国際大ダム会議dokaikyo.or.jp/back_number/kaishi_new/284t_10.pdf · 2014. 1. 20. ·...

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56 土地改良 284号 International Commission on Large Dams 81 25 11 16 西調1 28 95 27 調16 18 32 第81回年次例会会場 81

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  • 56土地改良 284号

    1.はじめに

    国際大ダム会議(International Com

    mission

    on Large Dam

    s

    (ICOLD))の第81回年次

    例会が平成25年8月11日(日)から8月16日(金)

    までの6日間にわたって、アメリカ合衆国西海

    岸の最北に位置しカナダとも国境を接するワシ

    ントン州最大の都市であるシアトルで開催され

    た。筆

    者らは、この年次例会に参加してきたこと

    から、全体概要について報告する。

    2.国際大ダム会議と日本大ダム会議の概要

    国際大ダム会議は、ダム工学の知識と経験を

    交流する場であり、ダムを安全、効率的、経済

    的かつ環境に極力悪影響を与えずに建設する技

    術に関する指導的な民間国際団体(調査研究機

    関)である。1928年(昭和3年)の設立当

    初は、ダムとその附帯施設の計画、設計、維持

    管理技術を進歩させることが主目的であった

    が、1960年代後半からは、ダムの安全、古

    いダムの見直し、劣化や環境への影響などの課

    題に重点が移行した

    1

    一方、国際大ダム会議日本国内委員会(現:

    日本大ダム会議)は、国際大ダム会議が設立さ

    れて間もない1930年(昭和5年)3月に日

    本動力協会、土木学会、電気協会の三者の後援

    で設立された。

    日本は国際大ダム会議に1931年(昭和6

    年)より加盟(戦時中に一時脱会し、1953

    年(昭和28年)に再加盟)している最も古い加

    盟国の1つであり、現在の河川法の河川管理施

    設等構造令に基づくダム技術基準の大宗も、国

    際大ダム会議の基準を踏まえたものとなってい

    る。我が国も国際大ダム会議及びその加盟国に

    より開発された技術及び経験をもとに、ダム建

    設を行ってきたと言っても過言ではない。

    国際大ダム会議には、現在、世界95カ国が加

    盟しており、本部はフランスのパリに置かれて

    いる。

    3.土地改良事業と大ダム会議との関わり

    土地改良事業の分野においても、古くから大

    ダム会議の基準が土地改良事業計画設計基準に

    取り入れられ、多くの農業用ダムが建設されて

    いる。

    例えば、1952年(昭和27年)に制定され

    た土地改良事業計画設計基準第3部設計第2編

    コンクリート堰堤は、当時、ダムの設計につい

    て日本国内に共通の基準がなかったことから、

    国際大ダム会議日本国内委員会内に設けられ

    た、えん堤調査委員会が1941年(昭和16年)

    から1943年(昭和18年)にかけて立案した

    えん堤基準案によっているところが多い。さら

    に、国際大ダム会議日本国内委員会は、第2次

    世界大戦後、ダム設計基準分科会を設立し、広

    く官民各界の専門家、研究者の協力を求めて、

    1957年(昭和32年)4月にダム設計基準を

    第81回年次例会会場

    海外レポート

    国際大ダム会議

      

