第1回 学びの共通基盤づくり -...
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■ 第1回開催の記録
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第1回 学びの共通基盤づくり
共に学ぶ仲間としての人間関係づくりと開発教育(国際理解教育)を学ぶ目的の理解
● 日 時:2008年6月21日(土)13:00~17:15、22日(日)10:00~15:05
● 場 所:JICA中部 講堂
● 参加者:受講者39名、JICA13名、視察5名、NIED5名、合計62名(うちWS参加者55名)
● ファシリテーター:茅谷千恵子(NIED・国際理解教育センター)、記録:川合眞二(同左)
● 受付時配布資料:第1回レジュメ、参加者・スタッフ名、『平成19 年度開発教育指導者研修報告書』、
『開発教育・国際理解教育虎の巻』
● プログラム
ねらい ◆ 研修全体の概要とねらいを確認する。
◆ 参加者の学び合いを促進する場をつくる。
◆ 自己理解、他者理解、コミュニケーション力など人と関わる力を通して、共に学ぶ
仲間としての信頼を築く。
◆ 貧困と開発に関するアクティビティを通して、豊かさとは何かを考え、なぜ開発教
育(国際理解教育)を学ぶのかの共通理解をはかる。
1日目 2日目
セッション1
1.あいさつ~研修の概要とねらいの確認
2.アイスブレーキング~わたしと出会い、あなたと出会う~
○ ペアで観察
○ わたしを表す3つのキーワード
○ 「こうみえてもわたしは○○である」
3.信頼関係を築くには・・・参加型にある力
○ 呼ばれたい名前で名札づくり
○ 自分のグループの共通項探し
○ 参加型学習による糸電話の作り方
○ 参加型の学びで育つ力
セッション3
8.JICA TIME
9.1 日目のふりかえり
10.60秒メッセージと傾聴
○ もし 100 万円あったらどう使う?
○ 傾聴のふりかえり
11.「貧困」とは何か
12.貧困の悪循環
13.児童労働の6つの事例と子どもの権利
14.児童労働をなくす取組み
15.参加のはしご・・・「援助」から「協力」へ
セッション2
4.学び合いを促進する場のルール作り
5.デートゲーム・なぜここに?
6.開発教育・国際理解教育の目的
7.ビジョンを持とう! 私たちが望む未来
○ 私たちが望む未来の姿
○ 動画「世界がもし 100 人の村だったら」視聴
セッション4
16.グローバル・パートナーシップからボトム・アプローチへ
17.子どもが未来をよりよく生きるために育みたい力
18.『ふたり☆おなじ星のうえで』
○ 絵本を視聴
○ ラマデビと春佳にあるもの/足りないもの
○ インドと日本のつながり
19.日本は豊かな国? well-being
20.「豊かさ」を考えるとき大切な視点
21.全体ふりかえり、事務連絡
■ 第1回開催の記録
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1日目[セッション1]
■ 1.あいさつ~研修の概要とねらいの確認 13:00-[17]
◆ 司会:JICA中部前納職員
◆ JICA中部市民参加協力課長友成から主催者と
してあいさつ。
◇ NIEDをパートナーとして本研修を実施。
◇ 国際協力しているJICAがなぜ開発教育をし
ているか。国際協力には市民の協力が不可欠。
国際協力の技術援助には多くの市民が関わる。
学校教育を通して世界の課題に関心を持つ人を
増やしたい。
◆ 開発教育指導者研修の年間の流れを前納から説明。
◆ NIED、JICA中部、JICA国内機関の順で、
自己紹介を行う。
◆ ファシリテーターの茅谷にバトンタッチ。第1回の研修のねらいを、レジュメを基に説明する。
■ 2.アイスブレーキング~わたしと出会い、あなたと出会う~ 13:17-[38]
◆ アイスブレーキングの意味を説明する。
● ペアで観察 ――――――――――――――
◆ 同じグループの向かい合った人と、「どんな人かな
ぁ」と思いながら、1分間見つめ観察しあう。
