調査研究事業等の成果(h26年度churashima.okinawa/userfiles/files/page/ocrc/h26-chusakenkyuseika.pdf ·...
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沖縄県は、県民の参画と協働のもと、概ね2030年のあるべき沖縄の姿を描き、「沖縄21世紀ビジョン」を定めています。 県民から寄せられた意見を集約し、目指すべき5つの将来像を定めていますが、その1番目は「沖縄らしい自然と歴史、 伝統、文化を大切にする島」です。 財団は、沖縄の動物・植物、歴史文化に関する調査研究、技術開発、普及啓発事業を行うことを定款に定め、 成果は沖縄の環境保全、産業振興、公園管理へ活かしています。県民の願う将来像の実現のためには不可欠な 活動を行っており、他に例を見ない組織です。 以下に、平成26年度の成果を中心に紹介します。詳細は、総合研究センターのサイトにありますので、どうぞご覧ください。 沖縄の自然や歴史文化を調査研究し、学術・産業・公園利用に還元していく公益性の高い唯一の専門家集団として、地域や社会の期待に応えられるよう、これからも取り組みます。
調査研究事業等の成果(H26年度)
ホーム>財団の主要事業
(1)調査研究事業等 1)亜熱帯性動物(海洋生物)に関する調査研究・技術開発 ① ウミガメに関する調査研究★ ② ザトウクジラに関する調査研究★ ③ イルカ類に関する調査研究★ ④ 魚類等に関する調査研究★ ⑤ 造礁サンゴ類に関する調査研究★ ⑥ 海藻・海草類の調査 ⑦ 沖縄科学技術大学院大学(OIST)との「科学・学術に 関する基本協定書」を締結 2)亜熱帯性植物に関する調査研究・技術開発 ① 沖縄における緑化樹木剪定に関する調査研究 ② 沖縄における生物を活用した循環共生型の都市緑化 等の推進に関する調査 ③ 熱帯性植物の導入及び生育特性、肥培管理に関する 調査研究 ④ 希少植物等に関する調査研究★ ⑤ 農・園芸業に関する技術開発★ ⑥ 花・緑コーディネーター認定事業 ⑦ 海洋博公園における小動物調査 ⑧ 沖縄国際洋蘭博覧会を開催 ⑨ 沖縄県農林水産部と「園芸農業の振興に関する協定」 を締結★ 3)首里城等に関する調査研究・技術開発 ① 琉球王国時代の文化財(美術工芸・歴史資料)の収集★ ② 琉球王国時代の文化財等に関する復元調査と製作★ ③ 博物館等に収蔵される琉球関係資料およびコレクション の調査研究 ④ 御座楽衣装復元に向けた色材調査 ⑤ 国宝尚家文書(那覇市所蔵)複製本作成 ⑥ 首里城尚家関係者ヒアリング調査 ⑦ 江戸上り関連資料整理調査業務 ⑧ 御後絵国王肖像画の復元に関する調査研究★ ⑨ 琉球楽器楽曲調査業務 ⑩ 漆塗装に関する調査研究★ ⑪ 首里城公園友の会との連携事業 ⑫ 定時案内の実施 ⑬ 大型の琉球関係展覧会への対応 ⑭ 普及書や企画展図録等の刊行 ⑮ 首里城普及啓発番組 ⑯ 沖縄県立芸術大学と「包括的連携協定」を締結
概要
4)海洋文化に関する調査研究・技術開発 ① 海洋文化に関する有識者懇談会★ ② 「海洋文化館」案内解説ガイドの作成★
(2)普及啓発事業 1)一般市民を対象にした普及啓発事業 ① 美ら海自然教室、美ら島自然教室★ ② 美ら島・美ら海こども工作室 ③ 一般・専門家向け講習会・講演会★ ④ 緑化植物の管理運営に関する技術向上の支援等 ⑤ 海洋博公園等の受託・管理運営施設での普及啓発 の実施 ⑥ ウミガメ放流会やイルカ・マナティーに関する学習 ⑦ ウミガメや鯨類の環境学習会★ ⑧ 新興真菌感染症治療及び起炎菌同定検査の指導 ⑨ イルカ用人工尾びれ作成指導等 2)小学校等、学校教育と連携した普及啓発事業 ① 通年学習プログラム★ ② 短期学習プログラム★
