生理機能検査室(3階 検査センター) 心機能検査...生理機能検査室(3階...

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生理機能検査室(3 階 検査センター) 心機能検査 心電図検査 目的 心電図は心臓の筋肉に伝導する電気的興奮を記録したものです。心電図を記録することで、 脈拍、リズム、伝導性が把握されます。臨床的に心電図検査が有効とされる主なものは、不 整脈、心房・心室肥大、狭心症、心筋梗塞などです。 方法 上半身と手首・足首を出してベッドに仰向けに休んでいただきます(時計・眼鏡・アクセサリー は外す必要はありません)。 検査所要時間 安静時心電図は 3~5 分 検査前後の注意事項 胸が出易い洋服が好ましいです。 マスター負荷心電図検査 目的 マスター運動負荷は、階段昇降により心臓に負荷をかけることにより、潜在的な虚血性心疾 患や、胸痛の鑑別、虚血の治療効果の評価に用いられます。 方法 運動前に安静時 12 誘導心電図を記録します。 3 分間(もしくは 1 分半)、年齢・性別・ 体重で決められる一定の速さで、階段昇降をしていただきます。 運動後すぐに 12 誘導心電 図を記録し、安静時心電図と比較します。 検査所要時間 マスター負荷心電図は、10 分前後 検査前後の注意事項 マスター運動負荷心電図は、足腰の痛みなどにより階段昇降が困難な方は検査ができない 場合があります。安静時に胸痛があった場合は検査前にお知らせください。運動負荷により心 臓発作が起きることがありますので、検査時に胸痛や症状が増悪傾向にある場合、足腰の痛 みのある場合は検者にお知らせください。同意書をお願いしています。 ホルター心電図検査

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生理機能検査室(3階 検査センター)

