です。 表示 RAM 内容と FR 信号の組み合わせにより、V1、V3、V4、VSS の内、1つのレベルが選択されます 出力電圧 RAM データ FR 表示正転 表示反転 H H V1 V3 H L VSS V4 L H V3 V1 L L V4 VSS パワーセーブ — VSS

    SEG0~SEG131 132 O

    表示 OFF 命令を実行したときは出力電圧は VSS となります。 液晶のコモン駆動用出力です。 走査データと FR 信号の組み合わせにより、V1、V2、V5、VSS の内 1 つのレベルが選択されます。 走査データ FR 出力電圧 H H VSS H L V1 L H V2 L L V5 パワーセーブ — VSS

    COM0~COM63 64 O

    表示 OFF 命令を実行したときは出力電圧は VSS となります。

    LCD 駆動 出力

    COMS0 COMS1 2 O

    インジケータ専用 COM 出力端子です。2 端子とも同一信号が出力されます。ご使用しない場合にはオープンにして下さい。 COM0~COM63 と同様に走査データと FR 信号の組み合わせにより、V1、V2、V5、VSS の内 1 つのレベルが選択出力されます。 マスタ/スレーブ使用する場合は、マスタ、スレーブとも同じ信号が出力されます。

    テスト用

    端子 TEST1 1 O IC チップ・テスト用の端子です。OPEN にして下さい。

    DUMMY 49 - DUMMY

    -B 11 -

    OPEN でご使用下さい。

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    ■ 機能説明

    ● MPUインタフェース MPU リードモード ライトモード 80 系 RD 端子 = L WR 端子 = L 68 系 R/W 端子 = H

    E 端子 = H R/W 端子 = L E 端子 = H

    80 系 MPU インタフェースは RD 端子または WR 端子にローパルスを入力することによりコマンドが起動します。 68 系 MPU インタフェースは E 端子にハイパルスを入力することによりコマンドが起動します。

    インタフェース・タイプの選択

    ML9058E は 8 ビット双方向データ・バス(DB0~DB7)、もしくはシリアル・データ入力(SI)を介してデータの転送が行われます。P/S 端子の極性を“H”もしくは“L”のいずれかを選択することによって、表 2 のような 8 ビットパラレル・データ入力か、シリアル・データ入力かの選択ができます。

    表 2 インタフェース・タイプの選択(パラレル/シリアル)

    P/S CS1 CS2 A0 RD WR C86 DB7 DB6 DB0~DB5

    H:パラレル入力 L:シリアル入力

    CS1 CS1

    CS2 CS2

    A0 A0

    RD —

    WR —

    C86 —

    DB7 SI

    DB6 SCL

    DB0~DB5—

    —は“H”もしくは“L”に固定します

    パラレル・インタフェース

    パラレル・インタフェースを選択した場合(P/S = “H”)、C86 端子を“H”もしくは“L”にすることにより、表 3 のように 80 系 MPU か 68 系 MPU のいずれかの MPU バスに直結することができます。

    表 3 パラレル・インタフェース時の MPU 選択(80 系/68 系)

    C86 CS1 CS2 A0 RD WR DB0~DB7

    H: 68 系 MPU バス L: 80 系 MPU バス

    CS1 CS1

    CS2 CS2

    A0 A0

    E RD

    R/W WR

    DB0~DB7DB0~DB7

    表 4 の A0、RD(E)、WR(R/W)信号の組み合わせにより、表 4 のようにデータ・バス信号の識別を行います。

    表 4 パラレル・インタフェース時のデータ・バス信号識別表

    共通 68 系 80 系 A0 R/W RD WR

    表示データの読み出し 表示データの書き込み ステイタス・リード 制御データの書き込み(コマンド)

    1 1 0 0

    1 0 1 0

    0 1 0 1

    1 0 1 0

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    ● シリアル・インタフェース

    シリアル・インタフェースを選択した場合(P/S = “L”)、チップがアクティブ状態(CS1 = “L”、CS2 = “H”)で、シリアル・データ入力(SI)、シリアル・クロック入力(SCL)は受け付け可能となります。シリアル・インタフェースは 8 ビットのシフトレジスタと 3 ビットのカウンターで構成されています。シリアル・データはシリアル・データ入力端子から DB7、DB6…DB0 の順にシリアル・クロックの立ち上がりで取り込まれ、8 発目のシリアル・クロックの立ち上がりエッジで 8 ビットのパラレル・データに変換され処理されます。シリアル・データ入力が表示データかコマンドかの識別は A0 入力によって判定され、A0 = “H”で表示データ、A0 = “L”でコマンドとなります。A0 入力は、チップがアクティブ状態となってからシリアル・クロックの 8×n 発目の立ち上がりタイミングで読み込まれ識別されます。図 1 にシリアル・インタフェースのシグナル・チャートを示します。(チップがノンアクティブの状態では、シフトレジスタおよびカウンタは初期状態にリセットさ

    れます。シリアルインタフェースの場合は、読み出しはできません。SCL 信号は配線の終端反射および外来ノイズに十分注意する必要があります。実機による動作確認を推奨します。)

    DB7SI

    SCL

    A0

    CS2

    CS1

    1

    DB6

    2

    DB5

    3

    DB4

    4

    DB3

    5

    DB2

    6

    DB1

    7

    DB0

    8

    DB7

    9

    DB6

    10

    DB5

    11

    DB4

    12

    DB3

    13

    DB2

    14

    図 1 シリアル・インタフェースのシグナル・チャート

    チップ・セレクト

    ML9058E は CS1、CS2 の 2 つのチップ・セレクト端子を有しており、CS1 = “L”、CS2 = “H”の時のみ MPU インタフェースあるいはシリアル・インタフェース可能となります。チップ・セレクトがノンアクティブ状態では、DB0~DB7 はハイ・インピーダンス状態、A0、RD、WR 入力は無効となります。シリアル・インタフェースを選択している場合、シフトレジスタとカウンタはリセットされます。

    表示データRAM、内部レジスタのアクセス

    MPU 側からみた ML9058E のアクセスはサイクル・タイム(tCYC)を満足すればよく、ウエイト・タイムを必要としないため高速なデータ転送が可能です。また、ML9058E は MPU とのデータ転送に際して、内部データ・バスに付随するバス・ホールダを介した一種の LSI 間パイプライン処理を行います。例えば、MPU が表示データ RAM にデータを書き込む場合、データは一旦バス・ホールダに保持され、次のデータ・ライト・サイクルまでに表示データ RAM に書き込まれます。また、MPU が表示データ RAM の内容を読み出す場合、初めのデータ・リード・サイクル(ダミー)で読み出しデータがバス・ホールダに保持され、次のデータ・リード・サイクルでバス・ホールダからシステム・バス上に読み