    第81回年次例会の概要について

    宮森 

    俊光

    松尾 

    貴充

    農林水産省

    (一財)日本水土総合研究所

  • 57 土地改良 284号

    発表している。この基準は、以後のダム築造に

    関する基準として関係監督官庁に採用され、土

    地改良事業計画設計基準第3部第2編コンク

    リートダムもこの基準に準拠して、1965年

    (昭和40年)に改訂されている。

    4.国際大ダム会議年次例会と大会

    国際大ダム会議では、加盟国代表者が出席し

    て運営等の審議を行う総会と、個別テーマごと

    の技術委員会・特別委員会(以下、「委員会」

    という)からなる「年次例会」を毎年開催する

    ほか、世界の共通的な重要問題を論文課題に定

    め、これら課題について加盟国から論文を募集

    し、全体で発表・討議を行う「大会」を3年毎

    に開催している。日本では、これまで、196

    0年(昭和35年)の第27回、1984年(昭和

    59年)の第52回の過去2回の年次例会、201

    2年(平成24年)には京都にて我が国では初め

    て大会(第24回大会及び第80回年次例会)が開

    催された。

    今回、シアトルで開催された第81回年次例会

    には、74カ国、約1400名が参加し、日本か

    らも72名が参加した。

    5.第81回年次例会の概要

    第81回年次例会は、8月11日のICOLD幹

    部会議に始まり、8月12日の開会式で幕を開け、

    技術委員会、シンポジウム、ワークショップ及

    び第81回総会の主な会議等が8月16日までの6

    日間の日程で開催された。

    (1)技術委員会

    技術委員会では、テーマ毎に分かれた委員会

    で技術的課題が討議された。委員会で検討され

    た技術的課題は、数年間の委員会での討議を経

    て、最終的には技術書(B

    ulletin

    )としてとり

    まとめられる。また、委員会の新設・廃止は総

    会で適宜決定される。

    各委員会には、それぞれ委員長、副委員長を

    含め10〜20名程度の委員(原則1国1名)が所

    属しており、各委員は国際大ダム会議本部の承

    認によって就任する。なお、委員の任期は4〜

    5年である。

    今回の年次例会では「ダム解析設計における

    計算問題委員会」、「ダム設計における地震問題

    委員会」、「ダム水理委員会」など、23委員会が

    開催された。このうち、「フィルダム委員会」

    過去5年間の国際大ダム会議年次例会 ・ 大会開催地等年 度 開催地 会議の種類 開催期間2009 ブラジル・ブラジリア 第 77 回年次例会・第 23 回大会 5/19 ~ 5/292010 ベトナム・ハノイ 第 78 回年次例会 5/22 ~ 5/272011 スイス・ルツェルン 第 79 回年次例会 5/28 ~ 6/52012 日本・京都 第 80 回年次例会・第 24 回大会 6/2 ~ 6/82013 アメリカ合衆国・シアトル 第 81 回年次例会 8/11 ~ 8/16

    国際大ダム会議第81回年次例会 日程月 日 8/11(日) 8/12(月) 8/13(火) 8/14(水) 8/15(木) 8/16(金)

