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16
姿 層雲一顧・葱鴬。ー 鏑鋼H 瀞、 覇…- . 鍛 神戸百店会 だより ジジスタイルのディオール 143 今年は明るい色の柔い素材 ⅡモンテピアンコJのジャケット

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Page 1: 層雲一顧・葱鴬。ー鏑鋼H瀞、覇…-.鍛 た ジ オ が た …...0 6 0 口 0 0 、 女 性 フ ァ ッ シ ョ ン と 違 っ て 流 行 の あ ま り な い シ

060口00

女性ファッションと違っ

て流行のあまりないシャツ

ですが、季節的にも明るい

色が多いとか。そろそろ街

をシャツ姿で歩くことのあ

る季節、女性たちに負けな

いようにお栖落をしてみま

しょう。

国際会館1F虜331‐6956

センター街溝25110220

●ショップトピックス

★且月7日から9日までオリエン

タルホテルで肥タサキ新作コレク

ションがありました。今年は「2

つの音色1シンプルとエレガンス

ー」がテーマ。

☆星占いの大好きなあなた、ぺっ

甲の星座ペンダントはいかがでし

ょう。太田くつ甲店ではあなたの

星座をペンダントにしています。

もう一つ、ぺっ甲の時計バンド。

これは太田べっこう店だけにしか

置いてないとか。クラシックへ、

本物へという簸近のファッション

の傾向です。何か一つ本物を身に

つけてみませんか。

★改装巾のナショナルショールi

ム(京町筋)が3月m日に完成。

以前よりコンパクトになりますが

商品の展示はちょっと凝っている

、とのこ、と。

衝391‐7746

☆4月は御入学、榊錘跳嘩、謁騨午業

と度々お祝いが重なりますね。オ

リエンタルホテルでは拳祝いを更

に楽しくと3月晦日から4月唾日

まで紘杯ディナー。オードブル、

スープ、アントレ、サラダ、デザ

ート、コーヒーで税、サービス込

で10,000円。期間中特別に

ピアノとヴ丁イオリンのデュエッ

トを土・日・祝日と演奏中です。

☆シャツ盗で街を澗歩する君に神

戸シャツからアドヴァイス。最近

はシャツに大きな流行はなくて、

個性に合った柄をそれぞれに通ん

でいるとか。ただ明るいストライ

プ、細かいギンガムに変わらぬ人

気があります。ちょっとお祇落に

凝りたい日にはドット(水玉)も

いいでしょう。

☆てん蕊らおすしのお可川では喜

多野膳をはじめました。老舗の味

を北野らしい窓の外の風最ととも

に。☆

3月末の3日間本場ドイツから

パン職人を招くさんプラザのカス

カード。更においしくなること受

け合います。

層雲一顧・葱鴬。ー鏑鋼H瀞、覇…-.鍛

騨★ベニヤⅦ春・夏

コレクション

可愛いジジスタイルのデ

イオール、女っぽくエレガ

ントなロジェ・マル、ロマ

ンティックなクロエ、変わ

らない良いオーソドックさ

を追求する君島一郎の、4

人の、今年の春、夏物妃点

のコレクションが、まだ真

冬の2月旭日国際会館で。

集まったお酒落な女性たち

からほっと微笑のもれるよ

うな、明るいメロウな色が

多くて、一足先に春が訪れ

たようでした。

ショーのあと展示即売会

があり、やはり人気はディ

オール。今年はあなたもジ

ジのように可憐に装ってみ

たら? 神戸百店会

だより

☆マキシン展示会、

今年の帽子はどれ?

3月3日4日とマキシン

の展示会がありました。春

ジジスタイルのディオール

★ブルゾンやジャンパーで

春らしくシャツを着て。

2月弱日に祁春・夏の大

和屋シャツの展示会が国際

会館でありました。新しく

センター街店にだけ入る

「モンテビアンコ」のブルゾ

ンジャンパーをはじめシャ

ツ・コレクションの数々。

11431

復活祭の月、そろそろ舷し

くなる陽をさえぎるため、

更にお栖落になるために、

あなたも帽子に挑戦してみ

ませんか。今年の傾向はや

はり明るい色の柔い素材。

でもヴィヴィッドな装いに

合うスポーティなものも人

気があるとか。あなたの帽

子を今年こそ見つけては?