    出されます。表示データ RAM のリード・シーケンスには制約があり、アドレス・セットを行った場合、その直後のリード命令には指定されたアドレスのデータが出力されず、2 度目のデータ・リード時に指定アドレスのデータが出力されることに注意する必要があります。このためアドレス・セット後やラ

    イト・サイクル後には必ずダミー・リードが 1 回必要となります。(ダミー・リードではステータス・リードは使えません)この関係を図 2(a)、図 2(b)に示します。

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    書き込み

    DATA

    BUS Holder

    Dn

    Latch

    Dn + 1 Dn + 2 Dn + 3

    Dn Dn + 1 Dn + 2 Dn + 3

    WR

    MP

    U

    Write Signal

    内部タイミング

    図 2(a) 表示データ RAM のライト・シーケンス

    読み出し

    DATA

    ColumnAddress

    Read Signal

    AddressPreset

    N unknown Dn Dn + 1

    Preset N

    unknown Dn Dn + 1 Dn + 2

    Increment N + 1 N + 2

    RD

    WR

    BUS Holder

    Address SetN

    Data Read(Dummy)

    Data ReadDn

    Data ReadDn + 1

    MP

    U

    内部タイミング

    図 2(b) 表示データ RAM のリード・シーケンス

    図 2 で Dn はデータ、N はアドレスデータを示します。

    ビジー・フラグ

    ビジー・フラグが“1”のとき、ML9058E はリセット動作中であることを示します。この時は、ステイタス・リード以外の命令は受け付けません。ビジー・フラグはステイタス・リード命令で DB7 端子に出力されます。

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    ● 表示データRAM

    表示データRAM

    表示用のドットデータを記憶する RAM で、65(8 page × 8 bit + 1) × 132 bit 構成となっています。ページ・アドレスとカラム・アドレスを指定することにより所望のビットがアクセス可能となります。MPUからの表示データ DB7~DB0 は、図 3 に示すように液晶表示のコモン方向に対応するため、ML9058E をマルチ・チップで使う場合、表示データ転送時の制約が少なく自由度の高い表示構成が容易に実現できます。また、MPU 側からの表示データ RAM へのリード/ライトは I/O バッファを介して行われ、液晶駆動用の信号リードとは独立に動作しています。従って、液晶表示中に非同期

    で表示データ RAM にアクセスしても、ちらつきなど表示に悪影響を与えることはありません。

    DB0 0 1 1 1 … 0 COM0 …

    DB1 1 0 0 0 … 0 COM1 …

    DB2 0 0 0 0 … 0 COM2 …

    DB3 0 1 1 1 … 0 COM3 …

    DB4 1 0 0 0 … 0 COM4 …

    表示データ RAM 液晶表示

    図 3 表示データ RAM と液晶表示の関係

    ページ・アドレス回路

    ページ・アドレス・セット・コマンドにより、図 4 に示すように、表示データ RAM のページアドレスを指定します。ページを替えてアクセスする場合は、ページ・アドレスを再度指定します。ページ・アドレ

    ス 8(DB3、DB2、DB1、DB0→1、0、0、0)はインジケータ専用の RAM 領域であり、表示データDB0 のみが有効です。

    カラム・アドレス回路

    カラム・アドレス・セット・コマンドにより、図 4 に示すように、表示データ RAM のカラム側のアドレスを指定します。指定されたカラム・アドレスは、表示データ・リード/ライト・コマンドが入力されるたびにインクリメント(+1)しますので、MPU は表示データを連続してアクセスすることが可能です。なお、カラム・アドレスは 83(H)でインクリメントを停止します。カラム・アドレスとページ・アドレスは互いに独立していますので、例えば、ページ 0 のカラム 83(H)からページ 1 のカラム 00(H)に移るには、ページ・アドレスとカラム・アドレスをそれぞれ再度指定する必要があります。また、表 5 に示すように、ADC コマンド(セグメント・ドライバ方向セレクト・コマンド)により、表示データ RAM のカラム・アドレスとセグメント出力との対応関係を反転させることができます。そのため、LCD モジュール組み立て時における IC の配置制約が少なくなります。

    表 5 表示データ RAM のカラム・アドレスとセグメント出力の対応関係

    SEG 出力 ADC

    SEG0 SEG131 DB0 = “0” 0(H) → Column Address → 83(H) DB0 = “1” 83(H) ← Column Address ← 0(H)

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    ライン・アドレス回路

    ライン・アドレス回路は、図 4 に示すように表示データ RAM の内容を表示する場合の COM 出力に対応するライン・アドレスを指定します。表示開始ラインアドレス・セット・コマンドにより、 通常、表示の最上ラインを指定します。 (ML9058E:コモン出力状態 正転の場合は COM0 出力、反転の場合は COM63 出力) 表示領域は、指定された表示開始ライン・アドレスからライン・アドレスの増加方向に 64 ライン になります。 また、インジケータ専用 COM 出力端子(COMS)が選択された時のデータは、表示開始ライン・ アドレスとは無関係に、Line Adress 40H=page 8, bit 0 のデータが表示されます。また、COMS の選択は 65 番目に行われます。 表示開始ライン・アドレス・セット・コマンドによりライン・アドレスをダイナミックに変更すれば、 画面のスクロールが可能になります。

    表示データ・ラッチ回路

    表示データ・ラッチ回路は、表示データ RAM から液晶駆動回路へ出力される表示データを一時 記憶するラッチです。表示正転/反転、表示 ON/OFF コマンドは、このラッチ内のデータを制御 するので、表示データ RAM 内のデータが変更されることはありません。

    ● 発振回路

    CR 型の発振器で、表示クロックを発生します。発振回路は M/S = “H”、かつ CLS = “H”のときのみ 有効です。CLS = “L”のとき、発振は停止し、表示クロックを CL 端子から入力します。

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    図 4 表示データ RAM のアドレスマップ

    COM

    DB3 DB2 DB1 DB0 Output

    DB0 COM0DB1 COM1DB2 COM2DB3 COM3DB4 COM4DB5 COM5DB6 COM6DB7 COM7DB0 COM8DB1 COM9DB2 COM10DB3 COM11DB4 COM12DB5 COM13DB6 COM14DB7 COM15DB0 COM16DB1 COM17DB2 COM18DB3 COM19DB4 COM20DB5 COM21DB6 COM22DB7 COM23DB0 COM24DB1 COM25DB2 COM26DB3 COM27DB4 COM28DB5 COM29DB6 COM30DB7 (Start) COM31DB0 COM32DB1 COM33DB2 COM34DB3 COM35DB4 COM36DB5 COM37DB6 COM38DB7 COM39DB0 COM40DB1 COM41DB2 COM42DB3 COM43DB4 COM44DB5 COM45DB6 COM46DB7 COM47DB0 COM48DB1 COM49DB2 COM50DB3 COM51DB4 COM52DB5 COM53DB6 COM54DB7 COM55DB0 COM56DB1 COM57DB2 COM58DB3 COM59DB4 COM60DB5 COM61DB6 COM62DB7 COM63

