設備生産性向上~ メンテナンス容易化対策セミナー ·...

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設備生産性向上~ メンテナンス容易化対策セミナー (社)日本能率協会 専任講師 中村 茂弘 詳細はURL:http//aqc.jpをご参照下さい。 不良・故障ゼロ対策を早期にクリアーさせて進める 1,設備保全・修理関連部門の仕事は、攻めか、守りか? 2,歴史と取り組みで学ぶ優良企業の高度設備生産性対策 3,設備KYTによる不具合要因の早期発見~対策の進め方 4,設備点検の適正化とアラーム対策 5,まとめと、Q&A 設問集

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Page 1: 設備生産性向上~ メンテナンス容易化対策セミナー · すなわち、設備が故障する前の対策と、重要設備に対する自主保全、③後の25%の

設備生産性向上~  メンテナンス容易化対策セミナー

(社)日本能率協会 専任講師 中村 茂弘詳細ばURL:http//aqc.jpをご参照下さい。

不良・故障ゼロ対策を早期にクリアーさせて進める

1,設備保全・修理関連部門の仕事は、攻めか、守りか?

2,歴史と取り組みで学ぶ優良企業の高度設備生産性対策

3,設備KYTによる不具合要因の早期発見~対策の進め方

4,設備点検の適正化とアラーム対策

5,まとめと、Q&A

設問集

Page 2: 設備生産性向上~ メンテナンス容易化対策セミナー · すなわち、設備が故障する前の対策と、重要設備に対する自主保全、③後の25%の

1,設備保全・修理関連部門の仕事は、                       攻めか、守りか?

①時間分析で理解願った設備課長の本当の仕事

【事例1 】 設備対策で追われる設備課長の仕事と機能  「設備故障対策は重要であり、緊急を要する。350名の装置産業では14名の部下を

 持つ課長が仕事を統率していた。休日も無い状態でのトラブル対策が時間分析と共に 明らかになった。話の要点は次の通りだった。 (1) 1月の仕事を分析した結果は、突発故障が85%だった。 (2) 応急処置を繰り返すだけであり、原因の除去を確実につめたものでは無かった。

   従って再発する。対策を繰り返す。・・・・・といった毎日であり、追われる日々だった。 (3) 筆者は「本来の仕事は?」と問うた。質問してきたので、   本来の仕事とは、①50%が未来のための設備改良研究、②25%が部下育成を保全   すなわち、設備が故障する前の対策と、重要設備に対する自主保全、③後の25%の   内、20%は設備点検、・・5%以下が未経験の故障解析~再発ゼロ対策への注力!

   と応えると、「教科書にあるとおりですね!」と言った。そこで、 (4) 「教科書に書かれている程度のことが出来ないで、給与を貰うプロと言えるか!俺は

   やってきたから話したのであり、評論家の批判では無い!」と言った。 「・・・」となり   顔が真っ赤になった。「「顔を洗ってきます!」「OK」・・・・となり、15分程度で部屋に

   戻ってきた (5) 「再発ゼロから始めます!」「よろしいではないですか!支援します」となったが、 (6) 4ヶ月の後には、故障ゼロ生産に接近、部下も自主保全へ大きく仕事が変わった。

この、事例から判る通り、人が思想を変えると、行動と成果が変わる!  

悪魔のサイクルとは?

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 設問1 「統計の扱いの明確化」について 多くの企業では、設備記録頻度をチェックシートという形で取る例が多い状況ですが、「この

 チェックシートを活用して故障・不良低策をいかにすすめるべきか?」について、経営的見地 から見解を示して下さい。問題は新規購入のコピーマシンの状況です。注意点:①本当は御社の重要設備と不良対策を取り上げていただきたいのですが、手元にデーターが       ありません。従って、下記を例にして見解を示して下さい。 ②経営的見地からの見解は方針       的な内容ではなく、「関係者が具体的行動になる内容」をお願いします。③本件に対する質問       と要求内容があれば講師の方に自由にお願い致します。