★ニューポートホテルから

のプレゼント

愛読者の皆様に素敵なプ

レゼントのお知らせ。ニュ

ーポートホテル妬階回転レ

ストラン鳴門のお食事券

(四千円)を抽選により二

垢の方にプレゼント。港の

灯り、街の灯りを見ながら

のお食事は最高ノ.御希望

の方は電話番号を明記の上

「神戸っ子ディナー券係」

宛4月即日迄に葉書でお申

し込み下さい・

虜650生圃腫束町113の1

大神ピル7F

今年は明るい色の柔い素材

ⅡモンテピアンコJのジャケット

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いアクセントがつくわけだ

田寮を神戸市が買い上げ、

準備だよさあ、キミの参加でまつウシオエ業社長牛尾吉朗

神戸っ子が待ちに待つ神りをさらに愉快なものにし氏所有の「船屋形」が牛尾

戸まつりが近づいてきた。ょぅ!氏邸から相楽園に移築され

今年は5月狙日(金)から☆異人館ミニ・ニュースることになった。船屋形と

虹日(日)の3日間。主な異人館ブームは相変わらいうのは江戸時代大娼の使

会の名称、テーマは未定。

★そろそろ神戸まつりの

議場、室内プール、中央市

場、国際交流会館、国際会

ロジェクトチームを組み、ワイワイゴチャゴチャと集れている。

盛大な記念行事としての博いと参加の場所になるようもう一つはこれも北野町

覧会の実施調査に入った。に予定している。にある異人館、日本郵船生

民病院などの公共施設をは

切った。この新型父通の開通問い合わせは、市青少年課

予定の記年春に大博覧会を愚33‐-8‐8‐)まで。

じめポートアイランドホテ

なお、同時期に、国際展示

開催すべく、このたび、プまた「若者の広場」は、

ルも完成する見込み。博覧

イランド間)の着工に踏みの参加者は只今募集中。お

に近づいたため、同島への祭、加日/海上パレード、

足の確保として新交通シス即日/パレード(正午l午

末まで。そこで白羽の矢が

☆砧年に大博覧会を!内容は次の通り。灼日/中当ったのがこの小林邸。目

神戸市では、埋立造成中央祭典で八人目の代表クィ下、故小林秀雄氏夫人慶子

のポートァィランドが完成-ン神戸誕生、各区の前夜さんとの間で交渉が進めら

テム、ポートアイランド線後3時)神戸まつりのメイ

(国鉄三ノ宮駅lポートアンイベントであるパレード

ボケ

昨年の神戸まつり

☆船屋形、相楽園へ

移築されることになった。

ポートアイランドのインタ

lアイにいかにも神戸らし

Iナショナル・スクェアに 小林秀

盛況。ところがこれも六月

二十一世紀神戸の〃顔″ポ 雄邸

関する話題を二つ。

ず続いているが、異人館に

小林秀雄邸が一般公開され

た異人館の一つであるあの

るという話。神戸市は現在

一般公開をしていて連日大

「うろこの家」を借り受け

つは最も美しい姿をし

運動愛

の姿

誕生日ありがとう運動本部

神戸市葺合区御幸通八’’’六

神戸国際会館一階郵便局の隣

電話二五一’八一六一内線三一六

本運動には、毎日毎日全国各地

から、あたたかい心を手紙に託し

てとどけられます。その一部を紹

介いたします。

◇わたしは、現在商店街通りにあ

るクリーニング店の受付の仕事を

しています。

そして逆行く人たちのいろんな

光景が目にはいります。体に障害

があっても親子ともに強く生きて

いる人達、ちえおくれの人のよう

に見うけられる人が、一日の仕事

を終えて、友達と肩を取り合って

帰ってゆく姿、また、目の不自由

なおかあさんの両脇に二人の小学

生の男の子が、ひとときもおかあ

さんから離れまいとかたく寄りそ

って買物にいく姿、その姿に愛が

感じられます。

ちえってすばらしいですね。生

がある限り自分自身を鍛え成長さ

せていくことができるんですもの

/でも、ちえに恵まれない人達は

強いもの(正しく理解していない

人達)におさえつけられ小さくな

って生きていかなくてはならない

んですもの。

でも障害を背負った人達のため

に献身的に伽いている人達の盗に

心うたれて励まされて強く生きよ

うとしている人達がいることを。

貯金箱をあけると二千七百円は

いっていましたので、わずかです

が送ります。小さな灯が、大きな

灯になることを祈っています。

(八尾幸皿女性)

ありがとう

誕生日

11441

’ --

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開かれているが、神戸では

初めてのことで”日の当日

は、神戸らしくエトランジ

ェの姿もみえ、絃楽の調べ

に耳を傾けていた。

教会の造りは概して音響

効果などの点でもコンサー

トに相応しいし、大ホール

での演奏よりもずっといい

と評判はk々である。第2

回、第3回とさらに続けて

いきたいとのこと。

内藤国雄亀井一成

3/鯉黒丸正四郎八神戸大学教

授V「現代青年の特徴とそ

の生きざま」

3/瓢村松剛八評論家V「最近の

国際悩勢」

4/7岡本幸治八大阪府立大学助

教授V「日本の国家目標」

4/皿鞄井一成八王子動物閲学芸

員V「動物ないしよ話」

4/虹広中平祐八京都大学教授V

「日本の教育を考える」

4/蝿福富芳美八神戸ドレスメー

カー学院長V「創造する喜

び」

5/2池坊保子八華道家V「日本

をおもう」

5/廻金井金子郎八関西言論科学

研究所所長V「話し方と人

間関係」

5/噸吉田賢抗八東北大学名誉教

授V「王道と測道」

5/記内藤国雄八将棋九段V「勝

負と人生」

6/2アリフィン・ベイハ前イン

ドネシア外交官V「東南ア

ジアと日本」

6/9牛尾吉朗ハウシオエ業社

長V「国際人材論」

6/妬森繁久弥八俳優V

☆教会にバロックを聞きに

行きませんか?

チャペルコンサートin

こうべの第1凶が、2月”

日神戸バプテスト教会(山本

通り1丁目戸川隆牧師)で開か

れた。大阪の島之内教会な

どで自主コンサートを続け

てきた関西室内楽協会(会長

河野正孝)の主催で、演奏曲

目はヘンデル、テレマンの

バロック音楽など5曲。

教会でコンサートという

のはヨーロッパでは盛んに

塗り鍍金金具飾り、金泊押

えと豪華なもの。また天井

や戸に建築史上貴重な造り

があり美術的にも歴史的に

も高く評価されている。

神戸市では今年中に相楽

園への移転を完了したい意

向。修復ののち一般公開さ

れるというから、今から公

開が待たれる。

☆あなたは現代社会を

如何に生きますか

各分野の専門家を講師に

迎えての講座「市民大学講

座」第十一期が八現代社会

を如何に生きるかVをテー

マに開かれている。今期の

スケジュールは

3/Ⅳ丹羽春喜八京都産業大学教

授V「日本経済の今後」

っていた船で、現在では熊

本城内にあるのとこの2つ

しか残っていず、2隻とも

重要文化財の指定を受けて

いる。今

回のこの船屋形は、姫

路藩主榊原候(1648年11

66‐年在)の建造と推定さ

れる。一重二層建桧皮ぶき

数寄屋造りで、内外総春慶船屋形」

蕊 嬢熱鋪鵜蕊灘蕊騨油展戸逸ル店スる・展展I絵流支グ11人真ヤ小画I谷美展悼腿訪刻トー 、 ‐ ' 美絵店品ドチリホあ画作部クさ卜画展ラ品展卜記術展山展ギ展展術新展パ111じ展家小りんフ展リ展ギ念館作ヤ館

