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別添 4 クラウドの利活用促進のための自立的なネットワーク 形成と新たなビジネスモデルの構築に関する調査等 近畿地域調査報告書

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別添 4

クラウドの利活用促進のための自立的なネットワーク

形成と新たなビジネスモデルの構築に関する調査等

近畿地域調査報告書

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i

■■■ 目 次 ■■■

第1章 事業概要 .............................................................................................................................................................................. 1

1.1 中小ユーザ IT利活用研究会 .............................................................................................................................. 1

1.2 関西クラウド研究会 ................................................................................................................................................ 2

第2章 中小ユーザ IT利活用研究会 .................................................................................................................................... 3

2.1 実施体制 .......................................................................................................................................................................... 3

2.2 検討フロー ..................................................................................................................................................................... 5

2.3 IT経営ガイドの改訂とユーザ企業への活用 ............................................................................................ 6

2.4 IT経営ガイド活用アンケート ....................................................................................................................... 10

2.5 金融機関連携による IT化相談案件の状況 ............................................................................................ 14

2.6 IT化案件の発掘から IT化調達支援までの仕組み ........................................................................... 16

第3章 関西クラウド研究会 ................................................................................................................................................. 19

3.1 実施体制 ...................................................................................................................................................................... 19

3.2 検討スケジュール ................................................................................................................................................. 20

3.3 調査研究の進め方 ................................................................................................................................................. 22

3.4 中小ベンダが所有するSaaS等ソリューションに関する調査について .......................... 24

3.5 SaaSソリューションの連携案 .................................................................................................................. 26

3.6 ベンダ連携交流会 ................................................................................................................................................. 34

第4章 まとめ及び今後の課題 ............................................................................................................................................ 41

4.1地域金融機関と連携した ITユ-ザの発掘とクラウドサービスの活用について .............. 41

4.2 事業化に向けた自立型ビジネスモデルの構築について ............................................................... 42

4.3 地域独自の取り組み・革新的な成果等 ................................................................................................... 49

■参考資料(中小ユーザ IT利活用研究会) ................................................................................................................ 52

1.IT経営ガイド(第2版) ........................................................................................................................................... 52

2.IT経営ガイド活用アンケート結果 ....................................................................................................................... 56

■参考資料(関西クラウド研究会) .................................................................................................................................. 60

1.ベンダ連携交流会アンケート結果........................................................................................................................ 60

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- 1 -

第 1章 事業概要

平成23年度近畿地域中小企業利活用基盤整備事業では、以下の4つの研究会を実施した。

新規ビジネス創出研究会

中小ユーザ IT利活用研究会

大手・地域ベンダ連携研究会

マーケットプレース研究会

平成24年度の事業では、上記研究会の中から、引き続き詳細な検討を進める必要があると思

われる「中小ユーザ IT利活用研究会」、「大手地域ベンダ連携研究会(平成24年度は「関西クラ

ウド研究会」)」について検討することとした。

1.1 中小ユーザ IT利活用研究会

平成23年度の中小ユーザ IT利活用研究会では、金融機関と連携して、金融機関の顧客担当の

方々を介して、中小企業の IT化相談案件を輩出するために、そのツールとして、「IT経営ガイド」

を作成した。この IT 経営ガイドを金融機関の方々に活用いただいた結果、IT 化相談案件を輩出

することができた。

しかし、活動を通じて、以下の課題が明らかになった。

IT経営ガイドの内容の充実(取り組み事例や各種制度の紹介)

IT化相談案件を輩出した後の IT導入までのプロセスに対する支援策の活用

大阪以外の金融機関に対する事業参加の働きかけ・要請の必要性(関西地域への展開)

以上の課題を踏まえ、平成24年度は、平成23年度に引き続き研究会を開催し、以下の内容

について取り組むこととした。

平成23年度の「IT経営ガイド」を基に、改訂版の作成

IT化案件から IT化計画書作成(RFP作成)部分における各種専門家派遣制度の活用方

策の整理

大阪以外の京都、和歌山等の地方銀行、信用金庫に対する本事業への参加要請

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1.2 関西クラウド研究会

平成 23 年度の大手・地域ベンダ連携研究会では、「関西クラウド構想」として、関西地域の

ベンダがクラウドビジネスに参入するために必要な機能について検討した。

その結果、以下の機能が必要であることが明らかになった。

○関西クラウドが提供する4つの機能の詳細な検討

SaaS開発・運用環境の提供

新たなSaaSソリューションの構築

地域ベンダの発掘

関西発クラウド情報発信

○関西企業のクラウドサービスデータベースの検討

○関西クラウドの運営方法についての検討

上記検討課題のうち、関西クラウドが提供する4つの機能の中で、「新たな SaaS ソリューシ

ョンの構築」に着目して検討することとした。

その理由として、ITベンダが提供しているSaaSソリューションは数多くあるが、ユーザ企業

が利用する場合に、複数のソリューションの中から、必要な機能を組み合わせて利用することが

できれば、ユーザニーズに応じたSaaSソリューションを提供することができると考えた。

そこで、大手ベンダや関西地域の中小 IT ベンダが所有する複数の SaaS 等業務パッケージを

組み合わせて、一つの新たなSaaSソリューションを構築するための方策について検討すること

を目的として研究会を実施した。

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- 3 -

第2章 中小ユーザ IT利活用研究会

2.1 実施体制

2.1.1 中小ユーザ IT人材利活用研究会に参加した団体・企業及びアドバイザー

IT 活用による経営改善を希望するユーザ企業からの相談を増やすことを目的として金

融機関8行他、合計30団体・企業・アドバイザー・オブザーバー及び事務局による、中

小ユーザ IT利活用研究会(以降、「ユーザ研究会」とする)を組織し、3回にわたって、IT

利活用を促すための方策を検討した。

表2-1.中小ユーザ IT利活用研究会参加メンバ一覧

(順不同、敬称略)

氏  名 所属/役職

座長 川端 一輝 一般社団法人ITC-Labo. 代表理事

アドバイザー 中野 秀男 大阪市立大学名誉教授

委員 加藤 正和 ITPプラザ 代表

阿部 健中小企業基盤整備機構 近畿支部 モノ作り中小企業支援 チーフアドバイザー

松本 敬介 大阪商工会議所 経済産業部 課長

水谷 泰久日本政策金融公庫 大阪支店中小企業事業 総括課 総括課長

谷川 雄紀 池田泉州銀行 先進テクノ推進部 調査役

野村 建近畿大阪銀行 営業企画部情報リレーション部 中小企業支援ネットワーク強化事業 上級アドバイザー

内屋 雅之大阪信用金庫 総合研究センター 調査役 中小企業支援ネットワーク強化事業 上級アドバイザー

更谷 祥朗 紀陽銀行 地域振興部 ピクシス営業室  副長

青木 隆夫 近畿情報システム産業協議会 事務局長

手計 将美 情報サービス産業協会 広報サービス部長

竹中 勝昭 情報サービス産業協会 関西地区会 理事

落合 宏章 情報サービス産業協会 関西地区会 事務局長

奥谷 裕子 株式会社オージス総研ソリューション開発本部 計画部 部長

細川 貴史 和歌山県情報政策課 課長

塩路 眞英 和歌山県情報政策課 課長補佐

岡田 善夫 和歌山県企業振興課企業支援専門員

宮本 一光 紀陽情報システム株式会社

三浦 慎吾 京都銀行 法人部 地域密着型金融推進室 主任

藤野 孝昭 京都信用金庫 連携支援部

鈴木 宏明 きのくに信用金庫 経営相談室 次長

オブザーバー 山口 洋 近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 課長

大塚 公彦 近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 課長補佐

笹田 雅之 近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 総括係長

中塚 一雄 NPO法人ITコーディネータ協会 事務局 部長

事務局 深野 二郎 一般財団法人関西情報センター 理事

竹中 篤 一般財団法人関西情報センター 理事

西田 佳弘 一般財団法人関西情報センター 新事業開発グループ リーダー

牧野 尚弘 一般財団法人関西情報センター 事業推進グループ 主任研究員

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2.1.2 各会ユーザ研究会のテーマと議事概要

各回の研究会ごとに議題を設け、合計3回にわたって、ユーザ研究会を開催した。

■第1回研究会

開催日時:平成24年7月27日(金)15:00~17:20

開催場所:(一財)関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○研究会概要説明

○IT経営ガイドブック改訂版について

○各種専門家派遣事業の活用及びe相談所の活用について

○IT化案件のフォローアップについて

○今後の予定

■第2回研究会

開催日時:平成24年10月 4日(木)15:00~16:30

開催場所:(一財)関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○研究会開催概要説明

○IT経営ガイドブック改訂版について

○説明会の開催状況について(紀陽銀行)

○IT化案件の進捗状況について

○今後の予定

■第3回研究会

開催日時:平成24年12月19日(水)15:00~17:00

開催場所:(一財)関西情報センター 第一会議室

議事概要

○研究会報告書(案)について

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2.2 検討フロー

IT 活用に関する相談を促す手段として、経営に IT 活用が必須であることの気付きを促すため

のガイド(IT経営ガイド)を作成し、ユーザ企業へ広めるため、その利用方法を金融機関法人担

当者向きに説明会を開催した。そして、金融機関法人担当者を通じて、ユーザ企業に IT活用が経

営課題を解決できる手段となり得ることを紹介し、その中から、ITの導入・活用によって自社の

経営課題を解決することを希望する企業の紹介を依頼した結果や意見を収集するために、金融機

関法人担当にアンケート協力を依頼し、金融機関との連携可否やその手法を分析した。

調査検討フローを図2-1に示す。

図2-1 調査検討フロー

IT経営ガイド(第2版)作成

IT経営ガイド(第2版)の活用説明会の開催

受講者アンケート実施

金融機関及び関係機関に IT経営ガイドの配布

IT経営ガイドの活用アンケートの実施

IT化相談案件の輩出

IT経営ガイド(初版)の改善点の整理

IT課題解決のシナリオ例、事例紹介、取り組み

IT化案件の発掘から IT調達までの各種支援制度の活用

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2.3 IT経営ガイドの改訂とユーザ企業への活用

2.3.1 IT経営ガイド改訂のポイント

IT経営ガイドは、平成23年度に第1版を作成し、平成24年度は、第1版を活用した中で

メンバーの意見をもとに改善を行い、第 2 版として作成した。第 2 版での改訂ポイントは次の

とおりである(「IT経営ガイド(第2版)」は巻末の参考資料を参照)。

IT経営ガイド(第2版)見直しのポイントと IT経営ガイド(第2版)(表紙のみ)

IT経営ガイド(第1版)に対するご意見と見直し(案)

IT経営ガイドについて

簡易な冊子

導入効果を記載

事例を多く掲載

IT経営ガイドの再編集

e相談所について

利用方法のルール化

ユーザ企業について

ターゲットの設定

その他

銀行職員の境域組込み

事例を追加して掲載

事例を業種別に掲載

事例を事業規模別に掲載

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2.3.2 IT経営ガイド説明会及び配布実績

IT経営ガイドの説明会は、参加者の業務に配慮し、平日の定時後1時間程度とした。

また、ITの経営ガイド説明会への出席者及び配布実績は次のとおりで、IT経営ガイドを金融機関

をはじめ、複数の団体などに広く配布し、活用を促した。

表2-2 ITガイド説明会開催実績

表2-3 IT経営ガイド配布実績

金融機関名 説明会開催日 参加者人数 備考

紀陽銀行 平成24年10月3日 31名

配布数 配布先

50 株式会社日本政策金融公庫

140 池田泉州銀行

500 11/20 追加発送50部 近畿大阪銀行

400 大阪信用金庫

5 大阪商工会議所

50 近畿経済産業局

100 一般社団法人ITC-Labo.