◆ 相手に感じた印象を1分間ずつで紹介しあう。
◆ 2人に感想を聞く…「職業など結構当てられた!」
「相手に当てられた」。
◆ 当てられた人は? 良く言ってもらえた人は?を全
員に聞き挙手してもらう…どちらも結構多い。
◆ Fコメント…コミュニケーションの7割は非言語
と言われている。第一印象や身振り、表情など。でもそれはあくまで見た目。もう少しその人の人となりを
紹介しあいたい。
● わたしを表す3つのキーワード ―――――――
◆ 各自、わたしを表す3つのキーワードを用紙に書き、
グループで紹介しあう。3分間。
◆ 3つのキーワードは、どんな内容で自分を表してい
るか、分析し、発表する。
◇ 仕事、出身地、性格、好きな物、外面的なこと、
内面的なこと
◇ 全体に聞く…属性を書いた人約3割、性格を書
いた人約9割、趣味・特技を書いた人約3割。
■ 第1回開催の記録
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● 「こうみえてもわたしは○○である」 ――――
◆ 各自、「こうみえてもわたしは○○である」を3つ
考え、1つはウソとし、用紙に書く。3分間。
◆ ファシリテーターが自分の例を示す。①野菜ソムリ
エである、②中学時代に走り幅跳び選手で表彰され
た、③子どもの頃に交通事故で急死に一生を得た。
→挙手で当ててもらう。
◆ 書いた用紙を持って、会場を立ち歩き、出会った人
と当て合う。5分間。
◆ これは紹介したい!を全体で発表する…「現場監督
で建物を造った人」、「女性で蛇を退治した人」。
◆ Fコメント…3つの自己紹介をした。緊張がほぐれてくると自分を出しやすくなる。インディオの言葉に、
「信頼のない所に何も起こらない。」がある。「近くの人と」→「グループで」→「全体で」というように、
ハードルを上げながら、安心の場にしていくことがアイスブレーキングのポイントである。
■ 3.信頼関係を築くには・・・参加型にある力 13:55-[47]
● 呼ばれたい名前で名札づくり ――――――――
◆ 対等な立場、仲間であるという証として「呼ばれた
い名前」で名札を作り、グループで紹介しあう。
● 自分のグループの共通項探し ――――――――
◆ グループの共通項を3分間でできるだけ多く探す。
◆ いくつ出来たか聞く…最大19個~最小8個。
◆ Fコメント…この活動の中の自分をふりかえって
ほしい。自分はこの活動にどのように関わったか?
積極的にリーダーシップを発揮した人は? どんど
ん提案をした人は? 全員が参加して進められた
か? もちろん自分らしく参加すればよいし、たくさん意見を出している人だけが、参加度が高いとは言え
ない。意見を出さない人でもじっくり考えているかもしれない。コミュニケーションは3つの要素「考える」、
「伝える」、「聞く」で成り立っている。考えることは自分を見つめること、伝えることは自分を開くこと、
聞くことは相手を受け入れること。コミュニケーションは、自分を理解し、他人を理解し、人間を理解する
こと。今後、本研修において、自分のありようを見つめ、自分の参加について考えてほしい。
● 参加型学習による糸電話の作り方 ――――――
◆ 参加型には「ねらい」がある →作り方をみんなで
考えて、自信を持って作ることができようになる。
◆ 必要なものは?を聞く…紙コップ、糸、千枚通し、
セロテープ、はさみ。
◆ どのように作るとよいか?を聞く…机と椅子があ
るといい。作り方の説明書があるとよい。
◆ ファシリテーターが用意した作り方の絵(6段階)
のうち、第1段階と第3段階の作り方の説明文をグ
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ループで考え、全体で発表する。
◆ 発表では、最初に発表したグループの説明文に、他のグループから補足をもらい、よりよい説明文にする。
◆ 千枚通しとテープは1つしかないので、あったらよいルールをグループで話し合い、全体で発表する。
◇ ルール:千枚通し係・テープ係を決め分担制にする。順番を決め使う前に一声かける。