> 鰐>雄>鮭> 鐸鯨渉展漁シ 千房診〉! 》湾滞〉”> ”彫海>>2 87271315ル181142013630卜3011622012リ15館4172519151381129111111テlIlIlII展l展111IIllIlllIllIl54 5 4 4 4 4 4 4 4 4 4 5 4 4 4 4 5 5 4 4 4 4 4 、14 5 4//、/〆////////////////////////3 1 2 3 1 8 23 2 9169 2 518 1 1 4 6 2 2 8 2 9 1 8 7 2 8 2 3 3 0 2 3 1 6 1 6 1 3 6 2823

145

美術

ガイド

★さわれる遊べる

テレホンブラザKOBE

電話マニヤ、長電話好き

の人には絶好の広場が出来

た。3月型日オープンした

センタープラザA棟地下街

の電電サービスセンター

「テレホンプラザ・KOB

E」がそれ。新しくなった

三宮市場の横に、ナゥな電

話の機能と電々公社の紹介

と相談、サービス、苦情コ

ーナーが、気軽な、さわれ

て、遊べる広場として(一

五六平方米)お目見得した

ことに楽しいのは、未来

の通信コーナーで〃テレビ 第1回コンサート

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の美

に陥ったものだろう。

そして、そんな状況に

なるのにあまり時間もか

からないようだ。

街が美しいということ

は大変なことだ。

市民一人一人がその街

を愛するという姿勢が街

の美観を創っていく。

11461

●六○mmで○の「

★縮5回金山賞が小西保文さんに

決定。3月7,1妬日まで金山世

候補美術展が、兵庫県立美術館で

開かれ、金山賞受徴作品も出展。

★4月の中旬頃、彫刻家の新谷秀

雄さんの彫刻作品集「帥年の記録」

が、戦前のアルバムと現在の作品

を合わせて神戸新聞出版センター

で編築され発刊。八写真加点/A

4審重形露×泌却頁限定版非

売品Vこれを一つの節に新しい作

品づくりをと意欲的。

★同じく4月末に「新谷秀雄亀、誘

紀、沢子、英子4人雄」も同社か

ら発刊予定。なお4月から英子さ

んがヨーロッパに旅立たれます。

☆三越百貨店の本間基之店長が拙

浜へ栄転され、後任に佐々木仁店

長が新しく着任されました。

☆側雨値紀会八岱衣岸本敏朗Vが

創立加周年を迎え、記念公演第3

弾「ああ八月の陽のごとく」A作.

内田昌夫/演出・梶武史Vで、大

正十生湘戸川崎・三菱大争議をテ

ーマに、第廻回神戸文化ホールグ

リーンステージをうけて、市民劇

場N0.3、劇団凹紀会、神戸臓

演連合公演により、4月調日〈金)

EM6・・釦四日へ土)PM2..”

PM6:釦釦RPM2..m、神

戸寡碓氷ホール(三越西・海員会

館43で上演されます。連絡先

/〒雌神戸市兵庫区三川ロ町1丁

目“劇団四紀会・夜富剛1375

1昼雷副-0674(伊藤宅迄)

