平成28年度 酒田管内橋梁補修設計業務 報告書 【 古川橋 ...1. 設計概要 1.1....

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平成29年2月 株式会社 復建技術コンサルタント 報告書 【 古川橋 】 酒田管内橋梁補修設計業務 平成28年度

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  • 平成29年2月

    株式会社 復建技術コンサルタント

    報告書

    【 古川橋 】

    酒田管内橋梁補修設計業務

    平成28年度

  • 【 目 次 】

    1. 設計概要 ................................................................................................................................................ 1 1.1. 橋梁概要 ......................................................................................................................................... 1 1.2. 橋梁諸元 ......................................................................................................................................... 1 1.3. 補修・補強履歴の整理 ................................................................................................................... 1 1.4. 橋梁位置図 ..................................................................................................................................... 2 1.5. 橋梁の状況 ..................................................................................................................................... 3

    2. 現地踏査 ................................................................................................................................................ 4 2.1. 現地踏査概要 .................................................................................................................................. 4 2.2. 現地踏査結果 .................................................................................................................................. 5

    3. 橋梁設計 ................................................................................................................................................ 7 3.1. 補修設計項目 .................................................................................................................................. 7 3.2. 橋梁補修計画一般図 ....................................................................................................................... 8 3.3. コンクリート橋上部補修設計・下部補修設計 ............................................................................... 9

    3.3.1. 損傷状況 .................................................................................................................................. 9 3.3.2. 対策方針 ................................................................................................................................ 10

    3.4. 橋面補修設計 ................................................................................................................................ 12 3.4.1. 損傷状況 ................................................................................................................................ 12 3.4.2. 対策方針 ................................................................................................................................ 12

    3.5. 地覆補修設計 ................................................................................................................................ 14 3.5.1. 損傷状況 ................................................................................................................................ 14 3.5.2. 対策方針 ................................................................................................................................ 14

    4. 施工計画(案) ................................................................................................................................... 16 4.1. 施工方法 ....................................................................................................................................... 16 4.2. 周辺状況の確認 ............................................................................................................................ 17 4.3. 施工順序及び工程 ......................................................................................................................... 18 4.4. 施工計画図(案) ......................................................................................................................... 19 4.5. 施工要領 ....................................................................................................................................... 20 4.6. 施工時留意事項 ............................................................................................................................ 23

    5. 概算工事費 ........................................................................................................................................... 24

  • 1. 設計概要 1.1. 橋梁概要

    古川橋[フルカワバシ]は一般国道 112 号、山形県鶴岡市外内島古川地内に架橋する橋長 L=41.20m の橋梁である。本橋の上部工形式は単純 PC ポステンT桁橋であり、適用示方書が昭和 47 年道路橋示方書の供用後 38 年が経過した橋梁である。 本設計では平成 27 年度の橋梁定期点検結果により確認された損傷に基づき、延命化のための橋梁補修設計を実施したものである。 1.2. 橋梁諸元

    本橋の諸元を下記「表 1-1」に示す。 表 1-1.橋梁諸元一覧表

    橋 長 41.20m

    有 効 幅 員 13.000m

    斜 角 右 61°13′05″

    交 差 物 内川

    橋 種 単純 PC ポステンT桁橋

    竣 工 年 昭和 53 年(1978 年)

