③ 樹高区分図、立木密度区分図の作成...b01 広葉樹 4 3 382 312 -70 82 b02...

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3-54 ③ 樹高区分図、立木密度区分図の作成 葉樹及び広葉樹解析結果を合わせて、全域の区分区分を作 成した。区分図3.5.18 に、区分図3.5.19 す。 図 3.5.18 樹高区分図

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Page 1: ③ 樹高区分図、立木密度区分図の作成...B01 広葉樹 4 3 382 312 -70 82 B02 広葉樹 4 3 405 347 -58 86 B03 広葉樹 2 4 230 415 185 181 B05 広葉樹 2 1 247 148

3-54

③ 樹高区分図、立木密度区分図の作成

針葉樹及び広葉樹の解析結果を合わせて、全域の樹高区分図、立木密度区分図を作

成した。樹高区分図を図 3.5.18 に、立木密度区分図を図 3.5.19 に示す。

図 3.5.18 樹高区分図

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3-55

図 3.5.19 立木密度区分図

Page 3: ③ 樹高区分図、立木密度区分図の作成...B01 広葉樹 4 3 382 312 -70 82 B02 広葉樹 4 3 405 347 -58 86 B03 広葉樹 2 4 230 415 185 181 B05 広葉樹 2 1 247 148

3-56

3) 胸高直径

樹冠高モデル(DCHM)をもとに針葉樹、広葉樹ごとに胸高直径の算出を行った。

針葉樹については単木抽出法により、広葉樹については樹高及び立木密度より胸高

直径の推定を行った。算出結果を森林の土砂崩壊防止機能点数化単位の 20m メッ

シュに集計した。

① 針葉樹

単木抽出手法で得られた本数と樹頂点位置から得られた樹冠面積(スギ、ヒノ

キ、モミ)及び樹冠表面積(アカマツ)をもとに胸高直径を推定した。現地調査

プロットの平均胸高直径と樹冠面積の相関式を求め、その相関式を用いて胸高直

径を算出した。算出に用いる相関式を図 3.5.20 に示す。

図 3.5.20 現地調査の平均胸高直径と平均樹冠面積との相関

推定した胸高直径と現地調査プロットの平均胸高直径の精度検証結果を表

3.5.5 に、相関を図 3.5.21 に示す。胸高直径の推定精度は、樹種平均 RMSE が 3cm

で、決定係数 R2 が平均 0.8721 であり、精度良く胸高直径の推定が行われている

ことがわかる。

相関式:

スギ :胸高直径=10.005×樹冠面積 0.4357

ヒノキ :胸高直径=7.6197×樹冠面積 0.4994

アカマツ:胸高直径=16.211×樹冠面積 0.2062

y = 10.005x0.4357

R² = 0.7223

y = 7.6197x0.4994

R² = 0.8467

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0 5 10 15 20 25

現地

調査

プロット平

均胸

高直

径(cm

)

レーザデータ解析によるプロット平均樹冠面積(㎡)

スギ

ヒノキ

累乗 (スギ)

累乗 (ヒノキ)

y = 16.211x0.2062

R² = 0.6941

10

20

30

40

50

30 40 50 60 70 80 90

現地

調査

プロット平

均胸

高直

径(cm

)

レーザデータ解析によるプロット平均樹冠表面積(㎡)

アカマツ

累乗 (アカマツ)

Page 4: ③ 樹高区分図、立木密度区分図の作成...B01 広葉樹 4 3 382 312 -70 82 B02 広葉樹 4 3 405 347 -58 86 B03 広葉樹 2 4 230 415 185 181 B05 広葉樹 2 1 247 148

3-57

表 3.5.5 針葉樹胸高直径の精度検証結果

図 3.5.21 現地の胸高直径と推定値の相関

R² = 0.7218

R² = 0.9522

R² = 0.9423

10

15

20

25

30

35

40

45

10 15 20 25 30 35 40 45

現地

調査

プロット平均胸高

直径

(cm)

レーザデータ解析によるプロット平均胸高直径(cm)

スギ

ヒノキ

アカマツ

線形 (スギ)

線形 (ヒノキ)

線形 (アカマツ)

現地調査

(DBH1

)

レーザ解析

(DBH2

)

S01 スギ 26 25 -1 95

S02 スギ 28 29 1 102

S03 スギ 28 27 -1 95

S04 スギ 34 37 3 109

S05 スギ 33 43 10 129

S06 スギ 32 29 -3 92

30 32 1 104

- - 4 -

H01 ヒノキ 25 21 -4 84

H02 ヒノキ 18 17 -1 94

H03 ヒノキ 40 36 -4 90

H04 ヒノキ 25 21 -4 84

H05 ヒノキ 21 18 -3 85

H06 ヒノキ 21 15 -6 70

25 21 -4 84

- - 4 -

A01 アカマツ 35 35 0 100

A02 アカマツ 42 41 -1 98

A03 アカマツ 35 33 -2 94

37 29 -2 97

- - 1 -

地点

番号樹種

プロット平均胸高直径(cm) 算出誤差

(DBH2

-

DBH1

)