 比率%

   230   438    456    403    420    388  総数

 不良合計

 その他

 カミコミ

 よごれ

 破れ

 うすい

 濃い

   土   金   木   水   火   月  曜日

          新型コピー機の不具合チェック状態         は発生件数を示す(この例は5件を示す)

注釈:土曜日は半日

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設問2  20項目テストの活用  長時間活用術対策の要点は、縦の仕事の流れの改善と共に、各処理プロセスで効率良い仕事の具体化が重要になる。では、 「20項目テスト」と言われる、マクロ的解析法に従い(次ページに示した手

順に従って、下表を記載して下さい。

改善値と集計値仕事の評価と改善点 重要度(5段階)Q,C,,D,S、M現状の時間 仕事の項目20

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ゆとりの必要性

改善すべきムダ50%

正味50%

大切な考え、「仕事の3つの区分」とは?

①ムダを省く

  対策を   「改善」    と言う

ムダ 取り

②やるべきことをやらない行為を

  「手抜」きと言う!

③改善しないで

  無理を押し込む行為を    「労働強化」と言う!

仕事には3つの見方と3つの区分がある!

【仕事の3つの見方】①正味+②ゆとり   =仕事の時間

③ムダ(排除すべき)

問題対策の方法①事前検討(ゆとりが必要)②発生時点対策③事後処理事前検討は事後処理工数の1/10!

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設問3   あなたならどうする?

工場レイアウト

材料ヤード

コンプレッサー室

電気制御室部品・治工具室事務所食堂保全試験室ロッカー室

水処理室

発送ストック場

将来余地

塗装ライン   加工ライン リターン材搬送コンベア    熱処理バスケット投入ロボット          NC、MC                        鋳造設備

熱処理炉

パレットローダー

溶解炉

将来余地

リターン材処理設備

保全場 金型整備場

 具体的な対処と問題は、筆者談として研修の場で紹介しますが、下に書いた事例に対して皆様はどのような判断を下しますか?

 16台の加工設備(24Hr稼働)、溶解、鋳造、塗装、・・・・と多くの設備があったが、故障が頻発する中で、現地の工場長が「故障すると同時に、24時間、いつでも、設備保全をバックアップしてしてくれるサービスがある。近隣の有名なA社でもメンテナンス契約を結んでいるが、かなり助かっている状

況を見てきた。費用も安い。しかも、日本で聞いた代行タクシーのように、専門家が電話一本で即座に来てくれる。この企業と契約すれば、我が社では、故障の多い加工機のメンテナンス要員の補充も必要無いので助かる。・・・・」というものだった。さて?あなたは、どう答えるか。

【事例3】 米国での体験:24時間メンテナンスサービス

記載欄

上記レイアウトは概要をご理解願うものであり、全てが性格という内容ではありません。

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2,歴史と取り組みで学ぶ   優良企業の高度設備生産性対策

故障・不良ゼロ対策に見る取り組み

TPMの生い立ちと、設備稼働のムダ把握

突発故障=事後対策 整備・点検の不備が 招く強制劣化対策 外見の5S→弱点の除去

予知・予防のための清掃と点検(しかし、手間が掛かる        ↓確実・楽で早い点検の追及設備KYT(危険予知)の適用

故障ゼロ、スピード最高化のための設備改善「設備に強い人づくり」+「最高設備で高品質」

清掃点検の目的は?

産生ロゼ障故

世界一流の設備と品質

 にせねば!

徹底改善再発ゼロにしようよ!

