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1 PM−P51−17 (社)日本船舶海洋工学会 内航海運のための省エネ母船型の研究開発委員会 最終報告書 平成29年6月

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PM−P51−17

(社)日本船舶海洋工学会

内航海運のための省エネ母船型の研究開発委員会

終報告書

平成29年6月

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P-51「内航海運のための省エネルギー母船型の研究開発委員会」委員等名簿

氏 名 委 員 所 属

日野孝則 委員長 横浜国立大学

谷澤克治 幹事 海技研

稗方和夫 委員 東京大学

岡田哲男 委員 横浜国立大学

大澤直樹 委員 大阪大学

陸田秀実 委員 広島大学

金丸 崇 委員 九州大学

山尾 崇 委員 海技研

三浦唯秀 委員 三浦造船所

三浦則和 委員代理 三浦造船所

眞砂 徹 委員 興亜産業

清水泰良 委員代理 興亜産業

岡部信吾 委員代理 興亜産業

本瓦 誠 委員 本瓦造船

新田康彦 委員代理 本瓦造船

高品純志 委員 日本海事協会

一ノ瀬康雄 書記 海技研

笠原良和 オブザーバ 海技研

川北千春 オブザーバ 海技研

田原裕介 オブザーバ 海技研

久米健一 オブザーバ 海技研

金子杏実 オブザーバ 海技研

白石富喜太 オブザーバ 大鎧設計事務所

山内剛太 オブザーバ 三光工務店

加戸正治 事務局 日本船舶海洋工学会

森山雅幸 事務局 日本船舶海洋工学会

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目 次

0.要約・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ i - vii1. 緒言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2. 研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2.1. 研究の背景と目的 2.2. 事業計画 3. 研究委員会の活動状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 3.1. 研究委員会名簿 3.2. 研究委員会開催状況 3.3. 有識者会議名簿 3.4. 有識者会議開催状況 4. 499 トン型ケミカルタンカーの省エネルギー船型群の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 4.1. マーケット調査の結果 4.2. 初期船型の設計 4.3. CFD による 適船型の探索 4.4. 適船型 4.5. プロペラ設計 4.6. 水槽試験による性能評価 4.7. バリエーション船型開発の方針 4.8. 省エネルギー船型群の開発および船型群の性能 4.9. CO2排出量低減達成度の評価 5. 749 トン型一般貨物船の省エネルギー船型群の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82 5.1. マーケット調査の結果 5.2. 初期船型の設計 5.3. CFD による 適船型の探索 5.4. 適船型 5.5. プロペラ設計 5.6. 水槽試験による性能評価 5.7. バリエーション船型開発の方針 5.8. 省エネルギー船型群の開発および船型群の性能評価 5.9. CO2排出量低減達成度の評価 6. 499 トン型ケミカルタンカーの基本設計(ケミカル専用船)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・138 7. 499 トン型ケミカルタンカーの基本設計(油ケミカル兼用船)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・148 8. 749 トン型一般貨物船の基本設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・171 9. 結言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・194 10. 謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・194

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0. 要 約

0.1 緒言

本報告書は,公益社団法人日本船舶海洋工学会(以下学会)が,株式会社三浦造船所,興亜産業株式会社,本

瓦造船株式会社(以下造船三社と称する)と共同研究体を組んで応募し,平成 28 年 8 月 16 日付で交付決定通知

を受けた資源エネルギー庁の補助事業,平成 28 年度「輸送機器の実使用時燃費改善事業費補助金(海上輸送機器

の実使用時燃費改善事業(標準的省エネルギー船舶開発調査))」により実施した「内航海運のための省エネルギー

船型群の研究開発」の成果について報告するものである. 内航船舶の建造を担う中小造船所で低コストかつ容易に省エネルギー内航船舶が建造可能となるよう,標準的

な船型の開発を行い,建造を希望する者に幅広く提供することで内航海運の燃費効率のボトムアップを図り,

もって,内外の経済的社会環境に応じた安定的かつ適切なエネルギーの需給構造の構築を図ることを目的として

いる. 対象船は,499 トン型ケミカルタンカーと 749 トン型一般貨物船で,省エネルギー目標として,499 トン型ケ

ミカルタンカーでは比較対象船舶(0.01212 l/ton*mile)(A 重油換算)から 16 %以上の省エネルギー効果を,749トン型一般貨物船についても比較対象船舶(0.01208 l/ton*mile)(A 重油換算)から 16 %以上の省エネルギー効