(3)沖縄地域への連携事業 1)NPO法人や研究者等の活動への支援 ① 環境保全活動支援エコクーポン事業★ ② 沖縄美ら島財団 助成事業 2)県内マスコミ等の教育活動への支援 ① 沖縄こども環境調査隊★ ② 新報サイエンスクラブ★ 3)当財団と連携協定等の連携を行っている団体(一覧)
・死亡漂着 ・定置網で混獲されるアカウミガメの分析 ・本部沖にてアカウミガメの交尾行動確認
・うみがめニュースレターに掲載(7編) アカウミガメの交尾期 稀種発見(オサガメ、ヒメウミガメ) 右肢欠損アカウミガメの産卵記録 など ・標識放流(200個体、平成26年度)
(1)調査研究事業等
①ウミガメに関する調査研究
<産卵調査> ・ウミガメ協議会や調査ボランティアの方々と連携し調査を実施 (財団は本部半島等を担当)
<漂着・回遊・洋上調査>
産卵調査の様子
・精液採取技術の確立、Chelonian Conservation and Biology誌に掲載
・雌タイマイの性成熟年齢やサイズの特定、Zoo Biology誌に掲載
・雌タイマイの発情期の特定、Zoological Science誌に掲載
・排卵および産卵誘起技術の確立、Current Herpetology誌、Zoological Science誌に掲載
アカウミガメの交尾(伊江島沖)
海洋博公園や備瀬地区はウミガメ産卵地として重要 (過去に希少種であるタイマイの産卵も確認)
過去の再捕獲歴 アカウミガメ : アメリカ カリフォルニア沖、メキシコ冲など (アカウミガメの太平洋横断説の実証)
1)亜熱帯性動物(海洋生物)に関する調査研究・技術開発
世界初の人工授精成功に向けて大きく前進
1990~現在にかけて 大型化、性成熟個体の増加、オスの割合増加
60例(アオウミガメが80%) 平成26年度実績
(映像記録、沖縄島周辺で 2例目)
産卵数:80回程度 (昨年度より60回程度減少、平成26年度 本部半島)
海洋博公園や備瀬地区の産卵が多い
<タイマイの人工授精技術に関する調査> ※日本大学等との共同研究
12編の科学論文に掲載(平成26年度実績)
人工授精の様子
北太平洋のアカウミガメの回遊ルート (幼体から亜成体)
緊急保護されたヒメウミガメ(平成26年度)
②ザトウクジラに関する調査研究
<沖縄近海での個体識別調査>
再 識 別:25頭 新規識別:67頭
<漂着調査> 一致個体:102頭
<ホエールウォッチング事業者との連携強化>
個体識別に用いる尾びれ写真 洋上調査
「沖縄ザトウクジラ会議 ~ウォッチングに活かせる鯨情報~ 」 ・昨年度に引き続き今回で2回目 ・沖縄中南部ホエールネットワークとの共催 ・沖縄島や座間味島事業者14社、54名参加 ・財団研究成果の発表と鯨類に関する知識普及
沖縄ザトウクジラ会議の様子
漂着したザトウクジラの胎仔
漂着したザトウクジラは 沖縄本島で初記録となる胎仔
③イルカ類に関する調査研究(1編の科学論文に掲載/平成26年度実績)
<ミナミバンドウイルカの個体識別調査>
三重大学、奄美クジラ・イルカ協会(共同で実施) 101個体を識別
<繁殖技術構築のための調査・観察>
ミナミバンドウイルカ ・血液検査による性ホルモン値の季節変動確認 ・精液採取
<南西諸島における鯨類生息域調査>
バンドウイルカ ・妊娠個体の血液学的基礎データ蓄積 ・出産後の母仔の行動観察
ミナミバンドウイルカ の採血
バンドウイルカの母仔 (生後7日目、授乳の様子)
座 礁 : コマッコウ(1例1種)
死亡標本 : オガワコマッコウ、コビレゴンドウなど(7例6種)
今までに約1300頭の個体識別(1990年~)
<健康管理技術の開発>
今まで12頭の繁殖に成功 (5頭生存、平成26年度現在) ⇒個体名リュウ:27年(日本最長飼育記録)