30 コンピューターマネージメント株式会社

30 京都銀行

70 NECシステムテクノロジー株式会社

10 京都信用金庫

20 NPO法人ITコーディネータ協会

600 一般社団法人情報サービス産業協会

200 紀陽銀行  

5 明治大学

5 大阪市立大学名誉教授

5 ITPプラザ 代表

5 中小企業基盤整備機構

5 近畿情報システム産業協議会 

5 株式会社オージス総研

5 和歌山県

100 和歌山県

5 紀陽情報システム株式会社

2,345

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2.3.3 IT経営ガイド説明会受講者アンケート(抜粋)

前述の「2.3.2」にて実施した IT経営ガイド説明会における受講者アンケートの結果につ

いて、以下に示す。

■紀陽銀行向け IT経営ガイド説明会

日 時:平成24年10月3日(水)18:30~19:30

場 所:紀陽銀行堺支店 会議室

参加者:31名

1.はじめに 2.ITのご相談は「e相談所」へ 3.これまでの取り組み

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4.IT課題解決のシナリオ例 5.IT活用事例 6.夢や課題と ITの関連図

7.より詳しい情報をご希望の方に

なお、IT経営ガイド説明会では、概ね理解できたとの意見が大勢をしめたが、参加者からは次

のような意見があり、ITを経営に活かすための活動を実施するための前向きな意見があった。

IT経営ガイド説明会でのご意見(抜粋)

ITは、経営・財務・生産管理をつないでいるものだと思います。そんな中 ITに詳しくない

者としては、e相談所等があることは非常にありがたく利用できるかと思います。

引出しの一つとします。IT経営を周知徹底すべき(存在を知らない)。

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2.4 IT経営ガイド活用アンケート

各金融機関にアンケートの協力を依頼し、結果を集計した。

<調査概要>

(1)調査期間と回答回収数

調査期間:平成24年11月14日~平成24年11月28日

回 収 数: 61名分

(2)調査手法

金融機関 7 行の研究会メンバが窓口となり、主に IT 経営ガイド説明会に参加した金融機関法

人担当者を対象に直接記入方式でアンケートの協力を依頼した。

(順不同・敬称略)

(3)調査項目

IT経営に関する取引先の反応

取引先から受ける経営相談の分野

取引先へ IT経営を紹介した結果を踏まえて ITで解決可能な経営相談の有無

IT経営ガイドへの要望

IT経営ガイドへの意見(自由記述)

研究会への意見(自由記述)

アンケート依頼先

紀陽銀行

京都銀行

京都信用金庫

近畿大阪銀行

日本政策金融公庫

池田泉州銀行

大阪信用金庫

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- 11 -

(4)調査結果

図2-2 IT経営ガイドを説明した場合の顧客からの反応

IT経営を紹介した結果、30%以上の取引先から経営相談があったとの回答を得た。一方で、IT

経営につながる経営相談は、わずかな数にとどまり、かつ IT経営相談へ進展した事例はほとんど

なかった。

図2-3 取引先からの具体的な相談内容

取引先から寄せられた具体的な相談内容について見ると、「経営計画、経営改善計画など」が

61 名中、32 名と最も多く、次いで「税務や財務」に関する相談が 31 名となっている。さら

に「事業継承」が 29 名と続いているが、「IT 関連」は1名にとどまっているものの「マーケテ

ィング(14名)」等の課題について、詳細な分析を加え、ITで解決できる部分があるか見極める

必要がある。

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図2-4 過去に受けた相談の中から ITが役に立つと思われる分野

IT 経営ガイドを踏まえて、過去に受けた経営相談の中から、どのような分野の相談に IT が役

立つのかを聞いたところ、「マーケティング」との回答が59名中、29名と最も多かった。また、

先の取引先からの相談内容の結果と同様、「経営計画、経営改善計画など」との回答も 25 名と

なっていた。「マーケティング」、「経営改善計画など」では、IT が役立つと考えており、IT 活用

の潜在的なニーズを確認することができた。

図2-5 IT経営ガイドへの要望

取引先向けに配布するチラシを要望されている法人営業担当者が圧倒的に多く、50名中、36

名からの回答があった。その他の要望としては、「IT 経営ガイドに掲載の事例などについて、法

人担当渉外向きに説明会を行なって欲しい」との要望が10名あった。

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- 13 -

図2-6 「e相談所」に追加すべきサービスメニュー

現状の「e 相談所」システムにあったらよいと思われるサービスメニューについてたずねたと

ころ、「金融機関から直接、専門家の情報を閲覧できる」機能を要望された回答が59名中、33

名であり、最も多かった。次いで、他の金融機関の事例が投稿・閲覧できる」機能に関する回答

が 22 名、さらに「顧客の相談事を「e 相談所」に投稿・閲覧できる」機能に関する回答が 16

名となっており、「e相談所」のシステムに格納されている情報、またはこれから格納すべき情報

はオープンにし、システムの利用者が相互に情報を共有できる仕組みが望ましいといった意見が

多く見受けられた。

IT経営ガイドは「2.3.1」で述べたとおり、平成23年度に第1版を作成し、平成24年

度は、第1版を活用した中でいただいた意見をもとに改善を行い、第2版として作成した。

平成23年度及び平成24年度の IT経営ガイドを活用した IT化相談案件の状況については、

次節「2.5」で述べる。

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- 14 -

2.5 金融機関連携による IT化相談案件の状況

ここでは、平成23年度及び平成24年度における IT経営ガイドを活用した金融機関連携によ

る IT化相談案件の輩出状況について述べる。

研究会に参加している金融機関の顧客担当の方々に IT 経営ガイドを配布して、顧客からの相

談・問い合わせ等を通じてあげられる各種経営課題の中から、何らかの形で ITを活用することに

より、その課題を解決することができると思われる案件について調査した。その結果、平成 23

年度及び平成24年度と合わせて、15件の IT化相談案件があった。その結果を表2-4に示す。

表2-4 金融機関連携による IT化相談案件の状況

このうち、No.1 の建築金物卸は、専門家とのマッチングを行った後、中小企業支援ネットワ

ーク強化事業の専門家派遣を活用して、RFP を作成し、IT ベンダに対する説明会、IT ベンダか

らのシステム提案会、ITベンダの選定を行った後に、IT導入にまで至ったケースである。

このプロセスは、IT経営ガイド(第2版)の「IT課題解決のシナリオ例 ~金融機関担当者の

情報が課題解決に至るまで~」にて紹介している。

売上規模(億円)

1 建築金物卸 5~10 オンラインショップの活性化

2 給食材料販売 5~10 産地直販マーケティングの企画

3 婦人靴製造販売 15~20 経営改善計画

4 水産卸・小売 20以上 業務拡大に向けた経営計画

5 広告デザイン 1未満 インターネット活用方法

6 サービス業 15~20 現行システムの評価と課題抽出

7 紳士服製造・販売 1~5 販売・生産管理システム

8 輸入雑貨卸 20以上 システムリプレースのベンダ選定

9 建築塗料卸 10~15 WEBマーケティング

10 整骨院 1~5 複数の分院のレセプト集中管理

11 住宅建設 10~15 アフターサービス、メンテナンス管理

12 自動車販売 5~10 インターネット活用による情報発信

13 アクセサリー輸入卸 1~5 ホームページ作成

14 運輸 1~5 インターネット活用による販路開拓

15 輸送機器部品製造 3~5 オンラインショップの導入検討

業種 相談内容

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- 15 -

この活動を通じて、ユーザ企業において IT導入まで至ったケースはあるが、平成23年度の

「中小ユーザ IT利活用研究会報告書」で言及したとおり、紹介企業を IT導入段階へ勧めるため

には、専門家による支援が不可欠となる。しかしながら、多くの中小企業では資金面が脆弱であ

り、専門家を活用するための費用負担が困難な場合が多い。このために、公的支援機関が運営す

る専門家派遣などの制度を活用するなど、ユーザ企業のニーズに応じて、ケースごとに既存の支

援制度等を組み合わせ、効果的に活用するための方策を検討する必要がある。

図2-7 IT利活用案件の創出と各機関の役割のイメージ(改訂版)

Page 18: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 16 -

2.6 IT化案件の発掘から IT化調達支援までの仕組み

2.6.1 各種支援制度の活用方策、マッチングのための仕組み(平成 23 年度からの改訂

ポイント)

当研究会では、中小ユーザ企業が IT化による経営課題の解決を模索する際、中小ユーザ企業が

IT化の調達に至るまでの各プロセスを可視化し、それぞれのプロセスにおいて必要となる役割と

その役割に応じて必要な機関・人材を用意し、中小ユーザ企業において、特別なスキルや知識が

なくとも IT化を進めることができる仕組みについて検討した。

図2-8 e相談所を活用した IT化案件の発掘から IT化調達支援までのプロセス

(1) 相談案件の登場

まず、中小ユーザ企業が抱えるさまざまな経営課題(例:もっと売上を拡大したい)

を明確にする。

(2) e相談所への相談案件登録

「(1)」で明確になった経営課題を「e相談所」に「相談案件」として登録する。

(3) 企業訪問による相談案件のヒアリング

「e相談所」に登録された「相談案件」の内容にもとづき、事務局で相談内容に適した

経営相談員や上級アドバイザーなどを選定し、相談があった企業により、具体的な相

談内容を把握するため、企業訪問を行う。

このとき、相談された経営課題が軽微な内容であった場合(例:ホームページ作成、

会計システムの導入等)、中小ユーザ企業は相談内容及び解決策を無料の専門家派遣制

度で行う「エキスパートバンク制度(詳細は後述)」を活用する。また、相談内容が中

小ユーザ企業の基幹系業務等、重要な経営課題であった場合は、一定の回数までは専

門家の派遣が無料となる「中小企業支援ネットワーク強化事業(平成 23 年度~平成

24年度)」や「専門家継続派遣事業」などを活用する。

(4) RFP(Request For Proposal)の作成

企業訪問した経営相談員や上級アドバイザーが、中小ユーザ企業の相談内容をヒアリ

ングし、相談内容にもとづいた IT化による経営課題解決に向け、システムベンダ企業

が提案できるRFP(提案依頼書)を作成する。

Page 19: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 17 -

(5) e相談所を介したRFP説明会の実施

作成されたRFPの内容をシステムベンダ企業に公開し、中小ユーザ企業がどのような

経営課題を抱え、その経営課題を解決するために、どのようなシステムを調達しよう

としているのかについて説明を行う「RFP説明会」を開催する。

(6) ベンダ企業からのRFP説明会の内容をもとにしたシステム提案会の開催

RFP説明会の内容を受け、システムベンダ企業から、中小ユーザ企業に対して、経営

課題解決のために提供できるソリューションなどを提案する「システム提案会」を開

催する。

(7) 調達先ベンダの決定

「システム提案会」の内容を受け、中小ユーザ企業が自社の経営課題を解決するにあ

たり、最も適したシステムベンダ企業を選定する。

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- 18 -

2.6.2 各種専門家派遣支援制度について

「2.6.1」で述べた経営課題の詳細内容把握から、解決策の提示・RFP作成までのプロセ

スを支援する各種の専門家派遣制度が国や地方公共団体、中小企業支援関連機関などから提供さ

れている。ここでは、平成24年度、当研究会に参加された地域である京都府、大阪府、和歌山

県における専門家派遣制度を整理したものを以下に示す。

■京都府下の企業が活用できる専門家派遣制度

■大阪府下の企業が活用できる専門家派遣制度

■和歌山県下の企業が活用できる専門家派遣制度

■各地域共通で活用できる専門家派遣制度

事業名 概要 所管 問い合わせ先

エキスパートバンク制度

京都府商工会連合会に登録された専門家が各企業の経営課題に対応。1回目の派遣は無料とし、2回目以降の派遣は相談企業負担(12,000円)となる

京都府商工会連合会

京都府商工会連合会 経営支援課京都市右京区西院東中水町17TEL 075-314-7151FAX 075-314-1037

事業名 概要 所管 問い合わせ先

エキスパートバンク制度

大阪商工会議所の経営相談員が対応(IT相談は毎週火曜日午後に実施)。相談内容に応じて、経営相談員が登録専門家を派遣。軽微な経営課題(ホームページ作成、会計システム導入等)が対象。専門家の派遣及びIT化計画書の作成は5回までは無料。5回で作成できない場合、引き続き依頼企業負担でIT化計画書を作成

