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2009/10/14 集積回路工学 A.Matsuzawa 1
集積回路工学
東京工業大学大学院理工学研究科電子物理工学専攻
松澤 昭
2009/10/14 集積回路工学 A.Matsuzawa 2
(4) CMOS論理回路
資料は松澤研のホームページhttp://ssc.pe.titech.ac.jpにあります
2009/10/14 集積回路工学 A.Matsuzawa 3
インバータ
否定(NOT)回路は、LSI設計ではインバータ(反転)と呼ばれる。
デジタル信号では、2値は0と1しかないので、入力が0なら1となり、入力が1なら出力は0となる反転となる。
0
0
1
1
入力A 出力Y
NMOSトランジスタとPMOSトランジスタを組み合わせることで論理回路が実現できる
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NANDゲート
0
0
1
1
入力 出力
0
0 1
0
11
A B Y
1
1
NANDゲートはNOT-ANDゲートの意味をもつ。すなわちANDの否定機能をもつ論理ゲートである。入力A,Bの入力に対しての出力Yの論理式は となる。BAY ⋅=
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NORゲート
0
0
1
1
入力 出力
0
0 1
0
11
A B Y
0
0
NORゲートはNOT-ORゲートの意味をもつ。すなわちORの否定機能をもつ論理ゲートである。入力A,Bの入力に対しての出力Yの論理式は となる。BAY +=
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加算器(ハーフアダー)
デジタル回路(2進数)での足し算機能を持った回路を加算器と呼ぶ。加算器には下位からの桁上げを考えない半加算器と、下位からの桁上げを加算していく全加算器とがある。
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加算器(フルアダー)
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CMOS論理回路
p側
n側
出力
入力1
入力n
・・・
p側and: 並列or: 直列
n側and: 直列or: 並列
互いに双対な回路出力は否定
CMOS論理回路はP型とN型が互いに双対な回路により実現される。
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CMOS論理の構成演習
• 2入力NOR• 3入力NAND• (A + B)・(C +D)
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演習の回答1
2入力NOR 3入力NAND
Vdd
A
BZ
Vdd
A
B
C
Z
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演習の回答2
Vdd
A
B
CD
Z
Z=((A + B)・(C +D))
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記憶の基本的な構成
• 受動素子の利用
– 情報を電荷としてコンデンサに貯える。
– ダイナミックラッチ、DRAM
• 能動素子の利用
– フィードバックループの利用
– スタティックラッチ、SRAM
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記憶素子(ダイナミックラッチ)
φ
Φ’
D Q’
トランスファゲート
スイッチ(トランスファーゲート)と容量を用いて、論理状態を一時保存する
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ダイナミックラッチの動作
φ
Φ’
D Q
1
0
on0/1
0/1 1/0
φ
Φ’
D Q
0
1
off0/1 1/0
入力の取込み 記憶
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記憶素子(スタティックラッチ)
φ1
Φ’1
D Q
φ2
Φ’2
2段のインバータを用いて正帰還回路を構成し、論理状態を保持する
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スタティックラッチの動作1
φ1
Φ1
D Q
φ2
Φ2
1
0
onx
x x x
0
1
off
入力の取込み
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スタティックラッチの動作2
φ1
Φ1
D Q
φ2
Φ2
1 1
0
0
off
on
x x x
xx
記憶
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スタティックラッチの構成
φ1
Φ1
D Q
φ2
Φ2Clock
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スタティックラッチの動き
t
クロック
Φ1 = Φ2
Φ1 = Φ2
入力取込み 入力取込み記憶 記憶
注意:入力取込み時には入力が出力Qに筒抜けになる!
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RSFF
1
0
1
1 1
01
0
0
1
1
1
保持状態 論理入力 保持状態
NAND回路を下図の様に接続すると、論理状態を保持できる
0
1
1
1
保持状態
0
10
1
論理入力
0
11
1
保持状態
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同期型RSFF
クロックCが1のときのみS, Rの反転信号がF/Fに入力される。クロックCが0のときはS, Rに係わらず制御端子は1,1になるので前の状態が保持される。
クロックの立ち上がりエッジでのみ状態が変化する
データをクロックに同期して保持する回路ができる
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Dラッチ
Dラッチによりデータを保持できるようになる
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Master-Slave Flip Flop
D Q D Q
clock
data output入力取込み
記憶記憶
入力取込み
L1 L2
L1とL2が交互に
記憶状態になり、data入力とoutputが必ず切断される。
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フリップフロップの動き
t
クロック
L1
L2
入力取込み 入力取込み記憶 記憶
記憶 記憶入力取込み 入力取込み
Data
Output
クロックの立ち下がり時の入力情報が出力に現れる
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セットアップ時間とホールド時間
入力
クロック
出力
この場合は立ち上がりエッジでの動作
セットアップ時間 ホールド時間
セットアップ時間:クロックの取込エッジよりも少し前に入力データが確定する必要があるホールド時間:クロックの取込エッジよりも少し後で入力データが変化しても良い
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同期設計
F/F
Q
CLK
Q
F/F
配線遅延 セル遅延
クロック周期
フリップフロップ間に論理回路を挿入し、論理処理を実行する。
論理回路がばたばた動いても、フリップフロップの出力は安定している。
F/F間の論理遅延時間の総和< クロック周期-(セットアップ時間+ホールド時間)