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不織布マスクの 性能と使用時の注意 (一社)日本衛生材料工業連合会 http://www.jhpia.or.jp 全国マスク工業会 専務理事 藤田直哉

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  • 不織布マスクの性能と使用時の注意

    (一社)日本衛生材料工業連合会

    http://www.jhpia.or.jp全国マスク工業会

    専務理事 藤田直哉

  • マスクの歴史と不織布

    1919年(大正8年)スペイン風邪(インフルエンザ)の大流行

    1948年(昭和23年)ごろガーゼが家庭用マスクに使用され、

    現在の「平型マスク」が誕生

    01

    現在の「平型マスク」が誕生

    2003年(平成15年)ごろ不織布が家庭用マスクに使用され、

    現在のプリーツ型、立体型のマスクが登場

    (不織布の活用が、飛躍的にマスクの性能を向上)

  • 02 ガーゼと不織布

  • 03

    家庭用マスクウイルス対策、風邪対策、PM2・5対策、花粉対策

    医療用マスクサージカルマスク(手術用)

    マスクの分類と種類

    サージカルマスク(手術用)N95マスクなど

    防塵規格マスク(呼吸保護具)N95マスク(米国、NIOSHの認定)

    DS1、DS2規格マスク(日本の労働安全衛生法に基づく国家検定に合格)

  • 天然繊維・化学繊維の織編物または不織布等

    を主な本体材料として、口と鼻を覆う形状で、

    花粉、ホコリなどの粒子が体内に侵入するの

    を抑制、またかぜなどの咳やクシャミの飛沫

    が体内外に侵入、飛散するのを抑制すること

    04 家庭用マスクの定義

    が体内外に侵入、飛散するのを抑制すること

    を目的に使用される、薬事法に該当しない衛

    生用品を言う。

  • マスクの基本性能は何で決まるのか

    フィルター部の捕集(ろ過)効率

    目的に合った大きさの粒子をろ過する機能

    (花粉、風邪・ウイルス対策、PM2・5対策)

    形状

    05

    形状

    いかに顔に密着させ、フィルター部以外からの侵入を防ぐか(隙間を無くすか)

    (平型、プリーツ型、立体型)

  • 粒子の大きさの比較 1㎛=0.001㎜06

  • 微粒子の形状は様々

    • PM2・5といっても形や性質は様々• 黄砂、粉塵、化学物質など• 例:ディーゼル排気微粒子(DFP)

    07

  • インフルエンザ、風邪の感染経路

    • 飛沫感染、接触感染が多く、空気感染(空気中に舞うウイルスを吸いこんで感染)はほとんど無い

    • 飛沫感染(飛沫は5~3㎛程度)人の咳やくしゃみ、会話中のしぶきなどの中に

    08

    人の咳やくしゃみ、会話中のしぶきなどの中にウイルスが存在し、しぶきが媒介となって感染

    • 接触感染他人の使ったマスクやドアノブ、つり革などに触れ感染

  • フィルター部の性能試験法

    • 花粉粒子の捕集(ろ過)試験粒子 約30㎛

    • BFE(Bacterial Filtration Efficiency)(バクテリア飛沫捕集(ろ過)効率試験)試験粒子 黄色ブドウ球菌の懸濁液(約3㎛)

    • VFE(Virus Filtration Efficiency)

    09

    • VFE(Virus Filtration Efficiency)(ウイルス飛沫捕集(ろ過)効率試験)試験粒子 バクテリアオファージ(約1.7㎛)

    • PFE(Particle Filtration Efficiency)(微粒子捕集(ろ過)効率試験)

    試験粒子 ポリスチレン粒子(0.1㎛)

  • 家庭用マスクの用途別種類

    • 花粉対策用花粉粒子の捕集試験をしており、約30㎛以上の粒子をカットするフィルタを採用、息苦しさを軽減

    • 風邪、ウイルス飛沫用

    10

    • 風邪、ウイルス飛沫用BFE(約3㎛)、VFE(約1.7㎛)の試験を行い、99%までのフィルタ捕集効果を表記

    • PM2・5対策用PFE(約0.1㎛)の試験を行い、99%までのフィルタ捕集効率を表記

  • マスクの広告・表示自主基準

    • 家庭用マスクは、外からの微粒子の侵入を完全に防止することには限界があることから、「マ

    スクは感染(侵入)を完全に防ぐものではあり

    ません」を8ポイント以上の文字で表記

    • フィルタ部の品質性能について数値表示をする

    11 (全国マスク工業会・87社)

    • フィルタ部の品質性能について数値表示をする場合、試験方法または試験機関を表示すること

    • 表示されている事項と試験方法は対応すること

  • 全国マスク工業会会員マーク12

  • マスク工業会会員名簿(87社)