算出精度

(DBH2

/DBH

*100)

平均

RMSE

平均

RMSE

平均

RMSE

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3-58

② 広葉樹

広葉樹は樹頂点抽出が困難であるため、5m メッシュ内の樹高値と密度管理図

より得られた立木本数を用いて、密度管理図より 5m メッシュの平均胸高直径を

推定する手法を試みた。

現地調査プロットの胸高直径と密度管理図による胸高直径の精度検証結果を表

3.5.6 に、相関を図 3.5.22 に示す。胸高直径の算出精度は、RMSE が 13cm であり、

現地の値より過少に算出されている。また、決定係数 R2 が平均 0.3036 であり、

高い相関は得られていない。

表 3.5.6 広葉樹胸高直径の精度検証結果

図 3.5.22 現地の胸高直径と算出値の相関

現地調査

(DBH1)

密度管理図

(DBH2)

B01 広葉樹 25 21 -4 84

B02 広葉樹 46 22 -24 48

B03 広葉樹 47 24 -23 50

B05 広葉樹 28 15 -13 55

B06 広葉樹 29 15 -13 53

B07 広葉樹 37 27 -9 75

B08 広葉樹 20 21 1 104

B09 広葉樹 23 16 -7 70

B10 広葉樹 29 18 -10 64

B11 広葉樹 21 18 -3 87

平均 30 20 -11 69

RMSE - 0 13 -

地点

番号樹種

プロット平均胸高直径(cm) 算出誤差

(DBH2-

DBH1)

算出精度

(DBH2/DBH

*100)

R² = 0.3036

10

15

20

25

30

35

40

45

10 15 20 25 30 35

現地調査プロット平均胸高直径(cm)

密度管理図によるプロット平均胸高直径(cm)

広葉樹

線形 (広葉樹)

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3-59

③ 胸高直径区分図の作成

針葉樹及び広葉樹の解析結果を合わせて、全域の胸高直径区分図を作成した。胸高

直径区分図を図 3.5.23 に示す。

図 3.5.23 胸高直径区分図

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3-60

4) 材積

① 針葉樹

針葉樹については、レーザデータ解析により抽出した単木ごとの樹高、胸高直

径を用いて樹種ごとの幹材積式により単木の材積を算出した。算出した単木ごと

の材積合計値を 20m メッシュに集計した。また、20m メッシュの材積をもとに

ha 当たり材積を算出した。幹材積式を以下に示す。

・スギ・スギ・スギ・スギ

・ヒノキ・ヒノキ・ヒノキ・ヒノキ

・アカマツ・アカマツ・アカマツ・アカマツ

現地調査のプロット ha当たり材積と単木法によるプロット ha当たり材積の精

度検証結果を表 3.5.7 に、両者の相関を図 3.5.24 に示す。ha 当たり材積の算出精

度は、RMSE が、スギ 234 、ヒノキ 126 、アカマツ 91 で、決定係数 R2

はヒノキ、アカマツで高く、針葉樹については高い相関が得られた。スギについ

ては、現地調査の樹高が一定の狭い範囲に分布しており、それが影響し決定係数

がやや低く、RMSE が他の樹種より高い結果となっている。

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3-61

表 3.5.7 針葉樹材積の精度検証結果

図 3.5.24 現地 ha 当たり材積と推定値の相関

現地調査 レーザ解析現地調査

(V1)

レーザ解析

(V2)

S01 スギ 5.83 5.48 583 548 -35 94

S02 スギ 9.75 7.63 975 763 -212 78

S03 スギ 12.34 9.4 1234 940 -294 76

S04 スギ 9.02 6.09 902 609 -293 68

S05 スギ 9.06 10.1 906 1010 104 111

S06 スギ 11.08 7.91 1108 791 -317 71

9.51 7.77 951 777 -175 83

- - - - 234 -

H01 ヒノキ 2.29 1.62 229 162 -67 71

H02 ヒノキ 3.46 3.4 346 340 -6 98

H03 ヒノキ 6.47 6.15 647 615 -32 95

H04 ヒノキ 3.95 2.59 395 259 -136 66

H05 ヒノキ 5.45 3.48 545 348 -197 64

H06 ヒノキ 3.9 2.1 390 210 -180 54

4.25 3.22 425 322 -103 75

- - - - 126 -

A01 アカマツ 7.83 7.98 783 798 15 102

A02 アカマツ 15.36 13.79 1536 1379 -157 90

A03 アカマツ 5.77 5.65 577 565 -12 98

9.65 6.55 742 655 -51 84

- - - - 91 -

平均RMSE

平均

RMSE

平均

RMSE

プロットha当たり材積 ( /ha)算出誤差

(V2-V1)