    1 0 0 0 DB0 COMS

    00(H

    )

    01(H

    )

    02(H

    )

    03(H

    )

    04(H

    )

    05(H

    )

    06(H

    )

    07(H

    )

    7F(H

    )

    80(H

    )

    81(H

    )

    82(H

    )

    83(H

    )

    0

    DB

    0

    83(H

    )

    82(H

    )

    81(H

    )

    80(H

    )

    7F(H

    )

    7E(H

    )

    7D(H

    )

    7C(H

    )

    04(H

    )

    03(H

    )

    02(H

    )

    01(H

    )

    00(H

    )

    1

    DB

    0

    SEG

    0

    SEG

    1

    SEG

    2

    SEG

    3

    SEG

    4

    SEG

    5

    SEG

    6

    SEG

    7

    SEG

    127

    SEG

    128

    SEG

    129

    SEG

    130

    SEG

    131

    LC

    D

    Out

    put

    LineAddress

    Data

    3E(H)

    36(H)

    38(H)37(H)

    39(H)

    32(H)33(H)

    3F(H)40(H)

    AD

    C

    3A(H)3B(H)3C(H)3D(H)

    34(H)35(H)

    2D(H)2E(H)

    30(H)31(H)

    2F(H)

    29(H)2A(H)2B(H)2C(H)

    22(H)23(H)

    28(H)27(H)26(H)25(H)24(H)

    1E(H)1F(H)20(H)21(H)

    1A(H)1B(H)1C(H)1D(H)

    16(H)17(H)18(H)19(H)

    12(H)13(H)14(H)15(H)

    0E(H)0F(H)10(H)11(H)

    Page7

    Page8

    00(H)01(H)02(H)03(H)04(H)05(H)06(H)07(H)

    0 1 1 1

    Page5

    0 1 1 0 Page6

    0 1 0 1

    Page3

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    0 0 1 1

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    0 0 0 1

    Page0

    Page Address

    0 0 0 0

    Add

    ress

    コモン出力状態正転の場合

    64

    ライ

    ンC

    olu

    mn

    0C(H)0D(H)

    08(H)09(H)0A(H)0B(H)

    表示開始ラインアドレスとは無関係に、40(H)を表示します。

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    ● 表示タイミング発生回路

    表示クロックからライン・アドレス回路と表示データ・ラッチ回路へのタイミング信号を発生します。表示ク

    ロックに同期して、表示データを表示データ・ラッチ回路にラッチし、セグメント駆動出力端子に出力しま

    す。表示データの液晶駆動回路への読み出しは、MPU からの表示データ RAM へのアクセスとは完全に独立しています。従って液晶表示中に非同期で表示データ RAM にアクセスしても、ちらつきなど表示に悪影響を与えることはありません。また、表示クロックから内部コモン・タイミングと液晶交流化信号

    (FR)を発生します。液晶駆動回路に対して、図 5(a)に示すようなフレーム反転駆動方式の駆動波形を発生します。また、コマンドにより図 5 ( b ) に示すようなライン反転駆動方式の駆動波形も発生します。

    RAMDATA

    VSS

    V5COM1

    64 65 1 2 3 4 5 6

    V2V1

    VSS

    V4SEGn

    V3V1

    60 61 62 63 64 65 1 2 3 4 5 6

    VSS

    V5COM0

    V2V1

    FR

    LCDCK(表示クロック)

    図 5(a)フレーム反転駆動方式の駆動波形

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    RAMDATA

    VSSV5

    COM1V2V1

    VSSV4

    SEGn V3V1

    VSSV5

    COM0V2V1

    64 65 1 2 3 4 5 6 60 61 62 63 64 65 1 2 3 4 5 6LCDCK

    (表示クロック)

    FR

    図 5 (b) ライン反転駆動方式の場合

    ML9058E をマルチ・チップで使用する場合、スレーブ側は表示タイミング信号(FR、CL、DOF)を マスター側から供給する必要があります。但し、ライン反転使用時はマルチチップ構成はとれません。 表 6 に FR、CL、DOF の状態を示します。

    表 6 マスター/スレーブ時の表示タイミング信号の関係

    動作モード FR CL DOF 内蔵発振回路有効(CLS = H) 出力 出力 出力

    マスター(M/S = “H”) 内蔵発振回路無効(CLS = L) 出力 入力 出力 内蔵発振回路無効(CLS = H) 入力 入力 入力

    スレーブ(M/S = “L”) 内蔵発振回路無効(CLS = L) 入力 入力 入力

    (注) マスター動作時は電源投入時から発振回路が動作します。

    スリープ状態以外では、発振回路の停止は行えません。

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    ● コモン出力状態選択回路

    (表 7 参照)

    ML9058E は、コモン出力状態選択コマンドにより COM 出力の走査方向の設定ができますので、 LCD モジュール組み立て時における IC の配置制約が少なくなります。

    表 7 コモン出力状態設定表

    状態 COM 走査方向

    正転 COM0→COM63 反転 COM63→COM0

    ● 液晶駆動回路

    液晶駆動用の 4 値レベルを発生するマルチプレクサで ML9058E は 198 組(ただし COMS0 と COMS1は同一信号を出力します)を内蔵します。表示データ、COM 走査信号、FR 信号の組み合せに応じた液晶駆動電圧を出力します。図 6 にフレーム反転駆動方式での SEG、COM 出力波形例を示します。

    ● スタティック・インジケータ回路

    スタティック・インジケータの液晶駆動用電極のどちらか一方に FR 端子を、他方に FRS 端子を接続して使用します。スタティック・インジケータ表示は、コマンドのみで制御され他の表示制御コマンドとは独立

    しています。スタティック・インジケータ用の電極はダイナミック駆動用の電極から離した実装配線パター

    ンを推奨します。この実装配線パターンが近すぎますと、液晶および電極の劣化の原因となります。

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    図 6 フレ ー ム 反 転 駆 動 方 式 に お け る 出 力 波 形(FR波 形 /COM波 形 /SEG波 形 /COM-SEG間 電 位 差 )

    COM12COM13COM14COM15

    COM8COM9COM10COM11

    COM4COM5COM6COM7

    COM0COM1COM2COM3

    FR

    COM0

    COM1

    COM2

    SEG0

    SEG1

    SEG2

    COM0-SEG0

    COM0-SEG1

    VDDVSS

    V1V2V3

    V4V5VSSV1V2V3

    V4V5VSSV1V2V3

    V4V5VSS

    V1V2V3

    V4V5VSSV1V2V3

    V4V5VSSV1V2V3

    V4V5VSS

    V1V2V3

    V4V50V-V5-V4

    -V3-V2-V1

    V1V2V3

    V4V50V-V5-V4

    -V3-V2-V1

    SEG

    0

    SEG

    1

    SEG

    2

    SEG

    3

    SEG

    4

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    ● 電源回路

    液晶駆動に必要な電圧を作成する低消費電力の電源回路で、昇圧回路、電圧調整回路、ボルテー

    ジ・フォロア回路で構成されています。マスタ動作時のみ有効です。電源回路はパワー・コントロール・セ

    ット・コマンドにより、昇圧回路、電圧調整回路、ボルテージ・フォロア回路それぞれ ON/OFF 制御されます。そのため、外部電源と内蔵電源の一部機能を併用して使用することも可能となります。パワー・コント

