dog market trends 2013
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DIGITAL MONKEYS
Report
2013/03/13 DIGITAL MONKEYS
Taichi Ishino
~ Dog market trends in Japan (2013) ~
DIGITAL MONKEYS
Contents
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
(1)犬のトレンド (2)生体購入意思決定にかかる要素分解 (3)理想的な在犬ポートフォリオ
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テーマ:在犬ポートフォリオに関する考察
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JKC犬籍登
録頭数 MIX推定
(1)犬のトレンド
ペット関連の市場規模は、(株)矢野経済研究所に よれば、緩やかな上昇トレンドで微増の様相(*1) であるが、こと生体市場に関して言えば、楽観視で きない現状がある。グラフ1-(1)は、国内最大の血統 書発行団体である社団法人ジャパンケネルクラブ (JKC)の犬種別犬籍登録頭数(*2)と、国内ペット保 険最大手であるアニコム損害保険株式会社の人気 犬種ランキング(*3)を筆者にて加工したものである。 2007年以前のMIX犬の頭数に関するデータが無く、 参照可能な2008年以降に(血統書が発行されない) MIX犬の推定値を代入し、犬籍登録頭数の推移を 「MIX推定」として併記した。 そして、このグラフが明示する通り、MIX犬を含めた 疑似的犬籍登録頭数のトレンドにおいても、生体 の犬籍登録頭数(≒出産数)は下降トレンドにある。
なお、MIX犬の推定方法は、各年毎のJKCとアニコム損保の人気三犬種(トイプードル、チワワ、ミニチュア・ダックス) の比率からJKCにおけるMIX犬の(疑似的)犬籍登録頭数をそれぞれ割出し、人気三犬種の平均値をJKCにおける MIX犬の犬籍登録頭数に相当する推定値として導出した。2013年以降の予測には、直近3年のトレンドに対し、 2012年:2011年:2010年=5:3:2の重みとする加重平均法にて導出している。
また、この下降トレンドについては、一般社団法人ペットフード協会における全国犬猫飼育実態調査(*4)の中でも、 犬における今後の飼育意向が下降トレンドであり、当面の基調であると考えられる。 このように、国内市場における生体のトレンドは、少なくとも供給サイドの視点から見れば、2003年をピークに減少を 続けており、そのような大局の中にあって、犬種別にはどのような傾向が見られるのか、次に見ていくこととする。
< グラフ1-(1) 犬籍登録頭数の推移 >
【出所】JKC犬籍登録頭数およびアニコム損保人気犬種ランキングを筆者にて加工
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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グラフ1-(2)は、前述の筆者加工データと同様の方法 により、犬種別に直近3ヶ年の犬籍登録頭数(MIXは 推定)を示したものである。 直近3ヶ年の傾向として、上位10犬種は次のように グルーピングできる。 ①増加傾向 トイプードル、柴 ②横ばい MIX犬、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、シーズー、 マルチーズ、フレンチ・ブルドッグ ③減少傾向 チワワ、M・ダックス なお、ここではペットショップ店舗における在犬バラ ンスの理想モデルを考察することが目的であるから、 上位11位以降の犬種トレンドの増減を論じない。 グラフ1-(2)で示した犬種別増減トレンドを基に、 2013年における犬種別の犬籍登録頭数ベスト50+MIX犬の予測値をパレート図の形式によりグラフ1-(3)で示すこと によって、本紙で上位11位以降の犬種トレンドに対して深く考察しない理由としたい。 では、ここまで見てきた過去の趨勢から、2013年における理想的な在犬バランスを導き出してよいものだろうか。 次に、顧客が購入意思決定を行う上で関わる要素を加味し、考察をより深めることにする。
(1)犬のトレンド
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80,000
90,000
100,000
トイ・プードル
チワワ
M・ダックス
MIX 柴
ポメラニアン
ヨークシャー・テリア
シー・ズー
マルチーズ
フレンチ・ブルドッグ
ミニチュア・シュナウザー
ゴールデン・レトリーバー
パピヨン
カニヘン・ダックス
ウェルシュ・コ-ギ-・ペンブロ-ク
ラブラド-ル・レトリ-バ-
パグ
ジャック・ラッセル・テリア
キャバリア・キング・チャールズ・ス…
ミニチュア・ピンシャー
ボーダー・コリー
ビーグル
ペキニーズ