    適 用 基 準 昭和 47 年 道路橋示方書

    点 検 年 次 平成 27 年度

    設 計 荷 重 TL-20

    1.3. 補修・補強履歴の整理

    本橋の補修・補強履歴を「表 1-2」に示す。 表 1-2.補修・補強履歴一覧表

    実施年 箇所 工事内容

    2005 橋台 変位制限設置、縁端拡幅

    2014 橋面 舗装補修、伸縮装置補修

    〃 上部工 ひびわれ補修、断面補修、再塗装

    〃 支承 金属溶射

    - 1 -

  • 1.4. 橋梁位置図

    下記「図 1-1」に橋梁位置図を示す。

    図 1-1.橋梁位置図

    古川橋

    【R112_92.5kp】

    - 2 -

  • 1.5. 橋梁の状況

    下記に現況の状況写真を示す。

    写真 1-1. 橋梁側面 写真 1-2. 橋梁前面

    写真 1-3. 主桁下面状況 写真 1-4. 床版下面

    写真 1-5. 支承 写真 1-6. 防護柵

    - 3 -

  • 2. 現地踏査 2.1. 現地踏査概要

    現地踏査では既往資料との現地整合性、自然条件、周辺条件などについて確認を実施した。 また、橋梁定期点検結果と現状の損傷部位、損傷状況の把握を実施した。

    - 4 -

  • 2.2. 現地踏査結果

    下記より既往資料及び周辺状況調査、定期点検結果の損傷状況確認結果を示す。

    - 5 -

  • 古川橋[フルカワバシ]国道112号(現道);山形県鶴岡市外内島古川地内

    ●橋梁諸元

    橋 長41.200m

    有 効 幅 員13.000m

    斜 角右61°13′05″

    交 差 物内川

    橋 種単純PCポステンT桁橋

    竣 工 年昭和53年(1978年)

    適 用 基 準昭和47年 道路橋示方書

    点 検 年 次平成27年度

    設 計 荷 重TL-20

    ●補修・補強履歴

    実施年 箇所 工事内容

    2005 橋台変位制限設置縁端拡幅

    2014 橋面舗装補修工

    伸縮装置補修

    〃 上部工ひびわれ補修断面補修桁端部塗装

    〃 支承 金属溶射

    橋梁全景

    支障物件なし

    対外協議先河川管理者(国)

    損傷部位

    対策区分

    現地踏査結果と定期点検結果(H27年度)

    設計方針当初項目

    状況写真

    主桁 C1

    ・ひびわれ、漏水・滞水、剥離・鉄筋露出が確認される。【C1判定】・遊離石灰、うき、補修・補強箇所の損傷が確認される。【B判定】

    前回点検時には報告されていない損傷である。

    ・ひびわれ注入・断面補修

    橋台 C1

    ・伸縮装置の打ち継ぎ目から横桁を伝って漏水しているものと思われる。【C1判定】・ひびわれ、漏水・遊離石灰が確認される。【B判定】

    前回点検時から進行は見られない。

    ・橋面防水

    橋面からの止水を行い横桁や橋台の漏水を回避する。 〇

    横桁 B

    ・端横桁に漏水・遊離石灰、うきが見られる。【B判定】

    橋面からの漏水が見られる。※うきの箇所については主桁の断面補修に合わせて実施 -

    床版 B

    ・ひびわれ、遊離石灰が見られる。【B判定】

    前回点検時には報告されていない損傷もある。

    橋面からの漏水が見られる。

    -

    地覆C1

    ・地覆に漏水・滞水が確認される。【C1判定】・漏水・遊離石灰、補修・補強箇所の損傷が確認される。【B判定】

    前回点検時には報告されていない損傷である。

    ・ひびわれ注入・断面補修

    その他 M

    ・舗装:舗装の異常・排水桝:土砂詰まり【M判定】・PC定着部:ひびわれ、漏水・遊離石灰、定着部の異常【B判定】

    構造安全性への影響が軽微であるため、経過観察とする。

    -

    写真-1.剥離・鉄筋露出 写真-2.遊離石灰

    写真-3.漏水・滞水

    写真-5.漏水・遊離石灰 写真-6.漏水・遊離石灰

    写真-7.遊離石灰 写真-8.漏水・遊離石灰

    写真-9.補修・補強部の損傷 写真-10.補修・補強部の損傷

    写真-11.定着部の異常 写真-12.舗装の異常(植生有)

    写真-4.漏水・滞水

    ●橋梁概要

    表-1.現地踏査一覧表

    - 6 -

  • 3. 橋梁設計 3.1. 補修設計項目

    橋梁定期点検結果及び現地踏査による確認された損傷について設計項目の抽出を行った。 補修設計項目は定期点検結果の C1 及び C2 判定を基本として設計することとしている。

    表-3.1 設計項目一覧表 設計項目 内容

    上部工補修 ひびわれ補修、断面補修、橋面防水 地覆補修 ひびわれ補修、断面補修

    下部工補修 断面補修

    図-3.1.定期点検結果総括

    - 7 -

  • 3.2. 橋梁補修計画一般図

    - 8 -

  • 3.3. コンクリート橋上部補修設計・下部補修設計

    3.3.1. 損傷状況

    上部工には施工時のかぶり不足の影響による、剥離・鉄筋露出、うきが確認される。 また、下部工橋台縦壁には竣工時の乾燥収縮によるものと推測されるひび割れが確認される。

