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編集・発行 東海農政局水土保全相談センター 次郎柿 キャベツ ネギ

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Page 1: 編集・発行 東海農政局水土保全相談センター · さて、5月に国際大ダム会議年次例会に参加する機会がありました。本会議は、ダムを安

編集・発行 東海農政局水土保全相談センター

次郎柿 キャベツ ネギ

Page 2: 編集・発行 東海農政局水土保全相談センター · さて、5月に国際大ダム会議年次例会に参加する機会がありました。本会議は、ダムを安

✎巻頭言

・技術力の向上 .......................................................... 1 東海農政局 地方参事官 井原 和彦

✎センター通信

・平成27年度新技術・工法等説明会の開催実績報告 .......................... 2

・多面的機能支払交付金管内担当者会議 (ストマネ・フォーラム「農地・水保全部会」)を開催 ......................... 3

・東海地域保全技術等推進連絡会議(BCP説明会)の開催 ~ストマネ・フォーラム「防災・減災・災害復旧部会」~ ................... 4

✎施策だより

・「日本農業遺産」を創設!公募を開始しています! .......................... 5 東海農政局 農村振興部 農村環境課

・ディスカバー農村漁村(むら)の宝 第3回募集 ............................. 6

東海農政局 農村振興部 農村計画課

✎技術ルネサンス ・農業用水路トンネルの機能(耐圧強度)回復・長寿命化技術 ~FRT工法~ .......................................................... 8

・回転式破砕混合工法 ~ツイスター工法~ ................................. 10

・災害復旧効率化支援システム ~Photog-CADによる効率化~ ................ 12

・ポリエチレン管による管更生工法 ~サブコイル工法~ ..................... 14

・オープンシールド工法(NOSⅠ型) ..................................... 16

・360°回転式レーザー測定器 ............................................. 18

・狭小地でも施工可能な環境にやさしい砕石地盤改良工法 ~エコジオ工法~ ...................................................... 19