果を有した船型(以下「省エネルギー内航船舶」という.)の開発を掲げて実施した. 0.2 事業計画

図 0.2 に本事業計画の全体像を示す.本事業では 499 トン型ケミカルタンカーと 749 トン型一般貨物船

の船型開発を始めるにあたり,内航船主等を対象とした(1)ヒアリング調査を行い,その結果を踏まえて主

要目と設計船速を設定,造船所から提供をされた元船型から(2)CFD を活用して省エネルギー船型群の開発

し,(3)造船所による船型検討を経て実用船型としての成立性を確認した上で,その代表船型について(4)水槽試験により性能を確認, 後に(5)造船所にて基本設計を実施して建造可能な船型群を完成させる計画で

事業を推進した.

図0.2 事業計画の全体像

T

d 4

D CD F

DD TD L

D B 9 CD

Tb

VLCC��������

T

T

B

9

C

4 T

D7 F

D G

D TD B 9 C

4

T

40

Continue

Fr = 0.229 , Vs = 11.0 [knot]

Fr = 0.239 , Vs = 11.5 [knot]

Fr = 0.249 , Vs = 12.0 [knot]

���� � �

D ,

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0.3 調査事業

499 トン型ケミカル船及び 749 トン型一般貨物船の省エネルギー船型群の開発に先立ち,これら船舶を運航す

る大手船主,オペレータの各々数社に対して,運航の実態や船舶の性能,機能等についての要望,意見等につい

て,平成 28 年 8 月から 9 月の始めにかけて聞き取り調査を実施し,その結果を船型開発に反映することによ

り,海運業界等関係業界でより望まれる省エネルギー船型群の開発に資することとした. 調査にあたっては,船速,主機等の船型開発に直接資すると思われる事項にとどまらず,居住設備など当該船

型を基に造船所において基本設計等を行う際の指標や参考となると思われる事項についても聞き取った. また,船種は異なるが,499 トン型及び 749 トン型の船舶を多数運航するコンテナ船の船主,オペレータ及び

セメント船の船主,オペレータに対する聞き取りも併せて実施し,499 トン型及び 749 トン型船舶に全般的,共

通的事項についての情報を得た. なお,内航船舶明細録等から,現存船舶の船型バリエーションについても調査した.

0.4 CFD による省エネルギー船型群の探索

499 トン型ケミカルタンカーならびに 749 トン型一般貨物船について, 適船型とその派生船型を生成し,比

較対象船舶(0.01212 l/ton*mile)(A 重油換算)から 16 %以上の省エネルギー効果を有した 499 トンケミカルタ

ンカー及び比較対象船舶(0.01208 l/ton*mile)(A 重油換算)から 16 %以上の省エネルギー効果を有した 749 ト

ン一般貨物船の省エネルギー船型群を探索した. (1) CFD による船型 適化

造船三社から提供された 499 トン型ケミカルタンカーならびに 749 トン型一般貨物船の元船型を参考に,初

期船型を開発した. これら初期船型から CFD を船型開発のツールとして活用し,抵抗・推進性能を評価して 適船型を求めた.

船型を定義するための設計変数の設定においては,与えられた船型バリエーション範囲を参考にすると共に,

アンカー,バウスラスタ,主機減速歯車等の実際的な制約条件も考慮した. 上記 適船型は,造船三社が基本計画との整合性を吟味し,実船への適用可能性を検討して必要な修正を加

えた. (2) 適船型の模型船製作

適船型の模型船を製作するため,線図に必要なフェアリングを行い,749 トン型一般貨物船は 10 月 31 日

に,499 トン型ケミカルタンカーは 11 月 14 日に模型船製作用の出図を行った.またこの図面を用いて模型船を

製作した.模型船は,計測精度を確保するため,499 トン型ケミカルタンカー,749 トン型一般貨物船のどちら

についても Lpp で約6mの大きさとした. (3)プロペラ設計

499 トン型ケミカルタンカーならびに 749 トン型一般貨物船のそれぞれについて,プロペラを設計し,模型を

製作してプロペラ単独試験を実施した.図 0.4-1, 0.4-2 に製作したプロペラの写真ならびに POT 試験結果を示

す.-5%の展開面積をもつ小展開面積プロペラはより高い効率を有し,キャビテーション試験を実施して実用的

に使用できることを確認した.

