大学教育センタ 年報

216
大学教育センタ 年報 第14号 平成22年3月 茨城大学 大学教育センター

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大学教育センタ 年報ー

第14号

平成22年3月

茨城大学

大学教育センター

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◇表紙中央の図案は、茨城大学の校章である◇

◇ノイバラ (Rpsam"〃IMz)の若芽を◇

◇イメージして、教育学部の島田裕之先生に◇

◇デザインしていただいた大学教育研究開発◇

◇センター(現在の大学教育センターの前身)◇

◇のロゴマークです。センターの刊行物◇

◇(ニュースレター等)で使用しています。◇

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

目 次(第14号)

巻頭言 森野 浩(大学教育センター長)…………1

平成21年度教養教育シンポジウム……・…………………………・………………………・……………3

平成21年度教養教育FD研究会…………………………………………………………………………33

各基礎教育専門部会からのFD報告………………………………・……………………・…・……………47

授業アンケートの結果について………………………………………………・…………・……・…………69

教養教育に関する論文・研究ノート

(1)水戸藩史跡を活用した教育史教育の試み

-弘道館・常磐共有墓地・回天館の教材化を通じて一

山田恵吾(教育学部)………………………83

(2)高等教育論における「日本の大学の環境教育」研究レビューと今後の展望

一「サステイナビリティ学教育プログラム」を事例として-

内山弘美(茨城大学地域総合研究所)……93

(3)第2期中期目標・計画の意図と自己点検評価について

嶌田敏行(評価室)

田切美智雄(名誉教授/前評価室長)………103

(4)入学生の力学の基礎学力について-プレースメントテストの分析から-

吉田宏二(大学教育センター) …………111

(5) FactorsofaProficiencyTesttoEvaluatethelntegratedEnglishProgram

inlbarakiUniversity

西尾由里(大学教育センター)

小林邦彦(人文学部) ……………………115

(6) HowtoTeachPresentationSkillsEffectively

有田由紀子(大学教育センター) …………131

教養教育に関する授業の実践報告

(1)確率・統計授業実践報告(平成21年度)

~予習・復習の習慣化に向けて~

仙波一郎(工学部) ……・………. 145

教養科目推奨授業選定の経過と結果………………………………・……………・…………………・…153

ニュースレター「ローザ・プルムラ」の軌跡

:NO.38 (平成21年4月号)~NO.39 (平成21年10月号) …………………155

平成21年度大学教育センター活動内容

(1)学外シンポジウム等の参加報告・……………………………・………・…………………………171

(2)大学教育センター理系基礎教育部教科書編集委員会報告……………………………………191

(3)大学教育センター活動の経過……・…………………………………………・…・………………192

(4)大学教育センター関係委員名簿…………………………………・…・……………・……………197

平成21年度大学教育センター専任教員研究活動…・…・……………………………………・………199

巻頭言

茨城大学大学教育センター長

森野浩

平成21年度のセンターにおける主要な活動を紹介することで、年報の巻頭言とした

い。この年度は、第一期中期目標・計画期間の最終年度にあたり、評価の最終とりまと

めと同時に、第2期中期目標・計画の策定が重要な業務であった。茨城大学の教養

教育を担う本センターとしては、習熟度別クラス編成にもとづく4技能の修得を目指し

た総合英語教育、及び理系接続教育を、独自の特色ある取組と位置づけてきた。この

二つのプログラムの更なる継続発展を目指して、前者に関しては4年生を対象にした

アンケート調査を実施し、教育成果の確認と共に課題を浮き彫りにした。後者につい

ては、3年間の特色GP「確かな学力の向上を目指す理系基礎教育」の最終年度にあ

たってシンポジウムを開催し、報告書を作成した。そこで蓄積し開発した教育方法と内

容は理系基礎教育部を中心に今後も展開を図ることになっている。

その他のいくつかの新しい取組を紹介しておく。 16回授業問題への対応は、学年

暦の調整、非常勤講師時間の確保においてかなりの混乱をもたらした。これらは事前

に予想していたことであるから、対応に問題があったといえる。授業の回数問題(つまり

単位の実質化)でいえば、総合英語のクラス分けテストをセンター入試成績でおこなっ

たことで、第一回目の授業から実質的な英語の講義が可能になった。さらに、大人数

クラスへのTA配置が実現した。次の課題として授業当初からの雇用実現をめざしてい

る。

第2期中期目標・計画についてその主要な点を挙げておく。上述の教育プログラム

の充実を図るためにはセンター組織の安定化が不可欠である。それで初めて、学部

教育に対する支援活動も可能になる。カリキュラムポリシーに沿った授業の精選も積

み残してきた課題である。これは、GPA(及びCAP)制度の導入とも連動する。GPA

制度の導入にはセンターが主導的役割を果たすことになっている。これらは、学部との

協力を得ながら、ロードマップに従って進めていく。

大学の機能別分化と個性化が求められて久しい。第2期中期計画期間では更にそ

れが強調されている。この個性化は「教育について」である。国は、大学の個性化(す

なわち多様化)を進めることで日本の大学全体の維持を図っている。このメッセージを

深刻に受け止め、様々な一過性で表面的な評価情報に惑わされることなく、地道に茨

城大学の中期計画の実現に努めていきたい。

-1-

平成21年度茨城大学教養教育シンポジウム

基礎学力向上のためのシンポジウム

-確かな学力の向上を目指す理系基礎教育を求めて-

『特色ある大学教育支援プログラム』 (特色GP)の1つとして、茨城大学の取組「確

かな学力の向上を目指す理系基礎教育」が、平成19年度採択され、今回最終年度を

迎えました。 これを機に、この取組の総括を報告するとともに、理系基礎教育のカリ

キュラムや教育方法の改善改革について考えるシンポジウムを開催します。特に、数

学、物理などの理系基礎科目の初年次教育をどのように考え、どのように実施してい

けばよいか、議論を深めたいと願っています。

日時

場所

2009年12月9日 (水)午後1時~5時

茨城大学理学部K棟1Fインタビュースタジオ

(茨城県水戸市文京2-1-1 (水戸キャンパス))

プログラム

13:00~13:05開会の辞森野浩(茨城大学大学教育センター長)

13:05~13:15学長挨拶池田幸雄(茨城大学学長)

13:15~14:00確かな学力の向上を目指す理系基礎教育

曽我日出夫(茨城大学教育学部教授)

14:05~14:50金沢工業大学における理系基礎教育の取組

青木克比古(金沢工業大学基礎教育部教授)

14:50~15:00休憩

15:00~15:451CTを活用した理数系基礎教育の実践一出口への質保証も踏まえて-

小松川浩(千歳科学技術大学総合光科学部教授)

15:50~16:40パネルデイスカッシヨン(初年次教育についての考え方と工夫)

青木克比古(金沢工業大学基礎教育部教授)

小松川浩(千歳科学技術大学総合光科学部教授)

曽我日出夫(茨城大学教育学部教授)

栗原和美(茨城大学工学部教授)

16:40~16:55質疑の時間

16:55~17:00閉会の辞白石昌武 (茨城大学副学長)

主催茨城大学大学教育センター

問い合わせ先:

茨城大学学務部学務課大学教育センター係

茨城県水戸市文京2-1-1

電話029-228-8414

FAXO29-228-8498

-3-

平成21年度茨城大学教養教育シンポジウム

『基礎学力向上のためのシンポジウム」実施報告

大学教育センター教育点検支援部

実施概要

シンポジウム副題確かな学力の向上を目指す理系基礎教育を求めて

日時平成21年12月9日 (水) 13時~17時

場所茨城大学総合研究棟(K棟)インタビュースタジオ

対象大学(教員・学生)、一般(参加資格不問)

主催茨城大学大学教育センター

平成21年度の教養教育シンポジウムが標記の通り開催された。茨城大学はこれまで、

特色GP「確かな学力の向上を目指す理系基礎教育」 (平成19年度採択)推進を柱として

理系基礎教育の充実に力を入れてきた。当GPは平成21年度末をもって終了する。 これ

を機に、大学教育センター理系基礎教育部を中心とするこれまでの取り組みの総括を報告

するとともに、理系基礎教育についてさらに議論を深めることを期して、標記の副題のも

とシンポジウムを開催する運びとなった。学外からは、理系初年次教育に特色ある取り組

みで定評ある金沢工業大学ならびに千歳科学技術大学から講師を招いた。本シンポジウム

は勝本真副センター長による司会のもと、茨城大学の取り組みの総括報告、金沢工業大学

の取り組み、千歳科学技術大学の取り組み、パネルディスカッションの4部構成で進行し

た。以下、プログラムの順番にしたがって概要を紹介する。

最初の講演は、本学の大学教育センター理系基礎教育部代表である曽我日出夫氏(教育

学部教授)による『確かな学力の向上を目指す理系基礎教育』である。特色GP採択以前

の大学教育研究開発センター時代(平成15年)から続く茨城大学の各種取り組みが詳し

く説明された。取り組みの結果見えてきた本質的な課題(必ずしも教養教育の範晴におさ

まらない)についても話がおよび、後のパネルディスカッションにおける議論の種子とな

った。引き続いて、金沢工業大学数理工教育研究センター次長の青木克比古教授による講

演が行われた。演題は『金沢工業大学における「理系基礎教育」の取組一数理工教育研究

センターの実践一」である。同大学はオープンスペース(数十名の教員と事務員が同一空

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外にも実にきめ細かい様々な取り組みがなされ

一竜 踏まえて-』である。千歳科学技術大学は、全

-4-

学をあげてのeラーニング教材整備と、それを活用した大学間連携および地域に根付いた

高大連携を実現させていることで名高い。先進的なICT活用事例の紹介には目を奪われ

るものがあったが、何より、組織的に取り組むことの重要性(「個人でがんばらない」こと)

やeラーニング活用の限界点などが強調された点は印象的であった。なお、以上の三氏に

よる講演のより詳しい内容については、後出のスライド資料を参照していただきたい。

シンポジウムの最後に置かれたのは、『初年次教育についての考え方と工夫』をテーマと

するパネルディスカッションである。本学の曽我氏をコーディネーターとし、青木氏、小

松川氏に加えて茨城大学工学部の栗原和美教授にパネラーとして参加いただいた。理系初

年次教育が抱える固有の(大学間で共通

の)留意事項と言えるものは何か、専門

科目への接続はどう行うか、など、各パ

ネラーによる活発な意見交換が進められ

た。途中、会場からの質疑の時間になる

と、今とばかりに質問が飛び交い、議論

は大いに白熱した。昨今の理数系学生の

学力低下を危倶する意見に端を発し、「で

きない」 というより 「やらない」学生をどう理解したらよいか、学問上本質的な内容(形

式的な計算技術等のみならず)を教授することにどこまでこだわるか、など、議論は発展

した。 このディスカッションを通じて今後の課題というべきものがより明瞭になったので

はないかと感じられた。

最後に、白石昌武茨城大学副学長(教育担当)の閉会の辞をもって、シンポジウムは終

了となった。当シンポジウムの参加者は計59名で、 内訳は、茨城大学から47名(大学

教育センター関係者9名、大学院生2名を含む)、他大学から5名、高等学校から5名、そ

の他2名(県教育庁から1名含む)であった。なお、参加者対象の事後アンケート集計結

果(後出) も併せて参考にしていただきたい。

(梅原守道)

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-5-

基礎学力向上のためのシンポジウム

-確かな学力の向上を目指す理系基礎教育を求めて-

『特色ある大学教育支援プログラム』(特色GP)

於茨城大学水戸キャンパスインタビュースタジオ

2肋9年12月9日(水)

主催:茨城大学大学教育センター

-7-

プログラム

13:00~13:05開会の辞森野浩恢城大学大学教育センター長)

13:05~13:15 学長挨拶池田幸雑(茨城大韓長)

13:15~14:00確かな学力の向上を目指す理系基蝋育

曽我日出夫(茨城大学孝情学部親受)

14:05~14:50金沢工業大学における理孫基礎教育の取組

青木克比古(金沢工業大 基癖育部葬

14:50~15:00休憩

ICTを活用した理数系基礎教育の実勝出口への質保証も踏まえて-15:00~15:45

学部教授)小松川浩(千歳科

15:50~16:40パネルディスカッション

青木克比古(金沢工業大

(初年次教育についての考え方と工夫)

学基礎教育部教授

小松川浩(千歳科学技術大学総合う俳卜学部教授)

曽我日出夫(茨城大学教育学部鞭)

栗原和美(茨城大学工学部教授)

16:40~16:55質疑の時間

16:55~17:00閉会の辞白石昌武(茨城大学割学長)

-8-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師曽我日出夫氏」資料

士[皇皐

確かな学力の向上を目指す

理系基礎教育専門教育への不適応

入学者の多様化 一基礎学力の習得

卒業生の質の保証

茨城大学大学教育センター

理系基礎教育部

曽我日出夫2009.12.9

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一率》

夕日

始まり全体的方針

2003.11~

総合計画委員会で「接続教育」の検討(1)カリキュラム全体の中で見直す

(2)習得度に応じた内容と方法で

(3)下位グループの早期の引き上げ

(4)授業内容の規格化

2004.1~

大教センターでの理系基礎教育の検討

理系基礎教育ワーキンググループでの検討

理学部2名工学部3名教育学部1名

ロ巍蚕費’

ロ識蕊

(1)カリキュラム全体の中で見直す 教養科目

共通基礎科目外国語科目

健康・スポーツ科目

情報関連科目

分野別教養科目 (人文の分野)

(社会の分野)

分野別基礎科目 (人文系)

(自然系) 2~3科目 初年

理系

基礎

2~3科目教育

教養科目→専門基礎科目→専攻科目分野別基礎科目 専門基礎科目

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-9-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師曽我日出夫氏」資料

(3)下位グループの早期の引き上げ

・高校の内容からやり直す

(2)習得度に応じた内容と方法で

入学時にプレースメントテストを実施

o型;高校レベルの内容が相当量修得できていない

1型高校レベルの内容は概ね修得できているが

確実ではない(多数派)

2型:高校レベルの内容は確実に修得できている

・週2回授業前期末1型に追いつく

・復習を徹底化する

それぞれに応じた授業内容とやり方を

鐸》城幸

茨』

夕日

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実施内容

’)微積分のo型授業の企画実施(工学部1年農学部希望者)

2)物理学のo型授業の企画実施(工学部1年農学部希望者)

3)復習を促すパソコン教材の開発利用(工学部1年農学部希望者)

4)eラーニングの基礎システムの構築と普及(全学)

5)微積分の1型(十2型)授業の「統一化」(工学部1年)

6)物理学の1型(+2型)授業の「統一化」(工学部1年)

7)物理学.化学の初年次実験科目の企画実施(工・農・教育学部)

(4)授業内容の規格化

.シラパスの統一

・教科書の統一

・試験内容の統一

・成績評価の基準化

・担当者の事前打ち合わせ

・学科によらないクラス分け

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o型授業の流れo型授業の内容

講義 eラーニング

詳細な授業計画

シラバス30回分の授業ノート

復習小テストの実施

毎週15分程度マークカード

復習の徹底化

自習の習慣化

パソコン教材の利用

自宅で授業内容を復習

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10

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師曽我日出夫氏」資料

(2)パソコン教材司金卸■分入日一時IC『o”ftht■『例BqE別p鞄『⑯ 遭穣’討凡⑦塾④庚宗M…入切り罪凡⑩ヘルブ⑪ 酢

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実施結果(o型と1型の比較)

微分積分 物理(力学)

力学基礎テスト(H18-20)微分積分基礎テスト(H17-20)

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学『大堀城副茨』

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実現化までの問題点

・関係学部との合意→説明会の開催

売授業でのO型と1型の比較

1年後期以後基礎的数学の科目教材の作成開発 →基礎教育WG(講義ノートバソコン教材)

予算の確保 →学長裁量経費

概算要求予算

特色GP補助金

運営組織の整備→大教センターの改革(実施組織の設置定員化)

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1型(+2型)

60.7点

69.3点

成績の平均 合格率の平均

63.9%

78.1%

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師曽我日出夫氏」資料

今後の課題

・初年次教育の工夫だけでは済まない。

どうもありがとうございます・教育力向上を全学的な設定で行う。

・恒常的な改善改革の体制をつくる。

学《大陸城幽茨一

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茨』

夕日

-12-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

内容金沢工業大学における

「理系基礎教育」の取組

教金沢工業大学の概要と理系基礎(数理)教育

数理教育の課題と対応

数理工教育研究センターの特長、機能、活動など

センターの学習支援の状況(平成20年度)

本学での学びの状況(平成20年度)

数理教育の質の状況

平成21年度からの数理教育

今年度(前学期)の状況

これまでの活動を振り返って

■■■■■唾■■■

-数理工教育研究センターの実践一

平成21年12月

数理工教育研究センター

青木克比古

20吟12 茨城大学シンポジウム 2009-12 茨城大学シンポジウム 2

金沢工業大学の概要 ・研究組織■工科系総合大学: 昭和40年(1965年)開学

■学部:工学部、環境・建築学部、情報学部、

バイオ・化学部(4学部)

■学生:学部 6767名(09/5現在) ,

大学院474名(09/5現在)

■建学の綱領と大学のビジョン

■ 「人間形成」 「技術革新」 「産学協同」

■教育の卓越性、研究の卓越性、サービスの卓越性

■ 「教育付加価値日本一」を目指す

■教育目標

■ 「自ら考え , , : 岨.戒」

2009-12 茨城大学シンポジウム 3

■学部:コ

ロ学生: 身

茨城大学シンポジウム2“9-12 4

金沢工業大学の「自ら考え行動する技術者」の育成 学部カリキ

'年次 ’ 2年次

ユラム構成(130単位)

3年次 4年次

修学基礎:修学基礎、技術者入門、人間と自然、日

本学、スポーツ、ドイツ鰭など (24単位)課外活動,

J

プロジェクトデザインの実践 英旙(9単位)

一獅基

数理

夢プロ

プロジエク+fデザイ皿

主 ▲

柱 ‘プロジェ外デザイ麺

’プロジェクトデザイ郭

修学基礎教官の実践

主柱

修学基礎教官の実践

工基礎:

基礎数理数理工統合(数理統合)、数学、物理、

化学 (16単位)繍唖

I鳴對塵錘変えるr

偽cilo 顎慧¥画

騨基基礎実技:実験、プロジェクトデザインI、Ⅱ ('4単位)クラブ

専門基礎(46単位)SA

専門コア('2単位)

ブロジェクトデザインm(9単位)茨城大学シンポジウム 6

気づく

ChecI即血頂 5 2009-12

-13-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

金沢工大の初年次教育

口数理工基礎教育,基礎数理、数理工(数理〕、数学,物理、化学

■修学基礎教育:修学基礎、人文社会、スポーツ、ドイツ語他

■英語教育:英語

■基礎実技教育:基礎実験、プロジェクトデザインI、Ⅱ

ロ入学牛の変化

■学力の多様化、高校での履修科目の多様化

■学習意欲、勉学意識・目的意識の強弱

■ . ’ 1 . . ‘.'』'7 ‘ ,’ 1‘

画教育改革:平成7年実施,平成11,16,20年:見直し

■工学設計教育(プロジェクトデザイン)を主柱に

■工学基礎教育センターの設置:平成12年

画学力低下への対応と数理教育の充実

■組織的な教育により教育の質の向上

(従来の個々の教員の教育からの脱却)2009-12 茨城大学シンポジウム

生の

"、の対

■数理工韓礎教育のねらいと担当:

鳳数理学力の向上(専門教育の基懸)と定瑞化

■人間力(自己学習力など〕の酒量

■担当敷理。■教育研究センター(数理エ基礎教育課程)

200912 茨轆大学シンポジウム

数理教育の具体策 センター曳陛廻匪麺三酌j践

ロカリキユラムと授業(敏・理・工・脊令燕T)

画多様化に対応したカリキュラム構成(習熟度別)

■学生の関心を高める内容、効果的な授業

・学生への学習支援" 、扉は ‘ . ? )

■授業と個別指導のバランスおよび相互活用

ロ組織的な教育活動’ ' ポリ、 W 虜'■教育活動を効果的・効率的に

■教育情報のオープン化・共有化

。PDCA(計画・実施・評価・改善)のサイクル

隣教育研究の必要性 』“ . ’ -, -〕

2009-12 茨城大学シンポジウム

業(敏・理・工・

【散理工

理工敦!散

■平成12年(2000)4月

■数理教育の支援

■多様化する学生、理解の不十分な学生への支援

学力低下への対応と数理教育の質の向上

組織的に教育・研究に取り組む

考える楽しみと学ぶ喜び

茨城大学シンポジウム 102009-12

本センターの特長 数理工教育研究センターの機能■

口先亜戟育‘十千の土畑'五%』■基礎数理、数理工統合(数学十物理十工学)もしくは

数理統合(数学十化学や情報学)を中心とする数理教育

ロチューター活動(個別指導、グループ指導)

■各種講座による学習支援L p r

■ , ’了h 『 '4- 』

■テストバンクの作成、補助教育プログラムの開発

ロ教材と学習コースのデジタル化、教科害の開発

■cラーニングの開発

■ . ・5 r, ;

■カリキュラム開発、教育情報のオープン化・共有化

■数理教育研究、教育内容・手法の改善

■シラバスによる授業の標準化

2009-12 茨城大学シンポジウム 12

■授業も担当する教員、学習支援を専門に担当する教員(約20名十約10名)

■数理教育の活動を支援する職員(約5名)

■ !-「 =『 、J4 . 」 、 , -- . !

■いつでも、どんな質問にも対応一一一一一一

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■ j ,L ‘E:凸 一

画近くにいること

■教員間で対話ができること

■親切であること

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14

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

・数藍工(MR")紬合教育■数学と理科を個々に教えるのではなく、数学を中心に、物理を含め工学に関連づける、あるいは数学を情報学や化学に関連付けた数理教育

■独自教科書を執筆

□ねらい■学生に数理の学習動機を高める

■数学の専門科目への応用を容易に

スタイルは授纂十 自学目■金沢工大の学習

授業(カリキュラム) 自学自百(裸外)

一丁 ’一丁『陛爵雷 数理工教育研究センター ‐‐ ‘ 可

質の高い教育の実施 学力・学習意欲向上 ヨ

専門との関連を童蛍L,

数理工(もしくは数

連を意撤し、 学習の動機付けを行う

(もしくは数理)統合教育の実施は数理)統合教育の実施

ぐゃ数理基曜教育に対する学習古擾

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13

数理工(もしくは数理)統合教育を中心とした

数理基礎教育

一可可

2恥12 茨城大学シンポジウム 茨城大学シンポジウム2009-12 14

数理教育とその学習支援

学生への学自学自習(学習支援)のねらLl チューター活勘 漫璽理解童向上プログラム

・数理の=』'迩手'ブーを身につける

■学びの中で する

ロ学習を づける

・・、l ,;E・箒焼‘「』を育てる

ロ学生と教員とのコミュニケーション

(‘'鴇‘ ・郷、,;側l' 'dl' )

究知

・基礎数理や数理工(数理)統合などの数学、物理、化学を中心に質問や

相麟、勉強の仕方などを ‘ - 、ねかり.'ヨ ” - .。個

人、グループを問いません。いずれも自主参加です。予約は要りません。

・休み期間中には、資格取得や入社賦験のための数学講座、Mathematicaを使ったアドバンス数学. .など、学生のニーズに応じた特別講座を開催

200312 茨城大学シンポジウム 15 茨城大学シンポジウム2009-12 16

教材作成と学習開発 教材作成材作成と学習開発

ネット版数理工教育センター弧桐TF域 ロー=

(現代GP採択事業)

I■られた■面の中での顧再冥掘 学生の学■スタイルの多樋化限られた■岡の中 敏再冥掻 学生の学■スタイルの多樋イ柵助n軒⑱醐尭 E-ラーーング僚材の、児、-Jぐ幻凸守一いけ一響乎や‘ ・ 健君一・,苧ン・T-学酒 苗寺=

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・自学自習に用いる教材以外に、授業で用いる教科書も開発

。e-ラーニング教材も開発

・入学予定者(専門高校)に対して通信添削による入学前学習支援を実施

2噸-12 茨雄大学シンポジウム ↑7 茨城大学シンポジウム2009-12 18

-15-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

教材作成と学習開発 教員の教育調整

・共有化・共有化eラーニングによる学習支援の例

鰄為,勢←…つ…f…か?‘

…I‘'‘留繍憾w愚■

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ロ =…凸一■p一r一m=■写一一一画一

資料の収集。整理)(授業関連

おタス

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ンフレット

・授業や、課外におけ愚

教員がもつ教育情報を

る学習支援に対する教育品質を改善のため、各

オープン化・共有化 ” i ’ ”

茨城大学シンポジウム 20

オープン

茨城大学シ

“…。鷺:駕鰯鷲瀞:願茨糖大学シンポジウム 192009-12 2009-12

教員の教育調整 数理教育研究会理教育研究会

《云理

ロ平成12年10月に工学基礎教育センター教員(約30名)で発足

・アンケートによる研究テーマの抽出

・テーマを4つにまとめ、4チームを絹成=壷

| 1L- 、= 12l 1L- ‐・定量的な取り組みデ ーま

アン

・定量的な取り組み

一一一一一

一一一

一一

一一

一一

・個々の教育から組織的な教育

・研究成果のカリキュラムへの反映輯

=『j・奇

’ 詞L’ 詞L

‐-=., 二コ」 子 1 , ‘ 吟, -1F .ー .

・これらの活動成果を白首ニー‐ ” ニコ ーロヒ外部〈数理教育関係者)に対して公

開している

2卿今12 茨嘘大学シンホジウム 21

■ ヨF F 吾一号.F 凸 を外部(数理

・例年100名程度の教員が参加。09年度は

2009-12 茨城大学シンポ

教k育関係者)に対

3月中旬を予定

ウム

対して公開している

ジ 22

学習支援のデータ丁一 学習支援のデータのデー

畦苦零房型廠跡

平成20年度のセンターの利用状況(2/9)状況

平成20年度のセンターの利用状況 (1/9)||朧

利用内訳(学年別) (平成20年度)

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1日平均50~60名が利用

茨城大学シンポジウム2009-12へ宛

こ』 茨城大学シンポジウム2”9-12 24

-16-

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「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

学習支援のデータ・アー 学習支援のデータのデー

平成20年度のセンターの利用状況(3/9) 平成20年度のセンターの利用状況(4/9)

1年次の60%が利用利用の内容(平成20年度)

講座

8%

利用する理由(複数回答可)

分からないときにいつでも質問できる

%(全利用に対する割合)

47

31

29

28

25

24

課題やレポートについて指導してくれる

先生とのマンツーマン指導が良い質問

42%

先生が丁寧に指導してくれる

先生に相験しやすい

勉強に集中できる琿境がある

2蝿12 茨城大学シンポジウム 25 2009-12 茨城大学シンポジウム 26

学習支援のデータのデー 学習支援のデータのデー

平成20年度のセンターの利用状況(6/9)平成20年度のセンターの利用状況(5/9)度の

学生の年間利用回数

31回以上

利用しない理由(複数回答可)

質問したいけど聞きに行くのが面倒だ

先生によって教え方に差がある

分からないことは自分で調ぺたり、友人に聞くなど、センターを利用する必要がない

忙しくて時間が取れない

センターの終了時間が早い

気軽に質問に行く雰囲気がない

%(全利用に対する割合)

52

49

43

42

32

29

11回~30

1呪

2唾12 茨城大学シンポジウム 茨滅大学シンポジウム27 2曲312 28

学習支援のデータ丁一 学習支援のデータ〃アーツ

平成20年度のセンターの利用状況(8/9)平成20年度のセンターの利用状況(7/9)

学生の指導時間、1件あたりの時間学生の声から

分からないとき、いつでも質問できる

先生とのマンツーマン指導がよい

センターでの説明で授業がよく理解できた

手続きが面倒、入りにくい

先生の教え方に差がある

面倒くさそうに教える先生がいる

聞きに行くのが面倒

他の科目が忙しく、時間がとれない

■■■房■■■■

指導時間

(合計)

1人の平均

指導件数

1人の平均

指導時間

1回の平均

指導時間

チユー

ター人数指導件数

32名 6444件 5939時間 201件 185時間 55分H17

32名 6722件 5863時間 210件 183時間 52分

49分

H18

30名 6798件 5630時間 226件 187時間H19

H20 1 29名 | 6158件 | 5426時閥 | ''2件 | 、87時閥2卯今曜 茨雄大学シンポジウム

H20 52分

29 茨城大学シンポジウム2009-12 30

-17-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

学習支援のデのデータ

平成20年度のセンターの利用状況(9/9)

学びの状況

犬次f 回蝿0座韮

(アンケート調査:1年次生1400名の回答)

、学校全体として「勉強しよう」という雰囲気を感じますか?

本学に、教員の声から

■学生の行動パターンが年々少しづつ変化している

(質問したいようだが、遠慮がちに)

■センターを積極的に利用する学生が増える一方、》センターを積極的に利用する学 増える一方、消

0.無回答0.無回答

0%0%

的な学生も多い(積極派20%.

ますます学力が2極化してきた

学習意欲・動機の強弱がはっき

専門に関係しない科目に興味を

基礎科目は、高校の復習にすき

極 4.思4.思フフ

消極派20%)3.あまり思わ

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24%

3.あまり思わ

ない

24%

鍵■■

りしてきた

を持たず、勉強をしない

ぎないという声が増えた■基礎科目は、高校の復習にすぎないという声が増えたつつ

59%

茨城大学シンポジウム

59%

茨城大学シンポジウム200912 句T 2009-12 。星

学びの状況 学びの状況

あなたの周りの人はよく勉強していると思いますか? あなた自身は、勉強するほうだと思いますか?

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40%の学生は、切瑳琢磨し工いる、 30%は無関心、 30%はさめている(諦め?

茨城大学シンポジウム2009手12 司句 茨城茨城大学シンポジウム2009-12凸門

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学びの状況 学びの状況

勉強する理由(上位5つ) あまり勉強しない理由(上位5つ)

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茨城大学シンポジウム20吟12 句角 200312 茨城大学シンポジウム 。□

18-

~基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

教育の質の質の状況

理教育の質の調査い、D級の質の

(意欲、自学自習の習慣など)(パフォーマンス分析より)

授業効果(2008全学部)1 -1皇職崎に数理の学習に取り組んだか

2自学自 ‘ノ‘リ3 .が付いたか

3 1 が高まったか

4数理の理解度はどうか

51回の授業に対する ‐ ” ‘ ‘は?

6 Lはどうか(平成17年度からの変化)

自習

■春

■秋口冬

意欲的に学習 自学自習 学習重欲の喚起 数理の理解度

20吟12 茨城大学シンポジウム 茨雄大学シンポジウム内一

J「 382”9-12

教育の質の状況 教育の質の質の状況

意欲的に数理の学習に取り組んだか

(平成17年度からの変化)理教育の質の調査

(自習時間)

意欲的に学習したか(全学平均) :冬学期比較

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■平成17年度

■平成18年度

ロ平成19年度

ロ平成20年度

2時間以上 1~2時間 1時間 30分程度 特にしなかった

■春■秋口冬強く思う 思う あまり思わない 思わない

茨城大学シンポジウム 茨城大学シンポジウム2009-12 可Q 2009-12 40

教育の質の状況

自学自習の習慣がついたか

(平成17年度からの変化)

口3学期制から2学期制への変更に伴うカリキュ

ラムの変更〈暫定カリキュラム)

■より木目細かい数理工統合教育、数理統合教

育(i二Rn‘ 上

■数理リテラシーパスポートによる、 『個』に対応する教育の導入( ゞ … 」 , )

自学自習の習慣がついたか(全学平均) :冬学期比較

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■平成17年度

■平成18年度

口平成19年度

ロ平成20年度

茨城大学シンポジウム 41 2009-12 茨塊大学シンポジウム2009-12 42

-19-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

6単位)6単位)

1年次 2年次 3年次

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理 工学部、

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数理統合I

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数理統合Ⅲ 鯉酬合Ⅱ 撒分法 齢法統合認、 統合識Ⅳ 4単位

必修 数理工統合

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数理工統

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数理統合

数理統合

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技術者の

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基礎化学(物理)

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基礎化学

(物理)

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ための統計

アドバンスト

数理A

アドパンスト

数理B

鯉齢Ⅲ |(外仙蹄’ |統合識v |縮総,桶l式、 クトル空間など 4単位基礎物理

(化学)

注) 数哩エ舷含'、Ⅱ、Ⅲ、数理統合I、Ⅱ、Ⅲとも、再履修者向けに毎学期開讃 2叩9.12 茨城大学シンポジウム 44

●●●

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●●●

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●●●●●

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●●●

統合課題で取り上げるテーマ例 数理工統合教育と専門基礎教育との接続科目 数理工統合I 数理T鞍合Ⅱ

課題番号 統合課題I 統合課題Ⅲ 年次 1年次 2年次 3年次

指数、対数のグラフと応用

(地疲のマグニテュード、減衰振動)

三角関数、指数関数と電気回路

(各種交流回路の電圧、電流)

指数、対数、三角関数の応用

(地震、測壷計算など)

微分法の力学への応用

(速度、加速度、単振動)

微分法の電気への応用

〈充放電現象、電磁誘導など)

微分法の建築への応用

(最大・最小値問題、曲げモーメントなど)

機械系 学期 帥学期 後学期 前学期 後学期 前学期

数理工基礎教育(必修) 数理工統合I 数理工航合Ⅱ 数理工統合Ⅲ電気系

数理工基礎教育(選択 基礎物理 技術者の統計 アドパンスト数理AB

工業力学 材料力学 熱力学建築系

機械系専門基礎教育 機械力学 煽動工学課題番号 統合課厘Ⅱ 統合牒届Ⅳ

機械材料 流れ学ベクトルの力学への応用 積分法の力学への応用

(謝体の重心、慣性モーメントなど)

積分法と電気

(電位、交流の実効値、蓄竃現象)

機械系 基礎電磁気学 電磁気学 過渡現象論(合力.つりあい.力のモーメント)

ベクトル、行列の電磁気学への応用

(電場とローレンツカ、電荷と電位など〕

ベクトルの力学への応用

(合力.つりあい、力のモーメント)

茨域大学シンポジウム

電気系専門基礎教育 基礎電気回路 電気回路■気系

基礎電子回路 電子回路

注)このカリキュラムは,平成21年度のもので、従来の3学期制をペースにしたものである。 (過渡期運用)

“T2 茨城大学シンポジウム 46

建築系(断面1次モーメント、2次モーメントなど)

45…12

R境・建築学部専門敦育 構報学部工学部一

《イオ・化学部

きたえる教育引きだす教育 ほめる教育

蕊數亜丁

数理

数理リテラシーr

ス秀睡隼 選択(数学)

褒賞・表彰

多橡化する入学生に対応専門教育へのスムーズな接綿

理(個別指導) 学生スタッフ礎数理

課外 正課』 課外課外

(声

教育、引き出す教育) (総合的 システム) 数理工教育研究センタ一

■| 正腺(授業)+牒外学習(学習支援)による教育ログラム茨城大学シンポジウム…12 41 Z”B12 茨糖大学シンポジウム 48

-20

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

●●●

正腺(授業)と謀外学習(学習支援)を組織的に実惑§§・●●●●●

●●●

。 正■(■業) 謀外学■(学■支擾) 。:==垂一一=垂三一二

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数理リテうシーバスボートプログラムとは

●学生の到連目極と数理リテラシーの内容---

(1)自らの専門領醸に必要な数理知童のベースラインとして、『○○系数理リテラシー』審睦竈し、学■目標を明確化

(2)数理リテラシーは、必修や沮択科目の授集で学ぶ項目と謀外で自らが学ぶ項目で構成

(3)媒外で学ぶ項目には、授業より商度な数理テーマや実社会との関連(企業での数理力)を学ぶ内容などを含む

専門領域との関連を意臓し、学習の動機付けを行う「数理工統合教育」と「数理統合教育」1m=-上瓢ロ毎円」色 I駆窪瓢戸露再」

「数理リテラシーパスポート」により学習目標を明確化

「学長褒賞とセンター長表彰」や課外学習を岬僑●学生の行動内容/一 、

(1)入学時に自分の専門領域の数理リテラシーパスポート(冊子体)を受け取る |

(2)正謀(必修、遍択)や媒外学■(学■古坦、特別■座、eラーニングなど)で数理を学ぶ(学生個々が自らの学■目厘を段題できる)

(3)正腺や特別鷹座で合格した項目に、センターにおいて淫定印をもらう

((4)自らの専円領域の数理リテラシーの■得状況を迫宜砿麗し、専門にすすむ ;、、

動■墳育研究会 高大華握研究会 勧皿T電冑セミナー FD研修会

…12 茨皿大学シンポジウム 49 …12 蚤域大学シンポジウム 釦

●●●

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機械系数理リテラシーと亜スボーヒ 到達スキルレベル

指定された数理リテラシー項目の修得状況に応じて麗定害を授与する。

★ ・・・・・・・・ スキルレベル1:基磁■(必修科目)を修得

★★ 。…・… スキルレベル2:基睡■(必修科目十週択引★★ 。。…。。. スキルレベル2:基■■(必修科目十遍択科

坪制一★|★|★|★|★|★|★|赫一誌崖

基礎纏

初等関数

ベクトル

行列と複素数

微分法

初等関致

2 ベクトル

3 行列と複素数

4 微分法

5 積分法

6 行列式

7 微分方程式

8 確率と統計

9 力学と電磁気

10 偏微分と重積分

応用■

11 数値解析

12 フーリエ解析

'31 ラプラス変換'41 実験と電気'51 企業と数理

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授業(必修

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授業(選択)

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特別講座など

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…12 衰輯大学シンポジウム 迅 2“12 茨城大字シンポジウム

度ヘマ年 の前学期の状況前 期 状 i認⑱造牽圃蛍画状況(平成21年属

■入学時の学力診断の状況

■学生の学習意識・動機の調査

■数理教育の質の調査(意欲、自学自習の習慣など)

■前学期の授業効果(基礎数理)

■前学期の授業効果(数理工統合I)

・前学期の授業効果(数理統合I)

入学時学力診断正答率(全学平均)ま叩叩、

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「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

テーマごとの正答率の分布

正答率(%)

19

テーマ

対数方程式

対数グラフ対敵グラフ 36

三角方程式 42

三角比 46

2次関数の平行移動 47

指数方程式 49

指数針算 55

積分の酎算 55

指数グラフ 57

解の針算 58

対数齢算 59

微分の針算 65

2次グラフ 70

因数分解 83

平方根 85

茨域大学シンポジウム

三角方程式

三角比柳一網弱訂卵一印加一郎

学習の動機・意識(EM:268名)09年度学習の動 意識(EM:268名)09年度

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2009-12 具貝 茨城大学シンポジウム2009 4句l鼻 56

攻育の貢の識|賀T字腓|の授栗効果(基礎致埋(意欲、自学自習の習慣など)

数理教育の質の調査(09年度前学期) 問囲瞬正答率の変化

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問題竃欲的に学習 自学自習 学習意欲の喚起 数理の理解度

20”-1Z 茨塘大学シンポジウム 具7 2“912 茨城大学シンポジウム 58

前学期の授 統合I)円の授栗効果(致埋

数理統合I統合課題Ⅱのアンケート回答数理工統合 I統合課題Ⅱのアンケート回答

0.無回答

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1 ,数学の応

用が分かっ

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茨城大学シンポジウム2009-12 具Q 2009今12 茨城大学シンポジウム 60

-22-

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師青木克比古氏」資料

・入学生の多様化への危機感を共有する仕組み

・単なる教育ではなく、研究を踏まえた教育

・教冑改■活励のエンジンが数理教育研究会

.いわば、研究会は全員参加型刮活剛である

■鯛繍的濡勲①ペースは数理教育研究会

・教育研究も重要な研究であるという意識が定着

・定量的な分析をベースとした仕組みの改善ができた

・当亭者軍識が醸成できた(自らの改善提案)

・教育改善を灘銃するため②エ夫・教員負担を配慮した計画的な改善活動

・職員の巻き込み、文科省のGPや科研費の獲得

2009-12 茨壌大学シンポジウム

職員の巻き込み、文科

2 茨

…12 61我苑大字ソンホンワム

62

数理工教育研究センターでの学習風景

.~雪~==雲堂鎚←=~~ー‐

■ E…y零'11-ユつた墓1園

・相手を認める

.学びの気持に応える、個々に応じる

・答を教えるのではなく、答に導く

ロ褒めることから始める・疑問を持つことが出発点、正しく答えられたら褒める

ロ自室への梯渡し・基礎科目での徹底指導

・強制ではなく自発、単なる駆け込みではない

踊 些 腰

・学生と教員のこころのふれあL、お互いを尊重する.学生に安心感、信頼感を与える

茨城大学シンポジウム2009-12 茨城大学シンポジウム63 2009-12 “

皇一厩諏春縊鴬. ‐",鳳謝侭蟹!』壷‘

ご清聴ありがとうございました

茨城大学シンホジウム20”-12 65

-23

「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師小松川浩氏」 資料

|CTを活用した理数系基礎教育の実践

-出口への質保証も踏まえて一

千歳科学技術大学総合光科学部小松川浩

[email protected]・jp

千歳科学技術大学では、入学前教育・初年次教育(補習教育含む) ・専門教育に至る幅広い課

程でeラーニングをはじめとするICTが活用されている。入学前教育は高校の学習内容に踏み

込むことから、高大連携の枠組みを利用してeラーニングの教材整備が行われている。対象科

目は英語・数学・物理・化学で、推薦入試の受験生への学習の習慣づけを目的に実施されてい

る。学習内容は毎週eラーニングのコースの形で提示され、LMSで管理する進捗状況に基づ

き定期的に遠隔(メール)で学習指導が行われている。入学後の初年次教育では、理工系大学

生としての基礎学力の定着に関する部分(高校の学習内容も含む部分)を中心に、 eラーニン

グによる宿題を課している。また基盤となる数学では、プレイスメントテストの結果に基づき

補習クラスを開設し、授業時間内(演習)にeラーニングを活用する取組も行われている(図

1)。eラーニングを活用した自学自習環境の整備の他に、対面の学習支援に関する配慮として、

数学や情報を中心に質問窓口コーナも開設している。専門教育では、全学的なFDの一環で、

本学で教授するべき知識事項を整理し、多くの科目で共通的に利用される内容を優先的にeラ

ーニングの教材化を進めている。現在、電子・回路・光学・制御基礎・プログラミング・情報

スキル等の関係の教材が整備・公開されており、各教員は自分の授業で自由にコース設定して

利用できるようになっている(図2)。授業の宿題として利用する.授業の演習の置き換えとし

て利用するといったブレンデイッド型の利用が主流である。

教材整備の取りまとめや授業支援の窓口は、情報メディア教育センターのメディア教育推進

室に一元化されている。本学の教材整備は、情報系のプロジェクト教育と連携して進められて

いる。最近は、学内のみならず高大連携(23校) ・大学連携(eラーニング協議会)を通じた

他教育機関の教員とも連携して、本学の学生がプロジェクト的に教材の開発を行い、情報系の

スキル向上とマネージメント力の育成を図っている。こうした情報系教育の支援については、

情報系研究室とセンターが連携して対応している。また、学内のeラーニング教材整備に関し

ては、全学的な優先順位を踏まえた整備を心がけている。本学では、FD委員会の下、数学・

物理・化学(生物) ・電子・制御・情報・光技術の分科会を開き、本学として教授すべき知識群

を検討・規定している。現在、学部全体で約330O近い知識ワードを4階層で定義しており、

授業設計・教材作成の際に活用している(表1)。各科目担当教員は、大学で定義した知識群を参

照して、授業で活用する.教授する知識を授業ポータル上に登録することになっており、この

結果複数の科目で共有的に利用可能な知識項目の洗い出しが可能となっている。また逆に共有

できていない知識の再確認も行うことができる。図3に示す例からは、講義で活用する知識を

全学的に各教員に宣言して貰った結果、どの講義でも利用しない.教授しない知識が存在する

ことが分かる。情報メディア教育センターは、こうした情報を参考にして、関係教員との調整

の上、講義を補完するeラーニング教材の整備も心がけている。

こうした知識と科目の繋がりを定義した結果、知識を介した科目間の繋がりを明示的にする

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「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師小松川浩氏」 資料

ことが可能となった。全学的には、学習者自身がこれから取ろうとする科目と過去に履修した

科目の成績の関係を色で示す学習トレースの機能を公開して運用している(図4)。さらに、この

機能を利用することで、 自分の蹟いている知識の表示、その知識を含む過去の科目・未来の科喝 ・←や

目を提示することが可能で、学習相談などのアドバイザリー制度の中での活用を試行している。

また全学的に定義した知識をeラーニングの教材と関連づける取組も行っている。これは形

態素解析やオントロジーなどの情報技術を活用することで、ある程度自動的に絞り込めるので、

情報メディア教育センターを中心に素案を作成して、担当教員に監修をお願いする形で整備し

ている。この結果、学部専門教育等の科目での再学習をeラーニングでカバーする取組も試行

されている。特に、知識の連鎖という視点で学習者自身が蹟く科目をトレースし、大学初級の

知識・高校に遡る知識を発見して該当するeラーニング教材を再学習させることは、 ICTを活

用したきめ細かい接続教育という点で、極めて重要な方策と考えている。

一連の取組を通じた教育効果という点では、第一に全学的な、の推進につながっている

と考えている。特に、入学前や初年次教育を起点として、全学的な知識の共有を図る取組へと

展開されたことは意義が大きいと考えている。第二に、教育方法の改善という部分での効果が

挙げられる。 ICTを利用することで、学習ログの集計とそれに基づく学習指導を行うことがで

きるため、授業以外での教員の介在する時間の担保が可能となると考えている。第三に、何よ

り学習者にとって、分かりやすい教材を用いた授業・宿題の実施による理解度の向上は大きな

メリットと考えている。事実、授業評価アンケートでもeラーニング利用型の授業は概ね好意

的であり、利用前の講義内容と比べても充実化される傾向にある。

最後に多くのフォーラムで寄せられる議論に関して、私見を交えてまとめとする。大学でe

ラーニングを推進している(概ね一部の)教員は、 日頃から教育に真蟄に取り組んでいること

が多い。多様化する学生の質を憂慮し、それでも前向きに自身の授業改善を試みている教員が

多い。しかしこうした教員の取組がなかなか全学的にならないという声もよく耳にする。一方

で、最近多くの大学で入学前教育にeラーニングを利用する事例が見られる。多くの予算をつ

けてきめ細かい学習サービスを提供する事例も少なくない。これは確かに高校生に対して魅力

ある大学教育を示す方法として理解はできる。しかし、大学の社会への質保証という観点では、

本来予算をかけるべきは入学後の教育にあることは間違いない。入学前はeラーニングできめ

細かい学習支援を図り、入学後は個人の教員に任せるというのは明らかにおかしな話である。e

ラーニングは、使い方によって様々な教育サービスの実現が可能となる。教育サービスが、個

人の努力だけで実現されるべくものではなく組織全体として実現すべき事項である限り、 eラ

ーニングの効果的活用は大学組織としての戦略が必要といえる。

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「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師小松川浩氏」 資料

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図1 数学の基礎教育で利用しているWBT(数学A今井順一先生)

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9光科学>光科学概論>光科学嬬記>LED(発光タイオード)>LED(発光ダイオード)

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図2 eラーニング教材の例(光技術セミナー吉田淳一先生)

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「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師小松川浩氏」 資料

表1 知識集のサンプル(化学)

第1階層

一般化学

第2階層 第3階層 第4階層

化学史

化学歴史

原子調分子説

アボガドロ数

生物と化学

原子・分子

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図3知識集計図(知識をベースに参照する講義内容の検討)

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「基礎学力向上のためのシンポジウム

講師小松川浩氏」 資料

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I錐劉睾.園。

-28-

『基礎学力向上のためのシンポジウム』参加者対象の事後アンケート集計結果

回答数: 33

1.事前に関心をもった内容は(複数回答可)、 次のうちどれですか。

(a)シンポジウム全体

(b)特別講演

畷蕊漂蕊蕊蕊調(C)パネルディスカッション0票(d)その他

2.参加してみて、もっとも意義ふかいと感じた内容は、次のうちどれですか。

畷霧悪蕊霧露蕊霧蕊頚(a)シンポジウム全体

(b)特別講演

(c)パネルディスカッション:職漂難ロ 尹■11屯『 喝P■1 『 円, # 器‘ ■J; 口 f・榊・管・ ■

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藤溺(d)その他 [備考複数項目を指定した回答あり]

3.今回のシンポジウムに参加して得るものがありましたか。

(a)大いにあった

畷蕊蕊蕊剥 (b)少しはあった

0=(c)ほとんどなかった [備考1回答者が無回答]

4.設問3.で(a)または(b) と答えた方に:どのような収穫があったかお知らせ願

います。

基礎学力の増進に係る課題は、公立高校の課題と重複すると実感された。学生を送

り出す側での教育の在り方の指針となった。

新しい知識を得ることができた。また、情報を共有できた。

普段、聞くことの出来ない意見、実情等を聞くことが出来た。閉会の辞が特に良か

った。

金工大の理数教育システムとe-learningの利用の効果的な使い方と発展形(千歳科

技大)がよくわかった。

他大学の状況を知ることができた。

e-learningの活用について新しい知見を得られた。ありがとうございました。

0型授業の流れの「eラーニング」教材作成について。

組織的・戦略的な取組みが大切であることがよくわかりました。卒業後にどれだけ

役に立っているかまで評価できるとよいと思いました。ただ、これらは貧困ビジネ

ス(おつむの意味での) と言われないかとの閉塞感にも見舞われました。 PBL型

コンテンツ開発に感動しました。

新しい指導体制、実施を知ることができた。

大学の執行部(周辺)に、他大学も含めた取り組みの実情が伝わった可能性がある

こと。

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他大学の方のお話が新鮮だった。

基礎学力向上のための対策が緊急に必要なことが分かった。大学のサービス向上に

関する話。

基礎学力の修得は高校での大きな問題になっている。中学校からの接続、自学自習

の習慣化は常に課題となっている。 eラーニングなど応用が困難な例もあったが、

他については高校でも活用可能なヒントになるものがあった。金沢工大の生徒の声

は耳に痛いものもあった。

eラーニングの全体像がつかめた。

曽我先生のご報告では、茨城大学での取組の導入から効果検証まで、とてもわかり

やすく話していただけたので、同じような取組をおこなう際の参考になると思われ

る点;小松川先生のご報告では、 eラーニングやICTを活用した教育の実践例を

話していただけたので、どう使えばいいかのイメージがついた点、が収穫であった。

各大学の取り組みが具体的にわかった。また、初年次教育共通の問題点もあること

がわかったので興味深かった。

e-ラーニングの有効性と、問題点が明確に示された点。

学習管理と学生支援の方法について。

金沢工業大学で教員全員がいつでも学生の質問に答えられる体制を作り実施でき

ていること。教員の人的努力が非常に求められると思う。千歳科学技術大学の全学

的な取り組みとしてeラーニングE-learningを有効に使っておられることに驚き

とともに素晴らしいと思いました。

他大学の状況は参考になった。良い議論及びその種ができたと思う。

他大学ではかなり人間くさい対応していることが分かった(e-ラーニング万能で

はない)。

基礎教育に対する重要さ、ケアの体制、 eラーニングの効果、 etc.大変参考にな

った。

他大学の取組みを知ることができた。

金沢工業大学青木教授講演、素晴らしい(教養部門は不明ですが)。千歳科学技術

大学小松川教授講演。茨城大学曽我教授。

他大学の進んだ対応が参考となった。

千歳科学技術大小松川氏のeラーニング活用事例の紹介が興味深かった。ただコン

ピュータを使った教育ではなく、コンピュータの特性を生かした方法が具体的に説

明されたので判りやすかった。パネルディスカッションでの問題提起の内容が、自

分が普段から感じていることだったので驚いた。どの教員も同じような危機意識を

持っていると思った。

eラーニング等。

他大学の取組が知れていろいろな点で参考になった。

他大学の取組の例が聞けたこと。

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5.茨城大学の取組「確かな学力の向上を目指す理系基礎教育」に関して、ご意見をお書き下さい。

シンポジウムに参加して、実質的な大学側の取り組みがよく見えたので、茨城大学への評価が高まった。

よい成果があがっていると思います。他へも波及させるような取組みを期待します。

何を目指しているのか具体的なイメージが涌かない。

「大学で行う理系基礎教育」というものを追求するイバ大方式はまちがっていない

と思いました。

すぐれた取組みで成果も上がったと思います。今後さらに成果と発展のあることを

願っています。

特色GP終了後も継続して取り組むべきである。

教員の協力を得られるようになるまでの努力に感心しました。

問題プールを利用したeテストについても取組みたい。

特色GPによりスタートした取り組みではなく、GP以前からの継続であるそうな

ので、がんばってこの先も何らかの取り組みを続けてほしい。

金沢工大の方が「強制すると長続きしない」とおつしやっていたのが印象的であっ

た。本学の取組は「強制」 という側面が強いように感じている。

このような問題は茨城大学、大学だけのことでは無いので、ぜひ、このようなシン

ポジウムだけでなく広く発表して欲しい。

eラーニングを大学全体として設置して欲しい。

深く考えられ、準備された取組だと感じています。大教センターと学部教員が協働

できていて、いいですね。

もっと発展し、充実することを望む。

底辺の15%の学力向上に大変有効であることが理解できました。他の科目等の指

導にも、このシステムを使えればおもしろいと思います。しかし、全学的な取り組

みが必要だと思います。底辺の学生だけでなく、よく出来る学生への対応も今後よ

り必要ではないかと考えます。

学力の低い学生へのきめ細かい対応をお願いします。

基礎教育に対し、一部の教員に負担するだけでなく大学として、サポート体制をし

っかりすべき。

「学生の多様化にどう対応するか」が課題であると思います。どこまで手を掛ける

か私には分からないところです。

全学的・組織的対応不可欠。どんな学生を送り出すのか統一的理念の共有、及び学

生のニーズに合う教育体制の充実。一年次生に対する生活教育・学問教育・人間教

育の充実。原理を教える教育の徹底。

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1年次で数学や物理の学習が不充分な学生に対して、 2年次以降(日立キャンパス)

へのフォローを検討して欲しい。現在、工学部で3年次の担任だが、 1年次に学習が

不充分な学生はそれ以降の専門の学習に支障を来たしている事実がある。

「学力」の具体的内容を教員が共有することに配慮しながら事をすすめてほしい。高

校で数学のテストの点が良いことと大学の数学(あるいは関連する専門科目)教育へ

の整合が良いこととは同じなのか違うのか?

“教養教育"と“基礎教育”が同じ意味なのか分からなくなってきました。

6.その他、ご希望のシンポジウムのテーマなど、ご意見があればお書きください。

「意欲を引き出す会話力」のようなやる気、意欲を引き出す教師と学生のコミュニ

ケーションの在り方などがテーマとしておもしろい。

図書館職員です。図書館として理系基礎教育向上のためにどのような取り組みが考

えられるか、のヒントを得たいと思い参加しました。たとえば、図書館で理系基礎

学習のための資料を提供することが考えられますが、図書館単独でなく、大学教育

センターのご指導をいただきながら取り組みたいと希望しております。 さて図書館

はこの11月より夜9時45分まで延長開館し、学生さんの学習環境の整備に努めて

おります。どうぞ、理系基礎教育向上の実施のために、図書館の資料提供、学習環

境を利用していただければ幸いです。よろしくお願いします。

内容がすばらしいので、もっと多くの参加者がほしい。

学力向上は重要なので、色々な観点から行ってほしい。

発達障害の学生の教育支援。

人文社会系はどうなっているのか、気になりました。

とても勉強になりました。ありがとうございました。

専門科目関連のFD・

小中高大をひとまとめにした教育体系再考の機会がほしい。すべてのしわ寄せを大

学が負わされているのが現状では?