心機能検査

心電図検査

目的

心電図は心臓の筋肉に伝導する電気的興奮を記録したものです。心電図を記録することで、

脈拍、リズム、伝導性が把握されます。臨床的に心電図検査が有効とされる主なものは、不

整脈、心房・心室肥大、狭心症、心筋梗塞などです。

方法

上半身と手首・足首を出してベッドに仰向けに休んでいただきます(時計・眼鏡・アクセサリー

は外す必要はありません)。

検査所要時間

安静時心電図は 3~5分

検査前後の注意事項

胸が出易い洋服が好ましいです。

マスター負荷心電図検査

目的

マスター運動負荷は、階段昇降により心臓に負荷をかけることにより、潜在的な虚血性心疾

患や、胸痛の鑑別、虚血の治療効果の評価に用いられます。

方法

運動前に安静時 12誘導心電図を記録します。 3分間(もしくは 1分半)、年齢・性別・

体重で決められる一定の速さで、階段昇降をしていただきます。 運動後すぐに 12誘導心電

図を記録し、安静時心電図と比較します。

検査所要時間

マスター負荷心電図は、10分前後

検査前後の注意事項

マスター運動負荷心電図は、足腰の痛みなどにより階段昇降が困難な方は検査ができない

場合があります。安静時に胸痛があった場合は検査前にお知らせください。運動負荷により心

臓発作が起きることがありますので、検査時に胸痛や症状が増悪傾向にある場合、足腰の痛

みのある場合は検者にお知らせください。同意書をお願いしています。

ホルター心電図検査

目的

狭心症や不整脈の診断に必要です。しかし、いつ起こるかわからない発作にあわせて心電図

を測定することは、ほとんど不可能です。入院の必要もなく、患者様に小さな記録機を身につ

けてもらい 24時間連続して心電図を記録するものです。患者様の普通の生活のなかで心電

図変化を知ることが出来ます。

方法

胸部に電極を数枚貼り付け、レコーダーに線をつなげて、10cm程度の鞄を肩からかけるか、

ズボンのベルトに固定し、服を着ていただきます。検査中は、行動や症状を日記帳に記入して

いただきます。(就寝・起床・食事・薬・トイレなど)自覚症状があった時には、レコーダーのボ

タンを押していただきます。

検査所要時間

機械の装着には 15 分程度かかります。翌日は、記録開始の 24 時間後に来院していただき、

機械を取り外します。取り外しには 5分程度かかります。

検査前後の注意事項

入浴はしないでください。電気毛布・電気シーツ・ホットカーペットは電気ノイズを発生しますの

で、使用しないでください。検査記録中は 運動制限する必要はなく通常通りの生活をしてく

ださい。レコーダーは精密機械ですので、床に落としたり、ケースを開けたりしないでください。また、

胸部に装着した電極や、テープを外すと正確な解析ができません。皮膚の弱い方は電極やテ

ープでかぶれる場合があります。

心臓超音波検査

目的

心臓超音波検査は、非侵襲的で、手軽に行え、心臓の動き大きさ、逆流を防ぎ血液の流れ

を正しく保つための弁の変性や、心筋の動き・厚さなどを観察し、ポンプが正常に動いているか

どうかを判定します。

方法

心臓超音波検査とは、胸部に超音波のでる探触子という装置を当て、心臓の形態や血液の

流れを観察する検査です。上半身胸が出るようにしていただき、心臓をできるだけ胸壁に近づ

けるため、検査ベッドに左側を下にして横になっていただきます。胸部に超音波を出す探触子

を押し当てて、いろいろな方向から心臓を観察します。超音波を通しやすくするエコーゼリーを

塗ります。体の害になるものではありません。

検査所要時間

検査時間は 30分程度ですが、病気の種類や患者さんの状態によって、もう少し時間がかか

ることがあります。

検査前後の注意事項

食事の制限はありません。薬も通常通り内服してください。

検査中姿勢が痛くなったり、痺れることがあったら遠慮なくお伝えください。

探触子を軽く押し当てるため、少々痛みを感じることがあります。我慢できないほど痛い場合は

検者にお伝えください。

胸のでやすい服装でお越しください。

経食道心臓超音波検査

目的

胃カメラのように口から直径1cm程度の超音波探触子を入れ、食道から心臓を観察する検

査です。食道は心臓のすぐうしろにあるため鮮明な画像が得られます。 胸壁から描出困難な

心臓の奥にあるものを観察するのに有用です。

方法

検査用に点滴用針をさして、ベッドに横になっていただきます。

液体の麻酔薬を喉の奥に含み 10分間麻酔をします。さらにスプレー麻酔を追加します。

マウスピースをくわえ、探触子を挿入して検査します。

検査所要時間

麻酔開始から検査終了までは通常 60分ですが、麻酔の効き方などによりこれより長くなること

もあります。

検査前後の注意事項

検査 4時間前からの飲食は禁止です。検査 2時間前から飲水はできません。お薬を服用す

る際の飲水は可能ですが、検査当日の薬の内服は主治医と相談ください。

検査前には 入れ歯を外していただきます。

検査後1時間は飲食禁止です。2時間以上経ってから、水分を少量飲んでもれないことを確

認してから食事をとってください。

24時間血圧測定(ABPM)

目的

24時間を通して生活のリズムのなかで血圧を測定することで、高血圧の評価を行うことができ

ます。

方法

血圧を測定するカフを上腕に装着します。レコーダーにチューブをつなげた 15cm程度の鞄を

肩からかけていただきます。30分おきに 24時間測定いたします。

就寝時間、起床時間を記載していただきます。

検査所要時間

器械の装着には 10分程度かかります。その後、25時間装着していただき、取り外します。

検査前後の注意事項

カフが締め付け始めたら血圧測定開始です。測定が始まったら、腕を曲げないように歩くのをや

めて体を動かさないように測定して下さい。

一応、入浴は禁止しています。

超音波検査

生理検査室で行われる体外式超音波検査は、体外から超音波を用いる検査のため患者様に苦痛を

与えず、さらにX線検査と異なり被曝がない非侵襲的な検査法です。観察する部位は、腹部(肝臓・

胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・消化管など)、脈管(頚動脈・下肢静脈・下肢動脈など)、体表面(甲状