・飼育イルカの外科手術に関する論文がAquatic mammalに掲載(平成26年度) ⇒ 国内外の研究機関や水族館から技術指導の依頼(アンダーウォーターワールドシンガポール等) ・フジの人工尾鰭プロジェクト ⇒ 飼育イルカの健康管理のリハビリテーション概念が取り入れられた日本初の事例 ⇒ 国内外の研究機関や水族館から技術指導の依頼(フロリダ大学等)
沖縄海域への来遊頭数: 年間約1000頭と推定(統計解析による推定)
<回遊調査> ・沖縄近海での個体識別数
・沖縄と他海域との照合(奄美、沖永良部、北海道)
平成26年度
④魚類等に関する調査研究
魚類に関する6編の原著論文が「PLOS ONE」等の学術誌に掲載
標 本 貸 与 11件
研究センターの標本収蔵庫
<学術標本コレクションの構築と調査研究活動>
<外部研究者との学術交流>
来 訪 調 査 12件 標本写真撮影の様子
・硬骨魚類や軟骨魚類の分類学的研究等の調査研究活動
・板鰓類研究に関する研究者座談会の実施
板鰓類研究に関する研究座談会の様子
・県内の魚類研究者によるシンポジウムの実施
県内の魚類研究者によるシンポジウムの様子 (2日間38名)
・本部町水産業協議会に参加し、地元漁業の活性化にむけた連携を促進 ・LED集魚灯を用いた活餌トラップの開発を実施
<漁業関係者との連携強化>
<沖縄周辺の海洋生物相に関する研究 >
・沖縄周辺の魚類多様性関する研究および標本収集を実施
・琉球大学や東大大気海洋研と共同で沖縄の汽水域に分布するサメ類の調査研 究を実施
・魚類の初期生活史に関する研究を実施
・千葉県立中央博物館との魚類のメタバーコーディングに関する共同研究を実施
<大型板鰓類の繁殖生理学的研究 >
・理研CDBとの板鰓類の血液トランスクリプトーム解析に関する共同研究を実施
・千葉県立中央博物館と魚類のメタバーコーディングに関する共同研究を実施
・ジンベエザメやマンタの成熟や性周期に関する内分泌学的研究を実施
沿岸での稚仔魚採集の様子
<海洋博公園内のヤシガニに関する研究 >
・8年間にわたり分布の北限にある公園内個体群の調査を実施
・126例の再補例による成長量などのパラメータに基づく数値モデルにより成長を解析
海洋博公園内で発見されたヤシガニ
・リュウキュウアユ等絶滅危惧種の保全に資するための基礎研究と普及活動
リュウキュウアユ放流会の様子
ヤシガニに関する2編の原著論文が「Zoological Science」等の学術誌に掲載
・琉球大学等と連携し、自然史博物館シンポジ ウム開催
・約5万点の魚類標本や組織標本のデータベース化と公開
・魚類研究者の学術調査および標本利用のサポート実施
平成26年度
カツオ漁業向け活餌トラップ
国内外の多くの研究機関と連携し、魚類に関する様々な共同研究を実施
国営公園として約40年間、自然環境を保全したことが、生態解明に繋がった
・調査結果をデータベース化、ホームページで公開 http://sango.churashima.okinawa/monitoring/
サンゴ礁モニタリング調査風景
⑥海藻・海草類の調査
標本作成
海藻標本作成風景
口頭・ポスター発表(1回)
講習会・講座(2回 沖縄大学等)
<サンゴや海藻調査の結果>
財団HPに掲載
<公園地先のサンゴ礁・ウミトサカ類の保全管理調査>
子供向け冊子(英語版)の作成
<造礁サンゴの繁殖研究と増養殖技術の開発>
英語版ウェブサイト作成・公開
造礁サンゴの増殖
⑤造礁サンゴ類に関する調査研究
子供向け冊子(英語版)「サンゴ礁ってなぁに?」
海藻のはなし英文ウェブサイト作成・公開
海洋博公園周辺のサンゴ礁生態系の保全に資する調査研究を実施
・長期モニタリング調査 (現在25年目)を実施し、サンゴ群集の変化を観察
・造礁サンゴ類の保全のため、繁殖メカニズムの研究を実施
http://sango.churashima.okinawa/en/ http://kaisou.churashima.okinawa/en/
サンゴ群集の緩やかな回復を確認 (被度の増加、白化回復)
