2030年の住宅市場と課題 ~空き家の短期的急増は回避できたも … ·...
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第276回NRIメディアフォーラム
2030年の住宅市場と課題~空き家の短期的急増は回避できたものの、長期的な増加リスクは残る~
2019年6月20日
株式会社 野村総合研究所コンサルティング事業本部グローバルインフラコンサルティング部
部長 榊原 渉上級コンサルタント 大道 亮主任コンサルタント 亀井 敬太コンサルタント 大西 直彌コンサルタント 御前 汐莉
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目次
1.新設住宅着工戸数の予測
2.リフォーム市場規模の予測
3.空き家数の昨年度予測と実績の乖離要因分析
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1.新設住宅着工戸数の予測
2.リフォーム市場規模の予測
3.空き家数の昨年度予測と実績の乖離要因分析
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新設住宅着工戸数の昨年度の予測結果と実績値の比較
2018年度の実績値はNRI予測と比べて+2.6万戸。持家、分譲住宅、貸家のいずれも、予測値を若干上回った
35
5
0
10
15
20
25
40
30 28.525.3
26.728.8
38.8 39.8
+0.2+1.4
+1.0
60
50
0
10
20
30
70
40
90
80
100 92.7 95.3+2.6
NRI予測(2018年度実施)
持家 分譲住宅 貸家
新設住宅着工戸数の予測値と実績値の比較
利用関係別に分解
全住宅 利用関係別
(万戸) (万戸)
出所)実績値:国土交通省「住宅着工統計」、予測値:NRI
実績(2018年度)NRI予測(2018年度実施)
注)持家:建築主が自分で居住する目的で建築するもの分譲住宅:建て売りまたは分譲の目的で建築するもの貸家:建築主が賃貸する目的で建築するもの(給与住宅含む)
実績(2018年度)
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新設住宅着工戸数に影響を与える因子
新設住宅着工戸数に大きく影響を与えるのは、①移動世帯数、 ②住宅ストックの平均築年数、③名目GDP成長率の3点
新設住宅着工戸数に大きく影響を与える因子①移動世帯数 ②平均築年数 ③名目GDP成長率
人口・世帯数 経済成長住宅ストック
統計的に、新設住宅着工戸数に影響していると言えるか
新設住宅着工戸数に影響する因子として、論理的に適切か
• 総人口• 生産年齢人口• 総世帯数• 世帯主が生産年齢に
該当する世帯数• 移動人口• 移動世帯数
など
• 実質GDP• 実質GDP成長率• 前年度の実質GDP• 前年度の実質GDP成長率• 名目GDP• 名目GDP成長率• 前年度の名目GDP• 前年度の名目GDP成長率
など
• 住宅ストック総数• 平均築年数• 空家数• 空家率
など
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1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
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0
350
50
100
150
300
200
400
450
500
419
383
457
新設住宅着工戸数に影響を与える因子① 移動世帯数
移動世帯数は、2018年の419万世帯から2030年には383万世帯まで減少する見通し
移動世帯数※の実績と予測
(年)
出所)実績値:総務省「住民基本台帳人口移動報告」 「国勢調査」よりNRI推計予測値:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数将来推計」よりNRI予測
実績値(推計)← → 予測値
※移動世帯数:当該年に住所を移動した世帯の数
(万世帯)
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新設住宅着工戸数に影響を与える因子② 平均築年数
着工時期別に、住宅ストックが建築後にいくら減少するかという「住宅ストックの減少率」を算出(右の図表)。
それに基づき、着工年別住宅ストックを算出することで、平均築年数を算出(左の図表) 。
住宅ストックの平均築年数は、2013年の「22年」から、2030年には「29年」近くに延びる見通し
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
1 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60
~1960
1961~1970
1971~1981
1982~1988
1989~1993
1994~1998
1999~2003
平均築年数の実績と予測 住宅ストックの減少率 (着工時期別)
着工時期
築後年数(年)
出所)国土交通省「住宅着工統計」、総務省「住宅・土地統計調査」よりNRI推計・予測
