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1 電気電子工学コース 教育内容の例 電子情報通信学会 認定企画実施委員会 研修・講習部会 荒川

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電気電子工学コース

教育内容の例

電子情報通信学会

認定企画実施委員会

研修・講習部会

荒川 薫

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教育内容1

電気電子工学コースの専門領域教育内容

 電気電子工学は、電気の発生と利用、システムと制御、電子物性・デバイスなど、電気工学と電子工学に関する領域を扱う学問である。

 この分野の根底にある問題意識は「電気や電子に関する物理現象の解明とその工学システムへの応用」である。

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教育内容2

こ の 領 域 を 取 得 す る た め に 必 要 な 基 本 的 知 識 と し て

1. 数理法則や物理原理を理解するために必要な基礎的    知識

2. 電気電子工学の専門領域に関する基礎的知識

が求められる。

 またこれらの基本的技術を十分に理解するための実験・演習を行い、実験・演習を通して基本的知識をより深く理解し、結果を思考する能力の養成が求められる。 更に、現実のシステムにおける問題点を見出し、これらを解決する能力の養成も求められる。

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電気電子工学コースのモデルカリキュラムの概要

132単位

1800時間

1957.5時間

1080(実習:90、実験

270)

427.5(実習:67.5、実験:90)

450(実習:337.5)

51221726314科目数

900

1080

74

学科

専門

247.5

22

専門

基礎

250250JABEEで必要な時間数

1803154590最低時間数

(単位: 時間)

121428必要単位数

理系

基礎外国語

保健

体育

一般

教養

*各科目は半期授業

実習・実験時間数は内数。

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電子電気工学コースモデルカリキュラムの内容

 ○印は必修科目、△印は選択必修科目。 時間数は各週における時間(単位:時間)。 各科目(I,IIなど番号付は各々)15週行われる。

学習・教育目標

英語、日本語での読書きを含めてコミュニケーションをする能力E

技術を応用し実践する能力D

社会人としての倫理観に基づいて実社会で技術者としての責任を実行する能力と、情報技術の限界に関する社会人としての素養に基づいた情報技術能力

C

電気・電子工学分野の専門知識B

自立した技術者となるための数学、物理、化学ならびにコンピュータ利用の基礎的知識

A

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学習・教育目標の詳細

A  自立した技術者となるための数学、物理、化学ならびにコンピュータ利用の基礎知識とその応用-数学、物理、化学、及びコンピュータの基礎知識を示すことができる。-これらの知識を適用して現実的問題を解決することができる。

B 電気・電子工学分野の専門知識とその応用

-電気・電子工学分野の専門知識を説明することができる。 -これらの知識を適用して現実的問題を解決することができる。

C 社会人としての倫理観に基づいて実社会で技術者としての責任を実行する能力と、情報技術の限界に関する社会人としての素養に基づいた情報技術能力-技術者倫理規定の知識を示すことができる。-文化、社会及びその歴史的発展について知っているという事を示すこ

とができる。

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D 技術を応用し実践する能力

-問題解決に有用な方法を調べ出すことができる。-実験の手順を計画し、設計し、実行することができる。-得られた結果を解析し、評価することができる。

E 英語、日本語での読書きを含めてコミュニケーションをする

能力。

-文章を読んで内容を正しく理解することができる。

-自分の考えを文書や口頭で適切に表現でき、そのために有用なプレゼンテーション技術を身に付けている。

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一般教養科目

科目名単位数

時間数

学年修了条件

学習教育目標

哲学論理学     文学      西洋美術史   自然科学史日本史世界史文化人類学心理学法学政治学経済学社会学

国際関係学

2222222222222

1.51.51.51.51.51.51.51.51.51.51.51.51.51.5

2-42-42-42-42-42-42-42-42-42-42-42-42-42-4

8単位以上

C

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保健体育

科目名単位数

時間数

学年修了条件

学習教育目標

○健康・スポーツ学 スポーツ実習A スポーツ実習B

 1 1

 1

1.51.51.5

12-42-4

2単位以上 C

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外国語

科目名単位数

時間数

学年 修了条件学習教育目標

(第一外国語)○英語コミュニケーションI・II○英語リーディングI・II○英語コミュニケーションIII・IV○英語リーディングIII・IV

各1各1各1

各1

各1.5各1.5各1.5各1.5

112

214単位以上 E

(第二外国語)△ドイツ語I・II・III・      IV△ドイツ語V・VI△フランス語I・II・III         ・IV△フランス語V・VI△ロシア語I・II・III・      IV△ロシア語V・VI

各1

各1各1

各1各1

各1

各1.5

各1.5各1.5

各1.5各1.5

各1.5

21

21

独仏露の何

れか一つ

8単位

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理系基礎科目

A

科目名単位数

時間数

学年修了条件

学習教育目標

○基礎数学I・II 基礎数学III・IV○基礎物理学I 基礎物理学II○基礎化学I 基礎化学II 基礎生物学I・II 基礎地学I・II 基礎数学III実習○基礎物理実験I・II○基礎化学実験I・II

