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1 J オーナーズマニュアル 1100S / 1100

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オーナーズマニュアル

1100S / 1100

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Ducati モーターサイクルをお買い上げ頂き、ありがとうございます。貴方をドゥカティストの仲間として迎えるのは、私共にとって何よりもの喜びです。 新しいモーターサイクルを日常的に利用されるだけではなく、ロングツーリングも楽しまれることと思います。Ducati モーターホールディング社は、そのライディングが常に快適で楽しいものであるよう願っています。私共は、常にアフターサービスの改善に努めていますが、その努力の一環として、お客様にこのマニュアルに記載された正しい使用方法、特に慣らし運転の項を順守していただくようお願い致します。 そうすることにより、Ducati モーターサイクルは、あなたの要求にいつでも応え、 高のライディングがいつも楽しめることでしょう。修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、Ducatiオフィシャルディーラーにご連絡下さい。

楽しいライディングを!

注意Ducati モーターホールディング社は、本マニュアルの

記載条項に誤りなどに対し、いかなる責任も負うものではありません。 ここに記載されている情報は、印刷の時点において 新のものです。 Ducati モーターホールディング社は、製品を改良、発展させていくために必要とされる、あらゆる変更を行う権利を保有します。

あなたの安全のため、そして保証の有効性、Ducati モーターサイクルの信頼性、価値を保全するため、Ducati オリジナルパーツのみをご使用下さい。

警告本マニュアルは車両の一部とみなされ、車両を売却す

る際に、常に新しい所有者に渡さなければなりません。

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目次

はじめに 6保証について 6シンボルマーク 6安全運転のための注意 7

大積載時の運転 8識別データ 10

運転に必要なコマンド 11コマンド類の配置 11インストルメントパネル 12LCD の主な機能 14LCD -パラメータ設定 /表示 16イモビライザーシステム 35コードカード 36イモビライザーの解除作業 37キーの複製 39イグニッションスイッチ / ステアリングロック 40左側スイッチ 41クラッチコントロールレバー 42右側スイッチ 43スロットルグリップ 43フロントブレーキコントロールレバー 44リアブレーキコントロールペダル 45

ギアチェンジコントロールペダル 45ギアチェンジペダルとリアブレーキペダルの配置調整 46

主要構成部品 / 装備 48車両上のポジション 48燃料タンクキャップ 49シートの開閉 50小物入れトランクの開閉 51サイドスタンド 52フロントフォークアジャスターの調整 53リアショックアブソーバーアジャスターの調整 55リアビューミラーの調整 56車高の調整 (1100S) 57

運転のしかた 59慣らし運転の方法 59走行前のチェック 61エンジンの始動 62車両の発進 64ブレーキング 64車両の停止 65パーキング 65燃料の補給 66アクセサリー 67

主な整備作業とメンテナンス 68フェアリングの取り外し 68ブレーキ / クラッチ液レベルの点検 70ブレーキパッドの摩耗点検 72

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接続部の潤滑 73スロットルグリップの調整 74バッテリーの充電 75トランスミッションチェーン張力の点検 76トランスミッションチェーンの潤滑 77ヘッドランプ電球の交換 78リアターンインジケーターランプ電球の交換 80ナンバープレートランプ電球の交換 81ヘッドランプの光軸調整 82チューブレスタイヤ 84 エンジンオイルレベルの点検 86スパークプラグの清掃と交換 87車両の清掃 88長期間の不使用 89重要注意事項 89

メンテナンス 90定期メンテナンスプログラム:ディーラーが実施する作業 90定期メンテナンスプログラム:オーナー自身が実施する作業 93

テクニカルデータ 94全体寸法 (mm) 94重量 94燃料補給 95エンジン 96タイミングシステム 96性能データ 97スパークプラグ 97

燃料供給 97エキゾーストシステム 97トランスミッション 98ブレーキ 99フレーム 100ホイール 100タイヤ 100サスペンション 101カラーバリエーション 101エレクトリカルシステム 102

定期点検メモ 107

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はじめに

保証についてあなた自身、また製品の信頼性を保証するために、特に専門的技術が要求される整備作業は、Ducatiオフィシャルディーラーまたはサービスセンターにお委せ頂くよう強くお薦めします。Ducati オフィシャルディーラーの熟練したスタッフが、どのような整備作業も行える適切な器材道具と、完璧な互換性、円滑な作動、ロングライフを保証する Ducati オリジナルパーツのみを使用して、 善のサービスを提供致します。

全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付されています。 車両を競技やそれに類する目的に使用した場合には保証の対象外となります。 また保証期間中に、車両の一部でも Ducati オリジナルパーツでない物と交換したり、改造したり、変更した場合、本社の保証は適用されません。

シンボルマークこのモーターサイクルについてより良い理解を深めるため、当マニュアルをよくお読み下さい。 モーターサイクルについて、不明な点、さらに詳しくお知りになりたい点がある場合には、ご購入先のオフィシャルディーラーにお尋ね下さい。 当マニュアルに記載された情報は、あなたのライディングにきっと役立つことでしょう。Ducatiモーターホールディング社は、快適で楽しいライディングを願いつつ、長期にわたってあなたのモーターサイクルが性能を保つようお手伝いしていきます。 本マニュアルには注意事項として、下記のシンボルマークが使用されています:

警告この説明を順守しなかった場合、重度の負傷および死

亡にまで至る危険性があります。

重要車両ならびに車両構成部品に損傷の可能性がありま

す。

注意作業上の追加注意事項

文中の「右」、「左」の表記は乗車位置から見た場合の表示です。

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安全運転のための注意

警告運転する前に読んで下さい。

多くの事故はほとんど経験不足のために起こります。 走行する際は常に免許証を所持しているか確かめて下さい。期限が有効でお客様のモーターサイクルの運転に適したものが必要です。あなたのモーターサイクルを未経験者、および有効免許証を持っていないライダーに貸さないで下さい。ライダー、パッセンジャー共に常に適した服装、およびヘルメットの着用は義務となっております。視界を制限したり、操作の妨げになるアクセサリーなどがない適切なライディングウエアーを着用して下さい。屋内では絶対にエンジンを始動したり、作動させたりしないで下さい。 排気ガスは有毒で、短時間で意識を失ったり、さらには死亡にまで至る危険性があります。ライダー、パッセンジャー共に、モーターサイクルで走行中は足をフットレストに乗せておいて下さい。急な進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、 常に両手でしっかりとハンドルバーを保持して下さい。パッセンジャーはシート後部サイドを常に両手で保持しなければなりません。走行地域の道路交通法、法律等を遵守して下さい。常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路条件、混雑の割合に合わせて、常に速度を調整して下さい。レーンチェンジする時や曲がる時には、常に適時にターンインジケーターを使用して早めに合図して下さい。良好な視界を保ち、前方の車両の”死角”に入って走行しないようにして下さい。

交差点や、私有地の出口に近い場所、駐車場、高速道路への進入路等を走行する場合は充分に注意して下さい。給油時は常にエンジンを停止し、給油の際、エンジンやエキゾーストパイプにガソリンがこぼれないように注意して下さい。給油時は絶対に喫煙しないで下さい。給油の際に、人体に有毒な気化したガソリンを吸い込む可能性があります。 もしガソリンが皮膚や衣服に付着した場合は、直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えて下さい。車両から離れる場合は、常にキーを抜いて下さい。エンジン、エキゾーストパイプ、サイレンサーはエンジン停止後も長時間高熱を保ちます。

警告エキゾーストシステムは、エンジンを止めた後も熱い

場合があります。手を触れないよう充分注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物のそばに駐車しないようにして下さい。

車両は人や物がぶつからないような場所にサイドスタンドを使用して駐車して下さい。平面でないところや柔らかい地面、および車両が倒れる可能性がある場所には絶対に駐車しないで下さい。

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大積載時の運転この車両は長距離を 大積載時にも安全に走行できるように設計されています。重量をバランス良く配分することは、通常の安全走行に必要な注意事項です。凸凹道を走行したり、急な進路変更を必要とする時のトラブルを避けるために、特に重要です。

積載容量について走行時の全車体重量はライダー、パッセンジャー、荷物、オプションパーツの重量の合計で390 Kg です。

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積み荷は車両の中心に近く、できる限り低い位置に配置するよう努めて下さい。積み荷は車両にしっかりと固定して下さい。積み荷が完全に固定されていないと転倒の原因になります。車両が不安定になりますので、ステアリングヘッドやフロントマッドガード部に、体積や重量のあるものを載せないで下さい。フレームのすき間に絶対に物を挟まないで下さい。可動部分の妨げになる恐れがあります。タイヤが pag. 84 ページで定められた規定空気圧で、また良いコンディションにあることを確かめて下さい。

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識別データすべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー ( 図1) とエンジンナンバー ( 図 2) の 2 つの製造番号で確認できます。

注意これらの番号は車両モデルを識別するもので、部品を

注文する際に必要です。

フレーム N.

エンジン N.

図 2

図 1

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運転に必要なコマンド

警告この章では車両を運転する上で必要な全ての操作類の

機能と配置が詳しく説明しています。操作類を使用する前によく読んで下さい。

コマンド類の配置( 図 3)

1) インストルメントパネル2) イグニッションスイッチ / ステアリングロック3) 左側スイッチ4) クラッチコントロールレバー5) リアブレーキペダル6) 右側スイッチ7) スロットルグリップ8) フロントブレーキレバー9) ギアチェンジペダル

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3

2

9

1

8

7

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5

図 3

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インストルメントパネル ( 図 4)

1) LCD(14 ページ参照 )2) タコメーター (rpm)一分間のエンジン回転数を表示3) ニュートラルランプ N ( 緑 ) ギアポジションがニュートラルの時に点灯します。

4) 燃料レベル警告ランプ ( 黄 ) 燃料タンク内の残量がが約3リットルになった時点で点灯します。

5) ターンインジケーター表示灯 ( 緑 ) ターンインジケーターを ON にすると点灯し、点滅します。

6) エンジンオイル圧警告灯 ( 赤 )エンジンオイルのプレッシャーが低すぎる時に点灯します。イグニッションスイッチを ON にすると点灯し、通常はエンジン始動後数秒で消灯します。エンジン温度が高い時に、場合によって数秒間点灯することがありますが、回転数が上がると消灯します。

重要エンジンに重度の破損をもたらす恐れがあるので、こ

のインジケーター(6)が点灯したままの時には車両を使用しないで下さい。

7) ハイビーム表示灯 ( 青 ) ハイビームが ON の時に点灯します。

8) EOBD ランプ ( 琥珀色 ) エラーがある場合に点灯し、エンジンブロック状態になる事もあります。9) リミッターランプ 800rpm(エンジン回転数)でリミッターに達するまでは連続点灯します。リミッターに達した時点で点滅点灯します。

