Ⅳ 産学連携実践型キャリア開発プログラムの推進と発展 Ⅳ · - 36 - 2...

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- 35 - Ⅳ 産学連携実践型キャリア開発プログラムの推進と発展 1 産学連携実践型キャリア開発プログラムの組立 平成 20 年度の産学連携実践型キャリア開発プログラムは、次のように構成され、進められた。 ・ 産学連携科目の選定と目的-産学連携科目は、資格対応科目以外のキャリア形成・応用科目と し、学生にビジネス現場を理解させ職業人としての動機付けを行なうことを目的とする。 ・ 産学連携科目A群-現場体験・実習型科目として 13 科目(インターンシップ、起業家塾、ボラ ンィア論、ボランティア体験、ビジネスマナー、産業論)を設定し、企業等の現場での体験・ 実習を行う。 ・ 産学連携科目B群-現場実践学習型科目として 41 科目(企業経営研究1・2、ベンチャー企業 論、現代経営、ゼミナールⅢ・Ⅳ等)を設定し、主として企業講師による実践的講義を行う。 ・ 効果測定-このプログラムの効果測定と改善課題抽出のため、授業ごとに受講学生へアンケー トを実施する。 図表4-1 産学連携科目一覧(平成 20 年度) 1 産学連携科目A群(13科目) 1年 2年 3年 4年 ボランティア論 ビジネスマナー インターンシップ ボランティア体験 起業家塾 キャリア開発 経済・経営の現場を知るⅡ 産業論 時事問題 環境論 現代経営入門 キャンパスライフ入門 長岡・新潟を知る 2 産学連携科目B群(41科目)    *ゼミは1科目の計算 コース 1年 2年 3年 4年 環境経済 環境経済学 環境経営 ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ 医療福祉経済 高齢者と社会政策 ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ まちづくり 地域経済学 地域産業政策 ゼミナールⅢ 地域経済論 ゼミナールⅣ 国際コミュニケーション 金融論 経済政策の国際比較 ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ 経営戦略 ベンチャー企業論 企業経営研究1・2 現代経営 ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ 事務会計 財務会計 経営分析 ゼミナールⅢ ビジネス法規 ゼミナールⅣ マーケティング 商品学入門 流通論入門 流通論 ロジスティクス 販売戦略 商品学 マーケティング1・2 ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ 生活環境 ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ 情報処理の基礎1・2 ゼミナールⅣ 情報システムの基礎1・2 ゼミナールⅢ 英語 共  通 情報ビジネス コース -35-

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Ⅳ 産学連携実践型キャリア開発プログラムの推進と発展

1 産学連携実践型キャリア開発プログラムの組立平成 20 年度の産学連携実践型キャリア開発プログラムは、次のように構成され、進められた。

・ 産学連携科目の選定と目的-産学連携科目は、資格対応科目以外のキャリア形成・応用科目と

し、学生にビジネス現場を理解させ職業人としての動機付けを行なうことを目的とする。

・ 産学連携科目A群-現場体験・実習型科目として 13 科目(インターンシップ、起業家塾、ボラ

ンィア論、ボランティア体験、ビジネスマナー、産業論)を設定し、企業等の現場での体験・

実習を行う。

・ 産学連携科目B群-現場実践学習型科目として 41 科目(企業経営研究1・2、ベンチャー企業

論、現代経営、ゼミナールⅢ・Ⅳ等)を設定し、主として企業講師による実践的講義を行う。

・ 効果測定-このプログラムの効果測定と改善課題抽出のため、授業ごとに受講学生へアンケー

トを実施する。

図表4-1 産学連携科目一覧(平成 20 年度)

1 産学連携科目A群(13科目)