◆ Fコメント…どのルールが正しいということはない。みんなが納得すればよいことである。以上の作業を講
義形式にした場合を想像してみてほしい。
● 参加型の学びで育つ力 ―――――――――――
◆ 「参加型の学びでは、どんな力が育つか」を考え、
グループで紹介しあい、全体で発表する。
創造力、聴く力、話す力、自主性、協調性、
覚える力、見つける力、解決する力、積極性、
人の考え方の良さに気づく力、意思表示の力、
コミュニケーション能力、考える力、楽しむ力、
思いやる力、協力・共感する力、提案する力、
他者理解力、意見をまとめる力、工夫する力、
可能性を広げる力、参加の意欲が高まる、
安心感や一体感のある場になる、共働する力、創造効果(一人よりみんな)、先を見通す力、自律性、
自分でわかる力、リーダーシップ、フォローアーシップ、論理的思考力、企画力、図解表現の力、
答えが一つとは限らない、気配り力、達成感
◆ Fコメント…ファシリテーターが考えた参加型学習の特徴を紹介する。
◇ 参加者同士が共に学び合う参加型
◇ 学んだことを確認したり、新たな学びの発見をしたりするプロセスを支える参加型
◇ 「知識」「気づき」「スキルトレーニング」を繰り返し提供し、行動変容を支える参加型
◇ 3つの領域に関わり、共に生きる力を育てる参加型
① わたし(自己形成) 自己理解、自尊感情、セルフエスティーム
② あなた(人間関係形成) 他者理解、多様性理解、コミュニケーション
③ みんな(社会形成) 協力、多様性受容、対立解決、合意形成、政策提言
★休憩(14:42-15:00)
◇ コーヒー、ジュース、お茶、お菓子を出し、自由に歓談する。
◇ セッション2が始まる前に、席替えを行う。
■ 第1回開催の記録
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1日目[セッション2]
■ 4.学び合いを促進する場のルール作り 15:00-[44] →成果1参照
◆ 「学び合いを促進するため、場にあるといいルール」
を考え、グループでまとめ、全体で発表する。
◇ 「~しない」は「~しよう」という肯定的な表
現にする。例:「けんかをしない」がルールだと、
けんかをした子はルールを破った悪い子になっ
てしまう。それが「仲良くしよう」という肯定
的な表現なら、仮にけんかをしても、その後ど
うするかでルールを守ることができる。
◆ グループで、違和感への代替案、まとめ方を考える。
◇ エコしよう、片付けよう、飲もう →削除。
◇ 一人一人がリーダーのつもりで取り組もう →
その人なりの持ち味を出そう。
◇ 自由に発言をしよう →①雰囲気を作ることか、②自由に何でも話すことか? →①である。
◆ スタッフの方で、話し手、聞き手、全体的なもの分けて、紙に書きはりだす。
■ 5.デートゲーム・なぜここに? 15:44-[20]
◆ 用紙に6マス(日曜日~金曜日)を作り、各曜日に
デートする相手を探し、名前を書く。
◆ 各自、「①私か見た今までで一番美しい風景」、「②
今の気分を色に例えると」、「③本研修への参加動
機」を用紙に書き、ファシリテーターが指示した曜
日のデート相手と2分間で紹介しあう。
◆ どんな人がいたか聞く…美しい風景「ツインタワー
の風景」、参加動機「子ども達に何かを伝えたい」
「募集要項に運命を感じた」「現場を見てみたい」、
今の気分の色「淡いオレンジ色」。
■ 6.開発教育・国際理解教育の目的 16:04-[44] →成果2参照
◆ Fコメント…ファシリテーターから開発教育・国際理解教育の概要を説明する。
◇開発教育 …貧困、開発、国際協力
◇国際理解教育…人権、環境、多文化共生 →共に人をエンパワーメントする教育
◆ グループで、模造紙の中央に「開発教育・国際理解教育の目的は?」と書き、ブレーンストーミングで思い
つくものを出し、マーカーで書き出す。
■ 第1回開催の記録
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◆ 回し読みで全体共有する。その際、共感するものにハートマーク、疑問があるものに?マークを付ける。そ