(年) 実績値(推計)← → 予測値
(年度)
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88 95 2000 05 10 15 20 25 30
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2.01.6
2.2
1.00.8
1.10.5
1.3 1.2 1.2
-4
-3
-2
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0
1
2
3
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5
6
7
8
9
2000 203020101988 1990 2020
1.7
新設住宅着工戸数に影響を与える因子③ 名目GDP成長率
中長期的な名目GDP成長率は、概ね現状と同水準のまま推移する見込み(日本経済研究センター)
名目GDP成長率の実績と予測
出所)実績値:内閣府「国民経済計算」予測値:日本経済研究センター「第45回 中期経済予測(2019年3月14日公表)」
(年度)
実績値← → 予測値
(%)
前回の予測※に使用したデータ
今回の予測に使用したデータ
※前回の予測:第266回NRIメディアフォーラム(2018年6月13日)
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消費増税前駆け込み需要
相続税制度改正による貸家増
消費増税前駆け込み需要
リーマンショック
耐震偽装事件建築基準法改正
消費増税前駆け込み需要+阪神淡路大震災復興需要
バブル崩壊
1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024 2026 2028 2030
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134
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86
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95
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10484
78
9992
97
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8177 75
89
78 76 74
67 65
70 68
80
新設住宅着工戸数の予測結果
①移動世帯数の減少、②平均築年数の伸長、③名目GDPのほぼ横ばい等により、新設住宅着工戸数は2030年度には63~68万戸に減少する見通し
新設住宅着工戸数の実績と予測
出所)実績値:国土交通省「住宅着工統計」 予測値:NRI
実績値← → 予測値
(万戸)
(年度)
相続税制改正による貸家の供給増が定着すると仮定した場合の予測値
長期的な傾向に基づいた中長期的な予測値
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1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024 2026 2028 2030
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5964
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4648
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3534
37 37
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31
34
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23
19
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18
34
18
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21
17
32
28
20
32
2723
利用関係別に見た新設住宅着工戸数の予測結果
持家・分譲住宅・貸家のいずれも漸減し、2030年度時点でそれぞれ20万戸、16万戸、27~32万戸になる見通し
新設住宅着工戸数の実績と予測(利用関係別)
(年度)
実績値← → 予測値
(万戸)
分譲住宅
持家
貸家
相続税制改正による貸家の供給増が定着すると仮定した場合の予測値
長期的な傾向に基づいた中長期的な予測値
出所)実績値:国土交通省「住宅着工統計」 予測値:NRI
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1.新設住宅着工戸数の予測
2.リフォーム市場規模の予測
3.空き家数の昨年度予測と実績の乖離要因分析
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リフォーム市場規模に影響を与える因子
