一級建築士 上級生ガイダンス- 0 - 令和2年3月15日 一級建築士...

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令和2年3月 15 日 一級建築士 上級生ガイダンス Ⅰ コース説明 Ⅱ 「あと一歩」の方のための学習方法 1.まとめノートの活用 2-1.令和元年一級建築士「構造」本試験問題の一例 2-2.令和元年一級建築士「構造」使用教材の一例 3-1.令和元年一級建築士「施工」本試験問題の一例 3-2.令和元年一級建築士「施工」使用教材の一例 4.ブログ「井澤式 建築士試験 比較暗記法」「実例暗記法」の一例

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Page 1: 一級建築士 上級生ガイダンス- 0 - 令和2年3月15日 一級建築士 上級生ガイダンス Ⅰ コース説明 Ⅱ 「あと一歩」の方のための学習方法

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令和2年3月 15 日

一級建築士

上級生ガイダンス

Ⅰ コース説明

Ⅱ 「あと一歩」の方のための学習方法

1.まとめノートの活用

2-1.令和元年一級建築士「構造」本試験問題の一例

2-2.令和元年一級建築士「構造」使用教材の一例

3-1.令和元年一級建築士「施工」本試験問題の一例

3-2.令和元年一級建築士「施工」使用教材の一例

4.ブログ「井澤式 建築士試験 比較暗記法」「実例暗記法」の一例

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令和元年 一級建築士 学科試験 TAC渋谷校の合格率(受験番号判明者のみ)

1月からの本科生(渋谷校) 58 人中 31 人合格 合格率 53.4%

同上 (町田校ライブ中継) 3人中 3人合格 合格率 100%

3月下旬からの上級生(渋谷校) 39 人中 20 人合格 合格率 51.3%

合計 100 人中 54 人合格 合格率 54.0%

※全国合格率 22.8% 合格基準点 97 点

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Ⅰ.コース説明

1.上級生コースのコンセプト

① 実力がある受験経験者のための、少しでも安い受講料で合格できるコース

② 受験経験者が今まで分からなかったところが分かって、スッキリする講義

2.次のような方にお奨め

・受験経験者で「あと一歩」で残念な結果だった方

・スクール通学、独学を問わず、すでにひと通りの学習をしていて、あともう一押し

が必要な方

3.講義の進め方

・受験経験者向けに、一人で問題集を解くだけで十分対応可能な部分の講義時間を圧

縮する一方、高得点に直結する部分、合否を分ける問題、間違いやすい問題への対

策を充実させた講義を行います。

・講義の進め方は、主にテキストや講義録(レジュメ)を使うという点では、すでに

1月から開講している「学科本科生」と同様の講義スタイルです。

4.カリキュラム(講義回数)