    ロール・セット・コマンドの 3 ビット・データが制御する機能説明を表 8 に、外部電源や内蔵電源の組み合わせを表 9 に示します。

    表 8 パワー・コントロール・セット・コマンド各ビット制御内容

    制御ビット 各ビット制御内容 DB2 昇圧回路制御ビット DB1 電圧調整回路(V1 電圧調整回路)制御ビット DB0 ボルテージ・フォロア回路(V/F 回路)制御ビット

    表 9 組み合わせ

    回路 使用状態 DB2 DB1 DB0

    昇圧 電圧調整 V/F 外部電圧入力 昇圧系端子 *1

    内蔵電源のみ使用 1 1 1 ○ ○ ○ VIN 使用 電圧調整回路と V/F 回路を使用 0 1 1 × ○ ○ VOUT OPEN

    V/F 回路のみ使用 0 0 1 × × ○ V1 OPEN 外部電源のみ使用 0 0 0 × × × V1~V5 OPEN

    *1: 昇圧系端子とは、VS1–、VS2–、VC3+、VC4+、VC5+、VC6+端子を指します。

    上記以外の組み合わせも可能ですが、現実的な使用方法ではないため推奨できません。

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    昇圧回路

    図7に 2~4 倍の昇圧回路用接続例を示します。

    VIN

    VSS

    VOUT

    VC6+

    VC4+

    VS2–

    VC5+

    VC3+

    VS1–

    2倍昇圧回路

    OPEN

    VINVSSVOUT

    VC6+

    VC4+

    VS2–

    VC5+

    VC3+

    VS1–

    VIN

    VSS

    VOUT

    VC6+

    VC4+

    VS2–

    VC5+

    VC3+

    VS1–

    4 倍昇圧回路

    OPEN

    OPEN

    3 倍昇圧回路

    +

    +

    + +

    ++

    +

    + +

    図 7 昇圧回路用接続例

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    昇圧の電位関係を図 8 に示します。

    VOUT = 3 × VIN = 15.0 V

    *1 VIN = 5.0 V VSS = 0 V

    VOUT = 4 × VIN = 18 V

    *1 VIN = 4.5 V VSS = 0 V

    3 倍昇圧電位関係 4 倍昇圧電位関係

    図 8 昇圧の電位関係

    *1: VIN の電圧範囲は VOUT 端子の電圧が絶対最大定格を超えない様に、

    推奨動作電圧の 6V~18.33V になるようにしてご使用ください。

    電圧調整回路

    VOUT に発生した昇圧電圧は、電源調整回路を介して液晶駆動電圧 V1 を出力します。 ML9058E は高精度な定電圧源と 64 階段の電子ボリューム機能、さらに V1 電圧 調整用抵抗を内蔵していますので、高精度な電圧調整回路が少ない部品で構成できます。 また、VREG の温度勾配は約–0.05%/°C が用意されています。

    (a)V1 電圧調整用内蔵抵抗使用の場合(IRS 端子 = “H”)

    V1 電圧調整用内蔵抵抗と電子ボリューム機能を用いることにより、外部抵抗を付加することなく、コマンドのみで液晶電源電圧 V1 を制御し液晶表示の濃淡を調整することができます。V1電圧は V1<VOUT の範囲内で(式 A–1)で求めることができます。

    V1 = (1 + (Rb/Ra))・VEV = (1 + (Rb/Ra))・(1 – (α/324))・VREG (式 A–1)

    図 9 V1 電圧調整の等価回路

    +V1

    内蔵 Ra 内蔵 Rb

    VEV(定電圧源 + 電子ボリューム)

    VRS (VREG) VR

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    VREG は IC 内部の定電圧源で、VRS 端子出力電圧です。 αは電子ボリューム機能で、6 ビットの電子ボリューム・レジスタにデータをセットすることにより、64 状態のうちの 1 状態をとります。電子ボリューム・レジスタの設定によるαの値を表 10 に示します。

    表 10 電子ボリューム・レジスタの設定とαの関係

    α DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 63 0 0 0 0 0 0 62 0 0 0 0 0 1 61 0 0 0 0 1 0

    1 1 1 1 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1

    電子ボリューム機能を使用したV1電圧設定の場合、V1 出力電圧精度の公称値は±2.5%です。 また、Tj=25℃、V1 電圧調整用内蔵抵抗比 4 倍、Vout=20V 外部印加、V1 無負荷、表示 OFF の条件 での値です。 Rb/Ra は V1 電圧調整用内蔵抵抗比で、V1 電圧調整用内蔵抵抗比セット・コマンドにより 7 段階の 調整が可能です。V1 電圧調整用内蔵抵抗比レジスタに 3 ビットのデータをセットすることにより、 (1 + Rb/Ra)の公称値は表 11 の値をとります。

    表 11 V1 電圧調整用内蔵抵抗比レジスタ値と(1 + Rb/Ra)(公称値)

    レジスタ (1 + Rb/Ra)

    DB2 DB1 DB0 0 0 0 3.0 0 0 1 3.5 0 1 0 4.0 0 1 1 4.5 1 0 0 5.0 1 0 1 5.5 1 1 0 6.0

    注) V1 ゲインは 3 倍~6 倍の範囲でご使用下さい。但し、本 LSI は温度勾配がある関係から、低

    温で V1 電圧が上昇しますので、V1 ゲインを 6 倍にてご使用の際には、 内蔵電子ボリュームにて V1 電圧が 18V を超えない様に調整して、ご使用下さい。

    内蔵抵抗比を使用したV1電圧設定の場合、表12に示す精度になります。

    表 12 内蔵抵抗による V1 出力電圧精度と V1 ゲインの関係

    V1 ゲイン

    項目 3 倍 3.5 倍 4 倍 4.5 倍 5 倍 5.5 倍 6 倍

    単位

    V1 出力電圧精度 ±2.5 ±2.5 ±2.5 ±2.5 ±2.5 ±2.5 ±2.5 %

    V1 最大出力電圧 9 10.5 12 13.5 15 165 18 V

    注) 表12のV1最大出力電圧は Tj=25℃、電ボリュームα=0 としたときの公称値です。

    また、V1 出力電圧精度は Vout=20V 外部印加、V1 無負荷、表示 OFF の条件での値です。

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    (b)外部抵抗使用(V1 電圧調整用内蔵抵抗未使用)の場合