シェットランド・シープドッグ
イタリアン・グレーハウンド
2010
2011
2012
< グラフ1-(2) 犬種別 犬籍登録頭数3ヶ年比較 >
【出所】JKC犬籍登録頭数およびアニコム損保人気犬種ランキングを筆者にて加工
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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80,000
90,000
100,000トイ・プードル
チワワ
MIX
M・ダックス
柴
ポメラニアン
ヨークシャー・テリア
シー・ズー
マルチーズ
フレンチ・ブルドッグ
ゴールデン・レトリーバー
ミニチュア・シュナウザー
カニヘン・ダックス
パピヨン
ウェルシュ・コ-ギ-・ペンブロ-ク
ラブラド-ル・レトリ-バ-
ジャック・ラッセル・テリア
パグ
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
ミニチュア・ピンシャー
ボーダー・コリー
ビーグル
ペキニーズ
シェットランド・シープドッグ
ビション・フリーゼ
イタリアン・グレーハウンド
ボストン・テリア
アメリカン・コッカー・スパニエル
バーニーズ・マウンテン・ドッグ
ブルドッグ
スタンダード・プードル
シベリアン・ハスキー
ドーベルマン
日本スピッツ
グレート・ピレニーズ
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
狆
ボルゾイ
ウィペット
ノーフォーク・テリア
フラットコーテッド・レトリーバー
ジャーマン・シェパード・ドッグ
秋田
グレート・デーン
甲斐
イングリッシュ・コッカー・スパニエル
ボクサー
セント・バーナード
ダルメシアン
ワイアー・フォックス・テリア
ワイマラナー
2013
構成比_累積
(1)犬のトレンド < グラフ1-(3) 2013年 人気犬種ランキング50 + MIX犬_パレート図 >
【出所】JKC犬籍登録頭数およびアニコム損保人気犬種ランキングから筆者にて作成
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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(2)生体購入意思決定にかかる要素分解 2013 2014 2015 (構成比)
トイ・プードル 91,791 86,570 81,646 24.91%
チワワ 57,838 54,548 51,446 15.70%
MIX 27,271 25,720 24,257 7.40%
M・ダックス 26,677 25,160 23,729 7.24%
柴 25,551 24,097 22,727 6.93%
ポメラニアン 15,370 14,496 13,671 4.17%
ヨークシャー・テリア 12,778 12,051 11,366 3.47%
シー・ズー 9,348 8,817 8,315 2.54%
マルチーズ 8,774 8,275 7,804 2.38%
フレンチ・ブルドッグ 7,374 6,955 6,559 2.00%
ゴールデン・レトリーバー 7,354 6,936 6,542 2.00%
ミニチュア・シュナウザー 7,245 6,833 6,444 1.97%
カニヘン・ダックス 6,475 6,107 5,759 1.76%
パピヨン 5,784 5,455 5,145 1.57%
ウェルシュ・コ-ギ-・ペンブロ-ク 5,739 5,412 5,104 1.56%
ラブラド-ル・レトリ-バ- 4,575 4,315 4,069 1.24%
ジャック・ラッセル・テリア 4,250 4,008 3,780 1.15%
パグ 4,138 3,903 3,681 1.12%
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 3,368 3,176 2,996 0.91%
ミニチュア・ピンシャー 3,158 2,978 2,809 0.86%
ボーダー・コリー 3,017 2,846 2,684 0.82%
ビーグル 2,870 2,707 2,553 0.78%
ペキニーズ 2,829 2,668 2,517 0.77%
シェットランド・シープドッグ 2,388 2,252 2,124 0.65%
ビション・フリーゼ 1,807 1,704 1,607 0.49%
イタリアン・グレーハウンド 1,701 1,604 1,513 0.46%
ボストン・テリア 1,664 1,569 1,480 0.45%
アメリカン・コッカー・スパニエル 1,543 1,455 1,372 0.42%
バーニーズ・マウンテン・ドッグ 1,501 1,416 1,335 0.41%
ブルドッグ 1,259 1,187 1,120 0.34%
スタンダード・プードル 804 758 715 0.22%
シベリアン・ハスキー 775 731 689 0.21%
ドーベルマン 583 550 519 0.16%
