cgの表現技術 -...

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1 CGの表現技術 近藤 邦雄 埼玉大学工学部情報システム工学科 CAD工学第2CADのインタフェースとして 図的表現と情報伝達 第1回 ガイダンス CAD入門 第2回 コンピュータグラフィックスによる表現技術 第3回 設計開発におけるコンピュータグラフィックス 第4回 認知科学とデザイン 第5回 認知科学とデザイン (演習1) 第6回 CADのためのインタフェース(その1) 第7回 CADのためのインタフェース(その2) 第8回 CAD図面と立体形状 (演習2) 第9回 形状モデリング 多面体 (演習課題3の紹介) 第10回 形状モデリング 局所変形 第11回 形状モデリング 細分割曲面 第12回 プロダクトモデリング 第13回 CADとプロダクトデザインの現状 第14回 レポート評価 講義内容 コンピュータと人の協力システム 知識 発想 外部モデル インタラクション コマンド解釈 実行制御 モデル処理 データベース 図面 NCデータ ロボット制御 計算機 インタフェース Computer Graphics コンピュータグラフィックス CG: 画像の処理と生成 レンダリング:表現技術 応用分野 : 広範囲 2次元表現と3次元表現:表現目的は多数 CGの手順 モデリング レンダリング 3次元 モデル CG画像 モデリング:表現対象 形、色、動き レンダリング:表現方法 隠面消去、陰影、反射 CGの表現技術の発展 1970 隠面消去、シェーディング、マッピング、透過 1980 光線追跡、ラディオシティ、ボリュームレンダリング 1990 動画、自然物、並列高速処理

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1

CGの表現技術

近藤 邦雄埼玉大学工学部情報システム工学科

CAD工学第2回

CADのインタフェースとして

図的表現と情報伝達

第1回 ガイダンス CAD入門

第2回 コンピュータグラフィックスによる表現技術

第3回 設計開発におけるコンピュータグラフィックス

第4回 認知科学とデザイン

第5回 認知科学とデザイン (演習1)

第6回 CADのためのインタフェース(その1)

第7回 CADのためのインタフェース(その2)

第8回 CAD図面と立体形状 (演習2)

第9回 形状モデリング 多面体 (演習課題3の紹介)

第10回 形状モデリング 局所変形

第11回 形状モデリング 細分割曲面

第12回 プロダクトモデリング

第13回 CADとプロダクトデザインの現状

第14回 レポート評価

講義内容

コンピュータと人の協力システム

要求

知識

発想

外部モデル

インタラクション

コマンド解釈実行制御

モデル処理

データベース

図面NCデータロボット制御

人 計算機インタフェース

ComputerGraphics

コンピュータグラフィックス

CG: 画像の処理と生成

レンダリング:表現技術

応用分野 : 広範囲

2次元表現と3次元表現:表現目的は多数

CGの手順

モデリング レンダリング

3次元モデル

CG画像

モデリング:表現対象形、色、動き

レンダリング:表現方法隠面消去、陰影、反射

CGの表現技術の発展

1970 隠面消去、シェーディング、マッピング、透過

1980光線追跡、ラディオシティ、ボリュームレンダリング

1990動画、自然物、並列高速処理

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2

モデリング(Modeling)

モデリングとレンダリング

モデリング:表現対象

形、色、動き

レンダリング:表現方法

隠面消去、陰影、反射

表現対象:なにを表現するか

無機物 : 固体、流体、自然現象

生命体 : 植物、動物

情報

画像例

表現方法の分類

モノクロ表現 カラー表現

線画表現 面画表現

静止画 動画

単眼投影図 立体視

流れの可視化

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3

海底の様子の可視化 建物設計の可視化

照明の効果

データの可視化

情報の可視化

形がないものの表現

[2]レンダリング

モノクロ表現 カラー表現

線画表現 面画表現

静止画 動画

単眼投影図 立体視

表現方法の分類

表示法の手順

ワイヤフレーム表示 隠線消去

隠面消去と陰影表示

テクスチャマッピング

CG-ARTS

レンダリングに必要な作業

透視:3次元のワールド座標系→

2次元のデバイス座標系

隠面消去

シェーディング

リアルさを高める手法

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シェーディング

CG-ARTS

拡散反射光と鏡面反射光

環境光と拡散反射光 鏡面反射光

隠面消去法

デプスバッファ法

スキャンライン法

レイトレーシング法

デプスソート法 (ペインターズアルゴリズム)

デプスバッファ法(Zバッファ法)

CG-ARTS

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光線追跡法 光線追跡法

テクスチャマッピング(1)

テクスチャ平面で定義した模様を,3次元の平面

や曲面上にはりつける手法

材質感表現が容易

テクスチャ平面上の点と,曲面上の点の対応付けを行い、テクスチャをはる

テクスチャマッピング(2)

CG-ARTS

テクスチャマッピングの効果

CG-ARTS

バンプマッピング(1)

形状モデルから決まる法線の方向を,与えた規則によって変更することによって,架空の凹凸があるように表現する

輪郭には凹凸が現れない

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バンプマッピング(2)

CG-ARTS

バンプマッピング

テクスチャ表現の違い ソリッドテクスチャリング(1)