・地盤補強工法 ~D・BOX工法~....................................... 20

✎ストックマネジメント 機能保全に架ける橋

・宮川支所開所 -国営施設応急対策事業「宮川用水地区」- ................. 21 東海農政局 木曽川水系土地改良調査管理事務所

✎平成28年度(第1・四半期)の主な活動歴 .................................................... 24

目 次

表紙写真

これまでに宮川用水地区に整備された主要な国営造成農業水利施設(粟生頭首工(上段、

中段中央)、押野池(中段左)、斎宮調整池宮(中段右))と整備された圃場で生産され

た地域ブランド野菜。

写真のほかにも伊勢イモやいちごなどの農産物も生産されており、地域農業の礎として

宮川用水事業は進められてきました。

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技術力の向上

【東海農政局 地方参事官 井原 和彦】

世の中では、団塊の世代が定年を迎える 2008 年以降には、技術の継承が企業の大きな課

題の1つとなると言われてきましたが、農業土木技術については、技術の継承もさることな

がら、技術力が低下していると言われている現状を考えると大変不安に思っている一人です。

この技術力の低下については、私が若いころから、課題となっており、現在も変わらない課

題でもあることから、永遠のテーマともなっていると感じています。

さて、5月に国際大ダム会議年次例会に参加する機会がありました。本会議は、ダムを安

全、効率的、経済的かつ環境に配慮して建設する技術に関する民間国際調査研究機関です。

3年毎の大会と年次例会を開催してきており、年次例会では、個別テーマについて、委員会

やシンポジウム等が行われています。世界的に見ると、大ダムは、現在も世界各地で建設が

行われています。ダムが新たに建設され続けている状況の下で、個別テーマとして、ダム解

析・設計、ダム設計における地震問題、ダムの安全性、貯水池の堆砂、ダムの維持管理と補

修、気候変動等、ダムに関する幅広いテーマについて議論されています。年次例会で、これ

らの技術的議論に触れている中で、我が国の特に灌漑用ダムをみると、今後、新たなダム建

設が見込まれない状況で、ダム技術者の層が薄くなり、より大規模な改修、補修が必要にな

った時に、適時、適切に対処していくことができるのだろうかと不安に駆られました。

ダムのような大規模構造物の建設、改修に係る技術を組織や個人として、維持、向上して

いくためには、調査、計画、設計、施工、維持管理の一連の実務経験(技術)が大変重要な

ものと考えます。今後、灌漑用ダムの新設が予定されていない中で、いかにして、組織や個

人の技術力を向上させていけば良いのでしょうか。また、大規模構造物に限らず、農業土木

分野では、広義で技術をみると、農業農村整備事業を実施していく過程では、調査、計画、

設計、施工、維持管理の一連の技術の他、地元交渉、関係機関や関係者との協議調整など幅

広く様々なものがあります。

一方で、社会、経済情勢、技術の発展によっては、必要とされる技術も時代によって変化

していくこともありますが、私たちは、技術力の向上のために、いったい何を行ったら良い

のでしょうか。具体的には、業務多忙のため日常業務をOJTの場として技術を磨く、研修を

受ける、より多くの実務経験を積む、資格取得を目指す、技術力の向上に配慮した人事配置

が必要等、当事者の技術力、置かれた業務内容や環境によって、様々な取組が挙げられるこ

とと思います。

しかし、様々な取組が考えられる中で、特に、当事者が技術力の向上に対する意識を常に

持つことが重要となってくるのではないでしょうか。技術力の向上は、一朝一夕にはいきま

せん。自らに対する戒めも込めて、技術力の向上のため、まずは、小さなことから取組の一

歩を踏み出しましょう。

巻 頭 言

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平成27年度新技術・工法等説明会の開催実績報告

東海農政局水土保全相談センターでは、技術的な協働・連繋(交流)の一環として、新技

術・工法等説明会を開催しています。

本説明会は、技術開発等に意欲的に取り組んでいる民間企業等から、新たな技術・工法、

製品・材料等を紹介していただき、農業農村整備事業関係者(県、県土連、水資源機構、土

地改良区及び建設業者等)の日頃の業務の参考にしていただく機会として開催しています。

平成27年度は、以下のような内容で、5回の説明会を開催しました。

平成27年度(実績)

日時・場所 参加者数 紹介テーマ

第1回説明会

平成27年6月29日(木曜日) (13:10~16:30) 土地改良技術事務所 (3F研修室)

県等 52名国 17名計 69名

1. 災害復旧効率化支援システム ~Photog-CADによる効率化~※

2. 超速硬化型ウレタンCVスプレー(QSQ工法)の紹介

3. 農業用水路トンネルの機能(耐圧強度)回復・長寿命化技術 ~FRT工法~※

4. 回転式破砕混合工法 ~ツイスター工法~※

第2回説明会

平成27年9月10日(木曜日) (13:10~16:30) 土地改良技術事務所 (3F研修室)

県等 46名国 10名計 56名

1. ポリエチレン管による管更生工法※ ~サブコイル工法~

2. TSシーラー(コンクリート表面含浸材)

3. ため池遠隔監視システム

4. 360°回転式レーザー測定器※

第3回説明会

平成27年12月18日(金曜日) (13:10~16:30) 土地改良技術事務所 (3F研修室)

県等 37名国 16名計 53名

1. 複合推進工法(CMTI法)

2. オープンシールド工法(NOIS型)※

3. 狭小地でも施工可能な環境にやさしい砕石地盤改良工法 ~エコジオ工法~※

4. コスト縮減・工期短縮に貢献する新開発ダクタイル鉄管(AL形ダクタイル鉄管)

第4回説明会

平成28年1月29日(金曜日) (13:10~16:30) 土地改良技術事務所 (3F研修室)

県等 43名国 7名計 50名

1. 地盤補強工法 ~D・BOX工法~※

2. 高い遮水性能を有する遮水壁工法※ ~エコクレイウォール工法~

3. 自走式土質乾燥機

第 5 回説明会

平成28年3月16日(水曜日) (13:10~16:30) 土地改良技術事務所 (3F研修室)

県等 27名国 12名計 39名

1. ノーディパイプ工法・SPR工法

2. シンクロスクリーン、リンクアップゲート

3. 生分解性法枠材「ビオハード法枠材」

平成28年度につきましても、定期的に開催しますので、多くの方が参加され、新たな技

術・工法等に対する知見の取得に役立ててください。

なお、ここで紹介した工法のうち表中に※ のある工法の概要については、本誌(技術ルネ

ッサンス)で個別に紹介をさせて頂きます。

セ ン タ ー 通 信

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多面的機能支払交付金管内担当者会議 (ストマネ・フォーラム「農地・水保全部会」)を開催

平成28年4月21日、平成28年度多面的機能支払交付金に係る管内担当者会議(第1回)

が開催されました。当日は、農政局、県、各県推進協議会の主に多面的機能支払交付金の事

務等に係る担当者が出席し、平成 28 年度の中間評価及び要綱・要領の改正に伴う事務の進

め方等について会議を実施しました。

本会議は、東海農政局では、水土保全相談センターの活動の一環であるストマネ・フォー

ラム「農地・水保全部会」として位置づけています。

多面的機能支払交付金は、平成19年度に「農地・水・環境保全向上対策」として、農地・

農業用水等の保全と質的向上に関する地域ぐるみの共同活動への支援(共同活動支援)と、

化学肥料・化学合成農薬を大幅に低減するなど環境保全に向けた先進的な営農活動への支援

(営農活動支援)とを一体的に行うことを目的とし、平成 23 年度までの5ヶ年間の対策と

して開始されました。その後、平成23年度より「営農活動支援」については、「環境保全型

農業直接支援対策」として独立し、これまで「共同活動支援」の対象としてきた農地・農業

用水等の資源の日常の保全管理活動に加え、集落(活動組織)が行う農地周りの水路・農道

等の施設の長寿命化のための補修・更新等の活動に対し追加的に支援(向上活動支援交付金)