株分けによる無性生殖サンゴを増養殖することにより、水槽での 持続的展示を実現
平成26年度実績
⑦沖縄科学大学院大学(OIST)と「科学・学術に関する基本協定書」を締結(平成25年9月)
沖縄海域における自然生態系の解明や保全に対応するため、研究活動あるいは人的交流等を促進する
協定書に関するOISTとの共同記者会見
<目的>
・共同研究の促進 ・ 研究員等の交流促進
<連携事項>
海洋博公園沖に設置されたOISTの海洋観測機器
四半世紀にわたる長期モニタリング等、様々な学術貢献がOISTとの協定締結に繋がった
①沖縄における緑化樹木剪定に関する調査研究
沖縄に生育する緑化樹木の開花期やシュートの伸長時期等、生育特性に関する調査を実施し、沖縄における景観樹、緑陰樹として良好な状態で管理する手法を検討
剪定試験の様子
②沖縄における生物を活用した循環・共生型の都市緑化等の推進に関する調査
・秋冬の開花時期
・ミツバチ訪花状況、糖度、蜜量調査
沖縄に自生する蜜源植物の特性について調査
ミツバチの 訪花特性の把握
蜜量の把握
・蜜量調査
・糖度
③熱帯性植物の導入及び生育特性、肥培管理に関する調査研究
2004年にベトナムから導入した3品種を肥培管理
<ドリアンの開花結実に関する調査>
・出葉数、落葉数、着葉数の計測調査
肥培管理中のドリアン
・生殖成長へ転換させるための水分ストレス調査
初の出蕾を確認
<熱帯花木調査>
<熱帯野菜、ハーブ類の生育特性調査>
・ヒカンザクラ、ヒメサザンカ等の開花特性調査
・既存の島野菜、ハーブ類の確認 111種
・未導入品種の栽培調査 23種
ドリアン(開花確認)
ハーブ類の生育特性調査 ヒカンザクラの 開花調査
緑化樹木剪定に関する普及用冊子の製作
蜜源植物図鑑(未配布)の内容充実を図り、普及用 冊子を製作
開花期コントロール等の実現
沖縄の伝統的島野菜・ハーブ類の活用推進、 新品種導入による農業振興への寄与
2)亜熱帯性植物に関する調査研究・技術開発
肥培管理技術の向上により沖縄県の 農業振興に寄与
講演・講習会を開催し、知識の普及啓発を図る
都市緑化の推進
講演・講習会、教室の開催などを通して蜜源植物を活用した花と緑の景観形成や環境保全に寄与
④希少植物等に関する調査研究
<各種調査>
イリオモテムヨウラン調査(菌学会ポスター発表 抜粋) 久米島調査の様子
約120種の位置情報、絶滅危機状態、個体数等の記録
約70種の絶滅危惧種・5種の新産種確認
<希少種の標本作成等>
・沖縄の絶滅危惧植物オリヅルスミレの立体アクリル標本のサンプル製作・展示
オリズルスミレ立体アクリル標本サンプル(海洋博公園内で展示)
熱帯ドリームセンターで行われた「沖縄の貴重な植物展」等での展示
・イリオモテムヨウランの菌根菌相を明らかにし、分布の原因を解明
・沖縄諸島産希少植物の自主調査(久米島、伊是名島調査)
・沖縄県版レッドデータブック改定に伴う補足調査(沖縄島、大東諸島、西表島、宮古諸島等調査)
ヒメネズミノオ ※久米島・伊是名島で新産記録
沖縄県版レッドデータブック2006年発刊に記載された絶滅危惧種植物の自生地とその環境、絶滅危機状況を調査
・種子を採取して増殖・栽培技術について知見を集積
報告書・論文等による発表、展示会・講習会で紹介、外部委員会で保護保全の提言 遺伝資源や生態系、生物多様性の保全に寄与
沖縄の希少な植物について知識の普及啓発を実施 「沖縄の貴重な植物展」:パネル(調査の成果を活用:生態写真・自生状況・地域の 保護保全の取り組みについて取材情報)、増殖株の展示等
日本菌学会にてポスター発表
・環境省事業 国内希少野生動植物の新規指定候補に関する有識者としてヒアリングに対応、リスト案作成 ・IUCNレッドリスト掲載候補種に観する有識者としてヒアリングに対応、リスト案作成のための作業
遺伝資源や生態系、生物多様性の保全