自由記述については、明白な誤字脱字を除き原文のまま掲載した。

大学教育センター教育点検支援部

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平成21年度茨城大学教養教育FD研究会

平成21年度茨城大学教養教育FD研究会実施報告

大学教育センター教育点検支援部

平成21年度の教養教育FD研究会は、 11月25日に茨城大学K棟インタビュースタジ

オにおいて行われた(バーチャルキャンパスシステムにより水戸、 日立、阿見の3つのキ

ャンパスを結んで行われた)。今回のFD研究会のテーマは「GPA(GradePomt

Average)」である。茨城大学は平成22年度からの第2期中期目標の中で「GPA活用拡

大のための環境整備」 と 「GPAなどの指標を使用した学生指導」を掲げており、その背

景には、学内外において単位制度の実質化(同時に、教育の質の向上)が早急な課題とさ

れる実情がある。茨城大学においても既に指標としてのGPA(GP)は導入されている

ものの、その実質的な活用までには至っていない。中期目標達成のためには、全学的な観

点でのいっそう立ち入った議論が必要である。今回はその出発点となることを期して、 「G

PA制度と教育の質の向上について」 という副題のもと研究会を催す運びとなった。講師

として、いち早くこの問題に取り組んでこられた山梨大学大学教育研究開発センターの日

永龍彦教授を招聰し、山梨大学における各種取り組みを中心にGPA制度についてご教授

いただいた。

開始予定時刻の午後1時、勝本真副センター長による開会の辞により研究会は始まっ

た。当研究会開催の趣旨や講師である日永氏の横顔などが紹介された。

開会の辞に引き続き、森野浩センター長により 「茨城大学とGPA」 と題する講演が行わ

れた。講演の冒頭で、茨城大学大学教育センターによるF

D活動の現状が紹介された。続いて、茨城大学におけるG

PAの現状が説明された。茨城大学でGPA導入が議論さ

れて久しいが(第1期中期目標の中でも取りあげられてい

たが)、実質的な活用に向けての全学的な意思決定には至っ

ていない現状が述べられた。また、GPAの利用形態には

各大学ごとに様々な形がありうることが指摘され、各大学

の(従って、茨城大学の)実情にあった検討を慎重に進め

る必要があることが強調された。

引き続き、 日永氏による「山梨大学における教育の質の向上とGPA制度への取組」 と題

する講演が行われた。講演は大きく3つのパートに分かれ、第1のパートでは「GPA入

門」とでも言うべきGPA制度に関する一般的事項が解説された。詳しくは、添付書類[1]

を参照していただきたい。その中で、GPAはひとつの成績(評点)算出手段に過ぎず、

GPA導入のみで厳格な成績評価がもたらされると期待してはならないこと、すなわち各

教員による公正かつ透明な成績評価が大前提(最も重要)であることが強調された。同時

に、GPAは、それがどのような計算手段であっても素点(例えば100点満点)による評

-33-

価を完全に反映する指標とはなり得ないため、総合的な評価を行うにはGPAを含む複数

の指標を組み合わせる必要があると指摘された。GPAは、あるひとつの意味で学生の成

績を測る尺度に過ぎない。 この尺度が、学習指導の観点からどういった面で活用される可

能性があるのか、また実際に山梨大学ではどのように活用されているかについて説明がな

された。

第2のパートでは、山梨大学におけるGPA制度導入までの経緯や制度の変遷について

述べられた。山梨大学では第1期中期計画からGPA制度導入の検討が始められ、本格的

な議論は2006年度から始まっている。検討プロジェクトが立ち上がった当時の他大学

調査の経験についても話が及び、特に「アドバイザー制度」について興味深い指摘があった《

GPA制度を実施している多くの大学ではアドバイザー制度(学生カウンセリング等を行

う)が導入されているが、適切と言える人数比率でアドバイザーを配置するのは今日ます

ます難しくなっているとのことである (アドバイザーは

学内の多くの学部学群等の事情に通じる必要があり、同

?-℃"墨1-時に婁鴛の学生の胴別的雄事情にも対応せねば“ぼい)。山梨大学では2007年度に成績表へのGPA併記

ゞ :&#÷ L が始められ、 2008年度に全学共通教育科目を対象に

。 〃

(ただし工学部・教育人間科学部のみで)履修登録数の

1 上限設定(CAP制の導入)が実現されている。全学的

な形でGPA制度+CAP制を敷くのは難しく、各学部

“ 苫=の実情にあった制度設計が要されたとのことだ。 これは茨城大学にとっても同様の課題となるであろう。

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第3のパートでは、山梨大学におけるGPA制度実質化のための具体的取り組みが紹介

された。取り組みの柱は「単位制度の実質化」と「成績評価の厳格化または透明化」である。

以下、おおまかではあるがそれらの概要をここに報告しておきたい。

「単位制度の実質化」のための取り組み

(1)前学期のGPAに応じたCAP制の実施

各学生の前学期の成績(GPA)に基づいて、履修単位の上限を設定する。 ここで

は「’単位科目」の扱いが難しいことの指摘があった。 CAP枠を最大限に生かす

目的でこれらをCAP制の対象から外したとすると、履修科目数が必然的に増える

であろう (CAP枠+CAP以外の必修等の枠)。すると、個々の科目のための学習

時間が充分にとれなくなり、却って単位が実質化されにくくなる等の問題が生じる。

(2)シラバスの充実

シラバスの記述を、学生の主体的な学びが促進されるような表現にする (主語を教

員から学生へ;教員が「何々を教える」ではなく、学生が「何々を身に付けること

を目指す」 といった表現へ)。また、期末試験による評価の比率に上限を設け(山梨

大学では最大50%程度)、複数の評価方法を組み合わせることで学生に試験期以外

での授業外学習を確保させる。

34

(3)学生の学習時間に関するデータ収集活動

授業評価アンケートを実施し、学習時間についての実態を把握する。また、ある教

養科目 (初年次必修)の授業内での課題として、学習記録を作成させる。履修科目

数に応じて本来要される学習時間を学生自らに算出させ実際の学習時間と比較させ

ることで、学生の意識発揚を図る狙いがある。実際の学習時間とのギャップに対し

て、学生側からは「授業外学習をしなくても単位が取れてしまう」等の意見が寄せ

られているそうだ。 このような事態を本質的に改善するには、個々の授業(科目)

内で「何をどう自宅学習すべきか」についてもより明確に指導することが必要と感

じられた。

「成績評価の厳格化または透明化」のための取り組み

(1)成績分布確認システムの稼動

各教員が担当科目の成績分布を一覧できるシステムが運用されている。システム内

ではGPC(GradePointClassAverage)すなわち各科目の平均GPが自動的に算

出される。 これを授業評価アンケートの結果(対応する質問項目) と比較できる仕

組みになっており、両者に顕著な隔たりが見られる場合などは大学教育研究開発セ

ンターによる聴き取り等が行われている。また、GPCは関連する科目群内での比

較も可能とのことである。

(2)大学間連携による授業の相互評価の可能性の模索

「同僚評価」の可能性および必要性が論じられた。詳しくは、添付書類[1]のス

ライド21番を参照していただきたい。山梨大学では現在、具体的な提携校の策定

がなされており、実現に向けた検討が具体的に進められているとのことである。

以上のような取り組みと並行して、山梨大学では学生に対する「学習支援体制の構築」が

進められた。具体的には、担任制度(前述のアドバイザー制度の代替として)の充実やL

MS (LearningManagementSystem)利用環境の整備、TA・SAの活用などに力点が

おかれており、このような環境整備を制度構築と両輪で進めることの必要性が強調された。

以上を持って日永氏の講演は終了した。ここで15分間の休憩を挟み、引き続いて質疑応

答が行われた。会場からの質問は活発で多岐にわたり、山梨大学における担任制度(アド

バイザー制度)の詳細やLMSの具体的運用方法を問うものから、果てはFDに対する教

員の意識についての議論、理科系科 一 二目の学力低下問題の議論に至るまで、 =ー魂測寓・陰

画= .L

=■の意味ではGPA制度の実質化や機能性を議論すること自体が、教育の質向上を目指した

議論、すなわちFDそのものであることも改めて実感された。

-35

最後に、白石昌武茨城大学副学長(教育担当)の閉会の言葉をもって、約3時間にわたっ

た研究会を終了した。なお、参加者は大学教育センターの正副センター長および専任教員

を含め53名(水戸33名、 日立8名、阿見12名)であった。この報告書には、関連資

料として下記の資料を添付したので、併せて参考にしていただきたい。

(梅原守道)

添付資料一覧

[1]配布資料(日永氏による講演のスライド資料)

[2]FD研究会開催および参加者募集の通知文書

[3]参加者対象の事後アンケート集計結果

以下余白

-36-

H21FD研究会添付資料[1]

茨減大学⑬A■度と敏官の貢の奥上についてのFD研究会 (…1 125) 茨域大学”A■度と敏有の頁の向上についてのFD葺究会 (2唖.1125)

はじめに(本日の話のながれ・ ・ ・)

¥GPA制度とは山梨大学における教育の質の向上と

GPA制度への取組竿山梨大学におけるGPA制度導入とその後の経緯

¥GPA制度を実質化と教育の質の向上に向けた取り組み

竿単位制度の実質化

¥成績評価の厳格化/透明化

¥学生の学びを保証するため支援体制の構築

Y--~~"~--- 。

日 永龍彦

山梨大学

大学教育研究開発センター

¥ I

茨域大学唾A■度と敦冑の貢の向上についてのFD研究会 (…1 125)

(今さらながら)GPA制度とは

茨城大学一A■度と敏冑の貢の向上についてのFD研究会 (2噸. 11.25)

(今さらながら)GPA制度とは

¥山梨大学では100点満点で成績評価する授業科目の

みGPAを算出

→既修得科目は単位認定を行なうのみであるため、

それらの科目はGPA計算対象とはならない

<GPA算出手順>

①素点を下記のS-Dの5段階のレターグレード(LetterGrade:LG)に機械的に変換

②レターグレードに4~Oのグレードポイント(GradePoint:GP)を付与

③不合格科目も含め、 (履修登録科目のGP×単位数)

Yの……………して藁" ‘

¥GPA(GradePointAverage)は、一定期間に履

修した科目1単位あたりの成績を示す

→学生の学習状況の客観的な把握が可能に

→履修放棄科目も算出対象になり、安易な科

目選択や履修放棄を予防する効果も

¥教員による厳格・公正な成績評価が前提

GPA制度導入=厳格な成績評価ではない

Y~-"-"- ,

茨城大学“A固度と彼冑の頁の向上についてのFD研究会 (…1125)

(今さらながら)GPA制度とは

茨城大学岬A麟度と敏冑の貢の向上についてのFD研究会 (2噸.1125)

(今さらながら)GPA制度とは

GPA制度導入で期待される活用法・ ・ ・

○学生の指導や顕彰の際の客観的な資料

¥入学からの通算GPAや各学期のGPAの変化で学

習状況を客観的に把握

牛学部等の違いを越えて成績が比較でき、顕彰対象

の学生を選ぶ根拠に

LG 素点 GP

S (90~100) 4

A (80~89) 3

B (70~79) 2

C (60~69) 1

D (O~59及び未受験) O

※大学によって素点100点をGP=5とするところも

あり、就職の際に仮に比較されると不利になら

ないかという懸念も…

○授業やカリキュラムの効果測定の指標

苧受講学生間や科目間のGP分布の分析

¥¥ 5 6

O万

一01-

H21FD研究会添付資料[1]

茨域大学唖A■度と救冑の頁の向上についてのFD研究会 (2“9.11.25)

山梨大学におけるGPA制度導入とその後の経緯

茨報大学吟A飼度と軟冑の貢の向上についてのFD研究会 (2噸1125)

山梨大学におけるGPA制度導入とその後の経緯

2006年度

¥ 中期計画にGPA制度導入検討を盛り込んでいたこ

ともあり、GPA導入検討プロジェクトを中心に検討

開始

竿他大学調査(ICU桜美林大など)を実施

竿全学FD研修会でディスカッション

¥学生・教員向け説明会開催

2007年度

4 成績票へのGPA併記を開始保護者への送付

(説明書を添付)

竿全学FD研修会でディスカッション

竿 「GPA制度及び履修登録単位数の上限制度に関

する要項」の立案・審議・決定

¥ Y7 8

茨櫨大学碑A制度と牧冑の質の向上についてのFD研究会 (2噸11.25)

山梨大学におけるGPA制度導入とその後の経緯

茨城大学“A■度と敏育の質の向上についてのFD研究会 (2唖.11-25)

GPA制度を実質化と教育の質の向上に向けた取り組み

2008年度

竿全学共通教育科目のみ履修登録上限を設定(CAP

制の導入)・履修取消制度の導入

GPA制度を実質化させるための前提として・

竿単位制度の実質化

竿成績評価の厳格化/透明化

等2009年度

竿前学期GPA=3以上の学生の履修登録上限を2単

位緩和 ¥学生の学びを保証するため支援体制の構築

¥ Y9 10

茨城大学妙A輯度と敏冑の貢の向上についてのFD研究会 (…1125)

単位制度の実質化に向けた取り組み

茨城大学唾A■度と敏冑の貢の向上についてのFD研究会 (…11.25)

単位制度の実質化に向けた取り組み

¥シラバスの充実

¥全学共通教育の授業目標を学習成果の形式で示

し、目標を意識した学習を促す

く学習成果の3領域>

知識と視野(ちえ)

能力と技能(わざ)

人間性と倫理性(こころ)

竿複数の成績評価方法を組み合わせ、期末試験直

Y"""にも蕊続闘に繧業外学習時龍確IR ,2

竿シラバスの充実

早前学期のGPAに応じたキャップ制を実施

¥学生の学習時間に関するデータ収集活動

Y ↑1

-38-

H21FD研究会添付資料[1]

茨城大学妙A■度と軟育の貢の向上についてのFD研究会 (2m9 1 1.25)

単位制度の実質化に向けた取り組み

茨城大学“A■度と教育の質の向上についてのFD研究会 (2唖 11.25)

単位制度の実質化に向けた取り組み

¥学習記録に記録する内容①

(1)屈修科目登録状況

’)全学共通教育科’ 登録単位数①’ 31★竿学生の学習時間に関するデータ収集活動

竿学生の授業評価アンケートの活用

■■■

¥学生生活実態調査(隔年実施)登録単位敵②’ 01★2)各学部専門科目

竿初年次教育科目で1週間の学習記録作成

¥¥ 13 14

茨域大学唖A創度と救冑の貢の向上についてのFD研究会 (2“9 11_Z5)

単位制度の実質化に向けた取り組み

茨城大学”A創度と敏冑の貢の向上についてのFD研究会 (2唖 11.25)

単位制度の実質化に向けた取り組み

¥学習記録に記録する内容②(2)必要な学習時間の算出

登録単位数①+登録単位猶②

側登録授業科目数

前期に必要な学習時間(授菓内十授業外)

1遭聞あたり授業内学雷時間(推計■)

1m間あたり授集外学習時間(推計笹)

(3)実際の授業外学習状況

1週間の授集外学習時間合計

○今後の取り組み

4学年暦の見直し

14週の授業十1週の試験期間ではなく

試験を含めて15週

→試験後に授業も可とする胃; ★★★

~|*¥教育関連業務の見直し

時間的なコストを伴う教育関連業務の見直し

→委員会の再編・統合

γシラバスに授業崎間外の学習課魑鯛ゞ

月唱 | 関連する擾藁…5月26日|大学基鍵オリエンテーション

| ("W) | 掌習内容(臓潔に胆入)I リ51レボート作成(責料を酔‘レボートを軌筆)

’161用

ロ写

茨城大学⑯A■度と彼冑の貢の向上についてのFD研究会 (2噸‘11 25〉

成績評価の厳格化/透明化に向けた取り組み

茨輔大学唖A■度と敦冑の貢の向上についてのFD研究会 (…. 1 1.25)

成緬評価の厳格化/透明化に向けた取り組み

¥成績分布確認システムの稼動 竿成績分布確認システムの稼動

| V10

N1 GPCの算出

ひ弱““酷-由 7か74 75-79 帥-田 85-配野1,6

I'…f千竃’

0-5960-6465-8970-7475時間割 授業科目名番号

回…●‘●●●●●●●●●

画 △△△△△全科目

|・ 童掌共通科冒封全学共通科目全体

26

20‘醜

' 8:;鵯3

4部

1岬一桝祁

12 13

9‘2% 10.節2(

60 145

8‘3%20.“21

職溌|和| ,Y 全科目

-39-

授菓科目番号 授業科目名

大学基礎オリエンテーション

生活と健康I

単位数

1

曜日

時限

授菓科目番号 授業科目名 単位数 曜日 時限

H21FD研究会添付資料[1]

茨減大学唖A創度と救育の質の向上についてのFD研究会 (2唖11-25)

成績評価の厳格化/透明化に向けた取り組み

茨城大学~A■度と救冑の質の向上についてのFD研究金 (2”9, 11.25)

成績評価の厳格化/透明化に向けた取り組み

竿成績分布確認システムと授業評価の連動竿成績分布確認システムの稼動

あなた自身はシラバスにある授業の到達目標を

どの程度達成できたと思いますか。

4: 90%以上1

3:80-89%|

|・篝……“2:70-79%

1 :60-69%

0:60%未満

GPCの算出

→関連科目群とのの比較

6尻分布グラフ(授蒙数)

10

Y ¥(6虻)2019

茨輯大学砂A■度と軟冑の貢の向上についてのFD研究会 (鋤9.11.25

成績評価の厳格化/透明化に向けた取り組み

茨城大学妙A親度と軟冑の貧の向上についてのFD研究会 (2唖11.25)

学生に対する学習支援体制の構築

早大学問連携による授業の相互評価の

可能性の模索¥アドバイザーの代替として現行の担任制度を充実活用

◆ 毎学期開始時のガイダンス(成績票配布→指導)

羊 授業開始後4週までの出席状況を基に個別指導

¥LMS(moodle)利用環境の整備傘 対面授業とLMSでの学習のブレンドの促進

¥ 授業アーカイブの構築(配布資料/小テスト/映像など)

竿 教員によるLMS利用促進のための研修・利用支援体制

教育の質を「目標の達成度」と考えた場合に、教育の成果

にいたるプロセスが妥当かどうかを同僚評価で、測定しに

くい教育の成果の評価に代えられないか??

¥TA・SAを活用した学習支援体制の構築

Y㈱二期…恥譲”Y 21 唾

茨城大学GPA田度と軟育の買の向上についてのFD研究会 (2m9. 1 1.25

ご清聴ありがとうございました。

ご意見.ご質問は下記までどうぞ。

[email protected]

Y 23

-40-

H21FD研究会添付資料[2]

GPA制度と教育の質の向上についてのFD研究会

平成22年度から始まる茨城大学第2期中期目標(素案)の一つに、 「教養教育の

目的を達成するよう各学部のポリシーを踏まえて教養教育を改革し、習得状況で示さ

れる明確な教育成果をもって、理念に沿った人材を育成すること」が挙げられました。

そして、関連する計画(素案)において「GPA」活用拡大のための環境整備と同時に

「GPA」などの指標を使用した学生指導が唱われています。これらの背景には、 「学士

課程の再構築答申」において、単位制度の実質化に関連した取組の一つとして

「GPA」が例示されていることがあります。中期目標達成のためには、単位の実質化、

学生指導く教育の質の向上との関連で、GPA制度をどのように利用するのか、それを

教育システムにどのように組み込むか、を明確にしておく必要があります。そしてその

ための第一歩として、GPAについて、全学的な議論のための足がかりを提供できれば

と考え、今回、全学教務委員会と共催で「GPA」の研究会を計画しました。いち早くこ

の問題について取り組んでおられます山梨大学の日永先生から貴重なお話をお伺い

出来ることになりました。とりわけ、各学部で本課題に関わっておられる先生方には、

万障お繰り合わせの上、ご参加いただきたいと思います。

日時2009年11月25日(水)午後1時から3時30分

場所茨城大学理学部総合研究棟(K棟)1Fインタビュースタジオ

(茨城県水戸市文京2-1-1 (水戸キャンパス))

工学部第三会議室VCS配信

農学部第一会議室VCS配信

プログラム(司会:

13:00~13:05

梅原守道)

開会の辞

勝本真(茨城大学大学教育センター副センター長)

茨城大学とGPA

森野浩(茨城大学大学教育センター長)

山梨大学における教育の質の向上とGPAへの取組

山梨大学大学教育研究開発センター日永龍彦教授

一休憩一

質疑の時間

閉会の辞

白石昌武(茨城大学副学長、全学教務委員長)

主催茨城大学大学教禧

共催茨城大学全学教矛

大学教育

13:05~13:30

13:30~14:30

500

423

●●●●●●

455

111

ぐ一一

050

342

445

111

センター

全学教務委員会

-41-

R21FD研究会添付資料[31

平成21年度教養教育FD研究会参加者対象の事後アンケート集計結果

回答数: 31

1.今回の教養教育FD研究会への参加の動機は、次のうちどれにあたりますか。

(a) 自ら興味

蕊蕊蕊蕊蕊(b)所属期間の要請

鰯蕊蕊蕊(c)その他 [備考1回答者が(a) (b) 2項目を指定]

2.今回の教養教育FD研究会に参加して得るものがありましたか。

(a)大いにあった

(b)少しはあった驚鰯篭蕊灘無

0票(c)ほとんどなかった [備考3回答者が無回答]

3.設問2.で(a)または(b) と答えた方に:どのような収穫があったかお知らせ願

います。

GPAの導入実態と課題が判明。

GPA制度のとらえ方とか効用、留意点がかなり整理することができたと思う。

教員の利用可能時間のマネージメントという視点がおもしろい(仕事だけが増える

という状況では動かない)。

GPA実施については、色々な問題があることがわかった。

大学教育に於ける質の向上について全体の方向性が把握できた。

GPAと山梨大学でどのように実施されているかがわかった6

GPAの導入については、問題点となることが、結局山梨大学でもまだ検討中であ

り、やはり実施に向けては難しいことがわかった。

日永先生のお話が充実。GPAの教育の質の向上における意義がわかった。無理が

なくて効果が期待できる学習支援体制の示唆を得た。

文系教員で数学に無知なため、 「GPAを整数にするので、有効数字は・ ・ ・ 」は

新鮮な驚き。また、 CPCAで他の科目を比べるのは、茨大でもやってほしい。専

門科目には(私も含め)、いわゆる楽勝科目がありそうです。

GPA制度のあるべき姿が何となく見えてきました。

他大学の状況がよくわかり、本学の現状と比較できた。

他大学の状況が理解できた。

GPAについての知識。導入時の問題。

山梨大学でのGPA制度の取り組みが大変よくわかりました。特に成績評価をいか

に厳格化、透明化するかが鍵であるということがよく理解できました。

山梨大学の現状がとてもよくわかった。

他大学でどういう状況になっているかが分かった。

-42-

H21FD研究会添付資料[3]

具体的な実施例が聞けて非常に良かった。

GPAの内容とその位置づけ、利用の仕方、課題。

GPAの実際について話していただいたので理解が進んだ。

GPA制度がどういった制度か理解することができた。

GPAをめく、る現状と応用例、 15週の考え方、シラバス記載の観点change・

GPA実施までの経過が分かった。GPA導入にあたり、検討すべき課題に対して

新しい視点が得られた。

GPAについての他大学の取り組み状況がわかった。茨城大学の取り組みは大変遅

れていることがわかった。

GPA実施にあたりどのような議論、経過を経て導入までこぎつけ、どのような問

題があ叺どのような評価をしているかを具体例を盛り込みながら説明されたた

め、わかり易く、重要点が理解できた。

GPAとその制度導入の背景について理解することができた。

GPA制度についてのまとまった説明の機会がなかったので、GPAに対する知

識、理解が深まった。

GPA導入の課題と山梨大における対応・取り組みがよく理解できた。講演もよか

ったし、質疑も意義のあるものであった。

素点とGPAの関係から、複数の評価が必要であることがわかった。

他大学の状況と現状が把握できた。GPA導入のメリット、デメリットについて認

識が深まった。

4. GPAの具体的な導入に関して、課題やご意見をお書きください。

少人数クラス(授業科目)の精選が前提。

成績評価の透明性と妥当性の検証システムが確保されていることが前提となるはず

で、達成目標と評価基準が明確化されていること、支援システムが保証(障?) さ

れていることなど。基盤整備を推進する必要があると思う。

なんでも得点化というのは反対。学生のリフレクションのためにつかえるデータに

すべき。

ひとつひとつ困難な課題があると思うので、毎年試行したことについて、検証の集

まりをやるべきであろう。

山梨大の試みのうち、GPCの結果及び学生自身の目標到達度(自己評価)のデー

タを各授業担当者にfedbackすることは、授業及び評価設計に大いに寄与するも

のと思われる。

GPAのみを導入しても意味がないように思えた。実質化のための成績評価の厳格

化ないしは透明化が行われることが絶対前提条件だと思う。

成績評価の「厳格化」 (実は標準化) (これは実現困難)を前提とするGPAC<制度”

よりもGPCAを利用して「透明化」を図ることが教育の質の向上につながる6

-43-

H21FD研究会添付資料[3]

学生にただ学習改善を要求するだけでなく、教員との相互協力(双方向)で授業を

改善する(組織的な! )取り組みをしてほしい。

成績評価の標準化が何よりも重要になると思いますが、その点は未整理ではないか

と思います。

国際的に認知されているレベルで導入すべきである。学生・教員ともにプラスにな

るような運用が必要。

GPA導入以前に、本学の50点以上で単位認定できている問題を改善すべき。 60

点以上を合格とすべきと思う。

授業間や大学間でGPAに対する基準のずれがあるので、導入するのであれば、も

っと詳しい情報(深い議論)が必要なのではないか。

全学的に成績を標準化する教育の意識と制度を確立することが大きな課題である

と思われます。

成績評価の厳しさと教育効果の度合いがもっとそろわないと本格的に使えないの

ではないか。

学部側、及び各教員の理解と熱意。

茨大としてGPA導入をどう考えているのか明確な方針を早く決めるべき(早期導

入を望む! )。導入に際しては、単位とりなおし(再履修制度)、不服申し立てなど

決めるべきことが多いが、そのためにも早く議論を開始してほしい。中期計画にの

せておきながら実質何も進んでいない(少なくとも自分はそう感じる)のは怠慢だ

と思う。 ‘

教員の業務負荷が増えてしまうのではないか。

授業科目が担当教員の所有物かのような風潮があるのではないかと考える。大学全

体、カリキュラム全体の中に当該授業科目の位置付けを明確に認識する風士が必

要。また「学びの保証」に実効性を持たせた取組に関心を向けることが必要。

まず直ちに導入すべきだ。導入した上で改善していくべきだ。導入しなければ具体

的な改善点が見えて来ない。少なくとも今、障害となるような大きな課題はない。

点数化は容易なものの、厳格・公正な成績評価にするための改善は、依然として問

題だと思う。教育の質を上げるならいいが、平均化されるだけの恐れもあると思う。

学生の学習意欲の向上・維持が前提になると思う。

導入の目的、導入後の利用etcについて、教員への周知と理解が必要。CAP制の

導入のメリットは大きいと思う。

前提となる課題をしっかりと、改善しながら順々に取り組むのがよい。

成績評価システムとのスムーズな連携。教室のサイズと室数の確保。学生へのケア。

JABEEとの関係(wスタンダード?)。

現状の評価方法(学生の順位付け方法)で、特に問題を感じないが、安易な学生の

履修申告防止には役立つと思われる。学部や大学間の違いを越えた統一的評価は授

業の内容にもよるので、いくらGPAの算出方法を検討しても難しいのではない

か。

-44-

FI21FD研究会添付資料[3]

5.教養教育FD研究会で取り上げてもらいたい内容や実施方法などについて、お気づ

きの点があればお知らせ願います。

カリキュラムチェックの先進的方法(人材養成、教育目標にDP、教育課程にcP)。

教養と専門との接続教育について。

教養教育の具体的な内容(授業内容がすぐ結びつくような程度に)。

単位の実質化の意味とその方策。

初年次教育として取り上げるべき内容は何か(レポート作成スキル、読解スキル等

大学生が学ぶためのスキル、社会人としてのマナー)、又どのように授業で取り上げ

るべきか、教養科目におけるリテラシー教育、 リメデイアル教育の在り方。

GPAの具体化に向けて。学年暦のあり方(試験を含めて15週にすべきだ)。

入学してくる学生の理数系学力が低下してきて、授業に支障となってきている。で

きる学生とわからない学生が混在している。選択入試から定員確保入試となってき

た。その対策が急務と思う。

理系授業の良い見本のデモ(シラバス・計画から期末試験やフォローまで)。

e-learningの活用

表彰された教員の実際の授業風景(内容)を、ビデオ撮影し、回覧する。

6.その他ご意見があればお書きください。

「どれだけ嫌われるかが仕事」の講師の言葉は心に染みました。私も教養科目の部会

長なので、覚悟を決めます。

大変貴重なお話を伺いありがとうございました。非常に参考になりました。

FD研究会出席者が少ない。こういうのに参加を義務づけるような制度(評価)の導

入も考えてみては。

周辺大学と連携した教養教育の在り方について検討する、検討を促してもよいので

は。教育に係る人的資源、財的資源の共有、効率化。

大教センターはGPA導入を速やかに決めるべきだ。最近の学生の様子を見ていると

GPA制度は必須だと感じる。

自由記述については明白な誤字脱字を除き、原文のまま掲載した。

大学教育センター教育点検支援部

-45-

各基礎教育専門部会からのFD報告

人文系基礎教育専門部会のFD報告

人文系基礎教育専門部会長

深沢安博

1.授業アンケート調査結果から見た現状分析

師§年度箭罰●学生アンケート

①44の分野別基礎科目・分野別基礎科目のす

べてにおいて授業アンケートが実施された。

②ほぼすべての学生アンケートのグラフは、

高い満足度から低い満足度に谷状に流れる

型となっている。つまり、授業に満足して

いる受講生が多いことがわかる。 しかし、

一部のわずかの科目では山型になっている。

つまり、受講生が授業にあまり満足してい

ない。これらの授業では受講生数も少ない。

③「学習十分」の項目は70%台となっている。

つまり、受講生は予習・復習をあまりして

いない。

④板書についての不満や迷いが多い。

●担当教員の自己点検

①44科目のうち42科目で担当教員の自己点

検がなされた。

②教室・設備についての不満が多い。

③受講生数が多すぎることへの不満がある。

④授業アンケートの取り方や質問内容につ

いて改善を求める意見が出ている。

師§犀蘆覆罰●学生アンケート

①38の分野別基礎科目・分野別基礎科目のう

ち37科目において授業アンケートが実施

された。

②前期と同じで、ほぼすべての学生アンケー

トのグラフは、高い満足度から低い満足度

に谷状に流れる型となっている。つまり、

授業に満足している受講生が多い。しかし、

やはり前期と同様に、一部のわずかの科目

では山型になっている。つまり、受講生が

授業にあまり満足していない。これらの授

業ではやはり受講生数も少ない

③「学習十分」の項目も前期同様に70%台と

なっている。つま叺受講生は予習・復習

をあまりしていない。

④やはり、前期と同様に、板書についての不

満や迷いが多い。

●担当教員の自己点検

①37科目のうち34科目で担当教員の自己点

検がなされた。

②前期と同様に、教室・設備についての不満

が多いことがわかる。

③前期と同様に、受講生数が多すぎることへ

の不満がある。

④授業アンケートの取り方や質問内容につい

て改善を求める意見が出ている。

2. アンケート調査結果から見た課題と今後の

対応策

①学生アンケートのグラフが山型を示してい

るわずかの科目、つまり受講生が授業にあ

まり満足していない科目について対応する

必要がある。これらの授業では受講生数も

少ない。 これは、学生が予め「取りにくい

科目」を聞き知っているからであろう。授

業内容が難しすぎるのか、あるいは授業方

法の問題なのかを今後、検討しなければな

らない。

②関連して、授業科目間で受講生数に大きな

差が見られる6一方で受講生数が200人を

-47-

超える授業があるし、他方で10人台の科目

もある。その要因として、分野別教養科目

(人文の分野)では理学部・工学部・農学

部の学生が好んで受講しようとする科目と

そうでない科目があることが挙げられる。

受講生が少ないからといって、その授業科

目がいらないことにはならない。 しかし、

これらの科目については、ある程度の調整

や統合を考える必要がある。

③予習・復習のさせ方に関しては、授業での

質問・小テストなどによって受講生の準備

を促進させることができよう。ただ、 この

ことの点検は受講生数に大きく左右される

であろう。

④板書についての不満や迷いは相変わらず多

い。学生がノートにたやすくとれる板書を

望むからであろう。ただ、板書事項だけを

ノートに取ることがノートの取り方として

望ましいかどうかが検討されるべきである。

⑤教室・設備についての教員の不満の中身は

かならずしも明確ではない。受講生数に適

した教室を望んでいると推測される。

⑥授業アンケートの取り方や質問内容につい

ては、担当者からいくつかの疑問や不満が

出された。 とくにアンケートの自由記述欄

では、担当教員個人に対する誹誇中傷や雑

言の類とみなしうるような記述があったと

の指摘があった。ただちにアンケート用紙

の文言変更とまではいかないとしても、当

該科目の意義やアンケートの意義について

の何らかの説明は必要であろう。

のために必要だと自ら考える教養科目を履

修することがあってもよいのではないか。

. 「人間と歴史」 と 「人間と文化」については

人文学部のコース編成に対応して再編成す

ることもありうる。ただ、人文学部人文コミ

ュニケーション学科自体のコース再編がこ

こ2~3年に予定されているので、この点も

兼ね合わせて考えなければならない。

・科目区分毎のガイドラインについては、今の

ところ修正する必要はない。

4.今後のFD活動の取り組みについて

分野別教養科目(人文の分野) ・分野別基礎科

目(人文系)の全担当教員が集まっておこなう

FDは難しい。まず科目区分毎のFDをおこな

い、そこで出された上掲のような意見を全担当

教員が集まる人文系基礎科目担当者会議(本年

度は7月に第1回、 9月に第2回を予定)で報

告・議論する方がやりやすい。ただ上のことは

人文学部の担当教員の場合のことであって、教

育学部担当教員をも含めたFDはきわめて難

しい現状がある。しかし、各年度の分野別基礎

科目(人文の分野)の担当教員配置も含めて、人

文学部と教育学部の担当教員が一堂に会する

機会やFDが開催されるのが望ましい。

3. FD活動の現状

分野別教養科目(人文の分野)・分野別基礎科目

(人文系)全体のFDは開けなかった。ただ、

科目区分毎のFDがいくつかおこなわれた。以

下にそこで出された意見を列挙する。

・分野別基礎科目と学部の入門科目 (コース指

定科目)において内容の重複が見られる。

・学生が専門課程やコースに入ってから、勉学

-48-

社会系基礎教育専門部会FD報告

社会系基礎教育専門部会長

中田潤

社会系専門部会では, 2009年度の分野別教養

科「社会科学の概観」 2本, 「社会と法」 2本, 「日

本国憲法」 10本, 「社会と政治」 6本, 「社会と経

済」 18本, 「社会と経営」 2本, 「社会と人間」 14

本の計59本を開講した.また分野別基礎科目につ

いて言えば, 「法学入門」 2本, 「政治学入門」 2

本, 「経済学入門」 4本, 「経営学入門」 2本, 「社

会学入門」 2本の計12本を開講した.

分野別教養科目の総本数59本のうち,人文学

部教員により39本,教育学部教員により5本,農

学部教員によって4本,非常勤講師によって11本

が担当された.非常勤講師依存率は18.6%である.

非常勤講師担当科目の多くは,教職科目として必

修となっている日本国憲法である.現状では,教

職希望の(全学部)の学生に対して日本国憲法の

履修を機会を保障するためには,年間最低10本の

日本国憲法を開講する必要があるが,他方憲法を

担当できる教員が本学には4名(うち2名は,法

律学を専門とするが,憲法を専門としていない)

しかおらず,人事政策の措置がとられない限り,

この状況は続くと言える.また分野別基礎科目は,

全て人文学部社会科学科専任教員によって担当さ

れ,非常勤講師依存率は0%である.

開講時間帯別の開講本数および平均クラスサ

イズを列挙すると以下のようになる.前期月4(開

講本数14本)平均クラスサイズ104.7,前期月5

(開講本数2本: 日本国憲法:工学部開講)平均

クラスサイズ127.5,前期水1 (開講本数1本:

日本国憲法)平均クラスサイズ267.0,前期水3

(開講本数1本:社会と経済:農学部開講)平均

クラスサイズ30.0,前期金3(開講本数14本)

平均クラスサイズ78.9,前期金3(開講本数2本:

日本国憲法)平均クラスサイズ50.0,前期集中(開

講本数1本:日本国憲法)平均クラスサイズ78.0,

前期月6 (開講本数2本:工学部開講)平均クラ

スサイズ21.5,前期金6 (開講本数1本:社会と

経済:工学部開講)平均クラスサイズ69.0. 41本

の前期開講分野別教養科目の平均クラスサイズ

96.7人となる.

後期について言えば以下のようになる.後期月

2 (開講本数1本:社会と経済:農学部開講)平

均クラスサイズ6.0,後期月4 (開講本数13本)

平均クラスサイズ777,後期月4(開講本数1本:

日本国憲法)平均クラスサイズ96.0,後期月5(開

講本数2本:工学部開講)平均クラスサイズ110.0,

後期金3(開講本数14本)平均クラスサイズ78.9,

後期水1 (開講本数1本: 日本国憲法)平均クラ

スサイズ143.0. 18本の後期開講分野別教養科目

の平均クラスサイズ81.6人となる.前期と比較し

て後期の方が平均クラスサイズが, 15人近く小さ

いが, これは例年見られる現象である.今後バラ

ンスをとるような何らかの措置が必要となるかも

知れない.

分野別基礎科目について言えば, この科目は人

文学部社会科学科に所属する学生に対する必修科

目であり,そのためクラスサイズはどの科目とも

125-135人と大きな開きは存在しない.その結果

クラスサイズ平均も,前後期ともこの範囲内に収

まる.

次に授業アンケートについて分析していきた

い. アンケート実施率について言えば,平成21

年度前学期開講の教養科目451科目のうち学生

アンケート採取対象科目は449科目であり、 こ

のうち439科目について実際にアンケートが実

-49-

施された。全体の実施率は97.8%であった.社会

系科目について言えば,開講科目47のうち43科

目で学生アンケートが実施されており,実施率は

91.5%で,全体の平均よりやや低い.後期につい

て言えば,全体の実施率は96.8%であり,社会系

科目に限って言えば,開講科目24のうち21科目

で学生アンケートが実施された.実施率は87.5%

で, これもまた全体の平均よりやや低い.実施の

周知を今一層図る必要があるであろう.

クラス満足度の平均は,前期が0.697,後期が

0.739であった.満足度平均だけを見ると,社会

系の科目は他の科目と比較して若干低い傾向があ

る. これをもう少し詳しく検討してみると,学生

とのコミュニケーションについての項目と,教室

設備についての項目の低さが目立つ.教員の努力

が当然必要ではあるものの,多くの教員が教室に

学生を詰め込みながら,大規模授業を恒常的に行

わざるを得ない構造的問題が存在していることを

うかがわせる.

次に「教養科目授業アンケートに係る教員の自

己点検結果」およびFD活動の一貫として個々の

教員に対して行った聞き取りの結果について述べ

ておきたい.聞き取りについては, 4月19日より

社会系科目担当教員全員に向け, 当該科目の改善

に向けた要望を提出して頂いた.以下部会長の判

断で集約してみた.

教養科目向けアンケートは,学生一般の満足度

の測定に最大の関心を置いて行われているようで

ある. しかしながら 「学生」 と一般化して理解す

るには,あまりに大きな理解力・知識量・勉学意

欲・知的向上心についての差違が存在しているよ

うである.確かに知識量の差違に起因する学生間

の学力差の存在は教員サイドの努力によって埋め

ていくべき問題であろう. しかしながら勉学意

欲・知的向上心に起因して発生してくると思われ

る講義への期待・満足度の差違・偏差は,十分に

検討する必要のある問題であろう.それに配慮せ

ずに学生一般という形での平均化を行っても,求

められる授業像を拡散させるだけで, FD効果を

高めることにはマイナス効果ですらあるかもしれ

ない.例えば「文系と理系のクラス分けをしない

と (基礎知識の差違が大きすぎて授業運営が)困

難」, 「時間をかけて詳しく説明するのにも限度が

あった。その結果、 1/3程度の受講生は、授業内容

を十分に理解することができなかったようである。

ただ、そうであるからといって、この1/3の受講

生に内容.進度等を合わせた場合には、他の2/3

の受講生が、 この授業に対し、大きな不満を抱く

こととなるであろう」, 「シラバス通りに授業を展

開することを優先した結果、速度(授業進行)が速く

なり、それが学生の理解不足につながった。学生

のレベルは事前にわからないのだから、杓子定規

に「シラバス通り」を求めることは違和感がある」,

「学生の背反する記述に悩みます」 という教員の

感想は, こうした状況の一端を示していると言え

る. また設備面への要望も教員サイドよりいくつ

か出されており,短期的に解決することは難しい

かも知れないが,検討しておく必要があるであろ

う.その中で代表的なものを示すならば, 「プロジ

ェクタの設置が不適切であり,教室の後方に座っ

ている学生にはきちんと見えない.学習環境の整

備として基本的な問題であり,改善を望む」, 「マ

イクの電池等のチェックはきちんと事務方で行っ

ておくべきではないのか?講義途中でかなり離れ

た場所にある事務室に戻らなければならないのは,

教育的に好ましくない」, 「教室の広さについての

不満は,教員の責任外である. こうした項目に関

して授業が評価されるのは納得がいかない」, 「教

室と廊下の間の防音性が保たれておらず,講義時

間終わり近くになって,次の講義のために廊下で

待機している学生が騒がしく,学習環境が保たれ

ない」等があった.

また受講生とのコミュニケーションのあり方

に関しても多くの教員が困惑している状況が読み

取れる. クラスサイズデータからも読み取れるよ

うに社会分野では100前後から150人程度で行っ

-50-

ている講義が多い. こうしたクラスサイズが前提

となりながら,学生とのコミュニケーションの取

り方がアンケート項目に盛り込まれていること

(これは評価する側が, コミュニケーションをと

ることが望ましいと考えている, と多くの教員は

受け取っている)に,多くの教員は悩んでいる.

例えば「150人を超える大人数で、パワーポイン

トの資料もみにくく、応答型の授業ができなかっ

た」ないし, 「120人も履修登録しておいてこの質

問(受講者と十分なコミュニケーションが図れま

したか?)はいかがなものか」 といった回答はそ

の一端である.

-51-

自然系基礎教育専門部会FD報告

自然系基礎教育専門部会会長

川田勇三

平成21年度の部会の活動は低調になり、

運営委員会や専門部会長会議からの要請・

課題に対応する5回の専門部会(メール会

議も含む)の開催だけになってしまった。

授業アンケート、教員アンケートの分析に

ついては、部会での検討を経たものが求め

られているが、平成21年度専門部会長個人

の考えになっていることについてお許しを

願う次第である。

また、平成21年度部会FDは、平成20年

度に倣って、 3月に「22年度担当者への教

養教育ガイダンスと優れた授業の紹介」 と

いう形で行なう予定であった。 しかし平成

22年度実施計画の確定が3月までずれ込ん

だこともあり、結局開催することが出来な

かった。お詫びをするとともに、平成22年

度については、新たな観点も取り入れて、

是非実施すべきと考えている。

値0.663,0.741 (前、後学期統計結果)は、

全分野の平均値0.797,0.826に比べて低い

状態が続いている。平成21年度はそれぞれ

83%、 90%であるが、後学期がやや高いこと

については、前学期に見られたクラス満足

度の低い分野別基礎科が少なかったことが

影響していると思われる。

項目別にみると、例えば前学期を比較す

ると、 Q1,2,3,5,8のどの項目も概ね同じよ

うに低くなっている(82-87%)が、 コミュニ

ケーション/授業の双方向性についての項

目(Q4)が他に比べて有意に低い(75%)。

クラス満足度の低い下位10%程度の授業

を抽出すると、概ね0.55程度以下となるが、

アンケートで分かる範囲の理由としては、

①板書や話し方に十分な注意が払われてい

ない、②内容が難しい、③その結果として

教員の熱意や準備状況に疑念が持たれる、

ことになっていると思われる。

教員アンケートの結果からは、教員は授

業に熱意をもって取り組んでおり、

期待クラス満足度は相当に高い(0.811

/0.887, 0.86/0.901(自然/全分野))が、教

員が期待するほどには学生は満足しておら

ず、結果として教員満足度が低くなる

(0.699/0.820, 0.769/0.841)という図式に

なっている。 これは両者の相関図からも明

瞭であり、 自然の分野でより明瞭である。

教員満足度が低くなる理由としては、①

コミュニケーションが十分図れなかった、

②試験が思ったほど出来ていないという面

1)授業アンケート調査結果からみた現状

分析

自然の分野には分野別教養科目と分野別

基礎科目があるが、そのクラス満足度に大

きな差はない。ただ、後者の方がばらつき

は大きくなっている。

分野別教養科目

前学期0.69、後学期0.74

分野別基礎科目

前学期0.65、後学期0.72

以下では特に分けずに分析を行う。

自然の分野におけるクラス満足度の平均

-53-

に表彰を受けた人が大部分となることであ

る。結局のところ、授業技量の図抜けて高

いのはその人の優れた特性であって、誰に

でも真似が出来るものではないということ

であろう。多くの人はある水準までは達す

るが、推奨授業に選ばれるほど高くはなら

ないし、そこまでの努力の必要性を認めな

い。従ってデモ授業に出席する人は限られ、

一番出席して欲しい人は出席していない可

能性が強い。助言者を引き受け頂けるか、

対象授業となってもらえるか、など難しい

ところがあるとは思うが、過去に推奨授業

に選ばれた方たちに協力してもらい、授業

参観と助言を行ってもらう、 というのが一

つの策ではないかと思っている。

教える内容がバラバラでは、なかなか客

観的な授業評価は難しいところもあるが、

分野別基礎科目の「微分積分I」や「力と

運動」などの共通授業を見ていると、それ

なりのばらつきはあるが、概して評価の高

いものが多く、技量向上の良いチャンスを

が大きいように思われ、①は学生の側でも

感じていることは、既にのべた通りである。

2)アンケート調査結果からみた課題と今

後の対応策

学生からの低い評価には、教員の意欲が

やや空回りしている面もあると思われる。

特に前学期では、学生の判断基準は高等学

校の授業であり、話し方や板書について、

相当気をつけなくてはならず、徒に「大学

らしさ」、 「学ぶべきことの多さ」を込めよ

うとしても、なかなか受け止めてはもらえ

ないであろう。

授業アンケートの結果は、 しかしそれ以

上に、初歩的な授業の教え方には、教員に

よって大きな技量(授業設計も含む)の差

があることを示している。 より適切な担当

者を選ぶことが出来ればよいが、それほど

簡単なことではないことは明らかである。

低い人の技量を高めて行く必要性があるが、

その際、 自然の分野では、双方向性を高め

ることに特に注意すべきであるように思わ

れる。学問的特性から初歩的教育において、

問いかけやそれに応じて議論が進むという

ことはなかなか難しいことであろう。実験

科学の分野では実験と組み合わせることな

どが本来と思われるが、当面は演習の取り

入れがそれなりの対策となるように思われ

る。

提供しているのではと思える。

3) FD活動の現状と課題

平成21年度部会FDを開催することが出

来なかったことは既にのべた。 22年度につ

いては十分な準備をして、必ず行うことと

したい。

推奨授業を選び、 FDなどで、お手本とし

てデモを行うことは、授業改善に有効であ

ろうか。例年推奨授業の選定過程から明ら

かになるのは、候補者の顔ぶれは限られて

おり、何度も候補者となっている人/過去

-54-

総合基礎教育専門部会FD報告

総合基礎教育専門部会

安田健一,村山朝子,関友作,郡司晴元,青山和夫

1 °はじめに

平成21年度の総合科目授業本数は前期

33本,後期39本,学生アンケートの回収

率(有効回答数/受講者数)の平均は約

80%であった。クラスサイズの平均は75

名であるが,水戸地区開講授業だけでも

15名から200名超と幅があり,引き続き

平準化が求められる。表1に学生アンケー

トの主な質問と全総合科目の平均値を示

す。学生のクラス満足度は表1の平均値で,

前期0.81,後期0.77となり,全体として

はほぼ良好な結果と考えられる。

表1 学生アンケートの主な質問と平均

られる。特に1に近い高い満足度を得た授

業は50名以下のものがほとんどであった。

1

0.9

87

00

樫叫担Kい、

0.6

0.5

0 50 100 150

受講人数

200 250

図1 受講者数とクラス満足度の関係

次に, Q1には「全体として満足しまし

たか」という質問があり,これが高いのに

クラス満足度の低い授業をいくつか調べ

たところ,すべてQ4 (コミュニケーショ

ンをとりながら進めたか)の値によるもの

であった。表1からもQ4, Q5の値が他の

質問に比べて低いことがわかる。

そこで,受講者数とQ4の値の関係を図

2に示すが,人数による低下傾向は図1よ

りも明確である。学生とのコミュニケーシ

ョンを深めることが満足度を高める鍵と

言えよう。このことは教員アンケートにお

ける自由記述で「多人数でコミュニケーシ

19876543

0000000

一○

2.受講者数と学生満足度

図1に受講者数とクラス満足度の関係

を示す。ばらつきが大きいものの,前期,

後期に分けて1次近似した線より,受講人

数が増えると満足度が下がる傾向は認め

0 50 100 150 200 250

受粛者数

図2受講者数とQ4の値の関係

-55-

③一輪蝦

瀞 ~

雲参

、杢壺

》.-←

期期

前後

。▲

・・- ,線形(後期)

一= ・總形(前期1

③、■

△鶴亀△

③》糾酔

↑、。

、■

~■

b四m・鉄■ 。、

-m‐

旬己

③Ub

Aー ー~

③ A

③▲

▲ 、、回屯、

質問 前期 後期

Q1:この授業に全体として満足しました

か?

0.85 0.78

Q2:この授業を受けて、新しいものの見

方や知識、技能を獲得した実感があり

ますか?

0.84 0.79

Q3:教員は、十分な準備と熱意で授業

を行ったと思いますか?

0.86 0.82

Q4:教員は、受講生とコミュニケーション

をとりながら授業を進めていましたか?

0.75 0.74

Q5:教員は質問や相談に対して授業内

外で適切に対応しましたか?

0.76 0.73

Q8:教員の声の大きさ、話し方、板書は

適切でしたか?

0.81 0.75

平均 0.81 0.77

瀞”

▲▲

△画

▲ ▲

」■■ .△〔

③蝉

7 琴

ー uロ』"Vd

A後期

jj

期期

前後

くく

形形

線線

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‘・津.▲‘篭畿 ,

一‐四

③、

鐘一t

' ‐、毎:▲

一口、

‐鋤

必△磯△“

③ざ、 ▲

■、

③…

ョンがとりづらい」や「受講者が減ったの

で反応がしっかりつかめた」といった意見

が見られたことからもわかる。

3.教員満足度と学生満足度

教員側の期待満足度とクラス満足度の関

係を図3に示す。これもばらつきが大きい

が,教員の満足度が上がれば学生の満足度

も上がる傾向は認められる。しかし教員側

が期待しても学生満足度の低いものもあ

り,学生の興味関心をいかに惹き付けるか

がポイントであろう。

た結果を図5,図6に示す。

1

0.9

87

00

囲凹襖Kいい

0.6

0.5

0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

Q6(わからないことを解決したか)

0.3

図5Q6(わからないことを解決したか)

とクラス満足度の関係

jj

期期

前後

くf

期期形形

前後線線

jj

OA一

A1

0.9

1

0.9

○③。△

:_鮭③

③△

87

00

浬凹規Kいい

87

00

囲凹摸Kいい

“.霞 盆

---2一

ロ■ 1■一燕口 がPP

一口

:。

0.60.6△

0.50.5

0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

Q7(予習、復習)

0.2 0.30.6 0.7 0.8 0.9 1

教員期待クラス満足度

0.5

図3教員期待満足度と

学生満足度の関係

4.学生の意欲

学生側の授業に対する意欲が高ければ

満足度も高くなるであろう。教室の関係で

あぶれて回ってきた学生は学習意欲が低

いという意見も耳にする。そこで,意欲の

度合いを測る直接のアンケート質問はな

いが,関連すると思われるQ6 ( 「あなた

は,わからない部分を何らかの方法(教員

に質問する・自分で調べるなど)で解決す

るようつとめましたか」 ) ,Q7 ( 「この授

業のための学習(予習,復習など)に十分

な時間をかけましたか」)の値に着目した。

受講人数が多いとこれらの値も低くな

る傾向はわずかに見られるが相関は小さ

かったため,クラス満足度との関係を調べ

図6 Q7 (予習,復習)の値と

クラス満足度の関係

図5,図6より両者にはかなりはっきり

した相関が見られる。何らかの方法により

学生に予習,復習を促すことが満足度向上

に効果的であると言える。学生の授業への

参画意識を育むことは教員とのコミュニケ

ーションを深めることにも通じ,相乗効果

も期待できよう。

5. まとめ

授業アンケートから次の2点が満足度向

上に効果がありそうなことがわかった。

1)学生とのコミュニケーションを深める

2)学生の授業への参画意識を高める

いずれも受講人数が多いと難しい問題では

あるが,今後のさらなる改善に向けた指針

としたい。

-56-

‘ 命

篭錘.

③▲

/夕タ

③忽〃p

ワ ヒ

△ 鶴。。

一▲

〆クグ ク

盆,

4〆盛溌響蔦

L

到甦雨ジジA△A ’

| ’

| ’

期期

前後

③▲

‐‐‐ ,線形(後期)

-‐ ・總形(前期)

△ 侭

③動③

↑,〆|必

〆 I 。●p●

P ‐

曜唱。/

》函△▲

診△色.