リフォーム市場規模に大きく影響を与えるのは、①新設住宅着工戸数(7~9年前)、②平均築年数、③名目GDP成長率の3点
リフォーム市場規模に大きく影響を与える因子①新設住宅着工戸数(7~9年前) ②平均築年数 ③名目GDP成長率
人口・世帯数 経済成長住宅ストックの質
統計的に、リフォーム市場規模に影響していると言えるか
リフォーム市場規模に影響する因子として、論理的に適切か
• 総世帯数• 世帯主が生産年齢に
該当する世帯数• 移動者数• 移動世帯数• 新設住宅着工戸数
など
• 実質GDP• 実質GDP成長率• 前年度の実質GDP• 前年度の実質GDP成長率• 名目GDP• 名目GDP成長率• 前年度の名目GDP• 前年度の名目GDP成長率
など
• 平均築年数• 空家数• 空家率
など
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5.86.1
6.87.1 6.9
7.5
9.1
7.37.5 7.5
7.2 7.3 7.06.6
6.8
6.26.0 6.1
5.6
6.4 6.56.7
7.5 7.47.1
6.8 6.96.9
6.26.5
6.7 6.96.9 7.0
7.2 7.3 7.3 7.3 7.3 7.37.4
3.4 3.64.1
4.44.2
4.5
5.35.7
5.45.0 5.1
5.3 5.25.6 5.4
5.15.3
4.8 4.7 4.84.4
5.05.3 5.4
6.1 6.1 5.95.6 5.8
5.15.4
5.6 5.85.8 5.9
6.1 6.2 6.2 6.2 6.26.3 6.4
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024 2026 2028 2030
8.1 8.1実績値← → 予測値
リフォーム市場規模の予測結果
リフォーム市場規模は、6~7兆円台で横ばい、ないし微増傾向が続く見通し
※ 広義 : 狭義のリフォーム市場規模に「エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額」を加えたもの
※ 狭義 : 「住宅着工統計上『新設住宅』に計上される増築・改築工事」及び「設備等の修繕維持費」出所)実績値:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォームの市場規模(2017年版)」 予測値:NRI
リフォーム市場規模の実績と予測(兆円)
(年)
狭義広義
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1.新設住宅着工戸数の予測
2.リフォーム市場規模の予測
3.空き家数の昨年度予測と実績の乖離要因分析
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総住宅数・空き家数・空き家率の実績と予測の乖離
昨年度の予測では、2018年の空き家率は16.1%と予測していたが、4月末に公表された18年実績は13.6%。戸数にして180万戸ほど予測を下回った
総住宅数・空き家数・空き家率の実績と予測
出所)実績値:総務省「住宅・土地統計調査」 予測値:NRI
総住宅数・空き家数
空き家率
(万戸) (%)
空き家数(実績)(左目盛)
総住宅数(実績)(左目盛)
空き家数(NRI予測)(左目盛)
総住宅数(NRI予測)(左目盛)
空き家率(実績)(右目盛)
空き家率(NRI予測)(右目盛)
268
3,545
330
3,861
394
4,201
448
4,588
576
5,025
659
5,389
757
5,759
820
6,063
846
6,242
1,026
6,377
1,293
6,661
1,608
6,920
1,955
7,156
7.6 8.6
9.4 9.8
11.5 12.2
13.1 13.5
16.1
19.4 23.2
27.3
13.6
0
5
10
15
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0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 2013 2018 2023 2028 2033
135万戸
180万戸
2.5pt
(年)
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予測方法
総住宅数・空き家数・空き家率は以下の方法で予測。空き家数の予測と実績の差の要因は、除却戸数と居住世帯あり住宅数にあり
※1 その他の居住世帯なし住宅には、建築中の住宅、一時現在者のみの住宅が含まれる
※2 過去の傾向から居住世帯無し住宅数を空き家数とその他に分解する際に若干の誤差が生じるため、空き家数のNRI予測と実績の差は、除却戸数や居住世帯あり住宅数の差の合計とは一致しない
+約42万戸
総住宅数・空き家数・空き家率予測の考え方
-約180万戸※2
①X-5年の総住宅数
X年の総住宅数
③5年間の除却戸数
その他※1
⑤空き家居住世帯なし住宅数
②その後5年間の新設住宅着工戸数
空き家率
居住世帯の有無で分解
利用状態で
分解
+約135万戸
2018年予測時に、統計データを用いた項目 NRI推計項目