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設問4 TPM発足前に紹介された、設備生産性 日/米・独比較

   137.77   172.99

   6,352   3,987

  8,752  6,897

  日  米

  食品

    55.00    92.55

  17,681   8,610

  9,724  7,969

  日  米

  製紙

    46.61   129.12   153.19 

  20,384   7,861   4,498

  9,501 10,151  6,891

  日  米 西独

 総合化学

   130.09   373.22   453.26

   6,250   2,272   1,421

  8,131  8,281  6,183

  日  米  独

 四輪車

    35.42    97.49    62.44

  25,545   9,230   8,768

  9,048  8,998  5,474

  日  米  独

 普通鋼

A/B:設備装備率

    (%)

B,資本装備率  (千円/人)

A,労働生産性  (千円/人)

  国  業種

 下の表はTPM(Total Product Maintenance)が日本で盛んになる10年も以前(1978年)に、当時のJMA十時会長が日本の生産性について問題を提起した内容であり、この解析がTPM活動の推進に大きく

影響を与えた内容である。では、当時、何が、問題を大きく指摘した内容か?について解析して下さい。

記載欄

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設問5  設備稼働率の定義

下に代表的な設備稼働率の定義を例示します。個々の定義の利用目的を解説して下さい。

稼働率

=実働時間/スケジュール上の時間

3,稼働率

設備機器総合有効生産力

= ローディング待つ×総合設備効率

・ローディング=実働時間/実時間

 実時間は24時間、365日。実働時間は

企業が暦上でスケジュールした稼働時間

2,TEEP:設備機器総合有効生産力

(Total effective equipment performance)

総合設備効率=稼働率×性能×品質

・稼働率=実稼動時間/スケジュール上       の稼動予定時間

・性能=現状速度/性能上の速度

・品質=良品率/全生産量

1,OEE:総合設備効率

(Overall equipment Effectiveness)

   利用目的の記入欄         解説稼働率定義の例

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設問6ー1

 設備故障ゼロ化対策は、過去、GE社などが、苦労しながら突発故障→予防保全→改良保全→保全予防という形で進めてきた経緯があるが、各項目の狙いを簡単に説明してください。

記載欄

歴史に学ぶ、故障ゼロ対策とステップ

設問6-2 強制劣化

記載欄

 TPMでは設備故障ゼロ対策の初段に設備5Sを実施するが、この対策は『強制劣化』対策を促す対策だが、では、自然劣化と強制劣化の差と共に、故障の主要因となる内容を示して下さい。

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設問7 原子力タービン爆発事故 下に記載した内容は04年に起きた美浜原子力事故の状況でが、重要管理が必要だった配管が破裂、2004年8月11日に死者4名を含む死傷者11名を出した、という残念な事件だった。この例を分析して問題発生のメカニズム解析をして

下さい。

制御棒

 原子炉圧力容器

燃料

加圧機

一次系

原始炉格納容器

発電機

二次系

蒸気

冷却用海水

復水器

事故に至る3つの問題① 当初のM重工が記載したメンテナンス

   基準から項目脱落していた② メンテナンス請負企業日本A社が27年間

   チェックせずに点検作業をしていた。③ 日本A社は、‘03年4月に対象を発掘  11月に関電に伝えたがそのまま放置

  された。

M重工は日本A社に‘99年4月と、’00年8月の2回、文書で、「美浜原発3号機の配管は点検した方がよい。」と伝えていた。

日本A社は、年数の似た別の配管を点検したが、特に問題が

無いので放置した。

 「反省、放置すべきでなかった。」10mmの鉄板が報道は1.4mmだが、0.9mmだったことが判った。

 「反省、放置すべきでなかった。」10mmの鉄板が報道は1.4mmだが、0.9mmだったことが判った。

14年で配管は寿命に至る計算だった。

記載欄

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 FTA+FMEAによる弱点分析の進め方

設問8-1  FMEAの利用による設備故障減対策 下表はFMEA( Failure Mode and Effects Analysis):故障モード解析として有名なFMEAです。では、

