住環境知能化の現状と将来の動向 - symbio news and...
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2017年1月27日
西山 高史パナソニック㈱
エコソリューションズ社
シンビオ社会研究会第3回研究談話会
住環境知能化の現状と将来の動向
※⻄⼭：住環境知能化の現状と将来の動向，計測と制御，Vol.55, No.8, pp.710-713, 2016年8⽉号 に掲載済みの内容
１．はじめに
２．スマートホーム関連商用化の現状 2.1 海外の事例 2.2 日本国内の事例
３．スマートホームの研究動向 3.1 海外の研究動向 3.2 日本国内の研究動向
４．スマーターホームに向けて ～IoTと人工知能をどう使うか～
５．おわりに
目次
１．はじめに ～環境の知能化とスマートホーム～
3
★環境に置かれたシステムがユーザとのインタラクションを通じて 何らかの価値提供を狙う★システムはいかにも情報処理機械ではなく，普段，ユーザが 目にしている一般的な事物の中に隠れて備わる[Weiser 1991]ことに特徴
応用領域の一つ “スマートホーム”
○環境内のセンサ情報から 環境や住人の状態を検知，推論○住人の快適性向上， エネルギー消費の最小化， 住人の健康，安心，安全の維持の達成○住人行動の支援，環境の制御
健康モニタリング，エネルギーマネジメント，社会コンピューティングのアプリに期待[Cook 2012]
[Cook 2012]から引用
暖房，換気，空調制御
照明制御
センサ
[Weiser 1991] Weiser, M.: The computer for the 21st century, Scientific American, pp.94-104 (September 1991)[Cook 2012] Cook, D. J.: How smart is your home, Science, Vol.335, pp.1579-1581 (March 2012)
環境の知能化（アンビエントインテリジェンス）とは
安⼼・安全 快適・便利セキュリティ ⾒守り（⾼齢者対応） HEMS・⾃動家電 会話端末/ソフト
海外 ①Indiegogo社：Cocoon
○バルミューダ社：スマートヒータ
○Medical Guardian:Medical Aleart System
○フィリップス：転倒検知ペンダント，緊急通報サービス
②グーグル：サーモスタット
③OPower:省エネ対策⽀援サービス○アップル：ホームキット
○アップル：⾳声インタフェースSiri④アマゾン：エコー
国内 ○セコム：駈け付けも含めた各種サービス○アルソック：同上○パナソニック：各種セキュリティセンサ
○象印：⾒守り魔法瓶○松下電⼯:⾒守りﾈｯﾄ⑤コニカミノルタ：ケアサポートソリューション
⑥セコム：⾼齢者の各種⾒守りサービス○イデアクエスト：浴室⾒守り装置（開発中）
○パナソニック，東芝，積⽔ﾊｳｽ他：HEMS⑦パナソニック：スマートHEMSサービス⑧インフォメティス：主幹電⼒データ分析による機器分離技術○シャープ：太陽光発電の発電診断サービス⑨パナソニック：エアコン向けおやすみナビ
○ソフトバンク：ペッパー○各社:会話ロボット⑩シャープ：ロボホン
２．スマートホーム関連商品の概観マップ
☆安⼼・安全，快適・便利の分野に広がっている ※写真はいずれも該当ＨＰ(本スライドp.5〜８に記載)から転載
２．スマートホーム関連の商品化事例 －海外(1/2)－
機関 ①Indiegogo社, USA ②グーグル, USA ③OPower, USA商品名 Cocoon（開発中） サーモスタット 省エネ対策⽀援サービス⽬的 家の中の据え置き型のホー
ムセキュリティデバイス室温センサ内蔵の暖房制御デバイス
クラウドベースの省エネソリューションソフトを公共機関等に提供
概観
主機能 ・⼈間の⾮可聴領域の低周波数⾳を検知，異常判定・異常判定時，ユーザのスマートフォンに通知・家の中の⾳に対して正常と異常を学習・マイク以外にHDカメラ，モーションセンサも内蔵