・絶滅危機状況の知見集積と保護保全策の検討
⑤農・園芸業に関する技術開発
・ドラセナ・コルジリネ 5品種
・新規花卉作物を作出し、沖縄の農業振興を図る 千葉大学との共同研究(約10年間)により新品種の作出
・ベゴニアの園芸品種作出
交配により葉模様の特色を活かした個体獲得
31,000本の苗を生産
頂芽の無菌化に成功
「ちゅららシリーズ」2品種の登録
「ちゅららシリーズ」
組織培養の様子
⑥花・緑コーディネーター認定事業
平成26年度 7名を認定 H16-H26年度 総合計120名を認定
花・緑コーディネーター認定事業の様子
都市緑化の推進、緑に関する知識の普及啓発を目的に実施
<パイナップル優良品種の組織培養による大量増殖法技術の確立>
培養苗生育状況
新品種の普及に係る時間短縮が可能となる
沖縄県の農業振興に寄与
苗の安定供給が可能となる
<絶滅危惧種リュウキュウベンケイを用いた新品種の作出>
希少種を用いることにより生物多様性の保全に関する普及啓発を図る
<沖縄にのみ自生するベゴニア属コウトウシュウカイドウの活用>
培養苗
地域の緑化活動のリーダー育成に寄与
海洋博公園において、チューリップの鉢植えボランティアを行った。
菊に次ぐ沖縄の有力な園芸種として、県との 協定に繋がった
<目的> 当財団が有する熱帯果樹や花卉類の肥培管理技術・増殖
技術を活かして、沖縄県の園芸農業の振興を図る。
⑧沖縄国際洋蘭博覧会を開催
国内外から多数の出展 ラン 27,353点の展示
沖縄国際洋蘭博覧会の様子
ランを活用した展示
⑨沖縄県農林水産部と「園芸農業の振興に関する協定」を締結
「沖縄県・沖縄美ら島財団連携推進協議会」を設置
沖縄県農林水産部と 「園芸農業の振興に関する協定」 を締結
熱帯果樹及び熱帯花卉の栽培・増殖の技術開発 種苗供給体制を構築
今後は・・・ 沖縄県と園芸農業の振興に関する協定を締結
⑦海洋博公園における小動物調査
海洋博公園内に生息するチョウ類、甲虫類等昆虫類の小動物調査を行った。
・ラインセンサス法、ライトトラップ法等による調査を実施
11目 52科82種の昆虫類が確認された
熱帯ドリームセンターにおける「沖縄の貴重な昆虫展 ~わくわくドキドキ昆虫の世界を体験しよう!~」にて標本展示 フタオチョウ
沖縄版RDB準絶滅危惧種 フタオチョウ(沖縄県指定天然
記念物)とオキナワキリギリスを確認
調査結果を環境教育へ活用
展示会へは国内外のラン関係者からの出展があり、普段では見られない 多種多様なランの花を見ることができる。
ランに関する講演会や展示、教室などを開催し、知識の普及啓発を図る
地域連携ブースを設けて観光案内や特産品の栽培なども実施
毎年2月上旬に海洋博公園で開催される国内最大規模のランの展示会を実施。
3)首里城等に関する調査研究・技術開発
①琉球王国時代の文化財(美術工芸・歴史資料)の収集 琉球王国崩壊及び沖縄戦で散逸した文化財の収集と保管・活用
②琉球王国時代の文化財等に関する復元調査と製作
琉球王国最古の絵画等、3件3点の県指定文化財を含めた285件517点を所蔵
戦争で焼失した文化財の調査研究を行い、復元製作した扁額を首里城の展示に活用
中国第一歴史档案館(国立公文書館にあたる機関)と 連携して調査研究し製作した
285件517点を収集
白澤之図(沖縄県指定文化財) 皇帝御書扁額
<琉球国王印の復元調査と製作>
琉球国王印
<首里城正殿に掛けられていた中国皇帝御書扁額復元調査と製作>
<尾張徳川家所蔵品の復元調査と製作>
尾張徳川家伝来資料を保管する徳川美術館と東京文化財研究所と連携し琉球楽器の復元を行った
復元した朱漆花鳥七宝繋沈金密陀絵御供飯
・琉球楽器の復元調査と製作
・朱漆花鳥七宝繋沈金密陀絵御供飯の復元調査と製作
尾張徳川家伝来で徳川家康遺品、琉球漆器として最初の国指定重要文化財となった資料の復元を徳川美術館と連携を行いながら実施した
