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中小企業地域資源 活用促進法に基づく が応援するふるさと名物 1 ~ いばら藍色プロジェクト ~ 【第1弾】 世界が認める『井原デニム』 岡山県井原市 井原市マスコットキャラクター でんちゅうくん

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Page 1: 岡山県井原市 - chugoku.meti.go.jp · 備後圏域デニムプロジェクト(備後圏域連携中枢都市圏事業) 備後圏域の地域資源である「デニム」について、関連企業のつながりを強化し、地域一体と

中小企業地域資源活用促進法に基づく

が応援するふるさと名物

1

~ いばら藍色プロジェクト ~

【第1弾】

世界が認める『井原デニム』

岡山県井原市

井原市マスコットキャラクターでんちゅうくん

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平成29年3月20日

岡山県井原市

地域のプロフィール

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井原市は、岡山県の西南部に位置し、西は広島県に接しています。豊かな自然に囲まれたまちで、市内を清流小田川が貫流し、その流域の平野部に市街地が形成されています。古くから藍染木綿織物産地として栄え、アパレル製品を製造する繊維産業を中

心に発展し、昭和40年代からは自動車部品、電気機械器具、プラスチック製品等の製造も盛んになり、現在は、多様な産業が集積しています。また、瀬戸内地域の温暖な気候に恵まれ、年間を通して晴れの日が多く、自然

災害もほとんどないため、果物や野菜の生産や畜産に適しており、数多くの特産品があります。特に標高差に富んだ風土で栽培するぶどうは、種類も多く、良質なぶどうとして高評を得ています。また、晴れの国に加えて、上空の気流が安定していること、さらには「井原市

光害防止条例」を制定して過度な夜間照明を抑制する取り決めを行っているため、美しい星空の見えるまちとしても、評価を受けています。

いばら

【概要】・標高:海抜24.0m~650.3m・総面積:243.54㎢・平均気温:13~15℃・年間降水量:約1000mm・人口:約41,500人・世帯数:約16,500世帯

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◆いばら藍色プロジェクト【第1弾】世界が認める『井原デニム』

ふるさと名物の内容

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地域のプロフィール

ふるさと名物

井原地域は、晴れの日が多く、「井」戸水の湧き出る「原」っぱの名のとおり、小田川の豊富な伏流水の恩恵を受けるなど綿花栽培に適した土地であったことから、江戸時代の比較的早い時期から幕府領や旗本領の下、木綿作が盛んに行われていました。木綿作が普及するにつれ、その木綿を原料に製糸・機織りの加工を行う女性の諸稼ぎが発展し、いつしか井原地域で織られた木綿織物は、畳表とともにご当地幕府領の特産品として流通するようになりました。遅れること藍葉栽培が始まり、藍染めの織色木綿として、江戸時代後期には、参勤交代により、井原産藍染木綿織物は瞬く間に全国に知られるようになりました。

明治時代に入ると、地方初の動力織機を導入した井原織物株式会社が明治24年に設立されるなど、手織機から動力織機へ、また農家の副業が機業経営へと変化がみられるようになり、動力織機を据え付けた工場が増加しました。また、色染業も現れ、藍染めから硫化染料を使用するなど、人造染料が使われるようにもなりました。

大正時代には、綿糸を双糸にして厚地に仕上げる小倉服地(備中小倉)生産が井原地域の織物生産の8割を占め、学生服や軍服の服地として、国内のみならずアジアやオセアニアへ輸出を行っていました。また、綾綿布の生産も確認されており、井原地域では、すでに大正時代からデニム地を生産していたことがわかります。

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このように、厚地の藍染木綿織物技術を有し、綾織りというデニム地の原型が出来上がっている中、戦後、アメリカ軍のGHQが履いていたジーンズを参考に、昭和20年後半には、国産ジーンズを生産販売していたと言われています。昭和30年代に入ると空前のジーパンブームが訪れ、昭和45年~48年にかけて年間1500万本ものジーパン(国内シェア約75%)をここ井原地域で生産していたと言われています。

その後は、オイルショックや為替の変動相場制への移行、低賃金の労働力を使った安価な外国製品の台頭による影響を受け、生産量は落ちていきましたが、色や柄、生地質の改善を行うなど、日々研究、努力を重ね、付加価値を高めていった結果、伝統的なシャトル織機を使ったセルビッチデニムをはじめ、独特な色合い、風合いのある井原産のデニム地が欧米のバイヤーから絶賛されています。

これからの「井原デニム」は、井原産デニム地を素材とする製品の中で、より高い価値を求めて進化し続けているものに付与するブランド商品として、さらなる差別化を図っていきます。

いばら藍色プロジェクト 第1弾 「世界が認める『井原デニム』」では、井原デニム関連産業のさらなる活性化を目指し、井原市全体が藍色(インディゴ色、「i」bara色、愛色)で溢れかえるまちづくりを目指しています。

ふるさと名物の内容

活用する地域資源

◆繊維生地・アパレル製品・糸(繊維製品)