    V1 電圧調整用内蔵抵抗を使用せず(IRS 端子 = “L”)、VSS–VR 間、VR–V1 間に抵抗(Ra'、Rb')を付加することにより、液晶電源電圧 V1 を設定することも可能です。この場合も、電子ボリューム機能を用いることにより、コマンドで液晶電源電圧 V1 を制御し液晶表示の濃淡を調整することができます。 V1 電圧は V1<VOUT の範囲内で外部抵抗 Ra'、Rb'を設定することにより式 B–1 で求めることができます。

    V1 = (1 + (Rb'/Ra'))・VEV = (1 + (Rb'/Ra'))・(1 – (α/324))・VREG (式 B–1)

    図 10 V1 電圧調整の等価回路

    [設定例: Tj = 25℃ V1 = 7 V に設定する例] 電子ボリューム・レジスタの値を(DB5、DB4、DB3、DB2、DB1、DB0) = (1、0、0、0、0、0)と設定したとき α = 31、VREG = 3.0V となり B–1 式より

    V1 = (1 + (Rb'/Ra'))・(1 – (α/324))・VREG 7 = (1 + (Rb'/Ra'))・(1 – (31/324))・3.0 (式 B–2)

    また、Ra'、Rb'に流れる電流値を 5 µA と設定すると、Ra' + Rb' = 1.4 MΩ (式 B–3)となります。 Rb'/Ra' = 1.58 Ra' = 543 kΩ Rb' = 857 kΩとなります。 この時、電子ボリューム機能による V1 電圧の可変範囲は表 13 のようになります。

    表 13 電子ボリューム機能による V1 電圧の可変範囲例 1

    V1 Min. Typ. Max. 単位

    可変範囲 6.24(α = 63) 7.0(α = 31) 7.74(α = 0) [V]

    +

    –VSS V1

    外部 Ra'

    外部 Rb'

    VEV(定電圧源 + 電子ボリューム)

    VR

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    (c)外部抵抗使用(V1 電圧調整用内蔵抵抗未使用)の場合で、さらに可変抵抗を使用する場合。

    前頁の外部抵抗使用の場合において、さらに可変抵抗を付加することにより、Ra'、Rb'を微調整し液晶駆動電圧 V1 を設定することが可能です。この場合も、電子ボリューム機能を用いることにより、コマンドで液晶電源電圧 V1 を制御し液晶表示の濃淡を調整することができます。V1 電圧は V1<VOUT の範囲内で外部抵抗 R1、R2(可変抵抗)、R3 を設定し、R2 を微調整(ΔR2)することにより、下記式 C–1 で求めることができます。

    V1 = (1 + (R3 + R2 – ΔR2)/(R1 + ΔR2))・VEV = (1 + (R3 + R2 – ΔR2)/(R1 + ΔR2))・(1 – (α/324))・VREG (式 C–1)

    図 11 V1 電圧調整の等価回路

    [設定例: Tj = 25℃、R2 により 5V~9V に設定] 電子ボリューム・レジスタの値を(DB5、DB4、DB3、DB2、DB1、DB0) = (1、0、0、0、0、0)と設定したとき

    α = 31、VREG = 3.0 V となり式 C–1 より、ΔR2 = 0Ωの時 V1 = 9 V にするには 9 = (1 + (R3 + R2)/R1)・(1 – (31/324))・(3.0) (式 C–2)

    ΔR2 = R2 のとき V = 5 V にするには 5 = (1 + R3/(R1 + R2))・(1 – (31/324))・(3.0) (式 C–3)

    また、VSS–V1 間に流す電流値を 5 µA と設定すると R1+R2+R3 = 1.8 MΩ(式 C–4)となる。そこで式 C–2、C–3、C–4 より R1 = 542 kΩ、R2 = 436 kΩ、R3 = 822 kΩとなります。このとき、電子ボリューム機能による V1 電圧の可変範囲は表 14 のようになります。

    表 14 電子ボリュームと可変抵抗を組み合わせた V1 電圧の可変範囲例 2

    V1 Min. Typ. Max. 単位

    可変範囲 4.45(α = 63) 7.0(α = 31) 9.96(α = 0) [V]

    +

    Rb'

    Ra'

    外部 R3

    Δ R2

    VR

    VSS

    VEV(定電圧源 + 電子ボリューム)

    V1

    外部 R2

    外部 R1

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    図 10、図 11 において VEV の電圧範囲は 0~63 段階の電子ボリュームを設定することで以下の様になります。

    VEV = (1 – (α/324))・VREG

    α=0 : VEV = (1 – (0/324))・3.0V = 3.0V α=31: VEV = (1 – (31/324))・3.0V = 2.712V α=63: VEV = (1 – (63/324))・3.0V = 2.416V

    従って、VEV での電子ボリュームの刻み幅は VREG = 3.0V の時

    3.0V-2.416V Δ= = 9.27mV (Nominal)

    63

    となります。

    VREG = 3.069V の時、α= 0: VEV = 3.069V, α= 63: VEV = 2.472V 刻み幅は

    3.069V-2.472V

    Δ= = 9.476mV 63

    VREG = 2.931V の時、α= 0: VEV = 2.931V, α= 63: VEV = 2.361V 刻み幅は

    2.931V-2.361V

    Δ= = 9.047mV 63

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    * V1 電圧調整用内蔵抵抗もしくは電子ボリューム機能を用いる場合、パワー・コントロール・セット・

    コマンドにより、少なくとも電圧調整回路およびボルテージ・フォロア回路が共に動作している状

    態に設定する必要があります。また、昇圧回路が OFF の場合には VOUT より電圧を与える必要があります。

    * VR 端子は、V1 電圧調整用内蔵抵抗未使用(IRS 端子 = “L”)の場合のみ有効です。V1 電圧調整用内蔵抵抗使用(IRS 端子 = “H”)の場合は OPEN とします。

    * VR 端子は入力インピーダンスが高いので、短配線およびシールド配線など、ノイズに対する配慮が必要です。

    * 消費電流はパネルの容量に比例して増大します。消費電力が増えると VOUT のレベル低下が想定されますので、(VOUT–V1)電圧は 3V 以上を推奨します。

    液晶電圧発生回路

    V1 電圧は IC 内部で抵抗分割され、液晶駆動に必要な V2、V3、V4、V5 電位を発生します。さらに、V2、V3、V4、V5 電位はボルテージ・フォロアによりインピーダンス変換され、液晶駆動回路に供給されます。バイアス比は LCD バイアス・セット・コマンドにより、1/9 バイアスもしくは 1/7 バイアスの選択が可能です。

    内蔵電源立ち上げ時、及びパワーセーブ状態から表示モードへの移行

    内蔵電源立ち上げ後、コマンド“2F(H)”入力時、及び、パワーセーブ状態から表示モードへの移行時内蔵電源安定するまで、最大 300ms 表示されません。この表示されない期間は表示 ON、表示 OFF コマンドに依存しません。また、もしこの期間中に表示 ON コマンドを入力した場合、その時点では表示されませんが、コマンドは有効で、待ち時間が過ぎると表示されます。 (この表示されない期間でも、全てのコマンドは受け付けられます。)