    写真-1.主桁下面の剥離・鉄筋露出 写真-2.主桁遊離石灰

    写真-3.橋台縦壁のひび割れ 写真-4.橋台縦壁のひび割れ

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  • 3.3.2. 対策方針

    コンクリートのひび割れやうきは劣化進行速度が比較的遅いと思われるが、本橋は冬季に凍結

    抑制剤の巻き込みによる飛散塩分の影響を受ける橋梁であるため、劣化因子抑制のため「ひび割

    れ補修」を実施する。 本橋の上部工における剥離・鉄筋露出箇所は、主桁下面である。

    輪荷重が作用する断面においては断面修復箇所の再劣化が想定されるため、表面整形+コンクリート保護塗装で劣化因子を遮断する。

    次項に材料選定比較表を示す。 ◆ひび割れ補修対策 ひび割れからの劣化因子による内部鋼材への影響としては、ひび割れ幅が w=0.2mm 以上が影響あるとされている(参照;コンクリートのひび割れ、調査、補修・補強指針 2013)ことから、基本的にはひび割れ幅が 0.2mm 以上のひび割れに対し補修を実施することとする。

    ただし、定期点検時の結果から施工時までの間にひび割れ損傷が進行することが想定されるた

    め、本設計では 0.2mm 以下のひび割れについても計上している。 補修材料選定に当たってはひび割れ部の挙動の大きさにより材料を選定することを基本とする。

    - 10 -

  • コンクリート表面保護工法の選定適用箇所;凍結防止剤散布地域に架橋するRCT桁

    ケイ酸塩系含浸工法

    第1案;有機系被覆工法 第2案;有機系被覆工法[透明タイプ] 第4案;ケイ酸リチウム系含浸工法 第5案;シラン系含浸工法 第6案;シラン系含浸工法+防錆材付き

    従来工法 MBSクリアガード 従来工法 Osmo[HK-070015-V] マジカルリペラーHV工法[TS-03006-VR] MCI-2018工法[HK-11008-A]

    ・有機系被覆材でコンクリート表面を被覆しコンクリート構造物の劣化因子の侵入を抑制する工法である

    ・主剤;有機系(エポキシ樹脂等)・上塗;有機系(ポリウレタン樹脂等)

    ・下塗りと上塗りにポリウレタン樹脂を使用し、コンクリート表面を被覆し構造物の劣化因子の侵入を抑制する工法である。

    ・中塗材に無機系の材料を使用し、コンクリート表面を被覆しコンクリート構造物の劣化因子の侵入を抑制する工法である。

    ・中塗材;ポリマーセメント系・上塗材;有機系(アクリル系、ポリウレタ

    ン系)

    ・コンクリート内部のカルシウムイオンと反 応し、塗布材料自体が表面及び細孔表 面で固化することで組織をち密化する 工法である。・マイクロクラックを目立たせなくすること

    が可能である。

    ・コンクリート表面及び空隙の内壁に、撥水機能を有する疎水基を固着させ、外部からの吸水を抑える工法である。

    ・空隙は充填されないため組織のち密化はしない。

    ・基本抑制性能は同左・コンクリート表面に浸透系気化性防錆材

    を塗布、含浸させる工法である。・シラン系特有の撥水効果と内在するア

    ミン分子が気化性防錆効果となり内在鋼材の腐食側速度を遅らせる効果がある。

    性能

    ・遮水性;高い・水蒸気透過性;低い(膨れる)・中性化阻止性;高い・遮塩性;高い・耐候性;高い

    ・遮水性;高い・水蒸気透過性;高い(膨れない)・中性化阻止性;高い・遮塩性;高い(水蒸気のみ透過)・耐候性;高い(プライマー不要のため紫

    外線に強い+外部からの炭酸ガスを遮断し中性化防止)

    ・遮水性;中位・水蒸気透過性;高い(膨れない)・中性化阻止性;高い・遮塩性;高い・耐候性;高い

    ・遮水性;中位・水蒸気透過性;中位・中性化阻止性;中位・遮塩性;高い(凍結融解試験1200サイク

    ルまで健全性確認)・耐候性;中位※既設コンクリートの状況により、ち密化

    が十分にされない場合がある。

    ・遮水性;高い・水蒸気透過性;高い・中性化阻止性;低い・遮塩性;高い(塩水乾燥繰返し試験600

    サイクルまで健全)・耐候性;低い(紫外線劣化)※既設コンクリート状況にはあまり依存し

    ない

    ・遮水性;高い・水蒸気透過性;高い・中性化阻止性;低い・遮塩性;高い(防錆材入り)・耐候性;低い(紫外線劣化)