するよう見直しを行い、「農地・水保全管理支払交付金」と名称変更し、平成28年度までの

対策として継続することとなりました。

また、平成 26 年度に、農林水産業・地域の活力創造プラン(平成 25 年 12 月 10 日農林

水産業・地域の活力創造本部決定)を踏まえ、農業農村の有する多面的機能の維持・発揮を

図るため、日本型直接支払(多面的機能支払、中山間地域等直接支払、環境保全型農業直接

支援)の取組を法律に位置づけることとし、平成 26 年度は「多面的機能支払交付金」と名

称変更、組換等を行い、予算措置として実施、所要の法整備を行った上で、平成 27 年度か

ら法律(「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」)に基づき実施されました。

平成 28 年度の要綱・要領の主な改正点は、老朽化が進む農地周りの農業用用排水路、農

道等の施設の長寿命化のための補修・更新等の活動を支援する資源向上支払交付金(施設の

長寿命化)において、活動組織が広域活動組織の規模を満たさず、かつ直営施工を実施しな

い場合、交付単価が5/6を乗じた額となるというものです。

このことから、今後、活動組織においては直営施工の重要性がより増すこととなります。

水土保全相談センターは、今後も、地方自治体、推進協議会等とも連携し、水路目地補修

講習会等の多面的機能支払交付金の活動への各種支援を実施していきます。

セ ン タ ー 通 信

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東海地域保全技術等推進連絡会議(BCP説明会) の開催

~ストマネ・フォーラム「防災・減災・災害復旧部会」~

東日本大震災等を契機として、多くの企業やインフラ管理者は実際に大規模な災害や事故

が発生した際の重要業務継続と早期復旧を実現するための業務継続計画(BCP: Business

Continuity Plan)の策定に取り組んでいます。

今世紀前半にも高い確率で東海、東南海、南海地震等といった巨大地震や、気象変動の影

響と考えられる集中豪雨等大規模災害の発生が懸念される中、土地改良の分野においても土

地改良施設管理者の危機管理対応としてBCPの必要性が高まっており、平成28年3月に

「土地改良施設管理者のための業務継続計画(BCP)策定マニュアル」が制定されました。

東海農政局水土保全相談センターでは、平成28年5月16日(月)に土地改良技術事務

所研修室において「ストマネ・フォーラム(防災・減災・災害復旧部会)」を開催し、管内

各県災害担当者、各県土地連及び国営造成施設の管理者である土地改良区を対象にBCPの

必要性や位置づけ及び「土地改良施設管理者のためのBCP策定マニュアル」の紹介を行い

ました。

また、先進的にBCPを策定した宮川用水土地改良区より、策定時に苦労した点やマニュ

アルの使い勝手等策定した立場から宮川用水土地改良区のBCPを説明頂きました。出席者

からは、作成するのに要した費用や期間はどれくらいかかったか等の具体的な質問がありま

した。

今後、東海農政局では「BCP策定推進タスクフォース」を設立し、土地改良区によるB

CP策定を支援してまいります。

セ ン タ ー 通 信

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「日本農業遺産」を創設! 公募を開始しています!