★マンガ家の丘あっしさんが「ひ

ょうごのむかしばなし」の絵本を

3月末に発刊されました。

☆芽ばえの岡田正美さんが遂に3

月5日村上昭子さんとゴIルイン

舞子ビラで挙式。おめでとう。

☆本誌の述収小説「姥捨て」のさ

し絵でお馴染みの犬童徹先生(神

戸二紀会)が墓泉・銀座七丁目ぎ

やらりl倉井(溝0315731

7722)で5月翠日l誕日に個

展を開催。競馬などの馬シリーズ

で油絵釦点余りが出品されます。

★プルーメール賞審査の詩人でデ

ザイナーの江頭越子さんのファッ

ションショーが4月鋤日芦屋滴翠

華術館で、1時から。

のだ

電話″〃自動車電話″や、

データ通信による占いコー

ナーやヴァイオリズムの実

演があって、女性の人気の

的。全国の電話帳をコレク

トしたコーナーや、長時間

OKの電話などマニヤにも

若い人にも大モテ。あなた

も国のおふくろさんや、恋

人に春の電話をかけません

か。営業時間午前、時と後8時

☆岡田淳さんの六冊目の本

「おうむ」が完成

夢と愛のある漫画で独自

の世界を追求中の岡田淳さ

んが「おうむ」を出版。

例によって無言のうちに

見る人に何かを訴えるとい

う画法で「おうむ」と「男」

である。しかし、雑踏と

看板の氾濫、挨りぽさに

畔易した。市民不在の街

街の美観を創る

最近、大阪キタ界隈を

歩く機会があった。キタ

界隈のすざまじい熱気に

一瞬たじろいだ。

都会のエネルギーを肌

で感じることが出来る町

花時計

が実際のコンサートをきい

た印象に基づいて記述され

しかもそれぞれの経歴にも

詳しく、現代ピアノ界の概

観を知ることができる。

一二○○円

が主人公の物語。「おうむ」

は「男」に「男」は「おう

む」に何を言い、何を見た

のだろうか。

作品発表を本という形で

続ける岡田さん。白と黒の

画面の底にながれるあった

かいこころ「おうむ」のご

一読を。

「おうむ」定価五百円

お問い合せは神戸っ子まで

☆小石忠男さんが世界のピ

アニスト訓人を斬る

「ピアノ音楽ほど音楽と人

間、技巧と精神が直接的に

結ばれ、その全体像を表現

していると思われる分野は

ほかにありません」と語る

音楽評論家、小石忠男さん

が「世界の名ピアニスト』

う。lつまり無関心派

の集積からついには捨て

鉢な状況になり、大混乱

なのだとつくづく思わざ

るを得ない。

これでもか、これでも

かという利欲むきだしの

看板デザインの氾濫。

商売人はいても市民が

いないということだろう

か、そんなことは言えな

い筈だ、むしろ市民社会

の中枢となるべき人達だ

市民的な意識の低い商

売人をつくり出してきた

事実こそ重大なのである

節度を失なったとき、

小石忠男さん

箸はノレン者すド・自べ以グ身て外I

ないように頑張りたいも

市民の連帯を切崩され

八YV

市民の連帯の隙間から

を刊行。

同書は「音楽の友」誌の

連載「調裾代のピアニストた

ち」(昭和鉛年4月号l誕年8月

号に掲戦)を.中心にまとめら

れたもので、コルトー、バ

ックハウスなど瓢人のピア

ニストに触れているが、レ

コードだけが自分の音楽の

発表の場であるというグレ

一人の無法者が市民的な

観が損われはじめる

灘ロ

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r 坊o d m r / S

147

こどもの日の

楽しいブレゼントに…たくまし1 ,

ミ 子を祝う武おもちゃの力

錨診茄Xャ三富額雛頁竣.、ミリータウン宮391-40‘5三常唯ゼンタープラザ蚕331-4969

”霧鰯頁瀦¥澱w鶴31F$鴨%神戸駅前方面でのお買物は…サンこうぺ店神戸駅前地下街垂351-6002

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息子の部屋の広い窓ガラスをあけ、涼子は外へ首を突

き出した。

「お星さまが見えるじゃない」

外の暗さが部屋へ流れ込んできて、蛍光灯の明るさが

少し弱まった。冷たい空気も流れ込んできて、首筋を通

ベッドから離れ、まわりを見回した。窓には新鮮な黄

土色の枠の障子が入っていた。障子紙は真白で、上半分

はひざしを映して影っていたが、下半分は卵色だった。

壁は白く、柔らかにあたりの輪郭をすべて吸収してしっ

とりしている。畳も薄青くつややかで、汚れがまったく

ない。すべてにくらしの臭いがなく、まだ材質そのまま

を主張している。

だがぼくはそれらを素直に見られない。そのむこうに

無数の汚れを感じてしまう。あそこにもあそこにもすで

に手垢の汚れがある。

息子の階段を登ってくる音が聞こえた。

「ね、ね、お外へ遊びに行って来ていい」

陽気で力強い声がした。涼子が立ちあがって階段のと

ころへ行った。

「さあ、夕食の用意でもしましょう」

「隣りに、ぼくと同級生の子がいるの。その子とキャッ

チボールするの」

「よかったね。すぐにお友だちができて」

涼子が言った。

’148

口第二回神戸文学賞受賞作品

奥野忠昭

え・題字犬童徹

わ。スイスの山で」

いだった」

くよ・あのとき、わたしの最高のときだったのか

た。ち

やん、高い山から星見たことある」

が涼子の横へ立った。涼子は息子の肩に手を戦せ

り過ぎ

「おば

息子

た。「

ある

「きれ

「すご

な」「

最高

「ご冗

「ぼく

「きれ

「おか

「どこ

「あれ

山だっ

「なん

「おと

息子

「あな

「きれ

涼子

ている

の端を

ったら

八4V

は今じゃないのか」

談を」

もあるね」

いだったでしょう」

あさんと山へ登って」

へ」、

なんだったつけ、おとうさん、あれなんという

た」だ

ったつけ」

うさんも行ったの」

