Download - 【UDC2015】ソリューション 110 osm
OpenStreetMapでハザードマップを作ってみました!
自由な自由な
OpenStreetMap Fukushima
美里町の美里町の
OpenStreetMap FukushimaについてOpenStreetMap Fukushimaについて
● 福島県内を中心にOpenStreetMapの地図作成活動を行っている有志団体
● 各地でのマッピングパーティー(現地調査)の開催
● 地図作成講習会の開催● オープンなストリートビュー「Mapillary」への貢献
● Etc..
思い立ち思い立ち
平成26年に会津若松市がOpenStreetMapをベースにしたハザードマップを全戸配布
● 素晴らしく先進的な自治体によるオープンデータ活用事例!
● 会津全域に広げたい!
OSMFukushimaで独自のハザードマップを作ろう!
まずは隣の会津美里町から!まずは隣の会津美里町から!
会津美里町
会津若松市
©OpenStreetMap Contributors
理想のハザードマップとは理想のハザードマップとは
OSMは自由に配布できる!>コスト削減=隅々まで配布できる
GISで柔軟に自由に地図が作れる!>足りない情報はどんどん追加>利用者がオリジナルマップの作製できる
詳細なOSMなら家も一軒一軒見える!>安全性の向上
OSMは誰かが作らなければ真っ白・・会津若松市は建物が網羅されているが、では美里町はどうか
それならば自分で描くしかない!
かなり何もない状態
OSMの充実具合OSMの充実具合
かなり何もない状態
自分で建物を描くしかない!自分で建物を描くしかない!
建物作成は航空写真を一軒一軒なぞる地道な作業。
自由なハザードマップのためには頑張るしかない!
建物描きました!建物描きました!
取組前作成分:約4,300軒↓↓↓
今回の取組後:約18,200軒市街地はまだしも農家集落は並びもバラバラで描くのが大変!しかし頑張りました。 ~要約するとすごく頑張ったのです。~
帰宅後、夜な夜なの作業で約14,000軒を書き上げました!ものすごく大変でしたが頑張りました。美里町とオープンデータのために!
作業開始時点で道路は一見そろっているように見えました。
実際にはデータが古いものでした。● 道路がない● 形が違う● 家や田んぼの中を道路が
通ってる!これでは自宅周囲の避難路を見つけることもできません。
使えるハザードマップにするには道路も見直すしかない!(泣
道路も描かなければ道路も描かなければ
道路も描きました!道路も描きました!
航空写真をと見比べながら一本一本ラインを追加修正する地道な作業。
田園部はいいものの市街地や農村部は見えにくい細い路地や入り組んだ形の路地が多くすごく大変。
しかし美里町とオープンデータのために頑張りました!
~要約するとすごく頑張ったのです。~
地図ができました!地図ができました!
しかしハザードマップの作製はこれから。そしてここからがOSMの真骨頂です。
©OpenStreetMap Contributors
ソースデータのダウンロードソースデータのダウンロード
ハザードマップをより精細なものにするには、OSMのソースデータをダウンロードする必要があります。
そして、ソースデータが入手できる地図はOSM以外にはありません。
©OpenStreetMap Contributors
ソースデータは線形データで出来ているため、どこまで拡大しても粗くならない地図が作製できます。
ソースデータは何がいいのか?ソースデータは何がいいのか?
見た目を自由にデザインできます。
>道路や建物の色を自由に設定できるのはもちろん、技術があれば水彩画のような地図を作製することもできます。
ソースデータは何がいいのか?ソースデータは何がいいのか?
水彩画風
宇宙要塞風
今回のハザードマップ作製では、ソースデータが利用できるというOSMの利点を活かし、道路と建物だけのシンプルな地図をベースに、その他の情報を際立たせるデザインを施します。早速GISにデータを取り込んでみました。
ソースデータから地図を作製ソースデータから地図を作製
次に災害情報を国土数値情報ダウンロードサービスから入手します。
● 土砂災害危険個所情報
● 浸水想定区域
災害情報を入手災害情報を入手
国土数値情報から入手できるデータもまたソースデータです。GISに取り込み、自由に配色を施すことができます。
災害情報をGISへ災害情報をGISへ
次に避難所を配置します。データは美里町の地図サービスや防災計画をもとに作製しました。
また、隣接する会津若松市の避難所を同市のオープンデータから追加しました。
災害情報をGISへ災害情報をGISへ
避難所のアイコンは国土地理院の資料を元にLibreOfficeの作図機能で作製しました。
アイコンは手作りですアイコンは手作りです
避難所情報を町から入手避難所情報を町から入手
作成した美里町のデータは、町の許可を得た上で、会津若松市のオープンデータサイトData4Citizenで公開しました。
等高線の追加等高線の追加
変換前変換後
等高線も作製します。国土地理院のサイトから標高点データを入手し、GISの機能で等高線に変換します・・・していましたが。
地理院由来のデータは測量法の制限から配布に届け出が必要。自由に配布とは行きません。
そこで、NASAがスペースシャトルエンデバーで測量した地形データから等高線を作成しました。詳細度は落ちるが十分利用可能。
赤線:NASA緑線:地理院
完成!完成!
完成!完成!
3D版も作製しました。3D版も作製しました。標高点データを基にハザードマップを3D化しました。土砂災害危険個所を立体的に把握することができます。https://db.tt/txPrOQxK
タイルサーバーも構築・・過程ですタイルサーバーも構築・・過程です
今回の成果今回の成果
● ハザードマップ(2D・3D)の作成
● OpenStreetMap美里町の建物・道路の全体整備● 美里町公共施設のオープンデータ化● 配布制限のない等高線の作成
課題課題
● 河川浸水域データ(国土交通省 国土数値情報)は印刷物の配布はできるが、データ自体の再配布ができない※今回作成した地図の原本データをそのまま配布することはできない
完全に自由な地図を作るにはオープンデータのさらなる推進が必要です。
まとめまとめ
OpenStreetMapは自由に使える地図として認知されていますが、無料で資料に貼り付けできる地図、という程度にとらえられる事が多いように感じられます。
しかしOSMの自由さの本質は、ソースを入手できるという点にあります。
自治体や個人が地図を自由に入手し、自由にデザインし、自由に形作り、足りないものがあれば自由に追加する。
このサイクルが私たちの間に定着すれば、きっと素晴らしい地域づくりにつながると思います。
ありがとうございました。ありがとうございました。