M701 M699(小展開面積ペラ) M698 M700(小展開面積ペラ)

図0.4-1 499 トンケミカルタンカー用プロペラ 図 0.4-2 749 トン型一般貨物船用プロペラ

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(4)水槽試験による性能確認と CFD の相関係数の導出 CFD で求めた 499 トン型ケミカルタンカーならびに 749 トン型一般貨物船の 適船型の省エネルギー性能

を確認するため,499 トン型ケミカルタンカー,749 トン型一般貨物船のそれぞれについて1隻ずつ模型船を製

作し,12 月 19 日から 27 日に海技研の 400m 試験水槽にて抵抗・自航試験を実施した.海技研の 400m 試験水槽

における水槽試験は,品質マネージメントシステムの登録証書(ISO9001)を認証機関から得ている.

499 トン型ケミカルタンカーの波紋ならびに船速波形(11.5kt 相当)

749 トン一般貨物船の波紋ならびに船側波形(12kt 相当) 図0.4-3 水槽試験の様子

図 0.4-3 に模型船の船側波形の一例を示す.この図より,どちらの船型についても船側波形が滑らかで小さ

く,造波抵抗が抑えられていることが分かる.本水槽試験にて 499 トン型ケミカルタンカーでは 19.4%,749 ト

ン型一般貨物船では 38.1%の省エネルギー性能を確認した. また,この水槽試験で求めた抵抗および自航要素を用いて,模型試験と CFD 計算との相関係数を求めた. (5)船型群の探索

適船型の船長:L,船幅:B,喫水:d等の主要目について,主要目が一部変更されるケースの類型化に従

い設定されたバリエーションの範囲内で,排水量等を保って変形させた派生船型を 30 船型,再現性のある数理

的手法を用いて生成した. それらの派生船型の性能を CFD 計算で推定し,水槽試験で求めた相関係数を用いて水槽試験相当の性能に換

算して,16%以上の省エネルギー目標を満たす船型群を探索した. また,船型バリエーションは造船三社と相談して基本計画との整合性を検討し,実船として成立することを確

認した.このようにして探索した船型群から,16%以上の省エネルギー性能を有し,設計者の観点で有意な船型

差を有すると判断した 30 個体を選択し,これを 終的な船型群として定義した. 499 トン型ケミカルタンカーでは設計の制約条件が厳しいため,船型バリエーション探索では2次元設計空間

的手法を用いた.すなわち,2次元設計空間を L/B-CB 空間として定義し,マーケット調査の結果を基に 5.75 ≤ L/B ≤ 6.2,0.68 ≤ CB ≤ 0.75 の設計空間の4角の船型を基本 4 船型と定義し,その中で 16%以上の省エネルギー性

能を有するバリエーション船型を探索した. 499 トン型ケミカルタンカーのバリエーション船型の要目と省エネ

ルギー率を表 0.4-1 に示す.表中の省エネルギー率は 1000PS の主機を 75%MCR で運転し,MP699 小展開面積プ

ロペラで推進した場合の値で,その時の船速は 12.2kt で設計船速の 11.5kt より速いが,どの船型も 19.5%程度の

省エネルギー率を有し,目標の 16%を上回っている. 749 トン型一般貨物船では,マーケット調査の結果を基に,船長,船幅,喫水の 3 つを設計変数としてバリ

エーション船型を開発した. 設計空間は 73m ≤ Lpp ≤ 83m,

40

Continue

Fr = 0.229 , Vs = 11.0 [knot]

Fr = 0.239 , Vs = 11.5 [knot]

Fr = 0.249 , Vs = 12.0 [knot]

40

Continue

Fr = 0.200 ,Vs = 10.90 [knot]

Fr = 0.210 ,Vs = 11.44 [knot]

Fr = 0.220 ,Vs = 11.99 [knot]

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12.8m ≤ B ≤ 14.5m, 3.8m ≤ d ≤ 4.8m である.総トン数が 749 に制限されていることを考慮し,排水量一定の条件

