第2部) 特別賞2件 講 広 島 大 学 北 村 拓 学生ベン...

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ジネスアイデア ・プラン セミナー 学ベンチャープラットフォーム さんサンティ・フェラン・ガリシアさんジョゼップ・フェラン・ガリシアさん(て 大学) (第2部) 2015年 平成27年 1月21日 水曜日

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Page 1: 第2部) 特別賞2件 講 広 島 大 学 北 村 拓 学生ベン …...それをそのまま購入して読んでされたとはいえ、その書籍の愛好者が、ゲームで提示ターゲットだ。ただゲームしている。この層が販売のスマートフォンでゲームをトフォン所有者の約半分は

特別賞2件

CVG中国OGが全国大会の経験談

ビジネスアイデア創出・プラン作成セミナー開催中国経連 中国経済連合会は2

014年9月

日、県

立広島大学サテライト

キャンパス広島

広島

で第3回ビジネス

アイデア創出・プラン

作成セミナーを開催

し、約

人の学生、社

会人が参加した。 セ

ミナーの冒頭、

年3

月に行われたキャンパ

スベンチャーグランプ

CVG

全国大会

で、審査委員特別賞を

受賞した広島商船高等

専門学校の山根奈々さ

んが、全国大会のプラ

ン「次世代娯楽型リハ

ビリテーション支援シ

ステム

USAKAM

」を実演し、CV

Gでの経験談やプラン

づくりの苦労話なども

披露した。

 続いて起業家の平山

友美フードトータルプ

ランニングの平山社長

が「いきなり社長は苦

労がいっぱい」、Hi

ntの中島久美子社長

が「人脈は宝なり」と

いうテーマで講演、そ

れぞれの起業体験やエ

ピソードなどを語っ

た。そして広島大学大

学院特任教授の伊藤孝

夫氏が、ビジネスプラ

ン作成のポイントを学

生にもわかりやすく解

説した。最後のフリー

トークでは参加者全員

で活発な質問や意見交

換が行われた。日頃、

起業家や社会人と交流

する機会の少ない学生

にとって、新鮮で有意

義な時間となった。

吉野勝美氏審査委員長

講評

スケール大きい提案をもっと

ゲーミフィケーションを用いた読書推奨サービス

広島大学北村拓也さん

代表の福岡さん

学生ベンチャープラットフォーム福岡拓磨さんサンティ・フェラン・ガリシアさんジョゼップ・フェラン・ガリシアさん(全て広島大学)FURUSATOインターン

中国経済産業局長賞

 【概要】広島の中小企業

に就職したい留学生と、留

学生を雇用したい中小企業

をマッチングさせて、企業

から紹介料をもらうサービ

ス。

 具体的な進め方は、まず

留学生は「FURUSAT

Oインターン」に参加して

もらう。そこで留学生に広

島の中小企業が有する商品

の中で、母国でビジネスに

なりそうな商品を念頭に、

母国でのプロモーション計

画を提案してもらう。そし

てそのプランを企業が審査

する。審査を通過した留学

生には企業が母国への渡航

費と販売計画の費用を支給

する。そうして現地でのノ

ルマを達成できれば留学生

にインセンティブが支給さ

れる。帰国後には結果報告

会を兼ねた採用試験を行

い、最終的に企業がその留

学生を気に入って採用すれ

ば「FURUSATOイン

ターンシップ」に紹介料が

支払われる仕組みだ。

 中小企業にとって外国人

の採用はあまり慣れていな

いので慎重にならざるを得

ない。このプランでは、留

学生の能力や人となりを実

践的なインターンシップと

いう形で、ある程度確認で

きるので採用時の失敗が少

ない。さらに留学生は母国

の文化や宗教、国民性など

を十分理解しているので、

企業に取っては海外戦略の

大きな戦力となる可能性が

ある。また留学生にとって

は広島の中小企業に直接自

分を売り込む機会を得ら

れ、就職につなげられるの

で両者にとって有効な手法

である。

 【課題と市場性】日本の

大学生が中小企業を敬遠す

る一方、大企業よりも中小

企業を目指す留学生は少な

くない。また中小企業にも

戦力となる優秀な外国人を

採用したいという需要はか

なりある。これをうまくマ

ッチングできれば、潜在的

な雇用問題の解決につなが

るのではないか。

 留学生が中小企業に就職

した後、日本企業のやり方

など、教育サポートも必要

かもしれない。このプラン

は、日本の中小企業にとっ

ても有益だと思われるの

で、日本貿易振興機構

ETRO

や中小企業基盤

整備機構などとの連携の可

能性もあるかもしれない。

日刊工業新聞社賞

 【概要】ゲーミフィケー

ションとは、ゲームの仕組

みを、ゲーム以外の分野に

取り入れることを意味す

る。今回作成したのは、こ

のゲーミフィケーションを

使った読書推奨サービス

だ。本の紹介アプリにアド

ベンチャーゲームの要素を

取り入れた。主に二つの機