【東海農政局 農村振興部 農村環境課】

我が国では、現在も伝統的で多様な農林水産業が営まれ、美しい田園風景、伝統ある故郷、

助け合いの農村文化が守り続けられています。

しかしながら、近年の農村地域の過疎化や高齢化、コミュニティ機能の低下等によりそれ

らの根幹となる伝統的な農林水産業の継承が次第に困難になってきている状況にあります。

こうした中、我が国において将来に引き継がれるべき伝統的な農林水産業システムを広く

発掘し、その価値を評価、認定するため、農林水産省では「日本農業遺産」を創設しました。

これまでは、国際連合食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」の取組に対し、積極的

に国内認定の拡大を図り、日本国内では東海農政局管内の岐阜県長良川上中流域のほか、石

川県能登地域、静岡県掛川周辺地域等の8地域が認定されています。しかしながら、世界15

カ国 36 認定地域のうち、中国(11 地域)と日本が半分以上を占める状況にあり、今後、認

定地域を容易に増やせない環境にあることから、日本独自の制度を創設しました。

「日本農業遺産」の認定対象となる農林水産業システムは、「社会や環境に適応しながら

何世代にもわたって形づくられてきた伝統的な農林水産業と、それに関わって育まれた文化、

ランドスケープ、生物多様性等が一体となったもの」であり、「世界及び日本における重要

性、並びに歴史的及び現代的重要性を有するもの(世界農業遺産の認定基準)」に加え、「自

然災害や生態系の変化に対する回復力、多様な主体の参画及び6次産業化の推進(日本農業

遺産独自の認定基準)」の視点も評価されます。

「日本農業遺産」の創設・認定は、伝統的な農林水産業の継承に留まらず、農村地域の自

信と誇りを醸成するとともに、「日本農業遺産」

への認定を活用した農林水産物のブランド化や

観光客の誘致、企業との連携等を通じて地域振興

につながるものと考えています。また、国民の皆

様に我が国の伝統ある農林水産業への理解を深

めてもらう観点からも大変重要と考えています。

東海農政局では、日本農業遺産や認定地域の魅力

について積極的に情報発信を行うことで、認定地

域の振興に貢献していきたいと考えています。

「日本農業遺産」の認定に関する応募方法等は、

以下のホームページの実施要領、公募要領をご参

照ください。 【 公募期間:平成28年4月12日~9月30日 】

http://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_14.html

日本農業遺産認定に期待される効果

施 策 だ よ り

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施 策 だ よ り

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施 策 だ よ り

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農業用水路トンネルの機能(耐圧強度)回復・長寿命 化技術 ~FRT工法~

1.FRT工法とは

FRT 工法は現場発泡硬質ウレタンフォーム(発泡ウレタン)を使って、従来の改修工

法を用いずにトンネルが有する本来の機能を回復させる工法です。

トンネルの変状の要因となっている天端背面の空洞部を発泡ウレタンで充填(裏込め)

し、発泡ウレタンから得られる発泡圧により、躯体に圧力を加えるものです。

2.FRT工法の特徴

FRT工法は主に以下の特徴を有しています。

① 従来のトンネル補修工法と比較し、安価に補修が可能。

② 注入のみの施工となるため、短期間での施工が可能。

③ 経年により空洞が再発生した場合でも、何度でも充填が可能。

④ 仮設配管、プラント等の設置が不要。

3.FRT工法の仕組み

農業用水路トンネルでは、側壁におけるクラックの発生、底盤摩耗など、補修や補強

が必要と考えられる変状が多く発生しています。

特に、農業用水路トンネル躯体のスプリングラインへのクラックは、側圧とクラウン

の空洞が原因で発生することがあります。

FRT 工法は天端空洞を発泡ウレタンによって充填することにより、緩み土圧(側圧)