の後、疑問が付いたものについて、書いたグループから補足説明をする。
◆ 各自、自分の参加動機と照らし合わせ、自分にとっての開発教育・国際理解教育の目的を文章化し、火曜日、
水曜日、金曜日のデートの相手と伝えあう。
★ブレーンストーミング
みんなの頭の中にあるものをトコトン出し合い、
全体像を共有する方法 ルール ① 質より量 ② 否定しない(質問はOK)
③ 結合と発展 ④ 斬新なアイデア歓迎
⑤ みんなは応援団
■ 7.ビジョンを持とう!私たちが望む未来 16:48-[27] →成果3参照
● 私たちが望む未来の姿――――――――
◆ 各自、「私たちが望む未来の姿」を考え、グループ
で共有したうえで、5か条にまとめる。さらに、5
か条にキャッチーなタイトルを1つつける。
◆ グループの成果物は、明日掲示することで共有する。
● 動画「世界がもし100 人の村だったら」視聴――
◆ YouTube 動画『世界がもし100 人の村だったら(日
本語翻訳)』…教材資料①を視聴する。
◆ Fコメント…200 ドル以下で暮らしている人が
100 人のうち53 人、都会に住む人は2人に1人で
これからの都市のあり方が未来を変えていくという気がする。私たちが誰をつながり、どんなことを考え、
何をするか、そういう一つひとつの選択が未来を作っていくと考える。私たちは、今日考えた開発教育・国
際理解教育の目的を自分の心の中にとめて、参加型でその機会を提供していけたらと思う。
★17:15 事務連絡後、1日目終了
■ 第1回開催の記録
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2日目[セッション3]
■ 8.JICA TIME 10:00-[18]
◆ 開発教育支援事業について、JICA中部の西尾調
整員、各県の国際協力推進員から案内する。
◇ 冊子の紹介…『開発教育・国際理解教育虎の巻』、
『JICA中部開発教育支援メニュー』
◇ 愛知県…出前講座(協力隊OB・OG 等講師派遣)、
世界の暮らしを聞いてみよう!
◇ 静岡県西部…8/31(日)開発教育指導者研修(初
級編)、多文化共生教材のお披露目。
◇ 静岡県中・東部…7/5(土)開発教育指導者研修
(初級編)、『虎の巻』のワーク体験とプログラ
ムづくり。12/13(土)アースカレッジ(参加型7
講座:環境、多文化共生、人権など)。
◇ 岐阜県…出前講座が人気、8月の先生方の教育部会、日系ブラジル人多く日伯交流100 周年年事業。
◇ 三重県…8/25(月)開発教育指導者研修(初級編)、実践報告、浜松の多文化共生教材お披露目。
■ 9.1日目のふりかえり 10:18-[30]
◆ 席替え(今日が最初の参加の人、JICA関係者が
分散し、グループが偶数人数になるように)
◆ ファシリテーターが1日目にやったことを挙げ、そ
の3つの段階をグループが担当し、各段階で何を行
ったか、何がわかったかをまとめ、全体で発表する。
◇ 発表者をヤマンバじゃんけんで決める。ファシ
リテーターと同じもの(鼻をつまむ、あっかん
べー、耳を拡げる)を出した人が負けで、何回
か繰り返し、一番負けた人が発表者となる。 ◇ 第1段階:アイスブレーキング
◇
…アイスブレー
キングは、少しずつステップを踏む、ハードル
を上げることを学んだ。1分間見つめ合うのは居心地が悪い面もあったが、知ろうという気持ちが湧い
た。自分を紹介する場合、日本人は性格をキーワードにすると感じた。
第2段階:参加型が育む力
◇
…参加型の「糸電話の作り方」を体験し、参加型が育む力を理解できた。参
加型に参加することで、参加型が生み出す力が分かり、アイデアがたくさん出て、他からも学べた。自
分を知る、他者を知る、みんなを知るという経験が参加型とわかった。
第3段階:目的と望む未来
…開発教育・国際理解教育の目的は、多文化共生、違いを認める、平和、環
境、人権でまとめられる。知る、考える、動くという単純なものに結びついた。
◆ Fコメント…望む未来を見て、話し合った過程が、どのグループにも入っていて、皆さんの学びの力を感じ