    含浸深さ[mm]

    - - -40mm

    ※目視による確認は困難5-10mm

    ※目視による確認は容易シラン系含浸材;5-10mmアミン成分;80mm程度

    ○ ◎ ○ △ ○ ○

    ①下地処理②素地調整③プライマー④下・中・上塗り

    ・含浸系に比べれば劣る

    ①素地調整②下・上塗り

    ・含浸系に比べれば劣る

    ①下地処理②素地調整③プライマー④下・中・上塗り

    ・含浸系に比べれば劣る

    ①下地処理②含浸材塗布

    ・表面塗布の施工となるため施工性は良い

    ・施工面は湿潤状態とする必要がある

    ①下地処理②含浸材塗布

    ・表面塗布の施工となるため施工性は良い

    ・引火性液体のため火気に注意が必要

    ・施工面は乾燥状態とする必要がある

    ・同左

    △ ○ △ ◎ ◎ ◎

    ・塗布後に内部状況が目視確認できない

    ・塗装材の劣化により保護効果の損失が判断できるため、補修対策の判断は容易

    ・特殊な無色透明ポリウレタン塗料を使用しているため、塗布後の内部確認が可能である。

    ・透明素材ではあるが塗装材劣化による目視確認は可能である。

    ・上塗り材が有機系の場合は内部状況が確認できない

    ・保護効果の把握が困難であり、将来的な補修対策の判断がとりづらい

    ・塗布後に内部状況が確認可能・保護効果の把握が困難であり、

    補修対策の判断がとりづらい

    ・同左 ・同左

    △ ◎ △ △ △ △

    15年(一般値) 15年(一般値) 10年(一般値) 3~5年(参考値) 3~5年(参考値) 3~5年(参考値)

    ◎ ◎ ○ △ △ △

    直接工事費 12,000円/m2

    9,300円/m2

    9,500円/m2

    3,500円/m2

    4,500円/m2

    6,000円/m2

    LCC50年想定

    12,000円×3回=36,000円 9,500円×3回=28,500円 9,500円×5回=47,500円 3,500円×10回=35,000円 4,500円×10回=45,000円 6,000円×10回=60,000円

    △ ○ ○ ◎ ◎ ◎

    ・耐久性は優れるが、維持管理性や経済性で劣る

    ・構造性、維持管理性、耐久性の面で優位である。

    ・全般的に中位の評価である ・施工性は優れるが、耐久性に不安が残る

    ・同左 ・同左

    △ ○ △ △ △ △

    総合判定

    コンクリート含浸系

    シラン系含浸工法

    コンクリート被覆系

    有機系被覆工法第3案;無機系被覆工法

    工法概要

    概要図

    製品名[NETIS}

    工法

    評価

    評価

    耐久性

    評価

    経済性

    構造性

    評価

    施工性

    評価

    維持管理性

    - 11 -

  • 3.4. 橋面補修設計

    3.4.1. 損傷状況

    端横桁を伝う漏水が確認される。本橋の伸縮装置本体は平成 26 年交換済みであり、橋面の伸縮装置打ち継ぎ目からの漏水と推定される。

    3.4.2. 対策方針

    床版下面において、鋼材も腐食している状況であることから、橋面防水工の設置を実施し漏水

    を遮断することが重要である。次項に橋面防水工の材料選定比較表を示す。

    なお、横断方向における導水パイプ設置部は舗装の摩耗で段差になり、導水パイプを入れると、

    導水パイプの変形により舗装が剥離し易くなる。(ドレーン径がφ15~20 を用いられるが、外径でφ20~25 程度となり舗装転厚条件も悪くなる)

    そのため、折り込みを出しても、基本車線内に入れないことと、車両通行を考慮し、路肩幅

    -250mm までは折り込み計上することとする。

    写真-1.端横桁の漏水 写真-2. 堅壁の漏水・滞水

    写真-3.導水パイプの設置事例① 写真-4.導水パイプの設置事例②

    写真-1.損傷事例① 写真-2.損傷事例②

    - 12 -

  • 橋面防水工法の選定

    【適用箇所】車道部の橋面防水工(対象橋梁全般)

    【検討方針】既設床版の上面の状態(不陸追従性)や端部処理が容易な工法を基本とする

    第1案;塗膜系防水工法 第2案;シート系防水工法(流し張り型) 第3案;複合防水工法第4案;高性能防水工法

    (NEXCO;グレードⅡ仕様)