18年実績
NRI18年予測 157万戸
292万戸
5,323万戸
5,366万戸
1,026万戸
846万戸
実績ーNRI予測
①実績値:総務省「住宅・土地統計調査」、予測値:NRI②実績値:国土交通省「住宅着工統計」、予測値: NRI③新設住宅着工戸数との相関から、「除却されたであろう戸数」を予測④国立社会保障・人口問題研究所の将来予測と同水準で推移すると仮定⑤過去の居住世帯なし住宅数との関係からNRI予測
④居住世帯あり住宅数
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除却戸数のNRI予測値と実績値の差の要因
新設住宅着工戸数に対する除却戸数の割合(除却率)は過去一定の傾向。昨年度予測ではその傾向が続くと仮定したが、2013-17年度の実績は約62%に大幅上昇
新設住宅着工戸数に占める除却戸数の割合(除却率)の推移
(万戸) (%)
新設住宅着工戸数・除却戸数
除却率
(年度)
除却戸数(実績、NRI推計)(左目盛)新設住宅着工戸数(実績)(左目盛) 除却戸数(NRI予測)(左目盛)
除却率(実績)(右目盛) 除却率(NRI予測)(右目盛)
出所)国土交通省「住宅着工統計」、総務省「住宅・土地統計調査」よりNRI算出
753
316
594
229
594
224
437
133
471
157
33.3
42.0 38.6 37.8
30.3
62.0
0
10
20
30
40
50
60
70
0
100
200
300
400
500
600
700
800
1993-97 1998-02 2003-07 2008-12 2013-17
万
292135万戸
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除却戸数のNRI予測値と実績値の差の要因
一都三県とその他道府県の除却率はいずれも直近5年で高まっており、地域による明確な差は見られない。建て方別では一戸建の除却率が直近5年で大きく上昇
地域別の除却率の推移
※建て方別の除却率について、「住宅・土地統計調査」の「長屋建」「その他」は総数が少ないため、グラフからは除いた
地域別
建て方別
建て方別の除却率の推移
(年度)
59.7
45.9 45.9
23.2
85.5
17.6 10.0
17.2
20.7
34.8
0
20
40
60
80
100
1993-97 1998-02 2003-07 2008-12 2013-17
一戸建 共同住宅
直近5年で上昇
(年度)
(%)
(%)
直近5年で大きく上昇
出所)総務省「住宅・土地統計調査」、国土交通省「住宅着工統計」よりNRI算出
42.4 32.5 36.2
17.1
56.1
41.8 41.5 38.6 37.5
65.1
0
20
40
60
80
100
1993-97 1998-02 2003-07 2008-12 2013-17
一都三県 その他
-
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62.0
30.3 30.3
62.0
82.7 82.7 82.7
30.3
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
2028-322013-172008-12
30.3
2018-22 2023-27
今後の空き家率シミュレーション
除却率が2008-12年度の水準に戻る場合、2033年の空き家率は25.2%に上昇。特措法施行後の除却率の水準が継続する場合でも、空き家率は17.9%に上昇
空き家率のシミュレーション結果
(%)
シナリオ①:今後、2008-12年度の除却率(30.3%)の水準が続くシナリオシナリオ②:空き家特措法施行後(2015-17年度)に除却が進んだと仮定した場合の除却率(82.7%)が
今後も続くシナリオ
(年)
出所)実績値:国土交通省「住宅着工統計」、総務省「住宅・土地統計調査」よりNRI算出、シミュレーション値:NRI
シナリオ②
シナリオ①
今後の除却率のシナリオ
(%)
シナリオ②
シナリオ①
(年度)
実績値← →シミュレーション
13.6
17.1
21.1
25.2
13.6
15.6
17.9
13.5 13.6
0
5
10
15
20
25
30
20282013 2018 2023 2033
14.0
実績値← →シミュレーション
-
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471
421
367
316 292
381 413 424
62.0
90.7
112.6
133.9
0
30
60
90
120
150
0
100
200
300
400
500
600
700
800
2013-17 2018-22 2023-27 2028-32
今後の除却戸数シミュレーション
今後、2018年の空き家率13.6%を維持するには、2020年代には新設住宅着工戸数と同等、もしくはそれ以上の除却戸数が必要となる
新設住宅着工戸数と、2018年の空き家率を維持するために必要な除却戸数
除却戸数(左目盛)新設住宅着工戸数(左目盛) 除却率(右目盛)
(万戸) (%)
新設住宅着工戸数・除却戸数
除却率
