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山口大学女性研究者支援室の設置について
室長
理工学研究科 環境共生系学域 山﨑鈴子
1H27.1. 13
●女性の働く機会・活動の場を充実させ、女性が継続してその能力を発揮できるよう、環境を整備することは我が国にとって焦眉の課題。
2020年までに、社会のあらゆる分野で、指導的地位に女性が占める割合を30%以上に引き上げる。
現状と課題-政府の動き-
女性の活躍促進女性の労働参加者の拡大組織の意思決定過程への参画起業や自営業における活躍
・労働人口の増加・埋もれている人材の能力発揮・生活者の視点に立った商品開発
経済の活性化
●第3期科学技術基本計画(平成18年3月28日閣議決定)女性研究者の活躍促進「期待される女性研究者の採用目標は,
自然科学系全体としては25%(理学系20%,工学系15%,農学系30%,保健系30%)である。」
●第4期科学技術基本計画(平成23年8月19日閣議決定)国は、現在の博士課程(後期)の女性比率も考慮した上で、自然
科学系全体で25%という第3期基本計画における女性研究者の採用割合に関する数値目標を早期に達成するとともに、さらに30%まで高めることを目指し、関連する取組を促進する。特に、理学系20%,工学系15%,農学系30%の早期達成及び医学・歯学・薬学系合わせて30%の達成を目指す。
科学技術基本計画 【抜粋】
◇前年度より女性教員比率が1%以上増加した大学 23 大学
小樽商科大学(2.9%増)、兵庫教育大学(2.1%増)、筑波技術大学(2.0%増)、
帯広畜産大学・滋賀医科大学(1.8%増)、神戸大学(1.7%増)、北陸先端科学技術大学
院大学(1.6%増)、室蘭工業大学・横浜国立大学・佐賀大学・琉球大学(1.4%増)、弘前大
学・秋田大学(1.3%増)、一橋大学・東京外国語大学(1.2%増)、岩手大学・上越教育大
学・奈良女子大学・香川大学・大分大学(1.1%増)、長崎大学・静岡大学・島根大学
(1.0%増)
◇前年度より女性教員数が10 名以上増加した大学 15 大学
東北大学・神戸大学(31 名増)、大阪大学(29 名増)、京都大学(25 名増)、東京大学
(21 名増)、名古屋大学(18 名増)、北海道大学(17 名増)、九州大学・長崎大学(16 名
増)、広島大学(15 名増)、筑波大学(14 名増)、岡山大学(11 名増)、滋賀医科大学・宮
崎大学・琉球大学(10 名増)
国立大学における男女共同参画推進の実施に関する第10回追跡調査について(平成26年1月10日 一般社団法人 国立大学協会教育・研究委員会 男女共同参画小委員会)
資料:OECD “Main Science and Technology Indicators”(ロシア…2012年時点、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス及び韓国…2011年時点)
国立科学財団(NSF) “Science and Engineering Indicators 2014”(アメリカ…2010年時点)
注)アメリカについては、雇用されている科学者(scientists)における女性割合(人文科学の一部及び社会科学を含む。)。
主要国における女性研究者の割合平成26年4月14日 出典(総務省「科学技術研究調査」)
2000年に国立大学協会で、将来の研究者の養成機関である博士課程における女性比率が当時23.6%であったことを参考にして、将来さらに上昇することを予測し「2010年までに国立大学の女性教員比率を20%に引き上げることを達成目標として設定することが適切であると思われる。」とした。 これまで、個々の国立大学が様々な男女共同参画の推進に努めてきたものの、2010年5月1日現在の女性教員比率は12.7%であり未達成となっている。
国立大学における男女共同参画推進について-アクションプラン- (平成23年2月10日 国立大学協会 教育・研究委員会)
このことに鑑み、引き続き国立大学の女性教員比率を20%以上に引き上げることを目指しつつ、少なくとも、2015年までに17%以上(各大学において1年ごとに1%以上)に引き上げることを達成目標として設定することが適切であると思われる。
女性教員比率 国立大学(平均)山口大学 広島大学 (各年度5月1日現在)2010(H22)年 12.7% 13.9% 11.5% 2011(H23)年 13.0% 14.0% 12.8% 2012(H24)年 13.6% 14.5% 13.9% 2013(H25)年 14.1% 14.0% 14.7%
1.女性研究者が本学で着実にキャリアを積み、世界で活躍できる人
材に育つよう支援します。また、安心して研究活動に打ち込める環境
を整えることで、女性研究者を増やしていきます。
2.男女が互いに尊重し共同できる職場環境を作るため、女性研究者
が大学の意思決定に加わることを促進します。
3.女性が選択する職業のひとつとして、研究者の道が開かれている
ことを、向学心旺盛な女子学生に積極的に紹介し、若い人たちの能力
の芽に光をあて育てていきます。
学長としての誓約
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実施体制等について
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支援における5つの柱
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現在の研究者の女性比率女性教員採用比率:約25%(全国平均並み)女性教員在職比率:約15%
男性の教授職は全研究者の33.9%(331人/976人)、女性の教授職は全研究者の3.3%(32人/976人)
①事業終了時(平成28年度)の女性研究者比率は17%を予定。本事業での取り組みを元に、第3次男女共同参画基本計画として閣議決定された「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」目標をにらみ、各年度の女性教員採用比率25%以上を目安とすることで、継続して女性教員採用・登用の努力を続ける。
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各学部の女性教員比率(H26 4月1日)教育(21.6%)、経済(18.2%)、獣医(12.2 %)、人文(11.4%)、農(9.4%)、理(6.1%)、工(5.5%)医(26.8%、ただし医学10.4%、保健学69.0%)、附属病院(11.6 % )