8

5 3 4 7

9 2 61

図 4

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10) コントロールボタン A および Bパネル上のデータの表示および設定を A “s” および B“t”の 2つのポジションで行います。11) フラッシャーランプボタン ( 図 5)このボタンは通常ハイビーム点滅機能に使用しますが、LAP機能およびインストルメントパネルのUSBコンパレーター用にも使用します。

B

A

10

11

図 5

14

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LCD の主な機能

警告インストルメントパネルでの操作は必ず車両が停止し

ている時に行なって下さい。 運転中にインストルメントパネルの操作は絶対に行わないで下さい。

1) スピードメーター 走行速度を表示します。2) オドメーター 総走行距離を示します。3) トリップメーター リセット後の走行距離を表示します (TRIP)。4) フューエルトリップメーター リザーブに入ってからの走行距離を示します。5) 時計 6) ラップタイム 7) エンジン回転数表示 (RPM) 8) バッテリーテンション表示 (BATT) 9) オイル温度計 エンジンクーラント温度を表示します。

重要温度が 高に達した時は車両を使用しないで下さい。

エンジンを傷める可能性があります。

65

17

432 9 8 10

11

図 6

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10)定期メンテナンス時期警告表示 ( 図 6)定期メンテナンス時期が来た事をインジケーターが点灯して知らせます。Ducati サービスセンターにてメンテナンスを受けた後にディスプレイ上の表示がリセットされます。

11) LAP /USB 機能 ( 図 6)USB コンパレーターおよび LAP 機能中である事を示します。

重要インストルメントパネルによってインジェクション /

イグニッションシステムの診断を行いますが、 このメニューの使用は専門の人に限られています。 誤ってこの機能に入ってしまった場合は、キーを OFF にして、ドゥカティサービスセンターに御連絡下さい。

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LCD -パラメータ設定 / 表示イグニッションキーを OFF から ON にすると、LCD パネル上に1秒間全ての計器が起動し、ランプ類が順番に点灯します。その後、オドメーターの位置にモデルを表示する"通常表示 "に戻り、2 秒間バージョンも表示します (EU、UK、USA、CND、FRA、JAP)。モデルの表示は一度 " スクロール " 表示されます。

CHECK 1 CHECK 2

図 7

17

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キーを ON にするとダッシュボードは以下の情報を常に表示します ( 以前に起動されている機能を OFF にします ):オドメータースピードエンジン回転数

ポジション B “t”のボタン (1、図 8) を使用してオドメーター機能から以下の機能に移る事ができます: トリップ (TRIP)フューエルトリップ ( 起動している時のみ )時計オイル残量 ( エンジン ON 時のみ表示 )その後オドメーター機能に戻ります。

ポジション A “s“のボタン (1、図 8) を押すと、システムはメニューに入り以下の機能を順に表示します:エラー ( 起動している時のみ )RPMBATTLAP (OFF または ON)LAP MEM時計の調整コード ( 起動している時のみ )

重要このメニューは車両を停車している時にのみ起動しま

す。走行中にこのメニューが表示された場合、インストルメントパネルは自動的に機能から通常表示に戻ります。その状態以外にも、ポジション A“s”のボタン (1、図 8) を 3 秒間押すことにより、メニュー機能からいつでも出ることが出来ます。

B

A

1

図 8

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総走行距離 "オドメーター " 表示この機能では総走行距離を表示します。キー ON でシステムは自動的にこの機能に入ります。データは永久的に記録され、リセットする事はできません。数値が99999 Km(または99999 mi)を越えると表示は"99999"のまま残ります。

“スピード”表示この機能は走行スピードを表示します。インストルメントパネルはスピード (km/h) の情報をコントロールユニットから受け取り、8% アップさせたデータを表示します。表示可能 高速度は 299 km/h (186 mph) です。299 Km/h (186 mph) 以上の場合、インストルメントパネルには " - - - "( 継続 )が表示されます。

Km / h mph

図 10

Km

図 9

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" トリップ "メーター表示この機能では部分的走行距離を表示します。この機能が表示されている時にポジション B“t“のボタン(1、図 8) を 3 秒間押すと、データはリセットされます。データが 999.9 に達すると、走行距離はリセットされ、自動的に 0 からスタートします。

Km

図 11

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リザーブ走行距離 "フューエルトリップ " メーター表示この機能はリザーブに入ってからの走行距離を表示します。リザーブランプが点灯した時点で、どの機能が表示されていても、自動的にフューエルトリップ機能表示に変わります。リザーブ状態のままの場合、キーOFF 後もデータは記憶されます。カウンターは給油をしてリザーブでなくなった時点で自動的にシャットダウンされます。データが 999.9 に達すると、カウンターはリセットされ、自動的に 0 からスタートします。

Km

図 12

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エンジンクーラント温度表示エンジンクーラント温度を表示します。

重要エンジンが作動している時のみ表示されます。

- データが -40 °C (°F -104) 以下の場合、ディスプレイ上には ("---") が点滅し、同時に診断ランプ (EOBD)(8、図 4) が点灯します。

- データが -39 °C (°F -102) ~ +39 °C (°F +102) 間の場合、ディスプレイ上には "LO" が固定表示されます。

- データが +40 °C (°F +104) ~ +170 °C (°F +338) 間の場合、ディスプレイ上にはデータが固定表示されます。

- データが +171 °C (°F +340) 以上の場合、ディスプレイ上には "HI" が点滅表示されます。

- センサーエラー (FAULT) の場合は ("---") が点滅表示され、同時に診断ランプ (EOBD)(8、図 4) が点灯します。

注意温度が +171 °C (°F +340) 以上で“HI”表示が点滅

している場合、インストルメントパネルは自動的にこの機能に入ります。

図 13

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メンテナンス時期表示メンテナンス ( 車検 ) 時期である事を表示します。定期メンテナンス時期が来た事をインジケーター( ) が点灯して知らせます。ディスプレイはメンテナンス表示を以下の走行距離で表示します:オドメーターの 1000 Km 走行後オドメーターの 12000 Km 走行ごと表示はリセットされるまでディスプレイ上に連続表示されます。表示されたら、ディーラー、またはサービスセンターにご連絡ください。

図 14

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バッテリーテンション表示 (BATT)ここではバッテリーテンション表示機能を説明します。機能を表示するには、メニューに入り、"BATT" ページを選択します。インストルメントパネルのディスプレイはバッテリーテンションに関する情報を以下の手順で表示します:- データが 12.1 ~ 14.9 Volt 間の場合、数値は固定表示さ

れます。- データが 10.0 ~ 12.0 Volt 間、または 15.0 ~ 16.0 Volt

間の場合、数値が点滅表示されます。- データが 9.9 Volt 以下の場合、" LO " が点滅表示され、

診断ランプ (EOBD)(8、図 4) が点灯します。データが 16.1Volt 以上の場合、"HI" が点滅表示され、診断ランプ (EOBD)(8、図 4) が点灯します。

点滅

図 15

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エンジンアイドリング回転数表示 (RPM)この機能ではエンジンアイドリング回転数をデジタルで表示します。機能を表示するには、メニューに入り、"RPM" ページを選択します。インストルメントパネルのディスプレイの上部の rpm メーター以外に、アイドリング調整をより正確に行う為、エンジン回転数 (rpm) を数字でも表示します。

図 16

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ラップタイム表示 (LAP)ここではラップタイム表示機能を説明します。この機能を使用するには、メニューに入り、ポジション B“t“のボタン (1、図 8) を 3 秒押して "LAP" 機能を "On" にします。 LAP 機能に入ったら、A ボタンを 3 秒押してメニューから出るか、またはスピードが 0 以上の場合は自動的にメニューから出ます。クロノメーターの START および STOP は左側スイッチにあるフラッシャーボタン (12、図 5) を介して行います。LAP 機能中フラッシャーボタンを押すたびに、ディスプレイ上に 10 秒間ラップタイムが表示され、その後通常表示に戻ります。30 回までラップタイムを記憶する事が出来ます。メモリーがフルの際、メモリーがリセットされるまでは、フラッシャーボタンを押すたびに、ラップタイムを記憶せずにディスプレイ上に 3秒間 "FULL" と点滅表示されます。

B

B

図 17

26

J

LAP 機能をメニューを介して OFF にした場合、そのラップは記憶されません。LAP 機能使用中に突然エンジンが止まった場合 ( キー OFF)、LAP機能は自動的に OFFになります (クロノメーターが作動していても、ラップタイムは記憶されません )。ラップタイムの "STOP" 指示が出されなかった場合、99 分59.99 秒の時点でクロノメーターは 0 に戻り、ストップ指示が出されるまでラップタイムを測定し続けます。 LAP 機能中、記憶されているラップが 30 以下 ( 例:18 ラップ ) で " メモリー"がリセットされていない場合、ディスプレイはメモリーが一杯になるまで ( この例の場合はあと 12ラップ ) 記憶し続けます。この機能はラップタイムのみの表示が可能で、ラップメモリー機能内に記憶されます。

C

C

C

図 18

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ラップメモリーデータの表示 (LAP Memory)LAP 機能で記憶したデータを表示します:ラップナンバーおよびタイム記憶したタイムを表示するには、メニューに入り、"LAP MEM"ページを選択します。メニューのこのページに入ったら、ポジション B“t”のボタン (1、図 8) を押し、ラップ 1 のタイムを表示します。ディスプレイ上にはラップナンバーとタイムが表示されます。ポジション B“t”のボタン (1、図 8) を押すことにより、ラップナンバー 1 から順に 30 までのタイムを表示します。記憶されているタイムを表示している際にポジション B“t”のボタン (1、図 8) を 3 秒以上押すと、ディスプレイは記憶されているタイム全てを瞬時にリセットします。この時、LAP 機能が作動中でも自動的に OFF になります。ラップメモリー表示から出るためには、ポジション A“s”のボタン (1、図 8) を押します。メモリーにデータが記憶されていない場合、"00.00.00" が表示されます。走行中、ラップタイムを表示している時にエンジンがリミッターに達した場合、ランプも点灯します (10、図 4)。

B

B

B

B

A

A

A

A

図 19

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USB コンパレーターこの機能では、USB コンパレーターの起動を行います:コンパレーターは車両配線に接続されていなければなりません。コンパレーター使用するには、メニューに入り、ポジションB “t“のボタン(1、図8)を押して"LAP"機能を"ON"にします。コンパレーターの rpm ソーターの START および STOP は左側スイッチにあるフラッシャーボタン (12、図 5) を介して行います。LAP 機能使用中、コンパレーター(USB) 作動中に突然エンジンが止まった場合 ( キー OFF)、機能は自動的に OFF になります。

