食育satシステムを...

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⑴  学  だ よ り どもたちに笑 いっぱいの給食時 間をお届けします 第  浦安 TEL  URL http www ogk or jp 岡山県学校給食会会報 自分たちでチェック 栄養教諭が指導

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ようになったからです。

 今回は夏休みの講座だった

ので、限られた人数のみの指

導となりました。今後は授業

の中での活用や保護者や地域

に向けての指導に活かしてい

く方法を構築して行きたいと

思います。

「連携と環境整備」による

食育の推進

総社市立総社北小学校

校長 南 靖治

 本校は、総社市街地の北部

に位置し、道路交通の便に恵

まれたベッドタウンを学区と

しています。平成二十六年度

には、総社市教育委員会及び

岡山県小学校教育研究会家庭

部会より二年間にわたる家庭

科教育の研究指定を受け、平

成二十七年度に「食の領域」

を中心とした研究発表会を実

施しました。家庭科の時間は

もちろん、学級活動や生活

科、総合的な学習の時間など

を通して実践的・体験的に食

の大切さを学習しました。

 研究の成果を生かしながら

継続して取り組んでいること

を、「連携・環境整備」の面か

ら紹介します。

て帰宅する児童もいました。

 食育SATシステムは、教材

としてとてもインパクトの強い

ものです。また、料理の内容が

具体的なので、それを児童自ら

選ぶことで『自分自身の問題』

としてとらえることができ、栄

養教諭の指導も受け止められ

やすいようでした。

 食育は一回の指導では身に

つかないとよく言われます

が、食育SATシステムを活

用したことでそのことを再確

認しました。三回・四回と繰

り返すことで、よりよい食事

内容を選択することができる

栄養教諭が「朝食でも野菜を

食べてね。どんな野菜なら食

べることができるかな?」と

か「目玉焼きなどのおかずを

食べることはできるかな。」

「もう少しごはんを増やして

みよう。」などの指導を個別

に行いました。それを受け

て、児童たちは栄養価や食事

バランスを整えられるよう

に、別の料理を追加変更して

いきました。児童たちはこの

活動の中で、自分に何が不足

しているのか、また多すぎる

のかが視覚的にも納得できて

いました。

 とても印象的だったのは、

料理の追加や変更をする場合

に、苦手なものを我慢して選

択するか、好きな料理の中か

ら選択するか悩んでいたこと

です。また、料理を選択する活

動を繰り返すことで、上手に

選ぶことができるようになり、

最後には他の人が選択した料

理を見るだけで、何が不足し

ているのか、何を追加すればよ

いのかが分かるようになりま

した。この活動は午前中に行

いましたので、「今日のお昼ご

はんが気になる。」とつぶやい

食育SATシステムを

    

活用した食育

岡山市立福田小学校

栄養教諭 赤木 寛子

 岡山市では今年度、食育S

ATシステムを導入しまし

た。食育SATシステムとは、

ICタグが内蔵された実物大

のフードモデルを選択しセン

サーに乗せることで、栄養価

計算と食事のバランスが

チェックできる食育教材で

す。学校現場でも、食育SA

Tシステムを活用した児童生

徒への食事指導がスタート

し、本校では夏休みに、図書

館講座の中で、よりよい朝食

内容を指導するための教材と

して利用しました。

 手順としてはまず、たくさ

んあるフードモデルの中か

ら、朝食でよく食べる料理を

選択し、それをチェックする

ことから始めました。ほとん

どの児童で「野菜不足」や

「主食のみに偏っている」「量

が少ない」などの評価となり

ました。

 そしてその評価を受けて、

⑴ 平成28年11月1日 県 学 給 だ よ り 第 199 号

子どもたちに笑顔いっぱいの給食時間をお届けします

第 199 号平成28年11月1日編集発行

公益財団法人 岡山県学校給食会岡山市南区浦安本町59番地の4TEL 086 ̶263 ̶6465㈹

URL : http://www.ogk.or.jp/

岡山県学校給食会会報

食育の取組み紹介

自分たちでチェック栄養教諭が指導

「和産完消」

 和気町本荘学校給食

      