大阪商工会議所

大阪商工会議所中小企業振興部 経営相談室内 2階TEL:06-6944-6472FAX:06-4791-0444

事業名 概要 所管 問い合わせ先

中小企業支援ネットワーク強化事業

中小企業支援ネットワーク期間に相談。上級アドバイザー(相談員)が企業訪問し、相談内容から事業計画づくりを支援。相談内容に応じて最適な専門家を選定し、派遣。3回まで、依頼企業の負担なく専門家からIT化計画書作成を支援。3回で作成できない場合、引き続き依頼企業負担でIT化計画書を作成

近畿経済産業局

近畿経済産業局 産業部 中小企業課Tel  06-6966-6023(直通)FAX 06-6966-6083

専門家継続派遣事業経営課題の解決や企業目標の達成に向けて、専門家を長期継続的に派遣し、ソフト面を中心に総合的な支援を行います。

中小企業基盤整備機構

中小機構 新事業支援部 創業ベンチャー支援課〒105-8453東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル5階電話:03-5470-1564FAX:03-5470-1531

事業名 概要 所管 問い合わせ先

新・成長企業育成支援地域の中核企業を目指す中小企業のため、企業が行う成長戦略の策定や課題に応じた専門家派遣、中核人材の導入などを継続的に支援します

和歌山県企業振興課岡田企業支援専門員073-441-2760

専門家継続派遣ベンチャー企業や経営革新、経営課題解決を目指す中小企業に対し、専門家を長期間継続して派遣します

中小企業基盤整備機構企業振興課木戸上主任073-441-2760

和歌山県ネットサクセスクレイター育成

ネット販売による販路拡大・売上向上を目指す企業に対し、県が認定したネットサクセスクリエイター(全国有数の販売実績を誇る和歌山県無いのネット販売事業者)が実施する勉強会を紹介します

和歌山県情報政策課森主事073-441-2406

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- 19 -

第3章 関西クラウド研究会

3.1 実施体制

本研究会は、研究会及びワーキンググループの二部で組織を構成した。

ワーキンググループでは、研究会で議論するための基礎資料を作成した。

研究会では、ワーキンググループが作成した資料を基に、研究会メンバ間で討議を行った。研

究会及びワーキンググループのメンバを表3-1、表3-2に示す。

さらに、SaaS 等アプリケーションを所有する IT ベンダのうち、他社との SaaS ソリューシ

ョンやパッケージの連携によるアライアンスにより、新たなサービスの提供や販路拡大を希望す

る ITベンダを対象に、「ベンダ連携交流会」を開催した。

ベンダ連携交流会の詳細については「3,6」を参照されたい。

表3-1 研究会メンバ

(順不同・敬称略)

所属 役職 氏名

座長 大阪市立大学 名誉教授 中野 秀男

コーディネータ 株式会社オージス総研 取締役執行役員 技術部長 宗平 順己

一般社団法人ヒューリット・マネジメント・フォーラム 理事 川野 太

委員 NECシステムテクノロジー株式会社 経営企画部長 落合 宏章

コンピューターマネージメント株式会社 代表取締役社長 竹中 勝昭

特定非営利活動法人日本情報技術取引所 関西支部 支部長 石丸 博士

株式会社インネット 代表取締役 川井 利通

株式会社システム創見 代表取締役社長 桑原 人司

株式会社ケー・エス・ディー 取締役システム企画部  永井 庸輔

シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 専務取締役 西村 淳子

株式会社スマートバリュー 取締役 竹下 賢治

オブザーバ 近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 課長 山口 洋

近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 課長補佐 大塚 公彦

近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 総括係長 笹田 雅之

事務局 一般財団法人関西情報センター 理事・情報化推進グループマネジャー深野 二郎

一般財団法人関西情報センター 理事・新事業開発グループマネジャー竹中 篤

一般財団法人関西情報センター 事業推進グループマネジャー 三坂 勝弘

一般財団法人関西情報センター 新事業開発グループ マネジャー 小島 一哉

一般財団法人関西情報センター 新事業開発グループ リーダー 西田 佳弘

一般財団法人関西情報センター 事業推進グループ 主任研究員 牧野 尚弘

一般財団法人関西情報センター 新事業開発グループ 研究員 井川 修次

Page 22: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 20 -

表3-2 ワーキンググループメンバ

(順不同・敬称略)

3.2 検討スケジュール

研究会及びワーキンググループの検討経緯を以下に示す。

第1回研究会

開催日時:平成24年 7月30日(月)15:00~17:00

開催場所:一般財団法人関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○研究会の進め方、ケースの提示

○中小ベンダが所有するSaaS等サービスに関する調査(案)

○ベンダ連携交流会について

第1回ワーキンググループ会合

開催日時:平成24年 8月29日(水)15:00~17:00

開催場所:一般財団法人関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○中小ベンダが所有するSaaS等サービスに関する調査について

○ビジネステーマの設定について

○ベンダ連携交流会の開催内容について

第2回ワーキンググループ会合

開催日時:平成24年 9月26日(水)10:00~12:00

開催場所:一般財団法人関西情報センター 第一会議室

所属 役職 氏名

座長 大阪市立大学 名誉教授 中野 秀男

コーディネータ 株式会社オージス総研 取締役執行役員 技術部長 宗平 順己

一般社団法人ヒューリット・マネジメント・フォーラム 理事 川野 太

オブザーバ 近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 総括係長 笹田 雅之

事務局 一般財団法人関西情報センター 理事・情報化推進グループマネジャー深野 二郎

一般財団法人関西情報センター 理事・新事業開発グループマネジャー竹中 篤

一般財団法人関西情報センター 事業推進グループマネジャー 三坂 勝弘

一般財団法人関西情報センター 新事業開発グループ マネジャー 小島 一哉

一般財団法人関西情報センター 新事業開発グループ リーダー 西田 佳弘

一般財団法人関西情報センター 事業推進グループ 主任研究員 牧野 尚弘

一般財団法人関西情報センター 新事業開発グループ 研究員 井川 修次

Page 23: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 21 -

議事概要:

○特定ビジネステーマの選定

○ベンダ交流会の開催内容イメージ検討

第2回研究会

開催日時:平成24年10月11日(木)15:00~17:00

開催場所:一般財団法人関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○中小ベンダが所有するSaaS等サービスに関する調査の回収状況に関する報告

○特定ビジネステーマ及び検討テーマのグルーピング

○ベンダ連携交流会の開催概要

○関西クラウド研究会のポータルサイトの活用

第3回ワーキンググループ会合

開催日時:平成24年10月19日(金)10:00~12:00

開催場所:一般財団法人関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○ベンダ連携交流会にて議論すべき特定ビジネステーマの選定

○ベンダ連携交流会の開催内容イメージに関する検討

○ベンダ連携交流会のグルーピング

ベンダ連携交流会

開催日時:平成24年11月 8日(木)13:00~17:00

開催場所:梅田スカイビル タワーウェスト スペース36R

開催概要:

○SaaS連携方策の検討

○SaaS連携に向けてのビジネス化、技術的課題の検討

第4回ワーキンググループ会合

開催日時:平成24年11月20日(火)10:00~12:00

開催場所:一般財団法人関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○ベンダ連携交流会の実施報告

○関西クラウド研究会報告書目次案の検討

第3回研究会

開催日時:平成24年12月11日(火)15:00~17:00

開催場所:一般財団法人関西情報センター 第一会議室

議事概要:

○関西クラウド研究会報告書(案)について

○今後の具体的な連携に向けて

Page 24: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 22 -

3.3 調査研究の進め方

3.3.1 調査研究のフレームワーク

今回の調査研究は、平成23年度の検討成果である「関西クラウド構想」のうちの「新たなSaaS

ソリューションの構築」の具体化を図ることである。この検討にあたって、一般的にBPM+SOA

と知られている開発プロセスを応用することにした。

この開発プロセスの概念を示したものを図3-1に示す※1。

具体的な

図3-1 BPM+SOAの開発モデル[1]