1年 2年 3年 4年

ボランティア論 ビジネスマナー インターンシップ

ボランティア体験 起業家塾 キャリア開発

経済・経営の現場を知るⅡ 産業論 時事問題

環境論 現代経営入門

キャンパスライフ入門

長岡・新潟を知る

2 産学連携科目B群(41科目)    *ゼミは1科目の計算

コース 1年 2年 3年 4年

環境経済環境経済学 環境経営

ゼミナールⅢゼミナールⅣ

医療福祉経済高齢者と社会政策 ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ

まちづくり地域経済学 地域産業政策

ゼミナールⅢ地域経済論ゼミナールⅣ

国際コミュニケーション金融論経済政策の国際比較ゼミナールⅢ

ゼミナールⅣ

経営戦略ベンチャー企業論企業経営研究1・2

現代経営ゼミナールⅢ

ゼミナールⅣ

事務会計財務会計 経営分析

ゼミナールⅢビジネス法規ゼミナールⅣ

マーケティング

商品学入門流通論入門流通論ロジスティクス

販売戦略商品学マーケティング1・2ゼミナールⅢ

ゼミナールⅣ

生活環境ゼミナールⅢ ゼミナールⅣ

情報処理の基礎1・2 ゼミナールⅣ情報システムの基礎1・2

ゼミナールⅢ

英語

共 通

共  通

情報ビジネス

コース

環境経済

人間経営

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2 産学連携科目の実施状況-概要-平成 20 年度に実施した産学連携科目は、図表4-2に示す通りである。

各科目の学年別実施状況を整理すると、次のようになる。

図表4-2 産学連携科目一覧(平成 20 年度実施)

群 学年 産学連携科目 授業数

A群

1年キャンパスライフ入門(前期2回)、環境論(前期1回)、ボランティア論(前期1回)、長岡・新潟を知る(後期 8回)

12回

2年起業家塾(8月集中)、産業論(後期6回)、ビジネスマナー(後期3回)

10回

3・4年インターンシップ(8~9月の職場体験実習)、

キャリア開発(前期3回)、日本事情(前期1回)

4回

B群

1年

2年ベンチャー企業論(前期 2回)、企業経営研究2(後期 4回)、ロジスティクス(後期 1回)

7回

3・4年ゼミナールⅢⅣ(前期 1回、後期 3回)、経済政策の国際比較(後期 1回)、現代経営(後期2回)

7回

合 計 40回

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マコー株式会社顧問 松原 亨氏長岡大学理事長   品川英夫氏

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科目[20-40] ボランティア体験 2008 年5月~11 月 担当教員:平野 順子・山川 智子

1 目的 実際にボランティア活動を体験することにより、これまで学んだことを活かしながら、社会参加の

意義を確認し、一市民としての役割を学ぶ。年代や背景の違う人たちとコミュニケーションしながら、

自ら考えて動くこと、そしてチームワーク等について学ぶ。 2 履修について 1年次以上が履修可能な選択科目(教養科目)

参加者: 人、単位修得者: 人

3 科目概要 (1)事前学習内容

①ボランティア活動を行うにあたっての社会一般マナー

②さまざまな人とのコミュニケーションのとりかた

③研修課題の設定について

④ボランティア日誌、レポートの書き方について など

(2)ボランティア体験内容

・長岡自閉症親の会主催の自閉症サマーキャンプ:自閉症児キャンプのサポート

・ 法人地域循環ネットワーク:里道・里山整備、給食の残さ回収

・雪国植物園:園内整備

・長岡中央綜合病院:患者援助、事務補助等

参加学生は、自らの興味に合わせていずれかの活動を選び、主に夏休みを中心として、ボラン

ティア活動に参加した。

(3)事後学習内容

①ボランティア活動から学んだことについてのディスカッション

②レポートについての個別指導

③ボランティア体験報告会の準備指導、実施

4 ボランティア体験についての概要 昨年度に開講された「ボランティア体験」も今年度で 2 年目を迎えた。ボランティア体験をさせて

いただいた受け入れ先も増え、2009 年2月 12 日(木)には、4チーム各 10 分間相当の発表を行った。

(発表者総数 11 名、男子 10 名、女子1名)

(1)地域循環ネットワーク(2008 年5月~8月)発表者 3名、(男子3名、女子0名)