は領いた。

た、洋子さんとほうぽうへ行ってるのね」

いだったよ。三千メートルもあったんだから」

の顔を覗き込みながら言った。当然、にこにこし

ものと思っていたらしいが、涼子の頬は固まり、眉

寄せて、眼を奥に引きつけていた。息子は意外だ

しく右肩を少しあげ、ぼくの方を見て眼を細めた。

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}¥

ぼくもそっと顎をしゃくって合づちを打ったが涼子は

めざとくそれを見つけたc

「さあ、寝ましょう」

荒々しくふとんを敷き始めたが、息子はそれを無視し

空を見あげていた。

「スイスから南十字星見えるの」

「見えないわよ」

涼子は上ぶとんを敷き終って、息をはずませた。

「自分のふとんぐらい、自分で敷かせなくっちゃね」

「わあ、気持ちがいいよ」

息子は新しいふとんに転がると、後回娠をしてみせ、

声をたてて笑ったcだが、それはまわりから孤立した。

「マンガ読んでいい」

「いいわよ」

息子は机の上から、マンガ本を出してきてねそべって

読んだ。ぼくは彼の細いが柔らかな足を眺めた。どこに

も固さがなかった。かすかにカーブしている足の陵線、

その中から生きずいている無数の細胞の声が聞こえたc

涼子はベランダに出て干し物を取り入れ、ときどき遠く

の電灯を見やりながら、みんな生活しているのねと嘆息

をもらした。

「後悔しているな」

「してるわ」

「じゃ、あのとき、なぜあれほどいっしょに暮らしたが

……噺霞毒需笹一~~flァrTI-6-←《

一幸坪

、 胃溌塞鱗露蚕Y 需霊蕊一q ・ 学 _ =

なぜあれほどいっしょに暮らしたが

ったんだろう」

「あなたの頑固さに比例したの

よ、きっと」

「ね、あのときっていつ」

息子が聞いた。

「おとうさんと会ったとき」

「そのときおかあさんいたの」

「いたよ」

「じゃ、おとうさん浮気してた

んだ」ぼ

くたちは笑いあった。息子

はいつとう大きな声で笑った。

「孝君、浮気嫌い」

涼子が聞いた。

「嫌いだ。でも、するかもしれ

ん」「

どうして」

「おとうさんの子どもやから」

こんどはぼくが一番大きな声

を出して笑った。笑いながら頭

の芯が痛んだ。肩や首にも痛み

が走った。膚の裏側がこわばつ

91411

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ないの」

そうさ。そのとおりだとぼくは口の中でつぶやいた。

だが、それは自分への侮辱のことばだった。ぼくはその

ことばで自分を甘やかしてきた。もう二度と口にすまい。

思いもしまい。その変わり別の心を手に入れる、今まで

とはまったく違った。

「わたしとはうまくいってたんだから、わたしは何も言

いはしなかったし、あなたたち、かつてに別れてしまっ

たんだから」

ぼくは黙っていたりカーペットも椅子もない応接室の

床へ足を投げ出した。床は冷たく隙間もないのに風が床

から天井へむかって吹いた。

「大人はそれでいいかも知れないよ。でも、孝はかわい

そうやないか。なにも知らない子どもはあなたたちの犠

牲になって」

「子どもはみんな親の犠牲になっているのさ。どんな子

どもだって」

母は口を識めかしたが、言葉が出なかった。眼に涙を

いっぱいため、あふれ出たそれらは雛の中を流れた。油

のない白髪混じりの髪が生気なくゆらめき、化粧の崩れ

から、剥げ落ちた頬の中に土色の骨が突き出ていた。

「あの子・・…・あの子はね……あれでも気を使って…・・・お

とうさんもおばちゃんも新しい家に住むのにどうしてあ

んなにおこった顔してるの、ぼく、何か悪いことしてる

のって聞くんだから」

涼子の持ってきた台所のデコラのテーブルに頬杖をつ

いて坐った。涙は止まらず、雨だれのように落ちた。涼

子が坐れば象牙色に照り輝く表皮が母を前に棺のように

沈んでいる。さいはてから持ち込まれた氷のような白い

板が肺吟するように部屋を縮めた。

子どもが生まれるとすぐ死ぬ昆虫の話を思い出した。

人間が子どもが生まれてから何十年も生きながらえなけ

ればならないのは人間の不幸だ。だが、子どもにはこの

不幸が必要なのだ。腐乱した悪臭が必要なのだ。決して

11501

た。唾が出、それが薬のように苦い。

「さあ、もう寝る」

電灯を切ると部屋は暗くなった。暗い中でも笑いだけ

が渦巻いていた。その笑いは子どもの傷口から噴き出て

くるのだと思った。でも、あの柔らかな細胞がすぐにそ

れをふさいでくれるだろうか。それともいっそう傷口を

拡げるのだろうか。

ぼくはトイレに行くふりをして階段をそっと降りた。

母は障子に痩せ細った手をかけ、じっと立っていた。き

っと一一階の話し声を聞いていたのだろう。なんてむごい

ことを子どもに言うのか。怒りで躯を震わせていたにち

がいない。

ぼくがトイレから出てくるのを待ちかまえたようにし

て、母はぼくに近づいてきた。ぼくは身がまえた。また

ぼくの気持ちをいっそうめいらすようなことを吐くに違

いない。

「もう、ねたのかね」

つえ違え」

母はぼくを見据えた。服が大きすぎるのか、躯が縮ん

だためか、灰色の上着が躯に合わずだぶついている。そ

の上に壁のようにぬられた白い化粧の中で雛が無数の疎

をつくり、それらはすべて今までに体験した傷跡に見え

た。あのいくつかはぼくが作り、また、今も作りつつあ

るのだと思う。だがぼくはそれを無視する。そうできる

心を持とうとする。

ひと

「こんどの女、理屈ばかり一一一一口って、あんなのがいいのか

い」母

が言った。

「いいさ、よっぽどね」

「かわりもんだよ、おまえは。いつからそんなに変って

しまったんだい」

「おかあさんは誰だって気排が悪いのさ。おれの女なら

誰だって」

「わたしが洋子さんを追い出したとでも言いたそうじゃ