①計画1回、②環境・設備3回、③構造6回、④法規6回、⑤施工4回

※日程は、パンフp1参照。

【注】公開模試は渋谷校は 5/30(土)ですが、他校での日曜受験(5/31)も可能です。

※各科目、各回の講義範囲は、開講日にご連絡します。

5.使用教材

・テキスト・問題集・講義当日に配付する講義録・法令集

・「計画・環境・法規・構造」のテキスト・問題集、法令集、法規タイムトライアルは、

受付で配付中です。施工は 4/18 配付開始予定。

※昨年の法規サブノートの内容が今年は法規テキストになりました。

※施工の問題集は、先行提供版(昨年版。年度別のみ)のモバイル問題集「快速スタ

ディ」(7.参照)で学習が始められます。

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6.法令集

①法令集のインデックスと線引きは、構造の開始(4/5)前に終わらせること。

構造の学習には時間がかかります。どんなに遅くても法規の開始(4/26)前には終

えておかないと、法規の講義についていけません。

→マイページ及びTAC出版ホームページで確認

https://bookstore.tac-school.co.jp/kenchiku2020/

②建築基準法、関係法令とも法改正があるため、2020 年版の法令集をお使いください。

③他社の法令集で線引き済の方は、TAC 法令集に線引きし直すには及びません。

講義で TAC 法令集の頁数を言ったり、TAC 線引きのマーカーの色を使って条文を説明

したりする場合もありますが、ご了承ください。極力問題ないように講義します。

④異なる2冊の法令集を試験会場に持ち込むことはできません。

・TAC 法令集の Vol.1と Vol.2は、1セットとして使用が認められています。

・他社の法令集と一緒の使用は認められていません。

7.モバイル問題集「快速スタディ」

・TAC問題集をモバイルでご利用いただけます。パンフ裏面参照。

・ご利用方法は、マイページの「講座からのお知らせ(一覧)」を参照。

8.直前演習ゼミ

・パンフp2参照。

・直前演習ゼミとのセット(上級パック)を推奨します。

直前演習ゼミは、ご都合に合わせて次のどちらかをお選びください。

①日曜日 八重洲校・横浜校(6/7~7/5)に合流

②土曜日 池袋校・水道橋校・町田校ライブ中継(6/6~7/4)に合流

③ビデオブース(渋谷校など各校)

※上記のいずれもWebフォローも可能。

※土曜日渋谷校、日曜日新宿校の直前演習ゼミは、定員締切になりました。

・上級生には公開模試が含まれます。直前演習ゼミには直前テストが含まれます。

9.受講料

・パンフp1参照。上級パック生は教育訓練給付制度の対象です。

10.フォロー制度

・Webフォロー制度

万が一欠席した場合でもご自宅で講義動画の視聴、講義資料のダウンロードが可能。

11.設計製図コース

・「渋谷校 井澤講師クラス クラス増設決定!」のチラシ参照。

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Ⅱ.「あと一歩」の方のための学習方法

1.まとめノートの活用

2-1.令和元年一級建築士「構造」本試験問題の一例

No.7(風圧力)

3. ガスト影響係数Gfは、「平坦で障害物がない区域」より「都市化が著しい区域」の

ほうが大きい。

(正)

No.11(鉄筋コンクリート構造)

4. 柱梁接合部内に、帯筋比が 0.3%以上となるように帯筋を配筋した。

(正)0.2%以上ならば正。

No.15(鉄骨構造)

3. H形鋼を用いた梁に均等間隔で横補剛材を設置して保有耐力横補剛とする場合にお

いて、梁を建築構造用圧延鋼材 SN400B から同一断面の建築構造用圧延鋼材 SN490B

に変更することにより、横補剛の数を減らすことができる。

(誤)横補剛の数は増える。

No.16(鉄骨構造)

2. 骨組の塑性変形能力を確保するために定められている柱及び梁の幅厚比の上限値は、

基準強度F値が大きいほど小さくなる。

(正)

No.18(板厚6㎜以上の冷間ロール成形角形鋼管(BCR)の耐震計算)

4. 「ルート3」において、局部崩壊メカニズムとなったので、柱の耐力を低減して算

定した保有水平耐力が、必要保有水平耐力以上であることを確認した。

(正)

No.29(鋼材)

1. 建築構造用圧延鋼材(SN材)は、板厚が 40 ㎜を超えても、40 ㎜以下の材と同じ基

準強度が保証されている。

(誤)板厚40㎜を超えると、基準強度は低減される。

2-2.令和元年一級建築士「構造」使用教材の一例

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6

4

5

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Copyright© TAC Co.,Ltd. All Rights Reserved.

28㎜以下 長期許容応力度の上限 215N/㎟

基準強度の低減の境界鋼材 厚40㎜ P270

鉄筋 径28㎜ 長期許容応力度の上限の境界 P210

SD345とSD390は長期許容応力度が同じ

28㎜超 長期許容応力度の上限 195N/㎟ 弱

40㎜以下 SN400の基準強度は235N/㎟

40㎜超 弱SN400の基準強度は215N/㎟

冷却時のムラNo.29肢1Copyright© TAC Co.,Ltd. All Rights Reserved.

応 力

材料強度×断面積

保有水平耐力(終局耐力) 必要保有水平耐力≧

保有水平耐力計算 P165

許容応力度×断面積

許容耐力 (許容応力度≧応力度)≧

=大地震のエネルギーを吸収するのに必要な力

=崩壊荷重

塑性域での部材の耐力

大地震時(C0=1.0)に部材にかかる応力

弾性域での部材の耐力

(耐えられる力)

中地震時(C0=0.2)に部材にかかる力

(生じる力)(作用する力)

損傷防止上の「かかる力」の上限

倒壊防止上の「耐力」の下限

各階の最大の水平抵抗力

No.18肢4

Copyright© TAC Co.,Ltd. All Rights Reserved.