1 T. Munehira,‘ A study on a Generic Development Process for the BPM+SOA Design

and Implementation’, WASET,ISSUE 59, NOVEMBER 2011 Fig.3を和訳

Page 25: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 23 -

3.3.2 調査研究の進め方

この開発プロセスの要となるのは、サービスマッピングである。これは業務フローの各作業(以

下アクティビティと称す)に対して、その作業に対応するサービスを割りつける作業である。

本検討にあたっては、このサービスマッピングを実践することとした。すなわち、業務プロセ

スに対し、SaaSアプリケーションをマッピングすることを試みることとした。

SOAの設計では、アクティビティをBCE分析を応用したサブワークフローに分解したうえで、

サービスリポジトリに登録されたサービスを割り当てる。より詳細な検討を行う際には、このよ

うなアプローチが必要となるが、平成24年度は「関西クラウド」の実現可能性を探ることが目

的であることから、検討の粒度を粗くすることとした。

具体的には、表3-1に示すマトリクス表を用いて検討をする。

表3-1 検討に用いたマトリクス表

この表の列には業務機能(この分類はポーターのバリューチェーンモデルに基づく)の中分類

までを示している。行にはSaaSソリューション名を記述し、そのSaaSソリューションがどの

業務機能をサポートしているのかを表に○印を付けるなどして視覚化した。

3.3.3 調査研究の進め方

あらかじめ対象となる業務がわかっていれば、表3-1に従って、当該業種の業務機能を洗い出

し、それをサポートできるSaaSソリューションを探して表を埋めるという手順をとることが妥

当である。

しかしながら、今回は可能性を探ることが目的であることから、現時点で関西クラウドを実体

化させるとどのような業種を支援することができるのかを示すというシーズ志向のアプローチを

採用することとした。これは業種を特定したものの該当するSaaSが見つからず、関西クラウド

構想は実現不可能であるとの誤った結論を導かないためでもある。

以上を踏まえ、平成24年度の調査研究は次の3ステップで行うこととした。

SaaS名称商品の選択

サプライヤの選択

商品登録

発注計画

発注登録

入荷予定登録

受入 返品引き合い

納期回答

顧客登録

受注 出荷 配送 売上 入金顧客分析

販促計画

質問対応

ブログ登録

SNSフォロー

メール送信

商品企画 商品の調達 商品の販売 顧客マネジメント

関連業務機能

Page 26: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 24 -

(1)関西のベンダが保有するSaaSソリューションの調査

SOAの導入では図3-1に示すようにサービスリポジトリが豊富であれば、サービスマッピン

グのみで実現できる業務プロセスが増える。このサービスリポジトリに替わるものとして、関西

のベンダが保有するSaaSソリューションを調査し、これをライブラリ化する。

(2)集まったSaaSソリューションをもとにSaaSソリューション連携案の検討

次にSaaSソリューションのライブラリを「眺め」ながら適用可能性のある業種を設定し、そ

の上で表3-1に従って、SaaSソリューションの連携案を策定する。

適用可能性の検討にあたっては、業務を知る研究者が、登録されたSaaSソリューションの情

報を読むことで、「この SaaS ソリューションはこの業種のこの業務に適用できそうだ」という

判断を重ねることによって実施する。

(3)この検討プロセスの周知と実現課題を明らかにするためのベンダ連携交流会の開催

(2)の検討はWGメンバが中心となって実施するが、この方法論を周知せるために、現在広

く IT化の検討テーマとして挙げられている「ヘルスケア」分野を取り上げ、その業務の棚卸を実

施し、登録されたSaaSソリューションを割りつけてみるという作業を公開する。この公開作業

の共同体験を通じて、SaaSソリューションの連携にあたっての課題を洗い出す。

以上を目的として、ベンダ連携交流会を開催した。

3.4 中小ベンダが所有するSaaS等ソリューションに関する調査について

3.4.1 調査の範囲・実装方法

研究会では、始めに関西地域の中小ベンダが所有するSaaS等ソリューションを把握すること

を目的に、アンケート調査を実施した。

次に、アンケート調査結果に基づき、SaaS連携のための特定ビジネステーマを選定し、業務

機能とそのテーマを実現するためのSaaS等ソリューションとの関係を整理した。

さらに、ベンダ連携交流会にて、研究会で検討した特定ビジネステーマの検討方法をもとに、

ヘルスケア分野のビジネステーマを選定し、業務機能とSaaS等ソリューションとの関係を整理

した。

また、研究会やベンダ連携交流会等でSaaS連携のためのビジネス化(連携の主体となる企業、

契約、個人情報の取り扱い等)技術的な解題(システム間の連携やデータ連携等)についても検

討を行った。

以上の検討結果を取りまとめ、SaaS連携モデルの実現に向けての課題や解決策について取り

まとめた。

調査検討フローを図3-2に示す。

アンケート調査「中小ベンダが所有するSaaS等サービス調査」

関西地域の中小ベンダが所有するSaaS等ソリューションの把握

Page 27: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 25 -

図3-2 調査検討フロー

3.4.2 調査の概要及び実施結果

3.4.2.1 調査の概要

(1)調査の目的

IT ベンダ企業が所有している SaaS 等を始めとした各種のソリューションの実態を把握し、

「新たなSaaS連携のための方策」を明らかにすることを目的として実施した。

(2)アンケート項目

・ソリューション名

・ソリューションの開発の狙い

・ソリューションが想定する利用シーン等

・ソリューションの特徴・機能等

・ソリューションの提供方式

・ソリューションの提供価格

・ソリューションの稼働環境,開発技術 等

(3)調査方法

電子メール送付

(4)調査期間

平成24年8月6日(月)~平成24年8月31日(金)

(5)調査対象

業務機能とSaaS等ソリューションの関係を整理

特定分野におけるビジネステーマの選定

プロショップ向け小売り、ものづくり、建設、ヘルスケア

ビジネス化及び技術的課題の抽出

SaaS連携モデルの実現に向けての課題や解決策の検討

Page 28: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 26 -

関西地域の ITベンダ

・研究会参加企業

・研究会参加メンバからの推薦企業

・JISA関西地区会メンバ企業

・平成23年度「ITベンダのクラウドビジネス参入のための交流会」出展ベンダ企業 等

(6)回答状況

33社より、61ソリューションの回答を得た。

3.4.2.2 調査の実施結果

関西地域の ITベンダ33社より、61ソリューションの回答結果を整理した。

個別の内容については、参考資料の「中小ベンダが所有するSaaS等サービス調査」回答結果

一覧表を参照されたい。

3.5 SaaSソリューションの連携案

ここでは、前節の調査結果より、始めに特定ビジネス分野を想定して、その分野におけるサー

ビスのテーマ、ビジネスモデル、狙いを設定した。

次に、特定分野における業務機能を洗い出し、その機能を満たすSaaSソリューションを抽出

した。

その結果、「プロショップ向け小売」、「ものづくり分野」、「建設業分野」、「ヘルスケア分野」

の4分野について、ビジネステーマを設定した。

なお、SaaSソリューションについては、特定業種向けに開発されたもの等があったが、その

機能を他業種への展開に利用する等机上ではあるが、業務機能とSaaSソリューションとの関係

の中で、できるだけ多くのSaaSソリューションを記載するようにした。

以下に、業務機能とSaaSソリューションとの関係を示す。

3.5.1 プロショップ向け小売り

(1)ビジネステーマ

プロショップらしい顧客サービスによる顧客の囲い込み

(2)ビジネスモデル

地域密着型のプロショップで対面接客を重要視する。

Web販売も原則配送はせず、店舗渡しとする。

このため、Webでの全国販売は目的としない。

(3)狙い

プロショップは専門店としての品ぞろえだけでなく、専門店ならではの顧客へのアドバイス、

情報提供などがその店の存在価値となる。

単なる業務処理のSaaSソリューションでは顧客サービスには対応できない。また、当然の

Page 29: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 27 -

ことながら対面販売だけでなくネット販売にも対応しないといけない。

そこで、コアとなる業務系 SaaS ソリューションに Web 販売、顧客マネジメント、SNS

などのSaaSソリューションを組み合わせてプロショップらしいSaaSに仕立て上げた。

(4)業務機能とSaaSソリューションとの関係

業務機能とSaaSソリューションとの関係を整理したものを表3-2に示す。

Page 30: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 28 -

表3-2 業務機能とSaaSソリューションとの関係(プロショップ向け小売り)

凡例 ◎ アプリケーションのコア機能

○ アプリケーションで一部対応可能

△ カスタマイズで対応可能

M モバイル化

SeqNo.

SaaS名称(会社名) 利用目的商品の選択

サプライヤの選択

商品登録

商品の選択

サプライヤの選択

商品登録

発注計画

発注登録

入荷予定登録

受入 返品発注計画

発注登録

入荷予定登録

受入 返品引き合い

納期回答

顧客登録

受注 出荷 配送 売上 入金商品情報登録

レコメアクセスログ

引き合い

納期回答

顧客登録

受注 出荷 配送 売上 入金修理受付

見積もり

作業登録

使用部品登録

積算 請求 入金顧客分析

販促計画

質問対応

ブログ登録

SNSフォロー

メール送信

20 TACTICS(アッドワン) バックオフィス業務 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △

23-1 Web受注システム(ノックス) Web販売のインターフェイス ○ ○ ○

12-1 Joruri(リバティ・フィッシュ) ○

28-1 いくくるウェブ(スマートバリュー) ○

1-2 レコマド(シルバーエッグ・テクノロジー) ○ ○

15-2さぶみっと!レコメンド(イー・エージェンシー)

○ ○

13 WilTalk(ユーネット)顧客とのコミュニケーションサイト。顧客同志の交流も。店長がファシリテーション。

○ ○ ○

10 配達っち!(マイクロワークス) 上記と連動したメール送信 ○

15-1 shutto(イー・エージェンシー) 上記のアプリのスマホ対応(CMS除く) M M M M M M M M M M M M M M

商品の調達

パーツの調達

関連業務機能

商品企画

修理 顧客コミュニティ

商品の販売

Webでの商品紹介。頻繁な商品入れ替えが容易で、スマホ対応している方を選択

顧客の商品選択をアシスト。なるほどと思ってもらえる情報提供ができる方を選択

店頭販売 ネット販売新サイクル取扱企画 新パーツ取扱企画 サイクルの調達

業務フロー

Page 31: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 29 -

3.5.2 ものづくり分野(ソフト)

(1)ビジネステーマ

会社全体(あるいは、共同で業務にあたる企業群)での資源最適配置による個別委託事業の

顧客満足度向上と利益確保。

(2)ビジネスモデル

受託型による制作・開発企業(WEB制作構築・ソフトウェア開発・デザイン印刷など)で

は、限られた資源(ヒト・モノ・カネ)の中で、外部のパートナーなどと連携しながら、常に

複数の委託事業をこなしている。

いかに効率よく資源をコントロールしながら投入するかが利益の泉源であり、その進捗管理

が、Q(品質)C(コスト)T(納期)に大きく影響を及ぼす。

単独企業のみで事業が完結することが稀であり、組織内および企業間連携が重要な経営課題

である。

(3)狙い

ともすれば、タイミングにより特定の業務に精通した(技術を保有した)人に仕事が偏った

り、特定の委託事業に意識が集中しすぎたあまり他の委託事業で問題が発生したりすることが

多々ある。また、一度、内外の要因によりトラブルが発生してしまうと、会社全体に影響を及

ぼし、結果として、各委託事業での利益を大きく損なうこともある。

このような状況の中で、如何に個別の委託事業について、その目的達成に向けて見積もりレ

ベル(予定時点)から適正な資源配分を行うことができるか、また、その進捗を工程別に正確

に把握し、必要なコントロールを速やかに実施することができるかが、確実な利益確保の要と

なるだけでなく、企業の存在価値ともなる。

これらの課題を解決する為に、コアとなる業務系SaaS(見積もり・納品(売上)・請求・入

金)に、プロジェクト管理、業務フロー、個別原価発生管理、外注管理、SNS などの SaaS

ソリューションを組み合わせて個別委託事業の全社最適コントロールを行うことができうる

SaaSソリューションに仕立て上げた。

資材だけでなく、機材の稼働や人員の投入(実作業)を如何に原価に盛り込むことができる

かが一つのポイントとなる。

また、顧客や外部パートナーとのコミュニケーションの強化が様々なトラブルの発生を防ぐ

と共に、各々の満足度向上にも繋がる。

本システムによる主な業務支援の狙いは、以下の4点である。

① 受託している全ての事業を網羅した上での資源(人員・機材・設備など)の最適配置・

配置調整

② 個別受託事業の進捗管理による全体進捗調整

③ 個別受託事業の原価設定・見積もりと実績の差異把握:予算管理

④ ドキュメント・成果物・顧客情報・技術情報等の共有

(4)業務機能とSaaSソリューションとの関係

業務機能とSaaSソリューションとの関係を整理したものを表3-3に示す。

Page 32: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 30 -

表3-3 業務機能とSaaSソリューションとの関係(ものづくり分野)

凡例 ◎ アプリケーションのコア機能

○ アプリケーションで一部対応可能

△ カスタマイズで対応可能

M モバイル化

SeqNo.

