当院での栄養管理 how to - takamatsu.jrc.or.jp · 2015食事摂取基準...
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当院での栄養管理 How to
Takamatsu Red Cross Hospital
食べることは生きること 生きるためには食べること
患者さんに 一口でも美味しく食べてもらうこと それは医療
• 栄養管理は、先手必勝!
• 腸管は可能な限り使うが勝ち!
• 急激な栄養補給は事故のもと!
• 最良のゴールは、経口摂取
当院での栄養管理 How to
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(65歳以上、男女計・年齢階級別、全国補正値)
※平成24年は全国補正値。 ~厚生労働省 国民健康・栄養調査より~
低栄養傾向の高齢者の割合 (BMI≦20)
0
5
10
15
20
25
総数 65歳~74歳 75歳以上
平成24年
平成25年
(%)
18.2 16.5
14.9 14.9
22.0
18.8
75歳以上では、 4~5人に1人が 低栄養傾向!
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栄養は病気の予防に 大きな力を発揮する
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エネルギー(kcal) 蛋白質(g) 脂質(g) NPC/N
常食 100% 1800 68 52 145
常食 主食100% 副食50%
1400 40 26 185
常食 主食50% 副食100%
1400 61 51 113
常食ハーフ 100% 900 36 31 145
*エルネオパ2号 820 30 0 149
食事摂取量の把握
●At Risk!!!
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栄養は、一律ではない
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慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014年版
ステージ (GFR)
エネルギー (kcal/kgBW/日)
タンパク質 (g/kgBW/日)
食塩 (g/日)
カリウム (mg/日)
ステージ1 (GFR≧90)
25~35
過剰な摂取を しない
3≦ <6
制限なし
ステージ2 (GFR60~89)
過剰な摂取を しない
制限なし
ステージ3a (GFR45~59)
0.8~1.0 制限なし
ステージ3b (GFR30~44)
0.6~0.8 ≦2,000
ステージ4 (GFR15~29)
0.6~0.8
≦1,500
ステージ5 (GFR<15)
0.6~0.8
≦1,500
注)エネルギーや栄養素は、適正な量を設定するために、合併する疾患(糖尿病、肥満など)のガイドライン などを参照にして病態に応じて調整する。性別、年齢、活動係数などにより異なる。 注)体重は、基本的に標準体重(BMI=22)を用いる。 Takamatsu Red Cross Hospital
2015食事摂取基準 ~たんぱく質と重症化予防との関連~
○進行したCKD患者に対するたんぱく質制限は、末期腎丌全に至るまでの時間 を延長することから、主に中等度(CKDステージG3b)から重度のCKD患者 に対する食事療法として推奨されている。 ○軽度CKDにおいて、過剰なたんぱく質の摂取が腎機能に悪影響をもたらすか どうかは、報告によって一定していない。 ○高齢者CKDステージG3aの患者では、一般的にその他の原因で死亡する確率 の方が高い。また、たんぱく質摂取量が低下している高齢CKD患者では、 虚弱(フレイルティ)が高頻度に見られることも報告されている。これらの ことから、高齢軽症CKD患者に対し、健康な高齢者の推奨量以下のたんぱく 制限を行うことは適切でないと考えられる。
健康な高齢者のたんぱく質推奨量 (男性60g/日 女性50g/日) *ただしステージ4で経腸栄養管理施行中の十分なエネルギー投不(35kcal/kg/日)が可能な場合を除く。
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• 栄養管理は、先手必勝!
• 腸管は可能な限り使うが勝ち!
• 急激な栄養補給は事故のもと!
• 最良のゴールは、経口摂取!
当院での栄養管理 How to
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腸管の構造・機能を維持する 感染性合併症を防ぐ
重症病態に対する治療開始後48時間以内に 経腸栄養を開始し、5~7日間で目標投不エネルギー量に到達することを目指す。→ A-Ⅱ
静脈経腸栄養ガイドライン 第3版 ~日本静脈経腸栄養学会~
推奨度 内容
A 強く推奨する
B 一般的に推奨する
C 任意でよい
レベル 内容
Ⅰ 最低1つのRCTやmeta-analysisによる実証
Ⅱ RCTではない比較試験、コホート研究による実証
Ⅲ 症例集積研究や専門家の意見
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栄養療法の選択
消化管は安全に使用できるか?
経腸栄養法;EN 静脈栄養法;PN
十分 やや丌足 丌足
期間は?
普通食 普通食
流動食
経 鼻
栄養法
胃・腸瘻
栄養法
期間は?
末梢静脈
栄養法
中心静脈
栄養法
4週間未満 4週間以上
2週間未満 2週間以上
はい いいえ
経口摂取能は?