幅厚比の制限値は、材料の強度が高いほど小さい(厳しい)

材料の強度が高い

大きな力がかかる

大きな変形が生じる

幅厚比の規定が厳しい

鋼材は強度にかかわらずヤング係数が一定

P278局部座屈と幅厚比の制限No.16肢2

Copyright© TAC Co.,Ltd. All Rights Reserved.

横補剛の必要箇所数は、材料の強度が高いほど多い

鋼材は強度にかかわらずヤング係数が一定

P281横補剛の必要箇所数

材料の強度が高い

大きな力がかかる

大きな変形が生じる

横補剛を多くする

No.15肢3

Copyright© TAC Co.,Ltd. All Rights Reserved.

せん断補強筋比(帯筋比・あばら筋比)

帯筋比あばら筋比

補足 テキスト

RC造

柱・梁 0.2%以上 これが基本!p220p226

耐力壁 0.25%以上耐力壁は強度に頼るため多め

p234

SRC造

充腹形(H形鋼)

0.1%以上鉄骨があるため少なめ

p310

非充腹形 0.2%以上 非充腹なので多め

鋼管コンクリート造

・被覆形・充填被覆形

0.2%以上被覆部分はRC造とみなす

p315

No.11肢4

Copyright© TAC Co.,Ltd. All Rights Reserved.

市街地と平坦地のEr とGf P138

(1) 平均風速の高さ方向の分布を表す係数Er

風は上空ほど強いことを表す係数。平均風速は、市街地か平坦地かによっても異なる。市街地では建築物が風を遮るので、平均風速は小さくなる。

(2) ガスト影響係数Gf

ガストとは「突風」すなわち「ビル風」。したがって、市街地のほうが、ガスト影響係数は大きくなる。

平均風速の高さ方向の分布を表す係数Er

市街地 < 平坦地

ガスト影響係数Gf 市街地 > 平坦地

No.7肢3

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3-1.令和元年一級建築士「施工」本試験問題の一例

No.10(コンクリート工事)

3. 普通コンクリートにおける構造体コンクリートの強度の検査において、 1回の圧縮

強度の試験に用いる供試体については、レディーミクストコンクリートの受入れ検

査と併用しないこととなっていたので、工事現場において適切な間隔をあけた3台

の運搬車から各1個ずつ、合計3個採取されていることを確認した。

(正)付録17

4. 同一区画のコンクリート打込み時における打重ね時間の限度については、外気温が

25℃を超えていたので、150 分を目安としていることを確認した。

(誤)付録3。正しくは120分以内。

No.12(プレキャスト鉄筋コンクリート工事)

1. プレキャスト部材の組立精度の検査においては、特記がなかったので、柱・壁の垂

直部材と梁・床の水平部材とも、組立て作業中の仮固定完了後、次のプレキャスト

部材が組み立てられる前に、全数について、それぞれ±5㎜を判定基準として行っ

た。

(正)付録7

3. プレキャスト部材の製造工場における製品検査において、外壁のプレキャスト部材

の屋外に面する部分に、幅 0.10 ㎜以下のひび割れがあったが、外壁の性能上支障が

ないと判断し、プレキャスト部材製造要領書に従って、初期補修用プレミックスポ

リマーセメントペーストによる補修を行ったうえで合格とした。

(正)付録12

No.23(各種改修工事)

4. コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、鉄筋が露出していない比較的

浅い欠損部であったので、ポリマーセメントモルタル充塡工法を採用して補修した。

(正)付録12

3-2.令和元年一級建築士「施工」使用教材の一例

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付録3

付録7

付録 11・12

付録 17

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付録3

付録7

付録 11・12

付録 17

付 録

430

付録3.気温

テキスト頁 出題せき板の存置期間 20℃が境界

第7章 型枠工事

136

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10

15

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35

1 せき板の取外し① 基礎・梁側・柱・壁のせき板(垂直部材)の取外し

⑴ コンクリートの圧縮強度試験による場合�� 計画供用期間の級が「短期」・「標準」の場合 →�せき板は、コンクリートの圧縮強度が5N /㎟以上であることを確認後、取り外すことができる。

�� 計画供用期間の級が「長期」・「超長期」の場合 →�せき板は、コンクリートの圧縮強度が 10N/㎟以上であることを確認後、取り外すことができる。

計画供用期間の級 圧縮強度

普通コンクリート

短期・標準 5N/㎟以上長期・超長期 10N/㎟以上

高強度コンクリート 10N/㎟以上

⑵ コンクリートの材齢による場合 計画供用期間の級が「短期」・「標準」で、平均気温が 10℃以上の場合は、以下の存置日数以上経過すれば、圧縮強度試験を行わずに、せき板を取り外してよい。