日本スピッツ 543 512 483 0.15%
グレート・ピレニーズ 538 508 479 0.15%
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア 522 492 464 0.14%
狆 499 471 444 0.14%
ボルゾイ 441 416 392 0.12%
ウィペット 421 397 374 0.11%
ノーフォーク・テリア 388 366 345 0.11%
フラットコーテッド・レトリーバー 359 339 319 0.10%
ジャーマン・シェパード・ドッグ 347 327 309 0.09%
秋田 327 309 291 0.09%
グレート・デーン 327 308 291 0.09%
甲斐 326 307 290 0.09%
イングリッシュ・コッカー・スパニエル 297 280 264 0.08%
ボクサー 279 263 248 0.08%
セント・バーナード 241 227 214 0.07%
ダルメシアン 237 223 210 0.06%
ワイアー・フォックス・テリア 226 213 201 0.06%
ワイマラナー 209 197 186 0.06%
368,454 347,497 327,732
< 表1-(1) 犬籍登録頭数の予測 >
表1-(1)は、これまで見てきた参考データを基に筆者が 今後3年の犬籍登録頭数(MIXは推定)の予測を行った ものである。 この構成比に基づけば、例えば、犬舎数25のペット ショップにおける在犬バランスは表1-(2)のようになり、 普段、町で目にするようなペットショップの在犬バラン スとは少し違和感のある結果となる。
【出所】JKC犬籍登録頭数およびアニコム損保人気犬種ランキングから筆者にて作成
犬舎数 25
頭数 ROUND 調整 調整後 トイ・プードル 6.2 6.0 6.0
チワワ 3.9 4.0 4.0 MIX 1.9 2.0 2.0 M・ダックス 1.8 2.0 2.0
柴 1.7 2.0 2.0
ポメラニアン 1.0 1.0 1.0
ヨークシャー・テリア 0.9 1.0 1.0
シー・ズー 0.6 1.0 1.0
マルチーズ 0.6 1.0 1.0
フレンチ・ブルドッグ 0.5 1.0 1.0
ゴールデン・レトリーバー 0.5 0.0 1 1.0
ミニチュア・シュナウザー 0.5 0.0 1 1.0
カニヘン・ダックス 0.4 0.0 1 1.0
パピヨン 0.4 0.0 1 1.0
ウェルシュ・コ-ギ-・ペンブロ-ク 0.4 0.0 0.0
ラブラド-ル・レトリ-バ- 0.3 0.0 0.0 21.0 4.0 25.0
< 表1-(2) 犬舎数25のペットショップにおける在犬バランス >
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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(2)生体購入意思決定にかかる要素分解
先に見たような机上の論理が必ずしも現場の論理と一致しない理由として、消費者の生体購入意思決定にかかる 要素を確認しておく必要性がある。 まず、下図によって消費者の生体購入意思決定プロセスを確認する。
来店 生体 選定
個体 説明等
見積 購入
< 図1-(1) 消費者の生体購入意思決定プロセス>
上図プロセスの①にあたるキッカケ、また、②での需要喚起を想像した場合、14種の犬種から目的の犬種を 探すより、16種または20種の中から、たとえ結果が同じ運命の赤い糸に引かれようとも、より多くの種の中から 目的の犬種を選定したいのが人の性である。 小売業界で言えば、ユニクロのカラーの抱負さ等は、その好例であろうし、やはりキムタクはSMAPの中にいてこそ 映えるのであって、KINKIやタッキー&タクヤであってはならないのである。 そのようなことを踏まえ、前述の表1-(2)のモデルは机上論であって、実務的にはトイプードルが2~4頭減となり、 W・コーギーやラブラドール・Rが在犬として格上げされるべきであろう。 そして、ここまでは犬種という変数を一つだけで論じる一次元の単純モデルとして在犬バランスを扱ってきた。 しかしながら、前述の通り、消費者はワガママを言う生き物であり、サービス提供者はその個別の要求事項に 応えていくことが重要である。 次は、より実態に即した在犬バランスへと昇華すべく多次元データに基づいた在犬ポートフォリオの構築に チャレンジすることとする。
① ② ③ ④ ⑤
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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(2)生体購入意思決定にかかる要素分解
来店 生体 選定
個体 説明等
見積 購入
< 図1-(2) 消費者の生体購入意思決定プロセスの要素分解>
① ② ③ ④ ⑤
バラエティ ボリューム 来店距離 性別 カラー 価格