    1株式会社アイテム 31サンエムパッケージ株式会社 61株式会社白元

    2アイリスオーヤマ株式会社 32三光化学工業株式会社 62白十字株式会社

    3阿蘇製薬株式会社 33株式会社三洋プロセス 63ハクゾウメディカル株式会社

    4株式会社アドフィールド 34サンリツ株式会社 65株式会社長谷川綿行

    5伊藤忠商事株式会社 35熙樺株式会社 66HADARIKI株式会社

    6株式会社井上工業 36株式会社重松製作所 67原田産業株式会社

    7イワツキ株式会社 37株式会社資生堂 68株式会社ビー・エム・シー

    8宇都宮製作株式会社 38株式会社白鳩 69株式会社ビー・エヌ

    9A.R.メディコムインク・アジア・リミテッド

    39昭和紙工株式会社 70株式会社ピエラス

    10有限会社エージェントワン 40スズラン株式会社 71ピップ株式会社

    11株式会社エーゾン 41スリーエムヘルスケア株式会社 72株式会社ヒューリンク

    12株式会社N&Nコーポレーション 42大衛株式会社 73株式会社ファーストレイト

    13株式会社NBCメッシュテック 43大王製紙株式会社 74株式会社富士

    14株式会社エフスリィー 44大正製薬株式会社 75株式会社ホスピタルサービス14株式会社エフスリィー 44大正製薬株式会社 75株式会社ホスピタルサービス

    15株式会社エムケイエンタプライズ 45ダイワボウノイ株式会社 76松前衛生材料株式会社

    16株式会社エリーゼント 46ダイワボウポリテック株式会社 77ミドリ安全株式会社

    17大木製薬株式会社 47株式会社竹虎 78モルザ株式会社

    18オオサキメディカル株式会社 48玉川衛材株式会社 79株式会社ヤガミヘルスケアーコ-ポレーション

    19オーミケンシ株式会社 49株式会社ティー・エイチ・ティー 80株式会社大和工場

    20小津産業株式会社 50帝人フロンティア株式会社 81株式会社裕源

    21花王株式会社 51東洋化学株式会社 82ユニ・チャーム株式会社

    22川島繃帯株式会社 52東レ・ファインケミカル株式会社 83株式会社ヨコイ

    23川本産業株式会社 53株式会社トレードワ-クス 84横井定株式会社

    24クー・メディカル・ジャパン株式会社 54株式会社浪速製作所 85株式会社リブドゥコーポレーション

    25クラレクラフレックス株式会社 55日昭産業株式会社 86ロート製薬株式会社

    26株式会社グリーンテック 56日進医療器株式会社 87ワンダフル日本株式会社

    27興和株式会社 57株式会社日東社

    28株式会社COCORO 58日本アムウェイ合同会社

    29小林製薬株式会社 59日本バイリーン株式会社

    30株式会社サイキョウ・ファーマ 60日本メディカルプロダクツ株式会社

  • N95マスクについて

    • 米国労働安全研究所(NIOSH)が認定。• 製品には認証番号が表示されている。

    13

    産業用マスクで作業者を空気中の微粒子から守るために用いるが、

    近年医療機関で感染防止に用いられることが多い。日本の労働安全

    基準に基づく防塵マスク規格DS2が相当する。

    • 製品には認証番号が表示されている。• Nは、耐油性がないことを示し、マスク性能として、試験粒子(0.3㎛)以上を95%捕集できる。

    • 作業用で長時間の使用には向いていない。

  • インフルエンザ感染対策ガイドライン(厚生労働省)

    マスクの着用(咳エチケット)と手洗い、

    うがい

    14

  • PM2・5の微粒子としての影響15

    粒子が小さいため肺の奥(肺胞)まで到達し、

    • 物理的影響同じ質量で表面積が大

    表面積が大きく細胞への活性刺激が大きい表面積が大きく細胞への活性刺激が大きい

    • 化学物質の影響直径が小さい

    細胞内にとけ込み血液中を循環し全身に影響

  • 粒子の大きさと到達度16

    • 5.0μm以下で肺胞に達し始める

    • 1.0μmでも肺胞に達するのは吸入量の1~2割のみで、残りは再び排出される。

    • 20nm=0.02μm付近が肺胞への沈着が最も多く50%程度。これ以下では肺胞より上気道への沈着が多くなる。これ以下では肺胞より上気道への沈着が多くなる。

    • 鼻呼吸よりも口呼吸でより奥に達しやすい。(屋外での運動→口呼吸の増加)

    • 運動などにより、換気量、呼吸数が増えると1〜3μmの粒子を中心に沈着量が増える。

  • 注意が必要な人

    基礎疾患のある人

    高齢者

    乳幼児、妊婦

    学童期

    17

    成人(屋外活動中心)

    喫煙者

  • マスクのつけ方

    自分の顔のサイズにあったマスクを探しておく

    子供は子供用のサイズを着用

    鼻の両脇やあご、頬のラインに隙間のできないよ

    うにする

    18

    つける場所、状況を選ぶ(通勤・通学、買い物)

    マスクの着用は保湿効果も期待でき、のどを守る

    慣れたからといってまったく着けないのは危険