【基礎・梁側・柱・壁のせき板の存置期間】

セメントの種類

平均気温

コンクリート材齢

早 強 普  通混合A種(※ 1) 混合B種(※ 2)

20℃ 以上 2日 4日 5日

20℃�未満10℃�以上 3日 6日 8日

(※ 1)�混合A種(高炉セメントA種、シリカセメントA種、フライアッシュセメントA種)

(※ 2)�混合B種(高炉セメントB種、シリカセメントB種、フライアッシュセメントB種)

� 存置期間は「平均気温」と使用する「セメントの種類」によって決まる。�� 施工部位などの条件が同一であれば、材齢によるせき板の存置期間は、(早強)<(普通・混合A種)<(混合B種)の順に長くなる。

② 梁下・スラブ下のせき板(水平部材)の取外し⑴� 梁下・スラブ下のせき板は、原則、支保工を取り外した後に取り外す。⑵� 支柱(支保工)を取り外すことなく、せき板を取り外せる施工方法をとった場合に限り、発現強度が設計基準強度の 50%に達すれば取り外すことができる。

計画供用期間については、

P.153 を参照。

2309 

高強度コンクリートのせき

板の存置期間については、

P.181 を参照。

1910 2009 

気温が高いほど、せき板は早く取外しできる。

1910 2209 2509 2709 

142 H1910

調合管理強度における構造体強度補正値

気温8℃以上 3N/㎟気温8℃未満 6N/㎟

161 H2410H3010

コンクリートの打込み・打重ねの時間

25℃が境界

167

第2節 製造・受入れ・運搬・打設・養生

5

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⑴ 水平打継ぎ部 柱及び壁において、水平打継ぎ部を設ける場合は、一般に床スラブ・梁・基礎梁の上端に設ける。

⑵ 鉛直打継ぎ部 梁及びスラブにおいて、鉛直打継ぎ部を設ける場合は、せん断応力の小さいスパンの中央部付近または曲げ応力の小さいスパンの1/4付近に設ける。

② 打継ぎ面の注意点 ⑴� 打継ぎ面は、レイタンス、ぜい

4 4

弱なコンクリート、ごみなどを取り除き、健全なコンクリートを露出させる。⑵� 打継ぎ部のコンクリートは、散水などにより、湿潤な状態にしておく。⑶� 打継ぎ面には、せき板などの仕切板を用いて密にすき間なく組み立て、モルタル、セメントペーストなどが漏出しないように仕切る。⑷� 打継ぎ面が外部に接する箇所には、打継ぎ部の防水処理を行うための目地(打継ぎ目地)を設ける。

3 打込み・打重ねの時間管理 フレッシュコンクリートは時間の経過に伴い、スランプや空気量の低下などが起こるので、工事現場まで速やかに運搬する必要がある。コンクリートの「練混ぜから打込み終了までの時間」、及び「打込み継続中における打重ね時間」は以下のように定め、外気温によって決まる。なお、打重ね時間は、先に打ち込まれたコンクリートが再振動可能な時間内とする。

外気温 練混ぜから打込み終了までの時間 打重ね時間間隔

25℃未満 120分以内 150分以内25℃以上 90分以内 120分以内

※�高強度コンクリート、高流動コンクリートにおける「練混ぜから打込み終了までの時間限度」は、外気温にかかわらず120分以内とする。

水平打継ぎ部床スラブ上端(梁上端)

柱及び壁の水平打継ぎ位置

2階

1階

水平打継ぎ部

基礎梁

床スラブ上端(基礎梁上端)