③訴醍

●〃

&づh

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函A↑

騨AA③

坐△

p《掴シ‘

Ppg夢

飼A

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ーエヱ

△ | ’

| ’

期期

前後

④△

11

期期

後前

くl

形形

線錦

■■

■屯

一一

外国語(未修)基礎教育専門部会FD報告

外国語基礎教育専門部会長

神田大吾

ドイツ語・韓国語・ 日本語についての報告

も同様に「特段の問題点は認められない」だ

った。

他方、中国語については、 「問題点があっ

たので、改善した」 との報告がなされた。一

科目の「満足度」が目立って低かったため、

担当教員(非常勤)から事情を聴取したとこ

ろ、休講と補講がとても多いことが判明。次

年度以降も事態に改善の可能性がないため、

ご本人との協議を経て、平成22年度からは別

の教員を任用した。従ってこの問題点につい

ては「既に昨年度の段階で対応済みである」

との報告があった。

アンケート結果は、データとして慎重に取

り扱われさえすれば、授業に関する諸問題を

浮き彫りにする有効な指標となることが改め

て確認された。

表記のFDが6月2日 (水) 14:00より人文

A205で行われた。議題の中心は「平成21年

度未修外国語授業アンケート結果と今後の課

題」である。 ドイツ語・フランス語・中国語・

韓国語・スペイン語・ 日本語各科目の委員が

授業アンケートの結果について、

1.特に目立った特徴(良い点、問題点)

2.今後の課題(対応策、改善案)

を資料としてまとめ、会議で配布して報告。

その際、公平・公正に議論する観点から、個

別の科目名を「科目A」 「科目B」等とし、担

当者名を伏せて議論した。

「フランス語&スペイン語の各クラスについ

て」 注は、

他方、アンケート項目Q7「この授業のため

の学習(予習・復習など)に十分な時間をか

けましたか?」については議論があった。十

分な、 というのが主観的な表現であるため、

学習時間と成績との相関関係が出にくいので

はないか、 という意見であるが、 この設問が

全科目(演習と講義)共通のものであること、

また経年の推移を比較対照するため、年度ご

とに設問を変えるのは避けるべきこと等を勘

案し、 この設問は次年度もそのままとし、 こ

れとは別に各教員が必要に応じて独自の調査

をし、単位の実質化(1回の授業について1

時間の自宅学習をする)がどこまで実現して

いるかを調べることとなった。

という資料に基づき 「満足度から見て、各授

業に特段の問題点は認められない。数値の最

も低い科目(0.71)は、Q8(声の大きさ、話し方、

板書)が0.66(平均0.79で、偏差値38. 1)で

あること等が影響していると思われる。次年

度以降の改善状況を見守りたい」 との分析結

果が報告された。

-57-

平成21年度前学期の満足度(13科目)

0.92 0.89 0.87 0.86 0.83 0.82

0.811全未修匁国語秤目平均渡

0.81 0.80 0.80 0.80 0.77 0.75 0.71

同、後学期の満足度(11科目)

1.00 1.00 0.95 0.93 0.93 0.90

0.890全未修外国語秤月平幼復

0.87 0.87 0.87 0.87 0.86

尚、22年度から未修外国語科目は数回のテ

ストにより成績評価を行うこととなった。従

来は教員によっては期末試験一回で成績評価

していたが、 これを数回に分けて実施するよ

う統一されたので、 より広い視野から継続的

に学習状況をチェックできるようになった。

このことがどのように次年度以降のアンケー

ト等に反映されるのか、注目したい。

-/一/一/一/一/一/-/一/一/-/一/-/一/一/一/一/-/一/-

/-/-/-/-/一/-/一/-/-/一

(注)スペイン語科目を担当する専任教員

が本学にはいないため、 フランス語と併せて

集計・分析した。

-58-

総合英語教育専門部会FD報告

総合英語教育専門部会長

斉田智里

1.総合英語教育の概要

茨城大学では教養英語科目として習熟

度別クラス編成に基づく四技能型(読

む・書く ・聞く ・話す) レベル別授業と

学術用英語からなる「総合英語プログラ

ム」を平成17年度に全学導入し、平成

21年度で5年間が経過した。 「教育の質

保証」や「仕事で使える英語力」の育成

を目指したもので、習熟度別クラスの導

入のみならず、e-ラーニングを用いての自

律学習プログラムも組み込んだものであ

る。入学直後に全学生を対象にプレイス

メント ・テストを受けさせ、その成績に

基づいていずれかのレベルクラスに割り

当てる。そして、一週2コマ授業を履修

し、単位の修得で次のレベル(あるいは

学術用英語)クラスに進むというもので

ある(図参照)。

「教育の質保証」 として、一定のレベ

ル(レベル3以上)の修得と同時に4単

位の履修を必修(卒業要件)としている。

本プログラムは全国に先駆けて立ち上げ

られたこともあり、他大学から注目され

てきた。

平成17年度の全学導入以来、様々な改

善を行いながら進化してきた結果、平成

20年度と21年度には顕著な成果が見ら

れるようになり、教養英語教育の質が向

上していることが明らかになった。

2.運営体制

大学教育センターの基礎教育専門部会

の一つである総合英語教育専門部会が総

合英語教育の企画・実施・点検評価等を

行っている。 1クラス33名程度で習熟度

別クラス編成を行い、前後期あわせて約

150クラス(300コマ)を開講している。

授業担当者は、常勤教員(人文学部16名、

教育学部6名、大学教育センター4名)

及び非常勤教員である。常勤教員の授業

担当割合は5割を超える。

3.平成21年度の顕著な成果

四技能型レベル授業では、共通の到達

目標とシラバスの下、統一教材を用いて

授業が進められているが、学部専門教育

との接続をより重視し、平成20年度には

教育内容の見直しと教材の変更を行った。

争 斗 等一一寺一牛マ秀冑甲マ再壺一種■=一一=ー‐~専毎南一寺一嘩一-軸壷歯■■■■一-一一ー■■‐■■ニー■■~=ー壷毎嘩靹壷一幸由~齢一一=ーユ画一一一口・ーーや端

2単位自::

4単位目;

6単位目:

--

1

8

N

1

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総合英語レベルf 総合英語レベル農 総合英語レベル3

雀 造冬 等01I総合英語レベル2 学術用英語

索一一一岬一索守輔寺、醸鞘幕輔幕再毎岼争痔一痔守癖幸輔寺睡毎輔零厚幕醇幸一や睡琴輔輔輔毎■毎寺韓涌一寿索醗鈴幕Ⅱ

争 等 必G

B

総金英語レベル3 819総合英語レベル4

又は学術用英語

総合英語レベル5

又は学術用英語

総合英語レベル4

又は学術用英語3--置壷q■幸一一画一■字管=--毒一J

(図総合英語履修システム出典:平成21年度教養科目履修案内8頁、図を改変)

-59-

習熟度別クラス編戒

題)に全学で取り組んでいる。図書館や

CAT」T」教室に新たに洋書コーナーが設け

られ、多種多様な多読・多聴教材を取り

揃え、学生が英語を楽しんで聞いたり読

んだりできる環境が提供されている。学

生アンケートの結果、総合英語を履修し

て、 「以前より英語を読むことに抵抗がな

くなった」や「以前より英語を聞くこと

に抵抗がなくなった」 と回答した学生は

各30%以上と、期待以上の効果を上げて

いる(出典: 「総合英語に関する学生アン

ケート調査報告」 10頁、大学教育センタ

ー)。

またプログラムの客観性を高め、成績

の平準化を図るため、平成20年度から共

通の英語実力テストを全授業で実施し、

その結果を成績評価に一定割合組み入れ

ることにした(出典:平成20年度及び平

成21年度「教養科目シラバス」大学教育

センター)。

総合英語の学生満足度は平均で常に

85%程度と高い水準にある (出典:平成

平成21年度「授業アンケート集計報告

書」大学教育センター)。半数以上の四技

能型レベル授業で90%以上の満足度が得

られている(「授業科目ごとの授業アンケ

ート結果」大学教育センターより算出)。

基礎項目 (毎回の出欠調査、授業初回の

シラバス・評価方法の説明、シラバスに

基づく授業展開)に関する調査では、総

合英語はほぼ100%の達成率と、教養科目

9科目の中で最も高い評価であった(出

典:平成20年度及び平成21年度「授業

アンケート集計報告書」大学教育センタ

ー)。 さらに、FD活動を通して授業改善

を進めた結果、平成18年度に続き、平成

20年度と21年度の総合英語授業が2年

連続で推奨授業として選出された(出

典:大学教育センターHP)。

5.平成21年度「総合英語に関する学生

アンケート調査」概要と今後の課題

21年度後学期に大学教育センターが、

「総合英語に関する学生アンケート調

査」を全学部の4年生全員を対象に実施

した。総合英語プログラムが卒業要件と

なっていることから、学生が卒業を迎え

る時点で、どのような教育効果を上げた

のか、 どのような課題があるのかを学生

の立場から検証するためであった。

詳細については、 「総合英語に関する学

生アンケート調査報告書」 (2010年3月

大学教育センター)にて報告した。以下

は報告書からの抜粋である。

アンケート調査は,平成21年10月13

日から同11月13日までの期間で実施さ

れた。対象となる4年生は1988名であり,

回答数693名で回収率34.9%であった。

アンケート用紙とマークカードを配布

し, 29項目の回答をマークカード表面に

記入してもらい,裏面に自由記述の内容

を記載してもらった。アンケートの配布

と取りまとめにおいては,各指導教員及

び各学部の教務係のお世話になった。

アンケートの質問表は,以下の4項目

群からなる(質問表は参考資料として報

告書の巻末に記載)。

4.教育環境の改善

教養教育のIT化としてRENANDI統

合eラーニングシステムや英語学習シス

テムALCNetAcademy2が導入され、

総合英語教育で積極的に活用されている。

平成20年度には、それまで放送大学棟に

あったCAT」T」教室を、総合英語授業が実

施されている共通教育棟に移動し、学生

が自律的学習をより積極的に進めること

ができるように環境が整備された。また

総合英語で使用できるパソコン台数・教

室も増加した。また総合英語の自律的学

習の一環としてBookReport (洋書を読

んであらすじと感想を英語でまとめる課

-60-

1)基本的な質問事項

2)初年次教育としての総合英語とい

う観点についての質問項目

3)総合英語そのものについての質問

項目

4)現在の英語力についての質問項目

5) 自由記述

7.6割の学生が総合英語レベル3の難

易度は「適切である」 と感じていた。開

始レベルが上がるにつれて, 「易しかっ

た」 と感じる割合が増加した6総合英語

レベル3の学習量・課題量は「適切であ

る」 と評価している学生は3分の2と多

かった。開始レベルが低いほど, レベル

3の学習量・課題量が「多くて大変だっ

た」 と感じており,開始レベルが高くな

るほど,学習量・課題量が「少なくて楽

に単位が取れた」 と感じている割合が

徐々に大きくなっていた。

8.半数を超える学生が現状の「4単

位必修がいい」 と考えていたが, さらに

多くの総合英語単位の履修を希望する学

生も3分の1程度いた。

9.英語自主学習の習慣が「あまり身

についていない」 と回答した学生は75%

で,総合英語のCAT」T」課題は,総合英語

履修後の英語を自ら学ぶ習慣の育成とし

てはあまり機能していないようであった。

10. 4年次の現在の英語力を1, 2年次

の英語力と比べたところ, 40%近い学生

が四技能いずれについても「ほぼ同じ」

と回答していた。一方20~30%程度の学

生が四技能のいずれについても「低下し

た」 と回答していた。 「低下した」 と回答

した割合が最も多かったのは「書く力」

(29%),次いで「話す力」 ・ 「読む力」 (い

ずれも24%),そして「聴く力」 (23%)

の順であった。 「向上した」 と回答した割

合で最も高いのが「読む力」 (26%),次い

で「聴く力」 (18%), 「話す力」 (13%),

そして「書く力」 (12%)の順であった。

「向上した」と回答した割合が「低下した」

より上回っているのは, 「読む力」だけで

あった。 「機会がないのでわからない」 と

いう回答が最も多かったのが「話す力」

(29%)で, 「聴く力」 (20%), 「書く力」

(19%) と続き, 「読む力」 (13%) とな

った。

I .結果の概要

1.履修開始レベルはレベル3 (38%)

とレベル2 (35%)が多かった。最終修

得レベルは, レベル3とレベル4が共に

41%と多かった。4年生前学期終了時点で

総合英語履修が終わっていない学生は

1%未満であった。総合英語の修得単位数

は4単位が最も多く57%,次いで6単位

38%であった。

2.専門教育で英語科目を履修した学

生は27%ウ履修しなかった学生は72%で,

履修しなかった学生のほうが圧倒的に多

かった。工学部では専門英語科目の履修

者が多かった。

3.在学中に海外語学研修などの留学

経験がない学生は92%と圧倒的に多かっ

た。3ケ月未満の海外語学研修者は7%で

あった。

4.初年次教育としての総合英語は,

友人作りという面が高く評価され,時間

管理やレポート作成の方法を学ぶこと、

コミュニケーションの仕方の学習という

点でも評価されていた。

5.総合英語履修の結果, 「話すこと」

や「書くこと」についてはまだまだ抵抗

があると感じていた。 「聴くこと」や「読

むこと」については「抵抗がなくなった

と思う」が「抵抗がある」を上回ってい

た。英語に対する根強い抵抗感のある学

生は全体の10%程度だった。

6.総合英語を履修して,将来,留学

や英語での仕事を希望するようになった

学生が1割から2割程度いた。

-61-

11.英語力の維持・向上のための学習

方法として最も回答が多かったのが, 「英

検・TOEIC・TOEFLなど試験勉強」, 「映

画(DVD)」,そして「洋楽」であった。

を加えられないか検討する必要がある。

3.現行の総合英語4単位必修で十分

と考える学生は多いが, 6単位や8単位

必修が望ましいと考える学生も少なから

ずいる。学生の英語力を伸ばしていくに

は,教養教育の4単位を基礎として,専

門教育においても継続的な英語学習が必

要であろう。

4.総合英語のCAT」T」課題は,英語自

主学習の習慣を身につけるのに十分では

ない。英語試験対策や英語文献を読むこ

となどが英語力の維持向上に貢献してい

るようである。使いやすいe-learning教

材の導入や洋書の充実,英語試験受検機

会の提供,英語学習相談室の開設等の検

討に加えて,英語学習の必要性を感じさ

せるような取組も必要である。

アンケート調査の結果、総合英語プロ

グラムは英語教育の効果を上げることの

みならず、初年次プログラムとして、学

生一人ひとりにきめ細かい指導を行い、

学生の勉学意欲の向上と自律的学習方法

を習得させることに大きく貢献している

ことが明らかとなった(出典: 「総合英語

に関する学生アンケート調査報告」)。

Ⅱ 自由記述について

135件の自由記述回答があった。総回

答数が693件なので, 自由記述は19.5%

の学生が回答したことになる。総合英語

教育に対する肯定的な意見や批判的な意

見などが,様々な観点から率直に述べら

れている。これらを以下の8観点に分け,

それぞれに対応する回答比率も合わせて

以下に示した。なお,同一の回答でも複

数の観点が含まれている場合があったの

で,合計は135件以上となっている。

①総合英語を受講して良かった

33.6%

②他学部学生との交流や友人ができた

11.9%

③英語として易しかった 12.6%

④教養英語だけでは不十分である

11.9%

⑤総合英語カリキュラムバランスに問

題がある 7.0%

⑥TOEIC等も含めてほしい4.9%

⑦CAT」T」システムの改善が必要5.6%

⑧その他の問題点の指摘12.6%

6.引用文献

大学教育センター(2009)平成21年度教

養科目シラバス

大学教育センター(2009)平成21年度教

養教育履修案内

大学教育センター(2010)総合英語に関

する学生アンケート調査報告

大学教育センター(2010)平成21年度授

業アンケート集計報告書

Ⅲ.今後の課題

本調査結果から導き出される今後の課

題について,以下の4点にまとめた。

1.総合英語は,英語力を伸ばすこと

だけでなく,友人作りやコミュニケーシ

ョンの仕方を学ぶ機会を提供するという,

大学の初年次教育としての役割も果たし

ている。今後も,できるだけ他学部の学

生と接する機会を提供していくことが望

まれる。

2. レベル3については,必修要件で

あることを考慮しながら,難易度に工夫

-62-

情報基礎教育専門部会FD報告

大学教育センター情報基礎教育専門部会

羽渕裕真、野口宏、梅原守道、宇野美由紀

あらまし

本報告では、学生アンケートと教員アンケ

ートを解析し、満足度の要因を探っている。

当然のことではあるが「学生・教員・TA間の

コミュニケーションを取ること」が重要である

ことが指摘されている。

ンケートと同様に点数化をした。

学生の調査アンケートのQ1~Q5、Q8の

項目別満足度の平均値を"クラス満足度"と

し、教員の自己点検評価アンケートのql~

q4およびq6~q7の項目別満足度の平均

値を"期待クラス満足度"とする。また、教員

アンケートのQ2~Q4の項目値の平均値は

"教員満足度"とする。1.はじめに

2009度の教養科目の授業アンケートの

項目は2008年度のアンケート項目を改め、

評価段階は2008年度と同様に5段階にし

て実施されている。それらは、『学生の調査

アンケート」と『教員の自己点検評価アンケ

ート」からなる。情報関連科目に関するアン

ケートの実施結果は

学生のアンケート実施率 : 93%

教員自己点検アンケート実施率: 90%

学生のアンケート提出率 : 82%

学生のクラス満足度の平均 : 0.778

教員の満足度の平均 : 0.783

教員期待クラス満足度の平均: 0.853

であった。

今回は専門部会のメンバーのみでFDを

行い、以下の点を取り上げる。

(1)アンケート調査の結果クラス満足度が低

い原因は何か。

(2)情報関連科目固有の質問の結果から配

付資料の適切さと授業の難易度は関係

があるのか。

(3)自由記述に関する感想や疑問、また要

望などについて

2. 1各項目に対する点数

図1に、学生へのアンケートの項目別の平

均満足度を示す。ただし、学生の調査アン

ケート項目Q1~Q9を取り上げる。

Q1全体満足

Q8板 感

Q7

図1学生アンケートの項目別平均満足度

図1からQ7の学習時間(予習・復習に十分

な時間をかけましたか)に関する項目評点

が0.6以下と低いことがわかる。

表1には情報関連科目固有の質問に対

する平均値を示す。ただし、難易度に関す

る項目と配付資料等の項目については、

0.5が適切であり、数値が大きいと難しく、小

さいと易しい評点である。教科書や配付資

料の適切性に関する項目が0.6より大きい

評点である科目は9科目存在し、それらは

授業の難易度に関する項目の評点が0.63

以上であり、しかも0. 7以上となる4科目が

すべて含まれている。このことは配付資料の

見易さなどが授業の難易度にも影響してい

2.アンケート調査結果

学生の調査アンケートのQ1~Q9の項目

について、回答1は1.0(肯定)、回答2は

0.75、回答3は0.50、回答4は0.25、回答5

は0.0(否定)として点数化した。さらに、教員

の自己点検評価アンケートの各項目(ql~

q7、Q1~Q4)についても、学生の調査ア

-63-

の関係を示す。クラスサイズが小さいほど、

クラス満足度が高い傾向にはあるが、クラス

サイズが60名以上であってもクラス満足度

が0.9程度のクラスが存在している。これは

授業の方法が良いとこともあるがTAがうまく

活用されていることも要因の1つである。自

由記述欄に「TAがいて助かった」のコメント

が4割以上のアンケートで見られた。

るものと考えられる。

表1情報関連科目に固有の質問項目

図2に教員満足度に対するクラス満足の

関係を、図3に期待クラス満足度に対するク

ラス満足度の関係を示す。

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図4クラスサイズに対するクラス満足度

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平均(0783,0778) |

2.2自由記述欄のコメント0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 1 .000

教員満足度

図2教員満足度に対するクラス満足度自由記述欄には、何も書かれていないか、

"特になし"という記述が大部分を占めてい

た。また、授業が楽しいなどの記述も大部分

のアンケートに記されていた。下記には自

由記述欄に書かれていたことを、2つの点か

らまとめた。 これらの点については、これま

でのアンケートにも見られたものであり、教

員自らが改善できることもあると考えられる。

■授業手法に関すること(教員が改善でき

る項目)

・説明が速く、授業の進み具合が速く

てついていけないことがあった。

・説明が細部まで亘らなかった。

・声が小さくしかも早口。学生の理解を

確認しながら授業を進めてほしい

・ワードとエクセルの時間配分をもう少

し考えてほしかった。

・説明がわかりにくい。

。もう少し学生とのコミュニケーションを

とってほしい。

・教科書が分かり難い

■授業環境に関すること (IT基盤センタ

ーに伝えるべき項目)

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期待クラス満足度

図3期待クラス満足度対クラス満足度

1 .000

図2と図3からいずれも教員の満足度や

期待度が学生の満足度を上回っている。特

に、教員の平均期待クラス満足度は学生の

平均クラス満足度よりも0.075以上高いこと

から、教員は熱意をもって授業に望んでい

るが学生に十分に伝わっていないのかもし

れない。

図4にクラスサイズに対するクラス満足度

-64-

アンケート項目

授業で学んだことが役立つか

難易度は適切か

教科書や配付資料は適切か

評点(最小,平均,最大)

0.66~0.86~0.98

0.44~0.62~0.76

0.49~0.60~0.69

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瀞蝿爵鰯驚鱗

・スクリーンが見にくかった。 (日立)

・テレビやスクリーンが見難い、文字が

小さく見難い(水戸)

・自宅のPCとグラフの書き方が違って

いて大変であった。

oプロジェクターに写した画面が見難

いことが多かった。

.コンピュータが古い。

。後ろの席に座ると前の文字が見難い、

先生の声が聞こえなくなってしまうこ

とも何度かあった(阿見)(水戸)

eMM1のマイクの音量の適正化(後ろ

の方だと聞こえ難い)、スクリーンが

席によっては見難い(水戸)

・授業中の話し声が止まず、それを放

置していた。注意すべきか迷った

o困っている学生にもっと積極的に声

をかけること

oやる気のない学生に対する指導

・学生に配付する資料は事前に渡し

てほしい

o配付資料が分かり難い

o各ソフトを組み合わせて用いることも

教えた方が良いと思った

。レベル分けした方が良いと思った

・授業担当者との情報交換を多くした

ほうが良い

。学生は困っていても手を上げないの

で、机間巡視に重点をおくと良い

o授業中の作業時間の割り当て方に

改善の余地がある(作業に多くに時

間を割り当てていたので学生がヒマ

そうな時があった)

・先生の声が後ろのほうには届きづら

いのではと感じた(水戸)

2.3TA報告書からのコメント

全てのTAから「新しい知識の獲得」、 「教

えることによる理解度向上」、 「教えることの

難しさの再認識」のいずれかが上げられて

いた。そのため、TAにとって貴重な教育経

験であったと思われる。また、情報関連科目

にとって、TAは必要であり、クラスサイズに

応じた適切な人数の割り振りが必要である。

改善点としては、担当教員とのコミュニケ

ーション不足を指摘するTAが複数いた。ほ

とんどの担当教員は自学科の大学院生を

TAとして採用していないため、TAとの情報

共有を積極的に行う必要がある。特に、担

当教員は、授業の進め方や受講学生への

対処の仕方などについて、TAに明確に指

示する必要がある。

以下に主な意見について列挙した。

■TAを経験して、有意義だった点

・自分の知らない知識や技術を獲得

できたこと

・学生が質問し易くするためにはどの

ように接すればよいのかを考えたこと

。教えることによって自分の理解も深ま

ったこと

。どうすれば分かってもらえるのかとい

う視点の必要性を感じたこと

■授業中に改善可能だと思った点

・学生のPCの知識に差があり、それが

作業内容量の差として表れていた

。授業スケジュールに偏りがあったよう

に思える

。モニターが見え難い(水戸)

2.4これまでのアンケート結果との比較

2007年度のアンケート、2008年度のア

ンケート、2009年度のアンケートの対応項

目毎の比較を表3に示す。ただし、2009年

度と2008年度アンケートは5段階であるが、

2007年度アンケートは2段階(0,1)である。

各年度でクラス満足度の定義も異なってい

るので一概には言えないが、アンケートを5

段階にした2008年度とは同程度の評価で

あると言える。

表22009年度とこれまでの比較

-65-

項目 2007年 2008年 2009年

Q1【全体満足】 0,921 0.782 0.795

Q2【知識獲得】 0.907 0.851 0.838

Q3【熱意実感】 0.773 0.741 0.788

Q4【反応確認】 0.690 0.737 0.729

クラス満足度 0.819 0.776 0.778

Q1~Q4の平均 0.823 0.778 0.787

である。 (情報関連科目の固有の質問

は「評価段階3が適切」になっており、

他の項目とは異なっている)

・教員とTAとのコミュニケーション不足に

より、受講学生への対応が十二分にで

きていない場合がある。

・2年次で開講される授業では、情報処

理概論で学ぶ事柄の多くをすでに1年

次で使っていることが予想されるため、

内容を工夫する必要がある。また、開

講時期について検討する必要がある。

3.専門部会委員FDでの意見

FDで出された意見を2つの点にまとめた。

3. 1クラス満足度について

平均クラス満足度は0.778である。他の

教養科目と比べて低い方に分類される。こ

の原因はアンケートから、

oQ7の学習時間(予習・復習に十分な

時間をかけましたか)に関する項目

評点が0.6以下と低いこと

・説明が難解であったり、資料が適切

でないこと(自由記述欄から)

・教員とのコミュニケーションが不足し

ていること

が考えられる。学習時間については、学生

個人の受け取り方の差が大きいとは思われ

るが、提出課題の制作に時間が取られ、予

習復習の時間が確保できないとも考えられ

る。そのため授業理解が進まず満足度下が

ってしまう。Q4の反応確認の項目とクラス満

足度の相関が0.95以上と高いことから、教

員と受講学生とのコミュニケーションが不足

しており、満足度が下がってしまうのではな

いかと考えられる。これは説明が早口でしか

も小さい声で聞き取れなかったり、資料が読

み難かったりすることも含まれる。

学習時間については、学習効率をあげる

ようなe-learningシステムを導入することも考

えられるであろう。教員と学生とのコミュニケ

ーションの問題は、教員の話し方や資料の

改善はもちろんのこと、TAを活用することが

重要であろう。そのためにも教員がTAとのコ

ミュニケーションを密にとる必要がある。

4.まとめ

情報関連科目も他の科目と同様に、 「学生

の反応を確認しながら進行する」「分かり易く

丁寧に話す、板書する」などの授業を行うため

の最低限のスキルと、 「熱意をもって授業を行

う」ことは必要である。さらに、 「TAと教員との

十分なコミュニケーション」も必要である。

情報関連科目の授業は、Howto的な要素

が多分にあるが、それに偏らず考え方や本質

を伝えられるような内容を考える必要がある。

また、全学的にこれだけは知っている必要が

ある事柄やレベルを検討する必要がある。

今後は、情報関連科目をより充実させるた

めに、e-learningとの親和性や活用の仕方な

どについて、模索し議論を行うことを考えてい

る。さらに、教育著作権に関する意見交換も

行いたいと考えている。

3.2問題点

授業等に関する問題点を以下に示す。

・同じクラスにレベルの異なる学生が混

在しており、授業が困難になってきてい

る。学生1人1人への対応が必要にな

ってきている。

・アンケートの目的をきちんと伝えるべき

ではないか。また、回答の時間も短い

ため、きちんと回答されているかが疑問

-66-

健康・スポーツ基礎教育專門部会FD報告

健康・スポーツ基礎教育専門部会

日下裕弘、上地勝、渡邊將司、寺本輝正

1 . アンケート結果からみた現状分析・課題

と今後の対応策

学生アンケートの実施状況について,平成

20年度は97.9% (94科目中92科目)の実施

率であったが,21年度は100%実施を達成した。

また,教員自己点検評価についても20年度は

78.7%(94科目中74科目)の実施率であった

が, 21年度は98.9% (92科目中91科目) と

向上し,担当教員の授業改善に関する意識の

高さがうかがえた。

学生のクラス満足度を見ると,健康・スポ

ーツ科目は前期が0.886,後期が0.892と教

養科目全分野中最も高い値を示しており,全

体的には例年通り,学生の授業期待に対して

十分に答えた授業を提供することができたと

考えられる。

図1に質問項目ごとの平均値を示した。多

くの項目で教養科目の平均値よりも高い値を

示しており,学生の評価は概ね良好であった。

特に「Q1 :全体的満足度」 , 「Q3 :教員の準備

と熱意」, 「Q4:教員とのコミュニケーション」

などの項目は前後期を通じて常に高い値を示

しており,健康・スポーツ科目の意義や特長

が数値としても現れているものと推察された。

一方, 「Q7:予習・復習の時間」のみが教養

科目全体の平均値より下回っていた。健康・

スポーツ科目において予習を促すような働き

かけは難しいと思われるが,例えば,小課題

として, 「健康に関する新聞記事を探してみ

る」, 「風呂あがりにストレッチングをしてみ

る」など,授業で学んだことを普段の生活の

中で実践してもらうような取り組みなども,

試みていく必要がある。

2. FD活動について

健康・スポーツ科目では,科目間における

評価のばらつきを抑えるため,全科目におい

てレポート課題を課している。課題について

も,教科書を中心に, 「健康に関すること」,

「生涯スポーツに関すること」, 「選択したス

ポーツ種目に関すること」など, テーマをあ

る程度統一するようにしている。また,授業

の進め方などについても教員間で情報交換を

日常的に,かつ積極的に行っている。

また,全体講義を実施し,単に運動の実践

のみではなく,健康・スポーツに関する理論

についても学生に学ばせるように取り組んで

いる。

3.授業改善に関するヒアリング結果

授業改善について,担当教員にヒアリング

を行ったところ,以下のような意見が出され

た。体育館に関しては,改修によって大きく

改善されたが, それ以外ではまだまだ多くの

改善が必要である。特に日立地区では,体育

施設に比し受講学生数が多く,学生,教員に

対して多くの負担を強いている状況が見受け

られる。今後も,種目や授業展開の工夫によ

って改善に取り組んでいくが,運営上の工夫

のみでは限界があり,施設設備の積極的な修

繕を求めたい。また, 3地区に共通する内容

として,施設の維持・管理に関する課題が指

-67-

摘されていた。関係各課とも協議の上,改善

に取り組んでいきたい。

量の多い道路があり,学生・教職員が移動す

る際,大変危険である。横断歩道は設置され

ているがそれだけでは不十分なので,歩行者

横断用の信号機を設置するよう働きかけても

らいたい。

・農学部体育館が新築され,大変便利になっ

たが,使用上,不都合な部分が何点か出てき

た。例)①音響の関係:反響音がひどく,声

や音が全く通らない。②照明スイッチの位

置:出入り口ではなく,教員控室にあるため,

非常に不便である。③施設の維持・管理:玄

関, トイレ,更衣室,用具室等,長くきれい

に使用していくためにも定期的な清掃が必要

である。

1)水戸地区

・テニスコートの人工芝が一部剥がれており,

授業に支障を来している。足が引っ掛かり,

転倒する恐れがあるため,早急な修繕が必要

である。

.第2グラウンド (サッカー場)の士が削れ

てしまい,傾斜がついた(歪んだ)状態にな

っている。人工芝や全天候とまでは言わない

にしろ,せめて平らな状態を保ってもらいた

い。

・テニスコートのクレーの3面があまり利用

されずもったいない。全面オムニコートにし

て,活用したほうが効率が良い。

・体育館が改修され; きれいになったが,定

期的な清掃,整備,点検が必要である。

作って終わりではなく,施設の維持・管理に

も経費を割いてもらいたい。

3) 日立地区

・卓球台が壊れており,何とか脚の支え等工

夫して使用しているが, 限界である。

・テニスコートを2面改修してもらったが,

受講学生数の関係上,未改修の残り2面もお

願いしたい。現在1面あたり 12~16名でプレ

イするような状況で授業を実施しており,効

率性,安全性の点からも学生の不満が大きい。

2)阿見地区

・体育館のある地区と農学部棟の間には交通

19876543210

000000000

口教養全体前期

図教養全体後期

函健・スポ前期

麹健・スポ後期

g全体満足

2収穫実感

。鱒教員熱意

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図1平成21年度学生アンケート項目別

-68-

授業アンケートの結果について

平成21年度授業アンケートの結果について

大学教育センター

教育点検支援部

平成21年度開講の教養科目の授業について施行した新しい授業アンケートについて、そ

の内容と結果をここに報告する。実施方法は、科目分野別に作成したアンケート用紙(巻末

に添付)を使い、指定した期間内(前期: 7月、後期: 1月)で実施し、マークシートリーダ

ーを使い集計した。

I .平成21年度学生授業アンケートの概要

平成18年度から3年間、授業アンケートから測定対象を「満足度」に焦点を当て、

質問項目に検討を加えながら実施した結果、ある一定の評価を得ることができた。そこ

で平成21年度は、「満足度」の観点だけでなく、ほかの要因を加えて実施することした。

表1は平成20年と平成21年度の「基本に係る質問」に関する違いを表し、表2は「共

通の質問」に関する違いを表した。

表1 授業の基本に係わる質問

基本に係る質問に関しては、初回のシラバスの説明だけでなく、その後シラバスの展

開を確認する意味で、新たな質問項目を加えた。

共通の質問に関しては、表2に示すようにかなりの変更を行った。今までは「満足度」

を測るために色々な観点から質問を行っていたが、今回から以下に示すように、 「満足

度」だけではない他の要因を測る質問を加えて再構成した。

※満足度の算出では、括弧内の設問結果も加えられた

-69-

平成20年度 平成21年度

①この授業の第一回で、シラバスを用いた

授業の説明が行われましたか?

この授業の初回に、授業計画 (シラバス)

や評価方法の説明がありましたか?

②この授業の出欠席調査は、何らかの方法

により毎回行われましたか?

授業展開は、おおむね授業計画 (シラバ

ス) に沿ったものでしたか?

③教員の遅刻または早退(15分を超える

もの)は合わせて5回以内でしたか?

この授業では、何らかの方法により出欠調

杳が行われていましたか?

教員の授業のやり方に関する質問に関しては、後述する「教員の自己点検評価アンケ

ート」の中で、学生の授業に対する受け止め方を把握し、再検討してもらう材料にして

もらいたいと考えた。その中でも魅力ある授業の一つとして、 「双方向型の授業」が注

目されており、教員と学生のコミュニケーションを観点の一つとして取り上げた。

学生の努力に関する質問に関して、Q6では受講過程で分からない場所は必ず発生す

ると想定した上で、その学生がどのように対処するか、学生のやる気の度合いを見るこ

とができると考えた。度合いがある程度把握されれば、担当する教員の次年度以降の授

業計画に活かされると考えた。またQ7では、単位取得のために「1回2時間の授業に

つき4時間相当の自学自習がセットであるべき」と言われており、学習時間がしっかり

かけているかどうか確認する質問である。今後、予習復習にかけた時間などの集計も必

要になるであろう。しかしこの質問結果には、学生だけの問題ではなく、教員側の自宅

学習も含めた学習全体のコーディネート力も強く反映されると考えられる。

設備面に関する質問に関して、教員に対しては教育環境に関わるアンケートを実施し

ているが、学生サイドからの意見を収集できる機会が少ないので、この質問と自由記述

欄を使って情報を集めることを試みた。

今後この形式でアンケートを実施し、データを蓄積し継続な分析を行う予定である。

表2共通の質問

-70-

平成20年度 平成21年度

Q1:教員の話し方や声の大きさは、あなたに十

分聴き取れるものでしたか?この授業に、全体として満足しましたか?

Q2:教員は事項の難易にかかわらず、あなた

にわかるように教えてくれましたか?

この授業を受けて、新しい物の見方や知

識、技能を獲得した実感がありますか?

Q3:教員は受講者の反応を確かめながら授業

をしていましたか?

教員は、十分な準備と熱意で授業を行っ

たと思いますか?

Q4:この授業を受けていて、勉強は楽しいと感

じましたか?

教員は、受講生とコミュニケーションをとり

ながら授業を進めていましたか?

Q5: この授業で教員の熱意を感じましたか?教員は、質問や相談に対して授業内外で

適切に対応しましたか?

Q6:この授業は、全体として興味をひくように

組み立てられていましたか?

あなたは、わからない部分を何らかの方法

(教員に質問する・自分で調べるなど)で

解決するようにつとめましたか?

Q7:この授業を受けて、新たな知識や技能など

の得るものがありましたか?

この授業のための学習(予習・復習など)

に十分な時間をかけましたか?

Q8:この授業を通してあなたの教養は高まった

と思いますか?

教員の声の大きさ、話し方、板書は適切で

したか?

Q9: この授業に全体として満足しましたか?講義室の広さや席数、その他設備の面で

不満を感じることはありませんでしたか?

また各科目分野で固有の質問を、Q10~Q12までの間に設定できるようにし、授業改

善のためのデータを収集できるようにした。この項目については、年度ごとで変更でき

るようにした。

1.実施状況

表3に示されるように、実施率は95%以上で推移しており、完全実施に向けて努力し

て行きたいが、ほぼ安定状態に入りこれが限界に近いレベルかもしれない。

表3学生の授業アンケートの回収率

2.クラス満足度と項目別集計について

満足度の算出方法に関しては、上述したように質問内容や算出方法(集計報告を参照)

も変わったために、昨年度と単純に比較はできない。 しかしデータを見ると昨年同様、

自然系、社会系、情報関連科目が若干低い傾向が見られおり、大きな違いは見られなか

った。今後、他の要因に関してもデータを蓄えながら、継続的に分析をして行く予定で

ある。

項目別の満足度に関しても、質問内容が変わったために、表4に示す項目として集計

した。

表4項目別集計の内容

今回は初年度に当たるために昨年度との比較はできないが、前後期のデータを比較し

てみると、Q6、Q7以外は0.7ポイント以上の評価を得ており、概ね問題はないと考え

られた。学生の努力に関する質問であるQ6、Q7についてはかなり低い値を示している。

今後、教官と学生がお互い協力しながら、改善を進めて行かなければならないだろう。

-71-

年度前期

全提出数 全開講数 実施率

後期

全提出数 全開講数 実施率

平成19年 423 496 85.3% 355 371 95.7%

平成20年 427 436 97.9% 351 368 95.4%

平成21年 439 449 97.8% 331 342 96.8%

平成20年度 平成21年度

Q1: 聴取容易 全体満足

Q2: 理解可能 収穫実感

Q3: 反応確認 教員熱意

Q4: 面白授業 コミュニケーション

Q5: 熱意取組 質問対応

Q6: 授業組立 自力解決

Q7: 収穫実感 学習十分

Q8: 教養向上 声や板書

Q9: 受講推薦 教室設備

Ⅱ、教員の自己点検評価アンケートについて

1.実施状況

表5は、教員の自己点検評価アンケートの実施率を示している。今年度は、各専門部

会と事務局の協力体制が機能し、回収率の飛躍的な増加が見られた。 これで満足するこ

となく、今後も改善をはかりながら90%後半の回収率が、安定して実施されるように努

力して行きたい。

質問項目に関しては、学生授業アンケートの質問項目を大きく変更したので、表6に

平成20年度、表7に平成21年度の教員の授業アンケートの質問項目を示した。

表5教員の自己点検評価アンケートの回収率

表6平成20年度教員の自己点検評価アンケートの質問項目

学生アンケート対応項目

ql受講者が聴き取れるよう、話し方や声の大きさに気を配りましたか?

q2難しい事項であっても、わかりやすく教える努力をしましたか?

q3受講者の反応を確かめながら授業をしましたか?

q4勉強は楽しいと感じさせるような授業をしましたか?

q5この授業には熱心に取り組んだといえる自信がありますか?

q6授業全体の組み立てを、面白くしようと努力しましたか?

q7受講者は新たな知識や技能などを得たと思いますか?

q8この授業を通して、受講者の教養は深まったと思いますか?

q9この授業を受けることを、自信をもって学生に勧められますか?

上記以外の項目

Q1シラバスの書き方は適切だったと思いますか?

Q2学期を通じて半数以上の学生が教員の熱意に見合う反応を示しましたか?

Q3受講態度の悪い学生の存在が気になることがありましたか?

Q4クラスの雰囲気が教員のさらなる努力を引き出す場面はありましたか?

Q5不本意な授業をして悔やまれる思いをしたことがありますか?

Q6担当クラスの期末試験の答案やレポートは概ね満足のゆく内容でしたか?

Q7学生の授業アンケート結果は得心して受け入れられますか?

-72-

年度前期

全提出数 全開講数 実施率

後期

全提出数 全開講数 実施率

平成19年 260 496 52.4% 222 373 59.5%

平成20年 307 436 70.4% 211 368 57.3%

平成21年 390 449 86.9% 301 331 90.9%

表7平成21年度教員の自己点検評価アンケートの質問項目

授業の基本に係る項目

基1授業の初回にシラバスおよび評価方法について説明しましたか?

基2概ねシラバスどおりに授業を展開しましたか?

基3出欠調査は毎回行いましたか?

主に"期待クラス満足度"に係る項目

ql声の大きさ、話し方、板書に気を配り、学生が受講しやすい進行を心がけましたか?

q2受講生からの質問や相談に対して適切に対応しましたか?

q3受講生とのコミュニケーションは必要かつ十分な程度とれたと思いますか?

q4この授業のための準備は不足無く行えましたか?

q5受講生の、この授業に対する興味・関心をいっそう駆り立てるための工夫に、努力しまし

たか?

q6受講生の平均的な習熟度から判断して、この授業における当初目的は達成されました

か?

q7この授業を受けることを、自信をもって学生に勧められますか?

主に"教員満足度"に係る項目

Q1円滑に授業を進める上で、設備面での不満を感じることはありませんでしたか?

Q2学期を通じて半数以上の学生が教員の熱意に見合う反応を示しましたか?

Q3担当クラスの期末試験の答案やレポートは概ね満足のゆく結果でしたか?

Q4学生の授業アンケート結果は得心して受け入れられますか?

今年度の質問項目 (表7)は、学生の授業アンケートをもとにして形式を整えたため

に表6と大きく変わっているが、授業改善につながるような質問項目については継続的

に分析する必要からいくつか残して構成した。今後この形式でアンケートを実施し、デ

ータを蓄積し継続な分析を行う予定である。

2.満足度の分布

教員の満足度は、質問項目が変更さ入れたために、昨年度と単純比較はできないが、

各項目の平均値では0.8ポイント以上評価を得ており、教員のレベルでもかなり安定し

た評価が得られていると考えられる。ただ教室の整備、 コミュニケーション、試験の結

果に対する評価は、低くなる傾向が前後期ともに同じように見られ、今後の改善ポイン

トであろう。

-73-

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※シラバスコードをご記入願います。→シラバスコード:

<授業の情報>

(水戸・日立・阿見)地区 ( )講時)曜日(

授業題目 教員名

※複数教員でご担当の授業でも、下記にご記入いただく方のお名前のみで結構です。

2009年度前学期教養科目担当教員の自己点検票

大学教育センター

■本紙上部のく授業の情報>の各欄、およびシラバスコード欄にご担当授業の情報をご記入ください。

■下記の設問にお答えください。なお、ご回答いただいた内容は自由記述(Q6を除<)も含めて大学教

育センターのウエブサイトで学内開示いたします。予めご承知おきください。

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下記の各設問において、回答が「はい」の場合は1、 「いいえ」の場合は5を右の空欄に記入してくださ

い。確定し難いときは、どちらに近いかに応じて2, 3, 4から適当に選び記入してください。

①授業の初回にシラバスおよび評価方法について説明しましたか?. . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□②概ねシラバスどおりに授業を展開しましたか?. . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□③出欠調査は毎回行いましたか?. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□

ql 声の大きさ、話し方、板書に気を配り、学生が受講しやすい進行を心がけましたか?. ・ ・ ・ ・Dq2受講生からの質問や相談に対して適切に対応しましたか?. " ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。 ・ ・ ・ ・Dq3受講生とのコミュニケーションは必要かつ十分な程度とれたと思いますか?. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□q4 この授業のための準備は不足無く行えましたか?. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□q5受講生の、この授業に対する興味・関心をいっそう駆り立てるための工夫に、努力しましたか?□q6受講生の平均的な習熟度から判断して、この授業における当初目的は達成されましたか?・ ・ ・□q7 この授業を受けることを、自信をもって学生に勧められますか?. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . .□

Q1 円滑に授業を進める上で、設備面での不満を感じることはありませんでしたか?・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□Q2学期を通じて半数以上の学生が教員の熱意に見合う反応を示しましたか?. . ・ ・ ・ ・ " ・ ・ ・DQ3担当クラスの期末試験の答案やレボートは概ね満足のゆく結果でしたか?. . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□Q4学生の授業アンケート結果は得心して受け入れられますか?. ・ ・ ・ 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・□Q5 自由記述(授業に関係する内容)

Q6アンケート項目等に関するご意見があれば、こちらに記入してください。

ご協力ありがとうございました。

-81-

教養教育に関する論文・研究ノート

水戸藩史跡を活用した教育史教育の試み

-弘道館・常磐共有墓地・回天館の教材化を通じて-

山田恵吾(茨城大学教育学部)

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はじめに

本稿は、大学の授業改善の一環として、著者が担当する教育史関連授業科目の内容を水戸藩史跡

活用の観点から検討するものである。

筆者は、2000年度から茨城大学教育学部の開設授業科目「教育史演習」 (専門科目・演習)およ

び「学校と教育の歴史」 (教職科目・講義)を担当している。前者は、辻本雅史『「学び」の復権」

(角川書店)の輪読・発表・討論を中心に、近世教育を窓口として、近代学校教育の特質と課題を

検討する授業であり、後者は通史テキストを使用して、近代における学校・教師・教科書の変遷を

辿る授業である。いずれも授業目的に教育の近代化の考察を掲げており、日本における近世教育か

ら学制期への変革を授業内容に位置付けている。この教育の近代化に関わる内容を検討対象とする。

これまで授業担当者として、次の点を授業の基本的な問題と捉えて、その改善に取り組んできた。

すなわち、①教育史学習の前提となる幕末から明治期の国や社会の仕組み、対外関係を含んだ政治

的状況とその歴史的過程に関する知識が受講生に充分に身についていないこと。また、②言葉の概

念の裏付けとなる生活経験が浅いためか、テキストのみの授業では人の動きや現象についてのイメ

ージが不充分なこと。そのため③学習活動が思考よりも暗記中心となりやすく、受け身の授業とな

る。 したがって、④教育の近代化の意義と課題を理解し、現代学校教育のさまざまな課題の検討に

その知見を活かすという段階にまで展開しにくい、 という問題である。

このような問題に対して、2005年度開講授業から、a.問題史別構成を取り入れた新たな教育史テ

キストの使用(山田恵吾・貝塚茂樹編著『教育史からみる学校・教師・人間像」梓出版社)、b.映画

やビデオ教材などの視聴覚教材の活用、 C.水戸藩史跡等の実地見学の導入によって改善を進めてき

た。 とはいえ、授業の改善のみですべての問題が解決しえないことは承知している。本稿ではこれ

までの実地見学の成果を踏まえ、 「教育史演習」 (2コマ分・受講生4~10名)、 「学校と教育の歴史」

(1コマ分・受講生約50名)における水戸藩史跡の教材化の取り組みを示すことにしたい。

近年、 「現代的な教育課題」に対応した「実践」的な教員の養成が、文部科学省のみならず大学

でも強調されている。言うまでもなく、すぐ、に現場で役立つ教員の養成は重要な課題である。 しか

し、問題が山積し、揺らぐ、教育現場では、弥縫策だけでは、将来的にすぐ、に行き詰まってしまう。

一見、 「現代的な教育課題」や「実践」から距離があるように見える哲学や歴史などの、 ものの見

方の基礎となる能力は、様々な問題を解きほく、し、揺らぐ、教育現場に対してより柔軟に応じる力と

なる。現代の学校の問題を、それとは異なる教育の原理と方法によって成り立っていた近世社会の

教育の視座から捉えることは、筆者が取り組む教育史教育の課題の一つである。本稿が教員養成に

おける教育史教育の有効性や課題を考察するための素材の一端となればと思う。

-83-

1.水戸藩史跡の教育史的意義-教材化の観点①一

水戸藩史跡の教材化の観点として、第一に史跡の教育史的意義について、授業のねらいとの関わ

りから述べる。先に述べた「教育の近代化」に関わる授業においては、次の4点の理解を主なねら

いとして設定している。

①近世社会の教育が、身分制に基づくものであること。

②「学制」 (1872年)に始まる近代学校は、国民皆学、能力主義を理念としていること。

③近代学校の創設は、外国の脅威に対する国内変革を教育面から行おうとするもので、近代化の

中核的事業であったこと。具体的には、 a.欧米の先進の知識技術を摂取すること、b.日本国民

としての自覚を持たせることが課題であったこと。

④幕末から明治に至る日本の政治的方向の決定過程において、 「尊皇撰夷」の思想が大きな位置

を占めていたこと。また、 「尊皇撰夷」の形成と全国的伝播において水戸藩の学者や志士が重

要な役割を果たしたこと。

以上のねらいの達成のために、史跡見学までにテキスト、第一次史料、ビデオ教材を使用しなが

ら、次のような内容の講義を「教育史演習」 「学校と教育の歴史」 ともに、概ね3コマ分行う。

a.近世教育に関わる内容

・身分制に応じた教育機関…武士の藩校、庶民の手習塾(寺子屋)、郷校。主として武士が学

んだ学問塾(私塾。ただし、江戸後期には身分制を超え出た近代的な教育理念と方法を持つ

学問塾も登場)。手習塾(寺子屋)の教育内容・方法・師匠等について。 (1コマ分)

・代表的学問塾…松下村塾(吉田松陰) と適塾(緒方洪庵)。前者が、あらたな国家の形成に

関わる政治家を輩出した機関として、後者が欧米の先進の知識技術の摂取を指導していく人

材を輩出した機関として、それぞれの近代化に果たした役割。 (1コマ分)

b.近代教育に関わる内容

. 「学制」発布・・・国民皆学(平等)、能力主義(先進の知識技術の摂取)、身分変換装置(近代

化のエネルギー)等の特徴をもつ学校の創設。適塾出身の福澤諭吉の役割。 (1コマ分)

水戸藩は「尊皇撰夷」を掲げて、倒幕・近代化への思想・運動両面において影響力が大きかった

藩である。幕末の水戸藩の動きを具体的に捉えることで、日本の近代化の意義と課題をより鮮明に

捉えることができる。 ここでは、水戸藩史跡のうち(1)弘道館、 (2)常磐共有墓地、 (3)回天神

社(回天館)を選定し、それぞれの教育史的意義について述べることにする。

(1)弘道館

近世社会の教育において、近代学校と大きく異なるのは、それが身分制に基づくことである。武

士階層は藩校、庶民階層は手習塾(寺子屋) というのが基本であり、そこでの教育内容も藩校が学

問・武芸をはじめとする高度な内容であるのに対して、手習塾は読み・書きを中心とするものであ

った。つまり、身分によって教育施設と教育内容が異なっていた。

水戸藩の藩校弘道館は、上記の授業のねらい①②に関わる事例として位置付く。ただし、弘道館

の教育史的意義は、それにとどまらない。水戸藩第9代藩主徳川斉昭(列公)が、 1841年に創設し

-84-

た弘道館は、現在の水戸市立三の丸小学校や茨城県立図書館の敷地や旧茨城県庁跡地を含む17.8v、

クタールの敷地を持つ、当時日本最大のものであった。加えて、その教育内容も儒学、歴史、数学、

地理学、閏学、医学、薬学、天文学、兵学、武術、酪農などに及び、現在の総合大学に比肩する幅

広いものであり、実学的・近代的な志向を帯びるものであった。それは、当時の日本が西洋列強の

侵略という危機にさらされる中で、斉昭が一藩の発展を超えて、日本の独立を守り、発展させ得る

有為の人材の育成を目指したからであった。また、 「尊皇撰夷」を掲げて日本における先端の学術

センターとも言い得た弘道館は、吉田松陰をはじめとして全国の志士に影響を与えた。 :つまり、弘

道館は藩校の一例であることを超えて、政治的にも影響力を持つ有数の教育機関であった。授業の

ねらい③④と関わる教育史的意義の高い史跡である。

なお、近世の教育施設のうち、現存するものは日本全国でみても決して多くない。たとえば、藩

校では、致道館(鶴岡藩)、文武学校(松代藩)、明倫館(萩藩)など、学問塾(私塾)では、松下

村塾、適塾、威宜園、また郷学では閑谷学校、その他、足利学校などが史跡として残されているだ

けである。近年では、弘道館を世界遺産に登録するための活動が展開されている。 「町おこし」の

側面もあるが、一方で日本の近代化を下支えした近世社会の教育への関心の高まりでもある。貴重

な史跡に対する理解を深めることも可能である。

(2)常磐共有墓地

1666年に水戸藩第2代藩主徳川光圀(義公)が藩士のために創設した墓地である。他に酒門共有

墓地がある。常磐共有墓地には、藤田幽谷(1774-1826年) ・藤田東湖(1806-1855年)父子、東

湖の四男で天狗党の乱を主導した藤田小四郎(1842-1865年)、桜田門外の変で井伊直弼暗殺実行

者であった関鉄之介(1824-1862年)、光圀の『大日本史』編纂を支えた安積港泊(1656-1738

年)などが祀られている。東湖は、弘道館の教育理念を記した「弘道館記」を著すなど弘道館の創

建に関わった人物であり、また「尊皇撰夷」の発信地として幕末の日本社会を動かしていく思想的

原動力となった水戸学の有力な学者であった。授業のねらい③④において重要な人物である。

(3)回天神社

藤田小四郎、武田耕雲斎ら水戸藩の尊皇撰夷派である天狗党が、撰夷決行を促すべく挙兵し各地

で転戦した、いわゆる天狗党の乱(1864-1865年)で処刑された志士をはじめ、安政の大獄桜田

門外の変など幕末の動乱期に命を落とした1,785名の藩士を殉難者として祀った神社である。 これ

らの墓は「水戸殉難志士之墓」 として1954年に水戸市指定史跡に登録されている。 「回天」の名称

は、藤田東湖の著書『回天詩史」に由来するといわれる。神社境内にある回天館は、天狗党の乱の

関連資料の展示室となっている。

回天館の建物は、最終的に投降した天狗党の志士823名が監禁されていた鰊倉16棟のうち1棟

であり、 1957年に福井県敦賀市から水戸市の常磐神社へ寄贈・移築され、さらに1989年に回天神

社境内に再移築されたものである。監禁された志士のうち、353名が斬首となっているが、この他、

鰊倉での劣悪な環境がもとで20名ほどが病死したといわれる。天狗党は、後に対立する水戸藩内の

諸生派との戦闘を展開した(弘道館戦争・ 1868年)。近代日本の天皇制と国際社会への参加という

方向性を考える上で「尊皇撰夷」の思想と実践は、欠くことのできない事項である。授業のねらい

③④を達成する上で好個の史跡である。

-85-

2.学習材としての水戸藩史跡一教材化の観点②一

上記史跡が、教育史および教育史教育において重要な位置にあることを確認した。次にこれらが

授業を展開する上でどのような意義を認めうるか。教材とりわけ学習材としての側面から検討する。

教材化の観点として、①一次史料であること。②郷土材であること、③問いや発見を促しうるも

のであること、の3点を挙げる。それぞれ、その根拠と意義について述べることにする。

(1)一次史料であること

-次史料は、まず知覚可能なものであること。言葉を介した理解を超えて、 「もの」の体験によ

るあらたな観念を創出する契機となるものである。史跡建造物の中に入れば、空間的な広さや奥行

き、足の裏から伝わってくる響き、においや空気の感触、外に見える景色など、身体の感覚を通じ

て入力しうるものは、言葉では伝えられない内容を含んでいる。 150年前の時代に生きた人々と自

分の感覚を重ねることで、同時代史的な思考を働かせてほしいという期待もある。

たとえば、弘道館は先にも述べたように、施設・内容面において日本最大の藩校であり、現存す

る貴重な一次史料である。弘道館の闘いや第二次大戦時の空襄により消失している部分があるが、

正門、正庁など現存している部分も多い。正門や正庁の柱や鴨居には、弘道館戦争の時の弾痕が残

っており、闘いの激しさをイメージし、その意味を考える素材となる。

(2)郷土材であること

幕末から明治への激動の時代に、様々な意味で大きな影響を与えた水戸藩の旧領地は、水戸キャ

ンパスの学生にとって生活の足場である。水戸生まれ・水戸育ちの受講生も少なくない。

ところが、茨城県内出身者でも、水戸藩が幕末から明治維新に至る日本の変革に果たした役割に

ついては、ほとんど正確に答えることはできない。弘道館に関しても「学校の行事で行ったことが

ある」記憶を持っている程度に止まっている場合が多い。まして、常磐共有墓地や回天神社となる

と、その存在を知っている受講生は皆無に近い。 この地元出身の受講生においても、知られていな

い史跡を教材として活用したい。水戸キャンパスからほど近い、常磐共有墓地には、 「水戸学」 「尊

皇撰夷」 「桜田門外の変」 「天狗党」など、教科書にゴシック体で示された事件・事象の主人公級の

人物が祀られている。200年~150年前に近代日本の礎となった人々が活躍していた場と、自分の

生活の足場を重ねてみることで見えてくるものがあるだろう。

この他、教材として選定する上で、水戸キャンパスからの移動手段・時間に配慮することが必要

である。授業1コマ90分(授業前後の計20分を含めれば110分)の中で、大学・史跡間の移動と、

史跡の見学が可能でなければならない。弘道館までの所用時間は、水戸駅からは徒歩6分、水戸キ

ャンパスからは自転車で約25分、バスでは銀杏坂バス停下車で約25分である。見学の時間を45分

とすれば、前後の時間に授業があっても授業時間内に見学することが可能である(大学前バス停~

銀杏坂バス停の料金は片道で320円)。入場料金は通常190円であるが、30名以上の団体料金は150

円となる。また常磐共有墓地は、水戸キャンパスから自転車で約8分、徒歩でも20分で行くことが

できる。回天神社は常磐共有墓地の隣にあり、 1コマの時間内で両施設の見学が可能である。料金

は無料である (月曜日・金曜日が休館日。開館時間は午前10時から午後4時)。

-86-

(3)問いや発見を促しうるものであること。

史跡見学が、事前のテキストによる学習の確認に止まるものであれば、その教材化の意義は薄い。

受講生が、実物を通じて自身のテキスト理解や観念を超えたり、異なる部分や想像もしていなかっ

た事態に遭遇すること、 「不思議」や発見も期待したい。学習者が想起するイメージは、一人ひと

りの経験に裏付けられたものであるから、授業者がそのすべてを制御することはできない。個々の

受講生の感想や問いを他の受講生に投げかけるとともに、実物をてがかりにしながら「不思議」を

喚起しうる仕掛けを授業者が組み込むことが必要である。具体的な内容は後述する。

3.水戸藩史跡を活用した授業

(1)弘道館を活用した授業(「教育史演習」 「学校と教育の歴史」各1コマ分)

約45分の見学と解説による。以下、弘道館の各場所に即した授業場面について述べる。

①閉じられた正門

受講生の集合場所は、重要文化財である正門(次頁の写真を参照)前の広場である。集合に適し

た場所というだけではなく、正門が教材そのものだからである。ただし、正門は普段、閉められて

おり、弘道館の出入りには使用できない(2~3月の梅祭りの期間の土・日曜日のみ開放される)。

西側の受付脇の通用門を使用する。最初に訪れて正門だと理解する受講生は少ない。

まず、受講生には正面に見える門が正門であること、重要文化財であることを伝える。意外な表

情を浮かべる受講生に対して、 「ここで問題」 と述べて次の発問をする。

「私は弘道館には30回ほど来ておりますが、正門から入ったことは1回しかありません。いつも

閉まっています。正門なのに、なぜ、閉まっているのでしょう。」

受講生の反応は鈍い。少しすると 「重要な建築物だから。」 「壊れているから。」 「受付から遠いか

ら。」などの回答が返ってくる。 「答えは、また後で。それでは第二問」 と述べて正門に接近し、扉

にいくつかある穴やその補修の後と思われる接木を指さしながら、 「この穴は何の穴でしょうか。

この接木も穴の補修跡だと思いますが。」 と発問をする(次頁の写真を参照)。

受講生から「(鉄砲の)弾の跡。」 との回答が出てくる。 「では、なぜ、学校の門に鉄砲の弾の跡

が残っていると考えますか。」 と発問すると、 「えっ、なぜ。」 「流れ弾が当たった。」 という声が出

る。 「中に入って正門の反対側に行ってみましょう。」 とだけ答え、受付を済ませて入場する。

この間、受講生から個別に「どうして閉まっているのですか。」 「いつ開けられるのですか。」 と

質問してくる。また、正門脇から受付までの通路には、弘道館の見学ポイントの「案内図」がある。

そこには「藩主の来館や諸儀式を行うときのみ使用された門」 との説明あり、 「案内図」を囲むよ

うにして読む受講生が見られる。発問の答えに迫ろうとする受講生の姿がある。 「導入」としては、

問いを含む最適な教材といえる。

正門の内側に移動すると、正面に弘道館正庁の入口があることがわかる。受講生には「見栄えの

するいい場所ですね。この正門は藩主が来館した時など重要な行事の時だけ開けられます。下々の

ものは通用門から。梅まつりの時期に開門されます。」と伝える。閉められた正門の問題を通じて、

身分制が通り道や見える景色さえも規定していること、藩校が個人のためではなく、まず藩のため

藩主のために、設置・運営されていることを伝える。 これは授業のねらい①に関わってくる。

-87-

(写真: 左・弘道館正門。右・正門の柱の弾痕)

②「尊撰」の掛け軸

正庁入口に立つと、正面奥に「尊撰」を大きく書かれた掛け軸が自然に目に入る。 「立派な書で

しょう。」 と述べ、 「『尊撰』の意味はわかりますか。」 と発問をする (次頁の写真を参照)。

何名かの受講生から「尊皇擢夷。」 と返ってくる。 「そうですね。それでは『尊皇嬢夷』 とは何か

説明してくれる人いますか。」 と、受講生に質問する (声が上がらない場合は指名する)。

受講生の中から、 「外国を打ち払う。」 との声が聞こえる。授業者は「正解。 『擢夷』は、 日本に

来る外国人を打ち払う、 という意味ですね。それでは『尊皇』の意味は。」と発問を重ねる。 「天皇。」

と小さな声が返ってくる。授業者は「尊皇嬢夷」について以下のような説明を加える。

「天皇を中心とする国家をつくろうという意味ですね。徳川家を中心として各藩の集まる連合国

家ではなく、天皇が治める統一国家をつくる。 これが『尊皇』思想。 日本を植民地にしようとねら

っている海外諸国を打ち払うのが『懐夷」。反『開国」、つまり鎖国を続けるという意味です。 した

がって『尊皇嬢夷』 と一口で言うけれど、 『尊皇』は国内体制の目標、 『撰夷』は外交上の目標とい

う質の異なる2つの目標が掲げられていることになります。実際には明治国家は『尊皇』と『開国』

を具体化することになります。」

さらに次の発問をする。 「今、水戸藩の掲げた『尊皇』は、徳川家中心を改めようという思想で

あるといいました。何かおかしいと思いませんか。水戸藩は御三家でまさに徳川家そのものです。

なぜ徳川家体制を変革しようという主張したのでしょうか。」

この発問に、受講生からの回答はない。 「不思議ですよね。理由を考えてみてください。 ヒント

は茨城の場所・位置・地形に関係しています。」 としておく (次週の授業で、当時海岸線の長い茨

城近辺に外国船が頻繁に出没していたため、水戸藩の危機意識が他藩に比して高く、既存の国内体

制では対応できないとの認識があったため、 と説明する)。 「尊懐」の掛け軸を通じて、授業のねら

い③④に迫る。

③弾痕

掛け軸の前を通過し廊下を歩きながら、柱や鴨居にある弾痕を指さして「ここにも飛んできてま

すね。」と説明を加える。受講生の中から「学校で撃ち合いがあったのですか。」と質問が出てくる。

ここで以下のような説明を行う。授業のねらい④に関わる内容である。

-88-

「その通りです。水戸藩では『嬢夷』派の天狗党と、それに反対する諸生派が血で血を洗う内部

闘争を繰りひろげます。この弘道館も戦場となりました。藩内での対立はどこの藩でもありました

が、誰もいなくなってしまうくらい徹底的にやり合ったのが水戸藩でした。 『尊皇撰夷』を真っ先

に掲げながら、水戸藩が明治新政府の中で全く存在感が無いのは、単に「徳川」だったというだけ

ではないのですね。 『撰夷』を巡る闘争は、安政の大獄・桜田門外の変だけではありません。 『明治

維新』や『日本の近代化』などと簡単に言いますが、その道筋には多くの犠牲があったのですね。」

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(写真:左・正門から見える弘道館正庁。右・ 「尊撰」の掛け軸)

④湯殿

各所の音声案内を聴きながら、閲覧順序にしたがって見学を進めていく。

便所・湯殿の場所で受講生が質問する。 「なぜ湯殿などあるのですか。」 「男女で分かれていないの

ですか。」 「湯船がありませんが、お湯はどこから運んでくるのですか。」 「湯殿は男性専用ですか。」

性別についての質問は女性の受講生からである。授業者はそれぞれの質問に回答するが、性別の

質問については「どうしてだと思いますか。」 と聞き返す。すると男性の受講生が「武士は男子だ

けでしょう。藩校は武士の学校だから。」 と答える。 「その通りです。」 と授業者は応じる。身分制

に基づく近世教育のあり方は、 「士農工商」だけでなく、 「男女」にもあることが「湯殿」見学を通

じて明確となる (次週の授業で「学制序文」 (1872年)の「一般の人民華士族農工商及婦女子必ず

邑に不学の戸なく家に不学の人なからしめん事を期す」の一文を確認し、我々が当たり前だと思っ

ている国民皆学がいかに画期的であり、その実現もそんなに大昔のことではないことを再び説明す

る)。授業のねらい①②③に関わる。

⑤吉田松陰の漢詩

史料展示室に移動する。授業者は吉田松陰直筆の手紙が展示されている付近に立つ。手紙は漢詩

であり、署名も「吉田矩方」 となっているので、松陰の手紙であることを見逃す受講生が多い。そ

のため、一瞥して他の展示物に移動しようとする受講生に、松陰の手紙であることを伝える。事前

の授業で教育者としての松陰と日本の近代化における松下村塾の意義などについて説明し、松陰が

受講生と同年代の時に水戸に遊学に来たことを話しているため、驚いたり、興味を持つ受講生が多

い。ただし、漢文で意味がわかりにくいため、 「何が書かれているのか。」 「なぜ直筆の書が残って

いるのか。」 と質問する受講生がいる。質問をしてこない受講生には「なぜ、松陰の手紙がここに

あると思いますか。」 と発問する。水戸学や「尊皇懐夷」が全国に広まる過程、 とりわけその後の

-89-

倒幕や明治維新に大きな影響力を発揮していく松陰や松下村塾との関わりを、実物と発問・解説を

通じて理解することが期待できる。授業のねらい④に関わる。

なお、 この点に強い関心を持った受講生には、松陰が実際に滞在した場所を説明し、 この漢詩と

同じ文を石に刻んだものが記念碑となってあることを伝える。 「どこにあるのですか。」 と質問する

受講生には、 「弘道館から徒歩10分くらいのところ。大学への帰り道によれる場所にあるからよっ

てみるといい。」 と述べて、詳しい場所を伝える。以上が弘道館見学の主要な内容である。

(2)常磐共有墓地および回天館を活用した授業(「教育史演習」 1コマ分)