    従来工法 従来工法 デッキコート複合防水工法[KT-120039-A] HQハイブレンAU工法[KT-140098-A]

    ・アスファルトに合成ゴムや合成樹脂を添加したものを現場で溶解して塗布することで防水層を形成する工法である

    ・基材にポリエステル系やガラス繊維などの不織布や織布に改質アスファルトを含浸させて積層したシートを、プライマーを塗布した床版に溶融した貼り付け用アスファルトを流し込み、防水シートを床版に貼り付ける工法である

    ・アスファルト加熱型塗膜系防水材と浸透系防水材(アクリル樹脂)の2層を組み合わせることにより防水層を形成する工法である

    ・工法によっては、浸透系防水材がエポキシ系やMMA(マテクリル)樹脂の工法が存在する

    ・柔軟性を有する瞬結タイプの熱硬化性樹脂などを防水材として、主に吹き付け式で施工し防水層を形成する工法である

    防水層 アスファルト加熱型塗膜系防水材 アスファルト防水シート アクリル樹脂+アスファルト加熱型塗膜系防水材 アスファルトウレタン系

    防水層の厚さ 1.0~1.5mm 1.0~3.5mm 1.0~1.5mm 2~4mm

    基本照査試験(防水便覧※1)

    合格 合格 合格 合格

    追加照査試験(防水便覧※2)

    合格しない 合格しない 合格しない 合格

    ブリスタリング発生の可能性

    比較的低い 比較的高い 比較的低い きわめて低い

    △ ○ ○ ◎

    概要

    ・従来から使用されている一般的な工法であるため施工性に問題はない

    ・流し張り施工に技術力は必要であるが、一般的に行われている工法である

    ・コンクリート表面温度により浸透系樹脂材料を適宜検討する必要がある(エポキシ樹脂系、アクリル系)

    ・塗膜防水に比べ樹脂施工工程が多く、夜間施工等の時間的制約がある場合は施工日数がかかる

    ・防水工は吹き付けによる施工になるため、施工設備の規模は左案に比べ大きくなる

    施工下地面

    ・切削溝程度の凹凸にはそのまま施工可能である(10mmを超える凹凸には事前に処理が必要)

    ・切削溝程度の凹凸にはそのまま施工可能である(10mmを超える凹凸には事前に処理が必要)

    ・切削溝程度の凹凸にはそのまま施工可能である(10mmを超える凹凸には事前に処理が必要)

    ・下地面の凹凸は1mm程度以下が要求される(緩やかな起伏には適用可能)

    施工時間(/300m2)

    3.5時間 5時間 4.5時間 7時間

    ○ ○ △ △

    約10年 約10年 約10年 約30年 NEXCO目標年数

    ○ ○ ○ ◎

    1,800円/m2

    2,800円/m2

    4,800円/m2

    10,000円/m2

    ○ ○ △ △

    ・既設床版面の凹凸や、狭隘箇所・端部処理への追従性はよい

    ・防水性能的にはは第2案、3案と同等である

    ・シートで橋面を覆うことから防水性に優れる・第一案のように骨材で防水層で貫通すようなことはない・コスト的にも比較的経済性に優れている

    ・防水性能は第1,2案と同等と考えられる・コスト面での優位性は見られない

    ・防水性能は優れるが、既設床版面の凹凸を別途・平滑にする必要があり、既設床版への適用性は低いと考え

    られる・コスト面での優位性もみられない

    ○ ◎ △ △

    工法案

    工法名[NETIS}

    概要図

    工法概要

    基本性能

    評価

    評価

    ※1)防水性試験、ひび割れ追従性試験、引張接着試験、せん断試験、水浸引張接着試験、耐薬品性試験※2)ブリスタリング抵抗性試験、はがれ負荷試験、局部変形性試験、ホイールトラッキング負荷試験、ひび割れ開閉負荷試験、せん断疲労試験

    施工性

    経済性(直接工事費)

    評価

    耐久性

    評価

    総合判定

    - 13 -

  • 3.5. 地覆補修設計

    3.5.1. 損傷状況

    過年度定期点検(H22)において、主桁架設時の切欠きによる打継ぎ処理不良が原因と推測される、張り出し床版端部および地覆側面に亀裂が確認された。その後、平成 26 年に断面修復+桁端部のコンクリート塗装部によって補修したものの、再劣化が生じている。