を低減し、トンネルが有する本来の機能を回復させることが可能です。

天端空洞によって緩み土圧(側圧)が発生 天端空洞に充填を行うことで土圧を均一化

技 術 ル ネ サ ン ス

東海農政局水土保全相談センターでは、新技術・工法等説明会をセンターの創設時よ

り毎年5回程度の頻度で開催しております。

今回5周年を迎えたこの機会に、これまで同説明会で紹介しました工法等の概要を本

誌に掲載することで、再度、このような技術もあるとの認識を深めて頂く一助とさせて

頂きます。

なお、本誌で紹介する以外にも類似した工法は多数ありますので活用にあっては十分

比較検討を行ってください。

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4.FRT工法の施工方法

FRT工法の使用機材は注入機、コンプレッサー、振動ドリル(集塵機併用)、材料、バ

ンドヒーター、台車(材料運搬用)となっており、コンパクトな施工が可能となってい

ます。

施工に当たっては、トンネル上部に1.5m毎に注入孔を配置し、注入孔から発泡ウ

レタンを注入することで、空洞への充填を行います。注入量の管理は材料の発泡量を事

前に計算するとともに、圧力計により圧力管理を行います。

施工全体図

・施工プラントが小型で、仮設配管を必要としないため、延長の長いトンネルの部分補修が可能

技 術 ル ネ サ ン ス

注入孔削孔 加圧式裏込注入工

(天端部分へのウレタン注入)トンネル変状を計測確認しながえら作業

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回転式破砕混合工法

~ツイスター工法~

発生土の有効利用に関する工法として回転式破砕混合工法を紹介します。

1.回転式破砕混合工法とは

回転式破砕混合工法(ツイスター工法)とは、円筒内で高速回転する複数本のフレキ

シブルなチェーンの打撃力で地盤材料の破砕・細粒化(解砕)を行うとともに、添加材

料を均一に分散させる効果を持つ、破砕と混合を同時に行う工法です。

2.回転式破砕混合工法の特徴

回転式破砕混合工法は主に以下の特徴を有しています。

① 地盤材料の細粒化と添加材との混合を同時に行い、経済性に優れる。

② 岩塊・コンクリート塊・貝殻等の破砕・細粒化が可能。

③ 従来の原位置混合法に比べ、高品質な混合攪拌を行うことが可能。

④ チェーンの回転数、本数を変化させることにより、広範囲な地盤材料に適用可能。

⑤ 解砕効果を有するため、粘性土の有効利用が可能。

⑥ 機械本体がシンプルで、メンテナンスが容易。

⑦ ベルトコンベア搬送システムとの組み合わせにより連続大容量混合が可能。

⑧ 装置がコンパクトであり、輸送、設置および解体が容易。

3.回転式破砕混合工法の概要

回転式破砕混合工法は円筒内で高速回転する複数本のフレキシブルなチェーンの打撃

力で2種類ないし3種類の建設発生土の破砕・細粒化をするとともに、均一に分散させ

ることによって、破砕と混合とを同時に行うことを可能とした工法です。

回転式破砕混合工法の設備は、基本的にはプラント型設備で、①建設発生土供給設備、

②建設発生土運搬用ベルコン、③回転式破砕混合機本体、④改良土排出ベルコンで構成

されます。

○回転式破砕混合工法の円筒設備

技 術 ル ネ サ ン ス

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○回転式破砕混合工法の全体設備

4.回転式破砕混合工法と従来工法との違い

回転式破砕混合工法1台で混合機械と破砕機械の機能を兼ね備えています。

また、優れた混合性能と破砕、解砕性能を有しているため、粘性土から岩石まで幅広

い地盤材料の混合が可能です。

○回転式破砕混合工法と従来工法との比較

○回転式破砕混合工法の適用範囲

技 術 ル ネ サ ン ス

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災害復旧効率化支援システム ~Photog-CAD による効率化~