・住⼈の居住⾏動を学習して室温を⾃動調整・ユーザの設定温度を維持するように，暖房を⼊り切りする・第2世代版では⼈⼯知能を搭載．使⽤者の⽣活パターンを記憶し，起床時の温度調節，就寝時の電源切断等の⾃動制御・⾞メーカ等他社とも連携
・顧客視点の節電メッセージ提⽰等，⾏動科学を応⽤した省エネ対策が売りの⼀つ・東京電⼒のウェブサービス「でんき家計簿」に，新機能：電⼒使⽤量に関して，よく似た家庭との⽐較や、おすすめの省エネのコツなどの情報提⽰，を提供
HP https://www.indiegogo.com/projects/cocoon-complete-home-security#/
https://nest.com/thermostat/meet-nest-thermostat/
http://opower.co.jp/
※下記ＨＰから転載
※下記ＨＰから転載
※下記ＨＰから転載
２．スマートホーム関連の商品化事例 －海外(2/2)－
機関 ④アマゾン, USA商品名 エコー，2015〜⽬的 ⾳声対話機能搭載の据え
置き型デバイス概観
主機能 ・クラウド接続の会話型コンピュータ兼スピーカー・全⽅位スピーカーと7つのマイク搭載・声で話しかけるだけで様々な操作が可能．買い物リスト作成，⾳楽再⽣指⽰など
HP http://www.amazon.com/Amazon-SK705DI-Echo/dp/B00X4WHP5E
※下記ＨＰから転載
２．スマートホーム関連の商品化事例 －国内(1/2)－
機関 ⑤コニカミノルタ ⑥セコム ⑦パナソニック商品名 ケアサポートソリューション，
2015各種の⾼齢者⾒守りサービス スマートHEMSサービス，2015
年12⽉末開始⽬的 介護施設向け⼊居者⾏動
検知システム独居⾼齢者向けの⾒守りシステム，サービス
節電，くらしを快適，便利にするスマホアプリ
概観
主機能 ・施設⼊居者の⾏動を⾮接触センサーで検知し，介護スタッフにスマートフォン通知・近⾚外線利⽤の動体検知センサと，マイクロ波利⽤の微体動検知センサ・起床と離床の検知に加え，転倒や転落，呼吸による微体動の有無なども検知
・家の中で携帯できるペンダントタイプの救急通報ボタン・⼀定時間，室内で動きがないとセコムが確認するサービス・⽉⼀回の電話や訪問サービス・かかりつけ医や介護事業者に連絡する携帯端末（電話機能もあり）
＜省エネ⽀援サービス＞・電気の使いすぎ情報の提⽰・ピークシフトを⽀援（上図）・使⽤電⼒量の少ない家電への取替え⽀援・他世帯との使⽤電⼒⽐較2016年7⽉以降，⽣活，快適⽀援サービスも順次提供予定
HP http://www.konicaminolta.jp/about/release/2015/1007_01_01.html
http://www.secom.co.jp/homesecurity/plan/seniorparents/
http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/aiseg/serviceapp/
※下記ＨＰから転載
※下記ＨＰから転載
※下記ＨＰから転載
２．スマートホーム関連の商品化事例 －国内(2/2)－
機関 ⑧インフォメティス ⑨パナソニック ⑩シャープ商品名 主幹電⼒データ分析による
機器分離技術おやすみナビサービス，2015年6⽉下旬から開始
ロボホン，発売は未定
⽬的 節電対策などサービス向けに電⼒データを分析
⼊眠から起床までの温度制御を司るエアコン向けスマホアプリ
2⾜歩⾏ロボット形状の携帯電話
概観
主機能 ・主幹回路の電流波形をAIで分析することで，個別機器の電流波形成分に分離・各機器の動作状況，使⽤頻度，消費電⼒など，詳細データの提供が可能に・使⽤している機器リストは⾃動で作成
・スマホ内蔵センサを活⽤し，スマホをベッドに置いて眠ると，寝返りを検知・エアコン内蔵の室温センサと連動し，エアコンの設定を変更
・通話，メール，アプリ，検索，カメラ，プロジェクター，⾳声認識，顔認識，歩⾏，起き上り・⾝⻑：約19.5cm・体重：約390g