た。
■ 第1回開催の記録
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■ 10.60秒メッセージと傾聴 10:48-[30]
● もし100 万円あったらどう使う?―――――――
◆ 各自、「もし100 万円があったら、どう使う?」(自
分や家族のためには使えない、循環がテーマ)を考
え、1分間で話せるようにまとめる。
◆ ペアになり、話し手はまとめたことを1分間で話し、
聞き手は「傾聴」する。話し手、聞き手が替わる。
ペアを替えて繰り返す(2回)。
「傾聴のルール」… ① 質問をしないで聞く
② 心を寄り添わせて聞く、③ 全身で聞く
● 傾聴のふりかえり――――――――――
◆ 2つの視点でふりかえり、全体で発表する。
◇ ①「傾聴してみて、されてみて感じたこと」…うなずきや笑顔が嬉しかった。質問ができないというの
は良い意味でも悪い意味でも大変だと感じた。先に話しが進んでいくので考えを巡らすのに大変だった。
目を見て大きくうなずいて聞いてもらえると話しがいがあって1分間が短かった。
◇ ②「面白いお話」…子どものベンチャー企画にいかに投資をするか。世界を学べる本を学校に送る。ペ
イフォワードの考えでつなげる。天水槽(自然の循環)の普及に使う。
◆ Fコメント…「傾聴」は気持ちよい。質問は活性化するために必要なことであるが、逆に自分の聞きたいこ
とにシフトさせてしまうことにもなる。循環する援助を考えることにつなげたくて 100 万円を使うという
テーマ設定にした。
■ 11.「貧困」とは何か <連想図> 11:18-[9]
◆ グループで、模造紙の中央に「貧困とは?」と書き、
ブレーンストーミングで思いつくものを出し、マー
カーで書き出す。
◆ 各自、ブレーンストーミングの結果を参考に、貧困
の定義(「貧困とは○○である」)を考え、用紙に書
く。
◆ Fコメント…各自が考えた貧困の定義が、今日の研
修を通じて変わるのか変わらないのか見るので、最
後まで大切にとっておいてほしい。
■ 12.貧困の悪循環 11:27-[15]
◆ グループで、配られた8つの貧困のカード…教材資料②を「貧困の悪循環」の形になるように並べ、その
ストーリーを説明できるようにし、全体で発表する。
■ 第1回開催の記録
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◇ 発表の一例:「貧困」→「栄養不良になる」→「能
力・技術が身に付かない」→「収入が足りない」
→「栄養が十分に取れない」→「学校に行けな
い」→「仕事が見つからない」→「健康を損な
う」。
◆ 配られたJICAが行っている貧困の悪循環を断
ち切る技術支援の資料…教材資料⑤―3を、グル
ープで読む。 ◆ Fコメント…正解はない。条件が揃わないことで貧
困の悪循環から抜け出せなくなる。
■ 13.児童労働の6つの事例と子どもの権利 11:42-[22]
◆ 子どもの仕事vs児童労働、児童労働の実態について説明する。
◇
有害ではなく、子どもの健康的な発育に寄与
するもの。
子どもの仕事(Child Work)
◇
子どもの健康、または身体的、精神的、知的、
またはモラルや社会的発達に害を与え、また
教育を妨げるような種類の仕事すべて。
児童労働(Child Labour)
◆ グループに配られた児童労働の6つの事例…教材
資料③から一人一事例を選び、読み込んだうえで、
「子どもの権利条約シート」…教材資料④で、子
どもの権利が守られているかどうかチェックする。
◆ 事例を読んで、子どもの権利のチェックしてみた感
想をグループで共有し、全体で発表する。
◇ 気分が暗くなった。子ども自身が気づいていな
い状態で継続されていることが問題と感じた。
◇ 中学校の公民で子どもの権利を扱ったが、権利
主張的になってしまうことのギャップを感じた。
◇ 言葉が出ない。夢も希望もなくそれが当たり前ということがショックだった。
◇ 8歳の売春婦を買っている男は誰? 安いサッカーボール、トマトを買っているのは誰? 世界的規模で