    会 議 ・ICOLD 幹部会議・技術委員長会議・ 若手技術者

    フォーラム

    ・技術委員会(22 委員会)・ICOLD Club 会合

    ・開会・シンポジウム ・ワークショップ

    ・第 81 回総会・ワークショップ

    技術展示及び技術見学会 開会式 ・技術展示

    ・技術展示・ポスター発表

    ・技術展示・ポスター発表・技術見学会

    ・ポスター発表

    歓迎交流行事 市内視察 市内視察歓迎会 文化行事 日本人会 送別会

    ダム設計における地震問題委員会

  • 58土地改良 284号

    には、農村工学研究所の堀俊和上席研究員が日

    本代表として参加し、同研究所で開発している

    ジオシンセティックス(人工材料の補強材)を

    用いた小規模ダムの耐震補強技術と耐越流工法

    を紹介した。

    (2)シンポジウム

    ⑴シンポジウム基調講演

    アメリカ合衆国大ダム会議議長のRogers

    氏、

    国際大ダム会議総裁のN

    ombre

    氏及びシアト

    ル電灯㈱企業管理者のC

    arrasco氏の挨拶に続

    き、アラスカ州副知事のT

    readwell

    氏からア

    ラスカのダムの役割と再生可能エネルギーとし

    ての水力発電についての紹介が行われた。アラ

    スカは、地理的特徴から製造・交通に多くのエ

    ネルギーが費やされており、コスト高を是正す

    るため、2025年までに総供給電力の50%を

    再生可能エネルギーに転換、うち、90%を水力、

    10%を風力発電とする目標を立てていた。続い

    て、アメリカ合衆国開拓局や中国大ダム会議に

    よる全体基調講演が行われ、洪水や干ばつから

    人々の生活を守るリスクマネジメント、水の重

    要性、各国でのダム建設の状況と今後の見通し

    が紹介された。

    ⑵シンポジウム並行技術セッション

    シンポジウムは、「C

    hanging Tim

    es : Infrastructure D

    evelopment to Infrastructure

    Managem

    ent

    (時代の変化:インフラ開発から

    インフラ管理へ)」をメインテーマに、6つの

    サブテーマ(①ダムの長寿命化、②ダムの安全・

    安心・リスク管理の向上、③計測と監視システ

    ムの技術革新、④老朽化するインフラの管理、

    ⑤有効実用寿命を迎えたダムの廃止、⑥持続可

    能な水力開発)に分かれ、各テーマで2から20

    編程度の口頭発表が行われた。

    このうち、「計測と監視システムの技術革新」

    では、比抵抗分布による漏水モニタリング、G

    PS観測によるダム変位の常時監視システム、

    無人ヘリによるダムクラック調査の手法等につ

    いて提案がなされた。「ダムの安全・安心・リ

    スク管理の向上」では、建設後99年が経過した

    アーチダムの凍結融解による堤体コンクリート

    の高さと強度低下には明確なトレンドは見られ

    ず、FEM解析の結果、堤体の強度が設計では

    M8・0の地震に対する強度があったものが、

    M7・3まで低下していることが示された。

    また、時間の都合上、発表機会が与えられな

    かった論文については、ポスターセッションと

    して、会場内に展示スペースが設けられ、展示

    及び説明の機会が与えられていた。なお、口頭

    発表された論文は、論文概要集(冊子)及び論

    文集(メモリースティック)として、年次例会

    参加者に配布された。

    (3)年次例会総会

    年次例会最終日の8月16日にワークショップ

    と並行して行われ、国際大ダム会議の運営等に

    係る議題が審議された。主要議題と審議結果は

    次に示すとおりである。

    ポスター展示会場

    シンポジウム基調講演

  • 59 土地改良 284号

    ⑴第25回大会課題の決定

    2015年にノルウェーで開催予定の国際大

    ダム会議第25回大会で討議される4課題が投票

    により決定された。

    課題96 

    Innovation in utilization of dams and

    reservoirs(ダムと貯水池活用におけ

    る技術革新)

    課題97 

    Spillways

    (洪水吐)

    課題98 

    Embankm

    ents and tailing dams

    (フィ

    ルダムと鉱滓ダム)

    課題99 

    Upgrading and re-engineering

    of existing dams

    (既設ダムの機能向

    上と技術見直し)

    ⑵新規加盟国の承認

    ギニアビサウが96番目の国として国際大ダム

    会議への入会が承認された。なお、ミャンマー、

    ギニア、トーゴ、ベニン、エクアドルから来年

    以降入会の意思表明が行われた。

    ⑶ICOLD役員人事

    改選副総裁ポストのうち、ヨーロッパ地域は

    Polimon

    氏のみの立候補者であったため無投票

    当選、第6ポストは3名の立候補者があったた

    め、投票によりZielinski

    氏が選出された。

    ⑷2012年度決算・2014年度予算の承認

    2012年度決算が任期満了を迎えるFloegl

    副総裁からの監査報告、2014年度予算がI

    COLD事務局長からの説明の後、承認された。

    ICOLDは加盟国からの会費及び大会・年次

    例会での収入により運営されており、2012

    年京都大会からのICOLD納付金がICOL

    D財政に貢献していることが強調された。

    ⑸大会・年次例会等開催国の準備状況等

    第82回(2014年)年次例会開催地のイン

    ドネシア、第83回(2015年)年次例会及び

    第25回大会開催地のノルウェーから準備状況の

    報告があった。本総会で、第84回(2016年)

    年次例会開催地は南アフリカに決定された。ま

    た、第85回(2017年)年次例会以降の年次

    例会・大会招致国のプロモーションビデオが上

    映された。

    改選後の ICOLD 役員役 職 氏 名 出身国 任 期

    総 裁 A.NOMBRE ブルキナファソ 2012 ~ 2015

    副総裁(ヨーロッパ地域)