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時計の調整時計を調整するには、メニューに入り、"TIME Set" ページを選択します。このページに入った状態でポジション B "t" のボタン (1、図 8) を 3 秒押すと、調整機能に入ります。この機能に入ると"AM"表示が点滅します。ポジションB"t"のボタン (1、図 8) を押すと表示は "PM" になり、ポジション B"t" のボタン (1、図 8) を押すと前に戻ります ( 例:AM00:00 から PM12:00)。ポジション A"s" のボタン (1、図 8) を押すと、時間が点滅し始め、時間の設定に入ります。 ポジション B"t" で押すごとに、時間が 1 時間増し、ポジション B"t" を長く押すと 1 秒につき 1 時間の割合で進みます (押している間、数字は点滅しません )。ポジション A"s" のボタン (1、図 8) を押すと、分数が点滅し始め、分の設定に入ります。 ポジション B"t" で押すごとに、数字が 1 分増し、ポジション B"t" を長く押すと 1秒につき 1 分の割合で進みます。 ポジション B"t" で 5 秒以上押し続けると、100ms につき 1 分の割合で数字が増します( ポジション B"t" を押している間、数字は点滅しません )。ポジション A"s" を押すと時間設定機能から出て、設定した時間が表示されます。

B B

B

B

A

A

A

A

A

A

図 20

30

J

インストルメントパネルの診断

重要インストルメントパネルはキーOFFから60秒後にシス

テムの診断を行います。

車両に異常がある場合は表示されます。エラー事項が複数ある場合は 3 秒ごとに表示が変わります。その後、エラーリストが表示されます。

警告ひとつでもエラーが表示された場合には、必ず Ducati

サービスセンターにご連絡下さい。

ランプ エラーメッセージ エラー

COIL 10.1 ホリゾンタルシリンダーコイルエラー

COIL 10.2 ホリゾンタルシリンダーコイルエラー

COIL 11.1 バーチカルシリンダーコイルエラー

COIL 11.2 バーチカルシリンダーコイルエラー

INJE 12.1 ホリゾンタルシリンダーインジェクターエラー

INJE 12.2 ホリゾンタルシリンダーインジェクターエラー

INJE 13.1 バーチカルシリンダーインジェクターエラー

31

J

INJE 13.2 バーチカルシリンダーインジェクターエラー

PUMP 16.0 フューエルポンプリレーエラー

STRT 19.1 スターターコンタクターエラー

STRT 19.2 スターターコンタクターエラー

STEP. 21.1 ステッパーモーターエラー

STEP. 21.2 ステッパーモーターエラー

STEP. 21.3 ステッパーモーターエラー

LAMB. 22.1 ラムダヒーターエラー

LAMB. 22.2 ラムダヒーターエラー

EXVL 23.1 エキゾーストバルブモーターエラー

EXVL 23.2 エキゾーストバルブモーターエラー

EXVL 23.3 エキゾーストバルブモーターエラー

ランプ エラーメッセージ エラー

32

J

EXVL 23.4 エキゾーストバルブモーターエラー

EXVL 23.5 エキゾーストバルブモーターエラー

TPS 1.1 スロットルポジションセンサーエラー

TPS 1.2 スロットルポジションセンサーエラー

PRES 2.1 プレッシャーセンサーエラー

PRES 2.2 プレッシャーセンサーエラー

T.OIL 3.1 エンジンオイル温度センサーエラー

T.OIL 3.2 エンジンオイル温度センサーエラー

AIR 4.1 外気温センサーエラー

AIR 4.2 外気温センサーエラー

BATT 5.1 バッテリーテンションエラー

BATT 5.2 バッテリーテンションエラー

ランプ エラーメッセージ エラー

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LAMB 6.1 ラムダセンサーエラー

TILT 6.2 ラムダセンサー 2 エラー

ECU 30.0 エンジンコントロールユニットエラー

PK.UP 34.0 ピックアップセンサーエラー

SPEE. 36.0 スピードセンサーエラー

IMMO 37.0 イモビライザーエラー

IMMO 37.1 イモビライザーエラー

IMMO 37.4 イモビライザーエラー

IMMO 37.5 イモビライザーエラー

CAN 38.0 CAN ラインエラー

ランプ エラーメッセージ エラー

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ヘッドランプ“インテリジェンス”消灯機能この機能ではヘッドランプが自動的に OFF となり、バッテリーの消費量を抑えます。 この機能は次の3つの場合に作動します:- 1 つ目は、キーを OFF から ON にした際、エンジンが始動

しなかった場合、秒後にヘッドランプは OFF になり、エンジンを再始動した時のみに ON になります。

- 2 つ目は、ヘッドランプを使用した状態で車両を通常使用した後、右側スイッチにある RUN-STOP ボタンを介してエンジンを止めた時。この場合、エンジン停止 60 秒後、ヘッドランプは消灯し、エンジンを始動した時に点灯します。

- 3 つ目は、エンジン始動時。

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イモビライザーシステムこの車両には電子制御でエンジンをブロックする盗難防止装置 ( イモビライザー ) が搭載されています。イモビライザーは、毎回エンジンを停止する度に自動的に作動します。各キーボディにはトランスポンダーが内蔵されています。トランスポンダーからの信号は、イグニッションスイッチ部に組み込まれたアンテナを介してコントロールユニットに送られます。 この信号はパスワードの役割を果たし、イグニッションキーがスイッチに差し込まれる度に、毎回変更されます。CPU が “パスワード”によってキーを承認した時のみエンジンが始動します。

キー ( 図 21)車両には、以下のキーが付属しています:- キー B( 黒 )2 本キーにはイモビライザーシステムコードが内蔵されています。

注意Ducati のディーラーが作業を行う際に、コードカード

を必要とする場合があります。

黒いキー(B) は、通常のイグニッションキーで以下に使用されます:- エンジンの始動- 燃料タンクキャップの開閉- シートロックの解除

注意2 本のキーには、キーの識別番号の書かれたプレート

(1) が付いています。

1

B

図 21

36

J

警告キーとプレート (1) は別の安全な場所に保管して下さ

い。通常は 2 本の黒いキーの内、1 本のみを使用するようにしてください。

コードカードキーと併せてコードカード ( 図 22) が付属しています。カードには、キー ON 後にエンジンブロックが作動した場合に使用する電子コード (A、図 23) が記載されています。

警告コードカードは安全な場所に保管して下さい。 イモビ

ライザーシステムに問題が生じ、琥珀色の EOBD ランプ (8、図 4) の点灯で表示され、エンジンブロック状態になった場合に、エンジンブロックを解除する為、ライダーは常にコードカード上に記載されている電子コードを携帯することをお勧めしますこの作業はコードカードに記載されている電子コード(エレクトロニックコード ) がなければ出来ません。

警告コードカードはディーラーでキーの再プログラミング

またはキーの交換をする際にも必要です。

図 22

A

図 23

37

J

イモビライザーの解除作業" イモビライザーブロック " は、コードカードに記載されている 5 桁の電子コードを入力し、下記に従い " イモビライザー解除"作業をインストルメントパネルから行う必要があります: メニューの "cod" ページに入ります。

注意このメニューはイモビライザーエラーが 低一つ検知

されていないと使用できません。

メニューのこのページに入ると、まずは "00000" と表示されます。この時点でポジション B"t" のボタン (1、図 8) を 3秒押すとコードカード上に記載されている電子コード入力作業に移行します。

点滅

B

B

B

B

B

B

A

A

A

A

A

A

A

A

A

A CODEOK ?

図 24

38

J

コードの入力:この作業を選択すると、一番左の数字が点滅し始めます。ボタン (1、図 8):ポジション B"t" の状態で押すたびに、1秒ごとに数字が増えます。ポジションA"s"で押すと2つ目の数値入力に移ります。 ポジション B"t" の状態で押すたびに、1 秒ごとに数字が増えます。ポジションA"s"を押すと3つ目の数値入力に移ります。 ポジション B"t" の状態で押すたびに、1 秒ごとに数字が増えます。ポジションA"s"を押すと4つ目の数値入力に移ります。 ポジション B"t" の状態で押すたびに、1 秒ごとに数字が増えます。ポジションA"s"を押すと5つ目の数値入力に移ります。 ポジション B"t" の状態で押すたびに、1 秒ごとに数字が増えます。ポジション A"s" を押すとコードを確認し入力します。

この時点で、コードが正確に入力されていると“cod”表示と入力したコードが同時に 4 秒間点滅します。診断ランプDiagnosi (EOBD)(8、図 4) が消灯し、インストルメントパネルは自動的にメニューから出て、エンジンの始動を許可します。インストルメントパネルにエラーがある状態のままの場合、次回のキー ON 時にもエンジンブロック状態になります。コードが正しく入力されなかった場合、インストルメントパネルは自動的に"cod"メニューに戻り"00000"を表示します。

39

J

操作イグニッションキーを ON から OFF の位置に回す度に、システムはエンジンブロックを作動します。 エンジンの始動には、キーを OFF から ON の位置にして下さい:1) コードが承認されると、システムはエンジンブロックを解除します。START ボタン (2、図 28) を押すと、エンジンが始動します。2) 診断ランプ (8、図 4) が点灯した時点でポジション "t"のボタン (1、図 8) を押すと "Error IMMO" と表示され、コードが承認されなかった事を示します。キーを OFF の位置に戻して、再度 ON の位置に回します。それでもエンジンが始動しない場合は、付属している他の黒キーを使い、もう一度試して下さい。 もしこの方法でもまだブロックが解除されない場合は、Ducati サービスセンターに御連絡下さい。

警告強い衝撃を与えるとキーに内蔵された電子部品を損傷

しますので注意してください。作業中は常に同じキー1本のみをを使用してください。 違うキーを使用すると、システムのコード認証の妨げになる場合があります。

キーの複製追加のキーが必要な場合は、お持ちのキー全てとコードカードを持って Ducati サービスセンターにご依頼下さい。Ducatiサービスセンターは新しいキー、およびお手元のキーを再プログラミングします。Ducati アシスタントサービスは、お客様が車両のオーナーである証明の提示を求める事がありますので、必要書類をご持参下さい。この作業時に再メモリーされなかったキーのメモリーは削除されて無効となるため、エンジンを始動する為に使用することはできません。

注意オーナー変更の際、全てのキーとコードカードを新し

いオーナーに譲り渡されなければなりません。

40

J

イグニッションスイッチ / ステアリングロック ( 図 25)燃料タンクの前にあり、4つのポジションがあります:

A) ON: エンジン、ランプが作動B) OFF: エンジン、ランプ機能停止C) LOCK: ステアリングロック作動D) P: パーキングランプ+ステアリングロック作動

注意キーを (C)、(D) の位置にするには、キーを押してか

ら回して下さい。 (B)、(C)、(D) の位置ではキーを引き抜くことができます。

AB

CD

図 25

41

J

左側スイッチ ( 図 26)1) ディマースイッチ、ビームの選択、2ポジション:

= ロービーム ON = ハイビーム ON

2) ボタン = ターンインジケーター、3ポジション:中央 = OFF

= 左折= 右折

ターンインジケーターを消すには中央部に戻したスイッチを押します。

3) ボタン = 警告ホーン

4) ボタン = フラッシャー (FLASH) およびインストルメントパネルコントロール

5) インストルメントパネルコントロールボタン、2ポジション:ポジション“s”ポジション “t”

注意(1)(2)(4) を点けると、インストルメントパネル上の

それぞれのランプが点灯します (12 ページ参照 )。

3

2

1 5

4

図 26

42

J

クラッチコントロールレバー( 図 27)レバー (1) でクラッチの接続を操作します。この機種にはアジャスター (2) がついており、レバーとグリップとの間隔の調整が可能です。 調整を行うには、レバー(1) を完全にゆるめ、つまみ (2) を 4 つあるポジションのどれか 1 つにします。 参考:ポジション 1ではレバーとグリップの間隔が も広く、ポジション 4 では も狭くなります。レバー(1) を引くと、エンジンの回転がトランスミッションおよびリアホイールに伝わらなくなります。 クラッチの適切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重要です。

警告クラッチ及びブレーキレバーの調整は、車両が停止し

た状態で行います。

重要クラッチレバーを正しく操作することで、トランス

ミッションの損傷を避け、車両の寿命を延ばすことができます。

注意サイドスタンドを降ろし、トランスミッションが

ニュートラルの状態でエンジンを始動させることができます。また、ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレバーを引いて下さい(この場合サイドスタンドは降ろしません)。

2

34

1

2

1

図 27

43

J

右側スイッチ ( 図 28)

1) ENGINE STOP ( エンジン停止 ) スイッチには 2 つのポジションがあります:- (RUN) = エンジン作動- (OFF)= エンジン停止 .