SaaS名称(会社名) 利用目的①

最適配置

②進捗管理

③予実管理

④情報共有

問い合わせ対応

顧客登録

定期案件状況確認

案件選定

ヒアリング調査

パートナー

開拓・登録

サンプル作成

提案工数算出

スケジュール調整

資源仮配置

パートナー選定

外部見積も

見積もり発行

注文受領・受注登録

契約書発行

プロジェクト登録

全体資源配置

担当業務確定指示

個別スケ

ジュール調整

資材調達先開拓・登

資材手配・発注

資材入荷・検査

支払資材在庫管理

パートナー手配

委託内容確定

発注・契約

進捗確認・調整

原価管理

内部レ

ビュー・テス

顧客レ

ビュー・検収

クレーム対応

資源状況確認

パートナー状況確認

進捗・日程調整

資源準備・使用報告

制作・開発作業報告

関係者調整・外部指示

テスト・検査作業報告

設置・設定・調整作業報告

制作物保管・更新管理

作業報告

成果物受領

請求受け

支払仮納品

テスト確認

検収・納品確定

売上計上

請求 入金 督促

条件設定・契約書作成

契約確定・案件登録

スケジュール調整

案件情報登録

顧客情報登録

技術情報登録

成果物・雛形等登録

質疑応答

SNS、

メール等受発信

一般的な販売管理システム 参考 ○ ○ ○

△(仕

入・外注の

○ ○ ○ ○

一般的な仕入管理システム 参考 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

18EBBIS 「SaaS ERP」(ジェイズファクトリー)

基幹系管理(販売・仕入関連) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ※△ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

20サイクルショップ・バイクショップ様向け業務支援システム(アッドワン)

基幹系管理(販売・仕入関連) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

△(仕

入・外注の

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

21-1(仮称)クラウド版ガリバー・プロステージ(あさかわシステムズ)

基幹系管理(販売・仕入関連) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

△(仕

入・外注の

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

27-1 まかせと家(フレバー情報システム) 基幹系管理(販売・仕入関連) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

△(仕

入・外注の

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

27-2 現場別(フレバー情報システム) 基幹系管理(販売・仕入関連) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

△(仕

入・外注の

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

16 CPMP(アドソル日進)最適配置・進捗管理(プロジェクト管理) ☆ ○ △ △ △ △ △ △ ○ ○ ○ △ ○ ○ △ △ △ △ ○ △ △ △ △ △ △ △ △ △

6-1「報告・連絡・相談」を活発化させる営業日報支援サービス「Friends」(システム創見)

進捗報告・情報共有 ○ ☆ ☆ ○ ○ ○ ○ △ ○ △ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○

13 WilTalk(仮称)(ユーネット) 進捗報告・スケジュール調整 ○ ○ ○ △ △ △ △ ○ ○ △ ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

14 gliss.MCApplication(グリッサンド) スケジュール調整・ドキュメント共有 ○ ○ ○ ○ △ ○ △ ○ ○ △ ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

26 デザイナーシリーズ(業務デザイナーfor GxP)(ユニオンシンク)

進捗管理(業務フロー型) ☆ ○ ○ △ ○ ○ ○ △ △ △ △ △ △ △ △ △ ○

5-4営業日報(ヴァイタル・インフォメーション)

進捗報告 ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

31生産管理システム R-PiCS(アールピックス) SaaS(クボタシステム開発)

進捗管理 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○

4Iside 工数管理/勤怠管理(アーク)

活動実績管理(工数時間管理) ☆ △ ○

5-3勤怠管理(ヴァイタル・インフォメーション)

活動実績管理 ○ △ ○

6-4機械製造業向け図面管理、見積支援「GOZAN」(システム創見)

見積もり時・制作時の同様案件参照 ○ ☆ △ △ △ ○ ○ △ △ ○

24-3 Staff Manager(エンカレッジ) 活動実績管理 ○ ○ △ ○ ○ ○ △ ○ △ ○ ○

16 AdsolDP(アドソル日進) ドキュメント共有 ○ ○ ○ △ △ △ ○ △ △ △ △ △ △ ○ △ △ △ △ ○

受注・手配・準備

パートナー手配

制作・開発

納品・検収 売上・請求・入金商談 見積もり 受注更新・保守・サポート契約

日次内部作業 パートナー作業

関連業務機能

商談・見積もり

関連テーマ 全体管理

パートナーコミュニティ(社内含む)

資源配置

納品・検収・売上・請求・入金

業務フロー

Page 33: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 31 -

3.5.3 建設業分野

(1)ビジネステーマ

中小建設業(まちの工務店)における案件発生から設計図にもとづく調達、積算、見積計画、

さらに、建設現場における日報作成業務までの一連の流れを支援し、業務の効率化及び情報共

有を図る。

(2)ビジネスモデル

・設計図面から必要な資材、調達先、見積書の作成を支援

・建設現場における必要な要員(外注先)及び資材の管理を支援

・建設現場における画像と連動したリアルタイム日報作成支援

(3)狙い

大手建設業では、CAD 等の図面から資材調達、積算といった業務の一連の流れを一元的に

管理し、効率的な業務管理を行っているが、小規模建設業(まちの工務店では、図面から必要

な資材を拾い上げ、必要数量を別途積算しているのが現状である。

見積作成については、建設物価等の原価表から単価を読み取り、積算しているのが現状であ

る。そのため、単価と連動した積算、見積書作成の仕組みを提供する。

建設現場においては、現場管理として、工程計画に基づく必要機材、要員の調達等を日々管

理し、工程管理を行う。

さらに、工程計画に基づく作業日報を作成する場合、日々の工程にスマートフォン等を活用

してリアルタイムで管理し、本店や現場の両方で確認できるようにする。

(4)業務機能とSaaSソリューションとの関係

業務機能とSaaSソリューションとの関係を整理したものを表3-4、表3-5及び表3-

6に示す。

Page 34: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 32 -

表3-4 業務機能とSaaSソリューションとの関係(建設業分野のうち、「中小建設業(まちの工務店)における案件発生から設計図にもとづく調達、積算、見積計画、さらに、建設現場における日報作成業務までの支援シ

ステム)

表3-5 業務機能とSaaSソリューションとの関係(建設業分野のうち、「建設現場における画像と連動したリアルタイム日報作成支援」)

凡例 ◎ アプリケーションのコア機能

○ アプリケーションで一部対応可能

△ カスタマイズで対応可能

M モバイル化

凡例 ◎ アプリケーションのコア機能

○ アプリケーションで一部対応可能

△ カスタマイズで対応可能

M モバイル化

経営企画

研究開発

人事 経理 総務

SeqNo.

ソリューション名称(提供形態)

営業計画

案件管理

見積 受注実行予算

売上顧客対応

実績分析評価

資材調達計画

調達先開拓

見積依頼

発注 受入 返品調達先対応

実績分析評価

工事計画

施工管理

外注管理

品質管理

日報勤怠管理

工事機器管理

資材管理

実績分析評価

仕訳処理

請求 回収 支払資金管理

決算処理

27-1 まかせと家(フレバー情報システムズ) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

21-1クラウド版ガリバープロステーション(あさかわ情報システム)

○ ○ ○ ○

6-4 GOZAN(システム創見) ○ ○ ○ ○ ○

29-2 POPDATA+(ワム・システムデザイン) ○ ○ ○ ○ ○

経理

関連業務機能

案件 資材 現場管理

経営企画

研究開発

人事 経理 総務

SeqNo.

ソリューション名称(提供形態)

営業計画

案件管理

見積 受注実行予算

売上顧客対応

実績分析評価

資材調達計画

調達先開拓

見積依頼

発注 受入 返品調達先対応

実績分析評価

工事計画

施工管理

外注管理

品質管理

日報勤怠管理

工事機器管理

資材管理

実績分析評価

仕訳処理

請求 回収 支払資金管理

決算処理

4 Iside(アーク) ○ ○ ○

27-1 まかせと家(フレバー情報システムズ) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

27-2 現場別(フレバー情報システムズ) ○ ○ ○

21-1クラウド版ガリバープロステーション(あさかわ情報システム)

○ ○ ○ ○

24-3 StaffManager(エンカレッジ) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

関連業務機能

案件 資材 現場管理 経理

業務フロー

業務フロー

Page 35: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 33 -

表3-6 業務機能とSaaSソリューションとの関係(建設業分野のうち、「建設現場における画像と連動したリアルタイム日報作成支援」)

凡例 ◎ アプリケーションのコア機能

○ アプリケーションで一部対応可能

△ カスタマイズで対応可能

M モバイル化

経営企画

研究開発

人事 経理 総務

SeqNo.

ソリューション名称(提供形態)

見積 受注実行予算

売上顧客対応

実績分析評価

資材調達計画

調達先開拓

見積依頼

発注 受入 返品調達先対応

実績分析評価

工事計画

施工管理

外注管理

品質管理

日報勤怠管理

工事機器管理

資材管理

実績分析評価

仕訳処理

請求 回収 支払資金管理

決算処理

4 Iside(アーク) ○ ○ ○

9 Derimo(データ変換研究所) ○

6-1 Friends営業日報支援(システム創見) ○ ○

6-3 Friendsクラウドカメラ(システム創見) M M

関連業務機能

案件 資材 現場管理 経理

業務フロー

Page 36: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 34 -

3.6 ベンダ連携交流会

3.6.1 ベンダ連携交流会の概要

(1)開催主旨

多様な業種の数多くの業務機能の中から、典型的なビジネステーマを選定し、ITベンダ各社

様が持つ SaaS ソリューションやパッケージソリューションを組み合わせる(連携)ことで、

新たなSaaSソリューションを産み出すことにより、新たなサービスをエンドユーザに提供す

るための方策を検討することを目的として開催した。

交流会では、このような新しい試みに興味を持つ ITベンダに参加を呼びかけ、SaaSソリュ

ーションの連携を行うための技術的、ビジネス的課題を認識し、その解決方策の検討を行った。

(2)開催日時

平成24年11月8日(木)13:00~17:00

(3)開催場所

梅田スカイビル タワーウェスト スペース36R

大阪市北区大淀中1丁目1番88号

(4)開催プログラムおよび概要

WGにおいてディスカッションした特定ビジネステーマに関する概要説明

説明対象分野:「プロショップ向け小売」

特定ビジネステーマによるディスカッション

ディスカッション対象分野:「ヘルスケア」

研究会参加メンバによるディスカッション内容の発表

対象分野

ヘルスケア分野

ものづくり分野

プロショップ向け小売分野

建設分野

オーディエンス参加型特定ビジネステーマに関するフリーディスカッション

対象 上記4分野

Page 37: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 35 -

(5)参加対象

・SaaSソリューション、パッケージを開発、提供している ITベンダ

・他社とのSaaSソリューションやパッケージの連携によるアライアンス等、新たなサービス

の提供や販路拡大等を検討している ITベンダ

(6)参加状況

31名(研究会関係者含む)