この種の解析を設備故障ゼロ対策にいかに生かしてゆくか?具体的な利用方法を例示して下さい。

システムサブシステム 機器

 対策致命度       影響故障モード機器名

①解析対象製品  をよく理解する システム:○○○

②信頼性ブロック図で 解析レベルを合わせる 

③ブレーンストーミング 法などで抽出する

④FTAの最下位にまで分解して、最上位に与える

  影響が最も大きい機器を抽出する

⑤致命度評価をして 影響度を把握する

⑥信頼性対策案を  提示・評価~抽出へ

記載欄

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設問8-2  FTA利用術 FTA(Fail Tree Analysis)はFMEAと共に設備故障の弱点部を評価~検討する上で有効な手段であるため、多くの企業で活用されてきました。では、図に示したFTAを実務でどのように活用するか?利用法

を解説して下さい。

 フォークリフトを用いたFTA解析の例

フォークリフトの 故障率3,31%

3.31=0.7+0.01+0.6+2.0

ブレーキの故障率0.01%

タイヤの空気抜け 0.6%

フォークリフトの 故障率2.0%

油圧の故障率 0.2%

前輪の空気抜け 0.3%

後輪の空気抜け 0.3%

電気系統の故障率  0.5%

前輪のブレーキ故障率 1.0%

後輪のブレーキ故障率 1.0%

パンク0.1%

チューブ不良0.2%

パンク0.1%

チューブ不良0.2%

電気系統故障0.5%

ガス切れ1.0%

エンジントラブル0.5%

フォークリフト上下不良0.7%

ORゲイト:片方が故障すると動かなく

なることを示す。故障率は足し算する

AND回路:片方が故障

 しても何とかなる。故障率 はかけ算で行う

記載欄

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故障・不良ゼロステップのスピード化

優良企業の先例に学ぶ「愛三工業に見る故障ゼロ生産」

 モデル機を定め、徹底的な改善により故障ゼロ対策を図ることは、まだ、設備故障に悩む企業では未来のモノづくりの理想を現場に実現させる対策という意味で極めて重要な対策となる。そこで、このような場合、故障ゼロ生産へ向けて、下に示した項目をどのように順序づけ(手順化)して、早期に故障ゼロ生産を実現すべきか?手順化と主要対処内容の記載をお願いします。

設備5S対策

MTBF分析を用いた

故障を出さない対策

不良・故障を出さない現場で行う小改善

日々対策(日々点検を通した小故障対策)

設備点検の順守

【手順化の対象項目】 記入欄

信頼性工学の適用による機構の改善

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常識とされているが、間違った設備稼働~評価の見直し

設問9   設備対策には長期の故障記録が必要か? これはA社におけるS氏とN氏の議論、一種のBath-Tub曲線利用法の議論である。そこで、「スピード故障ゼロ生産実現!」という見地から判定をお願いしたい。なお、S氏は先ごろA社に定年と共に転任した

方であり、大手企業で長年に渡り設備故障の記録を付け、その分析から、保全期間を決め、現場に指示してきた。また、Nさんは、若くして管理者になった方であり、設備には詳しくないが製造現場では、多くの改善を精力的に進めてきた方である。では、両者の議論を紹介することにする。 「Nさん、設備の故障対策がうまくいっているか否かは、長年の記録を利用することが基本です。そのためには、まず、故障記録を克明に取って行く必要があります」「Sさん、それは一理ですが、では、故障対策はいつからスタートさせるのですか?」「3年は、まず、この設備の状態を記録して、どこが、どの程度故障

するかを、この詳細な記録用紙に記録した後で決めます。」「記録が先で、明らかに故障してきた過去の問題も改善しないのですか?」「そうです。私が赴任してきたからには、自分の記録しか信じません。医者も同じです。人の記録、否、今までのような簡単な記録では何も出来ません。そこで、この様式で、記録を取ってから対策となります。」「Sさん、この方式ではお金と年月が掛かりすぎます。年間に、現在、3億円

もの修理費用を使っています。記録より、手のつく点に手を打って行くべきです。」「Nさん。そのような想定に基づく対策では、間違った手を下す危険があります。」「だが、Sさん、故障の事実は、たとえ過去の記録内容が貧弱でも、事実なのですから、また、設備ご専門家であり、あなたが、機構やメカニズムを解析すれば、可能なはづです。要は、信頼性工学を利用すれば。今でも問題個所の撲滅はできるはずです。当然、このためには、類似の設備や、このメーカーからの情報収集を行いますが、3億円を3年使って当工場の設備の故障発生を待つより、この対策の方が得策です!」「Nさん、それは、頭の理論です。私は大手T社でやってきたやり方を通します。・・・」と、いう状況だが、さてこの判別と、その理由は?