腺・乳腺など)など広範囲です。検査によっては、食事を抜いていただくことがあります。

腹部超音波検査

目的

主に肝臓、膵臓、腎臓、胆嚢、脾臓、前立腺、子宮、卵巣や食道、胃、腸などの消化管を

対象とし、病変の有無・評価、また臓器の状態を観察していきます。

方法

腹部を十分に出すためにズボンやスカートは腰骨の辺りまでずらし、上の服は胸の下辺りまで

上げていただきます。その状態で仰向けや横向き、座った状態で検査を行っていきます。 腹部

に超音波用ゼリーを塗り、その上から探触子という超音波の出る機器を密着させ、臓器を観

察していきます。検査時にはより良い状態で観察していくために息を吸ったり、吐いたり、止めた

りしていただきます。また必要に応じて水を飲んでいただくこともあります。

検査所要時間

概ね 15分程度ですが、場合によってはそれ以上かかる時があります。

検査前後の注意事項

・午前検査の方

検査前日:夕食は午後 9時までに済ませ、以後は食事をしないでください。

検査当日:朝は食事をしないでください。

・午後検査の方

検査当日:朝食は午前 8時までに済ませ、検査終了まで食事をしないでください。

※水、お茶は飲んで頂いても構いません。薬の服用は主治医に確認してください。

・腹部を露出した状態で検査を行いますので、露出しやすい服装でお越しください。

脈管超音波検査

目的

高齢化や生活習慣病(糖尿病、脂質異常症、高血圧症など)により増加傾向にある動脈硬

化性疾患や静脈に見られる血栓・静脈瘤、さらに透析時に使用するシャント血管など、ほぼ

全身の血管(頸動脈・大動脈・腎動脈・四肢動脈/静脈など)に対して、形態と機能の両面か

ら疾患の評価を行います。

方法

ベッドに仰向けの状態や座った状態、立った状態で検査を行っていきます。

検査を行う部位にゼリーを塗り、その上から探触子という超音波の出る機器を軽く密着させ、

血管の様子や血流を観察していきます。場合によって探触子で圧迫したり、揉んで血流の有

無を確認したりすることがあります。

検査所要時間

概ね 30分程度です。

検査前後の注意事項

検査部位の肌が出やすい服装でお越しください。

下肢の検査では、ズボンやスカートを脱いでいただく場合がございます。

体表超音波検査

目的

甲状腺・乳房などの臓器やリンパ節、皮下の腫瘤などの病変の有無・評価を行っていきます。

方法

観察したい部位に超音波用ゼリーを塗り、その上から探触子という超音波の出る機器を密着

させ、観察していきます。

検査所要時間

概ね 15分程度です。

検査前後の注意事項

検査部位の肌が出やすい服装でお越しください。

造影超音波

目的

ソナゾイドという造影剤を使用し、新たな病変が見つかったり、病変が明瞭になり、より詳しい

情報を得るために行います。

方法

静脈に注射針を刺し、造影剤を注入後、生理食塩水で造影剤を流し込みます。

観察したい部位がリアルタイムに造影されていくので、染まり方をしばらくの間観察していきま

す。

検査所要時間

概ね 40~60分程度です。

検査前後の注意事項

飲食・服装に関しては腹部超音波検査のご注意と同じです。

超音波用の造影剤は、CT等の造影剤とはまったく異なり、非常に安全なお薬ですので重篤

な副作用はほとんど報告されていません。

しかし、以下の患者さんには慎重に投与することとされています。

・卵アレルギーのある方

・重篤な心疾患、肺疾患のある方

・現在妊娠もしくは、授乳中の方

※検査前に目的・副作用について医師が説明します。

血管機能検査

脈波伝播速度/足関節・上腕血圧比(PWV/ABI)、空気容積脈波(APG)、皮膚灌流

圧(SPP)を行っています。

脈波伝播速度/足関節・上腕血圧比(PWV/ABI)

目的

下肢の動脈の狭窄にはABI値、動脈壁硬化にはPWV値の測定が非侵襲的な検査と

して用いられています(動脈瘤は診断できません)。また心電図、心音図、脈波も同時測定

します。

ABI値とは腕の血圧と足首の血圧の比から算出され、ABI値が 0.9以下の場合下肢

閉塞性動脈硬化症の疑いがあり、動脈硬化による下肢の血管の狭窄が進んでいることを表し

ます。

baPWV値は腕から足首までの脈波の伝播速度でこの値が大きいほど血管壁が硬くなってい

ることを表します。また baPWV値は年齢とともに増加します。

方法

ベッドに横になっていただき、10~20分間の安静後検査を行います。

両腕、両足首に血圧計のカフを巻き同時に測定します。

検査所要時間

約 10~20分です。(安静時間を除く)

検査前後の注意事項

両腕、両足の血圧測定のため、上腕・足首が出やすい服装でお越しください。

検査当日は食事や内服薬は通常通りお願いします。

検査前の喫煙、カフェイン摂取はお控えください。

空気容積脈波検査(APG)