を船型に課した.この場合,Cb が要目に応じ変化する.本請負では船型変形の試行錯誤により,実現性のある

Cb の範囲を 0.68 から 0.80 に設定してバリエーション船型を探索した. 749 トン型一般貨物船のバリエーション船型の要目と燃費を表 0.4-2 に示す.表中の省エネルギー率は 1600PSの主機を 75%MCR で運転し,MP700 小展開面積プロペラで推進した場合の値で,その時の船速は 12.61kt で設

計船速の 12kt より速いが,どの船型も約 38%の省エネルギー率を有し,目標の 16%を大幅に全て上回ってい

る.因みに,749 トン型一般貨物船で標準的に用いられている 2000PS の主機を搭載し,75%MCR で運転した場

合は,船速は 13.36kt となり設計速力の 12kt を大幅に上回るが,その場合でも省エネルギー率は約 28%で目標を

上回っている.また開発した船型は 2000PS の主機を搭載できる機関室スペースを確保できることを造船所によ

り確認していることを書き添えておく. 0.5 基本設計

造船三社は,開発された船型群を用いて船舶が建造可能かを確認するため,総トン数,貨物槽容積,載貨重

量,主機と機関室,ポンプ類,バラストタンク等の配置を検討し,提案された船型群の中から表 0.4-1,2 に示す

船型群を建造可能な船型群として採用した.

また,その内の1船型について各社で基本設計を行い,

・船型関係図面:甲板高さまでの船体線図,オフセットテーブル,排水量テーブル,排水量曲線図 ・一般図面:一般配置図,総トン数計算書,乾舷計算書,載貨重量計算書

・構造関係図:中央断面図,鋼材構造図

・復原性関係図書:非損傷時復原性計算書,損傷時復原性計算書,諸タンクテーブル,重量重心トリム計算書

・配置関係図面:諸室配置図,機関室全体配置図

を作成し,内航船として成立することを確認した.

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表0.4 -1 499 トン型ケミカルタンカーのバリエーション船型の省エネルギー率

id Lpp B dOutput_75%MCR

Vs DWT Emission FOCEnergySavingRatio

m m m kW knot t gCO2/(t*mile)

liter/(ton*mile) %

0 60.70 10.00 4.20 551.00 12.16 1,241 26.46 0.00976 19.4

1 60.80 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.4

3 60.90 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.5

4 61.00 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

7 61.20 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

13 61.40 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

14 61.50 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

16 61.60 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.42 0.00975 19.6

20 61.70 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.42 0.00975 19.6

22 61.80 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.41 0.00974 19.6

23 61.90 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.42 0.00975 19.6

24 62.00 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.41 0.00975 19.6

25 61.10 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.44 0.00976 19.5

26 61.20 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

27 61.30 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

28 61.50 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

30 62.10 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.42 0.00975 19.5

31 62.30 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.46 0.00976 19.4

32 60.30 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

33 60.40 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.5

34 60.50 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.5

35 61.30 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

36 61.40 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

37 61.60 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

39 61.70 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

40 61.80 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

41 61.90 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

42 62.10 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.4

43 62.20 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.46 0.00977 19.4

44 62.40 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.46 0.00977 19.4

id Lpp B dOutput_75%MCR

Vs DWT Emission FOCEnergySavingRatio

m m m kW knot t gCO2/(t*mile)

liter/(ton*mile) %

0 60.70 10.00 4.20 551.00 12.16 1,241 26.46 0.00976 19.4

1 60.80 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.4

3 60.90 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.5

4 61.00 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

7 61.20 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

13 61.40 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

14 61.50 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

16 61.60 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.42 0.00975 19.6

20 61.70 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.42 0.00975 19.6

22 61.80 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.41 0.00974 19.6

23 61.90 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.42 0.00975 19.6

24 62.00 10.00 4.20 � 12.18 1,241 26.41 0.00975 19.6

25 61.10 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.44 0.00976 19.5

26 61.20 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

27 61.30 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

28 61.50 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

30 62.10 10.00 4.20 � 12.17 1,241 26.42 0.00975 19.5

31 62.30 10.00 4.20 � 12.16 1,241 26.46 0.00976 19.4

32 60.30 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

33 60.40 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.5

34 60.50 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.5

35 61.30 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.44 0.00976 19.5

36 61.40 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

37 61.60 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

39 61.70 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

40 61.80 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

41 61.90 10.10 4.20 � 12.17 1,241 26.43 0.00975 19.5

42 62.10 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.45 0.00976 19.4

43 62.20 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.46 0.00977 19.4

44 62.40 10.10 4.20 � 12.16 1,241 26.46 0.00977 19.4

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表0.4-2 749 トン型一般貨物船のバリエーション船型の省エネルギー率