警告このスイッチは、エンジンを直ちに停止させなければ

ならない緊急時等に使用することを目的としています。 エンジン停止後は、再始動ができるようにスイッチを ポジションに戻して下さい。

2) ボタン =エンジン始動

スロットルグリップ( 図 28)ハンドルバー右側のスロットルグリップ (3) は、スロットルボディの開閉を操作します。 グリップを緩めると、自動的に元の位置 (アイドリング状態 )に戻ります。

1 3

2図 28

44

J

フロントブレーキコントロールレバー ( 図 29)レバー(1) をスロットルグリップの方向へ引くと、フロントブレーキがかかります。 このレバーは油圧で作動するため、軽く握るだけで作動します。この機種には調整用つまみ (2) が搭載されているため、レバーとグリップとの間隔が調整できます。調整はレバー(1) を完全にゆるめ、つまみ (2) の 4 つのポジションのどれか 1つにします。 参考:ポジション 1ではレバーとグリップの間隔が も広く、ポジション 4 では も狭くなります。

警告フロントブレーキレバーの調整は車両が停止している

ときに行なって下さい。

23

41

2

1

図 29

45

J

リアブレーキコントロールペダル ( 図 30)ペダル (1) を下に踏むことで、リアブレーキが機能します。

小限の力で機能させるため、油圧システムを使用しています。

ギアチェンジコントロールペダル ( 図 31)ギアチェンジコントロールペダルには中央にニュートラルNポジションがあり、自動的にこのポジションに戻るシステムになっています。ギアがニュートラルポジションの時、インストルメントパネル上には Nランプ (8、図 4)が点灯します。ペダルは以下のように動かせます: 下へ=シフトダウンおよび 1速へのチェンジは、ペダルを下に押します。 この時、インストルメントパネルの Nランプが消えます。上へ=ペダルを上へ上げることで、2 速から順次 3、4、5、6速へとチェンジします。一回の操作が一速分のチェンジに相当します。

1

図 30

N 1

2

3

4

5

6

図 31

46

J

ギアチェンジペダルとリアブレーキペダルの配置調整ギアチェンジペダルとリアブレーキペダルのポジションは、ライダーのライディングスタイルとフットペグの位置に合わせて調整することができます。これらの調整は以下の手順で行ってください:

ギアチェンジペダル ( 図 32)オープンエンドレンチを使用してリンケージ(1)をフラットで固定し、ロックナット (3) を緩めます。リンケージ (1) をギアチェンジレバーから取り外すため、スクリュー (4) を緩めます。ギアチェンジペダルを好みの位置にし、レンチでリンケージ(1) のフラット (2) を回します。リンケージ(1)にギアチェンジレバーをネジ(4)で固定します。リンケージ (1) をロックナット (3) で締め付けます。

3 41

2

図 32

47

J

リアブレーキコントロールペダル ( 図 33)ロックナット (5) を緩めます。ペダルが好みの位置になるまで、調整ネジ (6) を回します。ロックナット (5) を締め付けます。ペダルを手で押しながら、ブレーキがかかり始めるまでに約1.5 ~ 2 mm の遊びがあるかを確認します。もし上記のような遊びが確認できない場合、マスターシリンダーのロッドの長さを次の手順で調整します:シリンダーのロッド上にあるロックナット (7) を緩めます。フォーク (9) のロッド (8) の遊びを増やしたい場合は締め、逆に減らしたい場合は緩めます。ロックナット (7) を締め、再度遊びを確認します。

8

7 9

5

6図 33

48

J

主要構成部品 / 装備

車両上のポジション(図 34)

1) 燃料タンクキャップ2) シートの開閉

3) 小物入れトランクの開閉4) サイドスタンド5) フロントフォークアジャスター6) リアショックアブソーバーアジャスター7) リアビューミラー8) サイレンサー、エキゾーストパイプ9) 触媒システム

警告エキゾーストシステムは、エンジンを切った後も熱い

場合があります。手を触れないよう充分注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物のそばに駐車しないようにして下さい。

43

86

7 8

7 1

9

5

5

2

図 34

49

J

燃料タンクキャップ( 図 35)

開け方鍵穴にキーを挿入します。 時計回りに1/4回転してロックを解除すれば、キャップを開けることができます。キャップ (1、図 35) を取り外します。

閉め方キーの差し込まれたキャップ(1)を押しながら、 キーを反時計回りに回して、元の位置に戻してから抜き取ります。

注意キャップはキーが差し込まれていないと閉まりませ

ん。

警告燃料補給 (66 ページ参照 ) 後は毎回、キャップが正し

い位置で確実に閉まっていることを確かめて下さい。

1

図 35

50

J

シートの開閉

開け方付属のアレンスクリュー (1) を緩めて外します。シート後部を持ち上げ、後部から引きながら、前部サポートから抜き取ります。

閉め方シート前端部をフレームクランプ下部に挿入し、スクリュー(1) を挿し込み締め付けます。シートがしっかりフレームに固定されている事を確認します。

1

図 36

51

J

小物入れトランクの開閉小物入れトランクを開けるには、プラスチック製のスクリュー (1) を反時計回りにケ回転回します。ツールキットケース(67ページ参照)が収納されている小物入れトランクは、内側のカバーを取り外して開きます。

重要重い物や、金属製の物で車両運転中のバランスを崩さ

せる可能性のある物を入れないで下さい。

小物入れトランクを閉めるには、左サイドフェアリング内側に内部カバーを取り付け、プラスチック製スクリュー(1) を時計回りにケ回転させます。

1

図 37

図 38

52

J

サイドスタンド( 図 39)

重要サイドスタンドを使用する前に、地面が適しているか、

平らであるかを確かめて下さい。 柔らかい地面、砂利、日光で柔らかくなったアスファルト等に停車すると、転倒の原因になります。傾斜面に駐車する場合は、常にリアホイールが斜面の低い方に向くようにして下さい。

サイドスタンドを使用するには、ハンドルバーを両手で掴み、車体を支えながら、スタンドのフック (1) を足でしっかり押します。 スタンドの先端が地面に着くまで車体を左側に傾けます。

警告サイドスタンド使用時には、車両にまたがらないで下

さい。

サイドスタンドを元の位置 ( 水平位置 )に戻すには、車両を右側に傾けながら、足でフック (1) を持ち上げます。

注意2本のスプリング(1本はもう 1本の内側 )で構成され

ている保持システムが正確に機能しているかどうか、CPU にスタンドのポジションを伝えるセキュリティーセンサー(2)の機能を定期的にチェックすることをお勧めします。 この配線を保護するため、バッテリーサイドに 3A のヒューズが配置されています。 (103 ページ参照 )

注意スタンドを降ろし、ギアがニュートラルの状態でエン

ジンを始動させることができます。または、ギアが入った状態で始動する場合、クラッチレバーを引いた状態で始動させます (この場合サイドスタンドは降ろしません )。

1 2

図 39

53

J

フロントフォークアジャスターの調整フロントフォークには、リバウンド /コンプレッション /スプリングプリロードダンピングアジャスターが装備されています。

この調整は外部スクリューアジャスターで行います:

1) 油圧ブレーキのリバウンドダンピング調整(図40、図41) 2) インナースプリングプリロード調整 (図 40、図 41) 3) 油圧ブレーキのコンプレッションダンピング調整(図 42)

車両をサイドスタンドを使い、安定した場所に配置します。油圧ブレーキのリバウンドダンピングを調整するには、マイナスドライバーで、各フォークレッグの上端部にあるアジャスター (1) を回します。油圧ブレーキのコンプレッションダンピングを調整するには、マイナスドライバーでフォークボトムエンド後部にあるアジャスター (3、図 42) を回します。スクリュー (1、3) を回すとカチッと言う音がします。一回の音がダンピング 1段に相当します。 アジャスターを完全にロックが掛かるまで締めると、 高のダンピング値“0”のポジションになります。

21 2 1

図 401100S

21 2 1

A

図 411100

54

J

この位置から、反時計回り方向に廻してカチッという音でダンピングを 1段目、2 段目、…と数えます。

標準設定:1100Sコンプレッション: 1.5 ± 1/4 回転リバウンド: 1.5 ± 1/4 回転スプリングプリロード:10 mm(完全に開いた状態から3回転)各フォーク内部のスプリングプリロードを変更するには、六角アジャスターナット (2、図 40) を 22 mm 六角レンチで回します。1100コンプレッション: 1.5 ± 1/4 回転リバウンド: 1.5 ± 1/4 回転スプリングプリロード (A、図 41):10 mm( 完全に開いた状態から 3 回転 )各フォーク内部のスプリングプリロードを変更するには、六角アジャスターナット (2、図 41) を 22 mm の六角レンチで回します。

重要両フォークは同じ設定にして下さい。

3

図 42

55

J

リアショックアブソーバーアジャスターの調整( 図 43、図 44)リアショックアブソーバーは荷重に合わせて調整できるよう外部アジャスターを装備しています。アジャスター(1) は、ショックアブソーバーのスイングアームへの固定位置下部、右側にあり、拡張 (リバウンド )の時点で油圧ブレーキを調整します。ショックアブソーバーのエキスパンションタンク上にあるアジャスター(2)は油圧ブレーキのコンプレッションダンピングの調整をします。 時計回り方向にアジャスター (1、2) を回とダンピングが強くなり、反対方向に回すと弱くなります。