HP http://www.informetis.com/comp/index.html
http://panasonic.jp/aircon/function/04/
https://robohon.com/special/
※下記ＨＰから転載
※下記ＨＰから転載
※下記ＨＰから転載
安⼼・安全 快適・便利 共通基盤技術セキュリ
ティ⾒守り
（⾼齢者対応）HEMS・⾃動家電
会話端末/ソフト
スマホ内蔵センサを活⽤した⾏動推定など
海外 【認知症判定】①Oregon Health & Science Univ.,2008②Washington State Univ., USA,2013
【電⼒分析による⾏動推定】③ETH Zurich, Swizerland,2015
④Yonsei Univ., Korea,2015⑤Georgia Institute of Technology, USA,2015⑥Pennsylvania State Univ., USA,2015⑦Univ. of Michigan, USA,2015
国内 【異変検知】⑧⼤阪府⼤・福永研, 2005⑨川崎医療福祉⼤学・太⽥教授，2006⑩東京⼤学・森准教授, 2012【認知症判定】⑪芝浦⼯業⼤学・井上教授, 2014
【電⼒分析による⾏動推定】⑫東京⼤学・岩船研,2011○京都⼤・松⼭研，2011【電⼒分析による節電アドバイス】⑬⼤阪⼤学・東野研, 2015
○京都⼤学・美濃:NICTユビキタスホーム，2005○⼤阪⼤学・⽯⿊研:意図,欲求理解型対話⑭パナソニック・⻄⼭他, 2015
○⼤阪⼤学・東野研：スマートフォンを活⽤した屋内における混雑センシング，2013
３．スマートホーム関連研究の概観マップ☆安⼼・安全分野では単なる異変検知から病気検知へ，共通基盤技術としてスマホ内蔵センサ活⽤
機関 ①Oregon Health & Science Univ.,2008
②Washington State Univ., USA,2013
⽬的 MCI/軽度認知症を，⻑期間，⾃宅における⾮侵襲センサでのモニタリングで判定
家に設置したセンサデータから健常か認知症かを判定
仮説 認知症になると，歩⾏速度や活動量が変動することを捉える
認知症になると，健常時に⽐べ，単位⾏動をやる時間が⻑くなる等，⾏動異変が⾒られる
⼿段 65歳以上の⾼齢者12⼈．約半年間，⾃宅に設置したｾﾝｻ（⼈感，磁気）で活動量（⼈感センサ），ドアの開閉（ドアに設置する磁気センサ），歩⾏速度（⼈感センサ）を監視
若年〜⾼齢263名．実験住宅に設置した⼈感など複数種センサ（⼈感,ドアの開閉検知,温度,照度,RFID）で，実験者の指⽰する8種類の単位⾏動（掃除,服薬,TV鑑賞,⾷事⽀度他）を1時間監視し，センサデータを収集．実験者が事実をデータに付与してデータセットを⽤意し，機械学習してクロスバリデーション評価
結果 1mの歩⾏時間を⽐較したところ，MCIの⼈は健常⼈の2倍ばらつく．毎⽇の24時間の活動量も，MCIの⼈の⽅が健常⼈よりばらつく(ｳｪｰﾌﾞﾚｯﾄ分散で評価)
センサデータから推定される活動量と，⼈による観察結果の値との相関が0.54．健常と認知症の識別率が0.73
課題(実⽤⾯)
・複数の⼈が家に居ると，活動量計測は機能しない．
・被験者数は多いが，実験室レベルで，⾃宅実験でない．
出典 T. L. Hayes et al.: Unobtrusive assessment of activity patterns associated with mild cognitive impairment, Alzheimers Dement., Vol.4, No.6, pp.395-405, 2008.
D. J. Cook et al.: Automated Assessment of Cognitive Health Using Smart Home Technologies, Technical Health Care, Vol.21, No.4, pp.323-343, 2013.