里山整備、給食残渣回収など

*5月 17 日以降7月頃まで、里山整備は3日開催。給食残渣回収は、8月中旬より各自の都

合に合わせて連続した3日間参加した。里山整備と給食残渣回収で合計 50 時間相当の作業

に従事した。

(感想)「もっと山道などを歩く作業に適した服装で臨めば良かった。」

「予想以上に給食残渣の量が多く、もったいないと思った」

「さまざまな取り組みを見て、環境について考えるいい機会となった」

(2)自閉症児キャンプ(2008 年6月~9月)発表者3名、(男子3名、女子0名)

キャンプ参加、交流会など

*6 月 14-15 日に研修キャンプ、7月 12 日にこどもたちとの顔合わせ、8月1-3日本番キャ

ンプ実施、9月 20 日に思い出会を開催。各自の都合に合わせて参加し、トータルで 50 時間

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以上の活動実績となる。

(感想)「もっと積極的に子供たちに接してゆけば良かったと思う」

「事前の準備不足もあって、最初はどう動いていいのかわからなかった」

「言葉だけに頼らず何かを伝えようとする気持ちの大切さを学んだ」

(3)雪国植物園(2008 年7月~11 月)発表者2名、(男子2名、女子0名)

草刈り、植樹などの園内の整備

*ボランティア活動は月1~2回日曜のみ開催。学生たちの参加日程は、7月 13 日、8月 24

日(中止)、9月 14 日、10 月 12 日、11 月9日であった。1日の平均作業時間は6時間程度。

50 時間に満たない部分は、DVD を見ての植生の勉強などで補った。

(感想)「年代が違う人たちとのコミュニケーションが取れて良かった」

「作業は大変だったが、自然と触れ合えた。達成感もあった」

(4)長岡中央綜合病院(2008 年8月)発表者3名(男子2名、女子1名)