    内蔵電源立ち下げ時のコマンドシーケンス

    内蔵電源の立ち下げについては、図 12 に示すコマンドシーケンスのように、パワーセーブ状態にしてから電源 OFF する手順を推奨します。

    手順 内容 コマンドアドレス (コマンド、状態) DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 Step1 表示 OFF 1 0 1 0 1 1 1 0 パワー・セーブ・コマンド ↓ ↓ (複合コマンド) Step2 表示全点灯 ON 1 0 1 0 0 1 0 1 ↓ ↓ End 内蔵電源 OFF

    図 12 内蔵電源立ち下げ時のコマンドシーケンス

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    参考回路例 (図中、説明のため V1 端子は2つ記載しておりますが、同一端子です。)

    (1)昇圧回路、電圧調整回路、V/F 回路を全て使用

    V1 電圧調整用内蔵抵抗を使用する場合 VIN = VDD 3 倍昇圧

    IRSVIN VC6+VC4+

    VS2–

    VC5+VC3+

    VS1–V1 VR VSS

    VOUTV1 V2 V3 V4 V5

    M/S

    VDD

    VSS

    C1: *1 C2: *2

    IRS VIN VC6+ VC4+

    VS2–

    VC5+ VC3+

    VS1– V1 VR VSS

    VOUT V1 V2 V3 V4 V5

    M/S

    VDD

    VSS

    C1

    C1

    C1 C1 C2 C2

    C2 C2

    C1C1C2C2

    C2C2

    R1 R2 R3

    IRSVINVC6+VC4+

    VS2–

    VC5+VC3+VS1–

    V1 VRVSS

    VOUTV1 V2 V3 V4 V5

    M/S

    VDD

    VSS

    C1 C2 C2

    C2 C2

    R1 R2 R3

    IRS VIN VC6+ VC4+

    VS2–

    VC5+ VC3+ VS1–

    V1 VR VSS

    VOUT V1 V2 V3 V4 V5

    M/S

    VDD

    VSS

    C1C2C2

    C2C2

    外部 電源

    (2)昇圧回路、電圧調整回路、V/F 回路を全て使用

    V1 電圧調整用内蔵抵抗を使用しない場合 VIN = VDD 3 倍昇圧

    (3)電圧調整回路、V/F 回路のみを使用 V1 電圧調整用内蔵抵抗を使用しない場合

    (4)電圧調整回路、V/F 回路のみを使用 V1 電圧調整用内蔵抵抗を使用する場合

    外部

    電源

    C1:*1

    C1: *1 C2: *2

    C1: *1 C2: *2

    C1

    C1

    OPEN OPEN

    Rall=R1+R2+R3 Rall: *3

    +

    +

    +

    +

    + + + + + +

    + + + + + +

    +

    + + + +

    +++++

    OPEN

    OPEN OPEN

    OPEN

    OPEN OPEN

    OPENOPEN

    OPEN

    OPENOPEN

    OPEN OPEN

    OPEN

    C2: *2

    Rall=R1+R2+R3 Rall: *3

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    (注) COG のチップ外部の配線抵抗がない場合、 ① *1 C1=0.9μF~5.7μF、*2 C2=0.42μF~ 1.2μF では、

    *3 Rall=1MΩ~5MΩ にてご使用下さい。 ② *1 C1=1.8μF~5.7μF、*2 C2=0.42μF~ 1.2μF では、

    *3 Rall=500kΩ~1MΩにてご使用下さい。 昇圧出力電圧、V1 出力電圧の余裕あることを確認して、ご使用下さい。

    初期設定

    注: 本 IC は液晶駆動用電圧出力端子(V1~V5)と VSS 端子間に接続する平滑コンデンサに電荷が 残っていると、電源投入時に表示画面が一瞬黒くなる等の不具合が発生することがあります。 電源投入時には不具合を回避するために、P52 のインストラクション設定例の“電源投入後 すぐに内蔵電源を使用する場合”または” 電源投入後すぐに内蔵電源を使用しない場合”の フローを推奨します。

    VSS

    C2: *2

    C2 C2

    C2 C2

    IRSVIN VC6+VC4+

    VS2–

    VC5+VC3+VS1–

    V1 VR VSS

    VOUT V1 V2 V3 V4 V5

    M/S

    VDD

    (5) V/F 回路のみ使用

    IRS VIN VC6+ VC4+

    VS2–

    VC5+ VC3+ VS1–

    V1 VR VSS

    VOUT

    V1 V2 V3 V4 V5

    M/S

    VDD

    VSS

    (6) 内蔵電圧を使用しない場合

    外部 電源

    外部 電源

    OPEN OPEN

    OPEN

    OPEN OPEN OPEN

    OPEN

    OPENOPEN

    OPEN

    OPENOPENOPEN

    OPEN

    OPEN OPEN

    + + + +

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    ■ オペレーション一覧

    DBn No オペレーション 7 6 5 4 3 2 1 0 A0 RD WRコメント

    表示 OFF 1 0 1 0 1 1 1 0 0 1 0 1 表示 ON 1 0 1 0 1 1 1 1 0 1 0

    LCD 表示 DB0 = 0 で OFF DB1 = 1 で ON

    2 表示開始ライン・セット 0 1 ア ド レ ス 0 1 0 表示 RAM の表示開始ライン・アドレスをセット

    3 ページ・アドレス・セット 1 0 1 1 アドレス 0 1 0 表示 RAM のページ・アドレスをセット

    カラム・アドレス・セット (上位 bit)

    0 0 0 1 アドレス(上位)

    0 1 0 表示 RAM のカラム・アドレス 上位 4 ビットをセット

    4 カラム・アドレス・セット (下位 bit)

    0 0 0 0 アドレス(下位)

    0 1 0 表示 RAM のカラム・アドレス 下位 4 ビットをセット

    5 ステイタス・リード ステイタス * * * * 0 0 1 上位 4 ビットでステイタス 情報の読み出し

    6 表示データ・ライト ライト・データ 1 1 0 表示 RAM への書き込み 7 表示データ・リード リード・データ 1 0 1 表示 RAM の読みだし

    正転 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 8 ADC

    セレクト 反転 1 0 1 0 0 0 0 1 0 1 0

    表示 RAM アドレスの SEG 出力対応 DB0 = 0 で正転 DB0 = 1 で反転

    正転 1 0 1 0 0 1 1 0 0 1 0 9 表示

    反転 1 0 1 0 0 1 1 1 0 1 0

    LCD 表示正転/反転 DB0 = 0 で正転 DB0 = 1 で反転

    OFF(通常表示) 1 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 10 LCD 表示

    全点灯 ON 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0

    LCD 表示 DB0 = 0 で通常表示 DB0 = 1 で全点灯

    1 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 11 LCD バイアス・セット

    1 0 1 0 0 0 1 1 0 1 0

    LCD 駆動電圧バイアス比の設定 DB0 = 0 で 1/9 DB0 = 1 で 1/7

    12 リード・モディファイ・ライト 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 カラム・アドレスのインクリメント ライト時:+1、リード時:0