上図(図1-(2))は、先に見た図1-(1)における①および②の決定要素を分解して例示したものである。 先に述べた多次元データの介在とは、まさにこのことを指しており、これを定量化することが個人の頭の中では 極めて難しく、またこの情報を扱ったデータは、いくらGoogle先生が優秀であったとしても、入手困難である。 つまり、ここまで見てきた外部データとペットショップ各社が有する内部データとを組み合わせることによってのみ、 理想的な在犬ポートフォリオが構築できると筆者は考える。 さて、このように書いてみせると「逃げたな」という批判が聞こえてきそうなので、具体的にどのようにデータを収集、 分析することによって解が導き出されるのか、以降の思考実験を例とし、一つの数理モデルを考えてみたいと思う。
外部情報
内部情報
理想モデル
input
input
output
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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(2)生体購入意思決定にかかる要素分解
ペットショップの店長である太郎君は、理想的な在犬バランスを考える上で、顧客が子犬を家族として迎える際、 生体の種類の他、性別や毛色にもこだわりを持つ顧客が存在することから、どのくらいの顧客が何に感心を持ち、 それが子犬を家族として迎えるのにどのくらいの影響を及ぼすのか生体を購入した顧客全員にアンケート調査を 実施することを考えた。 早速、店長の太郎君は、スタッフの花子さんにアンケート調査の提案をしたところ、花子さんから前向きな回答を 得ると共に、その際、来店のキッカケにも影響を及ぼしそうな「犬種のバラエティ」や「展示頭数のボリューム」に ついても併せて調査できるようにアンケート票を作ってはどうか と追加提案を受け、集客に結び付く要素も調査できるようアン ケート票の作成に着手し、図1-(3)のアンケートを作成した。 調査を始めてから約1週間後、7組の顧客から有効回答を 得ることに成功し、結果は表1-(3)のようになった。
アンケート 1.ご来店のキッカケや、当店をどこでご存知になったのか、 教えてください。(複数回答可)
□(1)犬種のバラエティ □(2)展示頭数のボリューム
□(3)自宅・職場が近い □(4)買い物などの立ち寄り
□(5)当店を前から知っていた □(6)HPを見て
□(7)口コミ □(8)その他( )
2.当店で子犬を迎えるにあたり、満足度を教えてください。
(0)総合満足度 (1)子犬の性別 (2)毛色 (3)月齢 (4)価格 (5)探していた犬種 (6)犬種の特徴(小型・大型等) (7)ひと目ぼれ (8)性格(おとなしい等) (9)スタッフの接客 (10)その他( )
5 1 4 3 2
高 低
< 図1-(3) アンケート例>
アンケートを お願いします!
男の子を探して たんだよなぁ…。
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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①集客要因 a b c d e f g
1-(1) 1 1 0 1 1 1 0
1-(2) 0 0 1 1 1 0 1
1-(3) 1 0 0 0 1 0 1
1-(4) 0 1 1 0 0 0 0
1-(5) 0 0 0 1 0 1 1
1-(6) 1 0 0 1 0 1 0
1-(7) 0 0 1 0 0 0 0
1-(8) 0 0 0 0 1 0 1
②購買決定要因
a b c d e f g
満足度 5 5 4 5 4 4 5
2-(1) 4 4 3 5 4 4 5
2-(2) 4 4 4 5 4 3 4
2-(3) 3 3 3 3 2 4 3
2-(4) 4 4 4 5 3 4 4
2-(5) 4 4 3 4 4 3 4
2-(6) 3 3 3 4 3 3 4
2-(7) 4 4 5 5 4 4 4
2-(8) 4 3 3 4 4 3 3
2-(9) 4 4 3 4 4 3 3
(2)生体購入意思決定にかかる要素分解 < 表1-(3) アンケート結果>
さて、データの収集結果を次のように分析する。 ①集客要因については、度数分布の状態を ヒストグラムで見ていくことにする。②購買決定 要因では総合満足度に与える9つの要因との 相関係数を確認することで、満足度への影響の 大きさを確認する。 ①集客要因の分布 グラフ1-(4)の通り、犬種のバラエティや、展示 頭数のボリュームが集客要因に一定程度、 寄与していることが確認できた。
0
1
2
3
4
5
6
71-(1)
1-(2)
1-(3)
1-(4)
1-(5)
1-(6)
1-(7)
1-(8)
< グラフ1-(4) 集客要因の分布_ヒストグラム>
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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(2)生体購入意思決定にかかる要素分解