患者さんのご案内、車いすやカルテ整理補助

*午前中5時間(8:30-13:30)×10 日間、合計 50 時間を、8月4日~9月5日の期間で各自の

都合に合わせて消化した。

(感想)「挨拶は当たり前とわかってはいても、なかなか声が出なかった」

「本当にお世話になった方に座ったままお礼を言ってしまった」

「健康の有り難さが身にしみた。来年もやりたい」

5 今年度の成果 本科目は、昨年度からはじまり2年目であった。試行錯誤中のため、検討すべき課題は多い。

以下に、今年度の成果と考えられることを挙げてみる。

①初めての経験をすることによる学び

参加学生の多くは、継続的にボランティア活動を行うことが初めての経験だった。そのなかで、「は

じめて経験をして知ったこと、気付いたこと、学んだこと」についての感想が多くあった。医療、

福祉、環境等、これまでは興味はあったものの、自ら参加したことはなかった学生達が、直に体験

することで、地域に根ざし熱心に活動している人や団体の存在を知った。自分が果たすことができ

る役割、相手から求められていることに対して応えることなど、頭ではわかっていたはずのことで

も、実際に体験することで改めて気づきを得て、心から理解したことも多かった。純粋に学んだり、

感動を得たことは、若い学生達にとっては非常に重要かつ貴重な経験となった。

②学生の社会人基礎力の向上

ボランティア体験の目的には、主体的にボランティア活動に参加することにより、コミュニケー

ション力やチームワーク力等の社会人基礎力を向上させることもある。実際に、学生達は学校の外

の活動に参加し、はじめて出会う人たちとのコミュニケーションをしてきた。自分が対処しなけれ

ばならないころから逃げないで取り組み、興味をもった活動に対して積極的にふれあい、自分の意

志で学び取ってきたものと思われる。

③先輩達との交流

昨年、本授業を通してボランティア活動に参加した上級生の一部は、本年もボランティア活動に

参加した。彼らは2年目ということもあり、1年生に比べて成長した面が散見された。本授業の受

講生は全て1年生であるが、自分たちよりも経験を積み、活動の場でも適切な対処をしている上級

生を見て、思うところがあったようだ。上級生とのコミュニケーションの機会として、このボラン

ティア活動の場があったということも、2年目ならではの成果であろう。

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④社会人基礎力指標の利用

当初より、本授業の評価は「社会人基礎力指標」を利用している。昨年に引き続き本年も評価指

標を使うことにより、データの蓄積がなされ、ボランティア活動と社会人基礎力との関連の検討が

なされてきた。

6 今後の課題 ① 「ボランティア」に対する責任感の醸成

授業期間中、怪我や病気等により、ボランティア活動に最後まで参加できなかった学生が、本

年も出て、受け入れ先にご迷惑をおかけしてしまうことがあった。学生たちの一部には、「ボラン

ティアなんだから、休んでも大丈夫」というボランティア活動に対する責任感の欠如が垣間見ら

れたことも確かである。

この点については、事前授業の中で厳しく指導をしてきたが、それでも数人の途中脱落者が出

てしまった。来年度は、さらに厳しくボランティアに対する責任感を醸成し、途中脱落者が出な

いように心掛けたい。

② 授業管理のマニュアル化

年度途中に、授業の進行を務めていた担当教員が産休に入ってしまった為、急遽代わりの教員

が指導を引き継いだ。その為、引き継ぎ事項や指導方法に若干食い違いが生じた面は否めない。

本授業については、早急に授業管理方法をマニュアル化して、全学を巻き込んだ体制にしてゆき

たい。

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科目 [20-41] 起業家塾 2008 年 8 月 18 日(月)~8 月 21 日(木) 担当教員:原田 誠司

本学としては4回目の起業家塾を夏季集中講座(平成 年 月 日~ 日)として開催した(2単位科目)。参加学生は、長岡大学 名で、1チーム( ~ 名)で5チーム編成した。起業体験講座とビジネスプラン講座を前半、後半に分けて行った。起業家塾の初日と最終日に行われた効果測定テストの中でフューチャーマップ診断テストを実施した。

Ⅰ 平成 20 年度「起業家塾」実施プログラム <第1日>8月 18 日(月) 1 開講式 *場所:226教室 進行:原田 ~・開講のあいさつ/講座の概要について 担当教員 原田 誠司・当講座の進め方について セルフウイング講師 平井 由紀子・効果測定プレテスト ~・社会の求める人材像と起業家精神 ~

* 分休憩2 前半:起業体験講座 *場所:225教室 ①導入-ルールの説明 ~

②チーム(会社)づくり ~③商品企画/仕入れ ~(材料仕入れ活動) ~

<第2日>8月 19 日(火) *場所:225教室 ④事業計画作成 ~

⑤製造・ポスター作成 ~⑥プレゼンテーション(以下、 教室) ~ (*プレゼン準備 ~ )

⑦販売・購買活動 ~⑧決算 ~⑨振り返りと講評 ~

<第3日>8月 20 日(水) 3 後半:ビジネスプラン講座 *場所:225教室

①新製品のアイディア出しの方法 ~ 長岡大学教授 宝寄 浩一

②導入とチームづくり(説明) ~③チームづくり ~④マーケティング/事業プラン作成 ~⑤事業プラン中間発表 ~

<第4日>8月 21 日(木) *場所:225教室 ⑥事業プラン発表準備 ~

*以下は、226教室 ⑦事業プラン発表 ~

⑧講評等 ~⑨効果測定テスト ~

*審査会合4 閉講式 ~ ・閉講のあいさつ・表彰 長岡大学長 原 陽一郎・まとめ 担当教員 原田 誠司

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Ⅱ 起業体験(ものづくり)講座

(株)タオルザトリオ 製品:「タオル de パンツ」/398 円 特徴: 銭湯で便利!タオルかつパンツとして使用可能

社長/会計

仕入/販売

製造/宣伝

荒谷 千啓

内山 健太

高橋 祐也

決算:

売 上 高

費 用

利 益

R O I

7,828 円

6,300 円

1,528 円

24.3%

(株)ルーツ 製品:「カオルちゃん」/1,000 円

特徴:抗菌・防臭の香るくつ下

社長/会計

仕 入

製 造

販 売

宣伝は全員

片岡 洋一

斉藤 健二

村山 新

荒澤 健太

決算:

売 上 高

費 用

利 益

R O I

2,000 円

1,921 円

79 円

4.1%

Cool Passion 製品:「ドレミファド―夏」/500 円

特徴:暑い部屋でも集中力UP

社 長

会計/宣伝

販 売

販 売

仕入は全員

猪股 瑞樹

木村 寛樹

五十嵐純也

羽賀 拓也

決算:

売 上 高

費 用

利 益

R O I

2,500 円

2,000 円

500 円

25.0%

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(株)エコべん天 製品:「ぐるピタ」/150 円 特徴:重い荷物を持った際、手肩にかかる負担や痛みを緩和できる

社長/宣伝

会 計

仕入/製造

販 売

真保 春香

山田 駿

佐藤こず恵

平井 恵

決算:

売 上 高

費 用

利 益

R O I

1,500 円

1,620 円

-120 円

(株)TABACO 製品:「蛍光灰皿」/400 円 特徴:暗い所でも灰皿の場所がわかり重ねた事により火事を防げる

社 長

仕 入

山田 恭輔

佐藤 俊

決算:

売 上 高

費 用

利 益

R O I

1,600 円

1,050 円

550 円

52.4%

Ⅲ ビジネスプラン講座 後半のビジネスプラン講座では、各チームのビジネスプランの審査が経営者・有識者により行われ、表彰された。 *審査委員 審査委員長 原 陽一郎 長岡大学長

審査委員 松原 亨 マコー(株)顧問

有本 匡男 ながおか新産業創造センター長

河田 博 (株)ホクギン経済研究所副所長

宝寄 浩一 長岡大学教授

原田 誠司 長岡大学教授/科目担当教員

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●最優秀賞

メンズ・ビューティー・アラタニ 「男性専用美容室」

●優秀アイディア賞

株式会社 Beautiful Life 「コーポラティブハウス・システム事業」

●優秀サービス賞

(株)Next Shift 「ドライビングサポート・システム事業」

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科目 [20-42] インターンシップ 2008 年8月1日(金)~9月7日(日) 担当教員:伊吹 勇亮

学生が自らの専攻や将来のキャリアに関連した企業等で就業体験をし、より実践的な勉強への意欲

と主体的な職業選択能力を養成する」ために、2001年の開学以来 年生を対象としたインターン

シップに積極的に取り組んでいる。これまでに の企業・団体・機関の協力をえて 名の学生が

参加している。 年目を迎えた今年度は、過去最多の 名の参加となった。平成 年度も例年通り

8~9月に各2週間程度で実施した。

図表1 平成 20 年度インターンシップ 派遣先企業・団体・機関 計 33 機関(順不同)

株 アークベル 株 NS・コンピュータサービス 株 エフエムラジオ新潟

株 コープビル 三条市役所 医療法人社団しただ

株 品川鋳造 株 シマキュウ 株 上越観光開発

ダイエープロビス 株 株 第四銀行 株 高儀

株 中央印刷 長岡移動電話システム 株 長岡技術科学大学

長岡市役所 長岡都市ホテル資産保有 株 財 新潟県国際交流協会

株 新潟クボタ 株 新潟放送 日精サービス 株

日本精機 株 株 ハードオフコーポレーション 原信ナルスホールディングス 株

株 ホクギン経済研究所 株 ホテル新潟 特定医療法人楽山会三島病院

その他(医療福祉業、金融業、自治体、情報処理業、農業協同組合、米菓製造業)

図表2 年度別参加学生数

年度 年度 年度 年度 年度 年度

参加学生数 人 人 人 人 人 人

参加率 %

図表3 インターンシップ実施風景

冠婚葬祭業 情報サービス業 社会福祉施設

農業機械卸・小売業 ホテル

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図表4 インターンシップへの参加目的

( 年度インターンシップ実施に関する学生へのアンケートより)

図表5 参加したことによる成果(複数回答)

( 年度インターンシップ実施に関する学生へのアンケートより)