1100Sアジャスターを完全に時計回りの方向に締めた状態の標準設定:- アジャスター (1) を 15 段緩めた位置- アジャスター (2) を 7 段緩めた位置スプリングプリロード: 19 mm

1100アジャスターを完全に時計回りの方向に締めた状態の標準設定: - アジャスター (1) を 15 ± 3 段緩めた位置 - アジャスター (2) を 2 ± 1/4 緩めた位置スプリングプリロード: 19 mm

アブソーバー上部にある 2 つのリングナット (3) は、アウタースプリングプリロードの調整に使用します。 スプリングプリロードを変更するには、上部固定リングナットを緩めます。 下部リングナットを締める か緩めるで プリロードが強く か弱く なります。

警告ショックアブソーバーには高圧のガスが充填されていま

す。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因となります。

2

13

図 431100S

S

H

S

H

S

H

H

S

1 2

HS

3図 441100

56

J

リアビューミラーの調整調整はリングナット (A) を緩めて行います。リアビューミラーボディー (B) を好みの角度にし、リングナット (A) を締め付けて固定します。

警告ミラーの内側を押して調整すると、ミラーが損傷する

危険があります。

A

B

図 45

57

J

車高の調整 (1100S)車高は本社の技術者がさまざまな走行状態でテストを行い決定しています。車高の調整は非常にデリケートな作業ですので、不適切な変更作業を行うとライダーの身体に危険をもたらします。 標準車高を変更する前に、基準値 (H、図 46) を測定しておくことをお薦めします。

ライダーはショックアブソーバーの位置を変え、自分のライディングスタイルに合わせた車高にセッティングする事ができます ( 図 47)。リングロッド(2)の軸間をフラット(A)のボールジョイント(1) のナット (3) を緩め、調整します。 調整後はナット (3) を 25 Nm のトルクで締めつけます。

注意下側のナット (3) は逆ネジですので注意して下さい。

警告リンケージ (2) 両端にあるボールジョイント (1) の軸

間距離は 255.5mm を超えてはいけません。

H

図 46

A

2 2

3

1 3

図 47

58

J

ユニボールヘッド (A) のネジ部はネジ山5つ分、長さにして7.5 mm (B) 以上、外に出さないでください。

A

B

図 48

59

J

運転のしかた

慣らし運転の方法

慣らし運転時の 高速度 ( 図 49)慣らし運転期間中の 高許容回転数:1) 1000 km まで2) 1000 ~ 2500 km まで

1000 km まで初の 1000 km までは、タコメーターに注意し、

5500 ~ 6000 回転 (rpm) を超えてはいけません。初の数時間は、指定回転数の範囲内でエンジンの負荷と回

転数を色々変えることをお勧めします。このため、エンジン、ブレーキ、サスペンションのより効果的な慣らしは、カーブの多い、起伏に富んだ場所を走行することが理想的です。

初の 100 km は、ブレーキディスクに対してパッド摩擦材を適切に慣らすために、優しくブレーキをかけ、急なブレーキングや長いブレーキをかけることは避けて下さい。全ての機械部分を互いに馴染ませるため、また、エンジンの主要部分の寿命に悪影響が出ないよう、乱暴な加速と、特に上り坂での長時間の高速回転は避けて下さい。定期的にチェーンを点検し、必要であれば潤滑し、調整して下さい。

1000 ~ 2500 km までこの期間ではエンジンから、よりパワーを引き出す事は可能ですが、下記の回転数を決して超えないようにして下さい:7000 rpm

60

J

重要慣らしの期間中は、当マニュアルに指定された点検、

整備を必ず受けて下さい。 これは保証の必須条件で、この条件が順守されなかった結果としてのエンジンの損傷や寿命の短縮については Ducati モーターホールディング社はいかなる責任も負いません。

慣らし運転の方法を遵守することでエンジンの寿命を延ばし、調整、オーバーホールの回数を減らすことが可能です。

0 ÷ 1.000 km 1.000 ÷ 2.500 km

図 49

61

J

走行前のチェック

警告走行前にこれらの点検を怠った場合、車両に損傷を与

え、ライダー、及びパッセンジャーを危険に晒す恐れがあります。

走行前に以下の点検を実施して下さい:タンク内の燃料残量の点検タンク内の燃料の残量を確認して下さい。 必要であれば給油して下さい (66 ページ参照 )。エンジンオイルレベルクランクケースの点検窓からオイルのレベルを確認して下さい。 必要であればオイルを補充して下さい (86ページ参照 )。ブレーキ、クラッチ液レベル各リザーバー内のフルードレベルを確認して下さい。(70ページ参照 ) タイヤコンディション空気圧と摩耗度を点検して下さい (84 ページ参照 )。操作系の点検ブレーキ、クラッチ、スロットルグリップ、ギアチェンジの機能を確認します。ランプ、インジケーターランプ、インジケーター、ホーンが適切に機能するかを確認します。 電球が切れている場合には交換して下さい (78ページ参照 )。

各ロック燃料タンクキャップ (49 ページ参照 ) 、パッセンジャーシート (50 ページ参照 )のロック状態をチェックします。スタンドサイドスタンド (52 ページ参照 )がスムーズに作動し、適切な位置にあるかをチェックして下さい。

警告不良な点がある場合には、車両の使用を中止し、Ducati

オフィシャルディーラーにご連絡下さい。

62

J

エンジンの始動

警告エンジンを始動する前に、運転に必要な操作系の取り

扱いに慣れておいて下さい。(11 ページ参照 )

1) イグニッションキーをONにします(図 50)。 インストルメントパネル上の緑のランプ N (8、図 4) と赤のランプ

(7、図 4) が点灯している事を確認します。

重要オイルプレッシャー警告灯はエンジン始動後、数秒で

消えなければなりません (12 ページ参照 )。

注意サイドスタンドを降ろし、トランスミッションが

ニュートラルの状態でエンジンを始動させることができます。また、ギアが入った状態で始動する時は、クラッチレバーを引いて下さい(この場合サイドスタンドは降ろせません)。

LO

CK

PIG

NITIO

N

PU

SH

O

FFON

ON

図 50

63

J

2) エンジン停止スイッチ (1、図 51) が (RUN) の位置になっていることを確認し、始動ボタン (2) を押します。

このモデルにはワンタッチスターター(サーボイグニッション ) が搭載されています。この機能によりボタン (2) をすぐ放してもエンジンのワンタッチ始動が可能です。エンジンの自動始動に必要なボタン (2) を押す秒数は、エンジンの温度により変わります。エンジンが作動している時、このシステムはスターターモーターのドライブを妨げます。エンジンが始動しない場合には、2秒ほど待ってからボタン(2) をもう一度押し直して下さい。スロットルグリップは回さず、自動的に始動させて下さい。

注意バッテリーが切れているとスターターモーターのドラ

イブをシステムが自動的に動かなくします。

重要エンジンが冷たい間は回転数を上げ過ぎないで下さ

い。 潤滑が必要な全ての部分にオイルを行き渡らせるために、エンジンが温まるのを待ってください。

1

2図 51

64

J

車両の発進1) クラッチレバーを引いてクラッチを切ります。2) 1 速に変速するためにギアチェンジペダルをつま先で

しっかり押し下げます。 3) スロットルグリップを回してエンジンの回転数を上げ、

同時にクラッチレバーを徐々につなぎます。4) クラッチレバーを完全に離しエンジンの回転数を上げ

ます。5) シフトアップするには、エンジン回転を落とすためにス

ロットルを戻し、クラッチを切り、ギアチェンジペダルを上げ、クラッチをつなぎます。シフトダウンするには、スロットルグリップを戻し、クラッチレバーを引いてから、ギアを同調させやすくするためにエンジンを軽くふかしてシフトダウンし、クラッチをつなぎます。操作類は適切に素早く操作しなければなりません。上り坂を走行する際には、車速が落ちてきたらすぐにシフトダウンし、車両への異常なストレスやエンジンのノッキングを避けて下さい。

重要キャブレターのオーバーフローやトランスミッション

のスナッチを招く激しい加速操作は避けて下さい。 ギアを変速した後もクラッチレバーを引いたままでいると、機械部分の過熱や摩擦部分の異常な摩耗を引き起こします。

ブレーキング減速するには、 初にスロットルグリップを戻してエンジンブレーキをかけ、それからブレーキングします。 エンジンが急に止まるのを防ぐため、車両が停止する前に、クラッチを切ります。

警告レバーかペダルの片方しか使用しない場合はブレーキ

効果が低下します。 ブレーキを強く、または乱暴にかけるとホイールがロックされ、車両のコントロールがきかなくなります。 雨中を走行する際や、滑りやすい路面上ではブレーキ力が著しく低下します。 このようなコンディションでは慎重に優しくブレーキ操作をして下さい。 急ブレーキは車両のコントロールを失う危険があります。 長く急な下り坂を走行する際にはシフトダウンしてエンジンブレーキを使用します。ブレーキは断続的に短時間だけ使用して下さい。ブレーキの長時間にわたる連続的使用は、摩耗材の過熱を招き、ブレーキ能力の著しい低下の原因となります。 規定空気圧値外のタイヤはブレーキ力を低下させるとともに摩耗を早め、また運転の安全性と、カーブでの安定を欠きます。

65

J

車両の停止スロットルグリップを緩めると、車両は 徐々にスピードを落とし始めます。 シフトダウンしながらクラッチをつなぎ、

後に1速からニュートラルに入れます。 ブレーキをかけると、車両を完全に停止することができます。 エンジンを停止させるには、キーを OFF (40 ページ )にします。

パーキング停止させた車両をサイドスタンドを使い駐車します。(52ページ参照 )盗難防止のため、ハンドルを左に振りきり、キーを LOCK の位置にします。車両をガレージ、その他の建物内に駐車する際には、換気が充分され、車両の近くに熱源が無いことを確認して下さい。必要な場合には、車両を認識しやすいようにイグニッションキーをPの位置にするとパーキングランプを点灯しておくことができます。

重要このスイッチを長時間 P の位置にしておくと、バッテ

リー切れの原因になります。 監視できない場所にキーを付けたままで車両を駐車しないで下さい。

警告エキゾーストシステムは、エンジンを切った後も熱い

場合があります。手を触れないよう充分注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物のそばに駐車しないようにして下さい。

警告発進を妨げるタイプの盗難防止用ロック ( ディスク

ロック、ホイールロック等 )は大変危険で、車両の機能とライダーおよびパッセンジャーの安全をおびやかす恐れがあります。

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J

燃料の補給( 図 50)給油時、燃料を入れすぎないように注意してください。 燃料は給油口の下縁をこえてはいけません。

警告ガソリンは無鉛に出来るだけ近いもの、もしくはオク

タン数が 低 95 のものを使用してください。 (95 ページ”補給”参照 )給油口の上部に燃料が溜まってないことを確認して下さい。

Max level

図 50

67

J

アクセサリー( 図 51)左サイドフェアリングのトランクには (51 ページ参照 ):以下を含むツールキットが装備されています:- スパークプラグ用六角レンチ - スパークプラグレンチ用ボルト- ダブルスクリュードライバー- アレンレンチ 3- アレンレンチ 4- アレンレンチ 5- オープンエンドレンチ 8/10

