認定通関業者として - customs.go.jp ·...

33
認定通関業者として 丸一海運株式会社 平成26年5月29日

Upload: others

Post on 09-Sep-2019

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

認定通関業者として 丸一海運株式会社

平成26年5月29日

従業員100人規模のAEO (これまでの課題、これからの課題)

会社紹介

AEO認定取得までの経緯

中小企業の宿命、役者が足りない

法令順守は営業の壁

意識改革は必ずできる

AEOが社内の空気を変えた

認定が本当のスタートライン

これからの海貨事業に期待すること

丸一海運株式会社

• 丸一海運株式会社の歴史は江戸時代中期 宝暦元年(1751年)初代樋屋庄五郎が大阪堂島舟町で諸大名の御用造船所として創業し、御座船の建造を行っていたのが始まりです。

• 明治時代にはΘの印をかかげ、大正、昭和初期を通じ艀回漕業、貸船業として港湾運輸業を営みました。

• 第2次世界大戦のため、昭和17年大阪河川運送株式会社に強制統合されましたが、終戦後の昭和26年丸一海運株式会社を設立、再びΘの社章を掲げ今日に至っております。

会社紹介

創業263年

1

丸一海運株式会社

従業員数 約140名(派遣社員を含む)

資本金 9,980万円

本社 大阪市大正区

東京営業所 東京都港区新橋

化学品センター 大阪市住之江区

木津川倉庫 ・ 大阪市住之江区

水島港物流センター 岡山県倉敷市玉島

会社紹介

2

危険物取扱の丸一

置くことができる危険物

(消防法)

• 第 1 類:酸化性固体

• 第 3 類:自然発火性物質及び

禁水性物質

• 第 4 類:引火性液体

• 第 5 類:自己反応性物質

(その他の危険物)

• 高圧ガス

• 毒物・劇物

化学品センター(大阪)

会社紹介

大阪港化学品センターは全国初めての近代的荷役設備と完全な防災設備を備えた保税蔵置場であり、

危険品と一般貨物が同じエリア内に保管できる総合物流拠点(ISO9001取得事業所)です。

3

企業理念

和合、信用、進歩を礎とする企業

常に社員とともに成長発展する企業

安全安心の確保により国際社会に貢献する企業

事業方針

• トータルサービスを提供するグローバルな物流企業

• お客様のシッピングナビゲーター・コンプライアンス サポーター

• 提案と質の高いサービスの提供

会社紹介

4

危険物を取り巻く他法令の洪水

高圧ガス保安法

消防法

肥料取締法

化学兵器禁止法

覚せい剤取締法

バーゼル条約

危険物の混載事業

• 危険物は海上輸送のやっかいもの!

• 他の貨物と積み合わすことができずに、わずかな量でもコンテナを1本借り受けたり、輸出者にとって随分高いコストに ついてしまう

• その上、危険物はいろんな法令で、がんじがらめ

会社紹介

5

安全と安心の確保で社会に貢献

海上はもちろんのこと、港湾荷役をする人達にとって危険品の取扱いは事前に確実な情報が必要です。万が一貨物が破損したとき、危険物が流出したとき、体に飛沫が飛んだとき、その場に応じた的確な処置ができれば、事故を最小限に抑えることができます。