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4 学生の産学連携科目評価―アンケート結果―以上の産学連携科目について、受講学生はどう評価したか。個別には、上記の科目毎に掲載されて

いるのでご覧いただきたい。

(1)理解度 93.9%、役立ち度 94.3%

図表4-4は、上記の産学連携科目・企業講師授業における全てのアンケート結果を集計した結果

である。ここで全体的傾向を整理しておきたい。

平成20年度の企業講師の授業の理解度をみると、「よくわかった」41.1%、「まあまあわかった」52.8%

で、ほとんどの学生(合計 93.9%)がほぼ理解できた、と言えそうだ。知識の習得という面での「よ

くわかった」の割合は前2年に比べやや上がったが 40%程度で、「まあわかった」(53%程度)の方が

多くなっている。これは、授業が経営者等の実践的・専門的内容が多く、学生が知らない知識・ノウ

ハウが多かったためと見られる。役立ち度と比べれば明らかだ。

平成 20 年度企業講師授業の役立ち度は、「ためになった」50.2%、「まあまあためになった」44.1%

で、ほとんどの学生(合計 94.3%)が役に立ったと評価している。平成 20 年度は「ためになった」割

合が前2年に比べやや下がっているが 50%強程度で、「まあまあためになった」(44%弱程度)を3年

間ともに上回っている。理解度の評価を加味すれば、理解度はやや低くても、役立ち度はかなり高い

と言える。これは、知識は難しくても、仕事の仕方や人生の姿勢などは非常に参考になるからだとみ

てよいであろう。各授業でのためになった理由としてこうした事項が多くあげられている。

この3年間の企業講師授業の理解度、役立ち度は、双方とも 90%程度で圧倒的に高く、学生の企業

講師の授業に対する評価は非常に高いことを示している。企業講師の授業は知識習得面ではやや難し

い面もあるが、実践的な社会人基礎力・人間力養成面でより大きなプラス効果を学生に及ぼしている、

と言えよう。その意味でも、企業講師の意義は非常に大きいと評価しなくてはならない。

図表4-4 産学連携科目・企業講師授業学生アンケート結果

Q.本日の講義の内容はよくわかりましたか(理解度)

Q.この講義はためになりましたか(役立ち度)

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(2)高い体験型授業への参加率と学生の高評価

産学連携科目・企業講師授業についての評価は、後述する全学生対象の「学生満足度調査」(「長岡

大生の生活と大学に関する調査」、平成 20 年 12 月実施)でも聞いている。

図表4-5によれば、まず、平成 20 年度の企業講師授業の受講経験がある学生は 70%程度(72.5%)、

企業見学を体験した学生は 40%弱(36.4%)であった。前年度と比べると、企業講師授業の体験割合

はやや減少(80.7%から 72.5%へ)であったが、企業見学体験割合は大幅減少(52.4%から 36.4%)と

なった。これは、上記の産学連携科目・企業講師授業の開講状況をみれば明らかなように、開講回数

減が大きく影響しているとみてよいであろう。インターンシップ(3年次科目)の体験割合は 21.6%

で、前年(20.3%)とほぼ同じであった。これは1~4年の学生全体に対する割合であり、3年生だ

けに限れば、50%を越えている。

企業見学体験割合は低下したが、全体として、学生の実践型・現場体験型授業への認識が深まって

いるといえよう。

では、受講学生のこれら科目に関する評価はどうか。図表4-6にみるように、学生の評価は非常

に高い。平成 20 年度の企業講師授業を評価する学生は 89.0%(「よかった」40.9%+「ややよかった」

48.1%)、企業見学のそれは 96.6%(「よかった」68.6%+「ややよかった」28.0%)、インターンシッ

プのそれは 87.2%(「よかった」58.6%+「ややよかった」28.6%)と圧倒的割合を占める。

その中でも、「よかった」の割合をみると、企業講師(40.9%)はやや低いが、企業見学(68.6%)