112

,%0% y p s 6D3( (./ VIK ( - BEK

id LPP B d

design

Output (75% MCR)

VS (75%MCR)

DWT EmissionCO2 FOC Energy Saving Ratio

m m m kW knot t gCO2/(t*mile) l/(t*mile) %

s0 (ȁ̚˄ŧ) 79.00 13.00 4.689 883 12.61 2,420 20.27 0.00748 38.1 d4 76.50 14.30 4.40 K 12.37 2,409 20.75 0.00766 36.6 d9 76.50 14.20 4.50 K 12.56 2,406 20.47 0.00755 37.5

d10 75.00 14.40 4.50 K 12.50 2,427 20.39 0.00752 37.7 d16 76.50 14.00 4.60 K 12.64 2,411 20.30 0.00749 38.0 d17 76.50 14.20 4.60 K 12.71 2,395 20.32 0.00750 37.9 d18 74.50 14.20 4.60 K 12.51 2,445 20.22 0.00746 38.2 d20 79.00 13.00 4.70 K 12.63 2,418 20.25 0.00747 38.1 d22 78.00 13.20 4.70 K 12.56 2,426 20.29 0.00749 38.0 d24 78.00 13.50 4.70 K 12.84 2,402 20.07 0.00740 38.7 d25 75.50 13.80 4.70 K 12.57 2,439 20.18 0.00745 38.4 d27 74.00 14.10 4.70 K 12.60 2,453 20.01 0.00739 38.8 d28 76.50 14.00 4.70 K 12.78 2,399 20.18 0.00745 38.4 d29 75.00 14.20 4.70 K 12.67 2,420 20.17 0.00744 38.4 d31 78.00 13.20 4.80 K 12.69 2,415 20.18 0.00745 38.3 d32 77.50 13.30 4.80 K 12.68 2,419 20.16 0.00744 38.4 d34 76.00 13.40 4.80 K 12.60 2,448 20.05 0.00740 38.7 d35 77.00 13.60 4.80 K 12.77 2,407 20.12 0.00742 38.5 d37 74.50 13.70 4.80 K 12.56 2,461 20.01 0.00738 38.9 d38 76.50 13.90 4.80 K 12.83 2,395 20.13 0.00743 38.5 d39 74.00 13.70 4.80 K 12.51 2,471 20.01 0.00738 38.9 d40 76.00 13.50 4.80 K 12.60 2,435 20.16 0.00744 38.4 d41 76.50 13.50 4.80 K 12.67 2,421 20.17 0.00744 38.4 d42 77.50 13.50 4.80 K 12.84 2,392 20.13 0.00743 38.5 d44 74.00 14.30 4.70 K 12.65 2,428 20.14 0.00743 38.5 d45 75.50 13.50 4.70 K 12.26 2,456 20.55 0.00758 37.2 d46 75.50 13.60 4.70 K 12.40 2,447 20.39 0.00752 37.7 d47 76.00 13.60 4.70 K 12.50 2,433 20.34 0.00751 37.8 d48 77.00 13.90 4.60 K 12.69 2,393 20.37 0.00752 37.8 d49 77.00 13.80 4.60 K 12.62 2,401 20.42 0.00754 37.6 d51 75.50 14.30 4.60 K 12.68 2,395 20.38 0.00752 37.7

112

,%0% y p s 6D3( (./ VIK ( - BEK

id LPP B d

design

Output (75% MCR)

VS (75%MCR)