スパン:L

梁及びスラブの鉛直打継ぎ位置

1/4L 1/2L

小梁

大梁

鉛直打継ぎ部

柱 柱

打継ぎ面

打継ぎ目地

打継ぎ目地

外気温が高い場合は、低い場合に比べてコンクリート打設の時間間隔を短くし、早く打ち込む。また運搬・打込みの際には水を加えてはならない。

「日2 5 ℃

光で暑くて打打 込 み

込みに苦9 0 分

労を重打 重 ね

ねてヒ1

ーフ2 0 分

ー」

※ 高強度コンクリート、高流動コンクリートの「練混ぜから打込み終了までの時間」は、外気温にかかわらず120分以内とする。

174 H2611H2811

流動化コンクリートの荷卸しから打込み終了までの時間

179

第4節 各種コンクリート

5

10

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4. 流動化コンクリート

 あらかじめ工場で練り混ぜられたコンクリート(ベースコンクリート)に流動化剤を現場にて添加し、攪拌して流動性を増大させたコンクリートである。低スランプのコンクリートでも、流動化剤の添加により大きいスランプのコンクリートが得られることが特徴である。① 流動化コンクリートの品質⑴� 流動化コンクリートの調合強度は、ベースコンクリートの圧縮強度に基づ

いて決める。⑵ ベースコンクリートの単位水量は、185kg/㎥以下とする。⑶ 流動化コンクリートのスランプ ベースコンクリート及び流動化コンクリートのスランプの組合せは下記に基づき定める。

コンクリートの種類 ベースコンクリート 流動化コンクリート普通コンクリート 15㎝以下 21㎝以下

② 流動化コンクリートの施工⑴ 流動化剤の添加及び撹拌は、原則として工事現場で行う。⑵ 荷卸しから打込み終了までの時間 流動化コンクリートは、一般に流動化後のスランプ低下が大きい。したがって、「練混ぜから流動化までの時間」及び「流動化から打込み終了までの時間」ができるだけ短くなるように打込み計画を立てる。また、「荷卸しから打込み終了までの時間」もできるだけ短時間とし、下表の時間とすることが望ましい。

外気温 荷卸しから打込み終了までの時間25℃未満 30 分以内25℃以上 20 分以内

Check Point 流動化コンクリート 

●�工事現場において流動化剤を添加した流動化コンクリートは、外気温が 27℃の場合、荷卸しから打込み終了までに要する時間を 20 分以内とした。

5. 高流動コンクリート

 材料分離をしない範囲で、流動性を著しく高めることで、打込み後の振動・締固めを不要にしたコンクリートである。現場作業の省力化、工期短縮などを図ることができ、高密度な配筋部や狭い空間などの振動・締固め作業が困難な場所への打設や、鋼管内部などへのコンクリート充填に適する。

ベースコンクリートの単位水量の最大値は、一般のコンクリートと同じである。

流動化コンクリートの打込みは、通常のコンクリートと同様に、横流しは避けて目的の位置にできるだけ近い位置に打ち込む。

ベースコンクリート

流動化剤添加

流動化

練混ぜ

荷卸し

打込み開始

打込み終了

25℃以上 20分以内

25℃未満 30分以内

現場

解答

●正

187 H16

コンクリートの養生温度 5日間は2℃以上に保つ。 177 H2911寒中コンクリート加熱した練混ぜ水を使用する場合、セメント投入直前のミキサー内の骨材及び水の温度の上限値

40℃以下 185 H2110

寒中コンクリート荷卸し時の下限値

5℃以上(打込み後の十分な水和発熱が見込まれる場合)

185 H2611

暑中コンクリート荷卸し時の上限値

35℃以下 186 H2310

マスコンクリート荷卸し時の上限値

35℃以下 190 H2110

溶接作業 -5℃以下は行わない。-5℃から5℃では溶接線から100㎜の範囲の加熱により可。

222 H2913

タイル工事における下地調整モルタルの施工

3℃以下は行わない。採暖により可。

301 H18

接着剤によるタイル後張り工法 5℃以下は行わない。採暖により可。

301 ─

塗装工事(さび止め含む) 5℃以下は行わない。採暖により可。

352 H2403H2803

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付 録

432

付録7.精度・許容差

テキスト頁 出題鉄筋の加工寸法の許容差 あばら筋・帯筋・ス

パイラル筋±5㎜ 111 H2408

構造体コンクリートの位置および断面寸法の許容差

第8章 コンクリート工事

174

5

10

15

20

25

30

35

 ●リバウンドハンマー法(反発度法) リバウンドハンマー(シュミットハンマー)は、コンクリートの圧縮強度を非破壊で推定するための試験で、コンクリートの表面を打撃したときの反発度を測定し、その反発度から圧縮強度を推定することができる装置である。