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15

あげく、ここに決めた。

むかしの河川の上にできた土地はまるで砂丘のように乾

いている。だが、母の声はそれさえも雨季のように湿め

らせる。

「ここの家には笑いがない」とよく洋子はそう言った。

「家庭の団梁がない。わたしはそれがほしい」とも言っ

た。ぼくが母と話しをすれば洋子が下をむき、洋子とぼ

くが話せば母の表情が東てた。ぼくがはずれることが一

番だと早くから決めていたが、第一、団築とはどんなも

のなのかぼくには解らなかった。

念仏をやめた母は涙を手で拭いた。頬は泥をぬったよ

うになっている。骨のところまでくっついた眠球、肉の

ない頬、白い歯と顎、それらは人の顔よりも澗骸に近か

ったb

「あの子、夜、飛び出るんだから、ちゃんと起きて見て

やりや」

「わかっているよ」

あったならと思う。痛み

のない喪失ほど怖ろしい

ものはない。

母は黙って、そっと父

の写真をふところから出

して、それをテーブルの

上に置いた。そして手を

合わせ、うめき声に似た

念仏をとなえた。陰々と

した声がまわりを湿らせ

た。この声だ。今まで家

の中にこびりついて離れ

なかった声は。だが、こ

の家からはこの声は消し

てやろう。涼子は乾いた

所でなきゃいやだと言っ

て、何日も捜しまわった

あげく、ここに決めた。

立派でも美しいものでもない、ただ生きている親が必要

なのだ。

こんなとき、父だったらどうするだろうとふと思っ

た。父だったら何と言うだろう。母とまったく同じこと

を言うのだろうか。それともまったくちがったことを。

父の姿がぼんやりとか浮んだ。だが、それは後むきだ。

よれよれの背広がハンガーにぞら下っているようにゆら

めく。首も足も手もない後姿の父はむこう側で笑ってい

るのか怒っているのか悲しんでいるのかまったく解らな

い。ただ実体のない父の姿だけが躯の中を風のように横

切っていく。

父について、何か手がかりになる記憶がないかと必死

に探したが、何ひとつ思いつかなかった。五才なら何か

覚えているはずだと思うのだが何も思い出せない。白有

しい空間だけが、何の手がかりもなく拡がっていく。し

かたがない、あきらめよう。せめて、父の喪失が痛みで

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「おまえは自分が寝てしまえば子どものことなんかほっ

たらかしやから、おまえも洋子さんも子どもなんかつく

らんかつたらよかったんや。親はどんな犠牲を払ってで

も、子どもを育てないといかんのやから」

母の言いたいことはよくわかった。わたしは自分を犠

牲にしてあなたを育ててきた。女を捨て母に徹してきた。

それなのにあなたは……。

「そう、親が子を育てる。育てるのがおばあちゃんやな

いからね」

「ちゃんとしてやりや、あんたが責任を持ってちゃんと」

「心配しなくてもいい。ちゃんとやるさ」

頭が混乱し、手や躯の一部が震え熱くなった。だがそ

れは腹立っているのか動揺しているのか解らなかった。

ぼくはまたトイレへ行った。気を落ちつけようとした

がだめだった。走って階段を登り二階へ行った。子ども

の部屋は電気の消えたままだった。息子は寝ていた。

「もう寝たのか」

「ええ、おぽっちやま、おやすみあそばしました」

「どうもありがとう。たいへんだっただろうな」

「いいえ、きょうからわたし家庭の主婦ですから、十年

勤めた職場をやめさせていただいたのですから」

「皮肉だね」

「女は一生、仕事を持たないとだめ、そうでないと男に

たちうちできない。男の奴隷になってしまう。そう若い

女の子に言い続けてきたのに、このざまは何や、ほんと

にこのざまは」

「世の中、そう自分の思うとおりいかんものやで。まあ

いいじゃないか」

「いいことないわ。いいことなんか」

きょうはみんなそれぞれの場で大きく揺れているの

だ。そのうち揺れも小さくなり落ちつくだろう。ぼくは

その揺れを無視すればいい。もっと強靭に見続ければい

い。ぼ

くたちはベッドへ坐り、足を振った。

一‐おかあさん、どうしてた」

「気にせんでいい、おれがちゃんとする」

「何か言ってたでしょう」

「まあね」

「どんなこと」

「いいお嫁さんだって」

「うそを言う」

でも、涼子はそれ以上深追いしてこなかった。ぼくは

ほっとした。涼子の長いスカートをそっとめくって手を

さし入れた。肉は冷たく水の柔らかさだった。瞬間、ぼ

くの躯がその中へ溶け入り、包み込まれる感じだった。

片方の手を腰に回し、肩や胸を抱き込んだ。洋子の狭く

細い肩や腰に比べ、涼子のはかなり大きかった。ぼくは

肩や腰の広い女が好きだ。駅や車中でそんな女を見ると

頭の芯が急に動揺する。輝れが突きあがってくる。そば

へ行ったり、後ろからつけたくなる。特に階段を昇る女

は実際より背が高く、大きく見えるのでそういうことが

しばしば起こった。そんなことをしたって何にもならな

いことがわかりながら衝動的にそうしてしまう。自分を

抑えつけていたものが崩れる感じなのだ。

涼子も、もっと背が高く、腰も広くなってほしい。背

はいたしかたないとしても、腰や足は大きくなれるはず

だ。ぼ

くはきょう見た何人かのそういう女の肉を彼女に重

ねた。すると涼子は実際より大きく見えだした。ぼくは

いっそう奥まで手をさし入れた。いちばん肉の多いとこ

ろを握った。硬さと柔らかさ、熱さと冷たさ、対立した

ものが同時に手に伝わった。触れた先から徐々に溶け出

すのを覚えた。その中へ包み込まれていく。本質が流れ

込んでいく。

「だめよ」

涼子は激しくぼくの手をふりはなった。手が痛いほど

だった。

「きょうはあれよ。あれになったわ」(つづく)