３．スマートホーム関連の研究事例 －海外(1/3)－☆⾼齢化社会の到来を睨んだ，⾼齢者特有の病気の検知への応⽤研究の代表例
３．スマートホーム関連の研究事例 －海外(2/3)－
機関 ③ETH Zurich, Swizerland,2015
④Yonsei Univ., Korea,2015
⑤Georgia Institute of Technology, USA,2015
⽬的 在不在検知．サーモスタット制御への活⽤を想定
家の中の居場所と⾏動の推定 ⾷事摂取の監視⾃動化を狙い，⾷事⾏動タイミングを検出
仮説 電⼒使⽤があれば在，なければ不在
居場所と⾏動は紐付け可能 ⾷事の際の腕や⼿の動きが固有で抽出できる
⼿段 電⼒データから在不在推定．電⼒と在不在の事実データのセットを対象に評価
スマートフォンの位置と，スマートウォッチの捉えた⾳と揺れから⾏動を推定
スマートフォンの揺れから，腕や⼿の動きを捉えて⾷事⾏動を推定
結果 機械学習で評価して83％ 位置の推定精度：87%（実験環境下）
⾷事タイミングの推定はF値で76.1%（被験者7⼈，1⽇間，実験環境下）
課題(実⽤⾯)
・睡眠検知をしていない・データセットでの評価に留まっている．
・⾃宅内で，スマートウォッチを外す⼈には使えない・明確なアプリが不明（恐らくHEMS）
・⾃宅内で，スマートウォッチを⾝につけていることが前提
出典 W. Kleiminger et al.: Household Occupancy Monitoring Using Electricity Meters, Proc. of Ubicomp ’15, pp.975-986, 2015.
S. Lee et al.: Non-obstructive Room-Level Locating System in Home Environments using Activity Fingerprints from Smartwatch, Proc. of Ubicomp ’15, pp.939-950, 2015.
E. Thomaz et al.: A Practical Approach for Recognizing Eating Moments with Wrist-Mounted Inertial Sensing, Proc. of Ubicomp ’15, pp.1029-1040, 2015.
☆⾃然にデータを集める意図で，消費電⼒データやスマホやスマートウォッチ内蔵センサを活⽤
３．スマートホーム関連の研究事例 －海外(3/3)－
機関 ⑥Pennsylvania State Univ., USA,2015
⑦Univ. of Michigan, USA,2015
⽬的 ⽇常⽣活での病気の兆候検出 温冷感の推定．PMV値の精度向上を想定
仮説 病気の兆候は⾳で捉えられ，識別できる
装着センサから⼈に関するデータを直接⼊⼿する⽅が⾼精度化が望める
⼿段 スマートフォンの捉えた⾳から，くしゃみ，せき，⿐づまり，うがいを識別
ウェアラブルセンサの捉える⼈の動き，汗，⽪膚温データを活⽤
結果 4つの識別精度は正解率80％超（16⼈，204⽇間，実環境下）
装着と部屋設置ｾﾝｻの両⽅から⼊⼿するデータに基づく温冷感推定は従来⼿法より50％の誤差削減の可能性あり
課題(実⽤⾯)
・スマートフォンの⾝に付け場所や置き場所など，あらゆる場⾯での推定精度の検証・プライバシー侵害⾯の担保
・家の中でもウェアラブルセンサを装着していることが前提
出典 X. Sun et al.: SymDetector: Detecting Sound-Related Respiratory Symptoms Using Smartphones, Proc. of Ubicomp ’15, pp.97-108, 2015.
C. Huang et al.: The Potential and Challenges of Inferring Thermal Comfort at Home Using Commodity Sensors, Proc. of Ubicomp ’15, pp.1089-1100, 2015.