私たち自身が考えなくてはいけない。
◆ Fコメント…子どもが働くこと自体は悪いことではない。子どもの発達を阻害するような強制的な労働が問
題となる。児童労働は人権侵害であることをいくつかの事例と子どもの権利から考えた。
■ 第1回開催の記録
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■ 14.児童労働をなくす取組み 12:04-[4]
◆ 児童労働をなくす取り組み事例…教材資料⑤とし
て、イケアのCSR、ラグマーク運動を紹介する。
① あなたのカーペット「ラグマーク」はついて
いますか?…出典:国際協力“はじめの一歩”
-国際協力ボランティア/初心者入門ネットワークサイト-
② 児童労働と闘うためのユニセフ-IKEA(イケア)
プロジェクト…出典:『世界子供白書2006』
◆ 時間がないので、お昼の時間に読む。
■ 15.参加のはしご・・・「援助」から「協力」へ 12:08-[34]
◆ グループで、配られた「参加のはしご」を見ながら、
参加の事例を書いた7つのカード…教材資料⑥が、
はしごのどの段階にあたるかを考える。後ほど答え
合わせ。
◇ 7段目の「子ども」を「村人」に、8段目の「お
とな」を「他の村の人々」に置き換える。
◇ カードCについて、試しにどの段階にあたるか
やってみる。答え=4段目「役割参加」。
◆ 8段目のカードを抜いているので、そのアイデアを
考え、全グループがホワイトボードに書く。
◇ メインロード沿いに、バーン村の新種作物を使用し調理されたものを食べられるレストランを、主婦グループ
を主体に運営・経営し、他の村人に周知、参加できるようにして雇用を確保できるようになった(サヌックら
も独立運営)。
◇ 新商品を開発し、他の村に売りに行き自分の村の利益を確保し、新しい手法の経済活動の広報をかねる。
◇ サヌックは主婦グループの新種作物を他の村に紹介したいという要望にこたえて、数回の品評会を行った。そ
の後、バーン村、近隣の村は食糧の安定供給を実現し、心豊かに暮らした。
◇ 販路の確保/分業体制をつくる/特産物の開発(よりよい商品にする)/投資
◇ ①バーン村:作物の生産・加工←委員会・販売方法などを指導、他の村:加工品を販売/②バーン村:収益をバ
ーン村に還元→工場建設 ※お金の使い方は村人皆で決める/③他の村:作物の生産、バーン村:加工・販売。
◇ 市場調査をして売り始める/他の村に技術を伝える(組織化・農作物・加工)
/他の村に作物を作ってもらいバーン村で流通・加工等、特化して行う/JA
活動を目指し、農作物を集めて売り、お金の貸付、肥料を売り広げていく。
◇ 輸送ルート、販売、ルートの開拓/ルートができたら出店して売る(店舗、
従業員の雇用)/国の産学協同にする(国家プロジェクト)。
◇ 試作品の商品化/販売(流通)の確保、確立促進/マネジメント/能力開発。
◇一つの村のロールモデルとして他の村々に普及させていく/村々同士の連携 ◆ ファシリテーターが2つ読み上げ、紹介する。原本にある8段目のカードを見て内容を確認する。
◆ Fコメント…援助をするには、プロセスがあるということを学ぶアクティビティである。
■ 第1回開催の記録
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★お昼休憩 先発12:15~13:15、後発12:30~13:30
2日目[セッション4]
■ 16.グローバル・パートナーシップからボトム・アプローチへ 13:42-[11]
◆ 開発教育・国際理解教育の歴史的背景をファシリテ
ーターから説明する。
◆ このような歴史的背景から配布資料にある「国連ミ
レニアム開発目標」が生まれた。
開発教育・国際理解教育に関わる歴史的背景
1960 年代 開発教育:途上国への意識啓発と支援
を促すために始まる
1972 年 ローマクラブ「成長の限界」→「持続
可能な開発(1987 年プルントラント委
員会報告)
1974 年 国際理解教育:「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由に