共同調理場

栄養教諭 髙木 ひかる

 和気町は岡山県の南東部に

位置し、温暖な気候と豊かな

自然に囲まれ、地理的特徴か

ら災害が少ない地域です。そ

のため、様々な農作物が作ら

れています。「和気町産の食

材を学校給食で完全に消費す

る」ことを意味する『和産完

消』を目標に献立作成を行

い、地域に密着した学校給食

の提供を行っています。和気

町の学校給食の地産地消率は

年々上昇しており、児童にも

それを伝え、地域の農家の

方々に感謝の気持ちをもつこ

とができるよう指導していま

す。また、本務校では学校給

食に食材を提供して下さって

いる農家の方々をお迎えして

招待給食を計画しています。

 本調理場では小学校三校、

幼稚園三園、約六百食の給食

を提供しています。

 幼稚園では年に数回の給食

試食会が実施されており、園

児や保護者の方々、先生方と

の交流の場となっています。

 小学校では給食時間に実態

把握と食に関する指導を行う

ため、使われた食材の写真に

名前や栄養素などの解説を付

けて、食材紹介パネルとして

掲示しています。また、「学び

のお知らせコーナー」も設置

し、学校栄養職員さんたちか

ら学んだ箸の正しい持ち方や

使い方、市販の飲料水に含ま

れる糖分量などを、絵や写

真、実物展示などにより全校

に紹介しています。クイズ形

式や、視覚や触覚による体験

形式など、紹介の仕方も工夫

しているためか、子どもたち

に好評です。

 今後も、連携や環境整備な

どの取り組みを継続し、食育

を通して子どもたちの健全な

心とたくましい体の育成に努

めていきたいと思います。

技能や知識を生かし、朝食の

一品を完成させることができ

ました。

三、環境整備

 コンテナ室前の掲示板に

「食育コーナー」を設置し、食

材紹介パネルを掲示していま

す。給食で普段食べている食

材は原形をとどめず、何を食

べたか分からない児童が多い

さった砂糖水・レモン水・塩

水・コーヒー・出汁を飲むこと

で、味には「甘味」「酸味」

「塩味」「苦味」の他に「うま

味」があることを知りまし

た。そして、給食では子ども

たちの苦手な「苦味」を含

め、様々な味を体験できるよ

うにしているというお話を聞

いて、好き嫌いせずに食べる

ことの大切さを実感しまし

た。

 六年生の家庭科「野菜いた

め」では、子どもたちが学校

栄養職員さんの指導を受けま

した。まず、にんじんの千切

りの実演を見ました。次に強

火で炒めたときと弱火で炒め

たときの歯ごたえの違いや味

の変化を、実際に食べ比べる

ことにより体験しました。そ

の後の調理実習では、学んだ

一、地域との連携

 二年生は、生活科でミニト

マトやきゅうり、さつまいも、

大根などの野菜を植えて世話

をしています。畑を耕し畝を

作る作業や植え方・育て方の

指導は、地域のボランティア

の方に継続して行っていただ

いています。季節によって、

できる野菜が違うことや旬の

食材を食べることの良さを知

る食育学習になっています。

収穫したさつまいもや大根

は、ボランティアの方を招待

し会食します。収穫の喜びと

感謝の気持ちを伝える良い機

会となっています。

二、学校栄養職員との連携

 四年生は、学級活動の時間

に「うま味」について学習し

ました。子どもたちは、学校

栄養職員さんの用意してくだ

⑵ 平成28年11月1日 県 学 給 だ よ り 第 199 号

 非常(防災)食体験

 本会では、防災の日を前に

八月二十六日に、非常時の食

事として保管していた、災害

時用五目御飯(アルファー食

品)と、新たに取扱いとなった

全学栄開発救給根菜汁を役職

員全員で昼食時に喫食しまし

た。

 災害用五目御飯は、ダン

ボールを開け材料を取り出

し、そのダンボール箱に炊飯

袋をセットし、その袋にアル

ファ化米と具材を入れ、お湯

(水でも良い)を注いでしばら

く待つと出来上がりました。

 根菜汁は温める必要もな

く、不足しがちな野菜を摂る

ことができます。

 非常時、このような食事が

提供されると心が温かくなる

気がしました。

 本会も災害時に備えるとと

もに、関係機関に情報提供で

きればと考えます。

の松下先生による調理実習で

した。

 献立は「さつまいもごは

ん」「黒豆入りミートローフ」

「小松菜と人参のくるみマヨ

ネーズ和え」「黄ニラ入りれ

んこん餃子スープ」「トマトと

りんごのスコーン」を調理し、

会食をしていただきました。

 その後、公益財団法人日本

食肉消費総合センターから

「食肉の栄養と保健機能」と

題した日本獣医生命科学大学

の江草愛先生によるセミナー

を開催いたしました。

護者の方もいました。

 児童が食に対して興味をも

ち、意欲的に考えることがで

きるきっかけづくりとして、

これからも地域と連携をとり

ながら子どもたちを共に育て

る環境を作っていきたいと思

います。

 学校給食(米飯)

     