☆ウェアラブルセンサ活⽤もあり
機関 ⑧⼤阪府⼤・福永研, 2005 ⑨川崎医療福祉⼤学・太⽥教授，2006⽬的 ⾼齢者の家に設置した焦電センサや電気機
器のﾃﾞｰﾀからﾊﾟﾀｰﾝ抽出し，⾮⽇常を検知⾚外線センサを利⽤した⾼齢者⾒守りシステムの異常検知アルゴリズムの設計指針の策定
仮説 家の中での⾏動は，位置情報と家電製品の動作からﾊﾟﾀｰﾝ化されるから，ﾊﾟﾀｰﾝからのズレで⾮⽇常性の検出ができる
⼈は体調が良いとよく⾏動するが，悪いと余り動かない，のように⼈の健康状態と⾏動の間に密接な関係があるから，それをセンサで検知する
⼿段 ⼈の位置は，個別の部屋に設置する焦電センサ，家電の動作は家電毎の稼動センサ（電⼒とは明記せず）で捉え，センサデータから⾏動パターンを表現．前⽇までの⾏動パターンを⾃動分類して学習し，当⽇の⾏動の⾮⽇常性を検出
⾼齢者⾒守りシステムで，2年以上計測した宅内⾏動データを統計解析．i.e., 宅内移動距離，居室利⽤頻度，居室利⽤時間を抽出し，データの特徴と季節変動を調査．
結果 コンテスト向けに公開されている⾼齢者の在宅データに対してアルゴリズムを適⽤し，実際に被験者が体調を崩した⽇の前後で⾮⽇常性の検出ができた
気温が上がる/下がると宅内移動距離が増加/減少するといった気温と移動距離の相関あり．宅内移動距離は正規分布を⽰すなどの結果は，異常検知のための閾値設定の指針となる
課題(実⽤⾯)
・ﾄｲﾚ等，⾏う時間が定型化されない⾏動の未実⾏，は現状，検出できていない・シミュレーションでなく，実環境での評価・被験者数を増やすこと
トイレの利⽤頻度の分布の代表値を調べると，⼀⽇の凡その排泄回数が把握できるだろう，などの様々な知⾒は確認が必要
出典 ⻘⽊，福永他：独居⾼齢者の⾏動パターンに注⽬した⾮⽇常状態の検出，電気学会論⽂誌E，Vol 125 No 6 pp 259-265 2005
品川，太⽥他：季節変動に着⽬した独居⾼齢者の在宅⾏動データの解析，川崎医療福祉学会誌，Vol 16 No 1 pp 121-128 2006
３．スマートホーム関連の研究事例 －国内(1/3)－☆⾒守りシステムへの応⽤を想定し，環境に設置したセンサデータから異変を検知
機関 ⑩東京⼤学・森准教授, 2012 ⑪芝浦⼯業⼤学・井上教授, 2014⽬的 ⾼齢者の家に設置した焦電センサデータから
活動量を蓄積し，異変を検知独居⾼齢者の認知症の発症を，センサデータから判定するｱﾙｺﾞﾘｽﾞﾑの提案
仮説 認知症になると，ADLが緩やかに低下したり，夜間徘徊のような⾏動の異変が⽣じ，それは簡便な焦電センサのデータから分かる
認知症になると，⼊浴忘れ，⽔道栓の閉め忘れ等の物忘れや，頻繁なﾄｲﾚなどの⾏動障害を起こす
⼿段 ⽣活パターンの類似する⼈同⼠は同じ群とみなし，過去に起きた異変事象はその群の中で共有する．その考えを⼊れた異変検知アルゴリズムを提案．現在の活動量が過去の平均より低いとき，異変とする．
物忘れや⾏動障害を環境に設置するセンサで捉え，重み付け点数化することで認知症を判定．重み付けは，認知症⾼齢者の同居⼈が⾏動を観察して予め決定．健常な実験者が，認知症⾼齢者の取り得る⾏動ｼﾅﾘｵを演じて，集めたセンサデータを対象に認知症判定を試⾏
結果 ⼀⼈の⾼齢者の1年間のデータに対し，異変判定アルゴリズムを適⽤し，異変検知できたが，その⽇は外出⽇と分かった．
8つの⾏動ｼﾅﾘｵ中，センサで検知できる4つを認知症と正しく判定．
課題(実⽤⾯)
適切な被験者を対象とした実験 探しものや家の中の徘徊など，センサで検知できない異変⾏動は，認知症の判定ができない
出典 T. Mori et al.: Life Pattern Estimation of the Elderly Based on Accumulated Activity Data and its Application to Anomaly Detection, Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.24, No.5, pp.754-765, 2012.