’152

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153

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る。三十歳くらいの女。

ぼくはそれ以上観察することをやめる。

女:…・妻か?のっぺりした顔の輪郭が見える。鼻が

現われる。小鼻のない長く高いそれ。その先はそれを武

器とする動物の職のように鋭く尖っている。そこからか

なり離れたところに口がある。その長い空間をくっきり

と深い人中の溝がつないでいる。口は大きいが唇は薄い。

紅もつけていないそれは一個の地味なアクセサリーのよ

うに見える。

妻ではなさそうだとぼくは思う。思いながら、そんな

ことはわかりきっていたことではないかと考える。何を

生活

八第四回V

圭口峰正人

絵・榎忠

口第2回神戸文学賞受賞作

こを探しても彼女を見つけることはできない。細つそり

とした体つき。パサパサの長い髪を頭の後ろで束ねてい

できることな

そんなに真剣に見つめているのか、文句の一つも言っ

て、さっさとここを出て行こうではないか。

細く長い眉が見える。その下で切れ長の眼が吊りあが

っている。だんだん明確になっていく女の顔。妻ではな

いと確信する。はじめて見る人である。ぼくの記憶のど

ー①-

.~・亀11541

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ら余分な人とはあまり出会わない方がいい・話しもしな

いことだ。知人や言葉を増やすことは、それだけ自分を

あやふやなものにする。知らない人とまでわざわざ知り

あいになることはない。それはそれで存在させておく方

が便利である。人違いはやはり人違いである。どうする

こともできない。やっと解決だ。さあ、ロープを解いて

もらおうか/あやまってもらおうか/、

「ありがとうございました。ほんとうに助かりました」

しばらくの沈黙を破って女が言う。はて?とぼくは思う。

女の言っている意味がよくわからない。言葉が違うので

はないか。〃あら、どうしましょう。人違いですわ。ご

めんなさい〃とかなんとか。ぼくは言い返そうとして、

ふと、戸惑う。

見ると女は細い眼をピチピチとしばたき泣きはじめた

のである。それもこれから起きる悲しみや不幸を思って

の涙ではなさそうだ。今まで勘忍していたものを一緒に

流し、これからを生きていこうとするそれのように見え

る。涙は鼻の横をまっすぐ流れ、下顎にぶら下がる。女

の顔が表情を変えていく。声をあげて泣きはじめる。子

供が無表情に女を見つめている。その子の頭を撫でなが

ら、「

この人にまちがいありませんか?」ボスが一言う。とん

でもない/とぼくが言う前に、

「ええ、確かに。まちがいございません」語尾をあげて

強い口調で女が言う。言葉が尖っている。その先がぼく

を狙っている。

「ちがう/こんな女は知らない」ぼくは体を乗りだす。

が、動かない。自分では一歩も二歩も踏みだしているつ

もりだが、ぴりっともしない。急に心細くなってきて、

「頼む/、ぼくではない。助けてくれ。お願いだ。何か

のまちがいだ。これはりっぱな犯罪だぞ」

思いつくままに言葉を並べる。

「この人ですわ/主人ですわ/・」女は叩きつけるよう

に言う。

「ばかなノ.正気/か」

「あなたこそ。眼を醒ましてください」

ぼくは正気である。狂っているのはそちらの方だ。皆、

どうかしていやがる。こんなわかりきったことが何故わ

からないのか。

「君たちだってどうかしているよ。その女の言いぷんだ

けで納得するなんて勝手すぎる。無謀だ。本人が違うと

言っているのだから、これほど確かなことはないだろう」

ボスを限みつけながら喋る。

「こういう問題を、二人の言いぶんを聞いていたんじゃ

商売にならないよ。それは裁判所に任せておけばいい。

我々は依頼人だけを信じることにしている」ボスが言う。

「その依頼人が信用できないのだ。君たちは金欲しさに

誰彼構わず連れてくるのか。ほんとうのことを確かめな

いのか」

「何がほんとうなのかね?そんなものはどこにもない。

あんたにとって嘘でも、奥さんにはほんとうのことだ。

あんたのほんとうを聞いていたのでは、また誰かが困る。

そういうものなんだよ」

だまされないぞとぼくは思う。女にしたってそうだ。

夫に逃げられたショックはあるにしても、どれが自分の

主人であるのか、ある程度わかっているはずである。だ

が、どんな男であろうとやることにそう変わりはない、

そんな哲学のようなものがあるのだろう。男たちと女の

利益が合致したところで、ぼくがえじきになったという

わけか。ぼくが妻の顔も名前もそうはっきりと覚えてい

ないことを誰かが知っていたにちがいない。だが、いく

ら覚えていなくてもこれくらいのことはわかる。ほんと

うの妻ならこんなことはしないだろう。皆でぐるになっ

てぼくを錯乱させようとしている。そうはさせない。

しかし、どうすればいいのか。体が柱から離れない限

りどうすることもできない。そう思うと自然に涙が出て

くる。これはしめたと思い、

「お願いしますよ。よく調べてください。ぼくには妻も

51511

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いるんです。あいつ、ぼくがいてやらないとだめなんで

す。君たちもぼくもこの女にだまされているのです」涙

を途切れさせないように気使いながら喋る。半分は演技

のつもりであった。涙は言葉以上に人を魅きつけると思

った。しかし、気がつくとそれはもう止まらなくなって

いた。ぼくは唇から鼻のまわりの肉をキッキと引きつら

せながら泣きだしていた。女も泣いていた。子供がそれ

に加わった。

「どうもこういう場面は苦手だ。じゃ、あとのことは二

人でよく話しあってください。我々が口をはさめる問題

ではありませんので。我々の役目はここまでです」ボス

は困惑したように眉を寄せて言う。

「ほんとうにお手数をかけました。ここまでやっていた

だければあとはなんとかなりますわ。ありがとうござい

ました」女は涙の筋を指でぬぐいながら喋る。ふと、ぼ

くは自分をとり戻す。泣いてみたってどうなるものでも

ないようだ。涙で親を説得しようとした子が、そんなこ

とくらいではしきれないと知り、急きょ他の方法に切り

替えるように。しかし、どんな方法があるのか。装れる

にしても体は動かず、脅迫するにも武器はなく。そうし

ているうちにも、

「ありがとうございました」と何度も言い、女は深々と

頭を下げつづける。女が礼をのべお辞儀をするたびに、

男たちは一歩づっ後退していく。帰って行く。

「ほんとうに助かりましたわ」女は言いながら白い封筒

をボスに手渡す。金かとぼくは思う。それ以上の思考や

言葉が湧いてこない。喋らなければならないと焦る。言

葉にしなければならないことがたくさんあるような気が

する。が、ぼくは口を動かすことも忘れてしまっている。

これではさるぐつわをされているのと同じことである。

ボスは中味をちらっと調べ、

「確かに」と言って胸の内ポケットにしまう。

女は戸を開ける。男たちはつながれた奴隷のように一

列に並んで出て行く。戸が閉まる。鍵がかけられる。男

61511