図 51

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J

主な整備作業とメンテナンス

フェアリングの取り外し 車両を正しく整備、修理するためには、該当部分を取り外すことが必要です。

警告取り外したパーツは正確に取り付け直して下さい。適

切に取り付けられないと、走行中に部品が脱落し、車両のコントロールを失なう危険があります。

重要車体の塗装部分、及びスクリーンのプレキシグラスに

傷を付けないため、スクリュー再装着の際には常に専用ナイロンワッシャーをお使い下さい。

69

J

右サイドパネルシートを持ち上げます (50 ページ参照 )。プロテクション (2) を固定する 3本のネジ (1) を緩めます。プロテクション (2) を外します。サイドパネル (4) を固定する 3本のネジ (3) を緩めます。

3

4 3

図 55

1

2

図 54

70

J

ブレーキ / クラッチ液レベルの点検ブレーキ、クラッチ液のレベルは、絶対に各リザーバータンクのMIN目盛りより下になってはいけません(図56、図57)。液体レベルが下がりすぎると、回路内にエアが混入し、システム作動に悪影響を及ぼします。また、定期点検表に指示されたブレーキ /クラッチ液補充及び交換は、オフィシャルディーラーまたはサービスセンターに依頼して下さい (保証書参照 )。

重要ブレーキ、クラッチシステムのパイプは 全て 4 年毎に

交換して下さい。

ブレーキシステムブレーキパッドが磨耗していない、ブレーキレバーまたはペダルに過度の遊びがある場合には、システムを点検し、エアを排出する必要があるため、Ducatiオフィシャルディーラーまたはサービスセンターにご連絡下さい。

警告ブレーキ / クラッチ液はプラスチックの塗装部分に損

傷を与えますので、こぼさないようにして下さい。 これらは腐食性で傷損害を与える恐れがあります。 異なった品質のオイルを混ぜないで下さい。ガスケットの状態をチェックしてください。

図 56

71

J

クラッチシステム ( 図 57)クラッチレバーに過度の遊びがあり、ギアチェンジの際クラッチにスナッチやジャダーが出る場合は、システム内にエアが混入している可能性があります。 システムを点検しエアを排出する必要があるため、Ducati オフィシャルディーラーまたはサービスセンターにご連絡下さい。

警告クラッチ液レベルはクラッチディスクが磨耗するとタ

ンク内で上昇しやすい性質を持っています。既定のレベルを超えないで下さい ( 小から 3 mm 上 )。

(MAX) 3 mm

図 57

72

J

ブレーキパッドの摩耗点検( 図 58)フロントブレーキパッドには摩耗点検用マークがあり、キャリパーからパッドを外すことなく、簡単に点検する事ができます。 摩耗材の溝が見えるうちはパッドの通常使用範囲です。リアブレーキパッドの場合は摩耗材の溝が 1 mm になり ( 図59)、ピンの間の隙間が見えるようになったら交換する必要があります。

重要ブレーキパッドの交換は Ducati オフィシャルディー

ラーまたはサービスセンターで行って下さい。

MIN

図 58

1 mm

図 59

73

J

接続部の潤滑スロットルコントロールケーブル外部のシースの状態を定期的に点検する必要があります。 外側プラスチック部に亀裂や押し潰された跡があってはいけません。 操作類を動かして、被膜の中でケーブルがスムーズに動くか確認して下さい。もし何らかの抵抗や、動きにくい箇所がある場合には、Ducati オフィシャルディーラーまたはサービスセンターでケーブルを交換して下さい。 このようなことを避けるには、2 本の固定ネジ (1、図 60) を緩めてスロットルを開き、ケーブル両端とプーリーをグリース SHELL Advance Grease または Retinax LX2 で潤滑します。

警告プーリーの中にケーブルを入れ、注意しながらスロッ

トルを閉めます。

カバーを付け、ネジ (1) を 6 Nm のトルクで締め付けます。

サイドスタンドのスムーズな作動を確保するために、汚れを取り除き、全ての可動部分に指定のグリース SHELL AlvaniaR3 を塗布して下さい (1、図 61)。

1

図 60

図 61

74

J

スロットルグリップの調整スロットルグリップはハンドルのどの位置においても、遊びが1.5 ~ 2.0 mm( 図 62) でなければなりません。 調整が必要な場合は、スロットルボディに設けられたアジャスター (1) で行ってください (図 63)。

重要スロットルコントロールの空回し調整はディーラーま

たはサービスセンターに依頼してください。

1,5 ÷ 2 mm1,5 ÷ 2 mm

1,5 ÷ 2 mm

図 62

1

図 63

75

J

バッテリーの充電( 図 64)バッテリーを充電する際、バッテリーを車両から取り外して下さい。シートを取り外します (50 ページ参照 ) 。常に黒のマイナス端子 (-) を 初に外し、続いて赤のプラス端子 (+) を外します。バッテリーサポートブラケットの 2 本の固定ネジ (1) を緩め、バッテリーサポートを取り外します。

警告バッテリーは可燃性のガスを発生します。火気、熱源

のそばに置かないで下さい。

充電は換気のよい場所で行って下さい。バッテリーチャージャーの赤いジャックを電極につなぎます:バッテリーのプラス (+)、黒いジャックはマイナス (-)。

重要ジャックを電極に接続する際に火花がスパークし、セ

ル内の可燃性ガスに引火する危険があるので、バッテリーへ接続する時は、チャージャーの電源が入っていないことを確認して下さい。接続は常に赤の + 極から行って下さい。

バッテリーをサポートに載せ、ブラケットをスクリュー(1)で固定します。導電性を向上させるために、締め付けネジに少量のグリースを塗布し、端子を電極に接続します。

警告バッテリーは幼児の手の届かないところに置いて下さ

い。

バッテリーを 0.9A で 5 ~ 10 時間充電します。

1

図 64

76

J

トランスミッションチェーン張力の点検( 図 65)車両のポジションをチェーンが一番張った状態にします。サイドスタンドを使用して停車します。チェーンガード前にメジャーを配置し、チェーンを下に押して放します。スイングアームのアルミニウムとチェーンピンの中心間距離が 30 ~ 33mm になるように調整します。

重要調整はディーラーまたはサービスセンターに依頼して

ください。

警告安全な走行状態を保つにはスイングアームのネジの正

しい締め方がとても重要です (1、図 66)。

重要不適切なチェーンの張りは、トランスミッション部品

の磨耗を促進させます。

1

図 66

30 ÷ 33 mm

図 65

77

J

トランスミッションチェーンの潤滑この車両には、泥などの侵入を防ぎ、潤滑をより保つ Oリングシールの付いたチェーンが装備されています。 チェーンを洗浄する場合には損傷を防ぐため、リングシールの損傷を防止するため、専用の溶剤を使用して下さい。ウォッシャー等でスチームや圧力のかかった水で洗浄しないで下さい。 洗浄後は、コンプレッションエアーでチェーンを乾かし、SHELL Advance Chain または Advance Teflon Chain で潤滑します。

重要規定オイル以外を塗布すると、チェーン、フロント /

リアスプロケットに損傷を与える可能性があります。

78

J

ヘッドランプ電球の交換切れた電球を交換する前に、新しい電球が 102 ページの電装表の各仕様に適合しているか確認して下さい。 部品を付け直す前に新しい電球がちゃんと点くか確認してください。アレンレンチでネジ (1) を緩めます。ヘッドランプサポートをグリップ(2)が自由になるまで車体前側に向けて抜きます。グリップ (2) を反時計回りに回して緩めます。

2

図 68

1

図 67

79

J

ピン (3) を外します。電球 (4) はバイヨネットベースタイプなので、取り外すには押しながら反時計回りに回します。 交換した新しい電球は、押しながら時計回りにカチッという音がするまで回して取り付けます。

注意レンズの部分には、絶対に指で触れないで下さい。電

球の高度が落ちる原因となります。

4

図 70

3

図 69

80

J

リアターンインジケーターランプ電球の交換リアターンインジケーターランプ電球の交換は、ネジ (1) を緩め、カバー (2) を取り外して行います。

2 1

図 71

81

J

ナンバープレートランプ電球の交換ラバー (1) を抜き取り、電球を取り外します。 1

図 72

82

J

ヘッドランプの光軸調整 ( 図 73)ヘッドランプの光軸をチェックするには、適切な空気圧のタイヤの車両にまたがり、車体を垂直に保ち、縦軸に対して正しい角度を保持します。車両は壁またはスクリーンから 10mの距離に配置します。 壁にヘッドランプの中心と同じ高さで水平に線を引き、また車体の縦軸に一致する垂直線も引きます。この作業はできれば薄明時に実施して下さい。ロービームを点灯します:光の照射範囲の高さが ( 照射された部分と明るいの部分との境界の上限 )、地上からヘッドランプの中心までの高さの9/10 以下でなければなりません。

注意この方法は、イタリアの基準で制定された照射角度に

準拠したものです。 イタリア以外の国での使用は、それぞれの国で法律に従い調整してください。

10 m

910

x x

図 73

83

J

ヘッドランプの光軸調整 ( 図 74)垂直方向の光軸調整は、ネジ (1) を手で操作します。平行方向の光軸調整は、調整ネジ (2) を操作して行います。

注意ヘッドランプ調整ネジを使用するには、固定ヘッドラ

ンプフェアリングを取り外す必要があります。

重要ネジ (1)(2) は調整用のため、締め付ける事ができませ

ん。

1 2

図 74

84

J

チューブレスタイヤフロントタイヤ空気圧:2.2 barリアタイヤ空気圧:2.2 bar

注意パッセンジャーを乗せている場合、リアタイヤの空気

圧を 2.4bar にアップしてください。

タイヤの空気圧は気温や標高の影響も受けますので走行する場所の気温と標高の条件に合わせて調整することをお薦めします。

重要タイヤの空気圧は“タイヤ冷間時”に測定しなければ

なりません。 フロントホイールリムがダメージを受けないように、悪路を走行する時はタイヤの空気圧を0.2~ 0.3bar上げて下さい。

タイヤの修理、交換 (チューブレス ) タイヤに小さな穴が開いた場合、チューブレスタイヤであれば空気の減り方が遅いため、気付くまで時間がかかります。タイヤの空気圧が下がってきた場合には、パンクの可能性をチェックして下さい。

警告タイヤがパンクした場合はタイヤを交換して下さい。

交換する際は、標準装備タイヤと同じメーカー、タイプを御指定ください。 走行中のエア漏れを防ぐため、タイヤのバルブキャップがしっかり締まっていることを確認して下さい。 チューブタイプのタイヤは絶対に使用しないで下さい。突然タイヤが破裂し、ライダー、パッセンジャーに危険を及ぼします。