とインターンシップ(58.6%)は高く、より体験型授業が高く評価されていることがわかる。

以上から、実践型・現場体験型授業が学生に高く評価されていることは明らかであり、実践型・現

場体験型授業の拡大が学生の満足度を高めることに通ずると言える。

図表4-5 学生の受講・体験の有無

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図表4-6 受講学生の授業評価

(3)高い今後の実施要望

では、これら授業の今後の実施要望はどうか。図表4-7に見るように、企業講師授業は %、

企業見学は %、インターンシップは %が「今より多くの実施を希望」している。企業見学は

前年より希望割合が増えている。これは、上記の実践型・現場体験型授業が学生により強く望まれて

いることを示すものである。

以上の結果は、次年度以降の産学連携科目の進む方向を明示している。

図表4-7 産学連携科目授業の今後の実施要望

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5 産学連携科目展開の教訓と今後の課題 3年間の産学連携科目の実施状況を振り返って、教訓と課題を整理しておきたい。

まず第1に、企業講師授業の拡大・充実を図ること。企業講師による授業=企業講師授業は学生に

非常に大きなプラス効果を与えており、企業講師授業の質量双方での充実を図る必要がある。とくに、

連携企業の拡大による新コース科目での企業講師授業を充実させる必要がある。

第2に、現場体験・参加型授業の重要性を確認し一層の充実を図ること。企業講師授業には、次の

4つのタイプが見いだせる。①教室での講演・講義方式(この方式が最も多い)、②企業見学・現場体

験方式(企業経営研究、マーケティング、流通論、ロジスティクス、ゼミ等)、③PBL型授業=問題

解決・プロジェクト型授業方式(起業家塾、ビジネスマナー、マーケティング、ゼミ等)、④職場実践

体験方式(インターンシップ)。いずれも参加学生の評価は高く、知識力だけでなく社会人基礎力養成

に有効であることがわかった。

なかでも、②~④の現場体験・参加型授業、とくに③のPBL型授業は極めて重要である。学生(グ

ループ)が<課題の設定-解決方式(マニュアル)-独自アイディア・解決方式開発-アウトプット・

成果物>の一連の作業を行うことにより、企画力・実行力等の社会人基礎力が飛躍的に高まる。①、

②は学生の動機付けにとって有効であり③の基礎をつくる。ゼミ等で③を拡大・充実させ、卒業提案

の充実を図る必要がある。

*PBLとは、問題解決型学習 Problem-based learning/プロジェクト型学習 Project-based

learning を指す。

平成 20 年度のPBL型授業としては、起業家塾と3・4年ゼミがあげられる。後者のゼミは、平成

19 年度に選定された地域活性化GPで、10 ゼミでPBL型授業を展開した。キャリアGP終了後の来

年度において、3・4年ゼミを中心に、さらなるPBL型授業の拡大を図ることが望まれる。

第3に、これを踏まえ、学年進行に対応して、現場体験・参加型授業の一層の体系化・計画化を図

る必要がある。例えば、次の方向で具体化することを検討する。

・1年次-必修・キャリア科目の企業講師授業で動機付け

・2年次-専門・キャリア科目で諸現場体験・参加型授業

・3年次-ゼミ・専門科目でPBL型授業+インターンシップ参加

・4年次-ゼミで卒業提案仕上げ

第4に、企業講師授業の円滑な推進のために一層の改善を図り、共通ノウハウ(マニュアル)づく

りを進めること。学生と担当教員からの主な改善点を整理しておく。

・企業講師授業の位置づけ・性格を明確にして依頼する

・事前学習-質疑応答-アンケート-事後フォローのサイクルを形成する

・企業講師へのアンケートも行う

・企業講師にアンケート結果等を報告する

・学生が企業見学・現場体験参加等の際の前後の授業への配慮を行う

・受講学生のマナー(聞く姿勢、ノート、発言等)に注意を払う

最後に、本プログラムは今年度で終了するが、一層発展した長岡方式の産学連携教育プログラムへ

と飛躍させることをめざす必要がある。補助金が終了すると元に戻ってしまわないように心がけなけ

ればならない。

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