山口大学の現状と採用目標
理学部 H26 H27 H28 H29 H30女性教員(A) 4 4 5 6 6全専任教員数(B) 66 66 66 66 66割合(A/B) 6.1% 6.1% 7.6% 9% 9%
工学部 H26 H27 H28 H29 H30女性教員(A) 9 11 13 15 17全専任教員数(B) 164 169 169 169 169割合(A/B) 5.5% 6.5% 7.7% 8.9% 10.1%
理系研究者増加のための具体的な取組
農学部 H26 H27 H28 H29 H30女性教員(A) 3 3 4 4 4全専任教員数(B) 33 33 33 33 33割合(A/B) 9.1% 9.1% 12.1% 12.1% 12.1%
共同獣医学部 H26 H27 H28 H29 H30女性教員(A) 5 5 6 6 6全専任教員数(B) 39 42 42 42 42割合(A/B) 12.8% 11.9% 14.3% 14.3% 14.3%
②医学部を除く理系女性研究者の割合を5年間
で約10%にする。
女性研究者の増加への取組
①研究環境の整備:
(a)女性研究者が快適に研究できるよう、女性に配慮した住環境の整備を図る。
(b)ライフイベント時には、学部委員を免除や、補助員の措置等の負担軽減をはかり、事務
的な手続きも、事務職員が代行するなどの
処置をとる。
②ポジティブアクション:
(a)女性教員がいない学科・分野については、女性限定公募を実施する。
(b)女性限定の教員ポイントを設定し、恒常的な女性教員数の維持をはかる。
(c)博士後期課程の女子学生を本学の女性研究者として育成をはかる。
理系学部における採用目標
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理系学部における登用目標
理系研究者増加のための具体的な取組
農学部 女性教員(A)
全専任教員数(B)
割合(A/B)
登用目標(H30)
教授相当 2 18 11.1% 1准教授相当 0 8 0.0% 0講師相当 0 0 - 0助教相当 1 7 14.2% 3合計 3 33 9.1% 4
共同獣医学部
女性教員(A)
全専任教員数(B)
割合(A/B)
登用目標(H30)
教授相当 0 15 0% 1准教授相当 2 14 14.3% 1講師相当 0 0 - 0助教相当 3 10 30.0% 4合計 5 39 12.8% 6
工学部 女性教員(A)
全専任教員数(B)
割合(A/B)
登用目標(H30)
教授相当 0 67 0% 1准教授相当 5 65 7.7% 6講師相当 0 4 0% 0助教相当 4 28 14.3% 8合計 9 164 5.5% 17
理学部 女性教員(A)
全専任教員数(B)
割合(A/B)
登用目標(H30)
教授相当 1 32 3.1% 1准教授相当 2 24 8.3% 2講師相当 0 4 0.0% 1助教相当 1 6 16.7% 2合計 4 66 6.1% 6
③ 平成30年度までに、理系の各学部に女性の教授を登用する。
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④ 平成30年度には、すべての理系学科に女性研究者が所属する。
理学部:数理科学科、物理・情報科学科
工学部:機械工学科、知能情報工学科
裾野拡大を図る取組について
①キャリア教育
(大学教育センター・各学部/学科・
女性研究者支援室):
キャリア教育の一環として、研
究者というキャリアや、学位が
あることで可能となる職種も選
択肢として紹介する。その際、
大学院進学に際しての支援制
度(奨学金、TA/RAとしての雇
用制度、日本学術振興会の特
別研究員制度等)もあわせて紹
介することで、経済的な不安の
解消を図る。
②指導教員とのコミュニ
ケーション
(各学部/学科・指導教員):
学生を次世代の同僚として育成
するという考え方のもとで、研究
者としての情報発信を日常的に
自覚的に行うことで、学生が研
究に意識的に取り組むことを促
す。また、指導する教員におい
ても、ワーク・ライフ・バランスに
ついて学習する機会となる。
③ロールモデルの提示
(学部/学科・女性研究者支援室):
各女性研究者からの情報収集
のための補助者として女子学
生を雇用することで、女子学生
ひとりひとりが個人としての女
性研究者を知る機会を提供す
る。また、分野の一流の女性
研究者によるセミナーを計画・
実施し、女性研究者の活躍を
実感させる。
④研究補助員としての
雇用
(女性研究者支援室):
比較的研究への関心が強い
学生には、研究補助員制度の
学内人材データバンクへの登
録をすすめ、研究に関する準
備や作業手順を実地に経験
(OJT)することで、研究活動へ
の意欲の強化を図る。
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その他の活動と今後の予定
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大学会館を利用するイベントや、本学で開かれる学会などの際の託児スペースとしてご利用いただけます。(女性研究者支援室HPをご覧下さい。)
2各学部での企画募集(女子学生の大学院進学や研究活動に対する意識を高めることを目的とする。今年度開催分の計画の締切: 1 月23 日(金))
(予算1000千円程度)
3 研究補助員(学部生、大学院生)の募集(3月予定) (予算5000千円程度)
4 研究補助員の配置を求めるライフイベント中の研究者の募集(3月予定)
5 メンター制度 (予算1000千円程度)
6 山口大学女性研究者ネットワークの構築 (予算600千円程度)
7 シンポジウムの開催(意識改革等) (予算800千円程度)
8 各種アンケートの実施
人文学部: 尾崎准教授
教育学部: 五島教授
経済学部: 中村教授
理学部: 永嶌准教授
工学部: 甲斐准教授
農学部: 竹松教授
共同獣医学部:高野准教授
医学部: 黒川教授
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各学部の支援協力教員
ご協力のほど お願い申し上げます。
要望やご意見等はホームページよりお送りください。
ご清聴ありがとうございました。
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