    13 エンド 1 1 1 0 1 1 1 0 0 1 0 リード・モディファイ・ライト解除 14 リセット 1 1 1 0 0 0 1 0 0 1 0 内部リセット

    1 1 0 0 0 * * * 0 1 0 15 コモン出力状態選択

    1 1 0 0 1 * * * 0 1 0

    COM 出力の走査方向の選択 DB3 = 0 で正転 DB3 = 1 で反転

    16 パワー・コントロール・セット 0 0 1 0 1 動作状態

    0 1 0 内蔵電源の動作状態選択

    17 V1 電圧調整用 内部抵抗比セット

    0 0 1 0 0 抵抗比設定

    0 1 0 内蔵抵抗比の状態選択

    電子ボリューム モードセット 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 18 電 子 ボ リ

    ューム 電子ボリューム レジスタセット * * 電子ボリューム値 0 1 0

    電子ボリュームレジスタに 6BIT データをセットし V1 出力電圧を調整(2 バイト・コマンド)

    OFF 1 0 1 0 1 1 0 0 0 1 0 DB0 = 0 で OFF スタティック・インジケータ

    ON 1 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 19 スタティック・インジケータ・ レジスタ・セット * * * * * *状態 0 1 0

    DB0 = 1 で ON 点滅状態のセット(2 バイト・コマンド)

    *:無効データ(入力時は Don’t care、出力時は Unknown)

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    DBn No オペレーション 7 6 5 4 3 2 1 0 A0 RD WR

    コメント

    1 1 0 1 0 * * * 0 1 0 DB3 = 0 でフレーム反転 LCD 駆動方式セット 1 1 0 1 1 * * * 0 1 0

    20 (注 1)

    ライン反転数セット * * * ライン数 0 1 0 DB3 = 1 でライン反転 ライン反転数のセット(2 バイト・コマンド)

    21 パワー・セーブ 表示 OFF と表示全点灯の複合コマンド 22 NOP 1 1 1 0 0 0 1 1 0 1 0 Non-OPeration のコマンド 23 テスト 1 1 1 1 * * * * 0 1 0 IC チップテスト用コマンド

    *:無効データ(入力時は Don’t care、出力時は Unknown) (注 1) ライン反転使用時はマルチチップ構成はとれません。

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    ■ オペレーション説明

    ● 表示ON/OFF(ライト)

    LCD パネルの点灯、消灯の制御命令です。DB0 ビットに“1”を書き込むと液晶表示をオンし、 “0” を書き込むと液晶表示をオフします。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 表示 ON 0 1 0 1 0 1 1 1 1 表示 OFF 0 1 0 1 0 1 1 1 0

    ● 表示開始ライン・セット(ライト)

    表示データ RAM の表示開始ライン・アドレスを指定します。 表示開始ライン・セット・コマンドにより通常、表示の最上ラインを指定します。 表示開始ライン・セット・コマンドによりアドレスをダイナミックに変更すれば画面のスクロールが可能にな

    ります。 ライン・アドレス A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 1 2 0 0 1 0 0 0 0 1 0

    62 0 0 1 1 1 1 1 1 0 63 0 0 1 1 1 1 1 1 1

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    ● ページ・アドレス・セット(ライト)

    表示データ RAM を MPU 側からアクセスする場合にロウ・アドレスに相当するページ・アドレスを指定します。 表示データ RAM は、ページ・アドレスとカラム・アドレスとが指定されることによって、所望のビットがアクセス可能となります。

    ページ・アドレス A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 0 1 0 1 0 1 1 0 0 0 1 2 0 1 0 1 1 0 0 1 0

    7 0 1 0 1 1 0 1 1 1 8 0 1 0 1 1 1 0 0 0

    アドレスとして存在しない値は指定しないで下さい。

    ● カラム・アドレス・セット(ライト)

    表示データ RAM のカラム・アドレスを指定します。カラム・アドレスは上位 4 ビット、下位 4 ビットの 2 回に分け続けてセットします。カラム・アドレスは表示データ RAM がアクセスされるたびに自動的にインクリメント(+1)されますので、MPU は表示データを連続してリード/ライトできます。カラム・アドレスは 83(H)でインクリメントを停止します。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 上位ビット 0 0 0 0 1 a7 a6 a5 a4 下位ビット 0 0 0 0 0 a3 a2 a1 a0

    カラム・アドレス a7 a6 a5 a4 a3 a2 a1 a0

    0 0 0 0 0 0 0 0 0

    1 0 0 0 0 0 0 0 1

    2 0 0 0 0 0 0 1 0

    130 1 0 0 0 0 0 1 0

    131 1 0 0 0 0 0 1 1

    アドレスとして存在しない値は指定しないで下さい。

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    ● ステイタス・リード(リード)

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 0 BUSY ADC ON/OFF RESET * * * *

    *:無効データ

    BUSY BUSY = 1 の時、内部動作中もしくは、リセット中であることを示します。コマンドは BUSY = 0 となるまで受け付けませんが、サイクル・タイムが満足できればチェックをする必要はありません。

    ADC

    カラム・アドレスとセグメント・ドライバの対応関係を示します。 0: 反転(SEG131→SEG0;カラム・アドレス 0(H)→83(H)) 1: 正転(SEG0→SEG131;カラム・アドレス 0(H)→83(H)) (ADC コマンドの極性と逆になる)

    ON/OFF 表示の ON/OFF 状態を示します。(表示 ON/OFF コマンドの極性と逆になる) 0: 表示の ON 1: 表示の OFF

    RESET RES 信号もしくは、リセット・コマンドにより初期設定中を表わします。 0: 動作状態 1: リセット中

    ● 表示データ・ライト(ライト)

    表示データ RAM の指定されたアドレスに 8 ビットのデータを書き込みます。書き込み後、カラム・アドレスは自動的に+1 されますので MPU は連続して表示データを書き込むことができます。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 1 ライト・データ

    ● 表示データ・リード(リード)

    表示データ RAM の指定されたアドレスの 8 ビットデータを読み出します。読み出し後、カラム・アドレスは自動的に+1 されますので MPUは連続して表示データを読み出すことができます。なお、カラム・アドレスをセットした直後には、ダミー・リードが 1 回必要です。シリアルインタフェースを用いた場合には表示データの読み出しはできません。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 1 リード・データ

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    ● ADCセレクト(セグメント・ドライバ方向セレクト)(ライト)