復元した琉球楽器
・首里城正殿で国王と家臣が酒を飲みあった儀礼道具の復元を目指す ・琉球王国時代の製作技術の復元まで視野に入れた調査業務
<首里城正殿三御飾道具の復元調査研究と製作>
首里城公園の展示の充実
一旦途切れた琉球漆芸文化の復活による 新たな工芸文化のブランド化
首里城正殿三御飾道具
④御座楽衣装復元に向けた色材調査
⑤国宝尚家文書(那覇市所蔵)複製本作成
染織資料等25点を判別
古文書等760冊を複製
・染織資料に使用されている色材がどのような有機染料・鉱物顔料を使用しているかを判別する調査
各種調査研究や利用者への閲覧に活用
<ベルリン国立民族博物館琉球関係染織資料の調査研究>
「ベルリン国立民族博物館所蔵琉球・沖縄染織資料調査報告書」の刊行
萬野裕昭コレクション調査報告書の刊行
色材調査の様子 国宝尚家文書の複製本作成
<萬野裕昭コレクション漆芸資料の調査研究>
琉球王国時代の祭祀や戦前の建造物等の有り様 を記録した報告書を刊行
徳川将軍に派遣された江戸上りの琉球使節団の 往復路にある関係史跡を、パソコン上で閲覧できる CD-ROMを作成
⑥首里城尚家関係者ヒアリング調査
⑦江戸上り関連資料整理調査業務
江戸上り ~琉球使節の足跡を 訪ねる~CD-ROM
首里城尚家関係者ヒアリング 調査業務報告書
⑧御後絵国王肖像画の復元に関する調査研究
・御後絵に関する基礎調査 ・首里城公園友の会が東京芸大と連携して御後絵本紙を復元 ・展示のための表装具に関する調査研究、製作
第18代尚育王の御後絵を完成させ、一般公開を開始
現在、第17代尚灝王の御後絵製作について調査中
第18代尚育王の御後絵
③博物館等に収蔵される琉球関係資料およびコレクションの調査研究
福建師範大学と連携し中国第一歴史档案館に眠る琉球関係公文書の発掘および出版
清代中琉関係档案選編史料集
<清代中琉関係档案選編史料集の出版>
・ベルリンに眠る琉球・沖縄コレクションのうち、染織資料の調査報告 を行った。
・琉球漆器のコレクターであった萬野裕昭氏のコレクションを収集し、調査を行った。
中国側の文献史料にみえる楽曲等と、現在の福州・台湾等で行われている伝統楽器の演奏から琉球楽器の楽曲調査を行った。
⑨琉球楽器楽曲調査業務
琉球楽器楽曲調査業務報告書 「清代福州の音楽状況 -琉球への影響-」 の刊行
⑩漆塗装に関する調査研究 ・天然の沖縄の原材料を用いながら、往時の漆塗装技術の復元を行う。 ・安定的な首里城内建造物の塗り直し技術の確立。
伝統的な漆塗装技術の復元
一旦途切れた琉球漆芸文化の復活による新たな工芸文化のブランド化
安定的な首里城内建造物の塗り直し技術の確立
⑪首里城公園友の会との連携事業
個人会員1,000名 法人会員40社程度が活動に参画
首里城公園友の会の見学会の様子
⑯沖縄県立芸術大学と「包括的連携協定」を締結
沖縄県立芸術大学と包括的連携協定を締結
<目的> 地域の課題に適切に対応し、活力ある個性豊かな地域
社会の形成と発展に寄与する
<連携事項> ・ 両者が有する知的資源、人的資源および物的資源の 活用に関すること ・ 両者が共同で実施する事業
首里城公園友の会に助成を行い、地域住民とともに首里城公園の利用促進を実施。
毎日6 回、首里城有料区域で歴史衣装を着用した案内員が首里城の歴史文化・建造物の解説を入館者を案内しながら実施。
定時案内の案内員
⑫定時案内の実施
⑭普及書や企画展図録等の刊行 ・児童向けの「なぜなぜ首里城」 ・周辺史跡を学習できる首里城周辺史跡マップ等 ・首里城南殿・黄金御殿で実施した企画展の図録
首里城や琉球・沖縄史の学習に利用
児童向けの首里城普及書 企画展図録
・那覇市等と共催し、北京故宮博物院所蔵の琉球関係資料の展覧会を 世界で初めて開催。 ・韓国古宮博物館が主催する琉球関係特別展への展示指導や収蔵品の 貸し出し、図録執筆、講演会への講師派遣を実施。