3.6.2 交流会での検討手順と成果

3.6.2.1 検討手順

3.3.2で述べたように、交流会では今回採用した検討方法を周知することも目的の一つで

あった。そのため、表3-1に示すブランクのマトリクス表を、次の手順で埋めていった。

①検討課題の設定

ヘルスケア分野の業務範囲は広いため、限られた時間で一通りの手順を実施するためには、対

象範囲を絞る必要がある。

3.5で示したように、SaaSソリューションの連携はただ漫然と業務プロセスをカバーすれ

ばよいのではなく、解決すべき課題を設定しなければ、SaaSソリューションでサポートすべき

業務機能を洗い出すことはできない。

そこで参加したメンバから、ヘルスケア分野においてどのような価値提案をすべきか、アイデ

アを出してもらい、その内容について議論し、今回の検討対象課題を設定した。

②業務機能の洗い出し

次に設定した検討課題に関連する業務の洗い出しを行った。要支援対象者、支援者、サービス

を提供するもの、仲介者などさまざまなステークホルダーを洗い出し、そのおのおのが設定した

課題に対し、どのような機能を持つのか意見を出した。

検討にあたっては、白板に升目のみの表を用意し、メンバから出た機能案をコーディネータが

ポストイットに整理して書き、それを升目に貼るという形でアジャイルに列項目である業務機能

を書きだし、訂正、確立していった。

③適用可能SaaSソリューションのリストアップ

業務機能の洗い出しが終わると、次に手元に用意されたSaaSソリューションのリストをメン

バ全員が参照し、思いついたものから提案し、同様にコーディネータがポストイットに名前を書

き、升目に貼るとともに該当する機能に「○印」を書いたポストイットを貼っていった。

④ビジネスモデルの検討

SaaSソリューションと機能とのマッチングが一通り済んだ段階で、連携SaaSソリューショ

ンを活用したビジネスモデルを検討した。WGで検討したテーマとは異なり、利用主体が明確で

はなかったため、SaaSソリューションの利用料を誰が支払うのか、スポンサー型で運用するの

かなどの議論を行った。

Page 38: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 36 -

⑤実施課題の検討

以上の検討を終えて、実際にビジネスとして展開する場合の種々の課題について議論した。

3.6.2.2 成果:ヘルスケア分野

今回検討したヘルスケア分野における業務範囲として、個人の健康維持・増進に関わるサービ

スを提供することとした。初めに、個人が加入している各種健康保険組合が関係する施設及び利

用対象との関係を整理することとした(図3-3)。

図3-3 各種健康保険組合が関係する施設及び利用者との関係

上記関係を整理したうえで、3.6.2.1で示した検討手順に沿って、ヘルスケア分野にお

ける業務機能とSaaSソリューションとの関係を整理した。

(1)ビジネステーマ

メタボ等、要支援予備軍を対象としたヘルスケアソリューション

(2)ビジネスモデル

自分自身で健康管理を行い、病院の治療費、薬品等に係る費用を削減する。

(3)狙い

自分自身の過去の健康履歴データに基づく健康維持・増進のための支援サービスを提供する。

(4)業務機能とSaaSソリューションとの関係

業務機能とSaaSソリューションとの関係を整理したものを表3-7に示す。

本人 スポーツ施設

器具

家族

飲食

仲間

センサー

健保組合 食品

会社福利 組合 飲料

サプリ

大学研究機関

Page 39: 別添4 (PDF:3.8MB)

- 37 -

表3-7 業務機能とSaaSソリューションとの関係(ヘルスケア分野)

Seq.No

SaaS名(会社名)

利用目的 状態を知る 対策を知る 対策を実施 実施支援実施の記録モニタリング

改善策

12-4 No.25 介護革命 ○○

(食事)○

○(食事)