4.型枠取外しの時期決定

 圧縮強度試験によって、型枠(せき板、支保工)の取外し時期(存置期間)を決める場合は、所定の方法で養生を行ったコンクリートの供試体を用いて試験を行い、取外し時期を決定する。

取外し部位 供試体の養生方法せき板 工事現場における水中養生または封かん養生支保工 標準養生または、工事現場における水中養生または封かん養生

 支保工の場合は標準養生が認められているが、せき板の場合は認められていない。

Check Point 構造体コンクリートの圧縮強度試験 

❶�コンクリートの打込み数量が 180㎥であったので、構造体コンクリート強度の検査として、圧縮強度試験を1回行った。❷�構造体コンクリートの1回の圧縮強度検査のための供試体は、生コン車1台から、排出直後と終了直前を除き、適当な間隔をあけて3個採取する。❸�強度管理の材齢が 28 日の場合、構造体コンクリートの強度管理のための供試体の養生方法を標準養生とした。

5.構造体コンクリートの精度

 打ち上がった構造体及び部材の位置・断面寸法の許容差は、特記のない場合は次表を標準とする。

      【構造体の位置及び断面寸法の許容差の標準値】

項 目 許容差位 置 設計図に示された位置に対する各部材の位置 ±20㎜

構造体・部材の断面寸法柱・梁・壁の断面寸法

-5㎜、+20㎜床スラブ・屋根スラブの厚さ

基礎の断面寸法 -10㎜、+50㎜

6.コンクリートの打上がり後の欠陥・ひび割れ対策

① 豆まめ

板いた

(じゃんか) 豆板とは「じゃんか」ともいい、コンクリートの表面に粗骨材が集まって固まり、多くのすき間ができて不均質な状態をいう。防止策:�コンクリートが分離しないように低い位置から平均して落とし込む。補修法:�せき板取外し後、軽微な豆板(じゃんか)は、不良部分をはつり、

型枠の取外しの基準については、第7章型枠工事を参照。

解答

❶誤❷誤❸正

豆板(じゃんか)

豆板(じゃんか)

182 H2010

張り石工事の外壁乾式工法の下地となるコンクリートの位置の許容差(石材取付け用ファスナーの面外調整機能を考慮)

±10㎜ 306 H2817

プレキャスト部材の精度

第8章 コンクリート工事

192

5

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30

35

② PC部材の仮固定完了後の組立て精度⑴� PC部材の組立て作業中において、仮固定完了後、次のPC部材が組み立てられる前に、全数について組立て精度の検査を行う。⑵� PC部材(柱・壁の垂直部材、梁・床の水平部材ともに)の仮固定完了後の組立て精度の許容差は±5㎜以下とする。

③ PC部材の工事完了後の精度⑴� 一般に、PC部材の工事完了後の精度(位置)の許容差は±20㎜以下とする。 →�PC部材は高い精度で組立て可能であるが、接合部などの現場打ちコンクリート部分の精度に影響されるため。

⑵� 現場打ちコンクリート部分の精度(位置)の許容差は、一般的な構造体コンクリートの精度(位置)と同じ値(±20㎜)とする。⑶� ⑴ ⑵より、PC部材を現場打ちコンクリート部分に接合する箇所では、「PC部材の精度(位置)の許容差」と「現場打ちコンクリート部分の精度(位置)の許容差」とは同じ値とすることができる。

PC部材の組立て精度のポイント

 PC部材の精度は、組立て作業中と工事完了後で許容差が異なることに注意しよう。

許容差仮固定完了後(組立て精度) ±5㎜以下工事完了後(位置) ±20㎜以下

5.PC部材の接合部

 PC部材の接合は、組立てと並んで現場における主要な工事で、構造体の品質を確保する上でも極めて重要な工程である。接合法は、ウェットジョイントとドライジョイントに大別される。ウェットジョイントによる接合の方法には、次のものがある。① 接合部の鉄筋及び鋼材の接合法⑴ 機械式継手 機械式継手にはいくつかの種類があるが、プレキャスト部材の柱や耐力壁の水平接合部には、スリーブ継手が一般的に用いられる。 スリーブ継手は、接合用鉄筋に鋼製の筒状のスリーブをはめ、内部にセメント系の高強度無収縮グラウトを充填して鉄筋相互を一体化する機械式鉄筋継手工法である。�� 接合による鉄筋の伸縮もなく、残留応力も発生しない接合法である。�� グラウト材を隅々まで充填させるために、柱部材のコーナー側のスリーブから連続的に注入する。