目的

下肢静脈機能を評価する検査です。空気容積脈波法APGは高精度で操作性に優れ、

定量的に静脈機能を評価できる機器として注目され、無侵襲静脈機能検査の標準法として

認識されつつあります。

下肢静脈を心臓に還流させるためには2つの機能が必要となります。末梢から心臓に向かっ

て血液を送る作用(筋ポンプ作用)と、再び末梢に逆流させない機構(静脈弁)が必要と

なります。これらの機能低下により下肢静脈血はうっ滞し、下腿潰瘍、色素沈着、静脈瘤など

を生じます。さらに血管の開存性も重要な因子であり、血栓などによる閉塞により下肢の腫脹、

発赤、発熱などを招きます。下肢に静脈血がうっ滞することにより腫脹をきたし、心臓に還流す

ることにより腫脹は消退します。

方法

下腿に空気カフを装着し容積変化を測定します。

片足ずつ検査し、横になっている状態から途中で立っていただいたり、つま先立ちをしていただ

いたりします。

検査所要時間

約 15~30分です。

検査前後の注意事項

検査用の短パンに履き替えていただき、弾性ストッキングやガードル等の締め付けるものは取り

外します。

検査中に足は出来るだけ力を抜いていただき行います。

皮膚潅流圧測定(SPP)

目的

足先の血液の循環が悪くなった時の重症度の評価を行います。SPP値が 30mmHg以上あ

れば潰瘍の治癒が期待できます。

方法

測定部位にセンサーを当て、カフを巻き圧をかけて測定していきます。

血流が一定の所で止まった後に徐々に圧を下げていき血流が再開するところを測定します。

検査所要時間

約 30分~1時間です。

検査前後の注意事項

検査では測定部位周辺に傷があると多少の痛みが生じる事があります。

測定中体動などの変化にとらわれやすいため出来るだけ安静を必要とします。

測定前の喫煙、カフェイン摂取は避けてください。

呼吸機能検査

呼吸機能検査は、肺活量測定など、患者様に最大努力をしていただく検査です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの閉塞性所見を見つけ出すのに呼吸器機能検査は有効な検

査です。特に、COPDの経過はゆっくりしたもので、通常 20年以上にも及び、症状が現れる頃には中

等度まで進行していることが多く、呼吸機能検査では症状が現れる前の早期発見が可能です。

また、手術前検査として、呼吸機能検査は必須です。麻酔をかけることで肺の動きが悪くなり、気道閉

塞を有する患者さんでは、無気肺や肺炎といった術後合併症の起きる可能性が高くなります。術前に気

道閉塞の有無・程度の確認が必要となります。

肺活量・努力性肺活量

目的

肺の大きさ、気道に閉塞がないかどうかを調べる検査です。

方法

マウスピースを口にくわえ、鼻をクリップでとめ検査を行います。

検査技師の掛け声に合わせて、息を吸ったりはいたりします。

検査所要時間

約 10~15分です。

検査前後の注意事項

飲食、喫煙は 30分前に済ませておいてください。

ガス拡散能力

目的

息を吸ったガスがどのくらい体の中に入りやすいかをみる検査です。

方法

ガスを吸入し、10秒間息をとめます。その後、息をはいていただきます。

検査所要時間

約 30分です。

検査前後の注意事項

飲食、喫煙は 30分前に済ませておいてください。

気道可逆性試験

目的

気道を広げるお薬を吸入し、吸入前後で変化をみる検査です。

方法

吸入前に検査を行います。

次にお薬を吸入していただき、10分後に再度検査を行います。

検査所要時間

約 30分です。

検査前後の注意事項

吸入後に頭痛や動悸手の振るえ等の症状が出た場合、お申し出ください。

脳波・大脳誘発電位検査

脳波検査

目的

脳波検査は、脳の機能をとらえる検査として最も一般的なもので、臨床的には、脳神経細胞

の過剰な放電を病態としてもつ、てんかんや、意識障害の診断に必須の検査法として日常臨

床で使われています。

方法

頭皮上と両耳、両手首に検査用電極をペースト(のり状のクリーム)で付けますが、痛みは

ありません。

基本的には検査はリラックスし、目を閉じた状態で行います。

検査中、開閉眼(目を開けたり閉じたり)や光刺激(目の上方でストロボをピカピカ光らせま

す)・過呼吸(3分間息を吸ったり吐いたり早めの深呼吸)をしていただきます。

検査所要時間

時間はペースト貼り付け、取り外しなど含めて約30~60分です。

検査前後の注意事項

入眠期の検査はとても大切です。少々寝不足気味でおいでください。

前日はよく洗髪し,整髪料などは使わないでください。

女性の方は、額や目の近くに電極を付けるため、化粧が少し取れますがご了承ください。

お手洗いは必ず検査前に済ませてください。

検査時は身の回りのものを必ず取り外してください。

(眼鏡、かつら、アクセサリー〔特に女性はイヤリング・ピアス〕)