弘道館見学の後に、設定する授業である。常磐共有墓地と回天館は、隣接している。見学と解説、

施設間の移動を含めて60分程度の時間を要する。

保和苑入口の赤門前に集合し、常磐共有墓地に向かう。墓地の入口には案内板があり、徳川光圀

が藩士のために創設したとの説明がなされている。また、安積港泊や関鉄之介、天狗党の指導者の

一人であった藤田小四郎の墓の場所を示す案内などもある。

「水戸黄門がつくったんですね。」 「水戸黄門は実際にいたんだ。」 「(大学から) こんな近くに有

名人のお墓があったとは知らなかった。」 「なぜこんな場所につくったのか。」などの受講生の声が

聞こえてくる。テレビ番組やテキスト上の人物が実在の人物であったと、身近に感じてきている。

「水戸学」 「尊皇擢夷」 「安政の大獄」 「桜田門外の変」 「天狗党」 という固有名詞が、自分たちと同

じような一人ひとりの人間が生活を送る中で感じ、考え、決断をして行動を起こした結果であると

いう感触を受講生が得れば、 「導入」 と,しては成功である。

なお、墓地の場所についての疑問に関しては、墓地から近くの愛宕山古墳(前方後円墳)が見え

ることから、 「古墳を作るくらいの場所だから、地盤がしっかりしていたのでないか。根拠はない

けど。調べてみてわかったら教えて。」などと答える。思わぬ受講生の問いが新たな授業展開を促

すこともある。

墓地の一番奥にある藤田東湖の墓に向かう途中に、安積濾泊の墓がある。立ち止まり、案内板を

読む。受講生は、テレビドラマ「水戸黄門」の「格さん」が、屈強な用心棒ではなく、学者である

ことに驚く。そこで受講生には「この『格さん』が、幕末の『尊皇懐夷』に連なる考えを提示して

いく。」 と徳川光圀に始まる水戸学の思想が連綿として幕末の「尊皇撰夷」に結び付いていくこと

を伝える。

①藤田東湖の墓

藤田東湖の墓は、父である幽谷の墓とともにある。まず、弘道館見学の際に見た「弘道館記」の

著者であり、徳川斉昭から信頼を得て、 「尊皇撰夷」の思想を完成させた学者の一人であること、

したがって、幕末から明治維新の日本の歴史では欠くことのできない人物であることを確認する。

受講生からは「いつ頃、亡くなったのですか。」 「やはり殺されたのですか。」などの質問が出て

くる。 「安政の大地震の時に江戸にいて、一度は脱出した家の中に、母を助けるために飛び込んで

圧死した。落ちてきた鴨居を支えて、母が外に逃げるまで持ちこたえたが・ ・ ・などと言われてい

るが、本当かどうかわからない。」 と答えると、受講生からは「作り話っぽい。」 「やっぱり偉い人

なんですね。」 「水戸藩の人はみんな壮絶な死に方をしている。」などの感想が出てくる。

-90-

次に関鉄之介の墓、ついで藤田小四郎の墓に移動して、それぞれ「桜田門外の変」 「天狗党の乱」

を中心にあらためて簡単に説明する。東湖らによって完成した「尊皇撰夷」が、観念のレベルを超

え出て、運動や生々しい斬り合いに至る過程と個々の人物のつながりがわかる。

受講生からは「小四郎は東湖の子どもなのに、どうして一緒のところにお墓がないのですか。 こ

んなに離れた場所でしかも小さいし。」 との質問がでる。面白い質問である。 「幽谷・東湖父子は一

緒のところに祀られて、小四郎はそこから離れたところに祀られている。何か寂しいですね。どう

してだと思いますか。」と、他の受講生との問題の共有化を試みる。すると「長男ではないから」「妾

の子だったから」 「(東湖と)喧嘩をしたから」などの答えが返ってくる。

授業者は「確かに長男ではないし、本妻の子どもではないらしいけれど。私もはっきりしたこと

はわかりません。ただ小四郎は罪人として処刑された人だから。福井で首を切られて、わざわざ水

戸に運んできてさらし首にされていますから、一緒には祀れなかったという可能性はあるかもしれ

ません。誰か調べてみて、わかったら教えてください。それでは、小四郎が『罪人』となった出来

事に関わる、あの建物に行ってみましょう。」 と述べて、回天館に移動する。 ‐

②回天館

回天館の前に立ち、その全景を見ながら、 「天狗党の志士たちが京都にいた慶喜に穰夷決行を促

すべく進軍しました。思いを果たせず、投降して、処刑までの間、鰊倉に閉じこめられました。 こ

の建物は、その鰊倉16棟のうちの1棟で、福井県敦賀市から移築したものです。」と説明する。受講

生は「当時のものそのものなのですか。」 「どうやって運んできたのでしょうか。」 「わざわざ、誰が

そんなことをしたのか。」などの感想や疑問を口にする。 「そう思いますよね。解体してから運んで

きたにせよ、なぜ、 こんな鰊倉を遠くから運んできて、保存しようとしたのか。運んできた人々の

思いをこれから考えてみましょう。 この鰊倉が、天狗党の乱の資料館になっていますので、先に進

みましょう。」 と述べて、入口付近の案内板まで進み、説明を読み終えてから順次入館する (次頁

の写真を参照)。館には常駐の係員はおらず、無料で入館できる(館内電灯のスイッチも入館者が

入れる)。

展示品は、志士の切腹風景を再現した模型、天狗党の行軍経路を示したパネル、天狗党指導者の

解説パネル、天狗党に関わる著作、回天館設立に関わる寄贈者一覧などがある。授業者は木製の戸

の付近に立つ。墨で書かれた志士の絶筆の害(文字)が書かれた戸である。 「尊皇穰夷」を掲げて

冬山を越えながら進軍したものの、志半ばにして投降し、魚と糞尿の匂いの充満した不衛生な倉に

手伽足棚をはめられて閉じこめられ、充分な食料も与えられずに処刑の日を待つだけの志士の無念

が、「叶わず」「叶」のわずかな絶筆の中に充分に表れている。そのような数多くの命と引き替えに、

日本の独立と近代化があり、我々の暮らしがある。そのことを感じ、考えてもらうため、受講生全

員に見てもらう。文字を指し示しながら、「この文字、なんという字かわかりますか。」と発問する。

「叶」は受講者にとって読めない字である。 「『かなう』ですね。願いが叶う、 という意味です。

閉じこめられた志士が書いたと言われています。どんな気持ちで書いたのでしょうね。」 と言い添

えることで、天狗党をはじめとする「撰夷」を目指した志士たちの無念さを肌身で感じてもらう。

薄暗くしめった館内での言葉少ない受講生の様子からは、そのねらい(授業のねらい④)がどの

程度達成されたか充分に知るのは難しい。ただし、回天館から出た直後に、次のような行動をとっ

た受講生がいた。志士の絶筆の書が書かれた戸に、心ない一般見学者のものと思われる落書きを発

見した受講生が「あの扉に落書きがしてありました。ちょっと許せません。係の方に知らせたいの

-91-

ですが。 どこに居ますか。」 と憤慨した様子でたずねてきた。授業者は「社務所にいると思います

ので、後で一緒に行きましょう。」 と答えて、他の受講生全員が館外に出るのを待っていたが、そ

の間に一人で社務所までいって落書きの件を伝えに行った。過去3年間、約60人の受講生の中の1

人の行動であるが、回天館の見学を通じて、 日本の危機に命を賭けて行動した志士に共感した受講

生は少なくないと考えている。

回天館の前には、幕末の闘いの中で命を落とした志士たちの小さな墓石が、整然と並び立ってい

る。 「あなたたちは何のために生きているか。」 「我々が守ろうとした日本はどうなっているのか。」

と、受講生・授業者に間うているかのように。 「こんなに多くの方が亡くなっていたのですね。」 「こ

れは水戸藩だけですか。」 「武士だけですか。」、志士の問いかけに対する明確な答えとはならないま

でも、受講生の「いま・ここ」の存在が揺さぶられたことは確かであろう。歴史の学習を通じて身

につけて欲しい感覚である (下の写真を参照)。

迩鰯称稗蝿

(写真:左・回天神社境内にある回天館。右・回天館前にある「水戸殉難志士之墓」)

おわりに

教育史関連授業科目の内容を水戸藩史跡の活用の観点から検討してきた。史跡見学後の「小レポ

ート」の内容を整理すれば、①「幕末から明治にかけての日本の歴史の流れが良く理解できた。」「歴

史用語が自分の中で意味あるものとしてつながった。」 というテキストの内容理解の深化、②「水

戸が江戸時代から明治時代の日本の変革に、 これほど重要な役割を持っていたことを初めて知って

驚いた。」 「吉田松陰ほどの人物が水戸に学びに来たとは知らなかった。」など、水戸の教育史的位

置付けに関する理解、の2点が多くの受講生において認められた。 この他、史跡の教材化を通じて

幕末に生きた人々への共感も多く示された。史跡見学を通じて、テキストのみでは達成し得なかっ

た教育史教育のねらいを、受講生の同時代史的理解・共感を通じて達成することができたと考えて

いる。茨城大学水戸キャンパスの周辺には、そのような近代日本の教育史教育・学習を成立させる

豊かな内容と素材がある。

今後の課題としては、庶民レベルの教育一学習を深める史跡や現物史料などの教材化を進めてい

くことである。階級社会の学習のイメージとそれを通じての近代教育の理解をより確かなものにで

きる授業を構想・実践していきたい。

他方、明治期以降の史跡として、茨城県立歴史館の敷地内にある旧水海道小学校校舎がある。 日

本の教育の近代化を理解する上で有効な教材である。和洋折衷の外観を持つ校舎は、近世の手習塾

(寺子屋)から近代学校教育への移行における地域の人々の期待と違和感の入り交じった感情をイ

メージするのに充分であるし、校舎内部の作りや展示品も受講生の新たな発見や問いを促す素材で

ある。稿を改めて検討・報告する予定である。

-92-

高等教育論における「日本の大学の環境教育」研究レビューと今後の展望

一「サステイナビリテイ学教育プログラム」を事例として-

ReviewofHigherEducationResearchaboutEnvironmentalEducation inJapanese

Universities andFutureProspects-CaseStudyofSustainabilityEducationProgram-

内山弘美(茨城大学地域総合研究所客員研究員)

Hiromi Uchiyama

(VisitingResearcheroflnstituteofAreaResearch, IbarakiUniversity)

Abstruct:

Thispaperaimstoclassifythehighereducationresearchabouttheenviror皿entaleducationin

Japaneseuniversities, andtopresentthefutureissues.

Asaresult, theseresearchesareclassified2points, oneistheapproachofhighereducation

policy andanotheristheissuesaboutenvironment-relateddepartments.

FutureissuesaretorequirethestudyaboutcontentsoftheenvironmentaleducationinJapanese

universities, forexample, SustainabilityScienceEducationProgram.

1.緒言

環境問題を解決し、持続可能な社会を構築するための手段の一つは、環境教育である。

2000年前後までは、環境教育と言えば「子どもの教育」或いは市民参加というイメージが強

く、一部の大学関係者には敬遠されていた感がある。しかし、現在では、大学においても環境

教育が必要との認識が広まっている。今後、大学の環境教育に関する様々な施策を展開する上

で、大学の環境教育の基礎的研究が不可欠である(内山,2004)。その一つが高等教育論におけ

る「日本の大学・大学院における環境教育」研究である。

日本において教育の領域は、旧制師範学校を前身として初等中等学校教員の養成と実践研究

を中心に行う教員養成系学部と、戦後GHQの勧告により設立され、教育学の理論研究を中心

に行う教育学系学部に区分される(図1) (内山,2008)。荒っぽく定義すれば、高等教育論は、

教育学系学部の教育社会学の一領域として位置づけられる。高等教育論の領域においては、主

として高等教育の理念や高等教育政策・制度的な側面を中心としたアプローチにより研究が推

進されてきた。

図1教育の領域における高等教育論の位置づけ

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2.先行研究の検討

1980年代後半以降の地球環境問題の深刻化を背景として、 1990年代を通して人文社会系を

含む多くの学問領域で、環境研究が盛んに行われるようになった。 1990年代後半以降、学問領

域別・テーマ別に、環境研究のレビューが行われている(内山,1998a:2003)。

-93-

高等教育論の領域においては、 1990年代半ば以降の研究の増加に伴い、対象とする範囲やテ

ーマが拡大・多様化した。このような状況下で、2005年前後から、テーマ別にレビューが行わ

れている。しかし、 「日本の大学の環境教育」研究には言及されていない。

3.研究の方法 、

3.1環境科学の時代区分

本研究では、まず科学研究のライフサイクル論の枠組み(山田・塚原,1986)を用いて環境科

学の時代区分を行う。これは、生物のライフサイクルのアナロジーである。即ち、最初に新し

い学問分野に対する需要が生じ、資源配分がなされ、その学問分野が制度化し、その後長時間

を経て不要になった時点でその学問分野は解体されるという一連の過程を、ライフサイクルと

呼ぶ。

この考え方に準拠して、表lのように環境科学の時代区分を行った。環境科学には、

表1環境科学の時代区分(内山,2000b)

ファースト・サイクルとセカンド・サイクルという2つのライフサイクルが存在する。更に、

各々のライフサイクルにおいて資源配分(大学の学部・学科、研究機関のポスト等)が盛んにな

された時期を環境ブームと定義し、その後の停滞期と区別した。現在は、第二次環境ブームの

段階である。

3.2分析の方法

本研究では、第一次環境ブームが始まった1968年から2007年までの40年間の期間を対象

として、まず「日本の大学の環境教育」研究の動向を概観する。使用したデータは、国立情報

学研究所の文献データベースcinii、各大学教育センター紀要、学会発表としては環境科学会・

環境教育学会・高等教育学会・教育社会学会の発表要旨である。それらのうち、高等教育論の

アプローチによりなされた研究に焦点を当て、論点を整理する。更に、それらの研究を束ねて

マッピング(歴史的佑倣)を行なう。最後に、後発の研究グループの研究成果と比較・検討を行

う。

4.分析結果

4.1日本の大学の環境教育研究における高等教育論の位置づけ

日本において大学の環境教育に関する論稿は、 実践的な関心が強く、管見する限りでは、

現場の大学教員の視点、或いはジャーナリスティックな論調が顕著である。

現場の大学教員の視点に関しては、例えば、初等中等教育における環境教育の進展を反映し

て、教員養成系学部の学生を対象として環境教育の実践や研究がなされている。複数の大学教

員による組織的な取り組みの自己発信、個々の大学教員による先進的な実践報告やプログラム

開発、および各種のアンケート調査等がなされている。

以上のような実践的関心に比較して、高等教育論の領域においては、内山の一連の研究を除

いては、環境教育に殆ど関心を持たれていない。

-94-

大区分 小区分 期間 メルクマール

環境科学前史 1957-1967 衛生工学科.

ファ一Jスト。

サイクノレ

第一次環境ブーム

第一次停滞期

1968-1978

1979-1986

環境冠学禾斗

セカンド。

サイクノレ

第二二次環境ブーム

第二次停滞期

1987- 環境科学会

4.2高等教育論における「日本の大学の環境教育」研究の論点 、 ; ;

本節では、高等教育論における「日本の大学の環境教育」研究の論点を整理する。 : : ゞ :』;

(1)高等教育論における「日本の大学の環境教育」研究の論点の2大分類

高等教育論における「日本の大学の環境教育」研究の論点は、以下の様に2大分類される。

第一は、分析の視点である。高等教育政策・制度・組織的側面に着目したアプローチをとり、

そこを起点として大学の環境教育の「中身」を分析するというスタンスをとる(内

山,2000b:2004)。

第二は、研究対象である。大学の環境教育の多様な側面のうち、環境科学の制閲上の指標の

一つである環境冠学科(環境を冠する学部・学科・大学院の総称)、及び環境冠授業科目に焦

点を当てた。

以下では、両論点を更に細かく分類・整理する。

(2)分析の視点:高等教育政策・制度・組織的側面のアプローチ ‐

第一の論点は、さらに(i)大学の環境教育の社会的背景 (1)環境科学の時代区分(Ⅲ)日

本の大学の環境教育のルーツ (iv) 「大学設置基準の大綱化」の分析枠組み (v) 「トロウの

高等教育発展段階説(トロウ・モデル)」の分析枠組みの5つに分類される。

(i)大学の環境教育の社会的背景

従来、環境教育に関する論考は、環境教育そのもの或いは関連する環境問題との関連で論じ

られていた。

当該研究においては、大学の環境教育の拡大を、従来の環境教育研究とは異なる視点から、社会的背景(環境科学と高等教育政策)との関連で分析を行った(内山,1996:1998b:2000b:2002:2004:2005:2006:2007)。

その結果、学術としての環境科学と、高等教育政策との相乗効果により、大学の環境教育が

拡大したことが明らかとなった。

(1)環境科学の時代区分‘

これまで、 日本の環境教育の歴史に関しては、初等中等教育や自然保護教育等を主な対象と

して、時系列的に記述されることが多かった。時代区分の枠組みを作成した上で、それに環境

教育関連諸事項をあてはめるということは、あまりなされていなかった。

当該研究においては、環境科学の時代区分(表1)を、大学の環境教育の時系列的な動向を分

析するための枠組みとして用いた(内山,1996:1998b:2000b)。

その結果、大学の環境教育の拡大は、第一次環境ブーム及び第二次環境ブーム(表1)に対応

している等、時代区分毎に大学の環境教育の特徴が明らかとなった。

(誼)日本の大学の環境教育のルーツ

沼田(1987)によると、 日本の環境教育のルーツは、初等中等教育に関しては公害教育、学校

外教育に関しては自然保護教育と位置付けられている。以後、多くの環境教育論者により、同

様の言及がなされている。大学の環境教育に関しては、初等中等教育の環境教育の延長という

一般的な捉え方に基づき、公害教育と自然保護教育とする論者もいた。また環境教育の実践を

行う大学教員の出身分野により、様々な言及がなされていた。

当該研究においては、これらを傭撤した上で、 日本の大学の環境教育のルーツの一つは衛生

工学(化学工学や科学技術を含む)であり(内山,1998b:2000b)、もう一つのルーツは自然環境系

(生態学の他、地理学・地球科学を含む)の領域であることを明かにした(内山,2005)。

-95-

(iv) 「大学設置基準の大綱化」の分析枠組み

戦後日本の大学は、 「大学設置基準」により、大学の教育研究組織や学位名称、及び大学教

育が規定されていた。大学教育は一般教育と専門教育に区分されており、教養部が一般教育の

担当部局であった。

1991年に大学設置基準が大綱化され、一般教育と専門教育の区分が廃止された。以後、教養

部のレゾン・デトルが消滅したことにより、多くの大学で次々と教養部が廃止された。また教

育研究組織や学位名称の規定が緩和された。大学のカリキュラムは、各大学の裁量の部分が大

きくなった。

このような状況下で、高等教育論の領域や、一般教育学会を前身とする大学教育学会におい

て、大綱化以降の教養教育についての議論が盛んに行われた。しかし、これらの議論は、大学

の環境教育とは一線を画していた。例えば、 1990年代後半に大学教育学会大会において、大学

設置基準の大綱化」をテーマとするシンポジウムと 「環境教育」をテーマとするシンポジウム

が同時並行で開催された。両シンポジウムとも相互の関連はなく、後者においては環境問題の

深刻化の中での環境教育の重要性が指摘されるに止まっていた。

これに対し、 「大学設置基準の大綱化」を大学の環境教育の分析枠組みとして用い、初めて

両者を結びつけたのが当該研究である(内山,1996:1998b:2004:2006)。

分析の結果、 「大学設置基準の大綱化」が大学の環境教育へ及ぼした影響は、次の2つの方

向性があることが明らかとなった。第一は、一般教育と専門教育の区分が廃止されることによ

り、教養部が改組され、教養部を基軸として、学際学部・学際研究科が次々と設立された。こ

の潮流の中で、環境冠学部・研究科・学科が急激に拡大した。第二は、一般教育と専門教育の

区分の廃止等の大学教育の規制緩和に伴い、大学教育改革が進行する中で、学際的・総合的な

授業科目や、参加・体験型学習を導入した授業科目が増加した。そのような背景の下で、環境

冠授業科目が急激に拡大した(内山,1996:1998b:2004:2006)。

(v)トロウの高等教育発展段階説(トロウ・モデル)の分析枠組み

トロウの高等教育発展段階説(以下、 トロウ・モデル)(天野・喜多村,1976)では、高等教育

の発展段階を、進学率が15%までがエリート型、 15~50%までがマス型、 50%以上がユニバーサ

ル型という3段階に定義している。各段階が移行するにつれ、すなわち高等教育が量的に拡大

するにつれ、質的に変容するという古典的な理論である。

図2トロウモデルを分析枠組みとした研究

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トロウ・モデルに言及した高等教育論による研究は、 1990年代後半以降、増加している。し

かし、その多くは、 トロウ・モデルの紹介や、部分的に言及するに留まっており、分析枠組み

として用いている研究は非常に少なかった。当然のことながら、 トロウ・モデルと環境教育を

結びつけた研究は、皆無に近かった。

-96-

当調研究では、 1990年代に初めてトロウ・モデルを環境教育の分析1報且みとして用い、大学

の環境教育の構造と歴史についての傭I敢型研究を行なった(内山,1996:1998b:2004)。

その結果、 「日本における大学の鮒育」の進展は、 トロウ・モデルに遮洽していること、、

及びモード論とも適合していることが明らかになった(図2)。

(3)対象:環境冠学科・環境冠科目

第二の論点のうち、環境冠学科については、さらに(i)高等教育全体の動向への環境冠学科

の位置づけ (1)環境冠学科の分類と設置経緯 (m)環境冠学科と就職先とのマッチングの

3つに分類できる。

(i)高等教育全体の動向への環境冠学科位置づけ

従来、環境冠学科における実践報告に言及した論稿においては、環境冠学科のみに着目して

おり、高等教育政策や関連学部・学科の動向に関する言及は殆どなされていなかった。

一方、当該研究においては、非環境冠学科を含む、高等教育全体の変動を見据えた上で、環

境冠学科の動向の分析を行った(内山,1996:1998b:2000b:2002:2004:2005:2006:2007)。

(i)環境冠学科の分類と設置経緯

環境冠学科に関しては、 1970年代(沼田,1974)から環境問題との関連で言及されていたも

のの、その設置経緯の分析や、高等教育政策との関連についての研究はなされていなかった。

当該研究においては、環境冠学科を設置形繍II、学部・大学院別、学問分粥I」に分類し、各

類型毎に環境冠学科の設置経緯を分析した。その結果、次のことが明らかになった。

工学系学部・農学系学部・学際大学院は第一次環境ブームと第二次環境ブームの両時期に、

他の類型は第二次環境ブームに入ってから、環境冠学科の設置ラッシュが生じた。

全類型に共通する点は、環境科学の動向と高等教育政策との相乗効果により、環境冠学科の

設置ラッシュが生じたことである。

相違点は、類型毎に、それぞれの学問分野や、学部系統固有の高等教育政策があり、それ故、

多様な経緯で、多様な環境冠学科が設置されたことである(内山,1998b:2000a:2000b:2002:

2004:2005:2006:2007)。

(m)環境冠学科と就職先とのマッチング

日本の大学教育と職業との関係は、従来から、一部の専門職養成の学部を除いては、関連が

少ないとの指摘がなされてきた。これに関して、小林等(1995)による伝統的名称の学科の学生

の就職先とのマッチングの研究がなされている。

環境冠学科に関しては、 1970年代以降、学科名称と教育の内容に乖離があること、及び環境

関連の職種が少ないとの指摘がなされてきた。しかし、実際に環境冠学科の卒業生の就職先に

関する研究はなされていなかった。

当該研究では、上述の研究に準拠して、環境冠学科の学生の就職先とのマッチングに関する

研究を行った(内山,1999:2000b)。その結果、伝統的な名称の学科と比較して、環境冠学科の

マッチング度は遙かに小さいことが明らかになった。

(iv)環境冠授業科目

環境関連授業科目に関する現場の大学教員による授業紹介は、 1990年以降増加してきたが、

授業科目の開設の経緯に関しては殆ど言及されていなかった。

当該研究においては、教養教育及び理系・文系の各学部の専門教育に着目して、大学教育改

革全体の変動との関連で、環境冠授業科目の拡大過程の分析を行った。その結果、環境科学と

高等教育政策との相乗効果により、環境冠授業科目が拡大したことが明らかとなった。さらに、

第二次環境ブームにおいては、とりわけ教養教育における環境冠授業科目が急速に鋤ロしたこ

-97-

とが明らかとなった(内山,2004)。

4.3高等教育論における日本の大学の環境教育研究のマッピング歴史的傭撤)

従来、環境教育の歴史は、環境教育そのものの動向、あるいは同時期の環境問題と対比させ

ながら言及されていた。大学の環境教育に関しても同様であり、高等教育政策や大学教育改革

に関して触れられることは皆無に近かった。

以上の動向を踏まえた上で、本節では、4-2で分類した研究を束ねてマッピングを行い、 日

本の大学の環境教育の歴史を傭鰍した(表2)。具体的には、環境教育及び環境問題の動向に学

術としての環境科学を加えた上で、関連する高等教育政策の動向の項目を新たに設け、両者の

せめぎ合いとして、大学の環境教育の歴史を記述した。さらに、環境科学の時代区分を援用し

て、各時期における大学の環境教育の特徴を整理した。

表2大学の環境教育の略年表(内山, 1996: 1998:1999:2000:2002:2004:2005:2006:2007)一躍『=環境問題

環境教育一般の動向や 大4学の環境教公害・環境関連の文部省科研費自7台体の公害環境試験イ肝究搬関1967公害対策基本法

1957衛緯工学科一環境禾斗4学育汀史

理工系学割3の拡大政策の開女台

1970公害国会

1972国連人間環境会議

政府による国立大学理工系学部

への公害環境関連研究・教育の

要請

文部省科研費環境科学特別研究

1968初の環境冠学科

大阪大環境工学科◆ ・九州芸二I鳥大● 環境識計学科

1973農学部初の環境冠学科農工大環境保護学科

1977初の大学|淀環境科学研究科北大・筑波大

第一次環境ブーム

大学畠院設置基準の制定虫立研究科l攻策

文部省科研費環境科学特男Ij研究

や環境禾斗学研究科長会議等にお

ける大学・大学院レベノレの環境

鐵育論議

次期

一滞

第停

「環境」 と言えば研究費を取れなし、日寺代

臨教審・大学審議会における高

等教育政策論議

ブノレントラント報告書

リオ・サミット

環境基本法COP3

テサロニキ会議

ヨノ、ネスブノレグサミット

京都議定書の発効

公私立大学や人文社会系学部に

も環境冠学科が多数設置

環境関連授業科巨の増加I

環境教育の質的多様化新しも,タイプの環境冠大学院

大学設置基準大綱イヒ

→教養部改組

→一般教育廃止

→教養教育改革

大学教育改革

学部一学科一大学院改組・新設

大学院重点イヒ

競争的資金酉己分→COE,教育GP国立大学法人イヒ

7237725

8999900

9999900

1111122

第ニニ抄て環境ブーム

(1)環境科学前史

公害が社会問題として顕在化し、国や自治体による法規制や、公害の現象解明のための調

査・研究が開始された時期である。

1957年に北海道大学に最初の衛生工学科が設置され、翌1958年には京都大学に衛生工学科

が設置された(内山,1996:1998b:2000b)。これらの学科の設置は、 1960年代以降の環境冠学科

の設置の流れに繋がり、同時に環境科学や環境工学の理念形成のための一つの出発点となった。

研究面においては、文部省の科学研究費注助金により研究の中に、数種類の公害・環境関連

のテーマカ粒置づけられた(内山, 1999)。

(2)第一次環境ブーム

第一次環境ブームは、環境科学の制度化の時代である。

1968年に最初の環境冠学科が大阪大学工学部(環境工学科)と九州芸術工科大学(環境設計学

科)に設置された(内山,2000b)。また農学や理学などの自然環境系の領域においても環境関連

の研究が展開された。

公害国会を経て、政府により、公害・環境関連の講座・学科の設置の要請がなされ、 1970

年代を通して、国立大学の工学部と農学部に環境冠学科の設置ラッシュが生じた(内

山,1996:1998a:2000a:2000b:2002:2007)。また、環境関連授業科目が、理系学部を中心に開設

された(内山,1996:1998b:2004)。

1970年代後半には、北海道大学と筑波大学に学際的な分野構成をした大学院環境科学研究科

が設置され、また学際的な大学院における環境冠専攻の設置ラッシュが生じた(内

-98-

山,1999:2005)。

1970年代後半には、文音階の科学研究費注助金における数種類の公害・環境関連の科研費研

究が束ねられ、環境科学特別研究が立ち上げられた(内山, 1999)。

(3)第一次停滞期

環境冠学科の設置は頭打ちとなり、 「環境と言えば研究費がつかない」時代が到来した。こ

の時期の大学の公害・環境研究を支え、来たるべく第二次環境ブームへの橋渡しの役割を果た

したのが、科研費環境科学特別研究であった(内山, 1999)。また、筑波大学を中心とする環境

科学関連の大学院や科研費環境科学特別研究において、環境科学及び大学の環境教育に関する

議論が展開された。

高等教育政策に関しては、臨教審から大学審に至る一連の政策論議の中で、高等教育の新た

な方向性が模索された(内山,2006)。

(4)第二次環境ブーム

地球環境問題やリオサミット等の環境に対する世界的な関心の高揚、及び大学設置基準の大

綱化・大学院重点化を初めとする1980年代半ば以降の高等教育政策の動向を背景として、再

び環境冠学科の設置ラッシュや環境関連授業科目の開設が急増した。国立大学の理工系学部や

大学院においては言うまでも無く、公私立大学や人文社会系の領域においても浸透した(内

山,2004)。 1990年代後半以降、文理融合型の学際的な環境冠大学院が増加した(内山,2005)。

大学構造改革・大学教育改革が進行する中で、競争的資金の配分や大学の地域連携、 ISOの導

入等の高等教育を取り巻く新たな動向の中で、多様な環境教育が大学において実施されている

(内山,2004:2005)。

4.4後発の研究グループとの比較

(1)後発の研究グループとの時系列的なギャップ

以上の結果を、後発の研究グループである、環境省の「持続可能なアジアにおける高等教育

人材の養成検討会」 (2007年7月に立ち上げられ、 2008年3月12日に最終検討会(第7回検討

会)を実施した)注')の報告書である「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジ

ョン』 (以下、 『ビジョン」とする)と比較検討した。

『ビジョン」は、第1章から第3章までの本論と、第1章から第3章までの添付資料から構

成される。そのうち、本論第2章「l日本の大学における環境人材育成の現状」に、内山の論

点「分析の視点」 (i)~(iy)と 「対象」 (i)(jv)及び「マッピング(歴史的傭傲)」の部分に類

似した内容であることが明らかとなった。本論第2章「2アジアの大学における環境人材育成

の現状」 (1)(3)は、内山の論点「分析の視点」 (v)に類似する内容を含んでいる。本論第2章

「6環境人材の社会への受け入れに向けた課題」 (1)(2)は、内山の論点「対象」 (m)に類似し

ている。添付資料第2章「大学における環境人材育成の取組(2)」は、内山の論点「分析の視

点」 (iv)に類似している。添付資料第2章「大学における環境人材育成の現状(1)」の図表及

び「大学における環境人材育成の現状(2)」は、内山の論点「分析の視点」 (1)に類似してい

る。更に、添付資料第2章「大学における環境人材育成の現状(2)」の表「教養教育に関する

開設科目」及び「大学における環境人材育成の取組(3)」の図表「教養教育(共通教育)で行わ

れている環境に関する科目の例」 「専門課程で行われている「環境」に関する科目の例」は、

内山の論点「対象」 (iv)に対応している。

以上を纏めると、内山の論点と環境省の『ビジョン』の中核の部分は、非常によく類似して

いること、いずれの部分も内山の論点が時系列的に先行していることが明らかとなった。この

関係を図示したのが、図3である。

-99-

5.考察

5.1高等教育論における「日本の大学の環境教育」研究の政策への影響

従来、 日本において大学の環境教育は、初等中等教育の延長という捉え方が支配的であり、

高等教育論の視点から行われた研究は皆無に近かった。1990年代半ば以降、内山による高等教

育論における「日本の大学の環境教育」研究が精力的に行われてきた。これら一連の研究は、

環境省の『ビジョン』の中核的な部分の内容に類似しており、しかも時系列的には『ビジョン」

に先行している。このことは、一連の高等教育論による「日本の大学の環境教育」研究の成果

が、政策に反映されているものと見なされる注2)。

5.2 「日本の大学の環境教育」研究における高等教育論の意義

高等教育論は、制度・政策的側面から、大学教育や高等教育システムを傭職する学問領域で

ある。従って、従来個々の大学教員により別個に行われてきた大学の環境教育の実践研究を、

「日本の大学の環境教育」研究全体の中に位置づけるという役割を果たしている。

今後は、これらの研究成果を基盤にして、大学の環境教育のカリキュラム開発や教育方法等、

大学の環境教育のコンテンツを作成・実施・評価するための研究を行うことが必要とされる。

5.3 「日本の大学の環境教育」研究の今後の研究の展望一サステイナビリティ学教育プログラ

ムを事例として

大学の環境教育のコンテンツを作成・実施・評価するための研究の一つは、2005年前後から

実施されている、外部資金等による「大学院環境教育プログラム」 (環境をテーマにした大学

院教育プログラム)に関する研究である。

大学院教育プログラムの開設の背景は、1990年代以降文部省が推進してきた大学院の量的整備

が一段落し、大学院教育の質的向上へと大学院政策注3)がシフトしていったことにあると考えられる。

さらに、国立大学法人イ縦の競争的環境に晒される中で、各大学が挙って外部資金獲得に乗り出し

た結果であるとも言えよう。 「環境」は時代が必要とするテーマであり、これまで多くの大学で多様

な大学院環境教育プログラムが実施されている。大学院環境教育プログラムを導入することにより、

初めて研究科横断的な環境教育論議が開始された大学も少なくない。

大学院環境教育プログラムの実施形態には一研究科・専攻の中で実施される副専攻的なプログラ

ムのみならず、複数の研究科を横断したプログラム、専攻・コースを新設した主専攻のプログラム

等に分類できる。また大学間連携プログラムも存在し、同一プログラムを複数の大学で実施する形

式の他、授業科目の多くを各大学の自由裁量に任せるプログラムも存在する。今後は、大学間連携

-100-

|図3 内山(1996~2007) と『ビジョン」 (環境省,2008)との比較 I1( 96 内山(1996~2007)

<1>分析の視点

高等教育政策・制度・組織〆

(1)〆

(2)戸

(3)戸

(4)戸

(5)

<2>対象環境冠学科。

環境冠授業科目戸

(1)P

(2)戸

(3)〆

(4)

歴史的

傭睡

社会的背景

環境科学のI0111晴

代区分

ルーツ

大綱化

トロウ

高等教育全体のI

動向への位置づけ

分類と

設置経緯

就職先とのIIHIII

マッチング

環境冠授業科目

、 ' 、 ’ 、 ' 、 ’ 、 ’ 、 ' 、 ’ , ' -、 ' 、 ’ 、 '

2008 『ビジョン」 | (環境省,2008)▼

プログラムの後者のタイプである、サステイナビリテイ学教育プログラムを事例として、大学の環境教育のコンテンツを作成・実施・評価するための研究を行う予定である。

注1) 「持続可能なアジアにおける高等教育人材の養成検討会」の担当者である環境省の中島恵里氏及びIGESの4林

正典氏に一連の研究成果をお渡ししたところ,その内容を、第1~4回傍聴会における説明及び「ビジョン」にコン

パクトにまとめていただいたことに感謝したい。

注2)小池俊雄東京大学工学系研究科教授によるコメント, 2008年3月

注3)環境科学シンポジウム2008において、大学院教育政策の一連の流れを紹介した。

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-101-

第2期中期目標・計画の意図と自己点検評価について

TheObjectivesof2nd6yr-ProgramandProgressiveSelf-StudySystemforlbarakiUniv.

嶌田敏行(評価室) ・田切美智雄(名誉教授/前評価室長)

ToshiyukiSHIMADA(OfficeoflnstitutionalResearch)

MichioTAGIRI(ProfessorsEmeritus)

1 . はじめに

本学をとりまく評価には1)義務的、説明責任のための評価と2)本学の改善に資するため

の評価の2つがある。 1)の評価には、国立大学法人法にもとづく文部科学省および国立大学

法人評価委員会が実施する毎年の年度計画に係る業務実績の評価、中期目標期間の実績や水準

に関する法人評価(達成度評価、現況分析[水準の評価])、学校教育法にもとづく機関別認証

評価がある。第1期中期目標期間における法人評価は、小テスト (年度評価:毎年)、中間テス

ト (暫定評価: 4年目)、期末テスト (確定評価: 6年目)に例えることができる。それぞれの

評価は、 どれだけがんばったのか、などのプロセスよりは、結果・成果が重視され、大学自身

の改善ということはあまり考盧されないものであった。一方、第1サイクル(平成16年度一

平成22年度)の機関別認証評価は、基準・観点として示された「一定程度の質」を大学の教

育システムへ組み込むことがひとつの目的だったのではないか、 と考えることができる。 これ

は、各大学における教育の底上げという点では、効果が大きかったのではないだろうか。ただ

し、基準・観点は外形的な条件整備や実施で、ある程度の対応が可能であったため、本質的な

成果まで大学が保証していなくとも合格することができた。 しかし、第2サイクル(平成23

年度一)では、本質的な改善およびその成果をより意識した、内部質保証体制の導入などの「改

善のためのシステム」が評価対象となることが予想されている (例えば、大学基準協会の大学

基準[平成23. 4. 1版]など)。加えて、各分野別の参照基準の検討が日本学術会議で進むな

ど、質の保証という観点で適切なマネジメントが求められることになる。

一方で、本学における改善のための評価は、部局レベル、全学レベルの自己点検評価によっ

て行われてきた(例えば、嶌田・田切, 2007など)。実際には、法人評価のための情報収集の

一環として行っていた向きはあるが、学校教育法に定められた「自己点検評価の実施」 として

の側面も併せ持つものであった。

1)の義務的、説明責任のための評価は第三者からなされる評定であり、 2)の改善のため

の評価は大学や各部局がその目的・ 目標に照らして、現在どうなっているのかを知る評価(現

状把握)である。従って、それぞれの評価の目的は異なり、 1)についてはより適切に本学の

実績を他者に説明する、言い換えれば、より褒められる、よりいい点を取ることが目的となる。

2)では自己点検評価を行った結果「次に何をするべきか」が見えてくるような作業(評価)

を行わなければならない。現在、我が国の大学では、あまりにも1)を重視し、評価=報告書

作りで終わってしまうことが多く、特に2)のような評価結果を使った次のアクションがない

ために、評価疲れ(手段を目的としてしまうための徒労感)が生じていると考えられる。従っ

て、大学の発展のためには評価作業の軸足をどちらかといえば2)の側に置いた評価制度の構

-103-

築が求められる。少なくとも、大学、部局の自己点検評価が次年度の行動計画(改善)に反映

するような評価制度の設計を行わなくてはならないだろう。

このような中で、平成22年6月17日に文部科学省が実施した第2期中期目標期間の評価に

関する説明(文部科学省高等教育局,2010MS)で、第2期中期目標期間において、文部科学省

に提出する評価書類の大幅簡素化が図られることが明らかになった。まず中期目標期間の4年

目に実施された暫定評価が無くなり、 6年目終了後の評価のみとなった。また、毎年の業務実

績報告では、全体概要と管理運営部分の年度計画に対する4段階の評点を大学は提出し、 3年

目と6年目以外は根拠資料も添付しないことになった。従って、教育および研究の評価が実施

されるのは、 6年目終了時のみであるが、毎年度実施される国立大学法人評価委員会による各

大学へのヒアリングの際に、教育および研究部分の特筆点については状況が聴取されるため、

とりまとめを行わなくてもよいわけではない。また、 この簡素化は、各大学の自己点検評価制

度が運用されていることが第1期の評価によって明らかとなったことが一つの理由となってい

ることから、各大学における自己点検評価の着実な実施、 自律的な改善は、 自明のこととして

求められていると考えられる。

このような本学をとりまく評価制度を踏まえ、 これまでの学内での議論を経て策定した第2

期中期目標・計画の考え方と自己点検評価の実施体制について整理を行う。

2.茨城大学における中期目標・計画、 自己点検評価の基本的な考え方

本学では、第2期中期目標・計画策定の際に、 「長期構想一重点目標一中期目標・計画」 と

いう構造化を行った上で議論を行った。長期構想とは、ぶれない目的・目標であり、 これは池

田学長の下で、大学憲章に発展し、 とりまとめられた(平成21年5月)。重点目標は長期構想

(大学憲章)の具現化のために第3期中期目標期間中での達成を想定した目的・ 目標とそれを

実現するためのプログラム(手段・方法)である。中期目標・計画とは、重点目標に向けて、

6年間で実現する具体的な目的・ 目標である。 これらの概念は、平成20年3月の総合計画委

員会で承認されている (図)。

その後、文部科学省の指示・示唆や法人評価結果の予算への反映方法の提示など、学外環境

の変化があり、 より合理的な中期目標・計画を作らざるを得なくなった。本学では、まず中期

計画の個別実施要素を「計画施策」 として明記した。 これは、学内構成員に対し、その中期計

画の具体的実施内容を明示するだけでなく、評価を受ける際に、評価者側の解釈と本学の意図

するところとの問になるべくズレを生じさせない、 ということをも念頭に置いている。第1期

における法人評価はsummative指向(どちらかといえば、改善を指向するのではなく査定、

評定を主眼に置いた評価)が非常に強かったので、チヤレンジングな計画を立てるよりは、点

数がとれる、かつ、大学としてやっておかないと第3期につながらない内容を中期目標・計画

としては盛り込むことにした。大学の特色化、個性化のためのチヤレンジングな部分は文部科

学省に示さずに重点目標の下で実施し、中期目標を「上回って達成」するための素材とする方

向で、素案策定を行った。つまり、失敗が許されない部分のみを文部科学省に示し、適切に達

成することで、 「概ね達成」 という評定レベルを確保する。しかし、単に中期目標を達成しただ

けでは運営費交付金は減額となるので、そこに各部局の特色ある質の向上が得られた取組を積

-104-

み増すという設計である。 このことによって1)に対する活動と2)対する活動を同時に行う

ことが可能となった。

中期目標前文とは

大学憲章の具現化の1つとして平成22年度からの10年程度で茨城大学が実施するプログラム、プロジェクトに対するポリシー。

重点目標とは

大学憲章の具現化の1つとして第3期中期目標期間での達成を目指し、茨城大学が実施するさまざまなプログラム群(艮期構想を含むものである) 。

実施プロジェクトである中期目標一中期計画群を束ねたエッセンス、かつ中期目標前文と適切に親和する「具体的に櫛成員がなにをするのか」というもの。

~ー

'=画

1IIIII1IfI1II1III1I111I11II0IIIII1IlI19llIlIII

、〆

一一一一一

重点目標の使い方

中期目標一中期計画群を束ねたエッセンスであるので、基本的に重点目標の進行管理を行えば、ほぼ全学の動きは挙握できる。また、茨城大学を説明する際のキーワード群としても利用可能である。

中期目標一中期計画の進行管理:

・意見交換会での論点(特筆すべき点)として麓点目標ごとの進行を報告いただき、意見交換を行う。

・各組織は中期目標一中期計画のもとにある年度計画で評価を行う。・自己評価結果の報告は重点目標がそれぞれどうなったのか、という形にまとめられる。・中期目標一中期計画(年度計画)ごとの状況報告がなくなるわけではない。

学内広報、学外広報:

・麓点目標に対して、茨城大学が何をするのか(計画立案時) 、何をしたのか(評価時)を学内構成員に分かりやすく公表する。

・中期目標一中期計画は数が減ったとしても、全てを読まないと全体像が把握しにくい。・ 7つか8つの重点目標ならば全学で共有することが可能ではないか。

LH21.2.13

茨城大学総合計画委員会承認、

7つか8つ ■■■

図第2期中期目標期間における目標・計画の構造について

重点目標は、大学憲章の実現のためのキーワードで構成されており、中期目標・計画をカバ

ーするように策定されているので、大学憲章と中期目標・計画とをつなぐ役割もある。つまり、

第1期では中期目標・計画は「単に達成すればよいもの」だったが、第2期に於いては、重点

目標の達成という明確な方向性の中での通過点、基準点として配置されている。即ち、重点目

標の達成を意識して各部局が中期目標・計画を上回るように取り組むことで、義務的な中期目

標・計画の達成と大学憲章という目標に向かった茨城大学の特色ある取組を推進することが可

能になる。

これまでは大学としての目的・ 目標が暖昧だったために、 「それに照らして現在どうなって

いるのか」 という評価が行えなかった。そのため、各部局に中間報告時、年度末評価時に作成

いただいた「特筆すべき点」ペーパーや意見交換によって、部局の活動の全体把握や大学の活

動の全体把握を図っていた。また、中期目標・計画はあくまでも義務的に実施しなくてはなら

ない事項であり、その自己点検評価だけでは、次の一手、即ち、計画を上回って達成する行動

はなかなか出てこない。 しかし、第2期については、大学憲章があり、そのエッセンスである

重点目標もあるので、 「目的・目標に照らして現在どのような状況になっているのか」という2)

の評価が可能になった。つまり、本学が本当にやるべきことを簡略に示した重点目標によって、

「大学憲章に照らして本学がどうなっているのか」、 「大学憲章に示した状態に近づくには何を

-105-

大学憲章

ー III=

同■■■

| hL

■■■■

T

1

すればよいのか」、 という本当の意味で改善のための評価を行うことが可能になったのである。

しかも、中期目標・計画を超えて実施する 「上乗せ部分」は、第三者による評価活動とは無関

係に自学の都合で進度調整できるメリットもある。

重点目標は最終的に8つ設定した(表1)。数を少なくしたのは、 このくらいの数なら全構

成員が共有できる、 という考えがあった。第1期のときのような200強もある中期計画を全構

成員が共有することは不可能である。同様に大学憲章も全文を記憶することはなかなか困難で

あろう。 しかし、大学憲章のエッセンスである8つの重点目標ならば広報、周知によって学生

を含めた全構成員が把握可能であろう。さらに、その8つをキーワードとして、全学の評価(状

況把握)、部局の評価(状況把握)や年度ごとに目玉となる施策を実施し、それを適切に広報、

周知することで、茨城大学が大学憲章というビジョンに向けて、現在どうなっていて、何が行

われているのか、 ということを全構成員が共有することが可能となるだろう。

表1.茨城大学の第2期中期計画の重点目標

教育

○学士課程教育、大学院課程教育ともに国際的水準の教育課程を構築して高い質の教育を行い、大学の目的に沿った人材を育成する。

○学生の学習・生活及び経済的支援を充実し、教育の成果を上げる。

研究

○国際的水準の研究を遂行し高度な教育と人材育成に生かすとともに、社会へ成果を発信し還元する。

地域貢献・国際交流

○地域に貢献する大学として、地域から評価される有数の大学となる。

○積極的に国際交流を行い、留学生の受入と派遣および研究交流を推進する。

運営

○社会の要請を的確に運営に反映し、高等教育を円滑に推進する。

○健全な財政を維持し、資産を有効に活用する。

○安全・安心な施設を整備し、健全な環境を維持する。

中期目標・計画を年次ごとに着実に進行させるために全学工程表および部局工程表の作成を

行った。全学工程表はペースメーカーであり、このスケジュールで計画施策の達成、もしくは、

一定程度の質の確保を図っていけば、法人評価において少なくとも 「概ね達成」 「相応の水準」

という評価が得られるものと考えられる。

一方で、例えば、各学部において実施している教育改善活動など、既に本学の教育システム

にルーチン的に組み込まれている地道な活動などは中期目標,計画には盛り込んでいない。各

学部では、個人レベルの授業点検を学科、学部レベルでのFDに展開し、チームとしての教育

改善を図っている。現時点では、教育手法の向上、チームとしての意識の共有に主眼を置いて

いるが、第2期に於いては、 ここにデイプロマポリシー、カリキュラムポリシーによる教育活

動・成果の点検および改善、ならびにポリシー自体の改善という活動が自律的に行われること

が求められると推測される。また、教員業務評価や教育改善評価も本学では制度化されており、

-106-

このような活動も重点目標や中期目標・計画を達成するための教育力、研究力の向上のために

は必要不可欠であろう。

このように、本学では第2期中期目標期間に於いて、重点目標による自己点検評価および改

善、中期目標・計画による評価に加え、内部質保証システムとしての自律的な教育改善や教員

業務評価、教育改善評価による教育力、研究力の向上という3階層構造の自律的な改善システ

ムによって大学憲章の実現へ向けたさまざまな改善を図っていくことになると考えられる。

本学において、それぞれの階層ごとの評価を整理すると以下のようになる (表2)。

表2茨城大学における3階層方式の自己点検評価

中期目標・計画に関する評価 内部質保証に関する評価重点目標に関する評価

FD、教員業務評価、教育改善評価総合計画シートツール

webシステム、自己点検評価雷、

(業務実績報告書)

教育・研究に関する圃主的・自徳的

な質の向上活動大学憲章の実現。即ち、茨城大学の発展。

(ある程度)義務的にやらなくては

ならないことに対する対応。

説明責任と基礎体力確保。上積み

分は重点目標側から推進される。

目的

主眼は、想定する関係者である学生や

学界などに対して、どれだけ質の高い成果を出しているのか、また、そのた

めに何をやっているのか、ということ。

やったかやらないか、ではなく、

実現するためにはどうしたらよいの

かという観点で評価する。 [どちらかと言えば形成的(brmative)

評価であり、主眼は未来にある。 ]

やったかやらないか、できたかでき

ないか。出来ていないところをどう

するか、が主眼。 [伸ばす点などは、

璽点目標の評価の中で考えればよい。こちらは、どちらかと雷えば総括的

(summative)評価である。 ]

各部局担当者による報告およびとりまとめ(自己点検評価) 。全学での

とりまとめ(自己点検評価) 。

全学工程表(ペースメーカー)に照

らした全学の進行状況判断。

意見交換会でもそれぞれの評価会議でも話題にはなる。

評価のポイント

例えば、教育ならば教員個人による自己点検をベースにFD活動として、教育

活動の成果、プロセスの総体を教員集団(学科、学部等)でディプロマポリシーやカリキュラムポリシーを踏まえ

て点検し改善する。これらの活動を教

員業務評価、教育改善評価が担保する。

重点目標に沿った特色ある取組に関

するレポーテイング(毎年度の目標設定、自己評価) 、および意見交換

(と称しているが、実際には評価に他ならない) 。加えて、それぞれの

評価会議での議論。

実施方法

3.想定される自己点検評価とスケジュール

3. 1スケジュール

計画に対する実際の活動は1つだが、 1)の説明責任、 2)の自己改善という、それぞれの

評価の目的に従って、活動の結果をまとめる作業が行われる。ただし、基本的な年間スケジュ

ールは大部分が共通化できると考えられる。また、法人評価(年度評価)が簡素化されたとは

言え、実質的には提出書類が少なくなっただけなので、現行の(自己)評価制度、スケジュー

ルをそのまま継続すべきである。第1期に於いては、学校教育法に定められた自己点検評価の

実施および公表を業務実績報告書等の作成・公表を以て、それに代えていた。第2期に於いて

は、基本的に業務実績報告書の内容に教育および研究分野が含まれないので、業務実績報告書

等の作成・公表を以て、それに代えることはできない。従って、文部科学省への提出義務はな

いが、 これまでどおり教育・研究部分を含め全学および各部局で評価を実施しそれを公表する

必要がある。年間スケジュールは以下のように想定される。

2月上旬:それぞれの部局で、部局年度計画もしくは工程表の当該年度の実施内容(以下、行

動計画という)に従い、 1月末時点での活動のとりまとめを行う。その結果をもと

-107-

に、次年度の行動計画を立てる。 「年度計画の元となる行動計画を立てる」 というの

は、工程表の確認もしくは修正を意味する。

2月中旬:評価会議において、暫定の当該年度の活動実績のとりまとめを開始する。現状把握

により、工程表の修正の妥当性を検証するためである。

3月上旬:暫定とりまとめ結果をもとに、各部局に対して、記述内容の修正に関するコメント

送付や、工程表修正に関する承認、修正依頼を行いつつ、文部科学省に提出する次

年度の年度計画を策定する。一方で、各部局は総合計画シートの作成を行う(新規)。

※総合計画シート :これまでの特筆ペーパーは、原則的に過去のことに着目してい

たが、今期からは各部局の特色ある取組を計画時点から提示してもらう。重点目標

に即した各部局の取組のポイントを提出してもらうことで、中間評価(意見交換会)

や年度末評価の際に、その結果・成果を大学と部局で共有していくものである。

3月中旬:全学年度計画案の学内審議。

3月下旬:全学年度計画の文部科学省への届出。

4月上旬:各部局の総合計画シートをもとに評価会議において、全学の総合計画シートを作成。

役員会等の承認後、関係各所に配付、掲示。

4月下旬: 3月末の状況での活動のとりまとめ(自己点検評価)を各部局が実施。

5月 :評価会議において、大学としてのとりまとめ作業(自己点検評価)の実施。

6月初旬:大学としてのとりまとめ(自己点検評価)結果、および業務実績報告書(原則的に

文部科学省に提出するのは管理運営部分)の学内審議。

6月末 :業務実績報告書の提出および自己評価書の公表。

7月 :法人評価委員会ヒアリング(ここでは教育、研究に関することも聴取される)

8月末~9月:年度評価結果案の提示、異議申し立て。

10月中:年度評価結果の確定と公表。

10月末:中間報告(総合計画シート+計画施策ごとの報告)→評語は、単純に今年度の部局

の実施計画について、 +:進んでいる 0:順調一:遅れているを判断しても

らえばよい。

1 1月・ 12月:意見交換会(総合計画シートによる意見交換と計画施策ごとの取組確認)

(2月上旬へもどる)

※期末評価時点の評語は以下のようになる。

全学工程表で想定する達成目標に対して、 S:かなり上回って達成できる(自信あり) A:

上回って達成できそうである B :達成は可能であると考えられる F:このままでは達成が

危ぶまれる

→中期目標・計画は義務的であり、達成は必須である。重点目標をふまえ、中期目標・計画で

想定したもの以上の特色ある取組をいかに実施できるか、 ということが本学に於ける計画進行

のポイントなので、達成しただけではB評価である。

3. 2重点目標に関する評価

各部局からの総合計画シートの提出を受けて、全学の総合計画シートを作成する。 これは、

-108-

その年度の大学の施策の特色を把握する作業であり、その年度の評価対象を確定させる行為で

もある。総合計画シートの評価、即ち重点目標の評価は、その年度に実施しようとしていたこ

と (意図する目標[IntendedObjectives]の達成)ができたのか、 ということだけでなく、大

学憲章(重点目標)にどこまで近づいたのか(究極的な目標[DesiredObjectives]に対する

現状把握)を知る行為である。従って、年度当初に、大学憲章に照らして、その年度にどこま

でやろうとしているのかを把握し、学内に周知、広報しておく必要がある。

中間報告時には、大学と部局との意見交換会が始まるまでに、評価会議に於いて、各部局の

取組状況を把握(議論) しておく。 これは、大学と部局との意見交換時に、大学側は全学的な

状況を把握した上で臨む、 という意味合いもあるが、事前に論点を整理し、 より充実した意見

交換を行うためである。年度末に各部局の取組をまとめて、 「茨城大学がどのように大学憲章に

示された状態に近づけたのか」、 ということを評価会議で整理、把握した上で、総合計画委員会

において、 「さらに近づくために何をすべきなのか」 ということを議論する。議論の結果は、次

年度の各部局の総合計画シートに反映されるだけでなく、実施計画(中期目標・計画側)にも

反映する。

また、重点目標を用いた評価は、中期目標・計画との関係があまり無くなってしまった部局

の取組を把握するだけでなく、その活動を励まし、 さらに次の展開を目指していただくための

評価活動でもある。

4. まとめ

法人評価制度自体は大幅に変更になるが、 これは各大学がこれまで以上に自律的な改善活動、

を行わなくてはならないことを意味する。即ち、大学レベル、学部レベル、教員集団レベルで

それぞれの目的や目標や計画に従い改善活動を自律的に行う必要がある。

第1期中期目標期間では、 目的・ 目標が暖昧かつ崇高であったために、なかなか改善のため

の評価へ活用することができなかったが、第2期に於いては、大学憲章(長期構想)や重点目

標を用いた改善のための評価の実施が、本質的には初めて可能になると考えられる6

加えて、重点目標をキーワードとした全構成員での目的の共有、現状の共有は、それぞれの

自律的改善活動、即ち、それぞれの業務への質の組み込みに不可欠であると考えられる。 この

ような評価(現状把握)活動をもとにしたTQM的な大学マネジメント体制の構築により、本

学は本学が定めたやるべきこと、即ち、大学憲章に向かって着実に歩みを進めることができる

と考えられる。

謝辞

第2期の中期目標・計画および長期構想、重点目標などに関しては、総合計画委員会委員の

みなさまの議論から多大な示唆を得ることができました。また、中期計画専門委員会の委員の

みなさま、および各学部の点検評価関係のみなさまには、学部執行部の立場や現場の視点での

ご意見を聞かせていただき、大いに参考になりました。また、評価室ならびに学術企画部のみ

なさまにも大変お世話になりました。

-109-

参考文献

嶌田敏行, 田切美智雄,評価の目的と茨城大学をとりまく評価について,茨城大学大学教育セ

ンター年報, 11, 339-345, 2007.