- エレジェントHC(NEC) ○

14No.27

gliss.MCAppliction○ ○

1-2 No.2 レコマド ○

39No.40 見守り支援サービス「eみまもり」

12-1No.22 オープンソー

スソフトウェアCMS「Joruri」

12-2No.23 クラウド問診

票○

日常生活

関連業務機能

業務フロー

Page 40: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 38

3.6.2.3 議論された課題

ベンダ連携交流会の開催内容をプログラムごとにまとめたものを以下に示す。

(1)総論

開催に際し、研究会メンバの共通意見として、関西ならではの地場振興の切り口として、

各ベンダが持つソリューションを連携し、これまでになかった新たなソリューションを産

み出すことで、新たな市場を開拓し、関西地域の活性化に繋げたいとの意見があった。

(2)「ワーキンググループ検討結果、特定ビジネステーマ(プロショップ向け小売り)の説明」

コーディネータより、特定ビジネステーマの「プロショップ向け小売」について、当該

ビジネステーマに必要な業務機能を洗い出し、「中小ベンダが所有する SaaS 等サービス

調査」の回答結果をもとに、新たなソリューションの検討方法について報告した。

(3)「特定ビジネステーマ(ヘルスケア分野)の研究会メンバによるディスカッション」

「ヘルスケア分野」の範囲が広範のため、対象を「メタボ(要支援予備軍)」に絞り、必

要となる業務機能の洗い出しを行った。

その結果、「日常生活」の場面において必要な業務機能として、「状態を知る」、「対策を

知る」、「対策を実施」、「実施支援」、「実施の記録・モニタリング」、「改善策」が必要との

結論に至り、それぞれの業務機能に該当するSaaSソリューションを「中小ベンダが所有

するSaaS等サービス調査」調査結果より抽出した。

(4)「各分野における検討結果の発表」

コーディネータより、「プロショップ向け小売り」、「ものづくり分野」、事務局より、「建

設業分野」のSaaSソリューションの連携検討結果について発表した。

さらに、コーディネータより、SaaSソリューションの連携のための技術的課題として、

データの保有の仕方、複数のデータベースに格納する場合の管理元の問題、暗号化等の技術

はほぼ解決されつつあるものの、プライバシーの問題として、「Tポイント」カードを例に挙

げ、個人情報の管理元に対する不安等の指摘があった。

(5)「参加者を交えたビジネステーマに関するディスカッション」

「ビジネス化の課題」として、個人情報の取り扱い(管理)をどこが行うのか、特にヘル

スケア分野のように個人の健康に関する機微情報を取り扱う場合に問題がある。また、複数

の企業が連携して一つのサービスを提供する場合、主体となる企業がどこで、収入等の配分

をどのように決めるか等の運用面でも課題があるとの指摘があった。

「技術的課題」として、システム間連携やデータ連携について、他のシステムと連携する

ことを前提に開発(SOA:Service Oriented Architecture)していない場合、課題がある

との指摘があった。

Page 41: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 39

以上の内容を踏まえ、議論された課題を以下に示す。

・個人情報(プライバシーの問題

具体例として、「Tポイントカード」はさまざまな店舗で利用できるが、個人情報を管理

するデータベースの管理元が不明のため、利用者の不安を生む。

「健康管理・メタボ」に関する情報の入力について、どこで取扱い、どこで管理するのか

が明確でないと利用者から不安が生じる。

さらに個人情報を格納するデータベースが複数にまたがるときに、管理元がどこになるの

かといった不安があげられた。

対象となる個人はあまり意識しないが、家族が意識する場合があるので、家族間で情報共

有をプッシュ型・プル型で行い、地域がケアするのが望ましいと思われる。そこに「官」が

間に入ってもらえば、個人情報の取り扱いがやりやすくなる。

・データ連携について

他のサービスとの連携を行う際に、CSV でテータの受け渡しを行っているが、図面等、

顧客からの要望により、形式を指定されるとデータのやり取りができなくなる場合がある。

自社のデータは、Web API で開発して提供すれば、他のサービスとつながり、ビジネス

として広がると思われる。

アプリケーションの作り方として、SOA をベースに開発した場合は、マッシュアップし

やすいと思われる。

・ビジネス化について

どの企業が音頭をとって、どの企業が販売していくのか、利益配分はどうするのか等、運

用面が課題となる。

上記のように、個人情報、データ連携、ビジネス化等の課題が挙げられたが、ITベンダが提

供しているさまざまなソリューションを組み合わせることにより、ユーザ企業が必要とするソ

リューションを提供することができ、「関西ならでは」、「関西発」、「関西を発信源とした業務

連携」を実現することが可能となり、関西地域の活性化につながると思われる。

Page 42: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 40

3.6.2.4 ベンダ連携交流会の成果

アンケート全体を通した参加者の反応を見ると、今回、企画したプログラムのすべてに対して、

概ね興味を持ち、かつ参考になったとの意見が多くみられ、満足度が高かったと思われる。

また、アンケートに回答されたすべての参加企業様において、協業の検討を考えており、中小

ベンダ企業が今後、ビジネスチャンスを拡大するためには、一企業の単独ではなく、複数企業に

よる協業の重要性を認識したものと思われる。

実際のプログラムにおいても、プログラム1「特定ビジネステーマによるディスカッション」

では、研究会メンバにより、白紙の状態から「ヘルスケア分野」におけるマーケットを見据えた

ソリューションを洗い出し、必要な業務機能と、それに適用できるアンケート回答企業(2012

年8月実施「中小ベンダが所有SaaS等サービス調査」)のソリューションを洗い出し、新たな

ソリューションを構築する可能性が見いだせたこと、また、プログラム3「オーディエンス参加

型特定ビジネステーマに関するフリーディスカッション」において、研究会メンバ以外のオーデ

ィエンスからも活発な意見が得られ、有益な情報交換が行えたこと、さらには名刺交換会におい

て、具体的なマッチングに関する商談を行った企業もあり、満足度は高かったと思われる。

以上のことから、SaaS連携に向けて、ITベンダの意識高揚を図ることができた。

Page 43: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 41

第4章 まとめ及び今後の課題

4.1地域金融機関と連携した ITユ-ザの発掘とクラウドサービスの活用について

中小ユーザ IT 利活用研究会では、IT を活用するユーザ企業の窓口として金融機関、IT を共有

する側としてのベンダ、専門家及び公的機関で組織し、それぞれが意見を出し合い、金融機関の

取引先から IT 導入を希望する企業を発掘し、IT 経営実践企業を多数、輩出することを目的に活

動を実施した。

その一環として、ユーザ企業の IT導入・活用を推進するため、平成23年度に引き続き、その

利用方法を金融機関法人担当者向きに説明会を開催し、取引先企業に IT経営の紹介を依頼した。

なお、平成24年度は平成23年度の大阪府下の銀行だけでなく、京都府下及び和歌山県下の金

融機関にも協力を依頼し、合計7行の金融機関の協力を得て、活動を行った。

各金融機関の法人担当者は実際に中小企業を訪問し、IT経営ガイドブックを活用し、IT化相談

案件の輩出に努めた。その中で、IT経営ガイドブックに対して期待や要望など好意的な意見が多

数あり、金融機関担当者が取引先の経営改善に IT経営を奨めることを前向きに受け止めている姿

勢が伺える結果となった。

2ヶ年の活動結果より、IT化相談案件を15件輩出することができた。そのうち1件は、IT導

入にまで至った事例を輩出することができた。

この結果を足掛かりとして、更なる IT相談を増やすために解決すべき課題についても明らかに

なった。

以上の課題を踏まえ、今後は、以下の内容を行うことが求められる。

これまで以上に金融機関とのコミュニケーションを深め、相談企業の紹介を促すために、金融

機関向け IT経営説明会を継続して開催する。

また、IT 相談を希望する企業の IT 導入への疑問・不安を取り払うため、専門家のスキルを活

用して相談企業の経営課題を明確にし、IT活用のメリットを提示する等により、より一層の信頼

関係を築く。

そのために、サービスの有償・無償の切り分けやモデルケースごとの参考費用の提示など、IT

相談の受け皿として安心して利用できるサービスをメニュー化する。

さらに、専門家を活用するための費用の負担や IT導入の体制が脆弱などの課題により、支援が

必要な企業に対しては、公的機関が運営する支援制度を紹介して活用を促す。そのために各支援

機関との連携スキームを確立する。

IT相談を増加させるための課題

① IT 相談企業の問題を整理して適切な IT 調達を促す役目を担う専門家と連携スキームを確立

する必要がある

② 企業の IT 導入の負担を資金面と体制面で軽減するために公的支援機関が運営している専門

家派遣など、公的支援制度を活用するためのスキームを確立する必要がある

Page 44: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 42

以上のことを近畿地域で推進し、波及していくことにより、潜在的な IT活用のニーズを掘り起

こし、IT導入を希望する企業を発掘し、IT経営実践企業を多数、輩出することが可能となる。そ

して提案依頼(案件情報)を地域の中小ベンダへビジネスチャンスを提供することにより、関西

地域の IT市場の活性化につなげる。

なお、中小ユーザ IT 利活用研究会の活動は、IT 経営実践企業の輩出を実現するために、関西

IT 利活用促進連絡会議※2へ引き継ぎ、取り組むことが望ましい。その際、より関西地域経済の

発展を推進するため、支援機関を金融機関に限らず、例えば各業界の組合を束ねている中小企業

団体中央会等の協力も得て、より幅広く中小企業の IT相談案件の輩出を行い、中小企業の IT化

を促進していくことが求められる。

4.2 事業化に向けた自立型ビジネスモデルの構築について

4.2.1 SaaSソリューション連携の実現に向けて

平成24年度の関西クラウド研究会の活動通じて、『ITベンダが所有する複数のSaaS等業務

パッケージを組み合わせて、一つの新たなSaaSソリューションを構築する』ための様々な課題

が浮き彫りになった。本節では、これらの課題を「ビジネス化の課題」「技術的な課題」の2つの

視点で整理すると共に、課題解決に向けた方策を検討した結果として、複数(案)を提示する。

4.2.2 ビジネス化の課題

平成24年度の活動におけるアンケート調査や交流会などの席上での個別ヒアリングなどによ

り、複数ベンダが組んで一つのSaaSソリューションを提供するビジネス化に向けて、想定され

るソリューションの利活用までの各ステップで段階的な課題としてさまざまな事項が提示された。

以下は、これらの課題について、各ステップにおいてユーザ視点とベンダ視点の両面から整理

を行ったものである(各ステップについては、平成22年度産業技術研究開発委託費により平成

23年2月28日に社団法人 日本情報システム・ユーザー協会にて調査・報告された『ソフトウ

ェア開発管理基準に関する調査報告書』の調査項目に合わせた)。

※2関西 IT利活用促進連絡会議:中小ユーザ IT利活用研究会の委員を中心に、IT利活用について

交流と情報交換するための取り組みで、平成22年度から活動している組織

ユーザ視点 ベンダ視点

開発

(企画・要件

定義・設計・

実装・テスト)

組み合わせ利用時の調整窓口一元化

システム化範囲・適用範囲の明確化

最適なSaaSソリューションの選択

システム仕様実現責任の一元化

契約窓口の一元化

テスト・検収の一元化

ユーザ対応窓口の一元化

自社開拓ユーザの公開と奪取回避

企画・要件定義・設計の責任範囲区分

開発ノウハウの流出

ソリューション連携における技術課題

一部機能工期遅れ時の責任と支援策

一部機能不具合発生時の責任と支援策

開発費等経費と利益(売上)分担

Page 45: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 43

4.2.3 技術的な課題

図4-1は、3.3.2に示した実装モデルをもとに、「プロショップ向け小売り」を例にして、

SaaS連携のシステム概念を示したものである。

図4-1 プロショップ向け小売りにおけるSaaSソリューション連携概念図

この図の中央にある iPaaSは Integration PaaSのことで SaaSソリューションを相互連携

する際に必要となるものである。

SaaSソリューションの連携にあたっては、次の2つの技術課題がある。

カスタマイズ・アドオン費用分担

保守 保守窓口の一元化

利用・保守費用の支払窓口の一元化

SLA未達時の保証方法

保守窓口の一元化

保守担当組織の要員確保・教育

初動時対応体制の手順化・明確化

検収・回収リスクの回避・軽減

SLA未達時の責任範囲区分

運用 データ保管・セキュリティ確保

安定的な稼働(稼働率の確保)

特定期間内での部分機能活用

介入オペレーションの最小化

災害対策

データ一括管理時のセキュリティ責任

(個人情報保護を含む)

データ連係における不具合の回避

部分機能におけるメンテナンス停止

介入オペレーションの容易性

異常検知の統合的な仕組みつくり

災害対策(局地・広域)

Page 46: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 44

①各SaaSソリューションのDB処理方式の変更

各SaaSソリューションはそれぞれ独立して構築されていることから、各々データベースを

保有しているが、図4-1示すように重複したものが多数あり、その対応を図る必要がある。

方式としては、以下の2つが想定される。

a)DB間のリアル連携

各 SaaSソリューションのDBはそのまま保有しつつ、データの同期を図る方式である。

各SaaSソリューションはDBへの書き込みが発生すると、その情報をESBを通じて他の

SaaSソリューションに連絡する。

各 DB はそれぞれ異なった思想で設計されていることから、 情報は各々の形式にあった

形に変換されて伝えられる。このデータ形式の変換は ESB の機能を通じて行われるが、各

SaaSソリューションには連携機能を追加する必要がある。

b)DB の共通化

DB の主たる保有 SaaS ソリューションを決定し、他の SaaS ソリューションは自らの

DB に書き込む処理を他の SaaS のDB に書き込むように処理を変更する。図4-1では、

iPaaSの認証認可に利用者情報を持たせ、業務データは基本業務システムに集約して保有す

ることを示している。

大がかりな変更を避けるためには、各々のSaaSは自らのDBに書き込んでいるように見

せかけながら、実際には他のSaaSソリューションのDBに書き込んでいるというような処

理方式を採用する必要がある。

もし、SaaS ソリューションが正しくWeb サービスの集合体として構築されているので

あれば、DBへの書き込みサービスを他のものに置き換えるだけで処理は完了する。

この場合も、ESBでのデータ形式の変換処理が必要となる。

②シングルサインオン化

単純にSaaSソリューションを集めてくると、利用者はそれぞれのSaaSソリューションに

別々にログインしなければならず、これは非常に使いづらい。また、このような状態だと使っ

てもらえないことは容易に想像がつく。

そのため、シングルサインオン化する必要がある。iPaaSにある認証・認可サービスでロン

グインするとその情報を各 SaaS ソリューションに伝達して処理を進めていくことになるが、

各SaaSソリューションの認証処理の変更が必要となる。

以上、まず想定される技術課題を提示した。本来SaaSはSOAと同じアーキテクチャを持っ

ているので、上記のような変更は容易であるはずであるが、SaaSの標準設計ガイドのようなも

のが世の中に存在しないため、ASPと同じ構造で構築されている可能性は否定できない。

これらの技術課題がどの程度の難易度を有するのかは、実際にSaaSソリューションの連携を

実装してみないと判断することはできない。

Page 47: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 45

4.2.4 課題解決に向けた方策(案)

これまで議論してきた『ITベンダが所有する複数のSaaS等業務パッケージを組み合わせて、

一つの新たなSaaSソリューションを構築する』ための様々な課題解決に向けた方策を複数(案)

提示する。

これら方策に関しては、各々を個別に実施するのではなく、できうる限り同時並行的に実施す

ると共に、各方策実施結果などを相互に把握し、統合的な対策を講じることによるシナジー作用

を期待する。

方策の検討に際しては、類似課題への取り組みの先行事例の一つとして『京都地域におけるベ

ンダ連携クラウドソリューション開発への取り組み』※1を参考とした。

※1:『京都地域におけるベンダ連携クラウドソリューション開発への取り組み』

平成22年7月 「京都クラウドビジネス研究会」※2発足

平成24年に同WGの一つであるチームK(業務連携クラウド)の成果として、具体

的な協業プロジェクト『見積GOZAN・図面GOZAN』※3のサービスを開始。

4.2.4.1 SaaSソリューションの連携開発・提供に向けた勉強会の設置

これまでの取り組みを通じて散見されたさまざまな課題は、その対象領域(業務機能や業種・

業態など)に関係なく、複数ベンダが連携してソリューションを企画・開発・保守していく上で

は広く共通することが大半であろうと想定できる。

しかし、実際のソリューション企画・開発の段階においては、具体的なターゲットが明確であ

る方がより具体的な検討を行うことが可能である。

従って、ここでは、これまでの検討過程や本事業に賛同いただいた多くのベンダから提供され

たソリューション群を鑑みて、以下のような3つの勉強会のグループ案を例示する。

グループ案の検討に際しては、特に関西らしさ・関西発信をテーマとして選定・検討した。

・ヘルスケア:

近畿地域においては、医療機器メーカーの集積に加え、企業各社が積極的にヘルスケア

分野への展開を強化している。今後、ヘルスケアへの志向が高まる中で、各種サービス

等との連携を実現することで、関西発の新ビジネスの創出が期待できる。

・ものづくり:

近畿地域内には、大手メーカーを始めとする中小零細も含めた様々なものづくり企業の

集積地が多数存在する。近年は、戦略的基盤技術高度化支援事業(※サポイン事業)と

して、関西の優れたものづくり中小企業のビジネス拡大を促進しており、これらの企業

群を支援することのできる各種サービスの提供は関西活性化材として期待できる。

・小売・流通系WEB販促:

全国に名だたる「あきないの街」である近畿地域。現在、やや低迷ぎみの小売・流通業

を活性化させ、『真「あきないの街」』として再生を果たすためには、従来の商習慣のみ

に囚われず、新しい技術や環境をも取り込んだ新たなビジネス体系の構築が必須である。

WEB技術を活用した販路開拓などもその一つのモデルとして期待できる。

Page 48: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 46

勉強会には、ソリューションを開発提供するベンダだけでなく、それらソリューションを利用

するユーザや利用に際しての課題になると思われる法律や規定などに関わる行政系あるいは業界

団体系の関係者、さらには、実証実験などを行うための場所や資材・対象者などを提供していた

だける組織なども参画することが望ましい。

この勉強会を通じて、先に提示された「ビジネス化の課題」「技術的な課題」などを踏まえた

具体的な実現検討を行い、早期のソリューション開発・市場提供を期待する。

これら勉強会のグループ案については、あくまでも本事業の委員会メンバのみで検討したもの

であり、ビジネス化へ向けた実際の勉強会設置に際しては、ベンダ各社の自主的な参画と運営が

必須である。

(1)勉強会テーマ1:ヘルスケア関連クラウド連携

ヘルスケアをテーマにした「要介護者・要介護予備軍へのサービス提供」ソリューショ

ンの実現検討を行う勉強会。

表4-1 ヘルスケア関連クラウド連携候補メンバ組織

(2)勉強会テーマ2:ものづくり関連クラウド連携

ものづくりクラウドをテーマにした中小零細製造業における業務運営支援ソリューショ

ンの実現検討を行う勉強会。

表4-2 ものづくり関連クラウド連携候補メンバ組織

提供機能等

クラウドベンダ(問診・介護支援)