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◆ ジーンズデイの実施

地域の取り組み

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市町村の取組

「デニムのまち井原」をPRするため、毎年5月から10月のクールビズ期間中、毎週水曜日を「ジーンズデイ」と銘打って、井原市職員が勤務時間中にジーンズを着用しています。※井原商工会議所職員、備中西商工会職員も同じ取組を行っています。

◆ 井原デニムによる地域活性化事業(事業委託:井原被服協同組合)

◆「織物設計・分解研修会」の開催

地場産業(織物業)に携わる人材を養成すること及び繊維関連事業者の織物に関する知識を習得することを目的に、実技を交えた講座を毎年10回シリーズで開催(受講料無料)しています。

デニムの原材料となる綿を、井原市で井原市民が有機無農薬栽培を行い、井原市民のデニム生地「井原ハートフルデニム」を作ろうと動き出したプロジェクトで、綿花の種を配布して、県立井原高校園芸科様、市内小学校様及び市民の皆様など多くの方々のご協力をいただき、毎年約200~300Kgの綿を収穫しています。このたび、吉河織物株式会社様、浅野織物合資会社様、県立井原高校家政科様、市民の皆様、市内縫製業者様のご協力をいただき、井原ハートフルデニムバッグが完成しました。来年度から小学校へ入学する新1年生に毎年手提げ袋をプレゼントすることにしています。

◯綿いっぱい運動綿花栽培 縫製

小学1年生へプレゼント

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地域の取り組み

◯商品化コンテスト

井原産デニム生地を使った商品化コンテストを実施して、クオリティーの高い井原産デニムのPRを図るとともに高品質なデニム製品の商品化を目指しています。毎年約100点を超える作品の応募があり、その中から、最優秀賞、優秀賞、奨励賞の作品を5点選定しています。また、受賞者には、クロキ株式会社様の染色工場、織布工場の見学を実施し、クオリティーの高いデニム生地の製造工程を確認していただいています。なお、商品化コンテストの作品製作に必要となる井原産デニム生地は、備中織物構造改善工業組合様の組合員様から無償で提供いただいています。

◯体験型イベントの実施

綿花の種まき及び収穫体験、綿繰り体験、手織り(さき織り)体験、インディゴ染め体験、ダメージ加工体験、リベット打ち体験、機織機の手織り体験、デニム製うちわ作り体験など、様々な体験イベントを定期的に実施し、井原デニムに興味関心を持ってもらう機会を設けています。

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地域の取り組み

その他の取組

関係団体の取組

◆ 繊維産業「産地連携」推進事業(高梁川流域圏広域連携事業)

高梁川流域圏内の産地連携を目指し、圏域内の繊維産業事業者間の交流、連携を図っています。また、デニム、ジーンズ製造技術等、熟練の知識、技術を伝達する研修を実施しているほか、小学生等を対象に、繊維産業の将来を担う人材の育成に向けた取組を行っています。

◆ 備後圏域デニムプロジェクト(備後圏域連携中枢都市圏事業)

備後圏域の地域資源である「デニム」について、関連企業のつながりを強化し、地域一体となった情報発信を行い、また、企業ニーズを反映した販路開拓支援等の事業を実施しています。

◆ 井原デニム共同アンテナショップの運営(井原被服協同組合様)

井原デニム商品の共同アンテナショップ「井原デニムストア」を井原駅ビル内に設け、井原デニム商品の展示販売を行っていただいているほか、井原市の玄関口として、井原市の特産品PRや観光案内を行っていただいています。また、井原市観光協会様より井原駅及び周辺のデニム化装飾のお手伝いをいただき、備中織物構造改善工業組合様からデニム生地の提供、井原マイレールプラザ様については、井原駅ビル管理、井原デニムPR等のイベント開催のご協力をいただいています。

◆ 綿繰り・綿打ち・糸紡ぎ・手織り体験(サークルあい様)毎年井原鉄道井原線感謝デーのイベントにおいて、江戸時代から明治時代にかけて手織りで綿

布製造を行っていた時の再現をボランティアにて行っていただいています。7

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ふるさと名物応援宣言

江戸時代から続く厚地藍染織物の生産技術の継承と日々の創意工夫により、井原産デニムは世界最高品質のひとつと認められており、また、日本で初めてデニム地の生産をしたことから「国産デニムの聖地」と呼ばれています。このような中、井原被服協同組合では、備中織

物構造改善工業組合と連携し、井原産デニムを素材とする製品の中で、より高い価値を求めて進化し続けているものに、「井原デニム」の称号を付与するブランド化を目指していることから、井原市も、「世界が認める『井原デニム』」を「ふるさと名物」として応援し、藍色で溢れかえる元気なまちづくり及び地元繊維産業のさらなる活性化に繋げていくことをここに宣言します。

平成29年3月20日

岡山県井原市長 瀧 本 豊 文

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井原デニムは、更なる付加価値を求めて進化し続けます。9

井原デニム商品群