構造体コンクリートの位置の精度の許容差(±20㎜)は、P.172を参照。

【用語】ウェットジョイントPC 部材端の鉄筋や鋼材を接合後、さらにモルタルなどを充填する接合法。

【用語】ドライジョイント接合部にモルタルなどを打込まず、ボルト締めなどで接合する工法。

鉄筋

無収縮モルタル

スリーブ

敷モルタル

狭小部充填コンクリート

スリーブ継手(壁の例)

壁(PC)

床(PC)

排出口

注入口

※ プレキャスト部材を現場打ちコンクリートに接合する部分においては、「プレキャスト部材の位置の許容差」と「現場打ちコンクリート部分の位置の許容差」は同じ値(±20㎜以下)である。

201 H2020H2212H2512H2712H2812H3012

プレキャスト部材の非耐力壁の長さ、辺の曲がり、対角線長差の許容差

±5㎜ 198 H2712

GRC(ガラス繊維補強セメント)パネルの辺長差、ねじれ・そり、対角線長差の許容差

±3㎜ 361 H2920

完全溶込み溶接の突合せ継手の余盛り高さ

ビード幅によって異なるが、最も厳しい場合で、0<h≦3㎜

218 H2314

スタッド溶接の仕上り精度(管理許容差)

仕上り高さ ±1.5㎜以内 240 H3013スタッドの傾き 3度以内

タイル張り下地面の面精度 モザイクタイル 2mにつき3㎜以内

301 H2517

小口タイル以上 2mにつき4㎜以内

断熱材現場発泡工法における吹付け硬質ウレタンフォームの吹付け厚さ

0㎜~+10㎜(マイナス側不可)

345 H2318

カーテンウォール工事の躯体付け金物の取付け位置

鉛直方向 ±10㎜以下 362 H2420H3019水平方向 ±25㎜以下

メタルカーテンウォール部材の目地幅の寸法許容差 ±3㎜ 362 H2220

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435

付録11.エポキシ樹脂の特徴

・強靭・耐薬品性が強い

項目 テキスト頁 出題高湿場所でのビニル床の接着剤 336 H2619エポキシ樹脂系塗床仕上げ 341 H18亜鉛めっき鋼面へのさび止め下塗りに用いられる変性エポキシ樹脂プライマー

349 H2221H2721

コンクリートのひび割れ部(0.2㎜~1.0㎜)の補修に用いられるエポキシ樹脂注入工法

382 H2123H2323

コンクリート、モルタルの比較的大きな欠損部の補修に用いられるエポキシ樹脂モルタル充填工法

383384

モルタルの浮き補修に用いられるアンカーピンニング部分(全面)エポキシ樹脂注入工法

384385

H1920H2523

タイルの浮き補修に用いられる注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法

387 H2223

柱の炭素繊維巻き付け補強の接着剤 398 -

付録12.ポリマーセメントペースト・モルタルの特徴

・ペーストは(セメント+水)、モルタルは(セメント+水+砂)・ これにポリマー(高分子重合体)を混入させ、防水性・接着性(付着性)を向上させたもので、補

修工事、防水改修工事などに多用されている。

項目 テキスト頁 出題プレキャスト部材の0.1㎜以下のひび割れの初期補修用プレミックスポリマーセメントペースト

199 H2212H2712

コンクリート下地面へのセメントモルタル塗りの下地処理のために塗布するポリマーセメントペースト

(特に型枠に塗装合板を用いた平滑なコンクリートの場合)(※乾燥前にセメントモルタル塗り(⇔吸水調整剤は乾燥後))

290 H18H2319

コンクリート、モルタルの軽微なはがれ、比較的浅い欠損部の補修に用いられるポリマーセメントモルタル充填工法

(※深い欠損部はエポキシ樹脂モルタル充填工法)

