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1 生物化学II 12.アミノ酸代謝 (21章) 2016/12/26)

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生物化学II

12.アミノ酸代謝 (21章)  (2016/12/26)

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21.1 タンパク分解

タンパク質は常に合成、分解されている  ・アミノ酸をタンパク質として貯蔵し、    必要な時に分解して代謝に回す  ・異常タンパク質(立体構造など)の蓄積の防止  ・余分な酵素や、調節タンパク質を除去して   代謝を調節する

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A.リソソームでのタンパク質分解 カテプシンなどのプロテアーゼを大量に含んだ細胞小器官 プロテアーゼの最適pHは酸性 エンドサイトーシスで取り込んだ物質を分解 オートファジーの際も関与する

リソソーム

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B.ユビキチン 76残基の単量体タンパク質で、 タンパク質に共有結合して タンパク質分解の目印になる 結合はATP依存性で  E1: ユビキチン活性化酵素  E2: ユビキチン結合酵素  E3: ユビキチン-プロテインリガーゼ を用いて 分解予定のタンパク質のLysに イソペプチド結合で共有結合する 

C末端

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C.プロテアソーム ユビキチン化されたタンパク質を 分解する多タンパク質複合体 (26Sプロテアソーム) 20Sプロテアソームが 内部でタンパク質を分解 19SキャップがATP依存的に ユビキチン化タンパク質を認識し アンフォールドして 20Sに送り込む

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タンパク質は胃液、膵液中のプロテアーゼで分解されて ペプチドを経由して遊離のアミノ酸になる アミノ酸は小腸で吸収されて、血流で輸送されて 細胞に取り込まれる アミノ酸はαアミノ基が除去され アミノ基はアンモニアを 経由して尿素に(尿素サイクル) 炭素骨格は代謝系で 異化、同化される

21.2 アミノ酸の脱アミノ

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A.アミノ転移 アミノ酸はアミノ転移で 脱アミノされる 多くの場合 2-オキソグルタル酸に転移して グルタミン酸を生じ さらにオキサロ酢酸に転移して アスパラギン酸を生じ 2-オキソグルタル酸を再生する アミノトランスフェラーゼが ピリドキサル5'-リン酸 (PLP) を 補酵素として触媒する

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アミノトランスフェラーゼの働き

アミノ酸をイミノ結合させる(シッフ塩基)

水素の 移動

イミノ転移

互変異性

加水分解

1段階 アミノ酸の アミノ基が PLPに移動し PMPに (アミノ酸は α-ケト酸に)

水酸基がイミンを攻撃

α-ケト酸になる

イミン の移動

アミノ基がイミンを攻撃

脱プロトン

2段階 PMPの アミノ基が 2-オキソ グルタル酸 に移動し グルタミン酸に (PMPはPLPに)

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B.酸化的脱アミノ アミノ転移ではアミノ基はグルタミン酸に移動するだけ 酸化的脱アミノによってアンモニアにする グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)が触媒

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21.3 尿素サイクル

アンモニアは毒性が強いので 尿素に変換してから体外に排出する 鳥、爬虫類は尿酸まで変換して排出 尿素へは尿素サイクルで変換 入力と出力だけをまとめると右図

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A.尿素サイクル

ミトコンドリア

細胞質

1. カルバモイルリン酸シンターゼ アンモニアと炭酸を縮合し カルバモイルリン酸へ CPS I が律速酵素

2. オルニチンカルバモイル   トランスフェラーゼ カルバモイル基をオルニチン に転移してシトルリンへ

3. アルギニノコハク酸   シンターゼ アスパラギン酸と シトルリンを結合し

アルギニノコハク酸へ

4. アルギニノコハク酸   リアーゼ アルギニンを脱離して フマル酸を除去

5. アルギナーゼ 加水分解して 尿素を放出して オルニチンへ

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アミノ酸由来の炭素骨格は CO2とH2Oに代謝されるか 糖新生に使われる 1. 糖原性アミノ酸  代謝産物が糖新生に  使えるもの 2. ケト原性アミノ酸  アセチルCoAか  アセト酢酸に代謝されて  脂肪酸かケトン体に  使えるもの LysとLeuは完全ケト原性

21.4 アミノ酸の分解

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A.ピルビン酸へ代謝 Ala、Gly、Cys、Ser、Thr

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B.オキサロ酢酸へ代謝 Asp、Asn

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C.2-オキソグルタル酸へ代謝 Arg、Gln、Glu、His、Pro

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D.スクシニルCoAへ代謝 Thr、Met

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分岐アミノ酸(Ile、Val) Leuはアセト酢酸と アセチルCoAへ

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E.アセト酢酸と アセチルCoAへ代謝 Lys Lueは分岐アミノ酸参照

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F.アラニンとアセト酢酸へ代謝 Trp Alaはピルビン酸へ

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G.フマル酸とアセト酢酸へ代謝 Phe、Tyr

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必須アミノ酸  哺乳類には生合成できないアミノ酸  Arg、ILe、Trp、Thr、Val、His、Phe、Met、Lys、Leu  Argは尿素サイクルで合成できるが幼児では不足 非必須アミノ酸  共通中間体から生合成可能  Asn、Asp、Ala、Gly、Gln、Glu、Cys、Ser、Tyr、Pro  TyrはPheからヒドロキシ化で合成

21.5 アミノ酸の生合成

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A.非必須アミノ酸の合成 ピルビン酸からAla オキサロ酢酸から Asp、Asn 2-オキソグルタル酸から Glu、Gln

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グルタミン酸から合成 Pro、Arg

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3-ホスホグリセリン酸から合成 Ser

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B.必須アミノ酸の合成 植物や微生物のみが 生合成可能 アスパラギン酸から合成 Thr、Lys、Met

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ピルビン酸から合成 Val、 Leu、 Ile

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ホスホエノールピルビン酸とエリトロース4-リン酸から合成 Tyr、 Phe、 Trp

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ヌクレオチド中間体から合成 His