1.Photog-CADとは

Photog-CADは主に災害復旧事業の申請書類(査定設計書)作成を迅速に一貫して行う

ことができるソフトウェアです。家庭用デジタルカメラを使用し写真測量技術による測

量結果から、3次元地形モデルの表示やファイル出力ができます。内蔵する2次元CA

Dソフトを使って設計を行い、積算や帳票作成も可能です。さらに、作成されたCAD

データを他の異なるCADソフトとデータ交換することができます。

立ち入り困難な現地調査において、デジタルカメラによる写真測量により、離れた位

置からの撮影によって安全性を確保し、かつ省力化が可能です。

2.Photog-CADの特徴

Photog-CADは主に以下の特徴を有しています。

① 現地に入りにくい災害現場での写真測量が可能。

② 撮影した写真により、オルソ画像や3次元モデルが容易かつ忠実に再現可能。

③ 現地作業の短縮・効率化・低コスト化が可能。

④ データの記録・保存・編集・管理が容易。

⑤ 航空写真と異なり、天候に左右されない。

⑥ 設計・積算を行い、査定設計書・野帳等の作成・出力が可能。

3.Photog-CADの概要

Photog-CADを使って次の作業を一連作業として行うことが可能です。

① 家庭用デジタルカメラ(400万画素以上)を用いて、被災現場に対して3方向から

撮影します。

② 撮影された被災現場の画像については、Photog-CAD に取り込み、画像上のポイン

トを複数指定することで、写真測量技術により3次元データへと変換します。

③ 作成した3次元データを利用して、被災現場の断面図等を作成し、復旧のための

設計を行います。

④ 設計・積算作業を行い、査定設計書を作成します。

これらの作業をPhotog-CADを使って一連の作業として行うことが可能です。

○Photog-CADによる査定の流れ

技 術 ル ネ サ ン ス

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○Photog-CADによる測量の効率化

現地への立ち入りが困難な被災場所では、従来のポール等による測量が困難。

一方で、写真測量は遠隔地からの写真撮影のみで測量が可能なため、少人数で効率的

な測量が可能。

4.Photog-CADの活用

Photog-CADを活用することにより、測量から設計、積算及び査定設計書の作成までの

作業を一貫して行うことが可能であり、緊急性が高い災害復旧に適した迅速な作業が可

能となる。

技 術 ル ネ サ ン ス

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ポリエチレン管による管更生工法 ~サブコイル工法~

1.サブコイル工法とは

サブコイル工法は、工場で作成したポリエチレン長尺管を、結束バンドを用いてハー

ト型に成型し、現地の既設管内に挿入した後に、結束バンドを切断することで、既設管

内にポリエチレン管を展開するパイプラインの更生技術です。

2.サブコイルの特徴

サブコイル工法は主に以下の特徴を有しています。

① JIS規格に準拠したポリエチレン管を使用し耐久性を有する。

② 既設管の撤去を伴わずに管更生が可能。

③ ポリエチレン管は工場で製作されるため、均一な品質の確保が可能。

④ 最長1,000mまで一度に施工が可能。

3.サブコイルの概要

サブコイル工法は、①更生する既設管の内部を専用機械で洗浄し、管内の異物、突起、

錆等を除去します。②工場で製作されたポリエチレン管について、結束バンドを用いて

ハート型に成型し、ポリエチレン管の断面積を一時的に縮小します。③既設管の更生始

点からポリエチレン管を挿入し、終点まで引き出します。④ポリエチレン管内に水を注

入し、水圧によって結束バンドが破れ、既設管内にポリエチレン管が圧着します。

これらにより、既設管を撤去することなく、ポリエチレン管による管更生が可能であ

り、また、現地でのポリエチレン管の融着により最長1,000mの施工が可能などのメリッ

トがあります。

○サブコイル工法による施工の流れ

①既設管内洗浄 ②ポリエチレン管の形成

③ポリエチレン管の既設管内への引き込み ④ポリエチレン管への水注入による復元

技 術 ル ネ サ ン ス

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4.サブコイル工法の施工状況

ピット掘削状況 水圧による管内洗浄

管内洗浄状況確認 ポリエチレン管成型状況

ポリエチレン管の挿入状況1 ポリエチレン管の挿入状況2

ポリエチレン管への水注入による復元 施工完了状況

技 術 ル ネ サ ン ス

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オープンシールド工法(NOSⅠ型)

1.オープンシールド工法とは

オープンシールド工法は、既設水路の改修、家屋に近接した箇所、交通量の多い道路

下などにおいて、オープンシールド機で土留めをしながら、ボックスカルバートやU型

開渠を地中に埋設する工法です。

主に市街地・近接施工・硬質~軟弱地盤・地下水のある地盤などの厳しい現場条件で

の施工を得意としています。

2.オープンシールド工法の特徴

オープンシールド工法は主に以下の特徴を有しています。

① 急曲線施工が可能。

② 家屋などの近接施工が可能。

③ 軟弱地盤、帯水層でも施工可能。

④ シールド機上部は解放可能。

⑤ 振動・騒音が少ない。

⑥ 施工幅が小さいため、建設残土が少なく、環境に優しい。

⑦ 安全で経済的。

⑧ 根入れが不要。

3.オープンシールド工法の仕組み

オープンシールド機を利用することで、連続して掘削、函体の据え付け、埋め戻しを

行う工法です。

上部解放型のオープンシールド機を使用し、地上のバックホウで掘削、函体は地上か

らクレーンで据え付け、函体上部を直ちに埋め戻し、シールド機の推進は敷設した函体

を反力にしてシールドジャッキにより推進します。

○オープンシールド機 ○ボックスカルバート

技 術 ル ネ サ ン ス

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4.オープンシールド工法の施工方法

オープンシールド工法は①掘削準備、②函体を据え付け、③プレスバー設置、④裏込

注入(一次)、⑤シールド機掘進、裏込注入(二次)、⑥埋め戻し、⑦プレスバー撤去、

⑧函体緊結の工程によって施工されます。

シールド機の掘進により、施工場所が移動するため、長期間の施工場所確保が必要な

く、周辺への影響が少なく済みます。

○施工断面図 ○施工工程

(施工全体図)

・施工帯が日々移動し、占有期間が短くなり、周辺道路等への影響を最小限に抑えられます。

オープンシールド機

(NOSⅠ型)

技 術 ル ネ サ ン ス

オープンシールド機(NOSⅠ型)

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360°回転式レーザー測定器

1.360°回転式レーザー測定機とは

360°回転式レーザー測定機は、対象構造物に対しレーザーを回転させながら測定する

ことで構造物の断面形状を計測し、構造物の形状を把握するとともに、出来形管理やデー

タ管理をすることにより劣化の進行度等が確認できる測定機です。

2.360°回転式レーザー測定機の特徴

360°回転式レーザー測定機は、主に以下の特徴を有しています。

① 360°全範囲の測定が可能。

② レーザー測量により、ミリ単位の精度での測定が可能。

③ 短時間での測定が可能。

④ 現場での測定結果の確認が可能。

3.360°回転式レーザー測定機の仕組み

農業用水路や水路トンネル等の構造物については、経年変化によって構造物表面の劣化

が生じるが、この劣化についてレーザー光線による測定により詳細なデータを得ることが

できます。また、レーザー照射部位が 360°回転することにより、開水路のみならず、水

路トンネルについては底面、側面、上面の全ての面において連続した測定が可能となって

います。さらに、1断面約1分で測定が可能であり、測定時間の短縮や、タブレットを使

ってその場で測定データを確認可能などのメリットがあります。

①回転式レーザー測定で360°の測定が可能 ②一定間隔で断面測定が可能

4.360°回転式レーザー測定機の利用用途

360°回転式レーザー測定機は、測定精度がミリ単位であることから、水路等の現状測

定のみならず、水路面の補修を行った際の凹凸管理や塗り厚の出来形管理などにも利用可

能となっています。

①摩耗・変状等の現状調査 ②補修断面測定 ③塗り厚の出来形管理

※測定ピッチは、1cm 単位で設定可能。(現場に準ずる)