会社紹介

丸一海運

6

危険品を安全に送り出すこと、

丸一海運はそれができます。

会社紹介

丸一海運株式会社

7

しかし現実は輸出者、輸入者も荷役作業者も、お互いの為にどうすればいいのか知らないことが多すぎて、

手続き一つ一つに戸惑ったり、怠ったりします。

私たち丸一海運は、60有余年にわたり積み重ねた 知識と経験を生かして、的確なインフォメーションを提供します。

大阪税関から通関業監督官とAEO管理官が来社、AEO認定通関業者制度のチャレンジを勧められました。

平成20年8月

平成23年9月22日

大阪税関長からAEO認定通関業者の認定を受けました。

AEO取得まで

平成20年 9月 社内CPの作成

平成21年 2月 顧客管理台帳の充実

平成21年 4月 社内組織図、緊急連絡網の整備

平成21年 8月 社内AEO教育開始

平成21年11月 重要管理文書溶解処理を開始

平成22年 2月 業務委託業者管理を強化

平成22年 9月 本社来訪者管理体制の強化

平成23年 4月 AEO認定通関業者チェックリストを税関に提出

平成23年 6月 第1回税関実地調査

平成23年 8月 第2回税関実地調査

平成23年 9月 AEO認定通関業者申請

8

避けがたく、どうしても最初に直面すること!

これまでの課題

中小企業であれば

ひとり2役3役は 当たり前

管理職も部下と同じ土俵で実務を行いながら課長職をこなしてる

余裕なし

人選困難

9 総括管理部門の整備は、大きな課題

AEO業者チェックシートを見て感じたこと

課題1

組織に実効性を持つAEO管理部門が必要

通関に直接かかわる業務部で総括管理はできない。

営業部には、顧客管理を徹底してほしい。

社内の各部門に通じていて、第3者的立場で口を

出せる。

対処・・・・ この役割を総務部に託す

問題点

総務部勤務の職員は通関業者と言っても

実務を知らず!

これまでの課題

10

総務部員の教育 第1段階 通関業とは何か

第2段階 コンプライアンスの重要性

第3段階 AEOとは何か

おちこぼれがないように、講習後に理解度チェック!!

通関業 入門

1

社内コンプライアンス

2

認定 通関業者

3

社内勉強会

11

•総括管理部門

これまでの課題

総括管理 責任者

AEO 事務局長

総務部長を責任者に任命して

全体管理の中心に置く

総務課長を事務局長にして、

AEO会議等の実務運営

年間スケジュールの基本企画を担当

AEO事務局 総務部員を事務局員として、サポートさせる

12

課題2

誰が法令順守を管理するのか

① 通関に直接かかわる業務部で管理はできない。 管理される立場

② 総務部には、総括管理をお願いしているので無理。

③ 社内外に通じていて、広い視野と経験を有する者が 法令調査には適任

これまでの課題

13

この役割を C Sグループ長に託す

日常の様々な顧客からの問い合わせに応対している

豊富な経験とデータがある

カスタマサービス長の強み

これまでの課題

カスタマサービス

対処・・・

14

コンプライアンスのご意見番でサポート

通関士 資格者

8名

消防法危険物取扱資格者

32名

毒物劇物取扱 資格者

2名

高圧ガス保安責任資格者

3名

火薬類取扱 資格者

3名

法令 順守 体制

これまでの課題

専門知識を持つ者に アドバイス役を委嘱

15

法令順守は営業の壁 • AEOを今から取得される皆さんに

AEOは営業部の協力が不可欠!

しかし、利益と直結しないAEOは邪魔!

法令順守! でも顧客が…

AEO 営業

これまでの課題

16

営業責任者にAEO顧客

管理責任者を委嘱する

CPに基づいた顧客管理台帳の整備を任せる

営業部のコンプライアンス意識

が向上!

顧客管理責任者と一緒に梱包や特殊作業貨物の保管等を依頼している協力会社を訪問調査をする

管理責任 意識向上

重要

企業責任 AEO教育

これまでの課題

17

意識改革は必ずできる

セキュリティの重要性を理解させるには時間がかかる

情報管理に対する意識教育 非常に困難

今まで教育されたことがない

特に古株と言われる社員は自分流を貫こうとする

毎月1回のパスワードの変更一つにしても根気よく毎回毎回注意してゆくことが必要です。これだけでも全体が普通に守っていけるまで1年はかかります

面倒くさ

18

弊社が最初に行ったこと 社内に無秩序に置かれた

ごみ箱を全て処分

透明感のある職場を目指して

19

社内に無秩序に

置かれたごみ箱を

全て処分

重要書類の溶解 処理を扱う専門 業者に処分を委託

情報は溶解処分

溶解処理済 証明書の 発行

透明感のある職場を目指して

20

•情報管理の強化

月初めにパスワードの再設定

許可のないUSBの禁止

シュレッダーと溶解処理

紙による保存から電磁情報保存へ

個人個人に情報 管理の自覚を 植え付ける

透明感のある職場を目指して

21

•社内CP規則教育の徹底

各課[約10人程度]ごと

にパワーポイントを利用した社内講習を2回ずつ

実施

透明感のある職場を目指して

社内CPを章ごとに解説!

