UNCONTROLLEDCOPYCQ3-09 内胆汁瘻に対して胆 摘出術と瘻孔閉鎖術を施行すべきか？

内胆汁瘻は胆石イレウスとして臨床症状を呈する場合があり，37 例の胆石イレウスの検討では 1），胆 十二指腸瘻 25 例，胆 結腸瘻 2例，胆 十二指腸結腸瘻 2例，瘻孔部位不明 8例と報告されている．治療は嵌頓胆石除去と胆摘，瘻孔修復を同時に施行した 8例で2例死亡．まず消化管内の結石を除去しイレウスの解除のみを行いその後に胆道系の手術を行った 6例では死亡なし．23 例では消化管内の結石除去手術のみで胆道系の手術は行わず術後早期に 5例死亡と報告している．しかしその後のフォローアップで，胆石イレウス再発 3例，胆 炎 3例，胆管炎 1例と胆道系合併症が起こっている．このため実行可能であれば一期的な修復が妥当で，局所の癒着や全身状態で一期的な修復が困難な場合には，二期的な胆道系の手術を考慮する必要があると述べている．9例の胆石イレウスの報告では 2），8例が胆 十二指腸瘻，1例が胆 結腸瘻で，6例は囊囊

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3 治　療

【内胆汁瘻の外科的治療】

クリニカルクエスチョン

ステートメント

ステートメント グレードエビデンスレベル

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CQ3-09　内胆汁瘻に対して胆囊摘出術と瘻孔閉鎖術を施行すべきか？

内胆汁瘻を放置すると，胆囊炎，胆管炎，胆石イレウスなどのリスクが増加する．胆囊癌の発生と関連づける報告もあるので，胆囊摘出術を施行し瘻孔を閉鎖すべきである．

B Ⅴ Ⅴ 可

解　説

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一期的に消化管内の結石除去と胆摘と瘻孔閉鎖を行い，高リスクの 3例は消化管内の結石除去のみを行った．実行可能であれば一期的な閉鎖が第一選択としている．一方，国内の胆 十二指腸瘻による胆石イレウス 4例の報告では 3），初回手術は消化管内の結石摘除のみ施行し，半数の 2例は瘻孔が自然閉鎖したと考えられるとしている．したがって，瘻孔の自然閉鎖の可能性と，急性期に一期的手術を行う危険性を考慮すると，術後 1ヵ月間程度の経過観察後二期的胆 摘出術・瘻孔閉鎖術を考えるほうが合理的としている．内胆汁瘻については胆 癌の合併についての報告もあり 4,5），注意が必要である．

1）Clavien PA, Richon J, Burgan S, et al. Gallstone ileus. Br J Surg 1990 ; 77 : 737-742（レベルⅤ）2）Pavlidis TE, Atmatzidis KS, Papaziogas BT, et al. Management of gallstone ileus. J Hepato-

biliary Pancreat Surg 2003 ; 10 : 299-302（レベルⅤ）3）畑山年之，山口真彦，葛目正央，ほか．胆石イレウス 4症例の検討．消化器外科 2000 ; 23 :505-509（レベルⅤ）

4）春田周宇介，橋本雅司，松田正道，ほか．胆石イレウス術後 3年目に胆 癌を発症した1例．日臨外会誌 2006 ; 67 : 1658-1661（レベルⅤ）

5）中村知己，大谷泰雄，檜　友也，ほか．胆石イレウス発症を契機に発見された ss胆 癌の 1例．胆道 2005 ; 19 : 583-589（レベルⅤ）

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1．胆 結石囊

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文　献

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