⑬大型の琉球関係展覧会への対応
⑮首里城普及啓発番組:風に吹かれて首里城めぐりのラジオ放送
首里城の歴史文化に関する知識を財団の調査研究成果を踏まえて毎週 ラジオ放送し普及啓発を行う。放送内容はポッドキャスト配信により全世界 へ首里城の知識の普及啓発を図る。
(2)普及啓発事業
④緑化植物の管理運営に関する技術向上を促すための支援等
幅広い年代の市民を対象とし、亜熱帯性動植物や海洋文化についての学習機会を提供するため、 ニーズに合わせた各種教室を開催。
⑦ウミガメや鯨類の環境学習会
⑥ウミガメ放流会やイルカ・マナティーに関する学習会
イルカ用人工尾びれ作成指導 (尾びれを装着させる様子)
マナティー学習会
H26年度実績 国内外水族館(4箇所)
⑧新興真菌感染症治療及び起炎菌同定検査の指導
⑨イルカ用人工尾びれ作成指導等
美ら海自然教室 「サンゴ礁の磯観察」
1)一般市民を対象にした普及啓発事業
H26年度実績 合計59件、延べ 2,226名
H26年度実績 合計 85 件、延べ5,201名
①美ら海自然教室、美ら島自然教室 対象:親子、こども向け 内容:野外観察や実験などの体験を通した亜熱帯性動植物の学習機会を提供
③一般・専門家向け講習会・講演会 対象:調査研究に携わる研究者や学生、専門的業務就業者、一般市民向け 内容:亜熱帯性動植物や海洋文化等の調査研究成果を交えた、専門的かつ 学術的な内容での学習機会を提供
②美ら島・美ら海こども工作室 対象:親子、こども向け 内容:自然素材や廃品を利用した工作を通し、沖縄の自然環境や文化につい て親しむ学習機会を提供
⑤海洋博公園等の受託・管理運営施設での普及啓発の実施
H21-H26年度 総合計289件、 延べ8,997名が参加
①海洋文化に関する有識者懇談会
②「海洋文化館」案内解説ガイドの作成
海洋文化館の展示解説用 「案内解説ガイド」
海洋文化に関する有識者懇談会
4)海洋文化に関する調査研究・技術開発
今後の海洋文化についての調査研究や海洋文化館の 運営管理の在り方について助言を頂いた
海洋文化館のリニューアルに関わった有識者 (沖縄、オセアニアの民俗、音楽、船舶、航海術等)による懇談会の実施
展示内容に ついて、一般から研究者までの幅広い利用者 からの質問や関心に対応できる海洋文化館のガイドツアー スタッフ用の手引書を作成した
平成26年度 実施校3校 名護市、本部町、宜野座村内小学校各1校 合計162名
源河川での生き物観察
2)小学校等、学校教育と連携した普及啓発事業(やんばる環境学習)
ウミガメ飼育実習
実験教室
①通年学習プログラム
地域の小学校や教育委員会と連携し、小学校3~6年生を対象とした環境学習プログラムを実施。 年間通して学習を行うことで、地域の自然環境について興味関心を持つ児童を育む
<ウミガメから学ぶ環境学習>
平成19年度より本部町、平成26年度より名護市内で事業を開始し、小学校と連携したウミガメを きっかけに地域の自然や環境について学ぶ環境学習プログラムとして実施 対象:小学校3~6年生 実施回数:平均8回/年程度 内容:・ウミガメの生活史について解説(5月) ・砂浜環境調査(6-7月) ・ウミガメ飼育実習(9-2月) ・まとめ学習、合同発表会(3月) ・標識放流(翌年度7月)等
本部町内)平成26年度 小学校3校、3~4年生55名に実施 ※H19-26年度 総実施校数4校 うち3校が5年以上継続実施/総参加数353名
名護市)平成26年度 小学校2校、4年生、6年生147名に実施
<川の生き物教室>
平成24年度に事業を開始し、名護市内小学校と連携して地域の川の環境や生き物について学習 実施回数:4~5回程度 内容:・川の生き物に関する講演 ・リュウキュウアユについて ・野外観察会
②短期学習プログラム