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When the gut works use it!
低速・一定速度の注入が可能
*十分な腸管馴化
開始時20~30mL/h
1週間前後かけて維持量にする
例)EN注入速度の目安 (1kcal/mL:標準組成)
20~30 → 40 → 50~60 → 60 → 60~80 → 80~100 (mL/h)
*下痢が発生したら、下痢がなかった時の速度に戻し、
腹部症状をみながら徍々に速度をあげていく
~日本静脈栄養経腸学会 静脈経腸栄養ハンドブック~
経腸栄養ポンプ
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早期からの経腸栄養or経口摂取
• 消化管粘膜萎縮予防
• 嚥下機能低下防止
何の栄養をどのくらい? → いかに腸管丌使用期間、 骨格筋丌使用時間を短縮するか?
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• 栄養管理は、先手必勝!
• 腸管は可能な限り使うが勝ち!
• 急激な栄養補給は事故のもと!
• 最良のゴールは、経口摂取!
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栄養投不は少量から開始して慎重に増量し
厳重にバイタルサインのチェックおよび 血液・生化学検査のモニタリングを行う。
→ A-Ⅲ
静脈経腸栄養ガイドライン 第3版 ~日本静脈経腸栄養学会~
推奨度 内容
A 強く推奨する
B 一般的に推奨する
C 任意でよい
レベル 内容
Ⅰ 最低1つのRCTやmeta-analysisによる実証
Ⅱ RCTではない比較試験、コホート研究による実証
Ⅲ 症例集積研究や専門家の意見
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高リスク因子
以下の項目を1つ以上満たす場合:
‣BMIが16kg/㎡未満
‣最近3~6ヵ月以内の15%を超える体重減少
‣10日を超える絶食、摂食障害
‣血清リン、カリウム、マグネシウム、血糖などの低値
以下の項目を2つ以上満たす場合:
‣BMIが18.5kg/㎡未満
‣最近3~6ヵ月以内の10%を超える体重減少
‣10日を超える絶食、摂食障害
‣アルコール中毒、糖尿病の既往がある患者。担癌患者。
NICE(The National Institute for Health and Clinical Excellence)ガイドラインより 16
refeeding syndrome
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リン非含有の高カロリー輸液
低リン組成の経腸栄養剤
血清リン値の モニタリングを!
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血液透析患者およびCAPD患者に対する
経腸栄養施行時には、標準組成の経腸栄養剤 を用いる→ A-Ⅲ
静脈経腸栄養ガイドライン 第3版 ~日本静脈経腸栄養学会~
推奨度 内容
A 強く推奨する
B 一般的に推奨する
C 任意でよい
レベル 内容
Ⅰ 最低1つのRCTやmeta-analysisによる実証
Ⅱ RCTではない比較試験、コホート研究による実証
Ⅲ 症例集積研究や専門家の意見
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• 栄養管理は、先手必勝!
• 腸管は可能な限り使うが勝ち!
• 急激な栄養補給は事故のもと!
• 最良のゴールは、経口摂取!
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患者さんに美味しいを届けたい
化学調味料ではなく 天然だし・自家製鶏がらスープ
当日仕入れの 新鮮野菜・魚
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約束食事箋による治療食提供
一般食 常食 軟食 ハーフ食 7分相当菜 5分相当菜 3分相当菜 流動食 ミキサー食 妊産婦食 中高生食 学令児食 幼児食 離乳食 など
特別治療食 脂質コントロール食 エネルギー・塩分コントロール食 蛋白質・塩分コントロール食 消化管術後食 易消化食 嚥下訓練食 貧血食 痛風食 プロバイオティクス食 化学療法治療食 各種検査食 など 濃厚流動食品 特殊食品
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対象者に合わせた個人対応
様々なコメント対応 ●咀嚼力への配慮 きざみ 魚のみきざみ 野菜のみきざみ きざみあんかけ などなど ●嗜好への配慮 肉禁 とり禁 ブタ肉禁 魚禁 サバ禁 えび禁 かに禁 卵禁 などなど
●アレルギーへの配慮 卵アレルギー 乳製品アレルギー 大豆アレルギー 小麦アレルギー 青魚アレルギー そばアレルギー ピーナツアレルギー などなど ●薬物や治療上の配慮 納豆禁 グレープフルーツ・甘夏禁 生野菜・果物禁 ラップ食 ヤクルト・ヨーグルト・ミルミル禁 ●各種食品の追加・変更 濃厚流動食品追加などなど
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栄養課より心を込めて
患者さんの最良のゴールである経口摂取を
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内線 1071
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ご清聴ありがとうございました
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