各2各22222各2各21各1

各1

各1.5各1.51.51.51.51.5各1.5各1.51.5各1.5各1.5

11111111111

12単

  位

以  上

A

A・D

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○基礎電気回路I・II○基礎電気磁気学I・II○情報処理・演習I・II

各2各2各2

各1.5各1.5各1.5

111

12単位

22単位以上

BA・C

△確率△線形代数I・II△微分積分I・II

2各2各2

1.5各1.5各1.5

122

6単位

以上

A△物理学I・II・III 各2 各1.5 2 2

単位

以上

図形科学固体の力学基礎電子物性科学波動解析基礎科学技術英語I・II

情報処理I・II

2222

各2

各2

1.51.51.51.5各1.5各1.5

11113-4

A・B

E

A・C

専門基礎科目

科目名単位数

時間数 学年 修了条件学習教育目標

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222各2各2各22222222各4

1.5

1.5

1.5

1.51.51.5各1.5各1.5各1.51.51.54.54.54.54.51.5各4.5

22222222232334

46単位

学科専門科目全体で74単位以上

C

A・C

A・C・E

B

B・D

A・B・D・E

科目名単位数

時間数

学年 修了条件学習教育目標

学科専門科目(1)

 ○情報社会と倫理

 ○メディアと人間

 ○○情報リテラシーとプレ  ゼンテーション

 ○○情報通信ネットワーク ○電気電子基礎数学 ○電気電子計測 ○電気磁気学I・II ○電気回路I・II ○電子回路I・II ○電磁気演習 ○電気回路演習 ○電気実験I ○電気実験II ○電子実験I ○電子実験II ○ゼミナールI ○卒業研究I・II

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学科専門科目(2)

74単位以上

△コンピュータプログラミング実習△数値解析実習

1.5

1.5

1単位以上

B・D

△ ゼミナールII△インターンシップ

22

1.5*

33-4

2単位

以上

A・B・D・E

科目名単位数

時間数

学年 修了条件学習教育目標

△発変電工学△制御工学I・II△送配電工学I・II△電気機器学I・II△電子回路III△電子物性工学I・II△電子デバイス△集積回路設計△電気電子材料I・II

2各2各2各22各222各2

1.51.5各1.5各1.51.5各1.51.51.5各1.5

333333333

10単位以上

学科専門科目全体で

B

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学科専門科目(3)

科目名単位数

時間数

学年 修了条件学習教育目標

数値解析論理回路パワーエレクトロニクス光エレクトロニクス

  マイクロエレクトロニクス  電磁波工学  電子計算機  ネットワーク工学  信号とシステム  確率過程と信号処理  通信システム工学  ソフトウェア基礎

2222

222

222

22

1.51.51.51.5

1.51.51.5

1.51.51.5

1.51.5

333-43-4

3-43-43-4

3-43-43-4

3-43-4

学科専門科目全体で74単位以上

 

 B      

  

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シラバスの例

シラバス1

●科目名 基礎電気回路I

●授業の概要及び位置付け

 基礎電気回路Iでは,電気回路の初等的部分,直流回路と交流回路の基礎について講義する。電気回路の構成要素である回路素子とその性質について述べ,またこれらの回路素子を接続し作られる電気回路がどのような働きをするのかを説明し,電気回路への理解を深める。 電気回路の理論は,それ自身,集積回路の動作理解や設計に不可欠であるばかりでなく,様々な理工学の問題の回路モデルとしても応用される。そのような応用と関連させながら講義を行う。(関連する学習教育目標:B)

●到達目標

 LCRからなる電気回路で、過渡現象を含まない直流回路及び、正弦波交流回路を対象とする。これらの回路の電流・電圧特性や電力を求める基礎的問題に対し、基本的解法を身につけることを目標とする。 

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シラバス2

●授業内容

 [第1回] 電気回路と受動素子 ----- 受動素子の種類,受動素子による電気回路        の構成 [第2回] オームの法則 ----- 電流と電気抵抗 [第3回] キルヒホッフの法則 ----- キルヒホッフの電圧法則,キルヒホッフの電流       法則 [第4回] 枝電流法 ---- 枝電流法方程式、枝電流法による回路解析 [第5回] 網電流法 ----- 網電流方程式,網電流法による回路解析 [第6回] 直流回路の計算 ----- 電圧源と電流源,線形回路網と重ね合せの理 [第7回] 電気回路の諸定理I ----- 相反定理,鳳・テブナンの定理 [第8回] 電気回路の諸定理II ---- ミルマンの定理 [第9回] ブリッジ回路 ---- ブリッジ回路の回路解析 [第10回] 直流回路網の解析および直流回路の電力 [第11回] 交流回路の基礎 ----- 正弦波交流,正弦波交流の複素数表示 [第12回] 交流回路の解析I ---- LCR回路 [第13回] 交流回路の解析II ----- LCR 回路 [第14回] 交流回路の電力 ---- 電流・電圧の実効値と電力 [第15回] 試験