383384

H2123H2223H2417

タイル部分張替え工法におけるタイルの張付けに用いられるポリマーセメントモルタル

387 H2023

ウレタンゴム系塗膜防水の改修工事で既存部のふくれ等をカッター等で切除した後、ポリマーセメントモルタルで補修

389 H2523

ルーフドレン回りの防水改修工事において、既存の防水層及び保護層の撤去部分の段差は、ポリマーセメントモルタルにより1/2程度の勾配に処理

390 H1925H2323

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付 録

438

付録17.1検査ロットの大きさ

テキスト頁 出題普通コンクリートにおける構造体コンクリートの圧縮強度の検査・ 1検査ロットは、「打込み日ごと」「打込み区画ごと」「コンクリー

ト150㎥ごと」である。・1検査ロットの試験回数は、1回である。・ 1検査ロット(=1回の試験)の供試体は、適切な間隔をあけた「3

台の運搬車」から1個ずつ採取し、合計3個の供試体を作製する。

180 H2211H2410H2510H2811H3010

高強度コンクリートにおける構造体コンクリートの圧縮強度の検査・ 1検査ロットは、「打込み日ごと」「打込み区画ごと」「コンクリー

ト300㎥ごと」である。・1検査ロットの試験回数は、3回である。・ 1検査ロット(=3回の試験)の供試体は、適切な間隔をあけた「3台の運搬車」から1台につき3個ずつ採取して1回の試験を行い、合計3回の試験、合計9個の供試体を作製する。

189 H2103

鉄骨の溶接部と鉄筋のガス圧接部の検査

223

第1節 工場作業

5

10

15

20

25

30

35

5 溶接部の検査① 受入検査 鉄骨製作工場での検査は、①製作の途上および完了段階で鉄骨製作業者が自主的に行う社内検査、②製作途上の材料・部材に対して施工者が行う中間検査、および③工場製作の完了した部材に対して施工者が行う受入検査に分けて実施される。⑴� 受入検査における溶接部の外観検査ⅰ� 検査対象範囲は、溶接部のすべてとする。(これを「全数検査」とは言わない。)ⅱ� 検査方法は、表面欠陥および精度に対する目視検査とし、一般溶接部(完全溶込み溶接部以外)は目視で万遍なく検査する。基準を逸脱していると思われる箇所に対してのみ、適正な器具で測定する。ⅲ� 完全溶込み溶接部の外観検査は抜取検査とし、抜取箇所は「溶接部の内部欠陥検査」と同一、すなわち、検査箇所300箇所以下で1検査ロットを構成し、検査ロットごとに合理的な方法で大きさ30個のサンプリングを行う。

⑵� 受入検査における溶接部の内部欠陥検査ⅰ� 検査対象範囲は、完全溶込み溶接部のすべてとする。(これを「全数検査」とは言わない。)ⅱ� 検査方法は、超音波探傷検査による。ⅲ� 超音波探傷検査は抜取検査とする。検査箇所 300 箇所以下で1検査ロットを構成し、検査ロットごとに合理的な方法で大きさ30個のサンプリングを行う。

② 工事現場溶接部の検査 工事現場溶接部の検査は、外観検査、内部欠陥検査(超音波探傷検査)ともに全数検査とする。

鉄骨の溶接部と鉄筋のガス圧接部の検査のポイント �

鉄骨の溶接部と鉄筋のガス圧接部の検査

検査対象 検査内容 全数か抜取か

鉄骨の溶接部の受入検査(製作工場)

外観検査目視検査(表面欠陥・精度)

一般溶接部 目視で万遍なく検査

完全溶込み溶接部 抜取検査(1検査ロットから 30 箇所)内部欠陥検査 超音波探傷検査

鉄骨の工事現場溶接部の検査

外観検査 目視検査(表面欠陥・精度)全数検査

内部欠陥検査 超音波探傷検査

鉄筋のガス圧接継手の検査

外観検査 目視検査(圧接部の形状等) 全数検査

内部欠陥検査 超音波探傷検査抜取検査

(1検査ロットから 30 箇所)

2614 

2614 

2114 3014 

2414 

「サンプルの大きさ」とは、検査を行う個数を表す。

2614 

2208 

223 H2208H2614

スタッド溶接の仕上り高さと傾きの外観検査打撃曲げ検査

100本ごとに1検査ロットとし、ロットごとに1本以上

399 H3022

タイル後張り工法引張接着強度試験

100㎡以下ごとに1個以上かつ全面積で3個以上

302 H2517H2817

あと施工アンカー引張試験

1ロットに対し3本とし、無作為に抽出

393 H2222

シーリング工事2成分形シーリング材の硬化確認

1組の作業班が1日に行った施工箇所を1ロットとし、ロットごとに別に作成したサンプルで確認

283 H2716H3016

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4.ブログ「井澤式 建築士試験 比較暗記法」の一例

http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/

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