文部科学省(高等教育局),第2期中期目標期間における国立大学法人評価の改善点(案), 国

立大学法人評価実務担当者連絡会配付資料, 2010.6.17 (MS).

-110-

入学生の力学の基礎学力について

-プレースメントテストの分析から-

茨城大学大学教育センター

吉田宏二

Newundergraduates'scholasticabilitymdynamics

-Fromanalysisofrecemplacememtests-

KQjiYOSInDA

U"jve""Eヒルcα"o"α"餓乃αγα"U"ive恋峨

概要

工学部の1年生を主な対象に前期に開講している「力学」 (分野別基礎科目)で

は,学科の枠にとらわれない習熟度別のクラス編成を実施している.そのクラス

分けには,プレースメントテストを実施している.本論文では, ここ数年のプレ

ースメントテストの実施結果をまとめるとともに,そこからわかる入学生の力学

に関する基礎学力とその問題点をまとめたい.

1.はじめに

「ゆとり教育の弊害」や「理科離れの進

行」, 「受験機会の多様化」により,理系学

部入学生の学力にも大きな問題がみられる

ようになってきている.例えば, 同一学部

同一学科に入学する学生の間にも,数学や

物理学といった理系の根幹科目に対する修

得度の多様化がみられる.本来理系科目は

積み上げ型の学習が必要な科目であり,近

年盛んに言われている「質の保証」や「学

士力」を確かなものとするためには,大学

において接続教育としての理系基礎教育が

非常に重要となる.

茨城大学では,このようなことを念頭に,

工学部を中心に数学(微分積分),物理学(力

学)の習熟度別クラス編成による授業が実

施されている.この取り組みは,平成19-21

年度特色GP「確かな学力の向上を目指す理

系基礎教育」の1つの大きな柱となった[1]、

本論文では,修得度別による理系基礎教育

の取組を紹介するとともに,プレースメン

トテスト分析から,入学生の力学の基礎学

力とその問題点について整理したい.

2.力学習熟度別授業の概要

微分積分で先行実施している仕組みにな

らい,平成18年度に「物理学の基礎教育」

の新しい企画として,高校レベルの内容が

相当量修得できていない学生を対象として

「力学基礎」, 「力学基礎演習」 (基礎クラ

ス: 1学年前期開講)の2つの授業がパイ

ロット授業として開講された.平成19年度

より工学部の正規授業に組み込まれ,平成

20年度より 「力学初歩」, 「力学基礎」に改

編された.

さらに,平成21年度より上記学生以外の

学生に対しても学習内容を統一化して,学

科の垣根を越えたクラス編成を実施した

「力と運動」(標準クラス:1学年前期開講)

の開講が始まった.それ以前は,学科ごと

-111-

表1プレースメントの平均点

H19年度 H20 H21 H22

全体平均

(標準偏差)

基礎クラス平均

71.2

(16.0)44.6

69.0

(14.5)46.8

58.2

(15.6)

32.0

61.5

(16.1)32.2

共通問題の平均正答率 74.0 71.4 67.0 70.6

に授業内容も含めてバラバラに実施されて

いた.基礎クラス,標準クラスの授業実施

概要は以下のようなものである.

まずクラス分けのために,プレースメン

トテストを実施する. このテストにおける

成績下位50名程度を基礎クラスの履修者

とし,その他の学生350名程度を標準クラ

ス履修者とする.標準クラスについては週

1回の授業を開講し,基礎クラスについて

は週2回授業を開講する. (基礎クラスは1

クラスである.)さらに基礎クラスにおいて

は, e-ラーニングにより半ば強制的に復習

を課すシステムなど工夫を凝らした教育を

実施している. これにより,基礎クラス,

標準クラスとも学習到達目標は同じに設定

している.すなわち,半期の授業終了後に

両クラスの習熟度格差の解消を図る.

表1に, ここ4年間の平均点の推移を示

す. この平均点の推移をみると,平成21年

度に大きな低下がみられる. しかし,プレ

ースメントの問題は毎年見直されているた

め, この低下の原因について明らかにする

必要がある.そこで4年間に共通して出題

された5題の平均正答率を年度ごとに比較

してみる.表1の最下段に示すように,平

均点の大きな減少に相当する変化は見られ

ないことが分かる. したがって,平均点の

大きな低下の主な原因は,テスト問題が難

しくなったためであると考えられる. しか

しながら, 4年間を通してみると共通問題

の正答率には,若干の低下傾向がみられる

ことに留意する必要がある.

4.2得点分布

図1にここ4年間の得点分布を示す.平均

点の違いを考盧に入れれば,年度ごとによ

る分布の相違は大きくないことが分かる.

表1に示す標準偏差も年度ごとの変化が少

ない.一方,その標準偏差は大きく,良く

できている学生もいれば,ほとんど得点が

取れていない学生もいることを表わしてい

る.すなわち,学生間の学力格差が非常に

大きいということがわかる. したがって,

接続教育としての教養教育の重要性ならび

に,習熟度別クラス編成の必要性がうかが

える.

3.力学プレースメントテストの概要

入学ガイダンス時に,工学部新入生(お

よび農学部希望者10名程度)を対象として,

高校レベル物理の力学分野の基礎事項の習

熟度を測るプレースメントテストを実施す

る(試験時間40分). このテストは,マー

ク方式の選択問題20題(配点各5点)で構

成される.

4.力学プレースメントテストの分析

4.1平均点

-112-

Ⅸb岨両FNN・同Ⅲ回貼内川咀両引川Ⅲ

厚¥--J

…↑…

綿¥樗騨織斗 億蕊麟』戦喚蕊熱蕊灘1烈勲凝漣塑塑蕊識

⑪06僻‐00.9⑪

説く

伊聖一……A~ロー¥・一一宇ロ一再坪・凸阜口一一口一一・一一ロー凸一年ロ¥且口叩・午伸ロロクーーーー・一ロ岬哩一ロ・早聖ロ虹ロロローー凸ローローー

q8

.-

蕊綱醤識擬鴇鰐鰐: 総響黙熱擬

図1 平成19~22年度の得点分布

4.3テスト問題と正答率

ここでは,具体的な問題を上げ,正答率か

らそこから何が分かるかについて議論した

い.図2は最も正答率が高かった問題であ

る.平成20年から3年間出題されたが,そ

の平均正答率は95.5%と非常に高い. この

問題は,力学的エネルギーの法則を間うて

いる問題である. しかし,その関係式を丸

暗記していれば,若干の式の変形で答えを

導き出すことができる問題でもある.他の

正答率の高い問題も同じように丸暗記の公

式を利用すれば簡単に解くことができると

いう共通点がみられる.

これと裏返しであるが,正答率の低い問

題は,公式の丸暗記では解けなく,物理的

な理解が必要な問題となっている.その一

例が図3に示す,放物体に働く力について

の問題である. 「力学」という言葉からもわ

かるとおり,力学において「力」を理解す

ることは,最も基本でかつ必要不可欠であ

る.にもかかわらず,平成21年度から出題

しているがその平均正答率は, 49.5%と低

い. これは,高校物理の大きな問題点を象

徴していると思える.放物体の運動につい

て高校教科書をみると,位置や速度,加速

度の時間に対する関数が,導出過程が示さ

れないまま公式として記述されている. こ

れ自体は,微分積分の履修を前提としない

◆憧蹴,腿(kg)の物津が,下翻の舞徳を地上から満さh(m)の地蕊から秘速om/簿で摺り下り為.そ

の後,物体は水平救床をすべり‘睡騨…鵡承鰯淀された薇賦の無視できるバネ定数k(N/m)のバネの

紘騒臆達した。この贈き,問11~鰯纏容えよ¥ただし,麓力力睡痩の大きさを’("/鳶2〉とし,嬢雛や窯笂抵抗は無視できるとす覇.

|州ML

11.バネにぷつかる減前の物体の速痩(錘/篤)壁求めよ、

["$ [2'" I'}I/V I4'〃 脚、/聯図2問題例1 (最も正答率が高かった問題)

-113-

■ I | I’ I | I I I 璽I

÷…■-…ご■軍■尋酊=一

.■ 兎言菖-w#| H -■● I |’ ~I 》.

rrFに卜Fr町侭‐‐FF卜PC卜僧 Ⅱ

' 1,

UI5F

10 1.5;”;蕊”;お1蝿 45 50 sS;"i":70捧純 1

◆水平鰯から橡禽鏑。で斜鱒上癖識息14.1螺篤鯵遮

きで霞繊飢5k恩鋤ボ…ル鐙投#ず上げた.鶴3-4騨瀞え

よ.ただし,鴬力加謹礎を”鯉/§驚蟻L・蜜気抵総紘

懸鍵零懲る患ず鞠. 鐸愈』I

1

き,ボール鱗蟻繍鯨撫あるとき艇,薮=ル髄働く力鋤獅きド

た鐙し。漁が鰯いてい篭い鰯合紘卿巻マークし鞍さい,

図3問題例2 (正答率が悪かった問題)

高校物理では仕方ないことではある. しか

し, どの教科書にも放物体に働く力につい

て, きちんとした記述は見られない. これ

は,公式の暗記という学習法を助長してい

るようにも見える. したがって,大学の物

理教育では,高校では見過ごしていた「力」

を理解させるとともに,高校における学び

方の違いというものにも,学生自身が目を

向けられるようにする必要がある.

またプレースメントテストでは,物理I

から15題と,物理Ⅱから5題の問題を出題

している.物理Ⅱの正答率(44.2%(H22))

が,物理I (67.1%(H22))と比べて低い. こ

れは高校生の物理Ⅱの履修率の低下に起因

していると考えられる.

る意味,予測していた結果ともいえる.だ

からこそ,大学での力学教育では,公式の

丸暗記ではなく,微積分を用いながら論理

的に考える力を身につけさせるようにする

ことが,重要といえる.

表2力学と微積の相関係数

H鋤難度H綴 H鰯

総隠係議 @。25 0.37 0診總

5.おわりに

プレースメントテストの分析からは,学

生の物理の学力低下が,全体としては徐々

に進んでいるといえる. また, さらなる大

きな問題として,学生間の大きな学力格差

がうかがえる. これは従来のような同じカ

リキュラムの授業に破綻をきたすような学

力格差であり,大学の「質の保証」には,

接続教育としての教養教育が重要であり,

習熟度別クラス編成が必要不可欠である.

また,物理教育を通して,学生の暗記学

習からの脱却とともに,論理的な思考能力

養成に努めていく必要があるだろう.

4.4力学と微分積分の成績の相関

ニュートンが力学を確立するために,微

分積分を見出した歴史的経緯からもわかる

ように,力学はもともと微分積分と深い関

係を持っている.そこで,力学のプレース

メントの成績と,同様に実施している微分

積分のプレースメントテストの成績の相関

調べた.表2は, H20~22年度の相関係数

である.数値にばらつきは見られるものの,

総じて大きな相関があるとは言えない.前

述したように,高校物理では微分積分の履

修を前提としない,つまり学生は力学を微

分積分を用いないで学習してきたので, あ

参考文献

[1]茨城大学大学教育センター(理系基礎教

育部) ,特色ある大学教育支援プログラム

「確かな学力の向上を目指す理系基礎教育」

平成19~21年度取組最終報告書,2010.

-114-

FactorsofaProficiencyTbsttoEvaluate

thelntegratedEnglishPrograminlbarakiUniversity

YuriNishio(UniversityEducationCenter)*

KunihikoKobayashi(CollegeofHumamties)"

1. Introduction

ManystudentsandteachersusuallyexpecttoimprovetheirEnglish

proficiencyafterCompletinganEnglishCourse.Theytendtojudgethe

effectivenessoftheEnglishprogram, after seeingtheresultsofthe

proficiencytests,suchas,TbstofEnglishfbrlnternationalCommunication

(TOEIC),TbstofEnglishasaForeignLanguage(TOEFL),orSocietyfbrTbstingEnglishProficiency(STEP).Actuallysomeuniversitiessuchas

AoyamaGakuinUniveristyusetheTOEFLasaproficiencytesttoevaluate

itsEnglishprogramaswellasaplacementtest(Strong,2007).

AccordingtotheTOEICTbchnicalManual (2002), theyconducteda

large-scalevalidationstudyinCanadaandUnitedStatestoexaminethe

usefillnessoftheTOEICasaplacementtestandanevaluationtoolfbr

languageprogramsinuniversities.TheyfbundthatTOEICscorescouldbea

clearindicationfbrstudentstobeplacedintoEnglishlevelsandtherewasa

strongrelationshipbetweenTOEICscoresandstudents'proficiencyinthe

course.Thus, thesefindingssuggestTOEICwouldbeausefmtoolasa

placementtestandasatesttoevaluatelanguageprograms.

IbarakiUniversityhasbeenconductinganewEnglishcurriculumcalled

IntegratedEnglishProgram(IEP)since20051,byacceptingthepolicyfbrthe

educationofliberalartsbyMinistryofEducation,Culture,Sports,Science

andTbchnology.ThelEPisusingCambridgeObjectivePlacementTbst

(COPT)asaplacementtesttoplaceitsstudentsinleveledclassesandasa

proficiencytesttoevaluatethestudent3Englishperfbrmanceatthenearestendofthesemester.

Mastruserio,etal.(2010)emphasizedthatinanEnglishprogram,theso

calledcurriculardesign, therewerefburparts: acurriculum, context,

materials,assessment,whichshouldbelinked.Objectivesconsistofthefinal

goalsinthecourseandtextbook'sobjectives, andassessmentshouldbe

*AuthorsarethecurrentandthefbrmerLevel3coordinatOrsandaremchargeoftestevaluationmthelEPEducationalDivision.

-115-

conductedtoevaluatetheobjectives.

TWopreviousstudiesprovedhowTOEICpreparationmaterialscould

workinEnglishcourses.Shibata&Inoue(2005)examinedwhethertwo

curriculums,acontext-basedcurriculumtofbsterEnglishcommunication

skillsbyteachinglistening, speakingandbackgroundknowledgeanda

TOEICpreparationcurriculum,couldimprovetheTOEIClisteningsection.

Theyfbundthecontext-basedcurriculumworkedaswellastheTOEIC

preparationcurriculumafter5months'studyjandTOEIC-stylequestions

practicebothcurriculumsusedwasnecessarytoimprovetheirTOEICscores.

Robb&Ercanbrack(1999)alsoexaminedwhetherthreegroups,TOEIC

preparation,BusinessEnglish,General(fbur-skills)English,couldimprove

TOEICscores・ TheyfbundTOEICpreparatorymaterialswereoflittle

benefit,though,Inightboostthescoreofthereadingsection.Fromtheabove

studies, anycurriculumormaterialcouldpossiblyhelpimproveTOEIC

scores,butTOEIC-styledquestionsorTOEICpreparationmaterialsare

necessarytobetaughtinordertoimprovescores.

Andinordertoimprovescoresontheproficiencytest,ForsterandKarn

(1998) emphasizedthat test-takingstrategieswereeffective, including

generalstrategiesandthosespecifictolisteningcomprehension, structure,

writtenexpression,andreadingcomprehension,takingintoaccountthewayitemsineachareaareconstructed.

Basedonthepreviousstudies, letusinquireaboutthelERFromthe

perspectiveoftheideaofMastruserioetal.,theobjectivesofthelEPareto

improve the fbur language skill areas,writeanessayj andmakea

presentation(seeAppendix).TheassessmentconsistsofExaminations(30%),

Perfbrmance(30%),AutonomousLearning(20%),andProficiencyTbst(20%).

Intheclasses,thematerialsfbrpreparationfbrtheProficiencyTbst(COPT)

arenotusedandalsotest-takingstrategiesarenottaught.

ThepurposeofthisstudyistoexaminewhethertheCOPTcanevaluate

thelERandalsotheindividualproficiencylevel,whichmeansthosewho

receivedabettergradeinthecoursewouldgetabetterproficiencytestscore.

Andthenwewouldcrystallizethemajorfactorsaffecttheimprovementsof

thescoresofaproficiencytestinthelEPandgivesuggestionstoapplythe

findingsinthiSstudytothelEPForthesakeofrigorousinvestigation,the

resultofthepre-andpost-scoresoftheCOPTin2009andtheindividual

gradescorewereadoptedtotheanalysis inadditiontothe learnerS

questionnairedata.

-116-

2.BackgroundofProficiencyTestsinlEP

2、1ProficiencyTestsandAchievementTests

Therearemainlytwomajortests:proficiencytestsandachievementtests.

Bachmanmentioned, 6W'ecanrefertotheory-basedtestsasproficiencytests,

whilesyllabus-basedtestsaregenerallyreferredtoasachievementtests

(Bachman,1990,p.71)".Achievementtestsmeasure,ingeneral,thedegreeoflearners'achievementofgoalsdefinedinagivencurriculum.Theirtest

inventoriestendtoberestrictedtoandbasedontheircoursematerials

providedintheclass・Theprimarypurposeofthesetestsisplacedon

diagnosesoftheteacher3teachingapproachinadditiontocomprehension

checkofthelearners.Thetypicalexampleincludesmid-termandfinal

examinations implementedintheclass・ Proficiencytestsmeasure,m

contrast, thelearners'currentlanguagecompetenceaccumulatedthrough

learningexperiencewithnorelevancetospecificcurriculaorcourses.

MajorexamplesofthesetestsareTOEIC,TOEFL,GTELPandsofbrth.

Fromtheperspectiveofacurriculumdevelopment, proficiencytests

assumecrucialimportancewithregardtoobjectivediagnosticfilnctionsto

improve the course design, system, andmaterials, fbcusing on

appropriateness, effbctiveness,andefficiencyofthecurriculumaswellas

achievementteststoevaluatethesubjectiveteacher'sapproachinthe

course.

2.2 COPTasaProficiencyTest in lEP

IntheprocessofitscurriculumdevelopmentinlbarakiUniversityjthe

evaluationsystemsincludingproficiencytestsaswellasachievementtests

werecarefUllyintroduced,bytheEnglishRefbrmWorkingGrouplaterto

becomelEPCommittee.Therewerethreemajorobjectivesinadopting

proficiencytestsintothecurriculumdesign, learnerassessment,placement

andcurriculumevaluation.First,preliminaryresearcheswereimplemented

tomeasurethelearners'Englishability(learnerassessment).Forinstance,

theresultofCenterExaminationwasanalyzedandcorrelatedwithTOEIC

(EnglishRefbrmWOrkingGroupReport,2001).Accordingtothereport,theresult,whichshowedwidervariancesintheCenterExaminationscoresthan

expected,provedthevalidityofthefiVeproficiencylevelstobeestablishedin

thecurriculum.Basedontherigorousinvestigationofnatureofthestudents,

achievementgoals,syllabi,materials,andevaluationsystemfbrrespectivrelevelshavebeenestablished.

Second,avarietyofproficiencytestshadbeencloselyscrutinizedinterms

-117-

offinancialfeasibnity; inadditiontotheappropriatenesstothecurrent

learners'proficiencyje.g.,TOEIC,SecondaryLevelEnglishProficiencyTbst

(SLEP),ComprehensiveEnglishLanguageTbst(CELT),PhonePass(Tbstof

EnglishSkillsbyTblephone),andOxfbrdQuickPlacementTbst(QPT).Asa

placementtest,quickscorecalculationwasrequiredtoorganizelearnersツ

classlistfbrrespectivelevels.TheconclusionbytheWorkingGroupwasthe

QPT.AccordingtotheGeneralEnglishEducationRefbrmProjectReport

2003,theQPTwasadoptedfbrawhileinthepilotprOjectperiodwith230

examineesin2002and2003.TheQPTseemedtohavecoincidedwiththe

purposeoftheplacementattheinitialstageofthepilotproject,however,it

turnedouttobeimpossibletoprepareamplenumberofcomputersavailable

fbrtheentirefreshmentocompletetheQPTwithinacoupleofdayspriorto

thefirstEnglishclassinApril・Finallyj fbrthecurriculumevaluation, the

proficiencytestshouldbeconductedattheendofeachsemesterinaddition

totheinitialproficiencytestastheplacement.

Owingtoitsfinancialcost, theQPTwaseliminatedfromthefbasible

proficiencytestlists.In2004,theproficiencytest,consequentlyimplemented

fbrtheentirethelEPstudents,approximately2,000includingfreshmenand

sophomores,wasCambridgeObjectivePlacementTbst(COPT),whichwas

designedtoassessthelearnerrproficiencywiththreecategories,LMening;

ReadingandLa"gzzagFUse.

TheCOPTAisusedasaplacementtesttoplacestudentsineachlevelat

thebeginningofthelEPandtheCOPTBisusedasaproficiencytestnearly

attheendofthecourse.

2.3 1EPsyl labus

IntheLevel3syllabus (seeAppendix), thegoalofthelevel isto

improvestudents'Englishskillsinfburareas:speaking, listening,reading,

andwritingthroughlearningaboutimportantcontemporaryworldtopics

andevents.Thestudentisexpectedtoacquiretheabilitytowriteanessay

andhowtomakeaspeechorapresentation.

TWotextbookswereused, :@んreZ℃hang℃a4?' and @:励妨&上たsWWow/'.

OriginallytheCOPTisrelevantto@§んrer℃hangFaff'becausetheCOPTto

someextentis]inkedtoaserieSof"mztez℃hangg'.Thegrammarpointsin

""zter℃ha"g巴a4j'wasexpectedtoimprovetheLang"ag℃UUseintheCOPT

andthelistemngmaterialsin"nzter℃hangB"'weresimilartothoseofthe

COPT. "肋幼戯咋sWowノ'wasusednotonlyfbrreadingbutalsofbrwriting

andspeakingmaterials.REadingintheCOPTwasexpectedtoimprove

-118-

through"励幼j薮tたsNIowノ'. Intheclasses,therelatedtestmaterialsortest

strategiesWerenottaught.Theachievementtestssuchasthemid-termand

finalexaminationsdidnotincludetheitemsoftheCOPT.

Intheevaluation,themid-termandfinalexaminationswerecountedas

30%,perfbrmancefbrtwospeechesandonepresentationanditsessaywere

countedas30%, autonomouslearningincludingthreebookreportsand

15-hourCALLstudywerecountedas20%andtheCOPTBasaproficiency

testwascountedas20%.

3.Experiment

3.1Purpose

ThepurposeofthisstudyistoexaminewhethertheCOPTcanevaluate

thelEPAndwhatmajorfactorsaffecttheimprovementsofthescoresofa

proficiencytestinthelEPandgivesuggestionstoapplythefindingsinthis

studytothelERbyusingthepre-andpostscoresoftheCOPTandanalyzing

thestudent5questionnaires.Wealsofindthepossibilityofasuccessfill

introductionofotherproficiencytestssuchastheTOEICortheTOEFL.

3.2Participants

1,654studentsincludingfreshmen,sophomores,transfbrredstudents,or

recommendedstudentstooktheCOPTAasaplacementtesttobeplaced

into31eveledclassesrespectivelybAndthen,allthestudentswererequired

totaketheCOPABfbrevaluatingtheirEnglishproficiencybThescoresofthe

COPABwereconvertedto20oftheperfectscore.1165students2inLevel3

wereanalyzedfbrthisstudybThecreditsofLevel3arerequiredinorderto

graduatefiPomlbarakiUniversitybThus,Level3isthecrucial level fbr

evaluatingitsEnglishprogram.ThedatawascollectedinAprilandJulyin

2009.Threeclasses'studentswereextractedamongallLevel3classesin

ordertoinvestigatethecorrelationbetweentheircoursegradeandthe

COPTscore.

3.3Materials

TheCOPTcomprised70multiplequestionsfbr50minUteswhichhad

threeparts:Libtemng(20questions,15minutes),Reading(20questions,20

minutes),andLanguagF[ノ君e(30questions,15minutes)"Answerswere

markedonthemarksheet.

Thequestionnaire,originallycreatedfbrthelEPlevel3bySaida(2006),

hasbeenmodifiedanddevelopedinfivelevelsofthelEPrespectivelytobea

-119-

majorpart of theprogramevaluation. The students' questionnaires

comprisedof30multiplequestions.Theywereadministeredtoinvestigate

thedegreeofsatisfactionfromthemanyaspectsofthelEPAndwefbcused

onwhatkindofEnglishabilitythestudentsrealizecouldimprove. Inthis

studywereferredtotheanalysisofthequestionnairesof2009bySaida

(2009)3.

3.4Procedures

1,654studentstakingthelEPwereaskedtotaketheCOPTAasa

placementtesttobeassignedineachlevelinApril.AndtheCOPTBwas

administeredintheregularclassinJulyatthenearendofthecourse.The

studentswereaskedtoanswerthequestionnairebefbrestartingtheCOPTB

fbrlOminutes.Thedataofll65studentsofLevel3wasextractedand

analyzed.

4ResultsandDiscussions

4.1COPTscores

Participantstook2diffbrentCOPTsinAprilandJulymhble2showsthe

aVeragescoresandSDsfbrtworesults.LZStemng・andLangzzagFUsescores

ofJulywerehigherthanthoseofApril.Theywerestatisticallysignificant

fiPomrepeatedttests[Listening: r=10.26(1164),p=.000,LangzJagF[ノse: t=

660(1164),p=.000)].Ontheotherhand,thetotalscoreofJulytestwas

slightlylowerthanthatofApril,whichwasalsostatisticallysignificant[t=

2.18(1164),p=.029)].ThescoreofReadinginJulywasmuchlowerthan

thatofApril,whichwasalsostatisticallysignificant [(t=20.59(1164),P

=、000].

Tablel ScoresofCOPTs

Note:Theperfectscoreis70:Listening=20,Reading=20,LanguageUse=30.Thenumberofeachsellistheaveragescoreandthenumberoftheparenthesesisstandarddeviation.

LetusexaminethecauseswhytheReadmgscoredecreased.InthelER

teachingmaterialssuchastextbookstobeusedwereveryimportantbecause

allteachersusedthesametextbooksbWescrutinizedthecontentofthe

textbooks.TWotextbookswereusedintheLevel3.Onewas""ztez℃hang℃3

-120-

Test Total Listening Reading LanguageUse

COPTA(Aprn) 47.43(6.12) 12.71(2.52) 12.76(2.64) 21.96(3.63)

COPTB(July) 47.05(6.40) 13.58(2.54) 10.87(2.76) 22.60(3.75)

",whichfbcusedondevelopingfburskills,listening,speaking,reading,and

writing.Theothertextbookwasd!励幼AHt左jWwノ',whichfbcusedonreading.

AccordingtotheresultsofLMenmgandLa"gzzagE"se,asexpected,

theirscoreswereimproved.Theresultsprovedthestudent31isteningand

languageuseincludinggrammarandvocabularywereimproved.Listening

partsinthe""ter℃ha"g巴3A"comprisedofalotofVariations,e.g.,personal

matters, news broadcasts, 1Mng abroad, opinions about customs,

environmentalproblems,anddailyconversation.Thevarietyofthelistening

wouldmeetthelisteningpartsoftheCOPTIwhichwaseffectivetobearthe

betterperfbrmance.Asgrammarpoints,basicandadvancedgrammarwas

includedinthe""ztez℃hangBaAl', suchasrelativepronouns, adverbial

clauses,tenseverbswithpastcontinuous,simplepast,andpastperfect,and

passivevoice, infinitiveclausesandphrases.Thegrammarpointswerenot

listedinappropriateorderofdifficultywiththeeasiestone, thoughall

grammaticalitemshadalreadybeentaughtintheirhighschoolandwere

requiredfbrtheuniversityentranceexamination.Basicvocabularyrelated

tothecontextwaslearnedinthetextbook.Thegrammarandvocabulary

couldhelpimprovetheresultofLa"gzzagFUUseintheCOPTB.

As "んオer℃hang℃a"'wastosomeextent linkedtotheCOPTInot

surprisingly> itcouldbeagoodeffbctontheLZgtemngandLa"gzzagp[后eresults.

Forthereadingsections,letusanalyzethecausesintermsofreadability

ofthetextoftheCOPTA,Band"BothSidesNow4".

RegardingtheReadmgresult,wewilldiscusswhytheirreadingscore

wasdecreasing,usingthescoresofz℃a(ZhiZi〃Bea"hi""ofthetextis

evaluatedbycountingsyllables,words,andsentences. Inz℃a"hili"there

aretwotests:FleschReadingEaseTbstandFlesch-mncaidGradeLevel

Tbst5. IntheFleschReadingEaseTbst,higherScoresindicatethematerial

thatiseasiertoread.TheFlesch-mncaidGradeLevelTbstisbasedonthe

gradelevelintheU.S.Forexample,ascoreof8wouldindicatethetextis

expectedtobeunderstandablebyanaverage8th-gradestudent(agesl3-14

intheU.S).Weanalyzedrea"Mi"of:6BりめJMtSMw/' andReadingsectionsoftheCOPTAandB,using6Word2007version''.

Table2showsthez℃a"hiZi"fbrthe"BothSidesNow'',andtable3and4

showthatfbrtheCOPTAandB.Accordingtotheresults,inthe"BothSides

Now'',theaverageofwordswas288.5words,FleschReadingEaseTbstwas

64.4,andFlesch-KincaidGradeLevelTbstwas7.6.Likewise,intheCOPTA,

theaveragenumberofwordswasll4.1andintheCOPTBwasl23.4.For

-121-

FleschReadingEaseTbst, theCOPTAwas65.0,theCOPTBwas62.9.

AboutFlesch-mncaidGradeLevelTbst,theCOPTAwas8.2,andtheCOPT

Bwas8.6.Fromtheperspectiveofaveragescoresoftherea"hiZi"themost

difficulttextwastheCOPTB,fbllowedbytheCOPTAand"励め』助たsJVIo"',

thought, thethreetextsdidnotseemtobemuchdifferent.Butwewill

inspectthepassagesintheCOPTAandB.Mostofthepassageswere

orderedaccordingtothedif6cultybFromthepassages, 1to3wereshort

passages, eachpassagehadlquestiontobeansweredandtheFlesch

ReadingEaseTbstwasmorethan73andFlesch-mncaidGradeLevelTbst

waslessthan7.3,whichmeantthestudentswereeasytoreadthetextand

answertheeachquestion.FromthePassage4tothePassagelO,though,

FleSchReadingEaseTbstwasfrom64.5to49.1(COPTA),andfiFom60.3to

29.8(COPTB). Flesch-mncaidGradeLevelTbstwasfrom8.2to11.8

(COPTA),andfrom9.7tol5.8(COPTB).Inaddition,thenumberofeach

questionwasrangedfifom2to5, itmeantl7questionsamong20questions

wereallottedinthemoredifficultpassagesthanthoseofthetextthe

studentshadstudiedinthe"肋幼劇t左sハノbw/'.Theanalysisofz℃a"bi""

showsthelearningtestiseasierthanthetextintheproficiencytest,inother

word,thelevelofreadabilityinstudyingdidnotfitthatoftheproficiency

test.AccordingtothelnputHypothesis(Krashen, 1985),humansacquirea

languagebyreceiving!comprehensibleinput! thatcontainsextra-linguistic

information,i+Z(ourcurrentleveliS4andthenextstageisi+Z).Itmeans

thelearnersinputtheextra-languageinfbrmationandtheneffectivelycan

acquirethetargetlanguage.

Wefbund, toimprovethescoreofreadinginaproficiencytest, that

studentsshouldstudymoredifficulttextsthanthetextwhoseproficiency

testisrequired.

Table2ReadabilityofBothSidesNow

Note:TheorderofeachUnitwasarrangedaccordingtothesyllabus

-122-

U刀ft contentNUnTber

ofwords

Passive

eColOv

mesch

Reading祠nReTest

|d

hicasCen

li

FK

GradeLevel

Test

Unit8

ShouldEnglishbeincludedin

unユversityentrance

e文nnTテ祠到tions?

287 5% 70.2 6.9

Umit易COⅡegestudents:

Shouldtheystudyha工.?305 0% 69.1 7.0

UnitlSmoking:Shouldsmokingbe

anowedinpublicplaces?322 20% 57.2 8.5

Unit7,rhedeathpenalty:ShoulditbeaboliRhed?

240 0% 61.0 7.8

A刃era宮e 288.5 6% 64.4 7.6

Table3ReadabnityofCOPTA

Table4ReadabilityofCOPTB

AnotherfactwelearnedfromthetextanalysiSwasthecontent. Inthe

)妨戯t左sNIowノ'.studentshadlearnedtheeducationalmattersinUmt8"肋妨戯t左sNIowノ',studentshadlearnedtheeducationalmattersinUmt8

and2,andsocialmatters,smokinganddeathpenaltyinUnitland7.Take

anexample,Unitl,thestudentsreadthe322-wordtext,answered5

comprehensionquizzes,discussedthematter,andfinallywrotea200-word

essaybTheycouldunderstandthetextthoroughlybTheymightknowthetopic

orcontentrelatedtounitstheyhadlearned.Contrarytothis, intheCOPm

Passagelto3weredealtwithpersonalmatters,andPassage4to8,witha

variousmatters,apsychologicalmatterjabusinessmatter,adietmattex;a

commumcationmatter,andthescientificmatter.Studentscouldreadthe

textbutmightlackinvocabularyrelatedtotheabovementionedmatters

andthentheymighthaveproblemstoanswerthequestions.

Theotherfactortobeconsideredwasthestyle.“肋幼劇ctsWWo"'useda

kindofanargumentativeessaystyle, anddescribedfbrandagainst

statementS.IntheCOPTlthePassagelto3usednarrativeessaystylesand

Passage4to8useddescriptiveessaystyles.

WecouldconcludethetextinG:肋幼j労上たsMフ"'didnotfitthetextinthe

COPTfbrthereadabnity;thecontent,andthestyle.Therefbre,thereading

-123-

Passage content

Nubmer

of

questions

Number

ofwords

PasSive由

volce

Flesch

ReadingEaseTest

.d

山麺恥睡

Gr月dQ

LevelTest

Passagel Whatareyoudoingtoday? 1 33 0% 90.5 3.3

Passage2 Whatdoyoudo? 1 42 0% 75 3 5 3

Passage3 Avacationpostcard 1 63 0% 76 2 7 3

Passage4 The'Izone" 2 74 0% 53 7 11 8

Passage5 HenryFordandtheModel-T 3 96 50% 64 5 8 2

PassaRe6 ItiSabigcountry! 4 163 10% 49 1 10 4

Passage7 Smalltalkisn'tso'1smaⅡ1, 4 200 0% 56 6 9 4

PassaRe8 Headaches 5 242 28% 53 9 10 0

AveraRe 2.6 114.1 11% 65.0 8 2

Passage Content

Nubmer

of

questions

Number

ofwords

Passive●

vo1ce

Flesch

ReadingnageTest

Flesch‐

両hcaid

Grade

LevelTest

PassaRel Whatareyoudoingtoday? 1 28 0% 73.4 5.3

PassaRe2 Whatdoyoudo? 1 39 0% 81 9 4 2

PassaRe3 Avacationpostcard 1 64 0% 95 3 2 1

PassaRe4 Medit 2 73 0% 57 3 9 7

Passage5 Theelectricnghtbulb 3 98 20% 51 4 10 9

PaSsage6 Itisabigcountry 4 176 11% 53 8 10 6

PassaRe7 Personahtytypes 4 265 15% 60 3 9 9

PassaRe8 WhatisinteⅡigence? 5 244 44% 29 8 15 8

AveraRe 2.6 123.4 11% 62.9 8 6

scoreofthesecondCOPTdidnotincrease.

Overall,wemaysuggestthecontentinthetextbookshouldhavediversity

intermsoflistening,reading,vocabularyjandgrammarandtosomeextent

theseitemsshouldberelatedtothecontentinaproficiencytest.Andwemay

alsosuggestthelevelofthetextbookshouldbealittlemoredifficultthanthe

currentlevelofthestudents,inordertoimprovetheproficiencytestscore.

4.2 1ndividual ityValidity

AstheaboveresultsindicatedtheCOPTmightworktoevaluatethe

listeningandgrammarorvocabularypartsintheLevel3programexcept

readingparts・CouldtheCOPTprovetheindividualgrade?Weanalyzedthe

correlationbetweenthecoursegradeandtheCOPT、98studentsinthethree

classesintheLevel3wereextractedandthecorrelationbetweentheirtotal

scores6ofthegradeandtheCOPTscorewasanalyzed.AsshowninTable5,

thegradescorescorrelatedsignificantlywiththeCOPTscoresbutvery

weaklyjz・=0.30,JV=98,p=.003.Theresultmightindicatethetendency

thatthebetterperfbrmanceofthegradeinthecoursethestudentconducted,

thebetterproficiencytestscorethestudentmade・Theremightbetwo

possibleinterpretationsthattheCOPTmightenabletoensurethevalidity

fbrevaluatingthecourseperfbrmanceoritcouldbeassumedthatthosewho

copedwiththestudyintheEnglishprogramdiligentlywouldtendtoget

betterresultsontheproficiencytest.

Table5 CorrelationbetweenCourseGradeandCOPT

Grade COPT

Grade

Cope

0.30士

Note:*P=.003;"=98.

4.3Questionnaires

Nowwerefertotheanalysisfbrstudent3questionnairesconductedby

Saida(2009)andanalyzethedatabyusingthecriteriabasedonKobayashi

andSaida(2009). Inthequestionnaires,eachquestionwasansweredin5

scales:a-sなunglydrSagr℃e,b-drSagr℃e,C-ne"な没』d-agr℃e,e-s"りngly

agz℃eandoneitemamongthemwasselected.Thesumofagrqeeandsなりngfy

agr℃ewasconsideredasapositiveanswer,andthesumofdiSagrでeand

sfmngZydrSagrでewasasanegativeanswer.Wefbcuson3points:howthe

studentsrealizedtheirEnglishabilityimprovedthroughthelERwhat

-124-

Englishabilitywasexpectedtoimprove,andhowtheyweresatisfiedwiththelER

First,about40%ofthestudentspositivelyrealizedtheirEnglishabilities

couldincrease.Andasasubcontent,studentsalsopositivelyrealizedthat

theirlistemng,writing,andspeakingskillswereincreasing(47%,54%,53%

respectively).Ontheotherhand,fbrReadingandGrammar&Vbcabularyjthepositiveanswerswerelessthan40%(38%, 21%respectively). Inthe

termsoftheEnglishabnitMabout30-40%ofthestudentswereconsidered

that their skills remainedunChanged. Theseresults to someextent

correspondedwiththoseoftheCOPT.TheLZsteningincreasedintheCOPT

Bandthestudentsalsorealizedtheimprovingoftheirlisteningskill,but

theimprovementSofreadingwasnotrealizedbythestudentsasshownintheresultsofReadmg・intheCOPT.Thestudentsalsodidnotrealizethe

improvementsofthegrammarandvocabularyskillsalthoughthescoreof

Z,anguag巴UseintheCOPTdidincrease. RegardingsOme important

objectivesinthelERWritinganessayandPresentationscoredabout70%

respectivelybForthetextbook, $!肋妨‘助左sJVIo"",56%ofthestudentsfelt

theeffectivenesstoenlightentheirideasorcollecttheirthoughts・This

provedthestudentsaccountedthewritinganessayandthepresentation

effectiveandthereadingteXtbook"励め』戯tノbsNbwノ'washelpfillnotonlyfbr

readingbutalsofbrexpandingtheirideas.

Second,about80%ofthestudentsshowedtheirstrongmotivationfbr

filrtherstudyingEnglish,improving4skillsandgrammar&vocabulary@

Finallyjmorethan75%studentsweresatisfiedwiththeLevel3and60%

studentsfelttheirEnglishabilitiesmatchedthelevel3positivelyb

TheseresultsindicatedthatmostofthestudentsoftheLevel3matched

thelevelofstudyingandweresatisfiedwiththeEnglishcourse。They

realizedtheimprovementsoflisteningandspeakingalthoughtheyfeltthey

wereluckyinreadingandgrammar&vocabularyabilities.Theyalsowanted

tocontinuetostudyinanEnglishprogramtoimprovethefburlanguage

skillsincludinggrammarandvocabularyb

5. Conclusion

WeinvestigatedwhethertheCOPTasaproficiencytestcouldevaluate

thelEPandconcludedLrSte"ingandZ,angzzagEUseincludinggrammarand

vocabularyintheCOPTmightmeetthelERthough,thereadingpartsdid

notfitthelEPbecauseofthediffbrentreadability> content, andstyle.

Individualstudent'sproficiencyinthelEPcouldbeevaluatedastheCOPE.

-125-

ThequestionnairesprovedhowthestudentsrealizedtheirEnglishabilities

andweresatisfiedwiththelEPandwhatkindofdemandstheyhad.

WhenaproficiencytestisintroducedinanEnglishprogram,thereare

three factors tobe considered: final goals, 'teachingmaterials, and

test-takingstrategies.ThefinalgoalsofthelEPmightmeetthedemandsas

asubjectinLiberalArtandthedemandsofthestudentsrevealedinthe

questionnaires.AsMastruserio,(2010)mentioned,theobjectiveshadtomeet

theassessment.Wecouldbemorecarefillofusingaproficiencytestinterms

ofitspurposeandthefitnessoftheobjectivesoftheEnglishprogram.

Anotherfindinginthisstudymaygiveusanimportantsuggestionthatwe

havetobemorecarefUlaboutchoosingthetextbook.IfthegoalsofthelEPis

notonlytoaccomplishtheobjectiveswrittenonthesyllabus,butalso, to

improveproficiencyinabroadsense,thecontentinthetextbookshouldbea

littlehigherlevelasKrashen(1985)claimedandmorevariousmatters

dealingwithfbrlistening,reading,grammar,andvocabularyjwhicharealso

coveredinaproficiencytest.Asproveninthepreviousstudies(Shibata&

Inoue,2005;Robb&Ercanbrack,1999),intheregularclasses,also

proficiencytest-orientedmaterials shouldbeused. Finallyj test-taking

strategiessuchasansweringquestionsinthefixedtimeasfastaspossibleor

howtochoosethemultiple-choicequestionswouldbetaught,asForsterand

Karn(1998)fbund.Insum,ifaproficiencytestscoreincreased,threefactors:

goals, teachingmaterials,andteachingoftest-takingstrategies,wouldbe

considered.

TbachieveagoodbalancebetweentheobjectivesofanEnglishprogram

andtheimprovementofscoresonaproficiencytestmightbeadiscrepancyi

asBrown(1996)mentionedthattheproficiencytestdidnotmeasurethe

effectivenessofanEnglishprogram.Wewillhavetoconsiderthepurposeof

theproficiencytestandhowtouseitsresults. Ifincreasingscoresona

proficiencytestisoneoftheobjectivesoftheEnglishprogram,thelearning

contentwhichmeetstheproficiencytestsuchasTOEICorTOEFLshouldbe

included,andtest-takingstrategiesshouldbetaught.

-126-

Acknowledgements:

WeresearchedthispaperastheLevel3coordinators・Weanalyzedand

referredtothedataofLevel 3 studentsoftheCambridgeObjective

PlacementTbstsandthestudents'questionnaireswhichwereorganized,

conducted, andcollectedbythelEPCommittee.WesincerelythankDr.

ChisatoSaida,HeadofthelEPCommittee.

1ThepnotstudyofthenewEnglishprogramhadstartedm2002.

21332studentswereallottedinLevel3,though,thestudentswhodidnottakethe

secondprofciencytestsinJulywereexcludedfbrthisstudyB

3"ea"aZ"Sofqzzes"on77""℃sibr'rheZEPstzzdentsfbrthe2009springsemesteranalyzedbySaidawasdistributedinthelPEEducationalDivisiononAugustlin2009.

41neachunitof6(血‘巳r近ha"g巴&4i',therewasareadmgpartrelatedtothecontext,buttheclassschedulemightnotallowbeingprovidedwiththetimetoreadit, thus,only"励め』薮tmsMJwノ'wasanalyzedasthereadmgmaterial.

5Thefbrmulasfbrthetworea"hili"testsaSfbllows;FleschReadingEaseTbst:

206.835-(1.015×ASL)-(84.6×ASW),Flesch-KincaidGradeLevelTbst: (.39×ASL)+

(11.8×ASⅧ-15.59.ASL:AverageSentenceLength(thenumberofwordsaredividedbythenumberofsentences),ASW:AveragenumberofSyllableperWord(thenumberofsyllablesdividedbythenumberofwords),seetheHELPinreadabilityinWord2007,Microsoft.

6Theperfectscoreofthegradewas80[Examinations(30%)+Perfbrmance(30%)+AutonomousLearmng(20%)exceptProficiencyTbst(20%)]

-127-

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ZりEICZbc/777jbaIM加zzaZ(2002).ETS.

-128-

Appendix

Integrated畿職宅:雛,鴨夛Tnetmctor:

ter2009>

)ObjeCtivesoftheCourse:

This_CQurSewinimprOveStudents' Englishspeaking, listenmg, reading, and

珊溌細雛珊職鰡纈路柵淵;鯉淵鑑溌聡珊淵鯉g鰯醍:Tbachievethisobjective,thefbllowingreferencelevelsshouldbeclearedmthecourse.

Notes:

1.EOSitiveparticipationintheclassisrequired.2.1hisgoUrSeiSOfferedtWodaysaweek3.TWo-thirdstotalattendanceisrequired.4.Assignmentsmustbesubmittedljydeadlines.5.BesuretobemtheclassroombythetimetheclaSsstarts.Ybuwillbepenalizedifyouaremorethanl5minuteslate.Beinglatefbrtheclassthreetimeswnlbecountedasoneabsence.

鯖瀞蝋瀞鮮縦I焉撚難f5聯蝋ニニd謹鶚;:(30%)AutonomousLeal、nlngEvahnation: Examinations Perbrmance

(20%)ProfciencvTbSt(20%)署潔』meeiiru!Wimoto&BeniaminPorterSeibidoTbxtbooks: 『BothSides "DenJamlnk'orter.Selb1dl

ambridgeUniversityPressndi/index.jsp

IInteNDI: https:「etAcademy:mangeArcadE

A』 Rpc.ibE.ibaY、2

rqSヲJ・し

雛 interchangearcade/main.do

OmceHour:

-129-

lijachStudentwi_llbeableto

Listemng欝辮&僻鍔淵 i辮概:Mi:綿鰡鐙慨磯-minute

oralpresematiOnsinpreparationfbraskingquestims(3)unddrstandtheteachbr'Sinstructions

lateading (1)understandthegeneral ideahe/sheisinterestedm

oftextsabouttopicsormfbrmation

(2)Scanthe_teXtmbOokSOronwebpagesabouttopicshe/sheisinterestedm,_ anddistinguish necessary information fromunnecessaryinformation

(3)identifythetopipsentenceorsUpportingsentencesintextsandgraSpthemamideaofeachparagraph

(4)takenoteshomtextsabouftobicshe/sheisinterestedinSpokenInteraction

Wcarryona2-minuteconversationabouttopicshe/sheismterestedin(2)ask.questionsandeXpresshis/heropini6nsmsimpleEnglishandinteraCtwiththeteacherinasimpleWaywhileperfbiPmmgClassroomactivities

Spoken

Production |撫誰:醗蹄麗慨:鱒纈:淵雛麹溌i概淵::聖。‘vocabularyandgrammar

(3)payattenfiOnto~theaudienceandputstressonimportantwordsandphraSeSwhenmakinganoralpresentation;usetheappropriatespeed,rhythmandintonation

Writing (1)Writeanessayaboutinfbrmationthathe/shewantStoconveyjusinghiS/herknowledgeofVocabularyandgrammar

(2)職総淵駕職翻潔鯏柵topicshe/sheisinterestedio(3)Write_aneSSay2withthfeeOrmoreparagraphs that containsintroduction,bodyandconclusion

(4)writeshortCOmnientsaboutotherstudents'presentations

5/7(Thu)*isasubstituteMonday)5/8(Fri)**isasubstituteWednesday

-130-

Date Assignnlents

BothSidesNow

InterchanRe

Homework

1 4/13

(Mon)

Placementtest

24/15

(Wed)

Course introduction, self-introduction activityjCan-Docheck 聖纈諦も鮒:蹄:

pp.50-55(Due:6thlesson)3 4/20

Mon)CALLGuidance;Howtowriteabookreport Readabook

44/22

(Wed)Interchange,Unitl:ZZa始り伽atFirezz(*Az℃Fbz/ CDInterchange(ThFackl)

5 4/27

(Mon) Interchange,Unitl:ZmatbWZat丑ねzzmAz℃"bz/CDInterchange(TIPack2)

6 5/7

(Thu)*BothSidesNowj Unit 8: Shou〃戯]9imhR血c/α士dZzzI"zivezsi"砥並ra"cemwmi""なりns?

CDBothSidesNow

Unit8

7 5/8

(Fri)**BothSidesNowj Unit 8: Shozzjtf砥]gZjghanzcIzz咋団ZzzIH1ivemrな盈並""cemgm7""なりz]s?

CDBothSidesNow

Unit8

8 5/11

(Mon)BookReportl□

Howtowrite

speechOanessay(100words)andpracticefbr Writinganessay

9 5/13

(Wed)Speech(1) InterchangegWWleSso:f22・27

105/18

(Mon)

Interchange,Unit4:WZata戯ひzyl CDInterchange(Tifack7)

暗¥thMn)"8・1411

5/20

(Wed)

CAT」T」

Check1DInterchange,Unit4: I価ataSZozy/ CDInterchange('IYack8)

12 5/25

(Mon)BothSidesNow,Umt2:"ZEgeSZIzdents:,noujヒノZZay戯αかH白zrf?

CDBothSidesNow

Unit2

135/27

(Wed)BothSidesNowjUmt2:mZmg℃銑u(fzzts:』鋤ozz/tf恥ey銃zz〔IyH圏zYf?

CDBothSidesNow

Unit2

14 6/1

(Mon)Howtowriteanessay(200words)speech@,ReadmgStrategyO

andpracticefbr Writinganessay

15 6/3

(Wed)Speech CDsorTbxtsReview

16 6/8

Mon)

Mid-termexamination InterchangeBW",ess。:f30-3517

6/10

(Wed)

Interchange,Umt5:Ch℃ssingCiz"Izzrs CDInterchange(ThFaCk9)

粥舟患瀞Pp.1-7(Due:18 6/15

(Mon)BookReport2□

Interchange,Umt5:Ch℃ssZzZgCtz〃mPs D、j

Cm

Interchange (ThFack

19 6/17

(Wed)BothSidesNowjUnitl:Smokmgj鋤oIzItfSmokmgR44_mw巴‘、且JhZ花f姫“s?

CDBothSidesNow

Unitl

20 6/22

"on)BothSidesNowjUnitl:Smokmg:ShoIzZtfSmokizzg碇A』んwBdm負IhZjbf池“s'

CDBothSidesNow

Unitl

216/24

(Wed)

CATJ」

Check2D

Howtowriteessa

Readingstrategy ろ300words)@ Preparefbranessay

InterchangeBWWi,essjW44・49

22

6/29

(Mon)

Interchange,Unit7:ZZeWbzノヒノWbLivP血Presentationpreparation 憾蛋thWnfp43・49

D、j

C咽

Interchange (ThPack

237/1

(Wed)Interchange,Unit7:"eIWbzノヒノリリもLivenzPresentationPreparation

DjC型

Interchange (IIYack

24

7/6

(Mon)BothSidesNowjUnit7:ZZeDea坊姥zzal"jMozzla膨匪AboZEhe

CDBothSidesNow

Umt7

25 7/8

(Wed)BothSidesNow>Unit7:ZZeDea勉姥、a肱〆jMozI"膨匪AboZEhe

CDBothSidesNow

Unit7

26 7/13

(Mon) ReadingstrategyOCDsorTbxtsReview

27 7/15

(Wed)BookReport3□

Proficiencytest,practicefbrOralPresentation CDsorTbxtsReview

28 7/22

(Wed)OralPresentationO CDsorTbxtsReview

29 7/27

(Mon)EssayD

OralPresentationC) CDsorTbxtsReview

307/29

(Wed)

(~JAT」W』

Check3D Finalexammation,Can-Docheck,questionnaire

Howt0亜achPresentati0nSkmsEffectively

Yi'kikoAdta

UmversityE血cationCenter,IJarakiUmversity

1.IntrOduCtion

Presemationskillshavebecomemoreandmoreimportantfbrsmdemsbothmsideand

outsideofschool.Asoneoftheresponsestoglobalizationandinfbrmatizationoftheeconomyj

presentationskillsmEnglisharemcreasinglyreqUiredassoonassmdentsemerthebusmess

worldandevenbefbre.However,mostsmdemsarestrugglmgwithmakingpresemationsm

English. Inthispaper, strategiesandexamplesofhowtoteachpresentationskillseffectivelyl

especiallymalow-levelclass,willbeexplamed.AsprereqUisiteconditionsfbranideal

environmemtoteachpresentationskills,twoimportamconcemswillbediscussed:First,howto

motivatesmdemsandsecond,howtomakepresemationtasksmoreinterestingandachievable

fbrsmdents.Thiswillnotonlyhelpsmdemstomanagethetaskseasierbutalsoenhancethe

teacher'sabilitytoteachpresemationskillsmoresuccessfillly.

BasedonSelfLDeternnnationTheory(SDT), sixstrategieswillbeintro血cedfbrthefirst

prereqUisitecondition,andfburfbrthesecondprerequisite. Inadditiontotheexamnationsof

prereqUisitereqUirements, fiveeffectiveconsiderationsastohowtoteachpresentationskills

willbeproposed. Inconclusion,basedone血ancedsmdems'motivationandbemgengagedm

imerestmgtasks,smdentscansubstamiallyimprovetheirpresentationskillswhileteacherscan

fbcusmainlyonhowsmdemscanbeaccustomedtopresemationactivitieS.Effectivesolutions

fbrthelattercanbefbundmteachingbasicpresemationrules,strategiesandresearchskillsas

wellashroughrepeatedpractice.

2.PrerequisiteConditions

AsmanyEnglishteachersareexperiencmg,smdemsmlow-levelclassesareusuallynot

well-motivated,havelittleimerestinsmdyingEnglishandlowspeakingskills.Itisnoteasyto

improveEnglishabilitiesmsuchasimation,especiallypresentationskills,whichreqUiremore

thanoneskill,suchasresearchskill,speakingskill,writmgskill,listemngskillandsofbrth.

Thissimationintheclassroomalsocreatesaviciouscycle.Assmdemsarenotableto

makepresentations,theyloseconfidenceandbecomelessmotivated,whichmtumleadstoan

evenfUrtherdecreaseofinterestsinEnglish.Ifsmdemshavelittleimerests,theyarelikelytobe

lessmotivatedtoleammore.ConseqUemlyjevenifteachersaretryingtheirbesttoteach

presentationskills, apositiveresult isnot likelytoappearandteachersfeeldisappointed

becauseofasimationwherenoleamingseemstooccurmtheclassroom.Smdemswillalso

becomeawareofthediHicultiestoimprovepresentationskillsandmghthavethenegative

hnpressionthattheirownabilitieswillneverbegoodenoughtosuHiciemlyhnprovetheir

-131-

Englishskills.

Consideringtheabove,howcanteachersfindawaytobreakoutoftheviciouscycle?

Befbreconsideringeffectivewayshowtoteachpresemationskills, itisveryimportamto

acknowledgetwoprerequisiteconditionsfbrtheideallearnmg/teachmgpresentationskills

context.ThefirStconditionisthatsmdentsshouldbemotivatedenoughtoleamnewthmgs

basedonadrivecreatedandsustamedwithinthemselves.Secondlyjpresemationtasksshould

beimerestmgandachievablebysmdents.WithomthesetwoprereqUisiteconditionsfUlfilled,it

isverydi価culttoexpectsmdemstoacquirepresemationskillssuccessfilllyand teachersto

teachsuchskillseffectivelyb

2.1.StudentrMotivaii⑪皿

InSelfLDeterminationTheory(SDT),awell-developedmotivationtheoryinpsychology,

it isassumedthereare threepsychologicalneedsasprereqUisites toenhancesmdentg

motivation:theneedfbramonomyうtheneedfbrcompetenceandtheneedfbrrelatedness(Deci

&Ryan, 1985,2002;Tanaka&Hiromori,2007;Tanaka,2009).AccordmgtoSDT;mmnsic

motivationwillbemcreasedifthesepsychologicalneedsaremet(e、g.Noels,2001;Noels,

Pelletier,Clemem,&Vallerand,2000).Inthee血cationcontext,theneedfbrautonomysuggests

thatsmdentsexertacertaindegreeofcomroloverthetasks,fbrexample,bydecidingtopicsand

theprocedureofthetasks.Theneedfbrcompetencemdicatesthefeelmgsofselfachievemem

andsatisfactiondudngandafterfillfillmentofthetasks.Fmallyjtheneedfbrrelatednessimplies

thefeelmgsofcooperationandassociationwithpeersorteachers. Inlmewiththistheoryj if

presentationtasksaredesignedinawaythatamstocomplywiththesethreeneeds,smdems

willsubstamiallymcreasetheirmotivationtolearnpresemationskills.DetailsofmethodshoW

tosatisfythethreeneedswillbeexplainedmthefbllowingsections.

2.1.1.TheNeedfOrAutonomy

hordertoaddressthefrstneed,theneedfbrautonomyj itwillbenecessarytoexamne

howtopicsfbrpresentationtasksshouldbedecided.Asabasicrule, ifsmdentsareableto

decidetopicsbythemselves, thisshoulde血ancetheirmotivation.Howeverj inlower-level

classesitmaybetoochallengingtoletsmdentsdecidepresentationtopicsBFomthebegmmg、

Insuchacase,therearetwoaspectsmtopicselectionthatteachersshouldconsider: thedegee

ofdi価cultyofthetopicandthecontemofthetopic.

Itisrecommendedtochooseeasyandsimpletopicsmthebeginning,suchaschildhood

memories,andthenlaterga血allymcreasethedifficultyEvenifthetopicpresemsalow

degreeofdi伍cultyjuponcompletionofthepresentationtask, smdentswillfeelasenseof

achievememand,asaresultofpractice, someimprovementsoftheirpresemationskills.After

completmgseveraleasypresemations, smdentswillbecomeabletomanagemoreadvanced

-132-

topicsoreven廿eetopicsthattheychoosebythemselves.HoweVer,animportamthingtonote

hereisthatthefeelingofachievememmeetssmdem3needfbrautonomyandenhancestheir

intrinsicmotivation.

Thesecondconsiderationrelatestothecomemsofthetopics.Itisadvantageousifsmdems

feelfamiliarwiththetopicandperceivethepresentationtaskasmanageableatthebeginningof

thetask(Mori,2008).Aneasywaytolettasksappearfamliartosmdentsistotakeatopichom

thetextbookusedmtheclassroom. Inthiswayj teacherscannotonlymakesmdentsfeel

familiartothetopicbutwillbeabletorecyclevocabularyandgfannnaticalitemssmdemshave

aheadylearned. Ifsmdentsfeelfamliarwithandeasyaboutthetopic, itcanbeexpectedfbr

themtohavemoreselfLcontroldudngthepresentationtask,whichalsomcreasessmdemg

inmnsicmotivation・Thesequenceofthetopicselection,fromfamliartopicsatlhebegmmgto

advancedonesandlatertofiFeetopics,willalsoresultmsmdemgfeelingmcreasmglyengaged

inpresentationactivities.