沖縄県内の小学校等における環境学習、総合的学習の時間を支援し、小学校1年生~小学校6年生を 主な対象に、海の生き物を通した環境学習を実施
内容:・講 演 沖縄のウミガメ 海の危険生物 ・野外観察 イノーの生き物観察会 ・実験教室 有孔虫の観察 など
実施回数:各1~2回程度
名護市)平成26年度 小学校1校、4年生18名を対象に実施 ※H24-26年度 総参加数54名
平成26年度 ポスター発表1回
発表練習
これまでの実施校数 11校(小学校9校、中学校2校) 地域:那覇市、うるま市、恩納村、宜野湾市、名護市等 総参加数:約200名
②沖縄美ら島財団 助成事業
①環境保全活動支援エコクーポン事業
平成26年度 5団体が利用 総配布数 918枚
H20-26年度 総助成件数66件
エコクーポン
<平成26年度 助成事業> 助成採用件数:5件 「西表島浦内川に遡上するオオメジロザメの生態・行動・生理学的調査研究」 「沖縄周辺に生息する熱帯性ナマコ類の産卵期の周年解析」 「南西諸島における陸生・陸水生カメ類の分布変遷」 「宮古島黒小豆(ササゲ)の遺伝資源の保全と伝統食文化の継承に関する研究」 「琉球列島におけるサンゴ礁漁撈文化とその潜在力に関する研究」
<動植物研究会> 助成研究により得られた成果を外部へ広く公表し、沖縄における調査研究や産業振興等の発展に活か すため、助成研究終了者を招集し、動植物研究会を開催。
海岸清掃や赤土流出対策等に対し、エコクーポン (沖縄美ら海水族館入館引き換え券)の進呈により、 水族館での更なる学習機会を提供。
実践例 ・北部地域における海岸清掃活動 ・畑等からの赤土流出防止のための 植栽活動 等
(3)沖縄地域への連携事業
財団の調査研究、技術開発、普及啓発事業の成果は、離島を含む沖縄地域の発展の基礎となっています。 さらに、県内の様々な学校、NPO、市民、企業などが、沖縄の自然や歴史文化に関する様々な調査研究、普及啓発、 人材育成等に取り組む活動を、財団は沖縄地域への連携事業として支援し、その活動目的の実現を支えています。 これらの取り組みは、沖縄の振興や発展には不可欠で重要なものと考えます。
H20-26年度 利用団体 全37団体 累計配布数 9,051枚
沖縄の自然や歴史・文化等に関する調査研究・技術開発および普及啓発活動について、公募助成金により 活動の助成を行うことで、研究者、地域、市民と連携した事業を展開。
動植物研究会
1)NPO法人や研究者等の活動への支援
海岸清掃活動の様子(支援活動実績報告書より)
3)当財団と連携協定等の連携を行っている団体(一覧)
・沖縄県農林水産部「園芸農業の振興に関する協定」 ・沖縄県立芸術大学「包括的連携協定」 ・沖縄科学技術大学院大学(OIST)「科学・学術に関する基本協定書」 ・国立大学法人琉球大学(予定)
平成26年度 ・8名の隊員を選出 ・沖縄島での事前学習と石垣島視察 ・サンゴ保全についてのシンポジウム実施
①沖縄こども環境調査隊
H21年度開始 H21-26年度/総参加数67名
こども環境調査隊 発表の様子
H23年度開始 H23-26年度/ 総参加数374名 新報サイエンスクラブ発表の様子
平成26年度 ・31件(小学生20件、中学生11件)の研究助成 ・フォローアップセミナーと研究発表会の実施 ・研究期間中のフォローアップ対応(8件)
小中学生の「科学の芽」を育み、環境の重要性や沖縄の自然環境への 関心を高めるとともに、将来の自然
科学の研究者や環境学習・教育の指導者等、次代を担う人材の育成を目的に実施。
沖縄の小中学生が、環境問題の現場を実際に訪ねて調査し、新聞を中心としたマスメディアでの紹介やシンポ
ジウム開催等により、情報を発信する。「環境について自ら考え、行動する力を向上させる」ことを目的に実施。
※琉球新報社主催、財団共催
※沖縄タイムス社主催、財団共催
2)県内マスコミ等の教育活動への支援
②新報サイエンスクラブ