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シラバス3

●教育方法 講義形式。授業中、演習も行う。課題提出が5回ある。

●教科書 篠田 庄司 著 「基礎電気回路」 電子情報通信レクチャーシリーズ コロナ社

●参考書 ●●●著 「基礎電気回路演習」 ▲▲社

●成績評価の方法・評価基準 評価は期末試験の点数を80%、課題提出を20%考慮し、6割以上の正答を要する。

注) 達成目標及び成績評価の方法等は、JABEEコース以外のコース 

   に対しては異なる可能性もある。

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教科科目の連関図

理系基礎・専門基礎科目関係

1年前期 1年後期 2年前期 2年後期 3年前期

基礎数学I 基礎数学II 線形代数I 線形代数II

基礎数学III 基礎数学IV 微分・積分I 微分・積分II

基礎数学III実習 確率

図形科学

基礎物理学I 基礎物理学II 物理学I 物理学III

基礎物理実験I 基礎物理実験II 物理学II 学科専門科目

波動解析基礎

固体の力学 基礎電子物性科学

基礎化学I 基礎化学II

基礎化学実験I 基礎化学実験II

基礎生物学I 基礎生物学II

基礎地学I 基礎地学II

情報処理演習I 情報処理演習II 情報処理I 情報処理II

*太枠は必修、二重線は選択必修 学習教育目標A    B       C        D        E

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学科専門科目関係

1年前期 1年後期 2年前期 2年後期 3年前期

専門科目全般 ゼミナールI

基礎電気回路I 基礎電気回路II 電気回路I 電気回路II インターンシップ

電気回路演習 電気実験I 電気実験II

電子回路I 電子回路II 電子回路III

電子実験I

電気電子計測

制御工学I

基礎電気磁気学I 基礎電気磁気学II 電気磁気学I 電気磁気学II

電気機器学I

電磁気演習

発変電工学

送配電工学I

基礎数学I 基礎数学II 電気電子基礎数学 専門科目全般 論理回路

基礎電子物性科学 電子物性工学I

電気電子材料I

電子デバイス

波動解析基礎 電磁波工学

情報処理IIコンピュータプログラミング実習

情報社会と倫理

専門科目全般 電子計算機

情報リテラシーと プレゼンテーション

  メディアと人間情報通信ネットワーク

ネットワーク工学

確率過程と信号処理

*太枠は必修、二重線は選択必修 学習教育目標A   B       C        D        E

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学科専門科目関係(続き)

*太枠は必修、二重線は選択必修

3年前期 3年後期 4年

ゼミナールI ゼミナールII 卒業研究I,II

インターンシップ

電気実験II

電子回路III

電子実験II

制御工学I 制御工学II

電気機器学I 電気機器学II

発変電工学パワーエレクトロニクス

送配電工学I 送配電工学II

論理回路 集積回路設計

マイクロエレクトロニクス

学習教育目標A   B       C        D        E

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評価方法と評価基準

A :自立した技術者となるための数学、物理、化学ならびにコンピュータ利用の基礎的知識とその応用B :電気・電子工学分野の専門知識とその応用C :社会人としての倫理観に基づいて実社会で技術者としての責任を実行する能力と、情報技術の限界に関する社会人としての素養に基づいた情報技術D :技術を応用し実践する能力E :英語、日本語での読書きを含めてコミュニケーションをする能力

表3    学習・ 達成度評価対象 各対象の評価方法と評価基準 総合評価方法

教育目標 及び評価基準理系基礎 基礎数学I・II 期末試験:80%、課題提出:20%=>6割以上の正答

必須 基礎物理I基礎化学I

専門基礎 情報処理・演習I・II 評価基準学科専門 メディアと人間 電気電子工学における標準的な数学

必須 情報リテラシーとプレゼンテーション 物理、化学、情報処理の知識を習得しゼミナール 発表内容:60%、発表の仕方:30%、討論10%=>6割 それを応用できる卒研I・II

A 専門基礎 確率選択必須 線形代数I・II 総合評価方法

微分積分I・II 1)カリキュラムに含まれる実験・演習の物理I・II・III 中で出す課題により基礎的知識の理解力

・応用力を評価する。課題の設定は各実験・演習のシラバスで定義する。

図形科学 2)修了生に対するアンケート専門 固体力学 3)企業の人事担当者による第3者評価基礎 基礎電子物性科学選択 波動解析基礎

情報処理I・II基礎数学III・IV

理系 基礎物理学II基礎 基礎化学II選択 基礎生物学I・II

基礎地学I・II基礎数学III実習

(以下同様)