テクスチャマッピングでは,

テクスチャにゆがみが生じる

隣接する面の間でテクスチャが連続しない

ソリッドテクスチャリングでは,3次元空間中に存在する模様の断面としてテクスチャ

を表現する

ソリッドテクスチャリングの例 スムーズシェーディング

多面体近似した曲面で,面と面の境界をなめらかに表示する

グローの方法:頂点の色の内挿

フォンの方法:頂点での法線の内挿

フォンの方法の方が計算量が多いが,ハイライトを正確に表示できる

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スムーズシェーディングの効果

コンスタントシェーディング スムーズシェーディング

CG-ARTS

グローのスムーズシェーディング

CG-ARTS

フォンのスムーズシェーディング

CG-ARTS

比較(1)

CG-ARTS

ラジオシティ法の例ラジオシティ法

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ラジオシティ法の例(モンテカルロ法)

BlueSky Studios自社ソフト

INTEGRA社のソフト大成建設提供

写実性の追求(雨と光)

写実性の追求(自然現象) 表現目的と表現技術の選択

写実性の追求

非写実性の追求コミュニケーション支援

CGの利用目的:どう表現するか

コミュニケーションの形態

会話 人 人

機械 機械通信

人 機械入力、出力

ユーザインタフェース

マンマシンシステム

コミュニケーションの形態

人 人会話

機械 機械

人 人

会議

ネットワーク

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感覚と知覚

網膜像りんご

感覚

メンタルイメージ

記憶内容と照合

知覚

画像と情報伝達

見せたい感じ 見える感じ一致

送り手 画像 受け手

画像による情報伝達

漫画を例にして

漫画家の知識と技術

似顔絵

特徴表現技術 瞬間的な理解

読者の知識経験

情報伝達手段としての図的表現

人の視覚システム:高度な情報処理システム

視覚能力の活用による高い表現能力

特徴表現にすぐれた作図の例 : 漫画

人の感覚による特徴表現の制御

思い通りの情報伝達が可能

非写実的表現の充実が重要

各種の立体の図的表現

三面図

マンガ

線図

濃淡画像

立体視図

伝えたい情報 図の選択

視点の違いによる透視図の違い

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Bezier曲面の反射表現 バンプマッピング

バンプマッピングの応用

表面模様の生成

製品形状の生成完成図

ソリッドテクスチャリング

モンタージュパース モンタージュパースの例

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イラスト作画支援システムの開発旭昌広、近藤邦雄 NICOGRAPH’91 pp.22-31

PSファイルの利用曲線の太さ変化乱数による質感

2次元レンダリング手法

NICOGRAPH’91

NICOGRAPH’91

曲線の太さ変化制御

1 曲線の制御点2 太さ制御の位置3 太さの値 太さ変化の描画例

レンダリングのための対話型線画表現法近藤邦雄、神原章 日本図学会図学研究55号 1993.3

図学研究

線画レンダリングの描画例 その1同一太さの2D画像 太さ変化のある画像

レンダリングのための対話型線画表現法近藤邦雄、神原章 日本図学会図学研究55号 1993.3

図学研究

同一太さの2D画像 太さ変化のある画像

レンダリングのための対話型線画表現法近藤邦雄、神原章 日本図学会図学研究55号 1993.3

図学研究

線画レンダリングの描画例 その2

線分の違いによる表現 3次元形状表現のための白黒画像の描画法

神原章、近藤邦雄 情報処理学会論文誌Vol.34,No.8, pp.1762-1769

ドットによる描画

1ドット幅の値2 ドット制御位置3 濃淡変化

ドットによる濃淡描画例

ドットシェーディング手法

情報処理学会

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ドット・ラインシェーディング

濃度分布曲線による濃淡制御法

濃淡変化を曲線で与える

線画レンダリングの描画例 その3同一太さの2D画像 ドットシェーディングの画像

3次元形状表現のための白黒画像の描画法

神原章、近藤邦雄 情報処理学会論文誌Vol.34,No.8, pp.1762-1769

情報処理学会

線画レンダリングの描画例 その4

ラインシェーディングによる画像

表現方法の違い

線画レンダリングの描画例 その5

線画レンダリングの比較

線分の違いによる表現

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白黒画像の表現の違い 線画レンダリングの描画例 その6

3次元形状を用いたレンダリング

ペイントシステムCARPによる描画例

3次元形状のためのレンダリング

濃淡づけによる表現 濃淡づけの強調

インタラクティブレンダリングシステムによる3次元形状の表現近藤邦雄、木村、田嶋 情報処理学会「情報処理」 第26巻第11号 25周年記念論文 1985

情報処理学会

3次元形状のためのレンダリング濃淡づけによる表現 濃淡づけの強調

An Interactive Rendering Technique for 3-D ShapesKunio KONDO, Fumihiko KIMURA,Taro TAJIMA Eurogaphics’85 pp.341-352

EUROGRAPHICS’85

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横方向スキャンライン上から下へスキャンラインを移動

縦方向スキャンライン左から右へスキャンラインを移動

輪郭線表示 黒の輪郭線表示

シェーディングのみ 輪郭線表示 輪郭線表示の比較

まとめ:画像生成と情報伝達

伝達したい目的に応じて、表現法を選択

伝達したい内容が理解しやすい表現を選択

伝えたいことが他の情報と区別できること

情報伝達のためのCG

コミュニケーション支援の表示方法

設計支援のための表示技術