    表示 RAM データのカラム・アドレスとセグメント・ドライバ出力との対応関係を反転することができます。セグメント・ドライバ出力ピンの順番をコマンドで反転することができます。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 正転 0 1 0 1 0 0 0 0 0 反転 0 1 0 1 0 0 0 0 1

    ● 表示正転/反転(ライト)

    表示データ RAM の内容を書き換えることなく表示の点灯・非点灯を反転できます。 この時、表示データ RAM の内容は保持されます。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 RAM データ

    正転 0 1 0 1 0 0 1 1 0 “H”で点灯 反転 0 1 0 1 0 0 1 1 1 “L”で点灯

    ● LCD表示全点灯ON/OFF(ライト)

    表示データ RAM の内容にかかわらず強制的に全表示を点灯状態にすることができます。 この時、表示データ RAM の内容は保持されます。 このコマンドは、表示正転/反転コマンドより優先されます。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 表示全点灯 OFF (通常表示) 0 1 0 1 0 0 1 0 0 表示全点灯 ON 0 1 0 1 0 0 1 0 1

    表示 OFF 状態の時に、表示全点灯 ON コマンドを実行するとパワー・セーブ状態に入ります。

    ● LCDバイアス・セット(ライト)

    液晶駆動に必要な電圧のバイアス比を選択します。

    LCDバイアス A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 1/9 バイアス 0 1 0 1 0 0 0 1 0 1/7 バイアス 0 1 0 1 0 0 0 1 1

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    ● リード・モディファイ・ライト(ライト)

    エンド・コマンドとペアで使用します。このコマンドを一旦入力すると、カラム・アドレスは表示データ・リー

    ド・コマンドでは変更されず、表示データ・ライト・コマンドだけによってインクリメント(+1)されるようになります。この状態は、エンド・コマンドが入力されるまで保持されます。エンド・コマンドを入力すると、カラ

    ム・アドレスは、リード・モディファイ・ライト・コマンドの入力時点のアドレスにリターンします。この機能によ

    って、ブリンキング・カーソルのような特定表示領域を繰り返しデータ変更する場合の MPU の負担を減らすことができます。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 0 1 1 1 0 0 0 0 0

    ● エンド(ライト)

    リード・モディファイ・ライト・モードを解除し、カラム・アドレスをモード初期のアドレスにリターンさせます。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 0 1 1 1 0 1 1 1 0

    ● リセット(ライト)

    表示開始ライン、カラム・アドレス、ページ・アドレス、コモン出力状態、V1 電圧調整用内蔵抵抗比、電子ボリューム、スタティック・インジケータを初期化し、リード・モディファイ・ライト・モード、テスト・モードを解

    除します。表示データ RAM への影響はありません。 リセット動作はリセット・コマンド入力後に行われます。 電源印加時の初期化は、RES 端子へのリセット信号によって行います。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 0 1 1 1 0 0 0 1 0

    ● コモン出力状態選択(ライト)

    COM 出力端子の走査方向を選ぶことができます。

    走査方向 A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 正転 COM0→COM63 0 1 1 0 0 0 * * * 反転 COM63→COM0 0 1 1 0 0 1 * * *

    *:無効データ

    リード・モディファイ・ライト モード・セット

    N N + 1 N + 2 N + 3 .... N + m N カラム・アドレス

    エンド

    リターン

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    ● パワー・コントロール・セット(ライト)

    電源回路の機能を設定します。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0昇圧回路:OFF 0 0 0 1 0 1 0 昇圧回路:ON 0 0 0 1 0 1 1 電圧調整回路:OFF 0 0 0 1 0 1 0 電圧調整回路:ON 0 0 0 1 0 1 1 ボルテージ・フォロア回路:OFF 0 0 0 1 0 1 0 ボルテージ・フォロア回路:ON 0 0 0 1 0 1 1

    ● V1 電圧調整用内蔵抵抗比セット

    V1 電圧調整用内蔵抵抗比を設定します。 抵抗比 A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 3.0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 3.5 0 0 0 1 0 0 0 0 1 4.0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 4.5 0 0 0 1 0 0 0 1 1 5.0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 5.5 0 0 0 1 0 0 1 0 1 6.0 0 0 0 1 0 0 1 1 0 入力禁止コード 0 0 0 1 0 0 1 1 1

    (注) 本 LSI は温度勾配がある関係から、低温で V1 電圧が上昇しますので V1 ゲインを 6 倍にて、

    ご使用の際には、内蔵電子ボリュームにて V1 電圧が 18V を超えない様に調整して、ご使用下さい。

    ● 電子ボリューム(2 バイト・コマンド)

    内蔵液晶電源の電圧調整回路から出力される液晶駆動電圧 V1 を制御し、液晶表示の濃淡を調整することができます。 このコマンドは、電子ボリューム・モード・セット・コマンドと電子ボリューム・レジスタ・セット・コマンドのペア

    で使用する 2 バイト・コマンドですので、必ず両コマンドを連続させて使用して下さい。

    電子ボリューム・モード・セット(ライト)

    このコマンドを入力すると、電子ボリューム・レジスタ・セット・コマンドが有効になります。 一旦、電子ボリューム・モードにセットされると、電子ボリューム・レジスタ・セット・コマンド以外のコマ

    ンドは使用することができません。この状態は、電子ボリューム・レジスタ・セット・コマンドにより、レジ

    スタにデータがセットされた後、解除されます。

    A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 0 1 0 0 0 0 0 0 1

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    電子ボリューム・レジスタ・セット(ライト)

    このコマンドで電子ボリューム・レジスタに 6 ビットのデータをセットすることにより、液晶駆動電圧 V1は 64 状態の電圧値のうち1状態をとります。 このコマンドを入力し電子ボリューム・レジスタがセットされた後、電子ボリューム・モードは解除され

    ます。 α A0 DB7 DB6 DB5 DB4 DB3 DB2 DB1 DB0 63 0 * * 0 0 0 0 0 0 62 0 * * 0 0 0 0 0 1 61 0 * * 0 0 0 0 1 0 60 0 * * 0 0 0 0 1 1

    1

    … 1 1 1 1 1 0

    0 0 * * 1 1 1 1 1 1 *:無効データ

    電子ボリューム機能を使用しない場合は(*、*、1、0、0、0、0、0)に設定します。

    電子ボリューム・レジスタ・セットのシーケンス

    ● スタティック・インジケータ(2 バイト・コマンド)

    このコマンドによりスタティック駆動系のインジケータ表示のコントロールを行います。 スタティック・インジケータ表示は、このコマンドのみで制御され他の表示制御コマンドとは独立していま

    す。スタティック・インジケータ ON コマンドは、スタティック・インジケータ・レジスタ・セット・コマンドとペアで使用する 2 バイト・コマンドですので、必ず両コマンドを連続させて使用して下さい。(スタティック・インジケータ OFF コマンドは、1 バイト・コマンドです。)

    電子ボリューム