算出精度

(V2/V1

*100)

プロット合計材積 ( )地点

番号樹種

R² = 0.4258

R² = 0.758

R² = 0.9942

0

300

600

900

1200

1500

1800

0 300 600 900 1200 1500 1800

現地

調査

プロ

ットha当

り材

積( /ha)

レーザデータ解析によるプロットha当り材積( /ha)

スギ

ヒノキ

アカマツ

線形 (スギ)

線形 (ヒノキ)

線形 (アカマツ)

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3-62

② 広葉樹

広葉樹については、樹冠高モデル(DCHM)から総体積法を用いて材積推定を

行った。推定式に用いる現地調査データについては、プロットの平均樹高と

DCHM に大きな差がある箇所は除外した。現地調査のプロット ha 当たり材積と

プロット内の総体積から得た材積の推定式を求め、5m メッシュの ha 当たり材積

を得た。推定式を図 3.5.25 に、精度検証結果を表 3.5.8 に、相関を図 3.5.26 に示

す。ha 当たり材積の算出精度は、RMSE が 124 、決定係数 R2 が平均 0.7279

であり、比較的高い精度で材積の算出が行われていることがわかる。

算出された 5m メッシュの ha 当たり材積平均値を 20m メッシュに集計し、メ

ッシュごとの合計材積を算出した。

図 3.5.25 現地調査プロットと総体積の相関

y = 0.0948x2.7912

R² = 0.6122

0

200

400

600

800

1000

0 5 10 15 20 25

現地

調査

プロ

ットha当

り材

積(

/ha)

現地調査プロット総体積(10000 /ha)

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3-63

R² = 0.7279

0

200

400

600

800

1000

0 200 400 600 800 1000

現地

調査

プロ

ットha当

り材

積( /ha)

レーザデータ解析によるプロットha当り材積( /ha)

広葉樹

線形 (広葉樹)

表 3.5.8 広葉樹材積の精度検証結果

図 3.5.26 現地 ha 当たり材積と推定値の相関

現地調査 総体積法現地調査

(V1)

総体積法

(V2)

B01 広葉樹 4 3 382 312 -70 82

B02 広葉樹 4 3 405 347 -58 86

B03 広葉樹 2 4 230 415 185 181

B05 広葉樹 2 1 247 148 -99 60

B06 広葉樹 5 6 123 145 22 118

B07 広葉樹 36 24 892 594 -299 67

B08 広葉樹 11 12 286 310 24 108B09 広葉樹 7 7 167 165 -2 99

B10 広葉樹 10 9 259 225 -34 87

B11 広葉樹 5 9 125 224 99 180

平均 9 8 312 289 -23 107

RMSE - 0 - - 124 -

地点

番号樹種

算出誤差

(V2-V1)

算出精度

(V2/V1

*100)

プロット合計材積 ( ) プロットha当たり材積 ( /ha)

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3-64

③ 材積区分図の作成

針葉樹及び広葉樹の解析結果を合わせて、全域の ha 当たり材積区分図を作成した。

材積区分図を図 3.5.27 に示す。この材積区分図と、後述する流木発生危険箇所分布

図を重ねあわせることで抽出される危険箇所のメッシュの材積をもとに、流木量を

推定する。

図 3.5.27 材積区分図

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3-65

5) 評価結果

以上の手法により求めた 20mメッシュごとの樹種、立木密度、胸高直径について、

表 3.1.15 に示す評価点を与え、掛け合わせることにより、森林の土砂崩壊防止機能を

相対的に評価したものが図 3.5.28 である。モデル地区①の上流域は良好な天然生林で

あるため、土砂崩壊防止機能は高く、一方下流域の過密で胸高直径の小さな林分では

土砂崩壊防止機能が低い傾向がみられる。

図 3.5.28 森林の土砂崩壊防止機能判定結果

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3-66

(4) 流木発生危険斜面の抽出

3.1.1 の手法による山腹崩壊危険度の判定結果と、3.1.2 の手法による森林の土砂崩壊

防止機能の判定結果とを重ね合わせることにより抽出した流木発生危険斜面の分布状況を

図 3.5.29 に示す。流木発生危険斜面は山腹の流木発生危険箇所となる。

図 3.5.29 流木発生危険斜面分布図

(※山腹崩壊危険度(高)はA、B、森林の土砂崩壊防止機能(低)は a、b を示す)