DWT EmissionCO2 FOC Energy Saving Ratio

m m m kW knot t gCO2/(t*mile) l/(t*mile) %

s0 (ȁ̚˄ŧ) 79.00 13.00 4.689 883 12.61 2,420 20.27 0.00748 38.1 d4 76.50 14.30 4.40 K 12.37 2,409 20.75 0.00766 36.6 d9 76.50 14.20 4.50 K 12.56 2,406 20.47 0.00755 37.5

d10 75.00 14.40 4.50 K 12.50 2,427 20.39 0.00752 37.7 d16 76.50 14.00 4.60 K 12.64 2,411 20.30 0.00749 38.0 d17 76.50 14.20 4.60 K 12.71 2,395 20.32 0.00750 37.9 d18 74.50 14.20 4.60 K 12.51 2,445 20.22 0.00746 38.2 d20 79.00 13.00 4.70 K 12.63 2,418 20.25 0.00747 38.1 d22 78.00 13.20 4.70 K 12.56 2,426 20.29 0.00749 38.0 d24 78.00 13.50 4.70 K 12.84 2,402 20.07 0.00740 38.7 d25 75.50 13.80 4.70 K 12.57 2,439 20.18 0.00745 38.4 d27 74.00 14.10 4.70 K 12.60 2,453 20.01 0.00739 38.8 d28 76.50 14.00 4.70 K 12.78 2,399 20.18 0.00745 38.4 d29 75.00 14.20 4.70 K 12.67 2,420 20.17 0.00744 38.4 d31 78.00 13.20 4.80 K 12.69 2,415 20.18 0.00745 38.3 d32 77.50 13.30 4.80 K 12.68 2,419 20.16 0.00744 38.4 d34 76.00 13.40 4.80 K 12.60 2,448 20.05 0.00740 38.7 d35 77.00 13.60 4.80 K 12.77 2,407 20.12 0.00742 38.5 d37 74.50 13.70 4.80 K 12.56 2,461 20.01 0.00738 38.9 d38 76.50 13.90 4.80 K 12.83 2,395 20.13 0.00743 38.5 d39 74.00 13.70 4.80 K 12.51 2,471 20.01 0.00738 38.9 d40 76.00 13.50 4.80 K 12.60 2,435 20.16 0.00744 38.4 d41 76.50 13.50 4.80 K 12.67 2,421 20.17 0.00744 38.4 d42 77.50 13.50 4.80 K 12.84 2,392 20.13 0.00743 38.5 d44 74.00 14.30 4.70 K 12.65 2,428 20.14 0.00743 38.5 d45 75.50 13.50 4.70 K 12.26 2,456 20.55 0.00758 37.2 d46 75.50 13.60 4.70 K 12.40 2,447 20.39 0.00752 37.7 d47 76.00 13.60 4.70 K 12.50 2,433 20.34 0.00751 37.8 d48 77.00 13.90 4.60 K 12.69 2,393 20.37 0.00752 37.8 d49 77.00 13.80 4.60 K 12.62 2,401 20.42 0.00754 37.6 d51 75.50 14.30 4.60 K 12.68 2,395 20.38 0.00752 37.7

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0.6 結言

本事業では 499 トン型ケミカルタンカーと 749 トン型一般貨物船を対象に,造船所から提供された元船型を参

考に初期船型を設計し,CFD を活用して 適船型を求めた.また, 適船型に適したプロペラを設計し,POT試験とキャビテーション試験により特性を把握した. 次いで,開発した 適船型の 6m クラスの大型模型船を製作し,400m 試験水槽にて曳航・自航試験を実施し

て,499 トン型ケミカルタンカーでは 19.4%,749 トン型一般貨物船では 38.1%の省エネルギー性能を確認し

た.また水槽試験の結果と CFD 計算との相関係数も求めた. さらに,マーケット調査の結果等を基に設定した設計空間内に,多数のバリエーション船型を生成し,造船所

の視点からのスクリーニングを経て 30 船型を選び出し,CFD による性能評価を実施した.その結果,全ての船

型において目標の 16%を上回る性能が得られた.この過程では,先に水槽試験で求めた相関係数を用いて計算

結果を修正することで,信頼性を確保した. 開発した 499 トン型ケミカルタンカーならびに 749 トン型一般貨物船のバリエーション船型 30 隻に模型船製

作レベルのフェアリングを施し,船型開発を完了した. これらの船型群から一部仕様を変更した船型についても,L,B,d,Cb 等のバリエーションの範囲内であれば,ブ

レンディングにより船型を生成することが可能であり,そのための手引き書も付録に付けた. 成果物である 499 トン型ケミカルタンカーと 749 トン型一般貨物船の省エネルギー船型群は広いバリエーショ

ンを持ち,多くのニーズに対応できるであろう.