調理講習会

 平成二十八年十月十四日

(金)岡山県学校給食会に於

いて栄養教諭・学校栄養職員

を対象とした米飯給食の実施

に役立つ調理講習会を開催い

たしました。

 当日は四十一名の参加でし

た。

 「地場産物を使用した米飯

給食向けの調理実習と講義」

と題した岡山県栄養士会の森

会長の講義と地域活動事業部

「ふるさと料理教室」を実施

しています。町内の共同調理

場の栄養教諭やふるさと教員

がともに計画し、栄養改善推

進委員のご協力をいただいて

実施しています。

 この料理教室では町内で作

られたすももやりんごを使っ

た料理や時季に合わせた行事

食のレシピを栄養教諭が考

え、実施しています。

 中学年以下の児童は学校で

の調理実習がほとんどないの

で、友達と一緒に何かを作る

ことができ、貴重な時間に

なっているようにも思いま

す。

 実施後のアンケートでは

「やってみて楽しかった」「家

でもしてみたい」という児童

や「子どもと料理をするきっ

かけになった」などという保

ため、各学級に年間二回以上

の訪問を計画しています。

 四年生で行った授業では

「三つのめざましスイッチがそ

ろった朝ごはんを考えよう」

というめあてで指導を行いま

した。料理の絵と名前を書い

たカードを組み合わせてグ

ループで朝食を考えました。

カードを使って考えることに

興味をもち、児童全員が意欲

的に活動に参加できていたよ

うに感じました。

 「児童が興味をもちやすい

媒体を使うことで意欲的に活

動できる」「グループで考え

ることで、児童同士で教え合

い、学び合うことができる」

ということを実感しました。

 さらに、児童の日頃の様子

を知る先生方との連携の必要

性を強く感じました。児童の

様子を知ることが授業内容を

よりよくすることにつなが

り、児童のためになるという

ことを、身をもって知ること

ができました。

 和気町には「こども塾」が

あります。これはふるさと教

員の先生方が主体となり、

キャンプや地域の農園の訪問

などの取り組みを行っていま

す。その取り組みの一つとして

小学生とその保護者を対象に

⑶ 平成28年11月1日 県 学 給 だ よ り 第 199 号

る感謝の気持ちを持ってもら

うことを目的としています。

 アレルギー対策について

は、市内の約四十名の児童・

生徒に対し、除去食対応を

行っています。翌月の献立が

できると、給食センターにお

いて、保護者と面談を行い、

児童・生徒の状況に合わせ

て、個別にきめ細やかな対応

をしています。アレルギー対

策において、国の方向性は

「完全除去」のようですが、

近年、アレルギーを持つ児童・

生徒は年々増加し、体制を強

化する必要があり、大きな課

題となっています。

 学校給食センターにおいて

は、課題もたくさんあります

が、今後も給食の質が低下す

ることのないよう、また、児

童・生徒に安心・安全な給食

を提供できるよう、職員一同

取り組んでまいりたいと思い

ます。

【施設の概要】

名 称:赤磐市立中央学校給食

センター

所在地:赤磐市西中二二〇―

床面積:約一、二二〇㎡

構 造:鉄骨造 一部二階建

調理能力:二、〇〇〇食/日

が他よりかなり高額です。し

かし、炊飯室の構造が、建設

当時からIH式の炊飯システ

ム仕様となっていたため、熱

対策がまったくできていませ

んでした。炊飯室の熱対策工

事の費用や工事期間を考慮し

た結果、IH連続式炊飯シス