講習後に理解度

チェック!

おちこぼれ

防止 22

1 AEOとはそもそも一体何かを理解させないと始まらない

2 AEOを取得する意味は何かを理解させないと協力は得られない

3 AEOは営業に利益があることを理解させないと本気にならない

4 AEOで業務に障害が出ないよう気を配らないと空中分解する

AEOが社内の空気を変えた

丁寧に、慎重に、結論を急がずに、腰を据えた計画を立てて社内改革に取り組むこと

透明感のある職場を目指して

取り組み始めて一番感じたこと

現状にしがみつきたい

AEO制度を社内でほとんど関心なし

職場環境の変化に素朴な危機感

23

お客様のコンプライアンスも私たちが守る

AEO社内教育

コンプライアンスの 重要性

情報セキュリティの 重要性

透明感のある職場に

24

いきごみ

真剣

だめはだめ

本物を目指す

責任ある企業

安易に通関を受けない

•AEO管理の取組み

認定が本当のスタートライン

管理責任後継者の育成

生きた手順書と内部監査

経営者による見直し会議

これからの課題

25

コンプライアンス管理は愚直な継続

積み上げてきた行動をもう一度練り直し

後継者の育成

最重要事項 このシステムを支える 総括管理責任者の

後継者を育てる

後継者づくりを怠るとAEO運営は行き詰まる

育成を阻む 要因

人事異動

定年退職

入院等の 長期休暇

5年先を見据えた育成を

認定が本当のスタートライン

26

これからの課題

生きた手順書と内部監査

手順書 CPに基づいた業務手順書は生きている

手入れをしてやらないと、

どんどん朽ちていく

どんなに立派な手順書を最初に作っても、 こまめに管理しなければ質は確実に落ちていく

1年に1回部門ごとに内部監査を実施して

評価と是正を行う。

認定が本当のスタートライン

27

経営者による見直し会議の開催

経営者

1年間のレビュー

顧客からの フィードバック

改善のための 提案

業務プロセスの見直し

認定が本当のスタートライン

28

経営者を中心にして改善を検討する場を設ける

これからの海貨事業に期待すること

認定通関業者制度が誕生して6年となり、次第に増えつつあるAEO業者

ですが2014年4月1日現在法人ベースの通関業者数は903者のうち、

AEO業者は80者と法人として8.9%に過ぎない。

(全業者数1,440社)《税関HP9104 通関業者の現況(カスタムスアンサー)より》

これからの課題

29

5千万以下 13%

1億以下 18%

3億以下 20% 10億以下

12%

10億以上 32%

不明 5%

資本金別AEO認定通関業者

2014.04.04現在の80者 各社ホームページ参考

100人以下 12%

200人まで 19%

300人まで 12%

1,000人まで 14%

1000人以上 38%

不明 5%

従業員数別AEO認定通関業者

2014.04.04現在の80者 各社ホームページ参考

これからの海貨事業に期待すること

資本金一億円未満、もしくは従業員数が200人までの

通関業者は全体の3割程度!

通関業が 大手通関業者さんの独占的事業とならないため

にも、従業員100人規模の通関業者の頑張りで、AEO事業

者の50%を占めてほしい

世界中の国々で結ばれるAEO相互承認は、その有効範囲

がAEO事業者の中でも限られている

通関業者に、もっとベネフィットがある相互承認を!

これからの課題

30

ご清聴ありがとうございました。

丸一海運株式会社

END