    A.SCHLEISS スイス 2012 ~ 2015J.POLIMON スペイン 2013 ~ 2016

    副総裁(アメリカ地域) A.PUJOL アルゼンチン 2011 ~ 2014

    副総裁(アフリカ地域) G.BASSON 南アフリカ 2012 ~ 2015

    副総裁(アジア・オーストラリア地域) 坂本忠彦 日本 2011 ~ 2014

    副総裁(第6ポスト) A.ZIELINSKI カナダ 2013 ~ 2016事務局長 M.DE VIVO フランス ー

    今後の国際大ダム会議年次例会 ・ 大会開催(候補)地等年 度 開催地 会議の種類 開催期間2014 インドネシア・バリ 第 82 回年次例会 6/2 ~ 6/7

    2015 ノルウェー・スタバンガル 第 83 回年次例会・第 25 回大会 6/14 ~ 6/20

    2016 南アフリカ 第 84 回年次例会 -2017 (チェコ) 第 85 回年次例会 -

    2018 (インド、オーストリア) 第 86 回年次例会・第 26 回大会 -

    2019 (カナダ) 第 87 回年次例会 -(    )内は招致国

  • 60土地改良 284号

    (4)ワークショップ

    ⑴8月15日

    「ダム長寿命化の技術と戦略」「リスク情報に

    基づく安全管理」をテーマとしたワークショッ

    プが並行して行われた。

    このうち、「リスク情報に基づく安全管理」

    では、アメリカ合衆国内のダムの管理体制の概

    要説明に引き続き、5年ごとのダムの機能診断

    によりダムの健全性を確認し、緊急度と優先順

    位に基づきダム補修を行っているとの説明が

    あった。その他、オーストラリアのダムリスク

    管理に係る規則、イギリスのダム関連法につい

    ての紹介があった。アメリカ合衆国では、19

    60年代(昭和30年代)に建設されたダム数1

    97基をピークとして新規ダムの完成数が年々

    減少しており、日本と同様、新規建設の時代か

    ら管理の時代へ移行していることも紹介された。

    ⑵8月16日

    「ダム・堤防の最新モニタリング技術」「鉱滓

    ダムの閉鎖」「堤防・築堤技術の最良実施例」「有

    効寿命を迎えたダムの廃止」「フィルダムの地

    震解析」をテーマとしたワークショップが終日

    行われた。

    このうち、「ダム・堤防の最新モニタリング

    技術」では、電気抵抗、レーダーを利用したダ

    ムや堤防の非破壊調査手法、ダムや堤防の常時

    変位観測システム、ダム観測データの自動集計、

    分析、作図ソフト、温度測定による漏水量予測

    等の最新技術の紹介が行われた。

    「フィルダムの地震解析」では、アメリカ合

    衆国における複数ダムでの動的解析事例の紹介

    があった。日本からはダム技術センターダム技

    術研究所首席研究員の山口嘉一氏、水資源機構

    総合技術センター試験・解析グループチーフの

    曽田英揮氏から発表が行われた。山口氏からは、

    1995年の兵庫県南部地震、2008年の岩

    手・宮城内陸地震、2011年の東北地方太平

    洋沖地震時のダム地点での観測波形、最大地震

    加速度、ダム被災状況、日本での耐震性能照査

    手法等についての説明が行われた。曽田氏から

    は、水資源機構のダムで観測されたダム形式別

    の最大加速度と応答倍率の関係、堤体材料の剛

    性率とせん断歪みの関係の実験結果やこれらに

    関する日本での研究内容等についての紹介が行

    われた。

    (5)技術展示会

    期間中、会場ホールの62のブースにおいて、

    参加国や関連企業団体から最新技術や大ダム開

    発等に関する技術展示が行われた。

    日本からは、日本大ダム会議と関連団体・関

    連企業が協力し、主として、CSG(Cem

    ented Sand and Gravel

    )工法や既設ダムの再生技術

    を中心としたダム施工技術が紹介された。本技

    術展示会は、各国のダムに関連する行政関係者、

    事業者、建設技術者、コンサルタント技術者な

    ど幅広い分野の人々が自由に知見、意見を交換

    する非常に良い機会であった。

    (6)技術見学会等

    年次例会参加者が希望に応じて参加できる、

    フィルダムの地震解析

    技術展示会

  • 61 土地改良 284号

    年次例会期間中の技術見学会、年次例会前後に

    アメリカ合衆国の代表ダム等を視察するスタ

    ディツアー(プレ・ミーティングツアー及びポ

    スト・ミーティングツアー)も実施された。こ

    のうち、筆者らは、A

    lden

    研究所の技術見学会

    に参加した。改修プロジェクト対象ダムの洪水

    吐に関する複数の模型実験、とりわけ、減勢工

    の研究が重点的に行われていた。貯水池内の鮭

    を集める魚道の研究も進められており、集めら

    れた鮭はバケットですくって下流に放流する方

    式であった。

    また、会議の中日に若手技術者交流会がホテ

    ル内のグリルで開催され、若手同士、また先輩

    技術者との語らいが深夜まで続けられた。世界

    のダム技術の潮流が更新管理に向かう中で、技

    術の継承と人材育成が、ここでも課題となって

    いる。

    6.おわりに

    今回の年次例会が開催された8月11日〜16日

    は、日本の旧盆の時期であったが、この期間の

    シアトルの天候は概ね晴れで、日最高気温は

    25℃程度と、猛暑の日本を離れ、快適に過ごす

    ことができた。また、会場となったシェラトン

    ホテルから徒歩圏内にシアトル中心部の見所が

    コンパクトにまとまっており、夜は午後9時頃

    にならないと日が暮れないことから、会議終了

    後の時間を活用して市内散策も行うことができ

    た。シアトルには、世界的に有名なスターバッ

    クスコーヒー、アマゾン、ボーイングの本社が

    存在し、その中心部の街並みは成熟した都会と

    の印象であった。

    アメリカ合衆国は8万基のダムを有し、常に

    ダムの先進技術を開発してきた。合衆国の中で

    もシアトルのある西部はダムの多い地域であ

    り、年次例会が開催されるにふさわしい地で

    あった。世界を見渡せば、2012年にはオー

    ストラリア、ドイツ、ナイジェリアで大きな水

    害が発生している。日本においても例外ではな

    く、気候変動に対応した利水・治水に係るダム

    の役割やこれを支える既設ダムの再生技術や維

    持管理技術は、益々重要になるものと考える。

    (引用文献)

    1

    松本徳久:『ICOLDの歴史と活動状況』大ダム第2

    24号 (一社)日本大ダム会議

    ※本投稿文の内容や意見は、執筆者個人に属し、農林水産

    省の公式見解を示すものではありません。

    みやもりとしみつ・

    農林水産省 

    北陸農政局 

    農村計画部長

    まつおたかみつ・

    (一財)日本水土総合研究所 

    主任研究員

    スターバックス1号店

    洪水吐模型実験の様子