検査が済んだらクリームを取り除きますが、気になる方は洗髪室をご利用ください。

脳幹聴覚誘発電位

目的

脳幹聴覚誘発電位は、各波形の起源も明らかにされており、診断的価値が極めて高く、難

聴や脳幹障害の診断に使われます。乳幼児の聴覚障害のスクリーニングや脳死判定にも使

われます。

方法

記録電極を、脳波用電極か針電極を用います。頭の中央(Cz)、左耳(A1)あるいは左

耳の後(左乳様突起)、右耳(A2)あるいは右耳の後(右乳様突起)、接地電極は(Fpz)

に付けます。 ベッドに仰向けになっていただき、ヘッドホンを装着しクリック音で刺激し、安静閉

眼状態で記録します。

検査所要時間

時間は電極の装着、取り外しなど含めて約30~40分です。

検査前後の注意事項

体動があるとアーチファクト防止のため測定できないため、新生児及び、乳幼児の場合は睡眠

時に記録します。

体性感覚誘発電位

目的

末梢神経から脳幹、大脳皮質に至る長い神経路の機能障害の検索などに用いられます。

方法

記録電極、導出電極を装着し、被検者はベッドに仰向けになっていただき、上肢または下肢

の感覚神経に電気刺激を与えることによって誘発される脳の電位です。

検査所要時間

時間はペースト貼り付け、取り外しなど含めて約30~60分です。

検査前後の注意事項

筋電図、眼球運動などのアーチファクトの混入をできるだけ小さくするためリラックスした状態で、

肩の力を抜き軽く開口し、閉眼させて検査します。また、意識状態に左右される為、覚醒した

状態で検査をします。

筋電図・神経伝導検査

筋電図・神経伝導検査は、筋肉を随意的に収縮させたり、神経に電気刺激を加えることで、筋や神経

に起こる電気的活動を増殖して記録する検査です。筋肉が委縮したり、力が入らなくなったり、感覚低下

や異常感覚などの症状がみられたときに、症状の部位診断と性質診断をするために必須の検査です。

(針)筋電図検査

目的

筋肉が生じる電気的な信号を捉え、筋肉の状態を把握し、障害部位・程度を評価します。

方法

筋肉内に細い針を穿刺し、安静時と力を入れた筋収縮時の筋肉の電気的信号を記録しま

す。

検査所要時間

約 30分です。

検査前後の注意事項

腕や足を出しやすい服装でお越しください。

必要であれば、服を脱いでいただく場合があります。

針は極めて細いものですが、筋肉穿刺時に痛みを伴う場合があります。

神経伝導検査

目的

手や足の末梢神経の痛みなどの伝導速度を調べ、神経障害や損傷の存在・程度を評価しま

す。

方法

手や足の皮膚の上から神経に電気的な刺激をし、誘発される筋活動を記録し、神経の興奮

が伝わる伝導速度を計測します。

検査所要時間

約 30分です。

検査前後の注意事項

腕や足を出しやすい服装でお越しください。

必要であれば、服を脱いでいただく場合があります。

心臓ペースメーカーや細動除去器を使用している方は、検査前にお申し出ください。

電気刺激時に、痛みを生じる場合があります。人によって痛みの感じ方は異なります。

睡眠時無呼吸検査

睡眠中の大きなイビキ、無呼吸を家族から指摘されたり、昼間の集中力の低下、不眠症状、眠気、居

眠り運転を起こしそうになる症状のある方は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

睡眠時無呼吸検査は、自宅で装着していただく簡易型検査と、入院して行う終夜睡眠ポリグラフ検査

があります。終夜睡眠ポリグラフ検査は、睡眠の深さや質まで判定でき、いい眠りをしているかまで検査で

きます。この検査では、睡眠中の脳波、呼吸状態や動脈血酸素飽和濃度、心電図などを同時測定し

ます。

閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群の治療として、CPAP療法があります。CPAP療法は、鼻よ