縦断方向に移動

既設構造物

既設構造物

既設構造物

設計ライン 摩耗ライン

技 術 ル ネ サ ン ス

基 準 線 凸凹量

基 準 線 設計ライン

凸凹量

塗 厚 量

既設構造物

<三面水路> <三面水路>

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狭小地でも施工可能な 環境にやさしい砕石地盤改良工法

~エコジオ工法~

1.エコジオ工法とは

エコジオ工法は、自然砕石だけで、地盤補強・透水性を改善する工法です。

自然砕石を利用することで、環境にやさしく、また、専用の小型施工機械の利用によ

り高い施工効率となっています。

2.エコジオ工法の特徴

エコジオ工法は主に以下の特徴を有しています。

① 自然砕石を利用することで、土壌汚染などを回避することが可能。

② 小型施工機械により、狭小地における施工が可能。

③ 無排土工法により、産業廃棄物の発生を回避。

④ 地盤内部の排水対策や液状化対策にも有効。

3.エコジオ工法の仕組み

エコジオ工法は、専用に開発された地盤改良機によって、ケーシングを改良対象の地

中へと挿入し、空洞に砕石を投入すると同時に、締め固めを行いながら砕石柱を地中に

形成します。

特に、小型水路や住宅地等の小規模の構造物の地盤改良に適し、施工後に存置される

砕石は自然物であることから、有害物質の溶出等による地下水汚染も防止することが可

能となっています。

エコジオ工法施工図 施工後の地盤改良イメージ

※本工法は、施工業者と三重大学(酒井俊典教授)との共同研究によるものです。

技 術 ル ネ サ ン ス

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D・BOX内部には、拘束効果を高め、振動低減効果や点荷重に対する強度増加を実現するための拘束具が設置されており、これにより通常の土のうと異なり、荷重が加えられた状態でも形状を維持することが出来ます。

地盤補強工法 ~D・BOX工法~

1.D・BOX工法とは

D・BOX工法は、砕石を特殊な土のうに投入し、土のうの区画拘束効果によって、

土のうが安定した形状を維持することが出来る仮設工法です。

土のう形状が安定していることから、軟弱地盤などでの仮設道路等への応用が可能で

す。

2.D・BOX工法の特徴

D・BOX工法は主に以下の特徴を有しています。

① 自然材料を利用することで、環境負荷などを大きく低減することが可能。

② 低い透水係数により、優れた遮水性能を有する。

③ 排泥が発生せず、処分費が生じないことから経済性に優れる。

④ 変形追随性及び自己修復性能を備え、地震時におけるクラックなどが生じない。

3.D・BOX工法の仕組み

D・BOX工法は、特殊な土のうに土を封入した後、上から荷重を加えると袋全体が

引き延ばされ、全体に張力が発生します。その結果、土粒子が内部に押しつけられ、土

粒子間に摩擦が生じます。この張力を付加応力として、土粒子間の摩擦が「のり」の役

割を果たし、D・BOXに強度が生じるのです。

4.D・BOX工法の施工事例

開水路基礎 ボックスカルバート基礎

技 術 ル ネ サ ン ス

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-国営施設応急対策事業「宮川用水地区」-

【東海農政局 木曽川水系土地改良調査管理事務所】

国営施設応急対策事業「宮川用水地区」の着工に伴い、本格的な工事を実施するため、東

海農政局では木曽川水系土地改良調査管理事務所に宮川支所を開設しました。

本稿では、宮川用水地区の事業概要と開所式の様子を紹介します。

宮川用水地区は三重県の中・南勢部に位置する伊勢市、多気郡多気町、明和町、大台町及

び度会郡玉城町にまたがる4,554haの農業地帯で、国営かんがい排水事業「宮川用水地区(昭

和 32 年度~昭和 41 年度)」において、粟生頭首工、導水路及び地区内幹線水路を新設し、

かんがい用水が確保されました。これにより本地域では、早場米のこしひかりを中心に小麦、

大豆の他、野菜指定産地に指定されている秋冬ねぎを始め、冬キャベツ、いちご、トマト、

かき等が栽培され、多様な農業経営が展開されています。

しかし、本地区の基幹的な農業水利施設である粟生頭首工については、ゲートの開閉動作

不良や油圧ユニットの異常等不測の事態が発生し、農業用水の安定供給に支障を来すととも

に維持管理に多大な費用と労力を要しています。

このため、国営施設応急対策事業「宮川用水地区」では、粟生頭首工のゲートの更新及び

補修等の機能を保全するための整備を行い、農業用水の安定供給及び施設の維持管理の軽減

を図ることとし、現地事務所として宮川支所を設置し、5月12日(木)に開所式を行いまし

た。

開所式は、関係市町の市長、町長をはじめ、宮川用水土地改良区理事長及び県関係者並び

に東海農政局関係者ら約40名が出席し、執り行われました。

式に先立ち看板掛けが行われ、その後、東海農政局農村振興部丹羽部長の挨拶、来賓とし

て三重県農林水産部平野次長、関係市町を代表し

鈴木伊勢市長、また、宮川用水土地改良区奥山理

事長の祝辞があり、最後に木曽川水系土地改良調

査管理事務所志野所長及び岡部宮川支所長から

事業概要を説明し閉会しました。

宮川支所は、三重県伊勢市勢田町地内に開設し、

支所長及び係長2名の3名体制で今後の事業推

進に取り組むこととなります。今年度は、左岸護

岸工補修工事及びゲート、エプロン等の更新・補

修のための実施設計業務を行う予定となっていま

す。

開所式での看板掛けの様子

(左から明和町長、玉城町長、大台町長、多気町長、

宮川用水土地改良区理事長、伊勢市長、丹羽部長、

志野所長、三重県農林水産部次長)