    3.5.2. 対策方針

    耐荷力上は影響のない範囲であるが、本橋は冬季に凍結抑制剤の巻き込みによる飛散塩分の影

    響を受ける橋梁であるため、劣化因子抑制のため断面修復補修+同様の保護塗装を実施する。

    写真-1.補修・補強部の損傷 写真-2.補修・補強部の損傷

    写真-3.H22 定期点検時 写真-4.H17 定期点検時

    - 14 -

  • ◆断面修復対策

    断面修復対策としては、コンクリート剥離や鉄筋露出によりコンクリートかぶり不足が生じ、

    内部鋼材への影響が生じてしまうことから実施する必要がある。

    修復方法としては損傷の規模や損傷箇所(施工向き)により適切に選定する必要があるが、今

    回は損傷箇所が部分的であるため、基本的には左官工法により修復を実施する。補修材料として

    は、ポリマーセメントモルタルによる補修が基本とする。

    補修箇所の再劣化防止対策としては、①損傷の脆弱部を残さないこと、②補修箇所にある程度

    の厚みをもって実施し、断面端部にはフェザーエッジ(下図)等の処理を実施することが必要で

    ある。

    - 15 -

  • 4. 施工計画(案)4.1. 施工方法

    本橋の補修工種及び工事実施における条件等を下記表に記載する。

    表-4.1. 補修工種一覧表

    部材 工種 工事条件等

    主桁ひびわれ補修

    断面補修

    桁下作業

    ※桁下に河川有

    地覆ひびわれ補修

    断面補修

    桁下作業

    ※桁下に河川有

    舗装 橋面防水 交通規制有

    橋台 断面補修桁下作業

    ※桁下に河川有

    写真-1.橋梁周辺状況(上流側) 写真-2.橋梁周辺状況(下流側)

    - 16 -

  • 4.2. 周辺状況の確認

    古川橋

    ⑥⑦至 山形

    至 鶴岡

    写真‐①.周辺状況(終点側より) 写真‐③.周辺状況(河川沿い農道) 写真‐④.周辺状況(河川沿い農道)

    写真‐⑤.交差物件(内川) 写真‐⑥.埋設管 写真‐⑦.周辺状況(桁下)出典:Google 航空写真

    施工仮設ヤード

    写真‐②.施工仮設ヤード候補

    出典:Google 航空写真

    - 17 -

  • 4.3. 施工順序及び工程

    1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月備考

    10 20 30 10 20 30

    10 橋面規制有

    10 20 30

    準備工 式 1

    工種・種別・細目 単位 数量 日数

    橋面防水工 式 1

    塗膜系

    車道部 m2 363 6 シート系

    歩道部 m2 188 6

      断面修復工 m3 0.02 10

      ひびわれ修復工 m 5 10

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  • 4.4. 施工計画図(案)

    - 19 -

  • 4.5. 施工要領

    以下に施工要領を記載する。

    ◆橋面防水工

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  • - 21 -

  • - 22 -

  • 4.6. 施工時留意事項

    以下に施工時における留意事項を記載する。

    ・補修設計図は点検調書、既存図面、現地計測等より復元設計しているため現地と不整合の箇

    所が生じる可能性がある。そのため、施工時には再度現地計測を実施し設計図との整合をチ

    ェックすること。

    ・横断方向における導水パイプ設置部は舗装の摩耗で段差になり、導水パイプを入れると、導

    水パイプの変形により舗装が剥離し易くなる。(ドレーン径がφ15~20 を用いられるが、外径でφ20~25 程度となり舗装転厚条件も悪くなる)そのため、折り込みを出しても、基本車線内に入れないことと、車両通行を考慮し、路肩幅

    -250mm までは折り込み計上すること。

    写真-1.導水パイプの設置事例① 写真-2.導水パイプの設置事例②

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  • 5. 概算工事費下記に今回設計内容の概算工事費を記載する。

    工種 細目 単位 数量 単価(千円) 工事費(千円) 備考

    橋面防水工 3,479

    橋面防水(車道部) m2 362.8 7.0 2,540 シート系

    橋面防水(歩道部) m2 187.7 5.0 939 塗膜系

    コンクリート補修工 61

    断面補修工 m3 0.022 1,100.0 25

    ひびわれ補修工 m 4.6 7.0 33 注入工法

     〃 m 0.6 4.0 3 充填工法

    ※経費率 1.80

    直接工事費(千円) 3,540

    工事費(千円) 6,372

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