たちの靴音さえ聞こえない。静寂が息づく。それは呼吸

器だけを持った生き物のように、じんじんと音をたてて

いる。何かを叫ばなければならないと思う。しかし、言

葉にならない。ウウーと噛るような声が、腹のまわりの

あらゆる筋肉にぶつかっている。ぼくは目まいのような

ものを感じる。

他の全てのもの、たとえば天井とか壁とか、ダンス、

机、鏡台、時計とか屑カゴとかコンセント、女や子供…

…それらはそれぞれの場所に静止したままなのに、ぼく

だけがぐるぐると回転していた。その速度が増し、ぼく

は一つの円になった。しかし、まだまわりのものは動か

なかった。しっかりとそれぞれの位置で調和していた。

そして、冷ややかに回転しているぼくを見つめていた。

もうそれ以上速く回らないところまでくると光がなくな

った。子供が消え女が見えなくなった。コンセントも屑

カゴもその形がわからなくなった。壁も天井も見えな

い。秒針の動く音だけが、回転音に混って不協和音のよ

うに聞こえていた。

誰かが呼んでいるようだが、気のせいか?あなたとか

言われ、肩のあたりを叩かれたような気がするが.…:眼

を開けると女がいた。横に子供がいる。二人共回転して

いなかった。女は正座し、子供はスリコギ棒のような脚

を投げだし、上体を乗りだすようにしてぼくを見てい

た。ぼくも回っていなかった。それなのに何故そんなに

見つめるのか。ぼくはなんとなくそうしなければならな

いような気がして姿勢を正した。そして、動けないこと

に気づいた。

ロープはあきもせず下腹の肉を食いつづけている。腕

は後ろ手に柱を抱きしめている。投げだした脚は足首の

ところで一本になっている。ぼくは事を理解する。縛ら

れたままの自分を思いだす。「ほんとうによく帰ってき

てくださいましたわ」しばらくぼくを見ていた女は静か

に喋りはじめる。何かを思い詰め、その思いを訴えてい

るような口調である。しかし、女の言うことなど耳に入

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議麓1i

らない。何をどのように話せばいいのかと、ぼくはその

ことだけを考えている。奇妙なことになったものである。

「いえ、もう何も言わないでください。今までのことは

忘れます。あなたもそうしてください。新しくやりなお

しましょう」また泣きはじめる。顔を傾け、指の腹でそ

れをぬぐう。言葉と同じ量だけ涙を流している。

「この子のためにも、もうどこにも行かないでくゼさい

ね」言いながら子供を膝に抱く。

ぼくは考えつづける。この女は一体どういうつもりで

いるのかと。何を思って見え透いた嘘を言いつづけるの

蕊貿

零ロ

ノE〃

難議雲

議繍

か。ぼくが彼女の知りあいでなく、無論夫でないことは

あきらかではないか。そのことは彼女自身が一番よく知

っていることではないのか郡

「人には思い違いというものがある。このことは決して

誰にも言わない。ぼくだけの胸に収めておこう。約束す

るよ。このままなかったことにしよう」苛立ち、叫びた

いような気持ちをこらえ、一つ一つの言葉に説得という

薬をまぶしながらゆっくりと話す。なんといっても女を

納得させるより仕方がない。そのためには、まず彼女の

気持ちを楽にしてやることであろう。男に逃げられたら

三ざ室〆盟李雪

、■Ⅱ3.

1.2。。。

#‘署鋤嬉6 裳 毒

蕊11571

燕.

yJジ

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誰だっておかしくなるだろう。ぼくだって、妻がいなく

なれば、誰でもいいその辺を歩いている女を連れてくる

かもしれない。

災難だと思ってあきらめるよ。生きているといろいろ

なことがあるからね。君も苦労だねえ。「さあl」わざ

わざ連れてきてくれた男たちの手前、人違いだと言えな

かったのであろう。案外この女はやさしいのかもしれな

い。こうして今まで縛られてきたぼくに、今更許してく

れとは言いづらいのだろう。そんなこと気にしなくても

いいのに。

「何が不満であなたは私から逃げるのでしょう。この子

を捨てるのですか?私は精一杯尽くしているつもりで

す。この子だってあなたになついていたじゃありません

か。当然ですわ。親子ですもの。あなたの気持ちがわか

らない。どうして私たちを悲しませるのでしょう。ねえ

何故?」

「気の毒だがぼくは君を知らない。見たこともない。で

きることなら力になってあげたいが、知らないものはど

うしようもない。これほど確かな事実を、ぼく自身どう

することもできないのだ。君の知りあいであったことに

してあげることはできない」

「私はあなたを知っています。こんなに冷たくされても

やはり帰ってきてほしいと思いつづけてきました。これ

以上の事実がまだ必要なの?」

「君の言っていることがよくわからない。ほんとうに理

解できないのだ。ぼくがどうしてここにいるのか。何故

こんなことをされなければならないのか。矢礼な言い方

かもしれないが、ぼくは君のような人を愛した覚えはな

い。残念ながらこれからも愛することはないだろう」

「あなたに対して、私は一生懸命でした。だから自分の

愛を信じています。あなたは信じようとしないだけなの

です」

「万一、たとえばだよ、そうだとしても、ぼくはもう君

のことを好きになれない」

「なれますわ。きっと」

「いやがる男を無理に引き止め、このような椎に飼って

みたって、楽しくもおもしろくもないだろう。なついて

くれてこそ飼育するかいがあるというものだ」

「飼うのではありません。暮らすのです。一緒に」

「そんなことをしたらお互いが不幸だ。君がますます淋

しさを感じるだけだ」

「淋しさにも不幸にも馴れましたわ。どちらにしたって

これ以下の暮らしはありません」

「ぼくはごめんだね。とにかくこのロープをほどきたま

え。話しはそれからだ。ゆっくりと君の相談にのるよ」

「ほどいたら、あなたは逃げるでしょう」

「逃げない。約束する。君の力になる」

「力になってくださるなら、そのままそこにいてくださ

い」こ

れはあきらかに犯罪であるとぼくは思う。暴行、誘

拐、監禁、脅迫、ぼくはその被害者である。強盗・…:金

をとられてやれば解決する。詐欺:.…だまされてやれば

いいのだ。婦女暴行.…:犯されてしまえばすむことであ

る。殺人……殺されたらしまいだ。しかし、この場合、

どうすれば犯罪が成立して、事は解決するのか。ぼくを

縛りつけているロープを解かせるためにはどんな犯罪の

成立が必要なのか。女の夫であり、子供の父親であると

認めたらいいのか。そのあと、どうする?……「ぼくを

どうするつもりだ?」喋ることに疲れを感じはじめてい

る。何かが少しづつずれていく、そんな気分がぼくをた

まらなく不愉快にさせる。しかし、言葉を途切れさせる

ことはできない。黙ったら負けだ。喋りながらつけ入る

隙をうかがう。

「どうもしません。あなたにはもうこれ以上のことは望

みません。何もしなくていいからおとなしくそこにそう

していてください。それだけで充分です」女は喋ること

に希望を見つけかけている。今のうちに叩きつぶさない

とますますやっかいなことになる。(つづく)

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