2.1.2.TheNeedfOrCompetenCe

Thesecondneed,theneedfbrcompetence,suggeststhatstylisticfeturesofpresemation

activities shouldbecarefUllyconSideredaswell as theownteachingstyle. First, the

presentationstyleshouldbedesigledbasedonhowmuchsmdemsareaccustomedtothe

presentationactivities.Thepracticestylealsotakesanhnportantrolemthepresemation

activities.ThewaymwhichthosetwostylisticmatterswillbehandledwillmakeadiHerencein

notomyhowmuchsmdentswillcommittothepresemationactivitiesandfeelSelfLachievement

butalsomhowmuchtheycanleamftomtheactivities.Anotherhnportantconsiderationisthe

teachingstyle. Ifsmdemscangetapositiveandconstructivefeedbackffomteachersonhow

theyperfonn,theywillbesatisfiedandattempttoachievemore.

NaturallyjthereareseveralpossiblepresentationstylesintheclassroomwithdiHerem

merits, suchas indivi血alpresemationsmasmallgoupormtheclass,gfoup-to-goup

presemations,gouppresemationsintheclassandsoon. Inalow-levelclassroom,however, it

wouldbebettertostartiomanmdividualpresemationinasmallgfoupof4or5smdems.After

smdentscompleteseveralmdividualpresentations,thenextstepwouldbeagrouppresentation

m廿omofthewholeclasS・ Itisalsomportanttonotethatsmdemsshouldrepeatthebasic

proceduretomakepresemationsseveraltmesbefbregomgtoanadvancedstyle.Tbprovidean

exampleonwhatlhavefbundtobeeffective:Atfirst,smdemsexperience@6ShowandTbll''

styleindivi血alpresemationmasmallgfoupthreetmes;then,asafmalpresemation,theywill

workonagrouppresemationthatwillbepresentedmffomoftheclass.

Intheprocessofengagingmpresentationactivities,practicestyleswillalsobeacrucial

issuetomakesmdemsfeelsatisfied. Itisrecommendedtohaveseveralphasesmapractice

period・Formstance,manindividualpresemationactivityうsmdemswilldoselfLpreparationand

-133-

indiVi血alpracticeathome, afterwardsmdividualpracticemtheclass, finallyj onemore

practiceinpairsasarehearsal. Inthiswaysmdemshaveopportumtiestorepeatedlypractice

theirownpresentation.Atthesametime,theycanleamabouttheirownabilityandtheirpeer's

byreceivmg,butalsoproviding,feedbackinrelationtotheirpeers.Bythetmeoftheactual

presentation,smdemdfearsandnervousnesswillhavedecreasedandselfLconfidencewillhave

increased.Thesmdentsgfaduallybecomeaccustomedtopresentationactivitiesandfeelmore

relaxed.Furtherrecommendationsfbrgrouppresentationactivitieswillbeshownmsection3.

Fmallyj thewayshowteachershelpsmdentsandbymcreasmgtheirawarenessmthe

classroomwillalsomfluencesmdemrfeelmgofsatisfactionandconfidence(Mori,2008;

Sugita,2008).Inmyexperiences,thereisadirectrelatiOnshipbetweentheamountofpositive

feedbackandcomplimentsthatsmdemsreceiveandtheirresultsandskillmprovemems.This

certaimydoesnotmeanthatteacherscannotgiveanycorrectionsoradvicetochangetheway

smdentsdotheirpresemations. It ispossibletohelpsmdemstoperceivetheirteacher's

correctionsalsoaspositivefeedback.Evenifsmdem'spreparationisclearlyinsu伍ciemand

requiressUbstamial, itisessentialtofirstgivepositivefeedbackaboutwhattheyhavedoneor

somethinggoodmthepreparationlikemcepicturesorideas.Thismethodwillmakesmdems

morewillmgtolistentotheteacher'sadviceandcorrections.Nturally) teacher'sadviceand

commemsshouldbecommunicatedmthewaythatcanbeunderstoodbySmdemsandthat

providetheclearmessagethatthecommentsaregiventohelpsmdemstoimprovetheir

presemations. InasimationwherethelevelofsmdemgselfLesteemisratherlowjwhich

happensoftenmlow-levelclasses, thekeyistogivealotofcomplimentsbothdurmgthe

presemationpreparationperiodandattheendofpresentation.Inthiswayjsmdemswillmcrease

thefeelingofselfLachievement,confidenceaboutmakingpresentationsandmghtevenhelp

themtobegmtolookfbrwardtothenexttimewhentheywilldoapresentation.

2.1.3.TheNeedhrRelatedness

Thethirdneed, theneedfbrrelatedness,requireSbuildingagoodrelationsmpandthe

feelmgofcooperationwithpeersandteachersintheclassroom.Asmentionedabove,practicem

pairsgamspositiveeffectsonthelevelofconfidence.Atthesametme,duringthepairpractice

smdentsareabletosharetheirtasks, inotherwords, theyaredomgacooperativeworkwith

theirpartners.Thiswillcreateagoodrelationshipamongsmdentsandabetteratmospherein

theclassroom.Whendesigninganypresemationactivities, itisessemialtomakeuseofsuch

positiveeHectsofcooperativeactivities.

Inadditiontopeerpractice, peer evaluationcanbeusedtodevelop smdemr

mterrelationships.Ithasbeensaidbefbrethattheremghtbeconcemswiththevalidityofpeer

evaluationifthepresentationscoreisapartoftheirgrades.However,Fukazawa(2010)

examineddatacollectedmhighschoolclassesandconfmnedthevalidityofpeerassessmem.

-134-

Furthennore,employingpeerevaluationisusefillespeciallymindivi血alpresentationactivities

insmallgFoups,becausethereitisimpossiblefbrteacherstoevaluateallpresemersatthesame

time.Smdentswillsharethefeelingofcooperationmthepeerevaluationandstrengthentheir

relationship. Inordertomakesurethatsmdentshaveimproved,teacherscandesignthefmal

presentationactivityasanmdivi血alpresentationmtheclassorgrouppresemationintheclass

andevaluateeachsmde㎡spresemation.

Another important factor isobviouslytherelationshiPwithteachers.Acomfortable

relationshipbetweensmdemsandteachersprovidesgFeatpossibilitiestobothdirections. I

fbunditveryeffectiveduringpreparationtmetowalkaroundiheclassroomandgive

suggestionstooranswerqUestionsfifomthesmdems.Throughthisimeraction, smdemswill

recoglizetheteacher'sroleasafacilitatorandrealizetheycanaskqUestionsandfbrhelp.

Theseopportumtieshelpsmdemstorelatetoteachersmore,whichlhavefbundtohappen

muchlessintheteacher-cemeredclassrOom.

EHectivestrategieshavebeensuggestedtoenhancesmdems'motivation.Thefbllowmg

comamsasummaryofthestrategiesfbrmotivationexplamedabove:

(1)Strategiestoemancemotivation

a.Tbpics(ThelevelofdiHiculty):Easy=>Moredifficult

b.Tbpics(Coment):Familiar=>Advanced=>Free

c.PresemationStyle:Individualpresentationinasmallgoup=>Grouppresentationinthe

class=>Indivi血alpresentationintheclass

d.PracticeStyle:Individualpractice=>Practiceinpairs

e6TbachingStyle:Walkingaroundtheclass,Givingalotofcomplmentsasafacilitator

fEvaluation:Peerevaluation->Finalevaluationbyteachers

Asdescribedabove, employingthese strategiesSuccessfilllywillmcrease smdentW

motivationtoleammoreandacqUirebetterskillsintheclassroomtoasubstamialextem.

2.2.DesigningInterestingandAchievablennsks

Thesecondprerequisiteconditionfbranoptimallearningsimationistodesigninteresting

andachievablepresentationtasksfbrsmdents. Ifthetasksaremterestingenoughtoattract

smdents,asynergeticeffectmthatsmdentswilllearnnotomyEnglishasalanguagebutalso

Englishasatooltoperfonnotherskillscanbeexpected.Atthesametime, itisveryimportant

thatthetasksseemachievablefbrsmdemswhilealsocomaⅢungafewchallengmgelements.

Thiswillhelpsmdemstomakeastartbythemselves.

SomebasiCkeysfbrdesiglmgpresentationtaskscanbesuggested.Thereisacertam

relationtotheconsiderationrelevantfbrsmdems'motivationsince,asshownbefbre, task

-135-

desiglshaveasignificantinfluenceonsmdemrmotivation.EspeciallythediHicultyandthe

famliarityofthetaskarecloselyrelatedwithbothsmdemrmotivationandtaskdesigns.As

memionedmprevioussections, itise伍ciemfbrsmdemstostartfjfomasimpletasktobe

accustomedtothepresemationstyleandgainselfLconfidence. Inthefirsttask, itisbetterto

mcludeageneraltopicthatallsmdemscanrelatethemselvesto.Fmdingthebalancemshiftmg

gra血aUytomoreadvancedanduniquetasksisessential.Formstance, smdemscanstartby

GcTalkingabouttheirchildhoodmemorieT.Thistopiccanbeconsideredquiteeasybuthasa

directlinktosmdems.Thenexttaskcouldbe"Apartmemhuntmgmadifferentcountry".This

willrequireseveralotherskillsthanpresentationskills, suchasaresearchskill inEnglish

throughthehternet. Italsoprovidessmdemssomefeedomtofbrexamplechooseacountry

wheretheywouldliketolive,thestyleoftheflat,livmgconditionandsofbrth.

Thefamiliarityofthetopicsisthenextclue,whichalsohasbeenmentionedabove.Topics

thatsmdentsarefamiliarwith,suchasatopichFomthetextbook,arethebestwaytostart.These

kindsoftopicmightnotbeultimatelymeresting;however,thefrstpriorityhereistoengage

smdemswiththepresentationtask. Inthelaterpresentationtasks, teacherscanselectmore

mterestingtopicswhichshouldmcludeitemssmdentshavealreadyleamedmtheclassroom.

Formstance, ifsmdemshaveleamedtheimperativefbrmandthetimeorderpattemmthe

classroom, 6GTalkingaboutmyfavoriterecipe''canbeoneofthepossibilities.Itisrecommended

tohaveseveralcomrolledpresemationactivitiesbefbre lettingsmdemschoosetopicsby

themselves. Inmasteringthecomrolledactivities, smdentswillbeacquamtedwiththe

presentationtaskstylesandacq血esomedegreeofpresemationskills、Theseskillsand

knowledgewillprovidesmdentsenoughconfidencetodealwithmoreadvancedtopics.

Introducmgpre-activities isathirdkeyelememtomakepresentationactivitiesmore

mterestmg.Evenifthepresentationtopicitselfseemsinterestmg, itisoflimiteduseifsmdents

havenopriorknowledgeaboutthetopic.Accordingly;atopicwhichsmdemscanatfirstnot

directlyrelatetocanonlybesuccessfUlifteacherscanmakesmdemsmterestedinthetopic. In

ordertoaddressthisproblem,brainstormngactivitiesbefbrethepresentationactivityareusefill

suchasmakingideamaps, taUdngmpairsorgfoups, listenmgactivities, showmgfilmclips,

sharingteacher'sownexperiencesoramnidiscussion.

Oncesmdentsincreasetheirknowledgeandmterestaboutthetopic,thenextsteptoengage

smdemsistoemployavarietyofpresentationactivitystyles. ItiseHectivetoapplydifferem

kindsofpreparationmethods, fbrinstance, selfLretrospect, researchontheweb, interviewう

researchinagoupandsoon,aswellasdifferemwaysofpresemation, suchasmdivi血al

presemationsinagroupormtheclassandgfouppresentations.hthiswayjsmdentscankeep

their interestsandmotivationhiglandfbcus towards thepresentationactivities.More

importamlybtheywillleamseveralwaysofpresentationstyles.

Tbsummarize,alistofessemialelementsthatarenecessarytodesignimerestmgand

-136-

achievabletasksmtheOlassroomisprovidedinthefbllowmg:

(2)Keyelementstodesigninterestingandachievabletasks

a.Di伍culty:Shnpleandeasy=>AdVanced

b.Familimty:Familiar=>Interesting

c.Pre-activities:Brainstormingactivitiesorpre-activities

d.Styles:Differentpreparationstylesandpresentationstyles

Insection2, twoessentialprerequisiteConditionstOteachpresemationskillseffectively

havebeendiscussed.Thoughitisimportamtotakemanyelememsintoconsiderationwith

regardtoeachcondition,mostofthesecanbeeasilyintegratedimoteachers'mdivi血al

teachingstyles.While someofthe elememsmghtbeconsideredrather simple, the

oppornmtiesthatareofferedbyemploymgthemfbrbothsmdentsandteachershave,atleastm

myexperience,usuallyresultedinmeasurableandsubstamialhnprovements.

3.HOwtoTbachPreSentatiOnSkmlSEffectiVely

Buildingonthetwoprerequisiteconditionsthatweremtroducedabove,eHectivewaysto

teachpresentationskillswillnowbefbcusedon.Needlesstosay)alotofinfbnnationis

availableaboutpresemationskills suchashowtomakeperfectpresentations,providmg

presentationessemialsandsoonmtextbooksandonthelnternet.However, Iwouldliketo

fbcushereonsuccessfill teachingstrategiesmlow-levelEnglishclassesbasedonmy

expedenceswithfirst-yearEnglishclassesatumversityFivesuggestionsmteachingbasic

presentationskillscanbeproposedasm(3):

(3)Fiveteachingstrategiesonpresemationskills

a.BasicPresemationRules

b.LinkingStrategies

c.ResearchskillsmEnglish:Guidedandsimple=>Free

d.Presemationstyle: Private=>PUblic

e.Practicestyle:Individual=>Peer=>Group-to-Group

Inthefbllowmg3.1,thedetailsofthestrategieswillbeexplainedandsomeexamplesof

presentationactivitieswillbeprovidedm3.2.

3.1.TbachingStrategies

SmcesmdemswithlowEnglishskillsareusuallynotconfidentenoughtouseEnglishm

hontofolherpeople, itisveryimportamtoteachbasicrulesofpresemationsmthebeghmng,

-137-

suchaseyecontact,volumeofvoiceandclarityofspeechandsOon.Inadditiontothesesimple

rules, itishelpfilltopresentsomeexamplesonhowtostartandendapresemation.Example

semencesshouldbesimPleenoughsothatsmdemscanrememberorusethemintheirpractice

andmacmal presemationswithomhesitation・ However, providingtoomanyexample

expressionscancauseakindofconfilsionaboutthecorrectusageoftheexpressions.Alarger

varietyofexpressionsshouldonlybepresemedaftersmdentshaveobtainedanumberofvery

basicexpressions. Inordertodevelopbasicpresentationskills, smdentsneedtopractice

repeatedlyb TbachersshouldconsidertoprOvideplentyofpracticeoppornmtiesduringan

individualpresemationactivityandthenlatermseveralsimilarones.

Asmentionedabove,itiseffectivetohavesmdemsacquireseveralleamngitemsfimllyif

thepresentationtaskmcludesfeturessuchasvocabularyandgmmaticalitemsthattheyhave

alreadylearned. Itis,mmyexperience,alsopossibletolinkseveralstrategiesmpresentation

activities.Formstance,basicreadingstrategiessuchasthelistmg,tme-order,andcause-effect

patterncanbeutilizedasoneofthespeechstrategiesorwdtmgstrategiesmpresentation

activities.PracticmgandrecyclingstrategiesmdiHerentwayswnlremfbrcetheabilitytomake

useofthestrategies.WhatteachersshouldcarefIlllyconsideristodecidewhichstrategiesto

chooseandhowtolinkthosestrategieswithacmaltasksduringpresemationactivities.

Inadditiontoteachingbasicpresemationrulesandrecyclingsomestrategies, teaching

researchSkillsmEnglishhasbecomeincreasinglynecessary.TherearediHeremresearchskills

smdemscanlearnbutitisrecommendedtostarthfomasimpleresearchskillwithteacher's

guidance.Thiscanbedonefbrexamplebydrawmgideamaps,whichcanbeusedtocreatea

visualmageofthetopicandbroadenssmdems'concepmalunderstandmgofthetopic.As

smdentsneedtobeaccustomedtotheresearchenvironmentatfirst, theywill feelmore

comfortableiftheyhaveanmshFuctorandareabletofbcusexclusivelyonthetaskthattheyare

mvolvedm.MoreadvancedresearchskillslikefiFeesearchthroughthelnternetmEnglish

shouldbeintro血cedatalaterstage.Asisthecasewithpresentationstrategies, itisvery

importamtocombine taught researchskillswithtasks inacmalpresemationactivities

repeatedlysincerepetitionisthekeyfbrsmdentstoacqUiretheseresearchskills.

TherearetwosuggestionsfbreHectiveteachingfifomastylisticpointofview; one

concemsthepresentationstyle, theotherthepracticestyle.Firstofall, thepresentationstyle

shouldbesimpleandpdvatemthebeginningtoaccommodatesmdemswithlowselfLesteem

andaccustomthemtopresentationactivities.Anmdividualpresentationmasmallgfoupofup

to4or5smdentscanbeconsideredtobeprivateandsimple.Gra血allythiscanbedeveloped

intomorepublicandadvancedstyles, fbrmstance, anmdividualpresemationorgfoup

presemationmthewholeclass.Theconcretemethodsastohowtopresentresearchresultsin

presentationsshoulddependonsmdentrpreferencesinindividualclasses.Iftheclassconsists

ofmamysmdentsheom,fbrexample,thetechnologydeprtment,PowerPoMslidesmghtbe

-138-

easier;whilesmdems廿omthehumamtydeprtmentmghtpreferdrawingpapers.Considering

thetimerestraintsofregularuniversityclasses, itmghtbeadvisabletostartwithasking

smdentstopreparetheirresearchresultsonA4paperfbranindividual @cShowandtell''

presentation.

Concemingthestyleissueofpractices, ithasbeen,mmyexperience,verysuccessfUlto

provideseveralkindsofpracticeoppornmtiesbefbretheacmalpresemation. Itisnonnalfbr

smdentstOpracticeathomeandjustbefbretheacmalpresentation,thoughthesepracticesare

usuallynotenoughtogivethemsufficiemselfLconfidence.Afterpracticingbythemselves,

smdemscanpracticewiththeirpeersmpairsasafirstrehearsalwiththeoppornmtytoprovide

somefeedbacktoeachother. Inanindivi血alpresentation, smdemswilltmsbeprepared

mentallyandphysicallyhroughthefirstrehearsalandpeerfeedback. Inmoreadvanced

presentationactivities,suchasagfouppresentation,onemorepracticeoppomⅢ皿tyShOuldbe

providedbefbretheacmalpresentationviaGroup-to-Grouppractice.Afteraface-to-facepeer

practice, twogoUpsshouldperfonnthesecondrehearsalasagroupnotviaanindividual

presenter.EvenwithOutacmalpresentationresponsibilities,eachmemberofaggoupshould

perfonnadistinctiverolemtheirgFouppresentation.Thiscouldbedonebyassiglingadditional

rolessuchasintroducmgagouptitleorthenextpresenter,endmgthegouppresentationor

bemgatmekeeper. Itishnportantthatallmembersgivefeedbackespeciallytopeerswhodo

theacmalpresemations.Presemationrolesthenshouldbeswappedduringseveralpractice

sessions.Inthiswayjsmdemsareabletobecomeaccustomedtopresemationprocessesandthey

feelmorecomfbrtableandselfEconfidemintheirpresentationabilitieS.

Theabove introducedstrategieswillhelpteachersandsmdemsmthepresemation

activities.Smdemscanseegra血alhnprovememsofpresemationskillswhileteacherscanfeel

theirownsenseofachievemembyrecoglizmgthattheirteachingiswoddngsuccessfUlly.Asa

result,bothsmdentsandteacherswouldfeelmotivatedandconfidentmleamingandteaching,

respectivelyb

3.2・Examples

Inthissection, fburexamplesofpresemationactivitieswillbeshown.Examplel isa

shnpletaskthatmostsmdentsshouldbeabletohandleandteachersmayuseasthefirst

presentationtaskactivity.

(4)Examplel

Tbpic:Whenlwasachild… (EFomthetextbook)

Task:muKingaboutchildhoodmemories

Style:In-groupmdividualpresemation

Practice:Individualpractice=>Peerrehearsal

-139-

FocusedSkills/Strategies: @Gusedto",pasttense,howtostartandendapresemation

hthetextbookusedinlheclassroom, thefirstumtcoverssomeexpressionsfbrself

intro血ctionandthepasttense.Thispresemationactivityisperfonnedaftersmdemslearnthese

itemsmtheclass.ThefirststepisabrainstormingactivitybyaskingsimpleqUestionsabout

whatsmdemsdidmtheirchildhood.Theactivityiscon血ctedinpairs.Next,thesmdemsare

askedtodrawideamapsabomtheirownchildhoodmemoriestodeveloptheconcepmal

structureofthelaterpresentationandalsotofindmoretopicsthattheycanexplainmthe

presentation.Then,smdemsaretaskedwithconstmctmgthecourseofthestorythattheywould

liketopresentbythenextlesson.Teachersshouldremndthemtousetheexpressionthatthey

learnedmtheclass, fbrexample@cusedto''andpasttenseexpressionsmtheirpresemations.

Tbachersalsoshouldpreparebasicpresemationrules, especiallyhowtostartandenda

presentation,andteachthemtothesmdemsduringthefirstclassordistributeaworksheet. In

thenextclass,theywillpracticeindividuallyfbrawhilebefbrepeerrehearsalmpairs.The

acmalpresemationwillbeperformedinasmallgrouPof4or5 smdems.Duringthe

presentation,goupmembersprovidepeerevaluationsandfeedback.Aftereachpresemation,all

membersshouldaskatleastonequestionabomthepresentationandthepresentershouldgive

answerstothequestions丘ompeersmEngUsh. InthisWayjbothpresenterandaudiencecan

tramtheirlistenmgandspeakingskillsaswellaspresentationskills.Tbachersshouldwalk

aroundtheclassroomtoencouragesmdems, answerquestions, andgivesomecomments,

encouragementandcomplimemstopresenters.

(5)Example2

Tbpic:Apartmenthunting(arelatedtopicmthetextbook)

TBsk:Tbfindafavoriteaprtmentmanothercountry

Style:In-gfoupmdividualpresentation

Practice:Individualpractice=>Peerrehearsal

FocusedSkills/Strategies:WebresearchskillsinEnglish,describinghousesandapartments

withthenstingpattem,howtostartapresemationmafascinatingmanner

Thetopicmexample2isapartmenthuntingwhichisrelatedtoatopiCthatsmdemsleam

mthetextbookTheyaretaughtavarietyofadjectivesandexpressionstodescribehousesand

apartmentswhichtheywillbeabletorecyclemtmstask.Thispresentationactivityismore

advancedmcomparisontothefirstexampleinthatsmdemshavetodoanlntemetsearchm

Englishmordertofindtheirfavoriteapartmentandtheyalsohaveto.describetheirfavorite

apartmentwiththelistingpattemwhichtheyhaveleamedintheclass.Atthesametime,this

taskgivesmorefifeedomtosmdemsbecausetheywillbeabletochoosetheirfavoritecountry

-140-

andconditionsfbrtheaprtmentDuringtheresearchperiod,teacherscangivesometipsasto

howtOdothelnternetresearchmEnglishandwhatkindofinfbnnationtheycanusetodescribe

theirapartment,fbrexample,location,amemtiesthattheaprtmenthas,reasonsastowhythey

choosetheapartment, andsoon. Tbmakethepresemationmore imerestmg, diHerem

expressionstostartandendapresemationcanbeprovided.ThiswillincreasesmdemRown

poolofavailablephrasesfbrotheractivities.Thepre-activitycanbeaconversationwiththeaim

toexplaintheirownaprtmentorroomtotheirpeers.

Therecommendedpresentationstyleisstillanmdividualpresemationinasmallgroupand

thesamepracticestyleasexplainedmdetailmexamplel iskept.Thiswillhelpsmdentsto

practicebasicskillsrepeatedlyandacquireskillsgaduallybSmdentsmaybedistributedaA4

researchpaperfbrtheirpresentationpreparationinanindividualpresemationmthecondition

thattheclaSsroomdoesnothaveenoughcomputerstoshowenoughPowerPointpresentationsat

thesametme.Thesizeoftheresearchpapershouldbebigenoughfbrthepresentationsthatare

performedasanindividualpresentationmasmallgroup.

(6)Examnple3

Tbpic:Myfavoriterecipe(arelatedtopicmthetextboolO

TBsk:Tbmtro血ceafavoriterecipe

Style:1n-gFoupmdividualpresentation

Practice:IndiVi血alpractice=>Peerrehearsal

FocusedSkills/Strategies:Weborbookresearch,thethneorderpattem,howtoexplamthe

cookingprocessclearly

Example3requires smdentstoresearchtheirownfavoriterecipe.Thetopicisalso

associatedwithonemthetextbook.Tmstaskmcludesseveralresearchskills, thetmeorder

pattern,andthewayhowtoexplaintheprocesscorrectly.Thesealsoarepatternswhichsmdems

havealreadyleamed・ThepresentationstyleandthepracticestylearethesameaSexamplel

and2,asaresult,fUrtherpracticeopportumtieswillbeprovided.Itischallengingfbrsmdentsm

thistasktoconstructastorylinethatwillexplamthecookingprocessesindetailandclearly

enough.Incaseswheresmdemsobtamarecipe丘omthelnternetsearch,theywillbeaskedto

explainthecookingprocessWiththeirownwords.Thelevelofvocabularyisalsomcreasedin

thispresemationactivityltshouldbeencouragedtousedrawingsorpicturesoftheirdishes

duringpresentationactivitiesasthisusuallyhelpsboththepresemertoexplainandtheaudience

tocomprehendthecookingprocessdAspre-activities, listeningorvisualmaterialactivities

aboutrecipesortalkingmpairsabouthowtomaketheirfavoritesnacksarerecommended_

Asthisisthethirdpresentation,smdentsshouldbynowhavebecomeaccustomedtoan

indivi血alpresemationmasmallgroup.Becausetheyarefamiliarwiththeprocessesandfeel

-141-

confidemabouttheirabilitytomanagechallenges, smdemsshouldbeabletostarttoenjoy

presentationactivities. T℃acherscanprovidemoreadvancedexpressionsofbeginningand

endmgofthepresentation,encourageaudiencesmdemstoaskmorecomplexqUestionsand

givemanycommemsandsoon.

(7)Example4

Tbpic:Myvacationplan/favoritethmgs

Task:Toexplamavacationplan/favoritethmgs

Style:Grouppresemationmtheclass "

Practice:hdividualpractice=>Peerrehearsal=>Group-to-gouprehearsal

FocusedSkills/Strategies:Thetmeorderpattern, thelistingpattem,grouppresemation

skills

Example4is themostadvancedtaskamongthe fburpresemationactivities. The

presentationstyleisagrouppresentationmtheclassandsmdentsneedtomakeaplanand

preparefbrthepresentationtogetherwiththeirgroupmembers.TheyarealSorequiredtoleam

theskillsfbrgfouppresentation,suchasintro血ctionofthepresemationandanextpresenter,

conclusionofthepresentationandsoon.Theyareexpectedtonotonlylearngrouppresentation

skillsbuttoalsousethestrategieslhattheyhaveleamed,suchasthetimeorderpattemandthe

listmgpattern.Thereismore丘eedommtheselectionofthetopics,whichrequiresmore

discussiontimethanmthepreviousexamples.Inthistask,onegroupmaychooseatopicSuch

asG6MyvacationplaninEurope''.Then,eachmembermthegFoupshouldpresemanmdividual

plantovisitdifferemplacesinEurope.Or,ifagoupchoosesGGMyfavoritethingsinn)araki''as

theirtopic, subtopicscanbeculmre,places, fbodsandsoon.Throughouttheresearchand

preparationprocess,smdemsshouldbeencouragedtomakeuseofasmanyoftheskillsthey

haveacquiredmpreviouspresemationtasksaspossible.Aspre-activities fbragoup

presentation,teacherscangivesometimefbrgoupdiscussion.Asusually)theteacher'ssupport

duringthediscussionwillbenecessary.

AsignificantdiHerencebetweenanmdividualpresentationinasmallgoupandagroup

presentationmtheclassisthepracticeprocess.Itisbettertohaveasecondrehearsalmthefbnn

ofgroup-to-gfouppracticeafterthemtialpeerrehearsal. Ingroup-to-gouppractice,smdems

shouldgivepresemationsasagroupwiththesamestyleasrealpresentations.Smdemsinthe

othergoupshouldgiveevaluationsandcommemswhichaimtohelpthemembersofthe

preseminggrouptoimprovetheirpresentations.Askingonesmdentintheaudiencegouptobe

atmekeeperwillbealsohelpfUl.Thisadditionalpracticewillprovidesmdentsanoppom皿皿ty

tomodifytheirpresentationscriptsandfeelmoreselfLconfidentmthefmalPresemation.

-142-

4.ConclusionandFurtherInterests

Inthispaper,methodstofUlfillthetwoessemialprerequisiteconditionsfbrteaching

presemationskillssuccessfilllyj i.e.howtoe血ancesmdemgmotivationandhowtodesigl

attractiveandachievablepresentationactivities,havebeenproposed.Takingthestrategiesto

createtheidealleamingandteachingenvironmentmtoconsideration,itbecomesclearthatitis

importamtofbcUsonteachingbasicpresemationskillsandrecyclmgfeamresthatsmdentshave

akeadyleamed. Inaddition, it is essemial toprovidea sufficiemamoumofpractice

opportumtiesinordertomakesmdemsfeelconfidemtoaccomplishpresentationactivities.

Whilethemainfbcusinthispaperwastheintro血ctionofmethodstoimprovebasic

presentationskillsthatwillhelpsmdentstomanagesimplepresentationactivities, Ibelieve,

withregardtoadvancedpresemationskills, thereisaroomfbrfilrtherresearch.Accordinglyj

myfUrtherimerestsincludepragmatictechniqUesmpresemations,suchashowtousediscourse

markers,gestures,facialexpressions,visualaids,andpauseeffectivelyjhowtodrawaudience's

attentionsuccessfilllyjandhowtoaccommodatepresentationstylestotheaudiencesuitably.

References

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motivationofL2smdems.J)4ZTJb"mαノ,Vol.29,No.1,pp、59-80,(2007).

-143-

教養教育に関する授業の実践報告

確率・統計授業実践報告(平成21年度)~予習・復習の習慣化に向けて~

ProbabilityandStatisticsteachingpracticereport(FY2009)

工学部情報工学科仙波一郎CollegeofEngineering

DepartmentofComputerandlnformationSciencesIchiroSemba

「習慣を自由になし得る者は人生において多くのことをなし得る。習慣は技術的なものである故に自由にすることができる」 という言葉がある。 「教育の質の向上」を具体的に実現するため、予習・復習の習慣を身に付けることを目標に授業科目 「確率・統計」で実践した結果を報告する。数年前から講義資料に空欄のあるテキストを作り、学生が資料を読みながら空欄を埋めることで、予習をするシステムを考えてきた。部分的に試行してきたが、平成21年度、準備ができたので実施した。授業アンケート結果や高い出席率・予習率などで、学生に受け入れられ、平均予習・復習時間の増加というデータなどによって、一定の効果が示されたと考える。予習をすることで、授業時に、誤解や分からないことがなくなっていき、最終的に、自力で学習できるという自信へのきっかけになればというのが担当者の願いである。

’●科目の位置づけ

(1)工学部情報工学科向けの1年・後期選択科目(2)平成19,20,21年度に担当

●授業形式

・教員側

(1)興味をもって考えられる質の高い教材を収集する。(2)教材から空欄を含む講義資料を作成し、 Webに公開する。

自力で考えて空欄を埋めていけるように工夫をする。このとき、学生が予習時に

・学生側

(1) Webに公開されている講義資料をダウンロードし予習をする。(2) この講義資料には空欄があり、予習時に考えて空欄を埋め、予習記録に記入する。(3)授業時に解説を聞きながら正解と予習記録をチェックし、正解数を求める。(4)授業終了時に教員が予習記録を回収し、累積正解数を記録し、個人別に偏差値を

求める。今年度は13回実施できた。(5)求めた偏差値は、 Webに掲載し、勉強の励みに役立たせる。

偏差値が50未満の場合、 クラス全体のペースより遅れていると判断でき、がんばる動機付けにできる。偏差値が50以上の場合、 クラスの中でがんばっていると判断でき、 50以上の偏差値を維持する努力やより高い偏差値を目指す励みにする。

●成績の付け方

(1)試験を行う。

(2)試験問題は、授業で扱った話題から偏りなく取り上げて、 42問作成した。試験時間90分程度。

問題のレベルは、授業での説明を聞き、練習問題を自分で実際に解いてみて理解していれば解ける程度に設定した。

-145-

授業科目 「確率・統計」について

高校での基礎学力確認テストの結果

平成19年度から平成21年度までの3年間、 1回目の授業時に、同じ問題(数え上げ分野から基礎的な問題12W)を解いてもらっている。素点分布の年度別推移を考察する。

基礎学力確認テスト(12点満点、6は6点以下)の素点分布50

÷平成19年度

40

00

32

人数

10

0

6 7 8 9

素点

10 11 12

(考察1)基礎学力確認テストでは、平成19年度、平成20年度、平成21年度と6点以下の人数が減少している。高校での基礎学力を身に付けている学生が増えているように見える。

’ 出席状況・予習状況出席状況・予習状況を考察する。

出席回数分布28

0505050

32211

===

人数 ←

| ’

4. ⑥

--1 0 ! O ! 0 ■■■■

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

出席回数

| ① ② ③ | ④

|予習率74% 90% 84% ’ 82%|出席率’ 97% 90% 85% 85%

lll

lll

111

111

⑨ ⑩ | ⑪

76% 65% 88%85% 71% ’ 88%新型インフルエンザ流行

⑫ ⑬

76% 59%93% 79%

84%

87%

⑥郵諏

⑦|塾頭

⑧烈珂

(考察1)毎回、出席をとることから、まじめに授業に出席しているようだ。(考察2)①,②,…は、予習記録を回収した1番目、 2番目の授業を意味する。予習率は、予習をしてきた学生の割合。出席率は、出席している学生の割合。両者とも高い値を示し、授業アンケート結果からもこの授業形式は受け入れられていると思われる。

-146-

点数

6以下ワI

8

9

10

11

12

平成19

年度

40

4

5

5

3

6

3

平成20

年度

32

9

11

8

4

1

4

平成21

年度

25

ワI

6

11F

D

4

5

出席回数0

1ワ臼

3

4

5

6

8

9

10

11

12

13

人数

1

0

1

0

0

0

0

1

4

8

11

12

28

68

’ 偏差値

偏差値について考察する。平均は、累積された正解数の平均の個数。

① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ | ⑬

平均 22 66 93 107 227 288113 130 137 168 186 215 251

標準

偏差15 28 37 43 44 49 52 69 86 92 105 11662

13回の予習結果から計算される偏差値を50以上であるかどうかに着目してその回数分布を考察する。

偏差値50以上取得回数分布

50505050

332211

29

Bpp

≦ o o o 3 4 1 po ' o ' _L,&'&!a'm|E' | ロ

一に

人数

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

回数

(考察1)偏差値50以上取得回数が10回以上(継続的に予習の努力していると解釈できる)の学生が38名、偏差値50以上取得回数が4回以下(予習の努力を継続的にしていないと解釈できる)の学生が25名いる。 このことから、勉学の目標をしっかり持つ層と勉学の目標が暖昧な層に二分されているようだ。また、分布が両端に偏っていることから、 この2層はある程度固定化していることが分かる。(考察2)分布が一様になっていると、 クラスのメンバーが予習に切瑳琢磨している状況であると予想され、好ましい状況と考えられる。

●参考データ偏差値

40以上

偏差値45以上

偏差値50以上

偏差値55以上

偏差値60以上

回数

0-1l2l3l4l5l6l7l89|Ⅲ|皿一吃一過

5l1l1l1l0l1l0lll2l1l1l3l8“

ml1l1l1l3lll0l2l4l1l0l1l2l狐

Ⅳl1l4lll2l0l0l1l2l2l2l3l4l調

配-9l3l2l1l2l3l3l1l3’’’’’1|胆

副-6l2l0l1l0l2l0l0l0l0l3l2l1

147-

回数

0

1

2

3

4

5

6ワ

8

9

10

11

12

13

偏差値50以上

17

1

4

1

2

0

0

1

2

2

2

3

4

29

’ ’試験素点分布

試験素点分布について考察する。 42点満点、平均は25点。

素点の分布(42点満点)

876543210

人数

一一》

’四旧睡

一一コ一

|ロ■ⅡⅡロⅡ■ロ’ 221 1 1 1 1p凹BⅡⅡⅡ皿ロ皿ロ| ’ ’

0000000000 1E亘画面ⅡⅡⅡⅡⅡⅡロⅡⅡⅡⅡr■■画面亘画

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42

素点

(考察1)試験問題は、授業で扱った話題から偏りなく出題している。(考察2)理解していないと解けない問題がほとんどなので、予習・復習をそれなりにして、 どうにか合格ラインにたどり着いた層が多いように思われる。

’偏差値と試験素点の関係

偏差値と成績素点の関係を考察した。

割合 備考

38%予習・復習を継続した。

22%予習はしたが復習塗継続しなかった。

7% 予習より復習に力を入れた。

26%予習・復習を継続しなかった。

6%

偏差値素点人数

50以上平均以上 26

50以上平均未満 15

50未満平均以上 5

50未満平均未満 18

欠席 4

68

偏差値⑬と素点の散布図

40

35

30

25

了全マ

、23◆◆

、ぱ゙◇論素20

点15

◆ ◆◆

◆◆▲

050

1 △マ

ー I

25 30 35 40 45 50 55 60 65 70

偏差値

(考察1)上位層の約20%は、ほっておいても勉強し、下位層の約20%は、なかなか勉強しない。また、中間層の60%は教え方次第といわれるが、偏差値50以上、試験素点平均以上の割合が38%であることから、授業改善の余地は多い。

-148-

予習・復習時間年度別推移

年度別の予習・復習時間を授業アンケートデータからまとめ、平均予習・復習時間を考察した。

平均予

習・復習時間

(分)

予習・

復習

時間

0分~

20分

20分~

40分

糸分

る/0

06

4 60分

以上0分

hl7

hl8

hl9

h20

h21

酬一馴一跳一凱一醐

剛一Ⅷ|蝿一慨一剛

16%

22%

39%

33%

31%

11%

4%

25%

33%

30%

11%

6%

18%

17%

28%

旧一叫一犯一調一“

■60分以上

□40分-60分

□20分-40分

口0分-20分

■0分

予習・復習時間 平均予習・復習時間(分)年度別推移

05050505050

544332211

→-

F■

三■■瞳■畦

I|

開》函■■認

■恥■■砲■|

■■■■■■■■

00

08

%%

38

要E■『墨

二k咳と

wil:-;

II[!‘‘、l-典::ロ〒

割合 ロ

I

hl7 hl8 hl9 h20 h21

年度

j合合

合割割j

割のの合

の分分割

分00の

1046上

合2一一以

割へ分分分

の分000

分0246

間OIくくく

時く××××

習×分分分分

復分0000

・01357

習一一十十十十

予均平

hl7hl8hl9h20h21

年度

(考察1)平成17年度、平成18年度は、非常勤講師が担当、平成19年度、平成20年度、平成21年度は仙波が担当。

(考察2)平成21年度の予習・復習時間で0分の割合が増加しているが、試験日に授業アンケートをしたためと思われる。平成19年度と平成20年度は試験日以外に実施。(考察3) この授業方式で予習・復習の時間が伸びている。質が高くても難解な教材はあきらめてしまうため、難しすぎず、質の高い教材に、年々少しずつ改訂していることが原因と思われる。また、 20分以上の予習・復習をしている学生が、 90%程度になっている。

-149-

まとめ

予習の動機付けは、効果があったようだが、復習への動機付けが弱かったようだ。復

習の動機付けを与えるため、前週の講義内容を理解しているかどうか、授業時に毎回確認テストを行い、 これについても個人別の偏差値を更新し公開するような方策が考えられる。また、学習意欲を維持するには、教材の質も大切である。質の高い教材を収集していく努力を続けていきたい。

(1)講義資料http://jubilo.cis. ibaraki.ac.jp/~isemba/KAKURITU/kakuritu.shtml

-150-

参考資料

空欄のあるテキストの例

問題1 表と裏の出る確率が、 1/2のコインは賭に使える。 もし、表と裏の出る確率が異なる場合、賭に使うにはどうすればよいか。

コインを2回投げて、表裏が出た場合と裏表が出た場合の2つを賭に使う。

表表と裏裏は捨てて賭に使わない。表の出る確率をpとすると、表裏の出る確率は、 p(1-p) 裏表の出る確率は、 (1-p)pとなり、同じ確率となる。

この方法では、決着が付かないこともあり得る。そこで、決着が付くまで平均何回必要か考察する。

n回連続決着しない確率は、決着する確率をs=2p(1-p)とすると、①| (1-s)" ||となる。決着するまでの平均回数は、

1一sも

jj

SS

詞0u

三②③④

1回目で決着する確率

2回目で決着する確率

3回目で決着する確率

n回目で決着する確率⑤| (1-s)'-1s l

を考慮すると、

⑥ s+2(1-s)s+3(1-s)2s+4(1-s)3s+ ・ ・ となる。

整理すると、⑦|mlとなる。

(参考)

1 +X+X2 +X3 +X4 +

1 +2x+3x2 +4x3 +

= 1/(1-x)

= 1/(1-x)'

問題2 表と裏の出る確率が同じ1/2であるコインを使って、一方の確率がl/3,他方の確率が2/3となる方法を考えよ。

(考察1)

コインを2回投げて、初めて表表が出たとき勝ち、初めて表裏または裏表

が出た時を負けとする。裏裏の場合は、無勝負として続ける。

| (1/4)+(1/4)'+(1/4)'+(1/4)#+・ ・ ・ |勝つ確率は、①

= 1/3

負ける確率は、②' 1/2+(1/4) (1/2)+(1/4)'(1/2)+=2/3

151-

nr鱗

0. 1

0.2

0.3

0.4

0.5

S職

0. 18

0.32

0.42

0.48

0.5

決着するまでの

平均回数

5.56

3. 13

2.38

2.08

2

開始

一ジブ、lを表、 0を裏とする。

ll lO O1

l/4 1/4 1/4

00

11 10

(1/4)2 (1/4)2

01 ()0

01 00ll lO

(1/4)$ (1/4)

ll lO O1 00

(1/4)! (1/4)4 (1/4)# (1/4)#

(考察2)

勝つ確率をxとすると、 x= 1/4+x/4より、 x= 1/3を得る。

負ける確率をyとすると、③ly= 1/2+xl4」より、 y=2/3を得る。決着するまでの平均回数は、

④1×(3/4) +2×(1/4) (3/4) +3×(1/4)2(3/4) +4×(1/4)3(3/4) +…|=4/3

(考察3)

0とlからなる長さ、の文字列2"個のうち、 a個を勝つ場合、 b個を負ける場合、残

りの2n-a-b個を無勝負に割り当てる。、

}そうすると

a

=a/2' +x(2n-a-b)/2。

=Ol b/2。 +y(2n-a-b)/2。 |Xy

十b

を得る。上式を解くと、ゥ、合

a/(a+b)

b/(a+b)Xy

二二

二=

2n-a-b

となる。

これは、 a,bが正整数の時、勝つ確率と負ける確率の比がa:bとなる方法を構成

できることを意味する。ただし、 nはa+b≦2mを満たす最小の整数とする。

決着する確率は、⑥(a+b)/2.1となるから、決着するまでの平均回数は、⑦| 2。/(a+b) |となる。

-152-

無勝負

教養科目推奨授業選定の経過及び結果

平成21年7月2日

平成20年度教養科目推奨授業選定の経過と結果

茨城大学大学教育センター長

森野浩

茨城大学大学教育センター推奨授業表彰に関する要項(以下要項)および推奨授業選定のため

の申し合わせ(以下申し合わせ)にしたがって、平成20年度教養科目推奨授業を選定しました

のでその経緯と結果を報告いたします。

選定の経緯

要項に従って、大学教育センター専門部会長に推奨授業候補授業の推薦を依頼。その結果、締

め切り期日までに3件の推薦があった。この3件が申し合わせの条件を満たしていることを確認

した。平成21年5月21日開催の専門部会長会議で各推薦授業について、資料(推薦書、受講

者の成績、学生による授業評価、専門部会固有の項目)に基づいて部会長から詳細な提案説明を

受け、質疑応答を行った。その結果、いずれの推薦授業も学生満足度が高く、教育上の様々な工

夫がなされており、 「教育上の多大な努力や優秀な教育技術等が認められる」推奨候補授業とし

て選考された。続いて、同日に開催された基礎教育運営委員会において上記3件の推奨候補授業

について審議を行い、推奨授業として異議なく了承された。そして6月4日に学長表彰式を執り

行った。現在、当該授業の参観日を設定、掲示中である。各授業の推薦理由は以下の通りである。

○推奨授業選定理由

1)身近な化学(分野別教養科目;化学と環境と生活:松川覚(教育学部) )

本授業は身近な化学について実感しながら学び、理解することを目標に、様々な演示教材を

用いながら、人文学部と教育学部学生対象の分かりやすい授業の展開を目指したものである。

学生の評価が割れやすい大人数クラス(176名)であるにもかかわらず、クラスの満足度が

0.88と非常に高かった。授業方法も、サイエンスショーや一言アンケートの導入など積極的に

新しい手法を取り入れ、学生の興味や理解を高める工夫が見られる。また昨年度の部会のFD

でもすでに優れた取り組みとして紹介され、内容も十分把握されている。

-153-

2)総合英語(学術用英語:竝木崇康(教育学部) )

本授業は、人文学部と理学部学生を対象に、学部専門教育で使える英語、つまり、講読に

焦点をあてたものである。並木先生の授業の特徴は、英文を正確に読むためのミクロな読みか

ら、英文の要約をさせるマクロな読みへと発展させ、最後は著者の主張に対して自分はどう考

えるか、 といったクリティカルリーディングまで発展させる所にある。総合英語科目の中では、

クラス満足度0.94と最高であった。また他の項目別満足度でも平均値をかなり上回っていた。

自由記述の欄にも、授業の面白さ、知的好奇心の充実、先生の専門性の高さに関する意見が述

べられており、授業の充実度の高さが示されていた。また授業では、ペアで実践的に英語を使

う機会を設けたり、予習できるように明確に教科書の範囲指定を行って、主体的に学習ができ

る環境を作っていた。

3)情報関連科目 (情報処理概論:原田隆郎(工学部) )

本授業(平成20年度分)は、人文学部学生を対象に、 コンピューターに対する親近感を育

み、セキュリティの概念を理解すること、及びコンピューターネットワークを用いた情報収集

から整理、その他の基礎的リテラシーの修得を目指したものである。今年度の情報関連科目の

中で、クラス満足度0.92と最高であった。また前年度の「情報処理概論」でも0.96(都市シス

テムエ学向け)、 0.93(人文学部向け)と1, 2位とすでに実績があった。学生の理解を上げるた

めに、レポート、小テストを頻繁に実施してその結果をフイードバックしたり、課題を設定し

「スライド審査会」を学生達に行わせ評価まで行うなど、学生が理解し活用できるレベルにす

るための様々な工夫が見られた。今回、情報関連科目からは初めての推薦である。

-154-

ニュースレター「ローザ・プルムラ」の軌跡

RalR"●茨城大学・大学教育セ

ニユースレター地鏥

入学生のみなさんへ

副学長(教育担当) 白石昌武

蕊通し知識を身に付けることばかりが大学生活ではありません。その目標として、打

ち込めるものであれば何でもいいのではないでしょうか?例えば資格を取る、留学を目指す、ボランティア活動

をする、クラブ活動で良い成績を残す等、色々あると思います。目標を持てば人間はそれに向かって努力できる

のです。そして結果的に人間的に成長するはずです。よく言われることは、 “日本の学生は外国の学生に比べて

非常に子供である”と言うこと、つまり、 自分で判断できない、決断できない、行動に移せないという点です。

このような悪説を覆すのは他の誰でもないみなさん自身です。入学されたみなさんが優秀であることは、我々教

職員が認めているところです。要は秘めたる能力をうまく発揮できないのではないか、 と危愼してます。勇気を

持って頑張って頂きたいと思います。

最後にみなさんにお願いしたいことは、人とのコミュニケーションを取ることを常に心がけて頂きたい、 と言

うことです。大学生活では勿論のこと、卒業後社会に出てからの他人とのコミュニケーションは非常に大事です。

そして、茨城大学に入学して良かったと思えるような学生生活を送って下さい。

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-155-

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11

大学教育センターから吉田宏二(専任教員)

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。大

学教育センター教員一同を代表して心よりお祝い申し

上げます。

当センターは、教養教育の企画や運営をはじめ、大

学の自己点検評価(授業アンケートやFD活動)や皆

さんの様々な教育支援を主な業務としている、皆さん

と深い関わりを持つ組織です。特に総合英語や理系基

礎教育では、習得度別のクラス編成を取り入れたきめ

細かな教養教育を実施しており、当センターの教育活

動の大きな2本柱であります。

ところで私は先日、休暇を利用して胄舂18きっぷ

で各駅停車の旅行をしました。普通列車1日乗り放題

という切符です。皆さんの中にも、 この春休みに利用

した人がいることでしょう。この旅行の醍醐味は、移

りゆく車窓の景色を眺めながら、また時には途中下車

をし、素朴ではあるが自分にとっては新しい発見に出

会えることです。そして、それは時間にゆとりのない

人には決して味わえない貴重なものなのです。

なぜここでこのような話をしたかといえば、大学に

入学したと同時に皆さんが手に入れた、 これまでにな

い多くの自由な時間を、 これからの教養教育から専門

教育へと続く大学教育の中で十二分に活かしてもらい

たいからです。

大学の教育は、大別すると前半の教養教育と後半の

専門教育に2つに分けられます。皆さんがこれから学

ぶ教養教育の期間は、様々な分野の科目を学び、専門

にとらわれない幅広い視野を育むための期間であると

ともに、各学部各学科の専門教育へとステップアップ

するための基礎固めの、いわば専門教育への準備期間

です。しかしながら向学心に燃え入学された皆さんは、

すぐにでも専門科目を学びたいことでしょう。そして

ややもすると、 この教養教育を回り道だと感じるかも

しれません。しかし、何事を行うにも、基礎をおろそ

かにして大成はありません。教養教育をゆっくりしっ

かり踏みしめるように学んでいく途中途中には、大学

受験のための学習では見えていなかづた、他人には些細なことかもしれないが、 自分にとって何か新鮮に感

じられる知識に出会うこともあるでしょう。また自分‘の知識が、誤った思い込みや暖昧だったと悟る場面も

あるかもしれません。そして何よりこの教養教育を着

実に一歩一歩、自由にあったペースで前に進み、教養

や基礎学力を確実なものとすることが肝心です。そし

てその暁には、皆さんの進むべき新しい道(専門教育)

がはっきりと現れることでしょう。焦らずゆっくり卒

業への道を歩んでいくことを祈ります。そう、各駅列

車の旅のように。

潅…一需一雲言弓白転車の駐輪につに|

自転車の駐輪に際しては、歩行者や車輌等の通1行に支障をきたしますので、定められた場所に駐 I

詞一、箔=

《一一一

一一

…理雷桂

掲示板に蓉注意』

学生用掲示板は、学生諸君に連絡事項を伝達す

るための唯一の方法です。掲示板には、大学の行

事、休講のお知らせ、教室の変更、学生の呼び出

し、試験及び授業に関することなど、学園生活に

必要な事項が掲示されます。掲示板を見ないこと

により所定の期日までに手続きなどができず、結

果として不利な取り扱いを受けることもあります。

また掲示板は、屋外掲示板と電子掲示板がありま

すので、登下校、授業の合間の際に掲示板を確認

してください。

毎日1回は必ず見ましょう。

輪してください。特に道路上の駐輪については、

事故の起こる危険がありますので、迷惑のかから

ないよう注意してください。 学生諸君のご協力を

よろしくお願いします。

携帯電話の使用(2ついて

講義棟内や公共の場所では、携帯電話の電源を;

切っておくか、 マナーモードに設定しておくよう

○にしてください

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-156-

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蕊紗;織燕蝋シ蕊警盗鯵瀧溌溌輝織鞠ア蒙寵翼漁溌蕊"RENANDI(レナンディ) "は、教育IT化の一環として平成18年度より導入され、現在は総合英語や理系基礎科目など150科目で使われています。アクセス方法は主に次の2通りです。

①https://renandiipcibaraki.acjp/renandi/と直接入力する方法②『茨城大学」と『大学教育センター』のホームページを経由する方法

ここでは②について説明します。『茨城大学」のホームページより、 “在学生”をクリックします。 リストアップ

された上から2番目の項目“教養教育(大学教育センター) ”をクリックすると、『大学教育センター」に移動しま

す(左下図参照)。 トップページの“あいさつ”の一番下にある“学習管理システム(RENANDI)へはこちらから

どうぞ。 ”をクリックすると、「RENANDI』に移動します(右下図参照)。ここで、ログインIDとパスワードが必

要ですが、 これらは入学時に学生全員に配布されるユーザーID・パスワードと同じです。ログインすると、利用可能な科目のリストが現れます。

『RENANDI』へは、インターネットにつながる環境であれば、学内・学外を問わず、アクセス可能です。水戸キャンパスで利用可能なパソコンは以下の通りです。ぜひ活用してください。

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新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。みなさんは今、これから始まる学生生活に対し期待と不安

でいっぱいではないでしょうか。そこで本号では上記の特集を組みました。今舂卒業されたばかりの多くの先輩が後輩となったみなさんへ寄せてくれた、貢菫なアドバイスを参考に、有意義で充実した4年間にしましょう。

鎌 ■霧毒》八麗永崎緑さん(哲学専攻卒)

新入学生の皆さん、 こんにちは! 2009年に人文学

部の哲学専攻を卒業しました、永崎と申します。

まずはご入学おめでとうございます。茨城大学は、

良い環境で有意義な勉強ができるところです。水戸に

留まる方々も、日立や阿見に行くことになる方も、ぜ

ひ水戸での1年間を楽しんでください。

さて、ここからは茨城大学人文学部の特徴について、

私見ですが皆さんのお役に立ちそうなあれこれをお伝

えしたいと思います。しばしお付き合いくださいませ。

まず、人文学部の人びとについてですが。学生職員

問わず、なぜかしら優しく温かい方がとても多いよう

です。争いごとよりは仲良しになるほうを選びたい、

そんな関係をお望みでしたらベストの学校でしょう。

先生方についても同じようなことが言えるでしょ

う。職業柄なのでしょうか、やはり個性的な方が多い

ので最初は近寄りがたく感じるでしょうが、ぜひお喋

りの機会を設けてごらんなさい。歓迎と期待を受けて、

大学生らしい誇らしさを感じることができます。

勉強のカリキュラムについては、モデル別に分かれ

た後に、でき得る限りの自主性が尊重されています。

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何を学び、何を目指すかを選ぶのはあなた自身です。

のんびりと道を探したい方には、担任の先生にある程

度のテンプレートを作って貰うことも可能です。もち

ろん大学は学ぶ場所ですので、自ら学ぼうとする方に

こそ素晴らしい道が開けるでしょう。

最後に、皆さんご心配でしょう就職活動についてお

話しましょう。「人文系の学科は就職に弱い」という俗

説については、私見ですが賛成しかねます。理系学部

の皆さんのように專門知識を求められる職業と、そう

でない職業がありますよね?普通はその双方に需要が

あり、どちらをより欲しいということはありませんで

しょう。活動は3年生の秋口から冬にかけて始めるの

が一般的ですが、アルバイトやサークル活動、勉強を

楽しんでおくと思わぬ収穫があったりもしますよ。

長々とお話をしてしまいましたが、新入生の皆さま

に一番にお伝えしたいことは、楽しいキャンパスライ

フを送っていただきたいということです。それが何よ

りも、人生の収穫になるはずです。どうぞ、良い4年

間を。

山崎有望さん(心理学専攻卒)

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。私は、

大学生活の要である卒業研究および卒業論文について

話させていただきたいと思います。よく皆さんは「大

学に入ったら、 自分で好きなこと、勉強したいことを

見つけて自主的に学んでいくものだ、そして卒業論文

を書くものだ」などと、周りの人たちから言われてき

たと思いますが、人文学部で卒業研究を行い卒業論文

を執筆するということは、「自ら疑問に抱いたことに関

して、調査をし、たくさんの文献を読みあさり、 自ら

調べたことで、何が言えて何が言えないのかを論じる、

そしてそれをはじめて読む人にもわかるような形で発

表し、論じたものを遺していく」といった、社会に出

て要求されるたくさんの能力を身に付けていくことで

す。それは、受験勉強よりも楽しく、やりがいのある

ものです。

とはいえ、最初からそのようなことはできるわけが

ありません。そのために教養科目といったものがあり、

そこでレポートの書き方や、先生が提供するテーマに

ついて調べるなど、卒業論文の執筆への橋渡しのよう

な、いわば練習をl~2年間かけて行います。

アドバイスとしては、すべての履修科目を全力でや

れとは言いませんが、楽しんで卒業研究を執筆できる

-158-

laalazulagNq38

ようになるためにも、授業では、ある程度まじめな態

度で取り組んだほうが良いかと思います。授業は、高

校までと同様にただ聞いているだけでは、楽しくなり

ません。周りの空気ばかりを気にして硬くなっている

のは、もったいないことです。どんどん質問していつ

てください。それから、学部を越えて(自分の研究テー

マに関連のある)先生方とたくさん話をする機会を自

分から作っていくと、なおさら良いかと思います。

有意義な学生生活をお過ごしください。

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藤田亜沙美さん(家庭選修卒)