ストックマネジメント 機能保全に架ける橋

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事 業 概 要

ストックマネジメント 機能保全に架ける橋

◇ 関係市町 三重県伊勢市、多気郡多気町同郡明和町、同郡大台町、 度会郡玉城町 (1市4町)

◇ 受益面積 4,554ha ※H26.4時点 (田:3,985ha、畑:569ha)

◇ 事業工期 平成28年度~平成32年度 (5年間)

◇ 総事業費 28億円

◇ 主要工事 頭首工(改修) 1箇所

粟生頭首工の諸元

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③取水ゲート補修

扉体の腐食

扉体の補修、開閉装置の更新

固 定 堰

左岸護岸工

(ブロック積)

ストックマネジメント 機能保全に架ける橋

取水工

粟生頭首工平面図

②土砂吐ゲート補修

扉体の腐食 開閉装置の不具合

扉体の補修、開閉装置の更新

扉体の腐食、開閉装置の不具合

扉体、開閉装置の更新

洪 水 吐 土 砂 吐

調節ゲート

開閉装置の不具合

扉体、開閉装置の更新

扉体の腐食、開閉装置の不具合

<整備対象>

① 洪水吐ゲート更新

② 土砂吐ゲート補修

③ 取水ゲート補修

④ 調節ゲート更新

⑤ 下流エプロン保護工

⑥ 左岸護岸工補修

①洪水吐ゲート更新

⑥左岸護岸工補修④調節ゲート更新 ⑤下流エプロン保護工

エプロン保護工

局所的な摩耗による油圧配管露出

スキンプレートの腐食・裂傷

補 修

ブロック積の部分的な崩落

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ストマネ・フォーラム「防災・減災・災害復旧部会」

5月21日(月曜日)

講習会(鉄筋露出補修:琴沢調整池)

5月25日(水曜日)

(幸田町)

岡島頭首工 鮎の遡上調査

6 月6日(木曜日) (揖斐川町)

ストマネ・フォーラム「技術基準部会」

6 月9 日(木曜日)

愛知県農林水産部総合評価審査委員会

6月16日(木曜日) (愛知県三の丸庁舎)

「技術四季報 東海の水土保全」 編集・発行

6月30日(木曜日)

平成28年度(第1・四半期)の主な活動歴

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タイトル:3分で分かる!農業農村整備事業 ~新濃尾地区~https://www.youtube.com/watch?v=tpOXjBFB1UU

梅雨が明けると本格的な夏を迎えることとなります。日差しも強く屋外での作業が大変な時

期でもあり、運動や暑熱などの発汗による熱中症に特に注意しなければならない時期です。

また、これから3ヶ月ほどは、渇水対応や集中豪雨、台風などに警戒が必要で農業水利施設

の機能が特に求められる時期でもあります。今年も九州北部地方で、時間150mmを超える豪雨

に見舞われ、土砂崩れによる人的被害の他、農業水利施設の被災も発生しました。

作物(食料)の生産の場である農地や農業水利施設の大切さと生育した作物を心配すること

には同感ですが、人的被害に巻き込まれないよう常に意識することも大事です。

さて、今回は水土保全相談センターが発足して5年ということもあり、これまで紹介してき

た新技術や新工法を纏めて掲載させて頂きましたが、今後もこの場を借りて継続的な紹介を続

けたいと考えております。

短い動画で効果的!YouTube広報に挑戦 (再 掲)

国営新濃尾農地防災事業所では、「地域の人々に親しみを感じてもらえるような広報」をテーマに農業用水の疑問についての職員や施設管理者(宮田用水土地改良区)が自ら出演し説明する動画を作成し「YouTube」に掲載しておりますので紹介させて頂きます。

【東海農政局水土保全相談センター

広報・編集委員会】

(事務局:東海農政局 土地改良技術事務所内)

〒460 0001

愛知県名古屋市中区三の丸一丁目2 -2

TEL 052 232 1057

052 219 2660

編 集 担 当

編 集 後 記

タイトル:いちばん知りたいことに答える土地改良の授業 ~新濃尾地区~https://www.youtube.com/watch?v=lUjCciZ5H5g

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平成28年6月