タイヤ交換の後には、必ずバランスチェックを行って下さい。

重要ホイールのバランスウェイトを外したり、移動させた

りしないで下さい。

注意タイヤの交換が必要な場合は、ホイールが正しく脱着

できるように、Ducati オフィシャルディーラーまたはサービスセンターにお任せ下さい。

85

J

タイヤ摩耗の限界タイヤのトレッド面が一番摩耗している所 (S、図 75) で溝の深さを測定して下さい: 溝の深さは 2mm 以下、または道交法の規定値以下であってはなりません。

重要タイヤに傷やヒビがないか、特に側面を注意深く目視

点検し、ひどい損傷がある場合には交換して下さい。出っ張りや他と大きく異なる箇所は内部の損傷を表わしているので、タイヤを交換しなければなりません。トレッドに入り込んだ石や異物は取り除いて下さい。

S

図 75

86

J

エンジンオイルレベルの点検( 図 76) エンジンオイルレベルは車両右側面クラッチカバーの上にある点検窓 (1) から目視点検することが出来ます。 レベルチェックは車体を垂直に配置し、エンジンが冷えた状態で行ってください。 オイル液面は、点検窓の横に指示された目盛間になければなりません。 オイルレベルが低い時にはエンジンオイル SHELLAdvance Ultra 4 を補充する必要があります。 フィラーキャップ(2)を開け、オイルを正しいレベルまで補充します。キャップを閉じて下さい。

重要定期点検表保証書に指示されている、エンジンオイル

とフィルターの交換は、オフィシャルディーラーまたはサービスセンターに依頼して下さい。

粘度SAE 10W-40車両使用環境の気温が表示された指定範囲内であれば、表に示された以外の粘度のオイルも使用できます。

1

2

図 76

–10

Un

igra

de

Mu

ltig

rad

e

0 10 20 30 40 C

40

20W–40 20W–50

15W–40 15W–50

10W–40

10W–30

10W

20W

20

30

87

J

スパークプラグの清掃と交換 ( 図 77)スパークプラグはスムーズなエンジンの作動に重要で、定期的な点検が必要です。 定期的に検査をすることにより良好なエンジンの状態を保つ事が可能にもなります。 スパークプラグの点検、または交換はディーラーまたはサービスセンターに依頼してください。中央電極のセラミック製絶縁体の色をチェックします:均等な薄い茶色の場合はエンジンの良好な状態を示します。 中央電極の摩耗状態、電極間の距離0.6mm ~ 0.7mm であるかを確認して下さい。

重要広すぎたり、狭すぎたりするとエンジン性能に影響を

及ぼし、また、始動困難やアイドリングの不安定を招きます。

0,6÷0,7 mm

図 77

88

J

車両の清掃ペンキ塗装部分とメタリック塗装部分のオリジナルな艶を長い間保つため、走行する道路のコンディションに合わせて、車両を定期的に清掃、洗車しなければなりません。 車両に損傷を与えないように、強すぎる洗剤や溶剤を使用しないために専用の洗剤と水を使って洗車して下さい。

重要走行後のボディがまだ暖かい間は、 水染み等を防ぐた

めすぐには洗車をしないで下さい。 高温や、ウオッシャー等の圧力のかかった水で洗浄しないで下さい。 ウオッシャー等の使用は、サスペンションやホイールベアリング、電装部分、エアー吸入口、サイレンサーの磨耗や変形をもたらすおそれがあります。

エンジンが酷く汚れている場合は、脱脂剤をトランスミッション類 (チェーン、スプロケット等 ) に付かないように気を付けながら清掃してください。 水道水で良くすすぎ、車体全表面部をセーム革で拭きます。

警告洗車後は、ブレーキ能力が落ちることがあります。 ブ

レーキディスクには絶対に、グリースやその他のいかなるオイルも付けないで下さい。ブレーキ能力が失われます。 ディスクは非油性の溶剤にて清掃してください。

89

J

長期間の不使用 車両を長期間使用しない場合、保管する前に以下の作業を実施するようお薦めします:車両を清掃します。燃料タンクを空にします。スパークプラグのベースから少量のエンジンオイルをシリンダーに入れ、手でエンジンを数回転させシリンダー内壁に保護膜を形成させます。車両をスタンドに立てかけて停車します。ケーブルを外し、バッテリーを取り外します。 1ヶ月以上車両を使用しなかった場合には、バッテリーの点検と充電、交換を行う必要があります。カバーで、車両を覆います。このカバーは DucatiPerformance で取り扱われています。塗装部分を保護し、湿度を溜め込まない素材で出来ています。

重要注意事項 国によっては (フランス、ドイツ、イギリス、スイス等 )排気ガス、騒音規制の基準を設けている場合があります。 法に義務付けられた定期点検を行う他、規制に適さない部品がある場合は、適合する Ducati オリジナルパーツと取り代えて下さい。

90

J

メンテナンス

定期メンテナンスプログラム:ディーラーが実施する作業

メンテナンス項目 / 作業内容( ㎞ / マイル毎、または経過時間 *)

Km. x1000 1 12 24 36 48 60

マイル x1000 0.6 7.5 15 22.5 30 37.5

月数 6 12 24 36 48 60

エンジンオイルの交換 • • • • • •エンジンオイルフィルターの交換 • • • • • •エンジンオイルインテークフィルターの清掃 •エンジンオイルプレッシャーの点検 • •バルブの遊び点検、調整 (1) • • • • •タイミングベルト張力の点検 (1) • • •タイミングベルトの交換 • •スパークプラグの点検と清掃 必要であれば交換 • •エアフィルターの点検と清掃 (1) • • •エアフィルターの交換 • •スロットルボディの点検 (同調とアイドリング )(1) • • • • •

91

J

ブレーキ / クラッチ液レベルの点検 • • • • • •ブレーキ / クラッチ液の交換 •ブレーキ / クラッチコントロールの点検、調整 • • • • •スロットル / スターターの点検と潤滑 • • • • •タイヤ圧、磨耗点検 • • • • • •ブレーキパッドの点検 必要であれば交換 • • • • • •ステアリングヘッドベアリングの点検 • •チェーン張力、アライメントの点検と潤滑 • • • • • •クラッチプレートの点検 必要であれば交換 (1) • • • • •リアホイールの伸縮ジョイント点検 • •ホイールハブベアリングの点検 • •ランプ、インジケーターの点検 • • • • •エンジン~フレーム固定スクリュー、ナット締め付け点検 • • • • •サイドスタンドの点検 • • • • •フロントホイールのナット締め付け点検 • • • • •リアホイールのナット締め付け点検 • • • • •アウターフューエルホースの点検 • • • • •フロントフォークオイルの交換 •フロントフォーク / リアショックアブソーバーオイル漏れ点検 • • • • •

メンテナンス項目 / 作業内容( ㎞ / マイル毎、または経過時間 *)

Km. x1000 1 12 24 36 48 60

マイル x1000 0.6 7.5 15 22.5 30 37.5

月数 6 12 24 36 48 60

92

J

* 走行距離 (㎞ )、経過時間 ( 月数 ) の2つの点検期限のうち、どちらか 初の期限が来た際にメンテナンス作業を実施して下さい。

(1) 走行距離 ( ㎞ ) の期限が来た際にメンテナンス作業を実施して下さい。

フロントスプロケット固定具の点検 • • • • •潤滑、グリースの塗布全般 • • • • •バッテリーの点検と充電 • • • • •道路上の試運転 • • • • • •全般的清掃 • • • • •

メンテナンス項目 / 作業内容( ㎞ / マイル毎、または経過時間 *)

Km. x1000 1 12 24 36 48 60

マイル x1000 0.6 7.5 15 22.5 30 37.5

月数 6 12 24 36 48 60

93

J

定期メンテナンスプログラム:オーナー自身が実施する作業

* 走行距離 (㎞ )、経過時間 ( 月数 ) の2つの点検期限のうち、どちらか 初の期限が来た際にメンテナンス作業を実施して下さい。

メンテナンス項目 / 作業内容 (㎞ /マイル毎、もしくは経過時間 *)

Km. x1000 1

マイル x1000 0.6

月数 6

エンジンオイルレベルの点検 •ブレーキ / クラッチ液レベルの点検 •タイヤ圧、磨耗点検 •チェーン張力の点検と潤滑 •ブレーキパッドの点検 必要であれば、ディーラーにて交換 •

94

J

テクニカルデータ

全体寸法(mm) ( 図 78)

重量重量 ( 燃料抜き ):179 Kg177 Kg(S)重量 ( 燃料込み ):390 Kg

警告重量制限を遵守しない場合、操縦性と性能の低下を招

き、車両のコントロールを失う原因となります。

2120 ± 20

1455 ± 20

1150

± 2

0

900 ± 20

図 78

95

J

重要絶対に燃料、オイル等には添加剤を加えないで下さい。

燃料補給 タイプ dm3 ( リットル )

燃料タンク、リザーブ 3.3 リットルを含む オクタン 低値 95 の無鉛ガソリン 12.4

潤滑システム回路 SHELL - Advance Ultra 4 3.7

フロント / リアブレーキシステム、クラッチ 油圧システム用 SHELL - Advance Brake DOT 4 ム

電極保護液 配線用スプレー SHELL - Advance Contact Cleaner ム

フロントフォーク SHELL - Advance Fork 7.5 または Donax TA ム

96

J

エンジン4ストローク 1100cc の L型 2気筒エンジン、デスモドロミックシステム搭載、エレクトロニックインジェクションシステム、空冷式ボア:98 ストローク:71.5総排気量:1078圧縮比:10.5 ± 0.5:1クランクシャフト 大出力 (95/1/EC):61.2 kW - 83.2 馬力 / 7500rpmクランクシャフトトルク 大回転数 (95/1/EC):92 Nm - 5000 rpm

大回転数、rpm:8700

重要いかなることがあっても許容 大回転数を越えた状態

で走行してはいけません。

タイミングシステムデスモドロミックシステム:シリンダーごとに 2 本のバルブ、4 本のロッカーアーム (2 オープニングロッカーアーム、2 クロージングロッカーアーム )、カムシャフト クランクシャフトよりスパーギアとベルトローラー / コグドベルトで駆動されるカムシャフトによって制御されます。

デスモドロミックタイミングシステム ( 図 79)

1) オープニング (アッパー ) ロッカーアーム2) オープニングロッカーシム3) スプリットリング4) クロージング (もしくはロア ) ロッカーアームシム5) ロッカーアームリターンスプリング6) クロージング (もしくはロア ) ロッカーアーム7) カムシャフト8) バルブ

