avfにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的...

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池田バスキュラーアクセス透析・内科クリニック 川原田 貴士、上野 庸介、谷口 英治、吉田 朋美 秋穂 寿、安田 透、池田 潔 AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての 検討

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Page 1: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

池田バスキュラーアクセス透析・内科クリニック

川原田 貴士、上野 庸介、谷口 英治、吉田 朋美

秋穂 寿、安田 透、池田 潔

AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての

検討

Page 2: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

背景

• バスキュラーアクセス(以下、VA)の狭窄に対して

• どのタイミングで経皮的血管形成術(以下、PTA)、あるいは修復を行うか?

Page 3: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

VAを評価する方法

• 血管造影

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VAを評価する方法

• 血管造影

• シャントトラブルスコアリング(以下、STS)

Page 5: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

VAを評価する方法

• 血管造影

• シャントトラブルスコアリング(以下、STS)

• 再循環率

• クリアランスギャップ(以下、CL‐Gap)

Page 6: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

VAを評価する方法

• 血管造影

• シャントトラブルスコアリング(以下、STS)

• 再循環率

• クリアランスギャップ(以下、CL‐Gap)

• 超音波診断装置(以下、エコー)による

血流量(以下、FV)、血管抵抗指数(以下、RI)など

Page 7: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

目的

• 現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、理学的所見、STS、エコーによる RI測定を用いている(H23.12月時点)が、

• どの評価方法が、VAの狭窄をより正確に 把握できるのか。

• 今回は、自己血管内シャント(以下、AVF)患者を対象にそれらの有用性を検討した。

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対象

• 2011年9月から12月の期間中に経皮的血管形成術(以下、PTA)を施行した当クリニック維持透析患者10名(男性5名、女性5名)

• VA:AVF(Arterio Venous Fistula)

• 透析時間:5時間

• 血流量(QB):200ml/min

• 年齢:平均57.4歳

• 透析歴:平均2年4ヵ月

Page 9: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

方法

• VA評価項目

①CL‐Gap ②再循環率 ③STS

エコー検査による

④RI ⑤血管拍動指数(以下、PI) ⑥FV

※全10症例のPTA前後で測定

Page 10: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

方法

• VA評価項目

①CL‐Gap ②再循環率 ③STS

エコー検査による

④RI ⑤血管拍動指数(以下、PI) ⑥FV

※全10症例のPTA前後で測定

• 実際のPTA前後の造影画像における、狭窄の改善率 との相関関係

Page 11: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

方法

• VA評価項目

①CL‐Gap ②再循環率 ③STS

エコー検査による

④RI ⑤血管拍動指数(以下、PI) ⑥FV

※全10症例のPTA前後で測定

• 実際のPTA前後の造影画像における、狭窄の改善率 との相関関係

Page 12: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

方法

• VA評価項目

①CL‐Gap ②再循環率 ③STS

エコー検査による

④RI ⑤血管拍動指数(以下、PI) ⑥FV

※全10症例のPTA前後で測定

• 実際のPTA前後の造影画像における、狭窄の改善率 との相関関係

• 「スピアマンの相関係数」を用いて評価

Page 13: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

• ONO式

(至的透析仮想研究所)

• 患者情報入力

• 透析条件入力

• 透析前後採血結果入力(BUN・Cr)

⇒Slow Flow Sampling法

• CL‐Gap抽出

<①CL‐Gap>

至的透析仮想研究所HP「至的透析解析シート」より

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• DCG‐03付属BV計

• 透析1・3・5時間目測定

• 最高値を抽出

<②再循環率>

日機装社製

透析監視装置 DCG‐03

Page 15: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

<③STS>

①異常なし

②狭窄音を聴取

③狭窄部位を触知

④静脈圧の上昇160mmHg以上

⑤止血時間延長

⑥脱血不良(開始時に逆行性に穿刺)

⑦透析後半1時間での血流不全

⑧シャント音の低下

⑨ピロー部の圧の低下

⑩不整脈

2011年版 (社)日本透析医学会 「慢性血液透析用 バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン」 890頁 シャントトラブルスコアリング(S.T.S)第Ⅰ版(Co-medical staffのために)より

0

1

2

(AVF:1,AVG:3)

2

5

1

(AVF:2,AVG:3)

2

1

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・7.25MHz

リニアプローブ使用

・Autoモード搭載

(角度補正、自動計算)

・RI(Resistans Index)

PI(Pulsatility Index)

FV(Flow Volume)

を自動算出。

・パルスドプラにて3回測定し、平均値を抽出。

<エコー(④RI・⑤PI・⑥FV)>

GE Health care社製 LOGIQ P5

Page 17: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

<エコーの測定部位>

・ 触知可能部位である

・ 動脈であるためプローブによる

圧迫変形の影響が小さい

・ 血管径が大きい

・ 角度補正が良好である

・ 橈骨動脈・尺骨動脈いずれの

AVFでも評価可能である

・ 末梢動脈に比べて石灰化が少なく

計測に再現性が高い

上腕動脈を使用 良好 狭窄

閉塞

Page 18: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

<狭窄改善率>

狭窄率= 非狭窄部血管径-狭窄部血管径

非狭窄部血管径 ×100

改善率=PTA前狭窄率-PTA後狭窄率

Page 19: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

<狭窄改善率>

狭窄率= 非狭窄部血管径-狭窄部血管径

非狭窄部血管径 ×100

改善率=PTA前狭窄率-PTA後狭窄率

< 例 >

3.5mm

改善率=54.3%-28.6%=25.7%

Page 20: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

<RI>

結果<散布図>

<STS>

<FV>

<再循環率> <CL-Gap>

<PI>

0

2

4

6

8

10

12

0 5 10 150

2

4

6

8

10

12

0 5 10 150

2

4

6

8

10

12

0 5 10 15

0

2

4

6

8

10

12

0 5 10 150

2

4

6

8

10

12

0 5 10 150

2

4

6

8

10

12

0 5 10 15

Page 21: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

結果<値>

RI FV PI STS CL‐Gap 再循環率

相関係数 +0.092 +0.073 +0.043 -0.062 -0.085 -0.591

• スピアマンの相関係数において

※RI・FV・PIが正の相関であった。

※STS・CL-Gap・再循環率が

負の相関であった。

Page 22: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

• AVFに関してPTA前後の評価は、

RI・FV・PIでの管理が有用な結果となった。

• 症例数が少なかったが、VA評価項目として有意な項目も含まれていた。

• 人工血管内シャント(以下、AVG)では、CL‐Gap、再循環率の有用性も高いという報告もある。 今後、AVGに関しても、有用な評価項目を検討し、 VA管理の指標として確立していきたい。

考察

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まとめ

AVFに関して、

エコー検査による

RI・FV・PIが

VA管理の評価項目として

有用であった。

Page 24: AVFにおける バスキュラーアクセス管理についての …...目的 •現在、当クリニックのVA管理の評価項目として、 理学的所見、STS、エコーによる

ご静聴ありがとうございました