ついての教育に関する勧告」平和教育、人権教育、環境教育、開発教育
1992 年 地球サミット(リオ宣言)「持続可能な開発」に関する原則
1997 年 ハンブルグ宣言:国際成人教育会議「参加者が人権の最大の尊重を基盤とした、人間中心の
開発並びに参加型の社会のみが持続可能かつ公正な開発をもたらしうることを再確認」
2000 年 国際ミレニアム・サミット→ミレニアム開発目標…教材資料⑦
2005 年 持続可能な開発のための教育の10 年スタート
■ 17.子どもが未来をよりよく生きるために育みたい力 13:53-[22] →成果4参照
◆ 席替え後、ファシリテーターから問いかけ「研修の
大テーマは?」…「共に生きる力を育てる」。
◆ 各自、「共に生きる力とはどんな力か」を考え、グ
ループで10個にまとめる。5~7分間。
◆ ギャラリー方式で、他のグループの成果を見て回り、
よいアイデアを持ち帰る。
◆ Fコメント…自分の中で生きる力はどんな力かいえなければ子ども
たちに 生きる力を育むことはできない。意識化することが大切である。
■ 第1回開催の記録
19
■ 18.『ふたり☆おなじ星のうえで』 14:15-[23] →成果5参照
● 絵本を視聴―――――――――――――――
◆ 絵本『ふたり☆おなじ星のうえで』のインドのラマ
デビと日本の春佳の置かれている写真とイラスト
…教材資料⑧―1を順に、プロジェクターで投影
しながら、ファシリテーターが文を読み上げる。
◆ 見た感想を聞く。
◇ ラマデビの考えが載っていないのが気になった。
◇ 春佳は本当に幸せなのかな?ラマデビも実は幸
せではないか、と感じた。
● ラマデビと春佳にあるもの/足りないもの―――
◆ グループで、さきほど考えた「生きる力」のうち、
ラマデビと春佳それぞれに「あるもの」と「足りな
いもの」を話し合い、模造紙にまとめる。
● インドと日本のつながり――――――――――
◆ 綿を切り口にしたインドと日本のつながりを表す
資料…教材資料⑧―2を見る。
◆ Fコメント…受け止め方はいろいろでよい。本とは
そういうもの。春佳とラマデビを比べて、どっちが
豊かだろうか、どっちに生きる力があるだろう、ど
っちが幸せだろうか。いろんなところに創造力を働
かせることが大切である。「パレスチナの子どもと映像をつないで授業をした後、パレスチナで紛争が起き
た時、新聞を読まなかった中学生がパレスチナ関係の新聞記事に注目した。」という事例もあった。
■ 19.日本は豊かな国? well-being 14:38-[12]
◆ 各自、配られた資料「世界のデータ:①地球データ
マップ、②幸せってなんだっけ」…教材資料⑨を
読んだ後、「日本の豊かさシート」…教材資料⑩(教
育、意思決定、所得や賃金、健康と安全、ネットワ
ーク、環境、ゆとりある空間と時間、文化とジェンダ
ー)の各項目に対して、日本が「豊かな部分」、「豊
かでない部分」を考え、書く。
◆ Fコメント…共感的に他者(人・社会・国)との関
係をつなげていく力、自分の問題に置き換えて考える力→それを育む教育→つながりをより良質なものに!
「感じ気づく」→「考える」→「行動する」。
■ 第1回開催の記録
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■ 20.「豊かさ」を考えるとき大切な視点 14:50-[15] →成果6参照
◆ 各自、「豊かさ」を考える時に大切な視点、これは
外せない点を考え、用紙に書く。
◆ 会場を立ち歩き、出会った人と書いたことを紹介し
あう。3分間。
■ 21.全体ふりかえり・事務連絡 15:05-[15]
◆Fコメント…駆け足で進めて十分にふりかえる時間
がなったこと。豊かさについて揺さぶられたでしょ
うか。次回は持続可能について考える。
◆ 各自、第1回研修をふりかえり、①発見したこと、
②嬉しかったこと、③その他何でも感じたことを用
紙に書く。
◆ 事務連絡…今後の連絡は原則メールで行う。写真の
報告書、ホームページへの掲載の了承を得る。
★17:05 終了
お疲れ様でした!!