出所)実績値:国土交通省「住宅着工統計」、総務省「住宅・土地統計調査」よりNRI算出、シミュレーション値:NRI
実績値← →シミュレーション
(年度)
※ 上記シミュレーションに用いた新設住宅着工戸数は、今年度公表のNRI予測値(長期的な傾向に基づいた中長期的な予測値)
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おわりに
空き家の短期的急増は回避できたものの、長期的な増加リスクは残る
2019年4月に公表された「住宅・土地統計調査」によると、2018年の空き家数および空き家率はそれぞれ846万戸、13.6%で過去最高となっている。
一方で、NRIは昨年度まで2018年の空き家数および空き家率をそれぞれ1,026万戸、16.1%と予測しており、NRIが想定していたような「空き家急増シナリオ」は、2018年時点では避けられたと言える。
現時点では明確な因果関係の解明には至っていないが、平成27年の空き家特措法の施行や税制改正により、空き家問題に対する社会的関心が高まり、空き家や廃屋等の除却、非住宅への用途転換が進んだと考えられる。
しかし、空き家特措法施行後の除却・用途転換の傾向が今後続いたとしても、空き家率の上昇は避けられず、世帯数減少が加速する2033年には17.9%になる可能性がある。
こうしたなかで、2018年の空き家率を維持するためには、2020年代には新設住宅着工戸数と同等、もしくはそれ以上の除却・用途転換が必要となる。そのため、今後も引き続き、空き家対策は重要であり、政策的支援に加えて民間事業者によるビジネス化にも期待したい。
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(参考)空き家特措法・税制改正の概要
平成27年、 『空き家対策の推進に関する特別措置法(空き家特措法)』が施行されるとともに、税制改正が行われ、「空家等」 ※1や「特定空家等」※2に対する下記内容の措置が実施された
特定空家等に対する措置
▪ 特定空家等に対しては、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令が可能。
▪ さらに要件が明確化された行政代執行の方法により強制執行が可能。
財政上の措置
▪ 市町村が行う空家等対策の円滑な実施のために、国及び地方公共団体による空家等に関する施策の実施に要する費用に対する補助、地方交付税制度の拡充を行う。
税制改正
▪ 特定空家等の所有者等に対して勧告した場合は、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外。
※1 空家等:建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
※2 特定空家等:そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態 、適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために 放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
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章 参照した統計調査 用語 統計上の定義 NRI解説
新設住宅着工戸数の予測
国土交通省「住宅着工統計」
持家 建築主が自分で居住する目的で建築するもの 主に注文住宅が相当する
貸家 建築主が賃貸する目的で建築するもの主に賃貸アパート、賃貸マンションが相当する
給与住宅会社、官公署、学校等がその社員、職員、教員等を居住させる目的で建築するもの(※本予測においては貸家に含めた)
主に社宅、社員寮が相当する
分譲住宅 建て売り又は分譲の目的で建築するもの主に分譲マンション、建売住宅が相当する
リフォーム市場規模の予測
住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォームの市場
規模」
狭義のリフォーム市場規模
「住宅着工統計上『新設住宅』に計上される増築・改築工事」及び「設備等の修繕維持費」
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広義のリフォーム市場規模
狭義のリフォーム市場規模に「エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額」を加えたもの
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空き家数の昨年度予測と実績の乖離要因分析
総務省「住宅・土地統計調査」
建築中の住宅住宅として建築中のもので、棟上げは終わっているが、戸締まりができるまでにはなっていないもの(鉄筋コンクリートの場合は、壁が出来上がったもの)。
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一時現住者のみの住宅
昼間だけ使用している、何人かの人が交代で寝泊まりしているなど、そこにふだん居住している者が一人もいない住宅
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用語集