教育学部では、たくさん人と関わることを通して、

幅広い知識を身につけ専門性を高めるなど、有意義な

経験ができるのではないでしょうか。そこで、以下2

点について紹介します。

まず、教育学部は授業に対し気合が必要です。特に

1, 2年次は講義が多く、試験やレポートもあり、 日

頃から準備しておかないと学期末に苦しむことになり

ます。また、 3, 4年次に教育実習があります。実習

では、講義だけでは学べない多くのことを体験でき、

進路を決める上でも重要な経験ができます。私自身、

実習を通し「先生になりたい」という気持ちが強くな

りました。日々の生活に追われ、つらいと感じること

もあるかもしれませんが、どの講義も実習も無駄なこ

とはなく、何かを学び、乗り越えた時に達成感を味わ

うことができると思います。

次に、教育学部では行事を十分に楽しむことができ

ます。教育学部は各学科の人数が少なく、つながりが

とても強いといえます。家庭選修では、スポーツ大会

やゼミについて知る会等をはじめ、楽しいイベントが

あります。また茨苑祭では、先輩方から受け継いだレ

シピをもとにクッキーを作るのが伝統となっていま

す。仲間と共に一生懸命になれる経験がたくさんでき

よかったと思っています。このように、学科ごとに独

自の行事があるのも教育学部の特色です。

最後に、大学の4年間は本当にあっという間に過ぎ

てしまいます。何となくでも過ごせますが、是非、楽

しく充実したものにしてほしいです。私は4年間通し

て、何に対しても「自分から学ぶ、やってみる」とい

う意識が大切だと何度も感じ、それが有意義な大学生

活のためのポイントではないかと思いました。私の体

験談が、皆さんの大学生活において少しでも参考にな

れば嬉しいです。今後の皆さんのご活躍を期待してい

ます。

霧 ■蕊" f蕊"蕊馨綴蕊;?蕊γ ■蕊米山晃平さん(自然機能科学科卒)

「理学部の伝統」という題目で文章を書かせてもらっ 学科が混在しているような状態が続いていました。そ

ています。伝統という言葉をキーワードに4年間を振 の影響で授業内容が多岐にわたり、授業担当教授の研り返ると、私が感じる伝統は、配属された研究室で毎 究室も学科の枠を越えた布陣になっています。

年、新メンバー歓迎をかねた忘年会で「ボーリング」 もしかすると、新入生は「やりたかったことと違を必ずやる。といった程度のもので、理学部全員が体 う」と思う場面もあるかもしれません。しかし、それ験するような、強烈な印象を持つ伝統はないのかもし は以前1つだった学科の形態によるもので、学ぶ上でれません。 は有益になる情報を先生方は提供してくださっている

しかし、新入生のみなさんは気づいているかもしれ はずです。枠を越えた授業内容。これを悪しき伝統とませんが、理学部のカリキュラムは少し独特で、以前 とるか、残すべき伝統ととるかは新入生のみなさんが

までの「数理科学・地球環境科学・自然機能科学」科 これからの4年間で判断してみてください。長いよう制の名残を残しています。今では数学科、物理学科 でアッという間の4年間だとは思います。力強く学ん……と分類されていますが、昔は1つの学科に2つの でください。

-159-

"laaIE"zmla No.38

村上昌弘さん(地球生命環境科学科卒)

大学の講義と高校までの授業の違いとは。それは、

自分の受ける講義は『自分で決めなければいけない」

と言うことです。今までは与えられた時間割にそって

授業を受けていたかもしれませんが、 これからは自分

の受ける講義は自分で選ぶことになります。

講義の選び方はどれでもいいと言うわけではなく、

学科やコースごとにおおよそ決まっています。

私の在籍した理学部生物科学コースは、ゲノム生物

学・細胞生物学・発生生物学などの基礎生命科学分野

と系統分類学・生態学などの多様性生物学分野の2つ

からなっています。生物科学について幅広く学ぶこと

が出来るのが特徴です。 l~3年までは主に講義を受

けることになり、 1年のうちは教養科目が主です。学

年が上がるにつれより専門性の高い講義内容になって

いきますが、 ここでは講義内容も難しくなってくるた

め付いて行くのに必死でした。

4年になると研究室に配属され、卒業研究に取り組

むことになります。私は森野浩教官の研究室に在籍し、

動物分類学や多様性生物学について学びました。私の

研究テーマは、魚類の食性についてですが、研究テー

マは学生ごとに異なります。研究室は、指導教官をは

じめ多くの学生と意見を交換する充実した所です。

自分のやりたい研究や、アルバイトやサークル活動

など、限られた時間を有効に使い、充実した学生生活

を送るためには自らの時間割をきちんと立てることが

不可欠です。単位を落としてしまうと限られた大学生

活の時間を無駄にしてしまうことになります。自分が

決めたことは責任を持って、有意義に大学生活を楽し

んでください。

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蕊#蕊Ⅱ #蕊 #蕊 ?;蕊騨蟻川島武士さん(知能システムエ学科卒)

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。新

しい環境で期待に胸を膨らませているでしょうか?分

からないことばかりで不安な方もいらっしゃるでしょ

う。大学生活は貴重な経験ができる場ですので、リラッ

クスして楽しんで下さい。

私は社会人4年目のとき、 Bコースで仕事をしなが

ら大学で学ぶことを決意しました。仕事との両立、勉

強のブランクなどからの不安もありましたが、新しい

経験ができることに期待を膨らませ、入学したことを

今でも鮮明に覚えています。大学に通い始め、社会人

ということもあり、時間の大切さを痛感し、勉学・仕

事のメリハリをつけながら、常に時間を意識して計画

性を持って取り組んできました。

知能システムエ学科は、コンピュータとメカ技術の

融合分野を担う技術者の育成を目的として幅広い教育

がされており〈システム系の仕事をしている私にとっ

てメカ技術を勉強することは、 とても視野が広がりま

した。学科が新設されて間もないということもあり、

授業やカリキュラム・実験など先生方も手探りの部分

もありましたが、学生の意見等も積極的に吸収され、

学びやすい環境になっていると感じています。幅広い

教育のもと、様々な履修ができ、幅広い知識を得るこ

とができるため、技術への視野が広がることでしょう。

大学生活4年間はあっという間です。皆さんも時間

を有効活用し、未来の自分を想像して、未来に向けて

の道筋を自分で切り開いていって下さい。

宮崎 朗さん(電気電子工学科卒)

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

私が送るアドバイスがこれから4年間茨城大学の学生

として生活していく上で多少なりとも参考になればと

思います。私が所属している電気電子工学科は1, 2

年次は電気電子工学を学ぶ上で基礎となる学力を身に

つけ、 3年次からより専門的な知識を身につけていく

という教育課程をとっています。そのため、 1, 2年

次に学ぶことは3年次以降では当然わかっているもの

として講義は進んでいきます。なので1, 2年次のう

ちからしっかりと学んでおくことが3年次からの講義

を理解するうえで大切になります。また、今の電気電

子工学科では3年次に電気コースと電子コースの2

コースに分かれ、それぞれが少人数で専門の知識を効

率よく身につけることができるようになりました。こ

れについては、自分が将来やりたいことは何なのかを

早いうちから考え、どちらを選択するか直前に迷うこ

-160-

No.381aaiamulag

とのないようにしておくことが以降の勉学に意味を見

いだせることにつながるのではないかと思います。大

学でいろいろなことを学んでいく上で大切なことをひ

とつあげるとすれば、私は自分から学ぶことだと思い

ます。これを意識して日々勉強していれば、最後の砦

である卒業研究においても臆することなく挑んでいけ

るようになると思います。最後になりましたが新入生

の皆さんの大学生活が楽しく、有意義なものになるよ

う願っています。

霧 』蕊;鎧謬鰯;蕊# 〆隷§?梅崎修平さん(資源生物科学科卒)

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。憧

れの大学生活は、長いようであっという間です。えら

そうな事は言えないですが、大学4年間を過ごした先

輩として、新入生の皆さんに少しばかりアドバイスし

たいと思います。

1 .好きな事にチャレンジ!大学生活は授業もあり

ますが、 自分の時間がたくさんあります。この時間を

どう活かすか、それは皆さん次第です。正直、僕はバ

レーボールにアカペラ、アルバイト、自転車で一人旅、

時には友達と飲み明かし、そして好きな研究に打ち込

みと、僕は充実した大学生活を送ってきました。皆さ

んもやりたい事にぜひ挑戦してみて下さい…とは言っ

ても、好きな事ばかりでは単位を落す、留年すること

になります。大学は高校と違い自分で授業を選び、誰

に強要されるでもなく自ら学ばなければなりません。

そこで大事なのは「メリハリ」。これが時間をうまく

使うためのコツだと、 4年間を通じて学びました。

2.色んな人と交流しよう!南は沖縄から北は北海

道まで、留学生も含めて多くの人が大学には集まりま

す。その中で生まれる出会いはかけがえのないもので

す。時には人生観がガラリと変わる出会いもあります。

そういった環境に飛び込むことも、大学での楽しみ方

の一つです。

3.感謝の気持ち1大学で出会った人達みんなに感

謝の気持ちを忘れないで下さい。また、僕が大学生活

をこうして送れたのは、汗水流して働いてくれた両親

のおかげです。責任ある大学生活を送って卒業するこ

と、それが支えてくれた人達への恩返しだと思います。

このアドバイスが役に立つかは分かりませんが、茨

城大学での4年間が皆さんにとって素敵な時間となる

よう応援しています。

近藤真実さん・関真都佳さん(生物生産科学科)

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。辛

かった大学受験も終わり、いよいよ新しい生活が始ま

ります。始めは慣れないことも多く、期待ばかりでな

く不安も大きいかと思いますが、先に茨城大学に入学

した先輩として、ささやかながらアドバイスをしたい

と思います。私たちは農学部に在籍していたので、少

し先の話になりますが、 ここでは農学部について主に

話していこうと思います。

農学部は2年生から阿見キャンパスに移ります。広

大な圃場がキャンパスに隣接していることもあり、実

習などで実際に農作業を体験できる機会も多く、農業

を学ぶ場としては最適な場所であると言えます。圃塲

では、現代GPの一環として地域の方を招いての家庭

菜園講座も開かれており、地域の方と一緒になって農

業に取り組むこともできます。このように、地域の方

と結びつきがあるのも、他の学部にはない農学部の特

徴の1つです。学生ではない、幅広い年齢の方と接す

ることで、普段の授業では得られないような知識、考

え方を得ることができ、自分自身の知見を広めること

にもなりますし、コミュニケーション能力も身につく

ことと思います。

このような取り組みに積極的に挑戦する一方で、授

業も大切にしなければいけません。農学部は、 2年生

になってから本格的に専門科目を学び、実験なども

入ってくるため忙しくなります。開講されている教養

科目も少ないので、水戸で取れる単位はきちんと取っ

ておくことをお勧めします。

最後になりますが、皆さんの大学生活が充実したも

のになりますよう、心から応援しています。

-161-

.laafRmla No.38

, ‐茅.記■

-162-

RalM●茨城大学・大学教

ローザ

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ニュースレター岬39

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諸キの諸っ出ま自の

リその持をりるて。

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さて、その前に、 自分たちの茨城大学について、その成り立ちや60年の歴史について知っておくことは茨大生

として必要ではないでしょうか。なぜ、茨城大学は複数のキャンパスに別れているのでしょうか。ご存知の学生

さんは少ないでしょう。終戦後にそれまでの各地方の専門学校、高等学校、教員養成学校(師範学校)1などがそ

れぞれで統合され、多くの新しい総合大学が各地方にできました。それを推進したのは、アメリカ教育施設団に

よる日本の教育改革の勧告によります◎明治の初めにできた日本の最初の総合大学(東京大学)以来、 日本の大

学は国家権力との結びつきや専門教育志向が強く、 自立性が弱かったのです。

これに対して戦後日本の健全な将来を考えてのことだと思いますが、使節団は大学の開放と増設、一般教育の拡

充の必要性を痛感し、上記の新制の総合大学の設立を進めました。同使節団の教育改革勧告では、大学の任務は、

自由な思想、大胆な探求$民衆のための希望ある行動の模範を示すこと、 とされています。茨城大学の創設は

1949年5月で、水戸高校、茨城(青年)師範学校、多賀工業専門学校が統合されました。その3年後に県立農科

大学が一緒になり、現在の5学部体制が整いまじた。茨城高校と師範学校は水戸にあり、多賀高専は日立、農科大学は阿見でしたので、それ以来の分離キャンパスというわけです。他の多くの地方国立大学と同様にこのよう

な歴史と背景の上にできた教育機関ですが、アメリカ使節団の高い理想は、必ずしも我々の実利中心的教育観に浸透してきたとはいえないようです。

コーザ・ブルム

第39号平観'1汪鱈10国顎

-163-

'laafR"zula No.39

学園生活を楽しみ、勉強しなさい

佐藤和夫(大学教育センター副センター長)

入学して半年経って、大学にも随分と慣れてきたこ

とだろう」。 もしかすると慣れすぎてだれてきている

かもしれない。そんなときは別な視点からこの学園を

眺めてみるとよい。当たり前のように見えるものが、

実はそうでもないのだ。

まずは正門。立派な御影石造りで、大学創立期以来

のものである。伝統と歴史を感じ取ってほしい。中へ

入って左手に折れれば、大きな銀杏の木が見える。学

園の成長とともに歩んできた。旧陸軍の兵舎の跡に立

つ我が大学では古強者というにふさわしい風格を備え

ている。

さらに右に折れると学生センターの入り口が見えて

くる。白っばけていて、違和感がある、 と悪口を言う

人もいる。‘私もそうだった。そんなに広くもないが、

入れば中はほとんど空っぽで、密かにLR2などと呼ん

だものだ。しかし花嫁の白無垢にも似て、大学生活を

どのような色に染め、中身をどう充実させるかは、な

んと言っても学生諸君の働きかけ次第にかかっている

ことを示唆しているのだ、 と受けとめることもできる

だろう。

学生センターの入り口を抜けると、近頃整備された

「ライト・コート」がある。建物に囲まれた光降り注ぐ

場所なので、こう名づけられたのだろうが、できれば

このような軽い名前ではなく、 ドイツ語とフランス語

を折衷して「ホープ●カフェ」と呼びたいところだ。

「ホープ」はドイツ語で「中庭」、文脈次第では「宮廷」

の意味さえあるO 「カフェ」に説明はいらないだろう。

ここにはパラソル付きのテーブルといすが用意され、

自動販売機まであって喉の渇きを癒してくれるし、談

笑もできる。このようなしゃれた所は茨城大学広しと

言えども、ここしかないO大いに利用してほしいo

実はつい先日まで学生センターの入り口には大学へ

入った人のためにもっとふさわしい、ややデフォルメ

した石造りの人物像が置かれていた。この像はどこ

か、 ヨーロッパ人文主義の大碩学、エラスムス先生を

思わせた。先生は中世には抑圧されていたギリシア、

ローマの学問を復活させた偉い学者であるだけではな

く、それをわかりやすく学生に教えることもできた優

れた教育者でもあったのだ。これ以上ここにふさわし

いものはないと思っていたのだが、別なところへお移

りになってしまった3o

「われらの学園」が大学生活を楽しみ、勉強するのに

ふさわしい場所であることが少しはわかっていただけ

ただろうか。さていよいよ後学期。大学が専門学校と

違うのは幅広く教養科目が学べるからである。しっか

り勉強して、充実した日々を送ってほしい0

(「エラスムス先生」、ホルバイン画) 「似ている!?」

l この文章は1年生を想定して書いた。

2 ドイツ語の "leererRaum" (空虚な空間) の頭文字

3現在は教育学部B棟脇におられる。作者名もタイトルもそこでわかるかもしれない。 「エラスムス先生」はベビー・サークル

に入れられたみたいでやや寂しげに見える。

-164-

laIR"zula.No.39

斑蕊蕊譲蕊義識篝塞篝篝蕊鍵蝋”‘…舞纐溌興鱒轍綴ノ

推奨授業表彰制度は、前学期及び後学期毎における教養科目の中から推奨授業を選定し、担当教員を表彰することによって、授業の質的向上を図ることを目的に、 2001年度に制定されました。

推奨授業は、専任教員及び非常勤講師が担当するすべての正課授業を対象とし、 「推奨授業表彰候補者推薦書」、

「学生による授業評価」、 「当該授業の成績評価」、 「シラバス」、 「表彰候補者の面接」など教育上の多大な努力や優秀な教育技術等を総合的に評価し選定されます。

平成20年度推奨授業には、次の3つの授業が選定されました。

○身近な化学「化学と環境と生活」 松川覚先生(教育学部)

授業概要:我々の生活の中には様々な化学が潜んでいます。 もちろん環境問題の中にも多くの化学が存在します。 したがって、「化学」を学ぶことは我々の生活を豊かにしたり心を豊かにしたりすることの助けになるといえ

ます。本講義では、化学の基本、身近な化学について様々な演示教材を用いながら分かりやすい授業をおこない

ます。一部「サイエンスショー」形式でもおこないます。化学が苦手な人もどうぞ11お楽しみに!!

○総合英語「学術用英語」 竝木崇康先碓(教育学部)

授業概要:講読、正誤問題、文の完成、イディオム、語彙の問題などを扱う教科書を使います。前半は英文を正

確に読むための基本として和訳や文法的な説明に力を入れ、次に英文の要約をするようにして、最後は要約によ

る理解をもとにして、著者の主張に対して自分はどう考えるか、 という態度を身につけるきっかけにします。

○情報処理概論 原III 隆郎先碓(K学部)

授業概要:前半は汎用的に用いられているネットワーク関連ソフト、文章作成および表計算ソフト、プレゼン

テーション用ソフトを利用し、情報の収集・整理・利用方法、文章作成・表計算・表現技術を学びます。後半は

「茨城大学のホットスポット調査」という課題を通して、前半の授業で学習した情報関連技術の応用について学習します。

*授業概要は平成20年度教養科目シラバスより抜粋~

識》

…雪平成20年度推奨授業の表彰式 (H21.6.10学長室において)

一番左から原田隆郎先生、竝木崇康先生、松川覚先生、池田学長、森野センター長、佐藤副センター長、勝本副センター長)

-165-

勤忌afRmlaNQ39

ローサフルムー

39

平成20年度推奨授業表彰を受けられた松川覚先生(教育毒部)、竝木崇康先生(教育学部)、原田隆郎先生(工

営部)にお話しをうかがいました。各先生が授業に注がれている熱い情熱とメッセージを感じてください。

松川覚先生(教育学部)

「身近な化学(化学と環境と生活)」

fk執

受賞に関するご感想を教えてください。

率直に言いますとうれしいですね。ちょうど教養の

分野別自然を引き受けて6年目になりますが、 6年間

より良い授業をやろうとしてきた努力が認められたと

いう点で嬉しいです。

受賞された身近な化学とはどういう授業なのか?

人文学部と教育学部向けの授業でありまして、受講

者の多くの学生は化学を得意としていない、あるいは

それほど強い興味を持っているとはいえない学生だと

思います。

そのような学生を対象に、身の回りにある身近な化

学現象を実感してもらい、 さらにその現象が高校まで

に習った知識を活かして、こんな風に解釈できるんだ

ということをやっています。また近年問題になってい

る環境問題に関しても化学とのつながりについて理解

してもらうようなことを目指しています。

おそらく今後、受講学生の多くは授業という形で自

然科学を学ぶということは残念ながらないわけですけ

ど、何かの機会に「あっそうだ教養の時間にあんなこ

とを学んだなあ」ということを思い出して、知識とし

てちょっとでも役に立てばということを目標としてい

ます。

(篭ノ。ノ これは小規模でもできるのですが、大人数授

業でやる時には大きく見せることによって、大きなイ

ンパクトを学生に与えることができます。こういった

演示実験は大学の授業ではあまりないのですが、小中

学校の義務教育では当たり前なんですね。実験して実

感して理解する。大学の授業でもそのような授業形式

があってよいと思います。

またこれは今後の課題になるのですが、現在は私が

実際に演じて実感してもらうわけですけれども、学生

一人一人が実験するということも考えています。目で

見て実感してもらうから、実際に手を動かしてもらっ

て実感してもらうようにしたいのです。

学生から非常に高いアンケート評価を受けておられま

すが、先生ご自身はどんな所が学生に-番評価された

とお感じでしょうか?

これは非常に気をつけているところなのですが、あ

くまでも授業というのは教員と学生の両方がいてこそ

成り立つので、一緒に授業を作り上げていくという気

持ちがまずなければならないと考えています。授業は

教員の物ではなく学生のもの、当たり前なのですがこ

れを常に念頭において毎回の授業で完全燃焼できるよ

うにがんばっています。

また、私は大道芸、ストリートパフォーマンスを見

るのが好きなのですが、そういうのを見ると、やって

いる芸というのは、ほとんどみなさん同じ芸なのです

ね。でも思わずひきつけられ、楽しく見られるものも

あれば、そうでないものもあります。まったく同じで

はないですけれども、授業でも如何に学生を引き付け

「サイエンスショー」というものを行っているそうです

が、

いくら板書して、そして説明をしても理解してもら

えないことはよくあると思います。そこで学生が自分

の目で見て実感することを重視し、ここ数年、様々な

教材を工夫しています。今では、毎回の授業で何らか

の演示実験を行っています。化学現象に対し学生の目

を引き付ける、 もしくは気持ちを引き寄せるという点

でも、演示実験の役割は大きいと考えています。

例えばこんな感じです。 (炎色反応の実驍の実演、

目の前に大きを音とともに赤い炎が広がりました

-166-

laaiR"zula.No.39

るか?これも大事だと思います◎私の場合はそれがサ ロ-も次の授業でしています。授業アンケートでは面

イエンスショーであったり、物事を若干擬人化して教 白いメッセージを書いてくれる学生さんもいて、そう

えるような授業方法であったりします。時には笑いを いうのを読むのも楽しみにしています。

とるようなトークもします。どんなよい内容を授業で

伝えてもそれを聞いてもらえなければ意味がないわけ 最後に学生へのメッセージをお願いします。

ですから。 特に教養科目というのは自分の専門科目とは異なっ

また、ストリートパフオーマーはllForyou"の気 たことを学ぶ機会になると思いますが、授業を受け勉

持ち、観客あっての自分という心構えが大事だとよく 強したわけですので、そこで学んだことをそれっきり

言います。 @0Foryou''の気持ち、まさにそういったと にしないで、そのあと何か機会があったときには思い

ころ見習わなければならないと思いながら、授業を 出したりとか、忘れないようにして心掛けて<ださ

行っています。 い。例えば、私の授業でいえば、化学に少しでも興味

なおかつなるべくわかりやすく説明することも重視 を持ち続け、ある身近な現象に触れた時に、そういえ

しています。その一環として毎週授業アンケートを ぱこんな化学的な仕組みを学習したなぁというのを思

し、わからないところを聞き、それについてのフォ い出してくれればいいと思います6解令…岬一観÷戦争蝉今……鞍…碑……悪宇曲蓉鐸…争蝉令唾っ”-”一錦÷少診一癖≠蝿一…一”争卜¥一f~f垪争メ¥律錨一J一一…鐸今錨一識~群今…識幸蝉÷狸寺塞一……寺一…今…趣今鐸令…蝉今…堅寺部つ…令韓●…今…ー域や一一蝉今…学や一寺砥●や全一一今舞…●ー

竝木崇康 (なみきたかやす)先生(教育学部)

「総合英語(学術用英語)」

受賞に関するご感想を教えてください。

思いがけなかったことなので、半分驚いて半分嬉し

かったというところですね。

この授業の中では、 リーディングを取り上げていま

す。特に、批判的に読めるようにということを心がけ

ています。私は言語学が専門で、決してリーディング

や英語スキルの専門家ではないので、ある方法論に基

づいてというよりは、大学生だったらこういう基本的

な読み方から徐々に進んで、最終的にはある程度批判

的に読めるようにと。そういうようなことを自己流で

やってきたものをお認めいただいたということです。

だからそういう意味では驚いたところもあり、かつ非

常に嬉しかったということです。

……

■5Jb、.FPP少

かということを、いっぺんにやるのではなくて、段階

的にやっていこうということです。

最初は文ごとに和訳をしていくことが基本です。そ

こからある程度きちんと文の構造というものを理解し

て訳ができるようなったら、今度は段落ごとに要約を

していき、最終的には自分が読んでいる文章全体を理

解するだけでなく、その主張はどの程度確かなのか、

あるいはどういう根拠をあげていっているのか、 自分

はそれに対してどう思うかということを、ある程度考

えられるようなきっかけを与えられればいいなと考え

ています。

受賞された学術用英語とはどういう授業なのかもう少

し詳しく教えていただけますか?

総合英語の中でも学術用英語というのは、 4技能の

総合的なレベルアップを目指したレベル別授業の方で

はなくて、 レベル3を修了した学生が今度はリーディ

ング、あるいはディスカッションなど専門教育への接

続を目指し、特定の能力のレベルアップをめざし履修

する授業です。

ですから私が気をつけているのは4技能のことはす

でにある程度やったのだけれども、できれば今後いろ

いろなものを読んでいく、特にある程度専門的なもの

を読むときに、どういうことに気をつけて読んでいく

学生から非常に高いアンケート評価を受けておられま

すが、先生ご自身はどんな所が学生に一番評価された

とお感じでしょうか?

私自身の感じとしては、英語の勉強は面白いと思っ

た学生がかなり多かったという印象です。 「今まで嫌

いだったのだけど、この授業を受けて英語が好きに

なった。」というアンケートの自由記述もありました。

教科書を教えるだけだったらそうはいかないのです

-167-

.laaiB''UlaNo.39

が、教科書以外にもいろいろなことをやるので、それ

も含めて英語の勉強は面白いという具合に思ってくれ

たのではないかと思います。

なのにそうなりません。それはなぜかというと、形の

上では疑問文なんだけど、本当は「良かったら袋に入

れますよ。」というある種の申し出なんです。そう考え

ると "Yes, please.'' (はい、お願いします)や"No,

thankyou.'' (いいえ、結構です) という答えが返って

くるという理由もわかります。実際、授業で聞いてみ

ると大抵みんな「かばんはいかがですか」となり、 「で

はどこでどういう場面で使うと思いますか」と聞くと、

「デパートのカバン売り場」という具合にどうしても答

えがちです。だけど実は"bag"には「袋」という意

味があって、お店で買い物をした時にこうやって使う

んだよ、という話をすると、 「ああ-」っていう反応を

する人が多いんです。これはほんの一例ですが、外国

に出たことがないと、簡単そうで意外とわからないこ

とがあるんですね。

''UsefulExpressions"というものを授業毎に行って

いるそうですが、

毎回教科書に入る前に、 1つのトピックを決めて

やっています。それは教科書の内容とは必ずしも一致

しませんが、現代のアメリカではよく日常的に使われ

るけれど、意外と日本では知られていない表現を取り

上げています。それはどういう場面でどのように使う

かとか、文法的にはどういう特徴があるのかとか、ま

ず授業の最初にそれをやって、学生がいきなり授業に

入るのではなく、その前の肩慣らし、学習への前向き

なきっかけづくりみたいな感じでやっています。

例えばどんな感じでしょう?

最初にアメリカに留学した時の経験で、これは文化

面でちょっと日本とは違うなと実感したことがありま

した。具体的な例をあげると、買い物をしてお金を払

うときに0@Wouldyoulikeabag?'' と店員が聞くので

すが、日本人の普通の学生にとってはbagといえばカ

バンなんですね。ところが辞典を引いてみると、 まず

基本的な意味で一番目に「袋」とあって次に「カバン」

とあります。そうすると日本と違って、買えば必ず

サービスとして袋に入れてくれるのではなくて、 「袋

にお入れしましょうか。」とこちらの意向を聞く、そう

いうことがアメリカでよくあるということに気がつき

ました。そういう時の答え方は@0Yes, please."ある

いは"No,thankyou."となります。私たちが中学校で

習う文法だと、例えば"Doyou…?”で聞かれたら、

O@Yes,Ido.'' とか"No,Idon't.'' と答えます。同じよう

に考えると、 !0Wouldyoulike…?”であれば6@Yes,I

would."とか"No,Iwouldnit.'' という答えになりそう

最後に学生へのメッセージをお願いします。

すべての授業では無理にしても、 自分が興味をもっ

た授業に関しては、ぜひ積極的に質問してほしいし、

そして質問だけではなくて意見も言うなどして積極的

に取り組んでほしいですね。教員の言っていることが

おかしいなあと思ったら遠慮なく、 「本当にそうなん

でしょうか?」、 「私は今までこういうふうに考えてい

たのだけれど、これでは違うのでしょうか?」などと

授業で積極的に発言することが大事です。教わったこ

とを覚えるだけではなく、 「本当にそうなんだろう

か?」という疑問を持ち、 「こういうことって調べたら

おもしろいんじゃないか?」というような問題意識を

持つことが大切です。このようなことは、例えば卒業

論文に向けた具体的な問題意識にも結びついていきま

す。

自分が面白いと思ったことには、いろいろな問題意

識を持って、積極的に取り組んでいってほしいと思い

ます。

…唖幸一…課一…÷謙一…秤一纈一識…つ露詫-銅一華…錘一回÷…蝉今…÷岬一…今…軸●…鱈●ー鐸…●海今軸隼蜂……解…●軸今解÷鞍◇鐸字挙…一群今函今…鐸…‐…鍼~躍…‐鐸=…鉾一…=…報一…写一露一一一‐君…‐…騨一一一=毒“‐●あ…‐垂寺…~轄守一等つ

原田隆郎先生(工学部)原田隆郎先生(工学部)

「情報処理概諭」

受賞に関するご感想を教えてください。

大変嬉しく思います。賞があるのは知っていました

が、どんな基準で選ばれたのか、どんなふうに選ばれ

たのかわからなかったので、そういう意味では突然受

賞の知らせが来たのでびっくりしました。これが第一

印象です。

-168-

laaiR",[email protected]

学生から非常に高いアンケート評価を受けておられま

すが、先生ご自身はどんな所が学生に一番評価された

とお感じでしょうか?

学生から高い評価があって推薦されたとのことです

が、授賞式で学長が話された選定理由は15回の授業計

画で真新しい面白い企画をしている点を評価したとい

う話でした。ただ学生がその工夫をどのように評価し

たかついては実際のところわかりません。

これは私の持論ですが、学生になんでこれをやるか

をきちんと話すことが大事だと考えています。まずは

毎回の授業の中で今日は何をやるのかとか、 15回の授

業の中で今回はここをやるんだということをきちんと

説明するようにしています。私が担当している情報系

の授業では、 リテラシーなので、基本はインターネッ

トやメールや倫理、ワード、エクセル、パワーポイン

トです。が、なんでワードをみんな知っているのに教

えるのか、なんで情報倫理とかインターネットの使い

方とかも1回分やるのかについて、大学はどう考えて

いるかということを学生に話すことにしています。

最後の授業では、学生それぞれが作成したパワーポ

イントのスライドの審査会を企画しています。それを

工夫していると学長からほめていただきましたが、な

ぜそれをやるのかをも学生に話すようにしています。

それは、授業でテクニックやノウハウを教えるだけで

はなく、他の人のものを見て他の人の見方を勉強する

ことに大きな意義があるということです。人の作品を

評価できる、そのいい悪い、 または、ここは自分に取

り込みたい、…それを考えることが重要で、その機会

を持つ、そういった審査会の意味をきちんと話しま

す。学習に対するきちんとした目的意識ができるから

こそ、学生が授業を楽しく受けることができているの

ではないでしょうか。

ごく神経を使います。

学生の間の習熟度の差にも気を配っております。本

年度は66名を教えていますが、現時点では習熟度の低

い学生をターゲットにやろうとしています。そうする

と、できる学生が、つまらなさそうにすることもあり

ますが、やり方を少し工夫して、前半で基本的なスキ

ルをみんなに教えて、後半はそれを活かして自分たち

でテーマ設定し調査させるレポートを出題します。そ

うすると、できる学生はこちらの課題を一生懸命頑張

ります。このように少しメリハリをつけるよう工夫し

ています。つまり、単純にワードやエクセルなどのス

キルを教えるだけでなく、それをどうやって利用する

かということを教えるように心がけています。

最後に学生へのメッセージをお願いします。

この授業(情報処理の授業)に関して言えば、学校

で教えてもらえるのは、この分野のほんの一部でしょ

う。 15回の授業で絶対に全部教えることはできないの

で、授業の中でどうしたらここから先、 自分で勉強で

きるか、そこのハウツーと学び取ってほしい。

もちろん大学で情報処理を学ぶわけなので、なんで

それを学ばなければならないかという目的をちゃんと

認識して、 「自分はここが不得手だなあ」、 「インター

ネットのこういうところがわかっていない」とか、「エ

クセルに関してはここまではわかったけどここから先

はわかっていない」だとか、はっきり自分で認識でき

ていれば、あとで自分で勉強できますから、心配しな

くてもいいのではないかと思います。だから自分で勉

強できるコツを学んでもらえればと思います。例え

ば、ワードのバージョンが違ったりするとそれでわか

らないというのではなくて、ワードでも表計算でも学

んだら、あとは自分でマニュアルを読みこなして、そ

してそれを自分で使えるようになる、そこの部分が必

要なんですね。そこを学んでいったらいいのではない

かと思います。

どの教科でも考えるということを学ぶということが

大切だと思います。

その他に授業で大切にされていることはありますか。

90分という講義時間をどう使うかです。毎回毎回必

死に考えます。途中で終わったりしたら、 1週間空き

ますので、次への連続性が切れます。また流れ的にど

のように組み立てれば90分を飽きさせないかを考えま

す。例えば出席というのはいろんな取り方があると思

いますが、出席とることは結構無駄な時間なのでアン

ケートとったり、小テストをしたり先週やったものを

メールで送らせ、後で送られてきたメールでチェック

する。このように出席の取り方を工夫して、飽きさせ

ないよう90分の時間をうまく使えるように、そこにす謹羅

-169-

'lalRbzula No.39

ヨー。

熱雛龍

理系相談室の相談員を経験して

教育学研究科数学教育専修2年渡邉和浩

今回の理系相談室の開設に伴い、その相談員をやらせていただいた。理数系の内容に関する学生

の質問や相談を受けることが仕事の内容であったが、質問に答えられないことやうまくアドバイス

できないことが多々あった。わかっていたと思っていたところも、質問されて教える立場になる

と、 うまく教えることができなかったり、自分の理解が本当に正しい理解なのか不安になることが

あった。また、答えや公式など知識や情報をただ伝えるだけという教え方では本当の学力は身につ

かないと考え、なるべく学生自身が考えて納得できるようなアドバイスをするように心がけた。そ

の中で「わかった」「なるほど」という学生の言葉や表情にじかにふれることができ、やりがいを感

じることができた。

今回の経験を通じて人に理科や数学を教えるということの難しさと自分の未熟さを改めて痛感し

た。理科や数学が嫌いな、いわゆる理系離れの中学.高校生が増えていると聞く。 1人でも多くの子どもたちに理科や数学のよさやすばらしさを感じてもらい、理科や数学を好きになってもらうこ

とを目標とし、将来立派な数学の教師になるために、 まだまだたくさんの努力をしていかなければ

いけないと感じた。今回、 このような経験の機会を与えてくださった関係者の方々、指導してくだ

さった先生方に深く感謝したい。この理系相談室がこれから先も発展していって欲しいと考える。

蕊蕊蕊-170-

平成21年度

大学教育センター活動内容

出張報告書

氏名斉田智里

報告日平成21年7月16日

出張先明治大学(東京都千代田区)

目的平成21年度「教育著作権セミナー」への出席

http:"www.code.u-air.ac.ip/semingr/seminav、h21/090714/resume.html

期間

内容

2009年07月14日 13:00-17:00 (1日間)

教育関係者が知っておきたい著作権について,尾崎史郎教授(放送大学ICT活用・遠隔教育セ

ンター)より解説と質疑応答があった。出席者は各大学教職員80名。

配付物: 「著作権法の概要-ICT活用教育関係者が知っておきたい著作権一」,パワーポイント

資料他, (参考, )

「著作権制度の概要」, 「大学等における著作物の利用」などの解説と質疑応答が行われた。

「著作権制度の概要」では,大学等の教職員が知っておきたい「著作物」, 「著作者」, 「著作者

の権利」, 「著作隣接権」など,著作権の基礎知識が解説された。 「大学等における著作物の利

用」では,授業や入試問題などに著作物を利用する場合, どのようなときに権利者の許諾が必

要で, どのようなときに必要でないかについて,わかりやすい解説があった。最後に,参加者

からの著作権に関する個別の質問に対する応答があった。

1.著作権の基礎知識:著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美

術又は音楽の範囲に属するもの」である。著作者とは「著作物を創作する者」である。著作者の権

利には,著作者人格権と著作権(財産権)がある。著作者人格権には,公表権氏名表示権,同一

性保持権が含まれる。著作権(財産権)には,複製権,上映権・演奏権上映権, 口述権,公衆送

信権等,展示権が含まれる。著作隣接権とは,著作物を公衆に伝達する者に与えられる権利である。

2.教育機関における複製は以下の条件を全て満たした場合にのみ認められる。①営利を目的としない

教育期間であること(大学はOK),②授業担当教員又はその授業を受ける者が複製すること(授業

担当教員が職員にコピーさせる場合も,複製の法的主体が教員であれば可能),③本人の授業で使

用すること (授業には,教科の授業だけでなく,特別活動,ゼミ,実習も含まれるが,授業と関係

ない自宅学習用は対象外),④授業で必要とする限度内であること (複製できるのは授業に必要な

部分で必要部数のみ),⑤すでに公表された著作物であること,⑥著作権者の利益を不当に害さな

いこと (個々の学習者ごとの購入を想定して販売されている参考書・問題集のコピー,複数台のパ

ソコンで使用するためのプログラムのコピーは不可,本1冊丸ごとのコピーは不可),⑦慣行があ

るときは「出所の明示」をすること。複製物の授業以外の使用は目的外使用となり原則できない。

3.教育機関における公衆送信は,対面授業で用いている教材を,別の授業で授業を受けているものに

同時中継することを認めるものである。極めて限定的でe-learningに適用することは困難である。

4.試験問題としての複製・送信は,以下の条件を全て満たした場合にのみ認められる。①すでに公表

された著作物であること,②試験の目的上必要な限度内の複製や送信であること,③営利目的の場

合は著作権者に補償金を支払うこと,④著作権者の利益を不当に害さないこと,⑤慣行があるとき

は「出所の明示」をすること。入試後,入試問題をホームページに掲載することは不可。

-171-

教育著作権セミナー出張報告

平成21年7月14日 13 : 00~17 : 00

明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン2階A2・A3会議室

尾崎史郎(放送大学ICT活用・遠隔教育センター)

羽渕裕真(大学教育センター情報基礎教育専門部会部会長)

日時

場所

講師

出張者

内容

著作権に関する概略、教育機関における著作権について情報を収集した。特に、

(1) 自宅学習を前提とするe-Learningでは

・学生が自宅のパソコンで学習する際は、アカウントやパスワードなどによりサーバへの

アクセス制限がなされた場合でも、特定多数ということになり、著作権(公衆送信権等)

に抵触する可能性が大である。

・同一構内(同一キャンパス)のプログラム以外の送信は公衆送信ではないが、別キャン

パスは同一構内ではないため、著作権(公衆送信権等)に抵触する可能性がある。

・著作物をサーバに保存した段階(送信可能化ということ)で、公衆送信権に該当する。

であるため、著作権処理が必要である。また、

・コンテンツの中で利用している音楽などについても著作権処理が必要である。

・人物が写っているビデオコンテンツなどでは、肖像権などの他の権利処理が必要である。

・サーバにおける情報漏洩、ユーザ端末におけるウイルス感染などへの対処が必要である。

ことなどの検討事項が明らかになった。

(2)キャンパス間または他大学間との連携授業では、

・対面授業がある授業形態で、他会場への同時中継する場合だけ認められる(配付される

著作物も対面授業で利用しているもののみ) (第35条第2項)。その授業をサーバに蓄

積して、 e-Learningに利用する場合は著作権処理が必要となる6: ・授業や資料をサーバに蓄積して、他の会場のパソコンで利用する場合、特定多数という

枠組みの公衆に該当しないかどうかを検討する必要がある。公衆ということになる場合

が多く、著作権処理が必要になる6 ;

ということである。

今後、茨城大学でも自宅学習を前提としたe-Learningをするためのコンテンツ作成が推進されるこ

とと考えられるが、コンテンツ作成者個々人における著作権処理ばかりでなく、大学全体(または大

学教育センター)として、著作権処理や管理について検討する必要があると考えられる。他大学では、

コンテンツ1つ1つを精査して著作権処理(許諾必要の有無を確認し、許諾が必要な場合は著作権者

と交渉する)をしているところもあるようです。また、著作権に関するセミナー(尾崎先生から講師

依頼があればセンターとして対処できるとの話があった)などを通して理解を深める必要があること

を認識した。

以上

-172-

報告書「第35回全国英語教育学会烏取大会に出席して」

有田由紀子(大学教育センター)

日時:平成21年8月8,9日

場所:鳥取大学湖山キャンパス共通教育棟

今大会では小学校から大学までの英語教育に関して、様々な視点からシンポジウムや研

究フォーラムが開催され、多くの研究発表も行われた。その中の事例研究のカテゴリーで、

斉田智里・有田由紀子・小林邦彦の3人で共同研究発表を行った。今発表では、 「大学英語

教育における評価デザインの構築:学力評価とプログラム評価の観点から」 と題して、大

学英語教育プログラム評価デザイン構築の事例とその課題について報告した。

発表では、茨城大学総合英語プログラムを松沢(2002)で提案されている評価の手順

に照らし合わせ考察を試みた。その手順は「評価の対象・目的・方法の設定」→「評価情

報の収集」→「評価情報の分析・解析」→「評価の決定」→「評価結果の活用」→「プロ

グラム評価」 となり、最後の「プログラム評価」は再び最初の「評価の対象・目的・方法

の設定」に戻り、何度も同じ手順を踏みながら評価方法を改善していく。

最初の「評価の対象・目的・方法の設定」では、総合英語プログラムにおける評価デザ

インの「評価時期・対象・目的・方法・観点」について報告した。個々の試験や学習調査

等の対象(熟達度・到達度など)、 目的(成績評価・形跡的評価・カリキュラム評価など)、

観点(学力評価・プログラム評価)を明らかにしたものである。 「評価情報の収集」では、

総合英語プログラムレベル2の学力評価方法を例として取り上げ、評価内容である「筆記

試験」 「パフォーマンス」の内訳等を示した。 「評価情報の分析・解析」 ・ 「評価の決定」で

は、レベル2の2008年度の共通テストの成績の伸びや成績評価分布、 自己評価として実施

しているCan-do調査の集計結果、授業評価及びカリキュラム評価の分析に使用している英

語学習状況調査の集計結果等を示し考察した。 「評価結果の活用」 として、 Can-do調査や

英語学習調査の結果をシラバスの改善に、到達度評価や学習評価の結果をタスクや授業内

容・難易度の再検討や合・不合格率の検討に活用していることを述べた。最後の「プログ

ラム評価」では、White(1988)の提ロ昌する英語教育プログラムの4要素を修正したモデル

を紹介し、英語学習状況調査の結果から満足度・習熟度授業レベルの適切性・理解度・向

上度・教材の適切度・ネイティブ教員志向度・技能別ニーズ・英語学習の目的志向に関し

て考察し、教育効果を検証した。

結論として、総合英語プログラムは概ね良い方向に進んでおり良い結果を出しているが、

課題もあるということを示した。その課題は、教育目的・到達目標・Can-do調査の再検討、

テキスト選定及び開発、英語教育システムの検証、形成的評価方法の検証、自律的学習方

法の再検討等である。 (平成21年9月24日記)

(参考文献)松沢(2002)『英語教師のための新しい評価法」大修館書店、White,R.V:(1988)

"eEZ,ZアQzI"bzzノ画mDagEzz,血nowa"OnandJI"豆nageme"ZHBlackwell.

-173-

報告書「第48回全国大学英語教育学会全国大会北海道支部特別企画変わる大学英語」

に出席して

有田由紀子(大学教育センター)

日時:平成21年9月6日 9時~12時10分 ゞ、

場所:北海学園大学豊平キャンパス

この特別企画では4大学の事例研究、 54大学のポスターセッションが開催され、大学の

英語教育がどのように変化してきているかが紹介された。 この特別企画及び大会中の意見

交換から、いくつかの点を茨城大学総合英語プログラム(以下茨城大学IEP) と比較検討

し報告したい。

まず習熟度別授業に関しては、実施している大学がかなり多くみられた。クラス分けに

はプレイスメントテスト (センター試験結果・TOEICIP・TOEICBridge・TOEFLIP・

A.C.E.等)を使用したり、 自己申告制を用いたりと様々であった。多くの大学では入学後

すぐレベル分けを行い、その後再度レベル分けテストを実施する場合は学年度末のようで

ある。習熟度別授業を実施しているという点では茨城大学IEPも同様であるが、開講され

ているレベル数を比較すると多くの大学では3段階程度であり、茨城大学IEPのようにレ

ベル5まで設定している大学はまれである。茨城大学では学術英語の授業も開講されてい

るので、学生の幅広い英語レベルに応じた英語の授業を提供しているといえる。

また、授業の開講形態に関してであるが、茨城大学のように全学部共通の時間帯に授業

を行っている大学は他に見られなかった。何校かの大学関係者に話を聞くと、各学部で時

間割がかなり決まっており、全学部共通の時間割は難しいということであった。複数の学

部の学生が同じ授業を受講する茨城大学のシステムは、新1年生の専攻にこだわらない友

好関係の構築を促し自分の居場所づくりを支援するだけでなく、大学で学ぶ目的の確認や

動機づけの強化、学生の多様化への対応といった初年次教育の一助ともなるものであり、

今後も維持されることが望ましい。

授業形態に関連して、他大学と比べて特に茨城大学IEPの顕著な点は、共通シラバス・

共通教材の使用である。他大学では教科書等のお勧め教材リストのような補助を提示する

にとどまっており、茨城大学IEPほど授業の質を保つ教育システムの構築には至っていな

いように思われた。到達目標に関しても、茨城大学のようにレベルごとに統一目標をはっ

きり打ち出している英語プログラムはほとんど見られなかった。いくつかの大学で、レベ

ルに関係なく全体の統一目標を掲げ、教師がそれぞれのレベルでその目標に向かって授業

の難易度を調節する方法が取られていた。

さらに、授業の内訳であるが、多くの大学では、 リーディングI、ライティングIIのよう

に1つの技能を取り上げる授業が週に1回開講され、学生は英語関連の授業を週に2つ受

講するカリキュラムを採用しているようである。茨城大学のように4技能をバランスよく

学習する授業を週に2回受講できるプログラムはまれであると言える。1つの技能に特化し

-174-

た授業の場合、その技能の向上は期待できるが、他の授業との連携がないと複数の技能と

の相互習得が期待できない。総合的授業ではこの相互習得は期待できるが、4技能を同時に

扱う難しさがある。総合的授業の場合、茨城大学のように共通シラバス・共通教材を用い

ると、学習内容が均一になり教育の質を保障できる。週2回の授業で学生の習熟度等を詳

しく観察できるため、授業の修正が適切に行えることも利点であると考えられる。

英語のレベルと卒業要件の関係を見ると、茨城大学IEPでのレベル3を終えることが卒

業要件といった一定のレベルを要求している大学は今回見学した大学には見られなかった。

横浜市立大学のようにTOEFL等で一定の得点を取ることが3年次への進級要件になって

いる大学が数校存在するが、例えば広島修道大学ではTOEICBridgeでの決められた得点

を卒業要件から外している。卒業時の英語力を保障するためのカリキュラムの構築が多く

の大学での課題となっているようである。

このように、茨城大学IEPを様々な大学の英語教育プログラムと比較すると、茨城大学

のカリキュラムが初年次教育や授業の質の保証、学生への対応などの点で、他に例をみな

いほどきめ細かくよく考慮されていることが明らかになった。

特別企画を通しての意見交換で見えてきた課題としては、最近の英語教育で開発が期待

されているe-learningが挙げられる。各大学が様々な学習ソフトをどのように活用してい

るか、また独自のe-learningシステムの開発に関する報告が見られた。補習教育を充実さ

せるためのe-learning教材は、大学間の連携による教材開発が可能である。例として、今

企画では札幌大学がe-learning教材開発業者と提携して作成した学習ソフトを使用した実

践報告があった。今後も各大学の学生のニーズ・レベルに応じた学習システムの開発が進

むと思われる。既存の学習ソフトを使用する場合、学習内容もさることながら、各学生の

学習量の把握などe-learning学習を成績に反映させる場合の管理がしやすいということが

重要になるであろう。茨城大学で採用しているALCNetAcademyの場合も学生の学習履

歴や学習時間の管理などの面で更なる改善が望まれるところである。現段階では、茨城大

学で使用可能なe-learning学習ソフトのより効果的な活用法を再考すると同時に、その他

の方法でe-learningを推進する可能性も合わせて考えていく必要があるかもしれない。

さらに、上述した到達目標に関して、茨城大学のように短い期間でレベルが上がる場合、

レベルごとの到達目標とレベルを超えた共通到達目標のどちらがより強い動機づけになる

か、レベル間の接続も考慮して検討する価値があるように思う。

最後に、4年一貫の英語学習という点でも課題がある。卒業時の英語力の保障を強化する

ためにも、2年生以上の学生が継続して英語学習ができる環境作りが今後求められるのでは

ないかと考える。例えば、新潟県立大学のように部分的に英語で講義が行われる授業の開

設や、既存の学術英語で学生の専門に関連する授業の増設、大学院進学用のインテンシブ

英語クラスの開設など、英語学習の動機付けの強化を考慮に入れたシステム作りが継続的

学習の鍵ではないかと考える。 (平成21年9月28日記)

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報告書「平成21年度教育著作権セミナーに出席して」

岡山陽子(大学教育センター)

日時:2009年9月7日13時~17時

場所:東京工業大学大岡山キャンパス

講師:尾崎史郎(放送大学ICT活用.遠隔教育センター教授)

このセミナーでは、大学などの教員が知っていたほうが良いと思われる著作権の基礎知

識を中心に解説された。講師は、元文化庁の著作権課マルチメディア著作権室長で、著作

権のことについては、法律はもとより判例まで豊富な知識を持っておられ、最後の質疑応

答まで含めて、詳細に丁寧に解説されて初心者にも大変分かりやすい内容だった。著作権

法は、同法の目的(第一章第一節)を簡単にまとめると、 「著作物並びに実演、 レコード、

放送及び有線放送等での著作者等の権利保護と文化の発展に寄与すること」 となって‘いる。

セミナーは、 「著作物」 とは何か、から始まった。法律上の定義は、 「思想または感情を

創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」 という

ことだった。従って、 「作った人の考えや気持ちをその人なりに表現したものであればよく、

芸術的・学術的・経済的な価値は要求されない」 とのことだ。つまり、その著作物が例え

ば幼稚園児の描いた絵でも有名な芸術家の描いた絵でも変わりなく著作権はその製作者に

帰する、 ということになる。大学でも、学生が卒業制作したものは学生に著作権が帰する

ので、その写真などを制作者の許可なしに大学のホームページなどに載せることはできな

い、 ということだ。また、データ、および、そのデータを一般的な手法に基づき表現した

グラフは、作成者の考えや気持ちが表現されたものではないとのことで、著作物とは見な

されないそうである。ただし、データを加工した図表の表現に創作性があれば著作物にな

り得るそうである。この辺りは、今までの判例に基づいた解説だった。

著作者について、注意が肝心なのは、例えば、法人などで、委託料を払って何かを製作

してもらった場合、 「著作権が委託料を払った法人に帰する」 と、明記した契約書を製作者

と法人間で交わしていない限り、著作権は、製作者に帰するという点である。また、法人

が著作者となる場合には要件があり、それらの点を満たせば可能ということだった。

E-learningに関しての法律は、実は未だ整備されていないそうで、著作権のうちの、第

35条(「教育機関における複製等」について)、また、第32条(「引用」)などの現存の条項

によって判断するしかないとのことだった。この法律の整備のためには、国大協などでま

とまって法律整備に動く必要があるのではないか、 と指摘された。

このセミナーは、大学教職員が知っておくべき知識が満載で、非常に有効なセミナーだ

った。 しかし、非常に複雑な内容で、 「著作者などの保護」、つまり 「著作者などの利益を

不当に害さない」 という点に留意して、著作権を読み解くことが肝心だと思われた。

参考になるサイトとして、文化庁(http://www.bunka.go.jp"および、社団法人著作権情報

センター(http://www・cric.or.jp"が紹介された。 (平成21年9月8日記)

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出張期間:2009年12月12日~13日 出張先:創価大学宇野美由紀

第7回FDフォーラム「学士課程教育の拡充と重層的なFD活動」に参加して

1 .創価大学でのFDへの取り組み

+CETLの設置 :創価大では学生の教育支援と教員の教育活動の改善を目的としたセンター

組織CETLが設置されている。本学大教センターと同様に,教育支援とFD活動の両方を担当

している。

+学内連携:創価大では各学部にFD委員を設置してCETLとの連携を図るなど,学部単位の

FDの成果を共有しようとする試みがあるようだ。

+特色GP : 2007年に特色GPに採択されたWebラーニングシステムが紹介された。システム

の開発者は創価大工学部の勅使河原教授と高木助教である。特色GPに採択されたきっかけは

高木助教の博士論文を事務職員が目にとめてGPへの応募を進めたことだそうである。内容は

コラボテストという学生間が協調して問題を作成して共同学習を図るもので,学生が自分で

問題を作成することで理解を深めることができる。

2. フォーラムを通して~学内連携と.大学間連携~

地域間連携や大学間の連携の枠組みでe-learningを活用していこうという事例が多く報告

された。パネリストに共通する意見は「緩やかな連携」 ということで,大学や地域が強みを提

供しあうことで存続可能な発展を目指すということである。以下に全員ではないが,講演者・

パネリストの個々の意見を記す。

+教職員間の連携 : これからのFDは講義形式では不十分で,教員同士の意見交換を行うこ

とが求められる。また,教務部などの職員にe-1earning利用状況を解析したデータを適切に

渡して利用してもらうことで,業務の効率化や提供サービスの向上にもつなげている。

(勅使河原教授他@創価大学)

+目に見える成果の提供:集約されたデータや知識を活用することで「楽ができる」 「改善

に役立つ」などの感想を教職員が持つことがe-learningへの支持を持続するために必要であ

る。 (岡本敏雄先生@電気通信大学)

+国の支援の方向 : 国が今後支援していくのは,地域連携を行うリージョナルセンターの

設置と共通の教材や連携の拠点づくり。 これは教育資源の共有によるコストの削減と, ある

大学の弱い部分を他大学の強みで補うということを目的としている。

(今泉室長@文科省高等教育局大学改革推進室)

+教材の共通化:教材の作成にはお金がかかる。学生に作成させた場合でもバイト代は大学が

支払っている。難しいだろうが,公開した教材でいいものは商用化して流通に乗せることも

目指したい。 (小松川浩先生@千歳科技大学)

+帝塚山大が無料提供するe-ランシステムTIESを複数大学で共同利用し,教材共有と講義公

開を行っている。年間百数十本のビデオを撮りためている。動画もたくさんたまるとそのリ

ストだけでも価値が出てくる。 リストを見てこれとこれの組み合わせを買いたいという会社

もあった。 (中嶋航一先生@帝塚山大学)

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出張期間:2009年12月12日~13日 出張先:創価大学宇野美由紀

3.紹介されたシステムに関して

講演者の多くはさほど規模が大きくない大学で先進的な試みをしている方たちであった。教

材共有については,異なるシステムで開発された教材の形式を変換することは簡単ではない

ということもおつしやっていた。

前回本学で講演なさった小松川先生の勤務する千歳科技大では,外部利用者に対して大学が

提供しているシステム自体(本学ならばRENANDI)にログインさせて,教材を利用させる形式

を基本としているが,教材の図・その他の小さな素材を共有する方法を試行しているそうで

ある。システムの紹介事例では,教材を蓄積するサーバと学習管理用のサーバを分けること

で将来の教材の共同利用がしやすくなるなど,システム設計を最初からよく考えておく必要

が感じられた。

学内での共同開発をしている大学では,利用者の声を拾い上げ,すぐ、にインターフェースの

改良や機能追加に反映するなど,規模の小ささや制限があるからこその工夫や強みというも

のもあるようだ。

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横浜市立大学出張報告書

平成22年1月28日

大学教育センター

西尾由里

横浜市立大学の英語プログラムの運営と授業見学のため、平成22年1月18日(月) 15:

00~18:00まで、プラクテイカル・イングリッシュセンター(PracticalEnglishCenter)

のセンター長のCarlMcGary教授と面会いたしましたことをご報告いたします。

横浜市立大学英語プログラムの概略

運営組織

運営:プラクティカル・イングリッシュセンター(PracticalEnglishCenter) のセンター

長のCarlMcGary教授が、経費(約1億円) ・教員・プログラム・シラバス等すべ

ての全権を委ねられ、運営している。

教員:常勤教員12名(日本教員:3名、外国人教員:9名)

(授業10コマのみ行い、シラバス作成などプログラム運営にはかかわらない。)

非常勤教員10名

授業プログラム

目的:TOEFL-ITP500点に到達すること。

(注:TOEFL-ITPは公式なTOEFLと同じテスト内容であるが、事前に登録された教育機

関などで実施される。 しかし、得点のCertificationは発行されない。)

・TOEFL-ITP500点が3年次進級の必須要件である。言い換えれば、 500点に到達しない

場合は、落第であり、結果的には卒業できず退学ということもありえる。実際3%程度(年

度による)は卒業できていない。TOEFLの代わりにTOEFL-CBTで173点、TOEFL-iBT

で61点、公式のTOEICで600点、 もしくは英検準1級でも認められる。

・TOEFL500点をクリアする学生は約35%であり、 60%はTOEIC600点をクリアしてい

る。TOEFLの方が難易度は高く合格点に達しにくいことと、毎月受験できるTOEICの方

が受験しやすいということも影響している。

・TOEFL-ITPの受験費用は大学が出す(1名の学生に対して2回か3回、プレイスメント

試験・1年生の学期末試験・再履修2年生の学期末試験)

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プレイスメントテスト :

.入学式前日にTOEFL-ITPの試験を行い、レベルをPrimary(400点以下)、Intermediate

(400点~450点)、Advanced(450点~500点)の3レベルに分ける。

・500点以上の学生(約15%)は、授業が免除される。

・横浜市立大学の学生の平均は約450点である。

授業プログラム:

・年間3単位、前期・後期15回、 1週間に3時間 (Reading、Listening、GT'amm2T、-

教科書はそれぞれ1冊ずつ)。教員はそれぞれ異なる。

・1年生のクラスは月曜から金曜までの1.2講時目に配置され、 1クラス定員25名。

・授業はすべて英語で行い、聞く ・話す.読む・書くの4技能のスキルの習得を目指して

いるが、実際はTOEFL対策の趣が強い。使用される教科書も、TOEFLに直接的に役立つ

ものを選んでいる。授業時間でも、TOEFLの練習テストを学期末のTOEFL試験の前に行

っている。Listeningの授業時間にはスピーキングテスト等も行うが、どのような内容でど

のようなことをするかは担当教員に任されている。

・プラクティカル・イングリッシュの単位(3単位)を取得するためには授業の8割の出

席が必要である。 15回の授業で欠席3回まで許されるが、それ以上休むとその時点で単位

が取れず、 2年生での再履修となる。

・1年終了時にTOEFL500点相当に達する学生は約50%であり、その時点で3単位を取得

し、プラクティカルイングリッシュを終了する。残りの50%は2年生で再履修となる。

・TOEFL500点相当の取得学生は、プラクティカルイングリッシュ終了すれば、 「Advanced

English(上級英語)」などの科目を履修可能。

・CALL(ALCAcademy)を1週間に90分の学習が義務付けられている(時間は教員に

よってチェックされている)。各授業では問題ドリルなどの宿題が課される。それらを合計

すると1週間にほぼ6時間は自宅での英語学習を必要とする。

・BookReportも毎週提出し、GradedReaderlevel3 ・4を読むようにさせている。

問題点と今後の展望

・英語授業の目的がTOEFL500点を取ることにあるので、前期で合格点に達してしまうと、

後期への英語のモチベーションが下がるo lクラス内に、合格してのんびりした学生と、合

格するために必死になっている学生がおり、クラスの雰囲気作りが難しい。

、授業で使う教科書や授業内容に関する試験は行わないため、:A、B、Cなどのような成績

がない。宿題やブックリポートなども評価対象にはならない。

*合格か不合格かのような評価であるために、学生にとって、合格後は英語学習へのモチ

ベーションが上がらないばかりでなく、教員にとっても、 日々の学生たちの学習を評価す

る必要がなく、成績もつける必要がないため、モチベーションを下げているかもしれない

-180-

と危倶される。

・来年度は、プラクティカルイングリッシュ終了者を対象にしたAdvancedEnglishを現在

の2単位からさらに8単位ぐらいまで増やす。スピーキングやプレゼンテーシヨンなどを

行えるクラスにする。対象者はプラクティカルイングリッシュを修了した2年生から4年

生までである。

・学生の授業での取り組みが評価できるような仕組みを導入することを検討している。

横浜市立大学のプログラムから茨城大学の英語教育への示唆

1. 英語学習の到達目的がTOEFL500点と明示的であり、英語授業もそれに伴ったものに

なっている。茨城大学の英語授業におけるような、エッセイを書かせたりスピーチをさせ

たりというような学習項目は入らないので、4技能をバランスよく伸ばすということにはな

らない。茨城大学の学生アンケート等においても、英語でのスピーチやコミュニケーショ

ンを取れることに満足感が高い。

2. TOEFLのような外部テストを仮に大学英語の授業評価に組み込む場合、英語授業にお

いても、TOEFLの得点を伸ばすような試験対策的な授業を行わなければ、成果は上がらな

いと思われる。

3. 横浜市立の場合、 1週間に3時間と授業時間が多く、授業外での宿題も多く、学生もそ

れをやらざるを得ない状況にあるので、必死に勉強している様子がよくわかる。茨城大学

での授業アンケートから、学生は授業外での学習時間が少なく、英語授業に対して、簡単

であるかのような印象を持っている。学生の授業外での学習は現在CALL(1週間90分)

と横浜市立と同じであるが、ブックリポートの数や宿題ドリルなどをもう少し増やしても

よいかもしれない。

4. 茨城大学の場合、週2回の授業を同一教員が担当しているため、継続的に学生の学力等

を把握できるため、密な指導が行えるメリットは大きい。

5. 茨城大学の学生もセンター試験の合格点及びTOEFL430点前後(斉田先生調べ)と横

浜市立の学生と入学時には英語学力としては差が見られないはずであるので、前期30回、

後期30回の1年間で相当な量と質を充実させていかなければならないと痛感している。 4

技能をバランスよく伸ばし、英語を道具として使いこなせ、学部への専門で役立てる基礎

力を養成していきたい。

6. 茨城大学の場合、英語授業がほぼ1年生で終了してしまい、2年3年で英語を学習しな

いまま、4年での専門において英語論文が読めない、書けないというように、英語でつまず

く学生がいる。したがって、横浜市立のAdvancedEnglishのように、総合英語終了後の

2年~4年までの学生を対象とした、どの学部の学生も自由に選択できる英語の授業が必要

であると考える。

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出張報告書大学英語教育プログラム視察

大学教育センター

有田由紀子・岡山陽子・上田敦子・西尾由里

日時:平成22年2月5日10時~12時

場所:大阪女学院大学・短期大学

面会者:智原哲郎(教授・学長代行アカデミックコーディネーター)

(1)カリキュラムの特徴

①英語を学ぶのではなく、英語で学び、英語で考え、英語で表現する取り組みの実践

4スキルの統合という方針に基づき、 1年時には4つのUnitで構成された独自の教

材で、Reading,Discussion,Writingの授業を繰り返し展開し、基礎力及び、論理展開

法を教授する。シラバス・教材等は全て決まっており、習熟度別のクラスだが、どのク

ラスでも同じ教材を使用している。これは、誰もが同じだけの英語力を習得する素質が

あるとの考えから実施しているシステムで、入学時点で英語力が低い学生にもやる気を

出させる目的もある。

②Unit学習以外の授業も充実

Unit学習だけではなく、英語のスキルを向上させる基礎的授業もある。GrammaY、、

Phonetics、GrammarEssentials、 EnglishEssentialsなどの必修授業、 English

Strategies、TOEICなどの選択授業がある。

③2年生以降の英語学習への接続

2年時には1年時で学習した4つのトピックから関心のあるものをさらに深く学ぶプ

ログラムで、Discussionskills,presentationskills,writingskillsを重点的に学ぶ。全てのトピックに関して5ページ程度のリサーチペーパーを課して、自分の考えを論理的

に伝える方法を学習させている。 3, 4年生では英語で関心のある専門分野を学ぶ。 4

年時の卒業研究では、専門領域について英語で論文を書きプレゼンテーションも行う。

④カリキュラムの波及効果

カリキュラムの波及効果として、学生の学習態度の変化があげられる。Discussion

等で日常的にクラスメイトと発言を交わしているので、授業中に自分から積極的に意

見.答えなどを発言する傾向がみられる。また、学習量の増加にも効果があった。予習

復習が必ず必要なため、学生の自主学習時間が平均週3時間ほどである。習熟度別クラ

スでも教材や授業内容が同じであるため、特にレベルが低いクラスに配置された学生の

学習量が多くなった。

⑤英語能力の向上

TOEICの試験結果が1年春学期末平均406点から、 3年終了時に平均619年(2004年

度入学生TOEIC-IP推移)に大幅に向上しており、英語能力がかなり向上している。

(2)授業形態

50分授業で、 1週間に英語の科目を9つ受講する。

授業は1人の教員が英語で行い、習熟度によっては日本語を適宜使用する。

-182-

(3)教材

①教材の独自性

教科書・教員マニュアル・iPod用コンテンツなど全て独自の教材を使用。教材の内

容は毎年加筆修正している。

②各授業と教材の連携・評価方法

教科書は1ユニットに1冊で、それぞれのユニットにWriting,Reading,Discussion,Listeningの全ての要素が含まれている。 1年間で計4冊を学習する。教科書には

Paragraphwriting,Summarizing,Selftproofreading,Peer-proofreading,などの方法が丁寧に分かりやすく説明してあり、ストラテジー対策にもなっている。全て英語で書

かれているが、 日本語での補助教材も作成済みである。学生にも教員にも分かりやすい

厳密な評価方法が定められており、教科書の中で確認できる。

(4)学生のモチベーション対策

入学後の1週間のオリエンテーションの間に、 1泊2日の研修を全1年生で行い、大

学は学ぶ場所だということを教える機会を設ける。

多くのコンテストDialogueContest,SongContest,PresentationContestを開催したり、海外ニュースを2週間遅れく、らいで学生に提示し学習教材として使用することで、

学生が興味を持てるよう工夫している。また、学習トピックが時代に合うように、教材

を毎年修正している。

習熟度別クラス分けでも教材は同じにし、レベルが低い子にもできると思わせること

が大切である。

(5)FD

①教員同士のコミュニティ‘連携

同じ科目のチームリーダー、 リエゾンなどを決め、コミュニケーションをとりながら

連携を図り、教員の縦と横のネットワークを密にする。

教員全員の授業計画・授業スケジュールを、どの先生も見えるように1か所に提示し

ている。 これにより各教員が他教員の授業進度・内容等を確認できる。

②非常勤教員への配慮

非常勤教員室にはいつもお茶・お茶菓子などを用意して、教員が居心地良く他の教員と話ができる場を提供している。

(6)学生への学習サポート

①Writingcenter・Tutor制度について

SelfAccess&StudySupportCenterのWritingcenterにネイティブ教員が在中し、

学生のライティングをサポートしている。また、短期大学卒業生で他大学に編入した学

生がTutorとしてほぼ毎日在中し、学生の相談に乗るなどのサポートもある。

②英語を話す機会を増やすEnglishSpeakingLoungeEnglishSpeakingLoungeを設け、学生が比較的話しやすいと感じる、他大学の英語

圏以外からの留学生または4年生にほぼ毎日来てもらい、学生が英語を話す機会を増やしている。

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(7)課題点と今後の展望

ユニット学習で学習する内容を取り入れたe-learning教材の作製を目指している。

(8)茨城大学の英語教育プログラムへの示唆

①4技能を超えたコンテンツ学習への模索→オリジナル教材の可能性

・英語で学ぶという教育姿勢は、英語をコミュニケーションの道具としてとらえ、国内

外を問わず社会に積極的に関わっていくために必要なことである。英語の4技能向上に

とどまらず、英語ができるのではなく、英語で自分の考えを表現できる力を養うことが

必要であると考える。

・現在の茨城大学の英語教育は、聞く .読む・話す・書くという4技能の習得を目指し

ているといえる。しかし、大学の教養としての中身・いわゆるコンテンツが重要である。

すなわち、 1年時・2年時に教養としてどのような内容が必要であるか、各学部の要請

を汲み上げた内容を吟味する必要がある。それに対して英語を道具として使えるような

力をつけさせることを目指すオリジナルのテキストの開発も検討すべき時期にきてい

ると考える。

②1年から学部をつなげる継続的な英語学習環境の構築

・大阪女学院大学のように、英語の授業が1年時で終了せず、2, 3, 4年生とそれぞれ

前学年で学習した内容を踏まえてさらに学ぶというシステムが必要である。茨城大学で

レベル3終了後のレベル4. 5及び学術英語がある。それらを、 さらに発展した形で、

学部及び学生たちのニーズに合うような専門分野の論文の読解力・プレゼンテーショ

ン・TOEICなど特化した英語授業を提供し、 2年生以降の学生たちが自由に選択でき

る環境が必要である。

③授業外での英語サポート体制の強化

・大阪女学院大学では、 SelfAccess&StudySupportCenter、Writingcenterにネイティブ教員が在中し、授業外での学生の英語のサポートが充実している。茨城大学での

理系基礎教育で実施中の学生相談室に該当するような、英語相談室のようなサポート体

制も考えられる。それには東京大学のWritingCenterのように大学院生TAの活躍が期

待できるのではないか。

・大阪女学院大学ではiPotなどを活用し、家庭学習をサポートしている。茨城大学で

は、学内限定でALCの学習が可能であるが、このようなE-Learning教材を始め多様

な学習教材を提供し、それをサポートするシステムも考えていかなくてはいけない。

④学生へのモチベーション対策

・学内で全学生を対象としたようなスピーチコンテストなどの英語を学習するモチベー

ションを上げられるようなイベントなども考えられる。

・教材に関しては、大阪女学院では、レベルが異なっていても同じ教材を使用しており、

学生のモチベーションを上げる一因になっている。大阪女学院は英語専門の学部であり、

授業時間も十分サポートできるだけの時間が確保されているのに比べ、茨城大学では、

レベルごとに違った教科書を使用しており、学部の状況もかなり異なっている。しかし、

教科書を同一にする可能性についてその利点・問題点など広く研究する必要がある。

-184-

東京大学教養課程英語教育プログラム視察報告

報告者:有田由紀子、岡山陽子

両者は、東京大学教養課程の英語プログラム視察のために、東京大学駒場キャンパスを訪

問し、全学部1~2年生向け英語教育および理系学生用必修コースALESS(アカデミッ

ク・ライティングのコース)について視察をした。その結果をここに報告したい。

東京大学への訪問日時:2010年2月4日

1. 全学部1~2年生向け英語教育について

英語教育部会部会長菅原克也教授、および、ガリー・ トム准教授に話を伺った。

以下、その内容を報告する。

現在、実施されている英語教育のうち、全学部向けの英語Iは、教養課程の英語改革に

より改革された当時のカリキュラムに基づいて実施している。教科書を作ったが、訳が出

回り、テストの過去間も出回っている。授業もマンネリ化しているのではないか、 という

意見もある。

東京大学では、教養学部を廃止せずに残して、教養課程を大事にしている。そこで、教

養課程教育をしっかりと行うことができる。2年次に学部振り分け試験があり、英語の点数

も含まれる。希望の学部に行くためには競争率が高く、良い点数を取る必要がある。 した

がって、現在のところ、学生は良く勉強している。

(1)全学部用英語教育の目的:

①英語、は、語学、 というより教養の一環と位置づけている。

学生は教養を身につけて将来(10年後ないし、 20年後)に役立つのではないか。

EARESPというコンセプトはなく、英語教員にはTESOLの専門家はいない。

英語担当教員は、 「1~2年生のクラス」、 「専門課程」、 「大学院」という三層で教えている。

②「英語」を教える、 というより、英語を使って教える「内容」を重視している。

大学院に進学した学生が、キャンパスを訪問した外国人を案内して、 と言われると濤曙す

るが、宿題に出された10ページ程度の英語の論文を読める、また、簡単なレポートを英語

で書くことができる、ので、 とりあえずは、学部の英語教育は合格点ではないか、 とのこ

とである。それが逆だと東大の大学院では困る、 とのことである。

(2)全学部用英語授業の評価について:

相対評価で行われている。

2年次の各学部への振り分け試験に英語の点数も含まれるため、整合性の観点から習熟度別

クラスはできない。

*振り分け試験について:

第二の入学試験と言われたりする厳しい試験である。

成績順に好きな学部に行けるので、学生は大学入学後も必死で勉強する。いろいろな学部

に全学部から入学できる枠が増えたので競争が厳しくなっている。例えば、かつて、文Ⅱ

(経済学部系)は、東大駒場キャンパスで寝ている猫より勉強しない、と言われていたが、

現在、文Ⅱから経済学部へ入れるのは、全体の70%くらいとなり、学生の意識が変わって

きて、かなり勉強するようになってきた。また、医学部へ進学を希望する学生は、 90点以

上の平均点を取らないと競争から振り落とされる、 とのことである。

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(3)全学部用英語授業の内容:

1年生は、英語は週に2コマで、 2年生は1コマとなる。

1年生の英語のうち1コマは、英語Iと呼ばれており、これは、 「テキストを予習してきて、

ビデオを見ながらワークシートに答えていく」内容である。このクラスは大人数クラスで、

以前は、 1クラス100人程度だったが、現在は、 50~60人に減ってきている。理系用プロ

グラムAT」RSSで教員数が増えたので、英語Iのほうにもその影響があり、学生数を減らす

ことができた。毎週の授業では勉強してこない学生もいるが、試験時にはかなり勉強をす

るのでなんとかなるようだ、 とのことである。

このような大クラスを作ったのは、 2コマのうち、 1コマは少人数クラスを確保したい

ので、片方のクラスは大クラスとしてきた。

文系では、英語I (大クラス授業)が1コマで、 Pが1コマとなる。 Pはプレゼンテー

ションまたはライティングのクラスとなる。カリキュラムとしては、前(夏)学期Writing

で後(冬)学期Presentationとしたかったが、 クラス人数(Writmg40名程度、Presentation15名程度)が、異なっているため不可能だった。 したがって、前期に

Presentation,後期にWritingという学生もいる。学生は、実際には、 5コースある中から

選択できる。Presentationよりwritmgのほうが人気がある。

2. 理系学生用必修コースALESS(アカデミック・ライティングのコース)について

ガリー・ トム准教授、板津木綿子講師にお話を伺った。以下、その内容について報告する。

文系学生は、英語Iとpというクラスを取るが、理系学生は、英語IとAT」RSSのコース

を取る。

(1)ALESS設立の理由:

もともと理系の英語教育が大事にされてこなかったが、理系卒のうち80%が院に進学する。

したがって、科学的論文の特徴、書き方を教える必要あった。本当は、AT」RSSは、 3~4

年生で教えたほうが良いが、専門課程の英語に関しては、駒場では担当していないので、 1

年生用に開講することにした。

(2)予算:

学長裁量経費を使っている。英語担当教員が学長に直接談判して、経費負担を頼んだ。理

系の成功から、文系にも学長経費で予算が下りることになりそうだ、 とのことである。こ

のような(英語)教育改革に関しては、予算が必要となってくる。予算のない改革は現場

教師に負担を強いるだけで結局成功しない、 とのことである。

(3)内容:

科学系の論文を半期で1本書き、それをもとにひとり10分間の発表をする。

この論文の長さは、ダブルスペースで4~5ページのものである。

この論文を書くために、仮説を立て、先行研究例の論文を読み、実際に実験をして、結論

を出す。Abstract,Introduction,Method,Experiment,Discussion,Conclusionをきちん

と書く。

(4)評価:

論文そのものが50%、クラスへの参加度および発表が50%となる。

出来上がった論文そのものもさることながら、論文作成過程を学ぶことに意味があるので、

その過程、すなわちクラスへの参加度と発表で50%の評価となっている。

一度、作成過程を学ぶと、将来、論文を実際に書くときに役立つはず、 との思いからであ

る6作成過程でも、グループ学習による意見交換など、将来の理系の論文作成をシミュレ

ーションしているので、作成過程そのものを経験することが大切、 とのことである。

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(5)クラス人数:

1クラス15名程度。そのうち、出席率は95%程度。合格率も同じ程度である。

ちなみに、今年は前期が20人程度だったが、後期は少なく10人程度だった。このように

クラス人数の差があると、前期と後期で授業内容が異なってくるので良くない、 とのことである。

(6)クラス分け:

クラス分けは、初習外国語のクラスをそのまま使って、機械的に行う。

現在、担任制度は機能していないが、クラスは残っている。

(7)担当教員について:

ガリー准教授、板倉講師などの専任教員がカリキュラム全体をコーディネートしているが、

ネイティブ10人の特任講師も担当している。ネイティブ特任講師は、一人8コマを担当している。

講師は、 15人×8コマ=120人、を半期担当することになり、 とても添削はできない。

そのために、授業内で、学生同士によるチェック、意見交換を取り入れている。

また、WritingCenterのシステムを構築している。

(8)授業について:

①AT」F]SSの対象は、学部1年生なので、プロセスを重視する。

語彙を学んでも忘れるが、理念、概念(論文はどういうものか、論文を書くときの質の向

上法など)は忘れないだろう、そして、それを学んでおけば、将来役に立つだろう、 という観点に立っている。

大学院レベルであれば、書き方よりもむしろ、専門的な語彙の習得などを始め、語学的な

ところに時間をかけるようになるだろう。ジャーナルに提出した論文が英語の稚拙さで却下されたりするためである。

②授業内容に関して、担当教員の自由度は増してきている

授業では、先行研究例を学生に探させるのではなく、教員が示すこともあるが、教員によ

って、先行研究例は、ペーパー全部を読むべきだ、 という教員や、アブストラクトだけで良い、 という教員もいる。

③テキストブックはないし、作る予定もない。

テキストブックを作るとマンネリ化するためである。

④PeerReview(学生同士の論文内容のチェック) と発表に関しては、DVDを作成した。このDVDを作成して以来、学生の発表能力が向上している。

PeerReviewに関するDVDには、以下のようなPeerReviewの重要点を分かりやすく学生に説明する内容となっている。

A)文法を注意するのではない、

B)内容を重視する。

C)アイディア、論立てなどに注目する。

D)科学者の卵としての姿勢を養う。

E)理系ではグループで研究したり論文を書くことが多いので、それに慣れる。F)お互いに仲間のものを読みあって、論文の質を高めていく、 という経験をすることが将来への基礎となる。

G)何度も繰り返す。何度もお互いの論文をチェックしあうので、最後の発表時には

自分の論文の内容だけでなく、仲間の論文内容についても分かってくる。

-187-

⑤発表について

発表は一人10分間程度で、メモを見ながら行う。

暗記・メモの読み上げは、 しないように指導している。

発表用のDVDで良い発表の方法について詳しく示してあるが、このDVD作成以来、学生

の発表が格段に良くなった。かつて、ガリー先生が指導していた大学院生より上手になっ

たくらいである。

⑥発表後の質疑応答について

質疑応答も英語で行う。

クラスが小さいし、グループ(3人程度)で活動を重ねてくるので、クラス内が良い雰囲気

となり、和気あいあいと発表も行うし、質疑応答も活発である。

(9)WritingCenterについて =

①現在の場所から移動して、十分な広さのスペースを確保することになっている。

②大学院生のTAが活躍している。

TAは、ガリー先生の英語教育法をとった学生からなっている。言語学専攻のドクターコー

スの学生であるが、英語力のある学生が限られているので、この先、TAの人数の確保は課

題である。

③WritingCenterのオープン時間:

月~金:午前10時から午後6時まで。

9名のTAがいる。

④学部の学生の意識を啓蒙する必要性がある。

学部の1年生は第5週目くらいから表れ始めるが、文法を直してほしい、 という意識を持

ってやってくる。そのような学生に、論文作成のプロセス重視への意識を育てることが必

要である。

⑤新しいTAを育てるために行っていること。

オリエンテーションの実施。T班に対し、ESL専攻の教員がアセスメント方法を指導するオ

リエンテーションを2回行ったがとても良かったようだ。

また、説明だけではなく、実地訓練として、板津先生が例として学生が書いた論文を持っ

てきて、どうやって直していくか、をTAと討議しながら指導する。文法ではなく、もっと

グローバルな視点で、直すことを求める。

随時、TAミーティングを行い、どのような点を直すか検討する

⑥TAは教員になりたい学生が多いので、その良いトレーニングとなる。

以上、東京大学の1~2年生への英語教育、理系学生用AT」RSSプログラムについての報告

とさせていただく。

学長に直談判をして予算を獲得し、より良いプログラムを目指している姿勢には感心さ

せられた。茨城大学とはいろいろな事情が異なるが、大変参考になった視察となった。

また、東京大学の先生方がお忙しいなか、丁寧に説明してくださり、また、施設も見せ

ていただき、感謝の念に堪えない。本当にありがたかった。後で、DVDもお送りいただい

た。今後の参考にしたいと思う。

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シンポジウム「国立大学法人第二期中期目標・計画期間の課題」幸皓

平成22年3月26日

国立大学財務・経営センター

国立大学財務・経営センター教授丸山文祐教授アンケート調査の概要

○国立大学の法人化の要点

・2004年(平成16年)4月教育研究の活I生化と大学の個幽上を目的として国立大学法人制度が

発足

・国の行政組織から法人格をもつ自律的経営体へ

・企業会計手法の導入現金主義から発生主義へ,財務諸表の作成と文部科学省への幸皓

・国立学校特別会計の廃止と運営費交付金制度の導入,授業料等の自己収入は大学が留保

学長の強いリーダーシップのもと責任の明陶上:役員会,経営協議会,監事等の設置

・中期目標・計画の策定と法人評価委員会の評価

○国立大学の類型化

下記類型で,アンケート結果にある程度共通性が認められた

・ 旧帝国大学7校

・付属病院を有する総合大学(医総大) 31校

・付属病院を有しない総合大学(医無総大)10校

・理工系大学(理工大) 13校

・文科系大学(文科大) 5校

・医科系大学(医科大) 4校

・教育系大学(教育大) 12校

・大学院大学(大学院大) 4校

○法人化の意図せざる結果

・国立大学間及び学内の格差拡大

・教育研究時間の縮小競争的資金の獲得,評価にかける時間の拡大

・運営費交付金の毎年1%削減

・基盤的経費予算の減少,自由裁量のメリット小さい

-189-

・業務の多|亡化, 人員削減財務諸表,評価書の作成

・外部資金の少ない大学の経営問題

○学長アンケートのまとめとインプリケーション

、教育研究の活性化と大学の個幽上の達成に学長は肯定的に回答.また,年度計画・概算要求な

どにおいてもリーダーシップを発揮,管理運営の合理化・効率化も高まっていると判断.

・業務の多忙化とともに教育研究時間の縮小で疲弊感も表明.

・国立大学間の格差拡大(特に研究面)が進行,運営費交付金の削減,基盤的経費予算の減少は

外部資金の少ない大学では深刻.

.総じて,旧帝大は積極的,教育大。理工大.医科大.文科大は消極的評価.

・学長は積極的,学部長は消極的評価.

国大協専務理事野上智行課題まとめコメント

○運営費交付金の減少は歯止めが必要である.

○大学問大学内学部間の格差が拡大している.

○法人化に対する学生の関心・意識が極めて薄い.

○学生の留学への意欲が最近顕著に減少している(特に米国への留学率で著しい)

○研究者層としては,若手の比率が減少している.各大学は,人件費削減への対応を,不補充・

任期付き教員・特任教員・非常勤でおこなわざるを得ない状況にある.即戦力を求める傾向にあ

る.

○大学の運用益・企業寄付金依存のアメリカ大学は現在危機に瀕している.外部資金依存の大学

経営は危険である.

○日本の国立大学の特性に注目する必要がある.

文科省高等教育局国立大学法人支援課長永山賀久

○法人化の検証結果を夏までにまとめる.資料は:バプリックコメント,有識者会議,7法人への訪

問調査に基づく.

○法人化の成果と課題については混乱がある.交付金問題では法人化によるのか否か,法人全

体の問題か個別の問題か,制度の問題か運用の問題か?

-190-

理系基礎教育部教科書編集委員会報告

理系基礎教育部が主導して実施している以下の科目

「微分積分I」, 「微分積分Ⅱ」, 「力と運動」

は,シラバス・教科書を統一し,実施されている.その教科書は,科目ごとに編集委員会

を置き,年度ごとにその委員を定め,作成されている.

平成21年度の編集委員会では,平成22年度に授業で用いる教科書を作成した.概要は

以下のとおりである.

「微分積分I教科書編集委員会」

編集委員*梅原守道(大学教育センター),岡裕和(工学部),平澤剛(工学部),植木誠一郎(工

学部),細川卓也(工学部)

書名 「微分積分I」 学術図書出版社 (平成22年3月発行)

「微分積分Ⅱ教科書編集委員会」

編集委員*岡裕和(工学部),平澤剛(工学部),植木誠一郎(工学部),細川卓也(工学部)

書名 「微分積分Ⅱ」 学術図書出版社 (平成22年9月発行予定)

「力学教科書編集委員会」

編集委員*吉田宏二(大学教育センター),清水淳(工学部),湊淳(工学部)

書名 「大学生のための力と運動の基礎」 JB企画(培風館) (平成22年3月発行)

(*は各編集委員会の代表者)

-191-

平成21年度大学教育センター活動内容

大学教育センタ

年月 日

平成21年

4月28日 (火)

活動の経過■一 一

事 項

大学教育センター会議(第1回)

・平成21年度茨城大学オープンキャンパスの参加計画について

・サーバの管理者権限問題について

.旧・竹内先生の部屋利用について

・共通教育棟2号館・ 14番教室の利用について

大学教育センター専門部会長会議(第1回)

・平成20年度教養科目推奨授業の選定について

・平成21年度大学教育センター関係会議日程等について

.第2期中期目標素案策定WGについて

・茨城大学教養教育の在り方特別委員会について

5月21日 (木)

大学教育センター基礎教育運営委員会(第1回)

・平成21年度非常勤講師雇用計画の変更について

・平成22年度教養教育非常勤講師時間数の配分について

・基礎教育専門部会兼務教員の交替について

・平成20年度推奨授業の選定について

・茨苑祭準備に伴う休講措置について

・平成22年度教養教育の基本方針について

・平成21年度新入生ガイダンスへの意見.要望について

・平成22年度教養科目ガイドラインについて

・平成22年度教養バンドについて

・平成21年度大学教育センター関係会議日程等について

・学習相談室の開設について

・特色GP平成21年度計画内容について

. eラーニングシステムの考え方について

5月21日 (木)

5月27日 (水) 第45回12大学教養教育実施組織代表者会議・事務協議会

~28日 (木) (主催:千葉大学)

・ 学習目標達成の確認方法について

・教育の質の保証に係る各大学の取組・視点等について

教養教育の担当に係る教員評価インセンティブの付与について

教養教育や専門教育等の科目区分にこだわることなく、一貫した

学士課程教育を構築するための組織的な取組について

-192-

教室の維持・管理に関する実施状況について

身体に障害を持つ学生への支援体制の構築について

メンタル面で問題を抱えている学生に対する対応について

学年暦について

5月28日 (木)

~29日 (金)

平成21年度国立大学教養教育実施組織会議

(主催:弘前大学)

・教養教育マネジメントの構築

. eラーニングによる学習効果

・教養教育における「成績評価」の取組について

・ 学習ポートフォリオの取組について

・初年次教育における学生の修学指導について

大学教育センター会議(第2回)

. eラーニングシステムの考え方について

. eラーニング協議会への参加について

・平成21年度学生アンケートについて

6月 2日 (火)

6月 4日 (木) 大学教育センター專門部会長会議(第2回)

・平成21年度学生授業アンケートについて

大学教育センター基礎教育運営委員会(第2回)

・平成22年度教養バンドについて

・平成22年度教養科目ガイドラインについて

・平成21年度後学期教養科目 「事前申告」実施に

・平成21年度非常勤講師雇用計画の変更について

・総合計画委員会報告

・平成21年度国立大学教養教育実施組織会議、第

教育実施組織代表者会議報告

・平成21年度新入生ガイダンスへの意見・要望に

実施に

・平成21年度新入生ガイダンスへの意見・要望に

6月25日 (木)

ついて

45回12大学教養

ついて

・平成22年度分野別基礎科目及び主題別ゼミナールの開講バンドに

ついて

・平成22年度教養教育基本計画について

・授業アンケートについて

6月30日(火) 大学教育センター会議(第3回)

. eラーニングの考え方について

・平成21年度大学教育センター運営費について

7月28日 (火) 大学教育センター専門部会長会議(第3回)

・平成22年度教養教育の基本計画(案)について

-193-

大学教育センター会議(第4回)

・間接経費の使用について

・ローザ・プルムラの編集体制について

・各部からの報告

7月28日 (火)

6日 (木) 大学教育センター基礎教育運営委員会(第3回)

・平成22年度教養教育基本計画(案)について

・平成22年度茨城大学学年暦(案)について

・平成22年度新入生オリエンテーション日程表(案)について

・平成21年度非常勤講師の雇用計画の変更について

・茨城大学、茨城工業高等専門学校及び福島工業高等専門学校間に

おける単位互換に関する協定の改正について

・平成21年度後学期教養科目の開講について

・全学教務委員会報告

・大学教育センター人事管理委員会報告

・平成22年度分野別基礎科目及び主題別ゼミナールの開講バンド

8月

について

・平成22年度教養教育実施計画について

・総合英語プレースメントテストの変更について

・総合英語に関するアンケートについて

・大学教育センター年報(第13号)について

・RENANDI講習会の開催について

大学教育センター専門部会長会議(第4回)

・平成22年度教養教育実施計画(1次案)について

9月24日 (木)

大学教育センター基礎教育運営委員会(第4回)

・平成21年度非常勤講師の雇用計画の変更について

・情報基礎教育専門部会専任教員の交替について

・平成21年度教養教育シンポジウム及びFDについて

・教員自己点検評価について

・初年次からの食のリスク管理教育プログラムについて

・教育研究評議会報告

9月24日 (木)

大学教育センター会議(第5回)

・総合英語eラーニングシステム(enetlibe, Carabo)の

利用状況について

・著作権のFDについて

・教育改善経費要求について

・教育振興局について

9月29日 (火)

-194-

10月29日 (木) 大学教育センター基礎教育運営委員会(第5回)

・平成22年度教養教育実施計画(2次案)について

・平成22年度茨城大学学年暦(案)について

・平成22年度新入生オリエンテーション日程表(案)について

・茨城大学における教養科目に係る履修規則の一部改正について

・平成21年度非常勤講師雇用計画の変更について

・非常勤講師任用調書の簡素化について

・平成21年度教養教育シンポジウム及びFDについて

・教育研究評議会報告

10月27日 (火) 大学教育センター会議(第6回)

・教員評価制度の改善について

・水戸地区自動車入退構管理と駐車場の整備について

・多読室の整備について

11月24日 (火) 大学教育センター会議(第7回)

・各部からの報告

・教育研究評議会報告

11月25日 (水) 茨城大学教養教育FD研究会

「GPA制度と教育の質の向上について」

講師日永龍彦氏(山梨大学大学教育研究開発センター教授)

11月26日 (木) 大学教育センター基礎教育運営委員会(第6回)

・平成22年度茨城大学学年暦(案)について

、平成21年度非常勤講師雇用計画の変更について

・平成22年度教養科目履修案内作成について

12月 9日 (水) 茨城大学教養教育シンポジウム

「基礎学力向上のためのシンポジウム」

曽我日出夫氏 (茨城大学教授)

「確かな学力の向上を目指す理系基礎教育」

青木克比古氏 (金沢工業大学基礎教育部教授)

「金沢工業大学における理系基礎教育の取組」

小松川浩氏(千歳科学技術大学総合光科学部教授)

「ICTを活用した理数系基礎教育の実践」

-出口への質保証も踏まえて-

パネルディスカッション

-195-

大学教育センター会議(第8回)

・大学教育センター経費について

1月19日 (火)

大学教育センター基礎教育運営委員会(第7回)

・平成22年度茨城大学学年暦(案)について

・平成22年度非常勤講師雇用計画について

・茨城大学、茨城工業高等専門学校及び福島工業高等専門学校間に

おける単位互換に関する協定に係る単位互換科目について

・平成22年度教養教育実施計画の確認について

・平成22年度専門部会長・兼務教員の交替について

1月28日 (木)

大学教育センター会議(第9回)

. eラーニングWGの継承について

・ 300A教室のPC更新計画について

・大学教育センター経費について

・各部からの報告

2月23日 (火)

大学教育センター基礎教育運営委員会(第8回)

・平成22年度非常勤講師雇用計画について

・平成22年度新入生履修ガイダンス担当者のためのガイダンスについて

2月26日 (金)

大学教育センター会議(第10回)

・大学教育センター出版物の著作権について

3月16日 (火)

大学教育センター基礎教育運営委員会(第9回)

・平成23年度教養教育の基本方針(案)について

・平成22年度非常勤講師雇用計画の変更について

・専門部会長及び会兼務教員の交替について

・公開授業の拡大について

. eラーニング推進に関する報告について

・大人数クラスTA雇用及び実施報告日程について

3月25日 (木)

-196-

平成21年度大学教育センター関係委員名簿

【基礎教育運営委員会委員】

センター長 森野 浩(理学部)

副センター長佐藤和夫(人文学部)

副センター長勝本 真(教育学部)

専任教員(教育点検支援部)梅原守道(大学教育センター)

専任教員(教育点検支援部)宇野美由紀(大学教育センター) (平成21年9月1日~)

教務委員長斎藤義則(人文学部)木村勝彦(教育学部)山村靖夫(理学部)

小林正典(工学部) 中村 豊(農学部)

留学生センター専任教員池田庸子

学務部長吉田 平

【企画実施部基礎教育専門部会委員】

企画実施部長佐藤和夫

人文系基礎教育専門部会

部会長 深澤安博(人文学部)

兼務教員田中 裕(人文学部)加藤篤志(人文学部)守屋唱進(人文学部)

酒井紀美(教育学部)

社会系基礎教育専門部会

部会長 中田 潤(人文学部)

兼務教員士屋和子(人文学部)金光男(人文学部)小原規宏(人文学部)

小野寺 淳(教育学部)

自然系基礎教育専門部会

部会長 川田勇三(理学部)

兼務教員下村勝孝(理学部)吉田龍生(理学部)神子島博隆(機器分析センター)

野口高明(理学部)伊藤 孝(教育学部)堀辺忠志(工学部)

澁澤 進(工学部)森川敦司(工学部)井上栄一(農学部)

金澤卓弥(農学部)吉田宏二(理系基礎)

総合基礎教育専門部会

部会長 村山朝子(教育学部)

兼務教員青山和夫(人文学部)安田健一(教育学部)関 友作(教育学部)

郡司晴元(教育学部)

-197-

外国語基礎教育専門部会

部会長 神田大吾(人文学部)

兼務教員真柳 誠(人文学部)鄭基成(人文学部)糟谷政和(人文学部)

池田庸子(留学生センター)

総合英語教育専門部会

部会長 斉田智里(人文学部)

兼務教員福田浩子(人文学部)高橋智之(人文学部)東 佳史(人文学部)

小林邦彦(人文学部)竝木崇康(教育学部)北 和之(理学部)

篠嶋 妥(工学部) 小島俊雄(農学部)

情報基礎教育専門部会

部会長 羽渕裕真(工学部)

専任教員梅原守道(大学教育センター)宇野美由紀(大学教育センター)

兼務教員野口 宏(IT基盤センター)

健康・スポーツ基礎教育専門部会

部会長 日 下裕弘(教育学部)

兼務教員上地 勝(教育学部)大谷 忠(教育学部)渡邊將司(教育学部)

理系基礎教育部曽 我日出夫(教育学部)梅原守道(大学教育センター)

田宏二(大学教育センター)藤原高徳(理学部)

聖治(理学部)湊 淳(理工学研究科)清水 淳(工学部)

田智里(人文学部)福田浩子(人文学部)小林邦彦(人文学部)

山陽子(大学教育センター)上田敦子(大学教育センター)

尾由里(大学教育センター)有田由紀子(大学教育センター)

士口

総合英語教育部斉

西

【教育点検支援部】

教育点検支援部長勝本 真

梅原守道(大学教育センター)宇野美由紀(大学教育センター)

専門部会長 深澤安博(人文学部) 中田 潤(人文学部)

川田勇三(理学部) 村山朝子(教育学部)

神田大吾(人文学部) 斉田智里(人文学部)

羽渕裕真(工学部) 日下裕弘(教育学部)

-198-

平成21年度大学教育センタ L 一

専任教員研究活動

活動内容岡山陽子OKAYAMA,Yoko

(大学教育センター総合英語教育部)

1.本年度の活動概要

担当授業は、総合英語レベル4を8コマ、レベル3を4コマ担当した。および、教養総

合科目表現・言語系科目「簡単な絵本からペーパーバックへ-100時間多聴講座①」および

「簡単な絵本からペーパーバックへ-100時間多聴講座②」を各々、前学期・後学期に担当

した。また、 この講座は、社会人への公開授業とした。

総合英語レベル4のコーデイネータを担当し、カリキュラム・教育法構築作成と教材選

定、レベル4の担当教員への日常的FD等を行った。総合英語FD担当者としてFDの企画

実施を行なった。平成21年5月11, 12日には、総合英語レナンデイ講習会を行った。

「大学教育センターTAガイダンス」を実施し、TA希望の約60名の大学院生に対して、

「茨城大学テイーチング・アシスタント用説明資料(作成者:岡山陽子・千葉康生・竹内

俊彦)」を使用してTAについて説明した。

平成21~23年度の科研費補助金【基盤研究(C)課題番号:21520631-0004】 「英語習

得用多読的シャドーイングと多読的音読の効果的併用方法の研究と普及」を研究代表者(他

研究分担者3名) として、また、平成21~23年度科学研究費補助金【基盤研究(C)課題

番号:21520564-0003】 「高等教育における効果的な多読授業の研究一具体的な指導法の

提案と普及一」 (研究代表者:上田敦子)に、研究分担者として参加し、研究・視察・報告・

講演などを行った。

2、本年度の出張

①平成21年度教育著作権セミナー(平成21年9月7日、東京工業大学大岡山キャンパスにて)

②東京大学教養課程英語教育プログラム視察(平成22年2月4日、東京大学駒場キャンパス

にて)③大阪女学院大学・短期大学英語教育プログラム視察(平成22年2月5日、大阪女学院大

学・短期大学キャンパスにて)④沖縄工業高等専門学校など授業視察・講演・多聴多読意見交

換など(平成22年1月21~24日)

3.本年度の学会発表・依頼講演

学会発表: 「全学共通英語教育の現状と課題一茨城大学習熟度別授業を通して考える-」(平成

21年6月21日、 「JACET(大学英語教育学会)関東支部大会シンポジウム、青山学院大学

にて」(他4名との共同発表)

依頼講演: 「Let'sスタートシャドーイング:シャドーイングの始め方一茨城大学の多読・シャドー

イング授業」(平成21年5月10日、埼玉県上尾市「英語多聴多読の会」主催)

-199-

活動内容 上田敦子

(大学教育センター総合英語教育部)

研究・発表

平成21年度も前年度に引き続き、多聴多読を取り入れた英語教育の研究を進めた。

○6月21日 (東京、青山学院大学)大学英語教育学会(JACET)関東支部大会での

シンポジウム「全学共通英語教育の現状と課題一茨城大学習熟度別授業を通して考える

-」 (発表)

○3月19日 (京都、京都大学高等教育研究開発推進センター)第16回大学教育研

究フォーラムにてラウンドテーブル企画「基礎教育におけるeラーニング演習一英語

教育と数学教育の観点から-」 (発表)

○科学研究費を申請し受理された。 「高等教育における効果的な多読授業の研究一具体

的な指導法の提案と普及一」共同研究者は岡山陽子(大学教育センター准教授)、神田

みなみ(平成国際大学教授)、黛道子(順天堂准教授)、高瀬敦子(近畿大学講師)の4

名。 3年間の研究の1年目である21年度は各自の授業の分析をおこなった。

○科学研究費の共同研究者として、岡山陽子(大学教育センター准教授)、酒井邦秀(電

気通信大学准教授)、有田由紀子(大学教育センター講師) と授業内でのシャドーイン

グ教育の研究を行っている。

○「英語多読ブックガイド第3版」 (コスモピア)執筆協力

授業

授業は年間14コマ担当した。

前期週6コマ(総合英語3本×2、総合科目1本)、夏季集中1本、後期週7コマ

(総合英語3本×2コマ、総合科目1本)

地域・社会貢献

○総合科目 (「絵本からペーパーバックまで100万語多読講座」)にて社会人受け入れ

○多読学習者のためのメールマガジン「多読通信」にて編集・記事執筆

○日本多読学会世話人、 日本多読学会紀要査読者および編集員

○「多聴多読マガジン」 (コスモピア)にて掲載記事執筆

4, 6, 8, 12月号(4月、 12月は特集記事を担当)

○水戸地域にある常磐大学においても非常勤講師を担当(内容は多読多聴)

○茨城大学ESSのスピーチコンテストにおいて、審査員を担当

その他の活動

総合英語教育部員として、レベル1のコーデイネータ、CATJ」を担当している。

大学教育センター教員として、 ローザ・プルムラ編集委員

-200-

活動内容 西尾由里NISHIO,Yuri

(大学教育センター総合英語教育部)

教育内容

授業は年間15コマ、 7科目担当した。 6科目は総合英語科目のレベル3の授業であり、

前期6コマ、後期6コマである6 1科目は総合英語のレベル2の授業で、春季集中1コマで

ある。各クラスの履修者は前期・後期とも25名から38名(主に1.2年生)である。春季

集中は2年生から4年生までの5名である。

総合英語レベル3のコーディネータを担当し、シラバス作成、教育指導法の研究、教材

の検討、および非常勤教員との交渉連絡を行った。定期的に専任・非常勤の教員とのミー

ティングやFDを行った。 さらに、FDの一環として、横浜市立大学、大阪女学院大学を訪

問し、各大学の英語プログラムについての情報を得た。また、TESOL世界大会に出席し、

最新の英語教育の現状を学んだ。

論文

木下徹・宮本節子・今井裕之・西尾由里.M,Taylor. (2009). 「共同学習と脳科学:言語課

題遂行時の脳血流を中心に」『「日本教育工学会研究報告集」,JSETO9-2, 153-158.

岡山陽子・上田敦子・西尾由里・有田由紀子. (2009). 「全学共通英語教育の現状と課題一

茨城大学習熟度別授業を考える一ThePresentStateandProblemsofthe

IntegratedEnglishProgram」『JACET第3回(2009年度)関東支部大会要綱」

YNishio.&S.Miyamoto. (2010).TheProcessofReadingEnglishbyJapaneseChildren

withthePerspectivesofAcousticAnalysisandanEyeCamera,7ZhAsiaZEFZ

&"thZZ"""dZEISOLnzfezma"onal"nfz℃"ce,Cbnibr氾刀ce"a""ooki

p290.

M.Tsuzuki.&YNishio. (2010).IntelligibnityAssessmentofJapaneseAccentsby

EnglishNativeSpeakersunfamiliarwiththem:ScienceMajorStudents' "

Speech,ZZeZ5MCbnibz℃"ceof"enzjerma〃D"aL4ssociaなり"ibrWbrg"

EhzgZZshes,(L4W鰍p52.ThePhilippines.

木下徹・宮本節子・今井裕之・西尾由里・M,Taylor. (2010). 「協働作業における「協働」

因子抽出可能性」 『日本教育工学会研究報告集』 ,JSET10-1, 409-412.

西尾由里. (2010). 「総合英語授業の発音訓練におけるCAT」T」教室利用の可能性」 !『茨城大

学大学教育センター年報』第13号(2008), 109-118.

西尾由里. (2010). 「総合英語の共通シラバスのもとでの協働学習一教員と学生のアンケート

からの検討」「茨城大学人文学部紀要人文コミュニケーション学科論集』第8号,

123-134.

-201-

研究助成報告書

西尾由里・宮本節子. (2009). 「科学研究費補助金研究成果報告書大人と子供における音

声知覚単位と文字読解の単位の解明』

学会発表

木下徹・宮本節子・今井裕之・西尾由里・M,Taylor. (2009). 「共同学習と脳科学:言語課

題遂行時の脳血流を中心に」 日本教育工学会研究会,徳島大会.

岡山陽子・上田敦子・西尾由里・有田由紀子. (2009). 「全学共通英語教育の現状と課題一

茨城大学習熟度別授業を考える-ThePresentStateandProblemsofthe

IntegratedEnglishProgram」JACET第3回関東支部大会.

YNishio.&S.Miyamoto. (2010).TheProcessofReadingEnglishbyJapaneseChildren

withthePerspectivesofAcousticAnalysisandanEyeCamera、 7MAsrafEFZ

&29"ZZaルヲ刀aZESOLEz#ezzzaなりnaJan企1℃、Ce.

M・Tsuzuki.&YNiShio. (2010).IntelligibilityAssessmentofJapaneseAccentsby

EnglishNativeSpeakersunfamiliarwiththem:ScienceMajorStudents'

Speech,"eZ"hのniもz恒"ceofrhe血犯rma"DnaL4sssocrafrOnfrWbrゾヒf

"zgZZghes,(L4Wm

木下徹・宮本節子・今井裕之・西尾由里・M,Thylor. (2010). 「協働作業における「協働」

因子抽出可能性」 日本教育工学会研究報告会,広島大会.

研究助成

H20~H22文部科学省研究費補助金(基盤C) (20520447)研究分担者『コミュニケーシ

ョンの阻害要因となる日本語母語話者の英語音特性の考察」

H20~H22文部科学省研究費補助金(萌芽) (20650145)研究協力者『協同学習過程にお

ける視線と脳活動の解明:バイオフィードバックへの試案」

出張

2009年6月

2009年8月

2009年10月

青山大学JACET関東大会学会発表

Thailand,BangkokAsiaTEFL研究発表.

ThePhilippines,CebuConferenceofthelnternationalfbrWorld

Englishes(IAWE)研究発表

横浜市立大学PracticalEnglish授業見学

大阪女学院大学英語教育プログラムに関して訪問

USA,BostonTESOL学会参加

月月月

123

年年年

000

111

000

222

社会的貢献

独立行政法人日本学術振興会科学研究費委員会専門委員

(H20年12月1日~H21年11月30日任期)

平成20年度科学研究費基盤(C) 1段外国語教育87件書類審査を行う。

-202-

活動内容有田由紀子ARITA,Yukiko

(大学教育センター総合英語教育部)

1.本年度の活動概要

授業は14コマ、 7科目を担当した。すべて教養科目総合英語であった。履修学生数は1

クラス18名から31名で計184名だった◎

総合英語レベル2のコーデイネータを担当し、カリキュラム・シラバス作成と教材選定・

作成、試験作成を行った。レベル2の担当教員は非常勤講師も含めて7名であったが、教

員へのFD及び諸連絡等も行った。

総合英語担当教員へのFDとしては、前学期開始前にレベル2担当教員に授業等に関す

るオリエンテーションを開いた。そして前期最後にレベル2に関する事後アンケート及び

そのアンケート結果を基にしたFDミーティングを行った。後期授業に関しては、担当教

員との個別面談を適宜行った。前後期を通して、担当教員と頻繁に連絡を取るよう心がけ、

総合英語授業、特にレベル2授業の円滑な進行及び発展に努めた。

また、上田敦子准教授と共にCAT」T」担当員として、教員のCAT」T」教室利用の管理等に携

わった他、テイーチングアシスタントの仕事の管理等も行った。また、ALCNetAcademy

の使用に関するオリエンテーションや教員・学生の補助を行い、RENANDI等を使用した

授業の普及に努めた。

さらに、総合英語カリキュラムの充実を目指した研究の一環として、 「茨城大学の総合英

語プログラムレベル授業(共通教育・習熟度別教育)について、教員、学生、 コーディネ

ータなどの立場から問題点とその解決法を探る」 という研究を、レベルコーディネーター

4名(代表:岡山陽子、有田由紀子、上田敦子、西尾由里:アイウエオ順)で行った。総

合英語担当教員と履修学生を対象にしたアンケートを実施し、その分析結果をレベルコー

デイネータ4名で大学英語教育学会(JACET)関東支部大会にて発表した。その後、特に

「レベル間の接続」に関して論文にまとめ、茨城大学人文学部紀要人文コミュニケーショ

ン学科論集第8号に投稿した。

茨城大学総合英語に関する他の研究活動としては、総合英語担当教員3名(代表:斉田智

里、有田由紀子、小林邦彦:アイウエオ順)で、 4技能の総合的な指導を行う茨城大学英

語教育における評価デザインの構築とその課題について検討する研究を行った。その分析

結果を「大学英語教育における評価デザインの構築一学力評価とプログラム評価の観点か

ら-」 というタイトルで、第35回全国英語教育学会で発表した。また、斉田智里・有田由

紀子で「大学英語教育における評価システムの構築-学力評価とプログラム評価の観点から」

と題した論文を全国英語教育学会誌第21号で発表した。

-203-

2.本年度の出張

第35回全国英語教育学会烏取大会 (2009年8月8日、鳥取大学湖山キャンパス)

大学英語カリキュラム視察訪問東京大学教養課程英語教育プログラム視察。東京大学教

養課程の英語プログラム、理系学生用必修コースALESS(アカデミック・ライティング

のコース)を視察した。 (2010年2月4日、東京大学駒場キャンパス、岡山陽子・有田

由紀子)

大学英語カリキュラム視察訪問大阪女学院大学・短期大学の英語教育プログラムを視察。

(2010年2月5日、大阪女学院大学キャンパス、有田由紀子・岡山陽子・上田敦子・西

尾由里)

第16回大学教育研究フォーラム (2010年3月17-19日、京都大学吉田キャンパス)

3.本年度の論文・発表

論文: 「茨城大学全学共通英語教育のレベル間接続における現状と課題」, 『茨城大学人文学

部紀要人文コミユニケーシヨン学科論集』第8号,107-122.

「大学英語教育における評価システムの構築-学力評価とプログラム評価の観点から-」

(斉田智里、有田由紀子), 『全国英語教育学会誌』第21号,241-250.

「全学共通英語教育の現状と課題一茨城大学習熟度別授業を通じて考える-」 (_上田

敦子・有田由紀子・西尾由里・岡山陽子(司会:阿野幸一先生)),大学英語教育学会

(JACET)関東支部大会 (2009年6月21日)

「大学英語教育における評価デザインの構築一学力評価とプログラム評価の観点か

ら-」 (斉田智里・有田由紀子・小林邦彦),第35回全国英語教育学会鳥取大会(2009

年8月8日)

"Howtoteachpresentationskmseffectively'PosterpresentedattheJALT2009

AnnualConferenceinShizuoka. (PosterSession)(November23,2009)

「茨城大学総合英語プログラムにおけるeラーニングの活用と課題」,第16回大学教

育研究フォーラムラウンドテーブル企画「基礎教育におけるeラーニング演習-英語

教育と数学教育の観点から-」 (2010年3月19日)

発表

-204-

活動内容吉田宏二

(大学教育センター企画実施部、理系基礎教育部委員)

2009年度

教育内容

授業については,前期「力学初歩」, 「力学基礎」,後期「物理学実験基礎」, 「自然科学の発展と利

用」を担当した. 「物理学実験基礎」については,分担担当で,担当者代表を務めた. 「自然科学の発

展と利用」では, 「公開授業」として社会人を5名受け入れた. どの授業においてもレナンディの利

用を積極的に進め,特に「力学初歩」, 「力学基礎」ではe-learning教材の改訂やドリルの作成に力

を入れた.

本年度より工学部で統一化された「力と運動」について,授業担当こそはなかつたが,小テスト問

題作成やテキスト作成という側面からの支援を行った.

学会発表eラーニングを用いた文系学生向けの数学授業

千葉康生,吉田宏二

日本科学教育学会第33回年会(京都大会) (同志社女子大学)

研究報告

吉田宏二, 千葉康生“文系学生のための教養としての物理教育一物理学史を用いた授業の試み-”

大学教育センター年報第13号(2010) 151-155.茨城大学

出張

千葉大学特色GPフオーラム(2009年8月26日,千葉大学)参加

その他の活動

*理系基礎教育部員として,特色GP「確かな学力の向上を目指す理系基礎教育」を実施した.特に力

学授業の統一化や物理学実験基礎などの物理部門を担当した.またこの取り組みの一環として,理系質問室を開室し,週2回(1回当たり90分)を担当し,学生からの質問・相談を受けた.

*ローザ・プルムラ編集委員会代表として,大学教育センター広報誌「ローザ・プルムラ」を春と秋

の年2回発行した.

*力学教科書編集委員会のまとめ役として, 「大学生の力と運動の基礎」を執筆・編集した. この本

は(株) JB企画(培風館)より出版され, H22年度前期授業「力と運動」のテキストとして使用され

る.

*e-learningワーキンググループメンバーとして, レナンディの利用促進(例えばレナンディ講習会

の講師(於工学部))などの活動を行った.

*オープンキャンパスでは,公開授業として「力学のなりたち (ガリレオとニュートン)」を開講

した.

*その他, 自然系基礎教育専門部会委員

-205-

活動内容梅原守道(UMEHARA,Morimichi)大学教育センター教育点検支援部(兼務:理系基礎教育部委員・情報基礎教育専門部会委員)

論文(紀要・プレプリント等含む)

[1]M.Umehara,Onthefree-boundaryproblemfbrselfLgravitatingviscousgaseousmodels,In:Semi""

notesqfm"/Demα"calscierlcesl2,editedbyH.Soga(chief),94-108,IbarakiUniv.,2009. (査読なし)

[2]M.UmeharaandA.Tani,Free-boundaryproblemoftheone-dimensionalequationsfbraviscousand

heat-conductivegaseousHowundertheselfgravitation,submitted.

研究助成

1.科学研究費補助金(日本学術振興会),種目:若手研究(スタートアツプ),研究課題「天体の連続体モデル

の数学解析(課題番号21840014)」の研究代表者

出張(教育・ FD関連のもの)

1.全国大学IT活用教育方法研究発表会(主催:社団法人私立大学情報教育協会),2009年7月4日,アルカ

ディア市ケ谷,聴講参加

2.大学教育改革プログラム合同フオーラム(主催:文部科学省),2010年1月7日-8日,東京ビツグサイト,聴講参加

3.第16回大学教育研究フオーラム(主催:京都大学高等教育研究開発推進センター),2010年3月18日-19

日,京都大学吉田キャンパス,聴講参加

その他

1. 「茨城大学大学教育センター理系基礎教育部微分積分I教科書編集委員会」の平成21年度委員(代表)

2. 「茨城大学大学教育センター理系基礎教育部編『確かな学力の向上を目指す理系基礎教育一特色ある大

学教育支援プログラム(特色GP)取組最終報告書(平成19~21年度)-」 (平成22年3月)」の第2章

を執筆担当

-206-

活動内容宇野美由紀

(大学教育センター教育点検支援部、情報基礎教育専門部会委員)

以下に平成21年度の活動報告を述べる。

・ ICITS2009参加報告

暗号と情報理論の国際会議ICITS2009に参加して、研究の最新動向を調査した。会

議では筆者の研究分野の一つである秘密分散法について知見を得た。秘密分散法

においては参加者が復元できる情報の正確さと、参加者が保持する情報の量の間に

トレードオフが存在する。ある条件下で参加者一人当たりが保持する情報の量を小さく

することが実用上においても重要で、さらにその最適性を示すことは学術的にも重要

な意味を持つ。研究報告では秘密分散法の最適化手法についても複数の発表がなさ

れた。マトロイドを用いてアクセス構造を分解し、最適性を段階的に示す証明手法に

ついて最新の情報を得た。

・研究内容

筆者は現在、特殊なアクセス構造下における高コントラストな視覚型秘密分散法を研

究している。サイクル、二部グラフのアクセス構造下においてセキュリティ要件を緩める

ことで、通常では不可能な高コントラスト画像の復元を実現した。各条件下で漏えいす

る情報量を解析し、コントラストの最適性を証明することが現在の目標である。最適性

の証明ではグラフ理論におけるアボリシテイや彩色数に関する性質が有用である。証

明手法の開発を共同研究者と進めている。

-207-

大学教育センター年報編集委員会

平成21年度

委員長勝

委員梅

委員宇

委員深

委員中

委員川

委員村

委員神

委員斉

委員羽

委員 日

本原野澤田田山田田渕下

真道紀博潤三子吾里真弘

由守美安勇朝大智裕裕

(副センター長教育点検支援部長)

(専任教員教育点検支援部)

(専任教員教育点検支援部)

(人文系基礎教育専門部会長)

(社会系基礎教育専門部会長)

(自然系基礎教育専門部会長)

(総合基礎教育専門部会長)

(外国語基礎教育専門部会長)

(総合英語教育専門部会長)

(情報基礎教育専門部会長)

(健康・スポーツ基礎教育専門部会長)

この年報は、茨城大学大学教育センターの発行する年報としては第4号に

あたるものであるが、同センターの前身にあたる大学教育研究開発センター

の年報との連続性を考慮して通し番号を採用し、第14号とした。

平成22年3月

茨城大学大学教育センター

T310-8512水戸市文京2-1-1

029-228-8414

029-228-8498

コトブキ印刷株式会社

発刊年月

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AnnualReviewof

UniversityEducationCenter

No.14

2010・March

IBARAKIUNIVERSITY

UniversityEducationCenter