2

1

34

6

57

8

図 79

97

J

性能データ各ギアにおける 高速度への到達は適切な指定点検整備を受けて、適正な慣らし期間が済んだ後に限ります。

スパークプラグシリンダーごとの点火はダブルスパークプラグを介して起こります。 この方法では特に中間速度においての、より完全、効力の高い燃焼を得ることが出来ます。メーカー:NGKタイプ:DCPR8Eまたは :メーカー:CHAMPION タイプ:RA6 HC

燃料供給マレッリ製間接式エレクトロニックインジェクションシステムスロットルボディ直径:45 mmインジェクター ( 各シリンダー ):1インジェクター孔:1燃料供給 : 95-98 RON

エキゾーストシステムヨーロッパの汚染防止規制 EURO3 に適合した触媒。

98

J

トランスミッションアルミニウム合金製クラッチバスケット、ディスクハンドル左側レバーコントロール、湿式クラッチエンジンとギアボックスメインシャフト間の駆動伝達エンジンスプロケット /クラッチスプロケット比:32/596速コンスタントメッシュギア、車体左側ペダルによる操作。ギアスプロケット /リアスプロケット比:15/42総ギア比:1 速 15/372 速 17/303 速 20/274 速 22/245 速 24/236 速 28/24

チェーンによるギアボックスとリアホイール間駆動伝達:メーカー:DIDタイプ: 525 HV2 サイズ:5/8” x 5/16” リンク数:104

重要上記のギア比は認可されたもので、いかなることが

あっても変更してはいけません。

この車両を競技用に仕様変更する場合には、Ducatiモーターホールディング社から特別なギア比に関する情報を提供いたしますので、オフィシャルディーラーまたはサービスセンターにお問い合わせ下さい。

警告リアスプロケットの交換作業は、オフィシャルディー

ラーまたはサービスセンターにお任せ下さい。 この部分の誤った交換作業はライダーの安全に深刻な危険をもたらし、車両に重大な損傷を与える原因となります。

99

J

ブレーキ

フロント穴付きセミフローティングダブルディスクハウジング材質:スチール製ブレーキレーン材質:スチール製ディスク直径:305 mm右側ハンドルレバーによる油圧コントロール。有効面積:84 cm2

ブレーキキャリパーメーカー:BREMBOタイプ:30/34 - 4 ピストンブレーキパッド材質:FERIT I/D 450FPポンプタイプ:PSC18

リア穴付き固定ディスクハウジング材質:スチール製ブレーキレーン材質:スチール製ディスク直径:245 mm車体右側ペダルによる油圧コントロール。有効面積:25 cm2

メーカー:BREMBOタイプ:34-2 ピストンブレーキパッド材質:FERIT I/D 450FFポンプタイプ:PS11

警告ブレーキ液は腐食性です。 誤って目や皮膚に付いた場

合は大量の流水で洗浄して下さい。

100

J

フレーム高耐性スチールパイプトレーリスフレームステアリングアングル (左右 ):32°

ステアリング:ステアリングヘッドアングル:24゜ トレール:102 mm

ホイール

フロント5 スポーク軽合金フロントリム (1100)5 スポーク軽合金鋳造フロントリム (1100S)サイズ:MT3.50x17”

リア5 スポーク軽合金リアリム (1100)5 スポーク軽合金鋳造リアリム (1100S)サイズ:MT5.50x17”

フロントホイールはピン取り外し可能ですが、リアホイールはシングルスウィングアームのハブに固定されています。

タイヤ

フロントチューブレスラジアルタイヤサイズ:120/70-ZR17

リアチューブレスラジアルタイヤサイズ:180/55-ZR17

101

J

サスペンション

フロントハイドロリック倒立フォーク、プリロード ( フォークインナースプリング)及びリバウンド/コンプレッション調整システム付きスタンションチューブ直径:50 mmフォーク軸:165 mm

リアショックアブソーバー上部のピボットポイントとフレームの間に、ロッカーアームが配置されたプログレッシブタイプです。ショックアブソーバーはスプリングプリロード及びリバウンド / コンプレッションダンピングの調整が可能で、ショックアブソーバー下部が基点となり、ピボットポイントは、軽合金製シングルスイングアームに接続されています。 スイングアームはフレーム、エンジン用ピンの基点の回りを回転します。 このシステムは、車両に高い安定性をもたらします。アブソーバー作動長60.5 mmホイールトラベル141 mm

カラーバリエーションドゥカーティアニバーサリーレッド、部品番号:F_473.101(PPG)クリアー、部品番号: 228.880 (PPG)レッドフレーム、ブラックホイール

102

J

エレクトリカルシステム主要構成部品は以下の通りです:ヘッドランプ、ハロゲン、2 種ビーム:ロービームユニット H7 (12V-55W)ハイビームユニット、EU および UK バージョンは H7 (12V-55W)、USA バージョンは H9 (12V- 65W) パーキングランプ 12V-6Wハンドル上スイッチターンインジケーター電球 12V-10W警告ホーンストップランプスイッチバッテリー、密封状態 12V-10 Ahジェネレーター、12V-520Wレギュレーター、バッテリー側面に 30A の保護ヒューズ付きDenso 製スターターモーター、12V-0.7kWテールランプ、ストップ/パーキングランプ用ダブルフィラメント 12V- 5/21W、ナンバープレート用電球 12V-5W

注意電球の交換は 78 ページを参照してください。

103

J

ヒューズメインヒューズボックス (1、図 80) は右サイドパネルの下に配置されています (69 ページ参照 )。プロテクションカバーを取り外すことでヒューズの交換が可能になります。バッテリーの横にもメインヒューズボックス以外にヒューズが配置されています。

インジェクションシステムリレー、エンジンコントロールユニットリレーを保護するヒューズがシート下部に配置されています (2、図 81) 。交換するには、保護キャップ (A、図 81) を取り外します。

1

図 80

2

図 81

104

J

切れたヒューズは、インナーフィラメントが断線していることで確認できます (3、図 82)。

重要回路のショートを防止するために、ヒューズ交換の前

には、イグニッションキーを OFF にして下さい。

警告表示されている規定以外のヒューズは決して使用しな

いで下さい。 このルールを守らない場合には、電気回路に損傷を招き、火災の原因となります。

3 3

図 82

105

J

インジェクション /エレクトリカルシステム配線図凡例

1) 右側スイッチ2) イモビライザーアンテナ3) キースイッチ4) ランプリレー5) ヒューズボックス6) スターターモーター7) " 耐震 "ダイオード8) データ取得9) フューズ付きスターターコンタクター10)バッテリー11)レギュレーター12)ジェネレーター13)テールランプ14)右リアターンインジケーター15)ナンバープレートランプ16)左リアターンインジケーター17)インジェクションリレー18)燃料タンク19)自動診断コネクター20)スピードセンサー21)サイドスタンドスイッチ22)ラムダセンサー23)ホリゾンタルシリンダーコイル24)右側ホリゾンタルシリンダースパークプラグ25)左側ホリゾンタルシリンダースパークプラグ26)バーチカルシリンダーコイル27)右側バーチカルシリンダースパークプラグ28)左側バーチカルシリンダースパークプラグ29)ホリゾンタルシリンダーインジェクター30)バーチカルシリンダーインジェクター31)スロットルポジションセンサー

32)エンジン回転 /作動センサー33)コントロールユニットオイル温度センサー34)ステッパーモーター35)ニュートラルスイッチ36)オイルプレッシャースイッチ37)リアストップスイッチ38)フロントストップスイッチ39)クラッチスイッチ40)左側スイッチ41)計器オイル温度センサー42)気温 / 気圧センサー43)バタフライ (Exup) バルブ44)計器類 (インストルメントパネル )45)左フロントターンインジケーター46)警告ホーン47)ヘッドランプ48)右フロントターンインジケーター49)エンジンユニット50)コントロールユニット

106

J

配線カラー表B 青W 白V 紫Bk 黒Y 黄R 赤Lb ライトブルーGr グレーG 緑Bn 茶O オレンジP ピンク

注意配線図はマニュアルの 後尾にあります。

ヒューズボックス凡例

配置 内容 ア ン ペ ア値

1 キーオン、スターターコンタクター、ラムダセンサー、ストップランプ

10 A

2 ランプ 15 A

3 Loads 15 A

4 インジェクション 20 A

5 ECU 5 A

6 インストルメントパネル 5 A

107

J

定期点検メモKm Ducati サービスセンター名 走行距離 実施日

1000

12000

24000

36000

48000

60000

Ducati Motor Holding spa via Cavalieri Ducati, 3 40132 Bologna, ItaliaTel. +39 051 6413111 Fax +39 051 406580www.ducati.com

Stam

pato 03/2007C

od. 913.7.127.1B

12

34

56

7

POTSMOT

SS

S

IAW5AM

OIL

AIR/PRESS

OV

V O

1 2 3 4

YY Y

R

B/W

W/Bk

R/W

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BK

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1N4007

K A

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R

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Bn

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R/Y

CAVO SCHERM.

CAVO SCHERM.

CALZA CAVO SCHERM.

Lb

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GW/Bk

Led

Led

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1

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1

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/W

Bn

/W

12

AMP

3

W/R

N.C.

12

AMP

3

O

BW Bk

FREE

PUSH

RW

OFF

RUN

STARTER ENGINE STOP

RBk

G/Y

P/Y

Br/

G

Bk

/G

BA C

HALL

SPEED

A CB

1 2

21

Lb

LOCK

GR

ONON

PARK

OFF

WR R GBk Y

BY Br

OFF

PUSH

G O

N

Gr

L

RY

HI

LO

R

OFF

PUSH

TURN

BkW BkY RBk RBk

HORN DIMMER PASSING

2

2

Bn/W

BODY 1

BODY 4

BODY 6

BODY 11

BODY 16

BODY 17

BODY 22

BODY 24

BODY 27

BODY 28

BODY 32

BODY 33

BODY 38

ENGINE 14

ENGINE 23

ENGINE 22

ENGINE 38

ENGINE 10

ENGINE 28

ENGINE 37

ENGINE 32

ENGINE 3

ENGINE 20

ENGINE 25

ENGINE 35

ENGINE 34

ENGINE 29

ENGINE 5

ENGINE 18

ENGINE 9

ENGINE 19

ENGINE 17

ENGINE 13

3 12

123

1 2

12

4321

G O

N

Gr

B

A

MENU SWITCH

BODY 20

BODY 29

1 2 1 2

1

2

BODY 8

1

2

Bn/W Bn/W

Bk/V

51 4 3 6 2

30A

3

2

1

4321DCBA

A B C

2

1

3

21

1 2 3 4

10 W

10 W

1

4

3

2

4 3 21

1

2

1

2

1

2

1

2

55/60W

3 W

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

5 W

45

47

46

48

01 02 03 0504 08 06 09 10

07

1211

49

13

14

16

15

30 29 26

28 27

25 24

23 223233

50

17

3537

3638

3940414243

34

18

19

20

21

31

44

HYPERMOTARD 1100 / 1100 S