クラウドベンダ(位置情報・生活支援情報提供)

クラウドベンダ(情報発信)

自治体(実証試験地域候補)

病院等医療センター(医療機関)

自治体(行政・個人情報保護)

提供機能等

クラウドベンダ(生産管理システム)

クラウドベンダ(工数管理・プロジェクト管理)

クラウドベンダ(図面管理、見積支援)

クラウドベンダ(物流管理)

ユーザ企業(ワッシャ製造)

Page 49: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 47

(3)勉強会テーマ3:小売・流通関連クラウド連携

店頭などにおける対面式のリアルな小売販売や卸流通販売が中心の中小企業がWEBを

活用した直接販売を行う際の業務運営支援ソリューションの実現検討を行う勉強会。

表4-3 小売・流通関連クラウド連携候補メンバ組織

※2「京都クラウドビジネス研究会」 (財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)運営)

京都市内に事業所のある IT企業における同業者間での意見交換、勉強会を通じて、クラウド

ビジネスの展開を図ることを目的とし、設立当初、京都市内に事業所のある中小 IT企業 23

社 が参加。(参加企業:2012年12月1日現在 32社)

詳細は、以下のURLを参照されたい。

http://www.astem.or.jp/cloud/index.html

4.2.4.2 SaaSソリューション導入・保守・運用におけるサポート組織の設置

関西クラウド構想は、関西地域のベンダがクラウドビジネスへ参入(クラウドサービスを提供)

して、地域ユーザ企業の IT化を促進し、地産地消型ビジネスモデルを構築することが目的であり、

「①SaaS開発・運用環境の提供、②新たなSaaSソリューションの構築、③地域ベンダの発掘、

④関西発クラウド情報発信」の機能を提供・支援することが必要であるということが、平成23

年度の結論であった。

平成24年度は中心テーマである「②新たなSaaSソリューションの構築」のF/Sを実施し

た。この検討過程で4.2.3に示す技術課題だけでなく、4.2.2に示すビジネス課題の存

在も明らかになった。このうち、4.2.4.1ではSaaS連携ソリューションを実際にビジネ

スとして立ち上げるための第一歩について示した。

ここでは、利用者が複数SaaSを組み合わせて使う場合の課題についての解決案を示す。

これまでの取り組みを通じた課題として提示された内容の多くは、複数ベンダが提供あるいは

サポートを行うソリューション群を選定・利活用する際の利益を伴う責任・保証の明確化に関す

るモノである。

対象となるソリューションの中のいずれかのベンダが窓口となり、一元的に導入選定から開

発・サポートを実施することは可能であるが、中立的な立場からの選定としては問題が伴う。そ

もそも、選定以前の段階においては、いずれのベンダを相談窓口とすべきかさえ不明である。

提供機能等

クラウドベンダ(小規模ERP)

クラウドベンダ(CMS・ネット広告効果測定)

クラウドベンダ(レコメン)

クラウドベンダ(WEB受注)

Page 50: 別添4 (PDF:3.8MB)

- - 48

これらについては、平成22年2月に ITC近畿会SaaS研究会・第1分科会の平成21年度活

動報告書の中に『中小企業において積極的な SaaS 利活用による IT 経営の実現を行うには、そ

の検討から導入利活用に至るまでの過程で統合的な支援を行うことのできる支援体制(あるいは

その仕組み)が必要であろう』との見解が提示されていることに通じる。

同報告書では「中小企業の IT化実現に対する課題とその解決策」の一つとして中小企業向け IT

経営推進組織『関西SaaSサポートセンター(略称:KSSC)』が記載されているので紹介する。

図4-2 中小企業向け IT経営推進組織『関西SaaSサポートセンター』イメージ図

「関西SaaSサポートセンター」の趣旨を以下に示す。

① 民間団体ではあるが、公的な性格も持つ組織である。

② 近畿経済産業局、KIIS、近畿圏内の自治体、商工会議所・商工会や団体中央会などの商

工団体、金融機関、ASPICや近畿地区の ITベンダ団体、ITC協会や ITCの法人・任意

団体、税理士協会や中小企業診断協会などの専門職団体、学会や学術関係の団体、法律

の専門家、地域自治体・各種行政団体などと繋がりを持ち、ASP・SaaS・クラウド等

の最新技術に関する情報交換のハブ的な役割を果たす。

③ ASP・SaaS・クラウド等の導入に関する相談から、具体的な選定・導入方法の助言、

中立的立場による契約の立ち会い・助言、導入後の一元的サポート・フォローアップま

で、各種の支援サービスを行う。

④ ASP・SaaS・クラウドの利活用以外にも幅広く中小企業の経営戦略、IT 戦略、情報

セキュリティなどに関する診断、助言も行い、トータル的な支援を行う。

⑤ 地域ベンダの営業力強化に向けた定期的なソリューション情報の収集・公開の実施、及

び高度 IT人材育成の為の技術力強化に関するセミナー・研修を開催する。

⑥ 地域中小ベンダを中心とした連携によるソリューション企画・開発・サポートなどに関

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して、その体制作りから実際の検討・運営など全般にわたる実現支援を行う。

4.3 地域独自の取り組み・革新的な成果等

関西地域では、ユーザ企業の IT化推進方策として、ユーザ企業との接点の強い地域の金融機関

に着目し、金融機関の顧客担当の方々が、日頃より受ける経営全般の相談の中に IT化により解決

することができる案件が潜在的にあるのではないかとの仮説を立て、それを顕在化することによ

り、ユーザ企業の IT化案件を輩出することができると考えた。

そのためには、金融機関の顧客担当の方々が、経営相談全般の中から、どのような経営課題で

あれば、IT化により解決することができるのかを理解してもらう必要があった。

そこで、金融機関の方々を対象に、経営課題の解決に IT 化が役立つことを記載した「IT 経営

ガイド」を作成した。さらに、「IT 経営ガイド」の内容及び活用方法について、説明会について

も実施した。

説明会は、金融機関5機関において開催し、約120名が参加した。参加者からは、日頃は直

接 IT化のための相談は少ないが、説明会に参加したことにより、「経営課題の中に IT化で解決す

ることができる案件があることに気が付いた」との意見が多くみられた。このことから、経営相

談の中から IT活用に対する気づきをもたらすきっかけを作ることができたと思われる。

IT 経営ガイドは、2ヶ年合わせて約3,400部配布して、ユーザ企業の IT 化案件の発掘を

試みた。

以上の活動の結果、IT化相談案件を15件輩出することができた。そのうち1件は、IT導入に

まで至った事例を輩出することができた。

しかし、IT化案件は輩出したが、IT化計画、IT導入に進むケースがまだまだ少ない。

そこで、IT化案件の輩出から、IT調達まで誘導するために、各種支援機関や国や地方自治体の

施策である専門家派遣制度等の活用についても検討を行った。

今後は、このような取り組みに賛同する関西地域の金融機関を増やすとともに、金融機関以外

の中小企業団体中央会等の業界団体、組合にも働きかけることにより、潜在的な IT活用のニーズ

を掘り起こし、IT導入を希望する企業を発掘し、IT経営実践企業を多数、輩出することが可能に

なると考える。そして、多くの提案依頼書を関西地域の ITベンダに提供することにより、地域の

ユーザ企業と地域 ITベンダとの新たなマッチングが促進され、関西地域の活性化にもつながると

思われる。

一方、関西地域の ITベンダの活性化方策として、地域の ITベンダが所有しているSaaS等ア

プリケーションを組み合わせて、新たなSaaS等アプリケーションを構築することにより、よ

りユーザニーズに応じたシステムを提供することができると考えた。

そこで、関西地域の ITベンダが所有するアプリケーションを把握するために、アンケート調査

を行った結果、33社より、61アプリケーションに関する概要を収集することができた。

この結果を基に、SaaS連携による新たなアプリケーションの分野として、「ものづくり製造業」、

「プロショップ向け小売業」、「建設業」について、研究会にて検討を行った。さらに、地域のベ

ンダが参加して SaaS 連携をテーマとした「ベンダ連携交流会」を開催し、「ヘルスケア分野」

についても、SaaS連携方策について検討した。

ベンダ連携交流会では、具体的な商談を行う企業も発生し、新たなビジネス創出のきっかけづ

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くりの場としての活用が図られ、参加者の満足度が非常に高い結果をなった。

しかし、SaaS連携による新たなアプリケーションを構築するためには、大きく「ビジネス化

のための課題」、及び「技術的な課題」を解決する必要があることが明らかとなった。

今後は、SaaS連携による新たなアプリケーション構築に向けて、具体的に地域のベンダや関

係機関が連携し、例示した各分野別勉強会を立ち上げる必要がある。

さらに、地域ベンダの連携によるユーザニーズに応じたSaaSソリューションの開発・提供と

地域中小企業における同ソリューションなどの利活用に向けては、様々な支援体制を備えた推進

組織「関西SaaSサポートセンター(仮称)」が必要となる。

今後は、SaaS間連携による新しいアプリケーションの構築事例を作るとともに、SaaS間連

携を推進するための組織化についても検討を進め、関西クラウド構想の実現化を目指すとともに、

地域活性化を推進していくことが求められる。

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参考資料

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■参考資料(中小ユーザ IT利活用研究会)

1.IT経営ガイド(第2版)

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2.IT経営ガイド活用アンケート結果

(1) アンケート回答社のプロフィール

(2) IT経営ガイドの活用アンケート結果

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IT経営ガイドへのご意見

銀行として「ものづくり企業」の技術課題全般のサポートに取り組んでおり、「IT」

だけを取り上げて話をする機会が少ない。

基本料金及び補助金の記載がないので差し込み等必要

研究会へのご意見

IT関係相談会社も多数ある中、他社との差別化を明確にするべきでは

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■参考資料(関西クラウド研究会)

1.ベンダ連携交流会アンケート結果

ベンダ連携交流会の参加者に対して、交流会全体の印象や評価、協業の可能性等についてアンケート

を実施した。

その結果を以下に示す。

(1)興味を持ったテーマ

「オーディエンス参加型特定ビジネステーマに関するフリーディスカッション」について、興味を持

たれた方が多い。

(2)ベンダ連携交流会の全体の印象

「大変参考になった」と「参考になった」をあわせると、ほぼすべての方に本交流会に対する満足度

を得られたと思われる。

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(3)ベンダ連携交流会の評価

特に、「オーディエンス参加型特定ビジネステーマに関するフリーディスカッション」に関する評価が

高い。

(4)ベンダ同士による協業の可能性について

ベンダ同士による協業の可能性については、一部条件付きも含め、全ての参加企業から「検討したい

と考えている」との回答が得られた。

これは、日ごろから中小ベンダ一企業単独でビジネス展開していくことに行き詰まりを感じており、

他のベンダと連携を図ることでソリューションを強化し、マーケットの拡大を図りたいとの思いが表れ

ているものと見受けられる。

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(5)ベンダ連携交流会の状況

交流会全体の様子

SOA の説明

(新たなソリューションを検討する手順の説明)

メンバ間でヘルスケア分野の SaaS

ソリューションを検討 その1

メンバ間でヘルスケア分野の SaaS

ソリューションを検討 その2

各参加メンバとのディスカッション その1

各参加メンバとのディスカッション その2