能を持っている。

 一つ目の機能は登録して

ある約

万冊の書籍から、

ユーザへのお勧め書籍を選

んでくれるサービス。キャ

ラクターがユーザーに質問

し、その返答を分析して楽

天からお勧め書籍を選んで

表示する。書籍の概要に、

キーワードがいくつ一致す

るかを調べ、一致した数が

多い順に並び替え上位四つ

を表示する。表示する際に

は、表紙画像URLにアク

セスして、表紙画像もダウ

ンロードして表示する。

 もう一つはゲーム世界の

中で歩き回れる本屋。ゲー

ム世界の中に書籍が配置さ

れており、これをクリック

すると書籍の著者名やタイ

トル、概要などが表示さ

れ、同じ画面から購入画面

に移行できる。具体的なゲ

ームの例として、村で起こ

った連続殺人事件を自分が

探偵となって解決する。ユ

ーザーは配置してある書籍

から情報を得て犯人を捜し

だす。ゲームを楽しみなが

ら、読書にも親しんでもら

うのが狙い。

 【課題と市場性】スマー

トフォン所有者の約半分は

スマートフォンでゲームを

している。この層が販売の

ターゲットだ。ただゲーム

の愛好者が、ゲームで提示

されたとはいえ、その書籍

をそのまま購入して読んで

くれるかは少し不安。それ

でも全く本に接する機会の

ない人には、ちょっとした

読書のきっかけになるかも

しれない。またゲーミフィ

ケーションの仕組みは面白

いので、今後違った形でも

活用できるかもしれない。

 収入としては広告掲載、

ユーザーの書籍購入時にお

けるアフィリエイトの報酬

だが、成功するにはいかに

多くのユーザーを獲得でき

るかが鍵だ。それにはまず

アプリ自体の完成度やゲー

ムとしての魅力が重要にな

ってくる。

( )    (第2部) 2015年 平成27年 1月21日 水曜日   

 世界の中での日本の存

在感の低下が著しく、日

本型産業モデルが危うく

なっている今、切実に求

められているのは積極的

なベンチャー企業の創出

です。若者により、新鮮

で大胆な発想の面白いベ

ンチャーの構想、展開を

提案していただくキャン

パスベンチャーランプリ

中国は今回第

回を迎え

ましたが、応募件数は

件。その中で書類審査の

結果選ばれた

件に

ついて、提案者から

直接発表をいただき

人の審査委員が評

価を行いました。大

学生、大学院生、高専生

からの応募なので、最終

選考に残った提案はいず

れも若い柔軟な発想で斬

新でした。十分に構想が

練られ工夫された提案が

多くありました。

 今回の特徴は単独の応

募ではなく、グループで

の応募が多かったこと。

これは産業・ビジネス化

の経験が少ない若い人た

ちが意見交換をしながら

着想に至り、構想を進め

た課題が多かったという

ことでしょう。それに対

し、特に大学、大学院、

高専などでの研究からビ

ジネスを展開するという

提案が少なかったように

思えます。女性、女性を

主とするグループからの

提言が、男性からの提言

に負けないくらいあった

のは心強く感じました。

 強いて課題を述べる

と、地域に適応するこじ

んまりとした提案に対

し、スケールが大きく世

界に展開できるような提

案が意外に少なかったと

思います。材料、デバイ

ス、機器、技術、システ

ムなどに絡む特許、また

ビジネスモデルをおさえ

る知財に関する配慮も少

し足らないように感じま

す。ベンチャー企業を立

ち上げ、激しい競争下で

成長するには知財をおさ

えることが不可欠。知財

化に対する配慮、手法、

どんなことが知財化でき

るかについての認識が必

要です。逆

に言うと大

学、高専な

どでそのよ

うな教育が少し足りない

のかなと感じました。

 スタートは例えば自ら

のいる地域として、次に

地域を超えて国内全体、

さらには海外にも広がる

ようなスケールの大きい

事業展開も視野に入れて

欲しいと思う案件もあり

ました。視野を広げ、常

識を捨てて考えるとまだ

まだ限りない可能性があ

るはずであり、若い学生

諸君なら、そこに気付き

思い切ってチャレンジで

きると確信しています。

 今回選ばれた各課題は

いずれも高い可能性があ

り、力強く実現に向けて

展開してほしいと思いま

す。ベンチャーが成功し

大きく進展するには資金

と共に人も大事な存在で

す。それらを提供いただ

けるか、参加していただ

けるかは、事業内容と共

にマーケティング、将来

展開がうまく説明できる

かにかかっています。

 今回残念ながら選から

外れた方、またこれまで

挑戦されなかった方々

は、新しい構想を進め、

来年のグランプリにぜひ

挑戦して下さい。いずれ

にしても日本には、これ

まで不足していた若い方

々が積極的にベンチャー

企業を起こそうという前

向きな発想がたくさんあ

り、多くの方々が応募さ

れたことは地域、日本の

将来にとって非常にうれ

しいことです。

島根県産業技術センタ

ー所長