り空気を送り、閉鎖した上気道をおし広げることによって 睡眠時の無呼吸をなくし、酸素不足を解消す

ることができます。睡眠時無呼吸低呼吸症候群がまねく高血圧症や狭心症、心筋梗塞といった循環器

の病気など、合併症を予防することができるといわれてます。

簡易型検査

目的

自宅に検査機器を持ち帰り、簡易的なセンサーを取り付けて寝ていただき、睡眠中の呼吸の

状態を記録します。検査結果によっては必要に応じて、精密検査を行います。

方法

検査機器の貸し出し時に、センサーの装着方法および使用方法を説明します。

機器をお持ち帰りいただき、就寝前に各センサーを取り付けて、検査開始し、翌朝起床時に

検査終了となります。

機器をお返しいただいてから、解析を行います。

検査所要時間

検査機器貸出時の説明時間は 15分程度です。

検査前後の注意事項

検査終了後、検査機器をお約束した日時にお返しください。もし、ご都合が悪くなった場合、

必ずご連絡ください。

検査機器は精密機器なので、落としたり、必要以上に線を引っ張らないでください。

終夜睡眠ポリグラフ検査

目的

睡眠時無呼吸症候群の原因や重症度を調べたり、治療方法などを決定するためには十分な

検査が必要です。簡易型検査の結果などで、睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合、入院

していただいき、脳波や心電図、胸部の動き、血中の酸素量などのさまざまなセンサーを体につ

けて、睡眠の状態を全体的に調べます。

方法

入院して行います。

午後 7時頃に病室で検査機器を検査技師 2名で装着します。

翌朝、午前 5時までは装着していただき、起床時に看護師がセンサーを外します。

検査所要時間

装着時間は約 40分~1時間です。

検査前後の注意事項

センサーが外れないように固定するので、少しわずらわしいと感じるかもしれませんが、痛みを伴

う検査ではありません。

寝返りやトイレに起きることもできます。

耳鼻科検査

聴力検査

目的

聴力障害の程度、重症度、その発生部位、性質を知り、疾患の予後判定や治療の選定、

判断を行います。

方法

気導聴力検査と骨導聴力検査があります。どちらも、ヘッドホンを装着し、高い音から低い音

まで聴いていただき、被験者が聞こえたら、ボタンを押して検査者に知らせていただきます。

検査所要時間

気導聴力検査は 8分程度、骨導聴力検査は 10分程度です。

検査前後の注意事項

検査前15分程度は、過大な騒音を避け、ヘッドホン装着の妨げになるメガネやイヤリング、補

聴器などははずしておいてください。

ティンパノメトリー、耳小骨筋反射検査

目的

ティンパノメトリ―:鼓膜の動きやすさと、中耳腔の状態を調べる検査です。耳管狭窄や耳小

骨連鎖異常、滲出性中耳炎などの診断に有用な検査です。

耳小骨筋反射検査:音を聞いた時の耳小骨筋という筋肉の反射を調べる検査です。難聴

の種類の診断や、耳小骨連鎖の状態などに有用な検査です。

方法

ティンパノメトリ―:耳の穴に検査用の耳栓を密着させて、空気圧の変化を作り、鼓膜の動き

具合を測定し、グラフにして分析します。気圧の変化を作るため、飛行機に

乗った時のような耳がツンとする感じがあったり、「ブーン」と低い音が聞こえた

りします。

耳小骨筋反射検査:ティンパノメトリーを測定後、続けて検査を行います。大きな「ピー、ピー」

という音がヘッドホンから左右交互に聞こえてきます・

検査所要時間

ティンパノメトリーは 5分程度です。 ティンパノメトリーと耳小骨筋反射検査で 10分程度で

す。

検査前後の注意事項

聴力検査と同様、検査前 15分程度は、過大な騒音を避け、検査の妨げになるメガネやイヤ

リング、補聴器などははずしておいてください。

SISI検査(内耳機能検査)

目的

内耳性難聴の有無を診断するためです。

方法

ヘッドホンから一定の間隔で 20回音を聞き、音が大きくなったことに気付いたら知らせていただ

ききます。

検査所要時間

8分程度です。

検査前後の注意事項

聴力検査と同様、検査前 15分程度は、過大な騒音を避け、ヘッドホン装着の妨げになるメ

ガネやイヤリング、補聴器などははずしておいてください。

重心動揺検査

目的

めまいやふらつき、平衡障害の診断をする目的があります。

方法

直立、起立、閉足姿勢で、体重心の揺らぎを測定します。

検出台の上で 1分間目を開けて検査し、1分間休んだ後、今度は目を閉じて 1分間検査し

ます。

検査所要時間

5分程度です。

足の下に軟らかめのマット(ラバー)を敷いてする検査を追加する時は、もう5分程度かかりま

す。

検査前後の注意事項

喫煙直後や二日酔い、また寝起き直後や睡眠不足、長時間運転した後や、極度に緊張す

る人は重心動揺検査に大きな違いを生じることがあります。