創造都市バルセロナ ーー22@の事例 -...
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創造都市バルセロナ ーー22@の事例
都市の基本情報
背景
22@の事例紹介
創造都市としての特徴
示唆
姚 迪(ヨウ テキ)
仙台印刷団地クラスター革新プロジェクト 2008
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都市の基本情報
カタルーニャ州の州都で、スペイン最大の経済都市である。面積は100・4k㎡、人口約161万人(2006)
2000年以降、移民の数が急増し、市内に住む人の約14%を占めている。
文化都市として有名で、芸術家を輩出している。九つの世界遺産。
12年連続で「(ビジネスマンにとって)欧州で
最も生活環境のよい都市」の第一位
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背景 ーバルセロナの文化政策の歴史
第一期:1979年~1986年「民主化の回復から文化の回復への時代」
「市民センター」が計42ヵ所設置された、このうち 約半数は都心部以外に配置され、都心部と郊外と の文化的連携が図られた。第二期:1987年~1995年「オリンピックと大規模文化施設の時代」
オリンピックと通じて国際的にアピールできる。また、 都市整備では、「CCCB」「MACBA」など建設され た。
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背景 ーバルセロナの文化政策の歴史
第三期:1996年~2006年「文化戦略計画から世界文化フォーラムの時代」
「バルセロナ文化研究所」が設置された。
1999年、初めての文化政策Barcelona Stua tegic Planが策定された。100の文化のプ ロジェクトから構成されていた。
また、2004年、「世界文化フォーラム」も開催さ れた。
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背景 ーバルセロナの文化政策の歴史
三つの時期を経て、2006年 新しい文化戦
略「New accents 2006 BARCELONA STRATEGIC PLAN」
全体で10分野の政策、合計68の施策・事業 で構成されている。
「発展とは、文化の発展によっても支えられて いるのだ。」
2007年2月、「バルセロナ芸術文化評議会」が 組成され、文化政策の評価を行うこととなっ ている。
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22@の事例紹介
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22@の事例紹介
1、基本情報
バルセロナの都心部の東側 面積は市全体約 5%を占める。
三つの段階を経て変遷してきている。
第一期:マンチェスターから空き地へ
産業革命期、繊維産業を中心とする工場地帯
第二次世界大戦後、工場は郊外に移転し、だ んだん空き地になっていった。「22a」とも呼 ばれていた。
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22@の事例紹介
第二期:オリンピック選手村
1992年、選手村として開発され、現在、一般 向け住居に転用されている。
第三期:22@
2006年6月、新しい産業への転換を行う方向 に決まった。「22a」から「22@」へと変更した。 (住居やリサーチセンター、ITなどを取り入れ ることで、新しいタイプの工場団地に再生され るという開発コンセプト)
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22@の事例紹介
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22@の事例紹介
2、内容概要
主要産業:メディア、IT、バイオ&メディカル・テクノロジー、エネルギー、文化(文化の重要性)
キーワード:「コンパクシティ」で、住民と労働者がコミュニケーションを取れるように考えられ、職場と住居との接近した地区を目指している。
規模:2000年から始まり、2007年まで約50%は完成している。地主から30%の土地を買い取った。(グリーンゾーン、公営住宅、公共施設)
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3、「オーディオ・ビジュアル・シティ」(中核的な開 発プロジェクト)
メディアに関する企業や大学が相互にコミュニケーションを取れるように集積させた地区。
延べ床面積は約17.5万㎡、2009年に完成予定
入居予定:「メディアプロ」、ヤフーのR&Dセンター、Pompeu Fabra大学のメディア学科
他にも、バルセロナで最大のロケ地「バルセロナ・メディアパーク」が整備される予定で、様々な文化施設の整備が計画されている。
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22@の事例紹介
4、成果:約1,063の企業を誘致し、3万人に 就職機会を提供した。(2008年まで)
予想される効果:すべて完成すると、居住人口 は約10万人、従業者は約12万人の予定
様々な文化施設の整備が、バルセロナとカタ ルーニャのオーディオ・ビジュアル産業にとっ て、発展の原動力隣、高品質な作品のため の基礎的な拠点施設となることが期待されて いる。
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22@の事例紹介
5、主導・支援機構
主導:「22@Barcelona」公設民営企業
コーディネートする組織
職員は約40名で、業務内容としては、 企画、インフラの管理、ハード(建物)の管理
支援:民間企業
道路建設費用の約90%を負担(理由:容積 率アップと土地のポテンシャルの向上)
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創造都市としての特徴
1、芸術創造のエネルギー
豊かな文化遺産、文化伝統などの資源
多くの文化芸術活動が行われ、人間の創造性に刺激を与え、文化産業に建設的な影響を与える。
大学、技術センターなど、創造性人材の育成・維持する基盤となる。
移民が集中しているので、文化の寛容、多様性も創造性のエネルギーを作り出すのに役立つ。
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創造都市としての特徴
2、文化政策
長い歴史の文化政策
狭義の文化政策ではなく、都市整備、交通対策、 産業振興、科学技術振興、教育、コミュニティ 育成、観光、都市外交など、他の政策分野と 連携、統合した政策である。
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示唆
1、産学官連携
バルセロナ・メディア財団
2001年、Pompeu Fabra大学が設立した。(22 @の発展への協力)その後、カタルーニャ大 学、ジロナ大学、カタルーニャ州政府、バルセ ロナ市役所も参加した。2004年、再編した。
85~90名の非常勤研究員がPompeu Fabra大 学に属している。研究と提供しているサービ スによって収益を得ている。
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示唆
「reactable」ー新しいビジネスの誕生
Pompeu Fabra大学
Music TechnologyGroup、Sergi Jorda博士とそのチームに
よって開発された。
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示唆
2、市民共同体意識
バルセロナ市民フォルダというサービスがある。 つまり、市は市民のデータを明確にフォルダ として管理し、情報コントロール権が行使でき るように運用する意図を具現化していること である。行政は市民に関して様々な機会を通 して、多種多様な情報を収集し、記録してい る。
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示唆
3、既存建物の活用
「クリアランス型」を避け、今あるものを壊さず に少しずつ、変えていこう、既存の工場、建物 を活用する穏やかな再生である。
4、経済が先なのか、人が先なのか
「経済がよくなれば、人の生活はよくなる」
➾「人の生活を先に考えて、その後に経済がつ いてくる」
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