記載欄

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保全記録の例

保全目標の達成管理

 8

設備有無と耐用年数確認

 7

改良保全記録

 6

修理報告書

 5

MTBFの記録

の解析

 4

定期点検記録表

 3

給油・増し締めなど記録

 2

日常点検表

チェックシート

 1

責務担当部署        解 説  活用目的の例記録の名称運用の目的No.

空欄を埋めて下さい。

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3,設備KYTによる不具合要因の早期発見                       ~対策の進め方

 日々活動と共に進める故障を出さない設備KYT設問10  設備改善戦略ガイド

 設備の保全、点検~改造には、取り組むべき多くの要件がある。では、この種の実践を例に、①突発故障対策,②PMと日常管理,③故障履歴と利用,④定期点検・修理,⑤設備小改善,⑥シャットダウン時の大修理、⑦新規投資による設備革新や変更を戦略的に展開する方式を図化して下さい。  【生まれ変わったPM体験】ある装置メーカーの取り組み A社では「運転マンの手で24時間故障なし生産を達成しよう」という職場方針を5年前に策定し、効果的な

活動成果をあげた。内容は自主保全だが、当時の設備は古く,点検個所は多く、とても少人数の保全の手に終えない対象だった。保全マンが修理するが、再発する。そこで、運転マンが保全技術を身につける対策で故障ゼロ生産を図り、更なる展開へ向けることが、当時の取り組みだった。まず、1人ひとりを保全組に派遣して、溶接、切断、部品の製作・・・・故障診断などの知識と技能を学んでいった。その結果、かつては、電気工事や配管工事などを自分の手でこなすようになっていったが、この対応で、設備は大きく改善され、故障低減だけでなく、点検サイクルの延長、点検整備の容易性など多くの改善と共に、設備の性能発揮が進んだ。だが、こうして進化を遂げた設備も、やがては、現在の技術革新にはかなわない状況になり、1年前に新設備への更新となった。過去、この種の対応は受身的、設備導入後に苦労しながらの対応だったが、今回は、設計仕様検討段階から我々の参加となった。久々の大投資だったが、今までの経験や知見が全て反映された設備は、過去の問題が全く無く、しかも、現在は順調に稼動中である。

記載欄(記入用紙は追加をお願いします。)

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4,設備点検の適正化とアラーム対策

故障・不良ゼロに貢献度が低い設備点検の見直し

故障ゼロ・最適設備生産目標の設定

総合力を結集して不具合個所を改善する!

残余の故障発生個所を計測して分析~問題発生に関与する事実把握を図る。

事実情報を基に原因の究明を図る対策を 進める

新たな故障ゼロ実現のチャレンジを進める

各種の設備記録をとる。

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設問11 点検簿のあり方記載欄

 下に記載した点検簿はある企業で活用されてきた例である。だが、設備故障低減にはあまり役立っていない状況である。そこで、もし、この種の点検簿を利用して設備故障対策の一手段として有効活用する場合、どのように改善すべきか?改善点を記載して下さい。

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設問12  PM留学

 設備に詳しい人づくりは、設備の故障対策だけではなく、人が持つ能力の育成、提案・想像力の増強~設備に詳しいという自信の強化と共に、企業人として働く現場関係者の生き甲斐づくりの面でも大きな経営対策課題のひとつである。そこで、この種の対策としてPM留学という、集中的に行う教育方法について、

現在まで運用されてきた各種の研修(人材育成内容)を例示して、解説をして下さい。

記載欄

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5,まとめと、Q&A

メモ欄