テムを導入することとなりま

した。夏休みに工事を完了

し、九月一日から新しい炊飯

システムにより炊飯ができる

ようになりほっとしていま

す。今後は、消毒保管庫、電

気フライヤー、食器洗浄機の

更新が課題です。

 学校給食の地場産物の利用

拡大については、平成二十七

年度に市農林課が地域農業の

活性化にも資するため「あか

いわ地場食材地産地消推進協

議会」を立ち上げ、生産者団

体、流通関係者、JA、行政

関係者等が連携し取り組んで

います。給食センターでは、毎

月、生産者団体から地場産物

の提案を受け、できる限り献

立にその食材を取り入れるよ

う努力を行っています。

 児童・生徒へは、毎月、あか

いわ給食便を発行し、給食に

使用した地元食材の生産者を

紹介するなどして、地域農業

に関心を高めさせ、食に対す

 近年では、合併当時、施設

の整ったオール電化の中央学

校給食センターですが、平成

十二年の建設から十七年目を

迎え、施設や厨房機器の老朽

化が目立つようになりまし

た。ここ数年では、電気回転

釜、真空冷却機、スチームコン

ベクションオーブン、フードス

ライサー、冷凍庫、冷蔵庫な

どの厨房機器の更新を行って

きました。中でも一番課題と

なっていたのが、炊飯システム

です。開設当時に導入したI

Hのロボット式炊飯システム

が老朽化により度々故障し支

障をきたしていました。平成

二十八年度予算で炊飯システ

ムの更新費用を認めていただ

き、炊飯システムの機器の選

定については、ガス式、電気

式、IH式の三種で検討しま

した。IH式の炊飯システム

ター(約一、四〇〇食)、赤坂

学校給食センター(約四〇〇

食)、桜が丘学校給食セン

ター(約一、三〇〇食)、熊山

学校給食センター(約一、〇〇

〇食)、吉井学校給食セン

ター(約四〇〇食)と規模の

違う五施設の共同調理場があ

りました。この五施設の中で

山陽学校給食センターは平成

十二年に建築され施設・設備

もオール電化で整っていまし

たが、他の四施設は老朽化が

進み、施設や厨房機器におい

て諸問題を抱えていました。

平成十七年に赤磐市学校給食

センター整備計画を作成し、

平成十八年に赤坂学校給食セ

ンターを山陽学校給食セン

ターに統合し中央学校給食セ

ンター(約一、四二〇食)と

し、平成二十年に吉井学校給

食センター(約二八〇食)を

新築、平成二十五年に桜が丘

学校給食センターと熊山学校

給食センターを統合し東学校

給食センター(約二、七四〇

食)を新築し現在に至ってい

ます。現在、この三施設の共

同調理場(オール電化)によ

り、市内の幼稚園六園、小学

校十二校、中学校五校の約

四、四四〇人に給食を提供し

ています。

赤磐市立中央学校給食センター

 赤磐市は岡山県の南東部に

位置し、平成十七年三月七日

に赤磐郡内の山陽町、赤坂

町、熊山町、吉井町の四町が

合併し誕生しました。人口約

四四、五〇〇人、総面積二〇

九・四三㎢、東部に吉井川が

流れ、中央から南部の平野に

は市街地と田園地帯が広が

り、北部から東部にかけては

丘陵地となっていて、豊かな

自然や文化遺産に恵まれた地

域です。赤磐市中心から岡山

駅までは約十五㎞と交通の便

もよく、岡山市のベッドタウ

ンとして、発展してきまし

た。

 合併当時は旧四町の体制を

引き継ぎ、山陽学校給食セン

⑷ 平成28年11月1日 県 学 給 だ よ り 第 199 号

炊 飯 室

外  観

施設紹介