阿部他：⾏動センシングによる認知症の早期発⾒システム，第13回情報科学技術ﾌｫｰﾗﾑ（FIT2014）,Vol.4,pp.299-300,2014
３．スマートホーム関連の研究事例 －国内(2/3)－☆異変検知を使って⾼齢者特有の病気の検知へ活⽤する動きが国内でも
３．スマートホーム関連の研究事例 －国内(3/3)－
機関 ⑫東京⼤学・岩船研,2011
⑬⼤阪⼤学・東野研, 2015 ⑭パナソニック・⻄⼭他, 2015
⽬的 節電⾏動のための電⼒消費構造の把握
⼈の⾏動を捉えた上で，節電アドバイスを提供
ﾕｰｻﾞに信頼されるｴｰｼﾞｪﾝﾄを⽬指したｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ機能の提案
仮説 電⼒の消費構造を把握，予測が可能になれば，ﾕｰｻﾞ機器の運転計画ができる
電⼒使⽤を分析し，改善内容とその効果を⽰せば，ユーザは節電⾏動を採るだろう
ｴｰｼﾞｪﾝﾄが⾃⾝のﾀｽｸ実⾏内容を整理して構造知識化しておけば，ﾕｰｻﾞからの質問に適切に応えられる
⼿段 ・分岐回路（毎分間隔）毎の消費電⼒分析・リビング回路のTVオン，オフの識別．キッチン回路の冷蔵庫抽出・⾃⼰組織化マップ，ウェーブレット変換
コンセント設置の電⼒計から⾏動を推定し，TVを消すと節約効果はいくら，などを例⽰
・ｴｰｼﾞｪﾝﾄ⾃⾝のﾀｽｸ実⾏内容を，格⽂法分析を活⽤し，ﾀｽｸの実⾏理由，⼿段，前後処理といった関係に基づいて知識ﾍﾞｰｽ化・受けた質問を知識ﾍﾞｰｽに照らし，該当内容を簡潔に応える
結果 TVオン/オフ識別の正解率90%（271ヶ⽉分データの約8割に対し）
3⼈家族の⾃宅にｾﾝｻを設置し，晩夏1ヶ⽉強のデータを収集し，有⽤性を確認
HEMSのｴｱｺﾝ制御を例に，提案機能が設計，⼀部実装．適切な応答かの評価実施が今後の課題
出典 岩船他：住宅⽤分電盤電流データを⽤いた機器稼動状況推定法，電気学会論⽂誌B, Vol.131, No.7, pp.542-549 (2011)
中村,東野他:⼤衆の⽣活ノウハウの定量化とモデル化による⽣活改善アドバイス⽣成システム,信学技報, pp.1-6, 2015年1⽉.
⻄⼭他：ﾕｰｻﾞに伝わる説明⽣成を⽬指す住環境知能ｴｰｼﾞｪﾝﾄ，ヒューマンインタフェースシンポジウム論⽂集CD-ROM,, 2015
☆HEMSへの応⽤を想定し，電⼒データ分析による節電アドバイスや，コミュニケーション機能の提案
４．スマーターホームに向けて
安⼼・安全 快適・便利 共通基盤技術セキュリ
ティ⾒守り
（⾼齢者対応）HEMS・⾃動家電
会話端末/ソフト
スマホ内蔵センサを活⽤した⾏動推定など
ウェアラブルセンサ(メガネ型，腕時計型，⾐服型，指輪型)の発展による収集されるデータがもっと豊富に
住環境が賢く 家電が賢く ロボットが賢く 身に付けているモノが賢く
住まいに居る人の周りのモノ全てが賢くなると予想でも，どういう賢さが人から求められるかの見極めが重要
IoT
・人が本来，求めるように技術手段を組み合せ，システム化するかは腕の見せ所
人工知能 スマートオブジェクトソーシャルオブジェクト
セキュリティ技術
＜エコロジー視点に基づくビジョン(J. L. Crowley et al., 2015) ＞ ○家自体を内部から観察し，内部の問題解決から着手 ○恒常性の観点に基づく ・家中の環境状態の把握 ・家自体（機器や部材）の状態把握 ・統合制御により住人の快適性維持を目指す ○住人に，変化や異変を気づかせる機能から着手する現実的アプローチ ○４つの知的サービスに分類 ・家電などの道具サービス ・掃除，洗濯，買い物，料理などの家事サービス ・助言サービス ・メディアサービス
＜個々のサービスのタスク分析＞ ○機械に任せるタスクと人に任せるタスクに分ける ○深層学習など最新AI技術，IoTはシステム化のためのツール
４．スマーターホームに向けて
４．おわりに
＜最近話題＞ ○技術的特異点（シンギュラリティ） ○汎用人工知能（AGI)
＜留意すべき事柄＞ ○ユーザ視点でのシステム化 ○AI, IoTは技術手段
ありがとうございました