②購買決定要因 表1-(4)の通り、「探していた犬種」および 「子犬の性別」において強い相関がある ことが確認され、次いで「犬種の特徴」、 「毛色」、「価格」についても中程度の相関 があることが確認できた。 ※相関係数は次の値をとる。 -1 ≦ r ≦ 1
a b c d e f g 相関係数(r)
満足度 5 5 4 5 4 4 5 -
2-(1) 4 4 3 5 4 4 5 0.645
2-(2) 4 4 4 5 4 3 4 0.540
2-(3) 3 3 3 3 2 4 3 0.000
2-(4) 4 4 4 5 3 4 4 0.540
2-(5) 4 4 3 4 4 3 4 0.730
2-(6) 3 3 3 4 3 3 4 0.548
2-(7) 4 4 5 5 4 4 4 -0.091
2-(8) 4 3 3 4 4 3 3 0.167
2-(9) 4 4 3 4 4 3 3 0.417
< 表1-(4) 総合満足度に対する各項目の相関係数>
さて、ここまで見てきたとおり、外部から調達可能なビッグデータと、内部データを組み合わせることにより、 はじめて多次元データをバックボーンとした理想的な在犬ポートフォリオを構築することが可能であること分かった。 では、最後に、筆者が考える理想的な2013年における在犬ポートフォリオとはどのように編成されるべきであるか、 考察を深めることにする。
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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(3)理想的な在犬ポートフォリオ
なおまだ、二つの重要な変数が欠けている。
その一つは、「柴」「秋田」「甲斐」などに代表される日本犬に関する先のデータが、市場の需要を正確に捕捉できて いないことだ。市場に流通する日本犬の血統書は、JKCだけではなく日本犬保存会もマジョリティである。しかし、 日本犬保存会の公式HPやWikipediaなどを閲覧してみても、血統書の発行データを見つけることが本紙作成時点で できなかった。したがって、筆者は便宜上、当該団体のデータを無視して、ここまで論じており、その推定値を何らか の方法(例えば、先に筆者が試みたようなMIX犬の推定方法等)によって、導出する必要性があり、先に見たランキ ングは大きく変動するものと考えられる。 二つ目の重要な変数、そして、こちらの方がもっと重要であり、戦略的な位置づけからすれば、最も重要な変数と 考えるが、それがこれまで見てきた算出方法から抜け落ちている。それは、ペットショップ経営者の意思である。 時々刻々と移ろう顧客の購買心理をキャッチアップするのは、過去の趨勢から描かれる軌道の延長線上に存在 するものではなく、それは不連続な点の集合体であると筆者は考える。 つまり、成熟した市場環境において、どのようなコンテキスト(文脈)を紡ぎながら、消費者に自社のアピールポイント を訴求していくのか。その上で、在犬ポートフォリオをどう組むかということを考えることが今後ますます重要になっ てくることだろう。それは冒頭の生体総量におけるトレンドが示唆していることからも言えると考える。
数理モデルから一つの解を導き出すことは、今の世の中、さほど難しいこととは思えない。本当に難しいことは、 クオンツなど数学のスペシャリスト達が寄って集って作り上げたサブプライム・ローン問題が示唆するように、 マネーゲームに酔狂することなく、社会が望むサービスの提供に邁進することであると筆者は考える。 ゆえに、筆者が考える理想的な在犬ポートフォリオの構築方法を以下に図示することで本考察を終える。 「邪悪になるな!」(*5)それがデータを扱う者の責務であり、それを忘れない範囲においてデータは有用なのかと。。
Vision 定義
戦略策定 データ収集 データ分析 理想的在犬 ポートフォリオ
組成
テーマ:理想的な在犬ポートフォリオに関する考察
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参考文献
*1 株式会社矢野経済研究所 ペットビジネスに関する調査結果 2012 【URL】http://www.yano.co.jp/press/press.php/001047
*2 社団法人ジャパンケネルクラブ 犬種別犬籍登録頭数(1~12月) 2001年~2012年 【URL】http://www.jkc.or.jp/modules/publicdata/
*3 アニコム損害保険株式会社 人気犬種ランキング 【URL】http://www.anicom-sompo.co.jp/breed/
*4 一般社団法人ペットフード協会 平成24年 全国犬猫飼育実態調査 【URL】http://www.petfood.or.jp/data/chart2012/index.html
*5 Google U.S. Public Policy - Transparency 【URL】http://www.google.com/publicpolicy/transparency.html
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